インド55日目 食堂裏〜レーから南西に約100km パドゥムの町
ラダック36日目。地面が横に向けて微妙に傾斜しており寝心地悪かった夜。普段はこの失敗しないためにテント設営時一旦横になって傾き具合を確かめるのだが、昨日は疲れ切ってて省略してしもうたのが悪い。
ということで本日はザンスカール川を伝ってこの地方における最大都市パドゥムの町を目指す。ザンスカール自体が現代に残る秘境みたいな土地のため、その中心都市といっても大したことないのが想像できるが今の私は人口1000人でも「大都会だ・・・」と感動できる自信がある。
さてザンスカール川。ラダックでは様々な谷底を通る川沿いルートを走ってきたが、ここの道はもう限界を超えてる感じで道が構成されており、走ってる本人としても「ちょっとあり得なくないか?」と思ってしまう。
両側に立つ崖がほぼ垂直状態な上に川幅が狭くて道を造るだけの余裕がない。アルファベットの「VとかU」みたいな形してるイメージで、所々で道を通すだけの幅が確保できずに崖をくり抜いた形で無理矢理開通させている。
それを象徴するかのように幾つか慰霊碑が建てられており、落石によって亡くなった方を弔う文言が記されていた。今年も新しい道が開通された訳だが、ザンスカールに道路を通すということはそれだけ危険が伴う一大作業ということなのだろう。
ときどきギュッと狭いポイントで急斜度の上り坂が出てきたり、突然地面が砂地になって自転車埋れて押して進むことになったりと、地面の状態だけならザンスカールで1番厳しいのだが。誰だよザンスカール残りはもう楽勝だぜ!とか言ったやつ。
この写真の直前で大人数で工事作業していたのが印象深い。恐らくは道路を拡張させるための工事であり、つまりこの崖を切り崩して道を広げようとしてるワケだ。何というか凄いな人の力ってのは。
この時点で露出している手も足も砂埃に塗れて真っ白だった。恐らく私の顔もそうだしロシナンテ号もあらゆる部分が砂だらけ。とりあえず見つけた水場で目立つ部分は洗っておいたが、またどこかのタイミングで整備作業しなくては。
食堂があると地図に出てたが真っ赤な嘘だった。こんなことなら20kmほど手前にあったテント食堂で食事しとけば良かったなと思いつつ、手持ちの携行食のみでこのままパドゥムを目指すことに。
ラダックはこうした「ホームステイはあるけど食事できる場所はない」という自力で移動してる旅行者に対して厳しい地域が多い印象だ。それで困るのは主にサイクリストのみなので問題が表面化しない気もするが。
とりあえず食事し落ち着いてから宿を探す。町の中心部である十字路から各方向に宿泊施設があるようで、適当に南側のモスクの側にあったゲストハウスに投宿する。
これが流石というか普段自分でサンダル修理してる身としては、プロの手筈の鮮やかさに惚れ惚れしてしまう。壊れてる箇所だけ直してもらおうと思ってたけど、最終的にサンダル全体に補強入れてもらった。とても丁寧に仕事してくれたので、私にしては珍しく料金上乗せしてお支払いしたほど。
そのまま夕食にしようとお店入ったら、昨日シンゲ峠で出会ったライダーの方と偶然再開する。お互いあの悪路を走ってきた同士なので話がとても楽しく酒もないのについ長話に。お互い事故ないようにと祈りつつ別れるのはラダックならではの気がするな。
2024年7月21日(日) 走行距離77km 累計153813km