インド61日目 カルギルの町〜レーから西に約170km ダラスの町
ラダック42日目。当初ラダックを訪れる際の予想では「長ければこの土地1ヶ月くらい滞在するかも・・・」と想像していた茶壺さん。途中でウムリン峠の存在を知ったり、何故かザンスカールの山中を抜けて走ったりとかして思った以上に長期滞在となった。
ここカルギルから西へと向かうと100kmほどでラダック終了となる。ラダックという土地へ出入りするにはレーマナリハイウェイを辿って行くか、このシュリーナガル・ラダックロードを利用する2つの道があるのだが、こちらの道を利用する旅行者はかなり少ない。
というのもこの隣国パキスタンと近しい場所というのが問題なのだ。インドとパキスタンは両国が独立して以来、ずっとこの地方の領有権を争うカシミール問題を抱えており、結果国の仲は悪いしカシミール地方は治安的にもあまり宜しくない土地だったりする。
このルートはそんな問題を抱えるカシミール地方へと進んでいく道であるため、あまり旅行者が多くないのだろう。あとインドの北端に当たる場所なので、西へ移動しても結局その後南下する必要があり回り道になるというのもある。
私も最初は走るべきか迷っていたのだが、インド人曰く「カシミール地方でも田舎は全然問題ないよ。シュリーナガルの町は観光で人気だし治安も問題ない。ただジャンムーの町はあまり行かない方が良いね」・・・という具合であった。
ということでジャンムーの町は回避しつつ南下していくルートで走行することにした。流石にもっかいレーマナリハイウェイ走行し5000m級の峠3本越えて行くのは勘弁という気持ちがある。
この道路はザンスカールほど僻地じゃないし道中多少は商店や食堂がありそうな雰囲気だが、もう飢餓感を抱えながら山中を走るのは嫌だ。特に今は携行食も僅かしか保持してないし。
ラダックから離れるということは低地へ向かうことと言って差し支えない。実際シュリーナガルの標高は約1500mとカルギルよりも1000mほど低地にある。
にも関わらずガッツリ1000mアップとはどうなのよ?そこまで登った峠の山頂がラダックとカシミール地方との境界線らしく、正真正銘これがラダック最後の峠なワケだ。
カルギル手前くらいから感じてたのだが、イスラム教色の強いエリアに入ったくらいから地元住民に声かけられたり挨拶される回数が激増したように思う。自転車旅行しててインドで1番多いのは地元民が話しかけるでもなくただジーっと注視してくるパターンで、これが結構ストレスになる。
何しろ1日中何十人もの人からジッと見つめられ続けるのだ。ラダック入ってからはこれが減ってかなり気が楽になったのだが、ここに来てフランクな中東世界の雰囲気が戻ってきた感じで結構楽しい。
小さな町の郊外で溶接作業してる人を発見し、毎度壊れているフロントキャリアの破損を修理してもらう。実はラダックだけでキャリア折れたの2度目であり、1回目はレーの町中で同じように破損部分を溶接修理してもらった。
60kmほど走ってダラスの町に到着し、今日はここで夕食済ませて適当に郊外にてキャンプしようと考えていたのだが。思ってたより大きくツーリスティックな町で、私の姿見つけるなり勢いよく営業してくるホテルの人たちに負けてつい投宿してもうた。
シャワーの温度がほとんど上がらず「おいおい・・・」とか思ったけれど、この先再び低地インドに戻ればむしろホットシャワーなど勘弁してくれ!・・・となるのだろう。8月のインドはまだ茹だるような暑さだろうか?
2024年7月27日(土) 走行距離60km 累計154119km