サウジアラビア26日目 公園〜リヤドから西北西に174km地点 ガレ山麓
心配してた風は夜の間にかなり弱まり風向も変わった。昨日無理して進まなかったのは大正解ということですよ!と私も胸を張って喜びたい。
南南東からとなったので、この後幹線道路に復帰すると真正面からの向かい風となってしまい今日1日厳しい走行となることを予感させるのだが。これって損したのか得したのか?
地図で確認する限り110km先にあるウシャイキルの町まで道中買い物できる場所はない。現在予備食材以外は持ってないので、今晩マトモな食事がしたいのであれば向かい風の中を100km走って町へとたどり着く必要があるワケだ。
想像では途中にガソスタに併設されてるスーパーとか出てくるような気がするけれど、一応最悪の場合を想定して出発時にボトルの水も満タンに詰めて気合入れて出発する。
昨日ほどの強風だったら何もかも諦めてしまっただろうが、かなり風力弱まっているので頑張り続ければ大丈夫・・・という嫌らしいレベル。自転車旅行で丸1日走行するには全力で漕いでる状態を10とするなら、普段は5〜6くらいの力で漕ぎ続けてるイメージなのだが、今日は6〜7くらいの「やや力入れてる」状態でペダルを踏む。
全然人工物が出てこない。ガソスタどころか廃墟の1つも姿を見せず、これ昨日無理して進んでもテント張る場所が見つからずに酷い目に遭うところだった。冴えてるな昨日の私。
ひたすら地平線へ向かって進み続けるも、お昼になっても人工物が出てこない。風を遮る遮蔽物が無いことにはパスタ茹でることもままならないのだがどうしよう・・・と思いつつ。50kmちょっと走って大規模な農園が複数出て来た時には「これならどこかで休めそう!」と思ったのだが、あまり良い感じに風除けとなる場所が見つからないままスルーして。
こんな場所に建っていながら私がモスクの風下でお昼食べてる間に10組くらい来訪者が来たのは驚きだ。本当にサウジアラビアという国はイスラム教が現地の人たちに根付いているのだということを感じさせる。
この手のお誘いに私は決まって「ありがとう、でも自分の力で進んでいきたいんだ」とお断りするのだが、彼らはこの感覚があまり理解できないようで不思議そうな顔していた。基本的に「自らの力を使って移動することの価値」というものを理解してくれるのは先進国の人間で、そうでないくにの人は「何でわざわざ大変なことするのさ?」という感覚が先行して疑問に思われることは多い。
お昼休み以外ほとんど休憩を取らず走り続けて何とか17時過ぎにウシャイキルの町へ到着した。町手前にあった立体交差点を通り過ぎると町の姿が見えたのだけど、久しぶりに町見えたことがとても嬉しかったな。
町中入ってスーパー探すが、結構大きな町にも関わらず住宅ばかりが並んで商業施設がほとんど姿を見せないし、全くと言って良いほど人気がなくてちょっと不気味な雰囲気を受けるな。ゴーストタウンじゃないんだから。
結局町外れの大通りに商業施設が固まってる区画があり、ようやく食材ゲットすることができた。そのまま近くのモスクで水を補給して準備整ったのでテント腫れそうな場所を探して町郊外をウロウロする。
かなり大きな公園がありそこの森林エリアにでもテント張ろうと思ったが、サウジアラビアの木ってほとんど自生しておらず常にスプリンクラー等の設備で水を撒くことで生育されている。つまり下手にテント張ると深夜にスプリンクラーが作動して自転車もろともびしょ濡れになる可能性があるワケだ。
結局それが怖くて町の郊外まで出てしまいガレが積もった山の影にテント設営してようやく本日終了に。町に到着した時間遅かったので仕方ないところもあるが、また真っ暗になるまで走り続けちゃったよ。
サウジアラビアで完全なる休息日を取ることは恐らく無いと思ってるので、日々の疲れを溜めないよう早め早めの走行終了を心がけましょう・・・と改めて心に誓いつつ。
2025年2月18日(火) 走行距離119km 累計163548km