2025年3月21日〜4月3日
 走行日数15日間
 累計走行距離839km(165819km〜166658km)

◎道路
 アラビア半島の国としてはややレベル低いが主要道にはしっかりと広い側道が敷かれており安心して走ることが可能。加えて首都近郊以外は交通量も少なめなので感覚的には走りやすい。そんで国内北部は山岳地帯であるため山を抜けるような道だと結構なアップダウンが待ち構えている。それほど斜度がキツい訳ではなかったが、とにかく暑い中でのヒルクライムとなるのが大変。山自体の標高も1000m程度と夏でも涼を感じるまでは登らないため、上り坂を見ると「水の残量は充分か?」といった点で注意が必要になる。
 嬉しかったのが首都でも比較的自転車での移動が楽なことで、自転車道なんか無くて構わないからこうした「自転車も」走れる道を用意してくれよ・・・という気持ちになる。要するに100%車両のためだけに造られたタイプの町ではなく普通に1国の首都という感じなのだが、都市の規模も小さいし私はマスカットの町なら自転車で色々走ることを厭わないと思えたな。

◎治安
 変わらず非常に良い感じ。夜にテント張ってる側でラマダンの食事会が始まってしまったこととかあったけど「怖いから移動しよう」と感じることなかった程度には安心していた。結構他国からの出稼ぎ移民もいたりするのだけど、オマーンは割合その数も少ない気がしてそういった点でも安心感あったな。
 大きな町はマスカットしか訪れてないけど、別に市内で嫌な雰囲気を感じる場所も無かったし基本的な点に注意してればそんなトラブルに遭遇することないと思われる。

◎ビザ・出入国
 日本人の場合はノービザだと14日間の滞在が可能。山の多い国だし国土面積的にもノービザ入国だと一部しか走行できないためビザを撮る選択肢も多いにあると思う。なお大使館に行かずともeビザが発給されているためネットで取得することが可能。実は当初の予定だと南部にあるサララの町まで移動してフライト・・・という計画を立てていたためeビザを取得するつもりでいた。あまりの暑さと30日間のビザにしては結構値段が高くて変更したのだが。せめて2月だったらなぁ〜

◎交通事情
 やはり悪い。何度か脇スレスレを物凄いスピードで走り抜けてったトラックとか居てすこぶる印象が悪いのだが、オマーンに関しては移民の割合が少ない感じで一般車両も危ない運転してたのを何度も目撃してるため「南アジアの人たちが運転マナー悪い」という感じではなく、オマーン国民も総じて危ない運転するという感想だ。
 別に信号無視するとか逆走といった「法令無視して運転する」といったドライバーはいないのだけど、単純に運転が下手だなとも思ったしマジで自転車の存在が見えておらず運転してんじゃないか?という感じを受けたことが何度かある。冒頭のスレスレを追い抜いていったトラックなんかが正にそれ。
 交通量自体がそこまで多くないためローカルな道を走ってもそれほど危険は少ない反面、側道が無くなることが多い。こうした道が大きな町に隣接しており道路の拡張工事をしていない「道路は狭いけど交通量は多い」というポイントがあると非常に厄介。私の場合はスルの町へアクセスする時がこの条件に合致して非常に怖い思いをした。ちなみに車両は右側走行。
 まぁ危険な車両がいたことは間違いないが、全体としてはそこまで酷くはなかったのも事実。こういうのは実際に怖い思いしたか否かという点が大きく影響してくると思ってるし。

◎特徴
 アラビア半島の国にしては山脈が広がり山がちな地形であり、またその周辺には緑も豊富で砂漠ばかりが続く気候とは異なる国である。このため他と同じように砂漠の平地をひたすら移動するという形にはならず、アップダウンの割合が増えるため暑い時期であるほど負荷の大きさから熱中症等の暑さ対策が求められる。
 内陸部はそこまで山がない(らしい)が、そちらには世界で最も水分が無い地域のエンプティクウォーターにかかっており山岳地以上に過酷な走行となるため、国土全体を通して自転車旅行には割と厳しい土地が多い。いや南部に関してはあまり知らないのだが。

◎気候
 3月後半で相当な暑さだったが、地味に暑さが落ち着いた状態なら日中の気温も30度前後で落ち着いた日もあり日記本文で書いてるほどヤバい気温ではなかった日も多い。まぁオマーンにおいて注意すべきは気温じゃなくて強烈な直射日光の方であり、実際風の無い日向に出てると数字以上に厳しい環境だと感じる。今回滞在中に記録した最高気温は多分36度。
 走行したエリアが山の多い場所ばかりだったので他のアラビア半島における国々ほど風による苦労が少なかったと感じる。野営しててもテント内に砂が入り込んでくるような事態は1度もなく、追い風となる日が多くてオマーン走行では楽できた日が多かったなと思ってる。

◎言語
 変わらずアラビア語が公用語。英語ができる人は都会だと半々といったところかな?UAEよりは英語の通用率落ちるがサウジアラビアよりは若干高いといったところか。看板表記に関しても基本は英語も併せて載せてくれるため文字が読めずに苦労したという記憶はない。
 サウジやUAEほどではないがオマーンも南アジアからの出稼ぎ労働者が多く、なんだかんだ言っても(海外に出てくるような)インド系の人は英語を話せることが多いのでその点でも楽。特にオマーンで働くインド人は英語話せないという人に1人も会ってないんじゃないか?と感じた。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 人口少ない国だからか人気の有無で野宿に苦労することはほぼ無かった。ただオマーンではテント張ってた場所が砂地じゃなくて普通の土の上というパターンだったけど、そうした場所に生えてる植物が鋭い棘を持ってるトゲトゲ植物ばかりなのが大変。この棘がそこかしこに散らばっているためテント敷く場所に気を使うし、自転車のタイヤ貫通してパンクしたことも複数回あった。暗くなってからそういったエリアに突入する場合はこの辺を慎重になる必要がある。
 宿使ったのは首都のマスカットのみだが、1泊1000円しない宿もあったりと結構安くて驚いた。そういうのはドバイと同じく市内中心部におけるアパートの一室を利用したタイプの宿だったため利用しなかったが、マスカットが偉いのは中心部から少し外れた戸建て住宅エリアにもちゃんと一軒家タイプのホステルがあったこと。そうした宿の方が少々値段高かったものの、敷地内に自転車おいておける安心感と共有スペースで気楽に寛げる良さを考えたら1泊2000円以下だし充分だと個人的には思ったな。
 なおWi-Fiに関しては今回ラマダン期間にぶつかったことが最大の問題で、カフェはもちろんチェーン展開してるWi-Fi付きの飲食店関係(マックとか)も全て日中営業しておらず利用すること出来なかった。まぁオマーンのマックは電話番号にパスワード送ってもらうOTP方式なので、どちらにしても電話番号持ってないとWi-Fi利用できないのだが。
 その他のWi-Fiも同様にOTP方式が多く、最初の1週間はほぼネットに接続することが出来なかった。流石に困ってしまいSIMカード購入したのだが、7日間の2Gしか使えない最低料金のプランでSIMカード代含めて3リヤル(約1170円)だった。ラマダンでなければまた違うかもしれないが、マスカット以外の町で安宿見かけなかったしオマーンではSIMカード購入するのは悪くない選択だと思う。

◎動物
 安定のヤギラクダ以外だとオマーンではハエや蚊、虻といった生き物が比較的多く、キャンプで調理してる最中にテント内へ入られ困ることが度々あった。やっぱ砂漠の割合が減ったからかな?なお最初から最後まで犬を見た記憶はない。
 これ以外だとロバを何度か見かけて奇蹄目(要するに蹄のある区分)の動物が砂漠に生活してるのか!と驚いた理したのだが、モロッコとかもそうだが完全な砂地じゃない土地ならラクダ以外にも馬とかロバは結構買われてるんだよな・・・とか思い出したり。私が見たのは飼育されてる雰囲気なかったロバだけど。

◎自転車店
 首都のマスカットには幾つか専門のショップがあったしアラビア半島走行する自転車旅行者はここからフライトする人が多い関係で、ショップ側も梱包用ダンボール欲しいと言えば有料だが売ってくれる。幾つかショップ見学したがギア関係は値段こそ高いがソコソコ品揃えがあったし、安価な部品であればマスカットならデカトロンがある。でも自転車での旅行に使えるようなアイテムはほとんど見なかった。
 首都以外の町では小さな修理店を見かけることはあったものの、スポーツ用自転車を取り扱ってる所は全然見なかったので期待しないほうが吉。それでも海岸線の道で何度かロードバイクの姿を見かけたのでオマーンでそうした自転車の需要が全くないという訳ではない模様。

◎物価・食事
 UAEよりまた少しだけ物価下がった印象。滞在中はほぼラマダン期間だった関係で飲食店は閉まっていたためあまり値段を確認することが出来なかったが、スーパー等の小売店に関しては普通に営業していたため。大きなスーパーなら惣菜コーナーとかお弁当っぽい品も扱われており400円程度でチキン&ポテトのパックが食べられる。
 野菜や肉は他のアラビア諸国とあまり変わらないが、オマーンは鮮魚の値段がかなりお求めやすくなってる印象でちょっと買ってみれば良かったなと思ったり。物によっては肉より安いので検討する価値ある。
 相変わらず酒類は全く姿を見ることがなく、一応許可を得たホテル等で一部取り扱いがあるとされてるが地方の田舎にはそうした場所も見当たらず、結局この国でも最後までノーアルコールで過ごした。アラビア半島で飲酒というのが相当難しいというのは間違いない。
 そんな感じで結局オマーンにおける地元の食事というのはろくに食べていない。強いて挙げると日没直後のモスクにてサウジで何度も食べたカブサを摘んだことがある程度。後は謎にフルーツを食べる機会が多かったかな。ほとんど貰い物だけど、オマーンでは果物ほとんど生産出来ないだろうにやたら値段が安かったので走行中エネルギー補給の選択肢として有りだなと思ってた。

◎総括
 あまりこの国を意識したことがないというか、特にイメージの無かったオマーンだけど砂漠の土地にそびえ立つ山々の世界は走ってみるとダイナミックで迫力があり大変面白いと同時に暑くて脱水を引き起こす「大変だけど楽しい」系の国として強く印象に残った。
 かなりイスラム教の戒律が強く、ラマダン期間中だったこともあって旅行するのに苦労が多かったのは間違いないが、アラビア半島の国では最も物価が安く、車社会に傾倒し過ぎていない自転車が走りやすい構造をしてるので経験豊富な自転車旅行者ならばとても楽しめると思う。
 ただ国土の割にノービザ滞在期限が最大14日間とかなり短いのがネックであり、北の一部分しか走り回ることが出来なかったのは残念といえばそう。南西部に隣接するイエメンは現状入国できる治安ではない関係でアラビア半島を自転車旅行する場合オマーンという国はフライトで到着するか発進するかのどちらかになることが多い。そうした際に北部のマスカットではなく30日間のビザを入手して南部第2の都市であるサララを起点にしてみるのも面白いんじゃないかな。走って移動することが大変魅力を感じた国なので。