インド54日目 フォトクサールの町〜レーから西南西に69km地点 食堂裏
ラダック35日目。恐らくザンスカール地方において今日が最も厳しい行程となる日。ということで私も気合を入れて6時前には起床し朝食作り始めることに。すぐ側の食堂利用しても良かったのだが、少しでも米の量を減らして荷物を軽くしようという目論見。
8時前には走り始めてグイグイ坂道登っていく。谷底の川を挟んで対岸には昨日訪問したフォトクサールの町が小さく見えるのが大変よろしい。
2〜300mほど登ると坂道は一旦落ち着き平坦どころかやや下り基調の道となる。山の中腹に造られた崖となってる狭い道を伝って奥へ奥へと進んでいく模様。
10kmほど走ると奥から手前に流れてくる別の川があり、どうやらこの川を渡ったところで本格的なヒルクライムとなる模様。なんか昨日と似たような感じだな。
ただ異なる点は今回のシンゲ・ラ(シンゲ峠)の方が標高が200mほど高いことと、全体的に斜度が厳しい点が挙げられる。ザッと計算してみたら平均6%強で、一般的なサイクリストなら問題なく登れる角度だし私自身もその程度ならフルパッキンだろうとまぁ大丈夫。
ただ5000mに近い標高だと僅かな斜度の違いが如実に高負荷となって襲い掛かるというのが最近分かって来たのであり、このレベルの標高では斜度マックス5%まででお願いしたい。
途中から新設のアスファルトに路面が切り替わる。アスファルトならば話は別で、私もイケイケどんどんやっちゃるぜ!というか単純に未舗装と比べてパワー3割減で登れてる感じ。
経験的にアスファルトで5%の斜度なら5500mまでは乗車して走れる気がする。その辺からは如何に身体の高度順応具合が良くて低酸素でもパワー発揮できるか?という勝負になるのかなと思う。
自転車乗りはその辺の意識が薄いというか気軽に考えてる節があって、旅行用自転車では1日に走れる距離も登れる標高も限界があり、他の乗り物と比べて移動ペースが遅いため否が応でも身体が高度に順応していくものだ・・・くらいに考えている。
山頂直前で声をかけられたライダーが日本人で驚いた一幕がありつつも12時半に無事シンゲ峠登頂する。5000mには僅かに届かない4955mらしいが十分楽しい山だった。
山頂の脇に避難小屋っぽいのがあり、ちょうど良いので建物風下にて昼食休憩。寒かったら多少でも標高下げてから食事にするところだが、天気が良くて風を遮れれば5000mでもTシャツ1枚で問題ないのが7月のラダック。
そんで下り坂が始まったのは良いのだが、即アスファルトが無くなり未舗装ダートへ逆戻り。上り坂舗装されてて楽な方が良いのは間違いないが、下りが未舗装というのもそれはそれでキツい。
体力面では楽できても、一瞬たりとも気を抜けない集中力と必要以上にブレーキ握りっぱなしとなるので握力及び手全体が痛くて仕方ない。
手を休めるのもあって少々進んでは停車し写真撮るのを繰り返す。先ほどまで同じくらいの高さに聳え立ってた山々がどんどん見上げるような高さに変化していく様がたまらなく面白い。
どちらへ進んでも最終的に合流して同じルートに戻るのだが、右折するとリングシェッドというゴンパで有名な村へ寄り道できるらしい。ルート考える際に「行ってみようかな・・・」とも思ったが、更に激しいアップダウンと町への分岐路から700mの急坂と聞いて止めた。満身創痍ですよ私は。
しかしこっちのルートも一筋縄ではいかないというか、もう無茶苦茶な急斜度の下り坂で怖さが先に立つレベル。徐々にブレーキの効きが悪くなって来たので「もしかして・・・」とリムを触ってみたらものスゴい熱持ってたので急遽ストップ。
シンゲ峠から2000m近く下ってようやくザンスカール川沿いに到着した。ここから先は川を伝って進む道となるためそこまで厳しい坂道は出てこないだろうし、町へと向かうのでそのうちダートも完全にアスファルトへと切り替わるだろう。
キャンプするなら良い場所があるよ!と従業員の子に連れられて100mほど離れた丘の上にテント設営す。この時点で18時だったのでなんだかんだ早めに出発しといて正解だったな。
とりあえずザンスカール地方における核心部を無事通過できたのであり、しかし気を緩めるにはまだ早すぎるラダック。ザンスカールはまだまだ続くんじゃ。
2024年7月20日(土) 走行距離54km 累計153736km