2025年4月30日〜5月20日 6月20日〜6月23日 6月26日〜6月29日
走行日数29日間
累計走行距離1689km(1回目1301km・2回目264km・3回目124km)(168283km〜169584km・171338km〜171602km・171768km〜171892km)
◎道路
これはかなり悪い。大都市間を繋ぐ道路であれば割と新しく綺麗な舗装された道が多いものの、ちょっとでもそうした道を外れるとボコボコでひび割れしまくった道の割合が一気に増える。意外に完全な未舗装路というのは少ない印象で、アスファルトが穴だらけだったり長期間整備されておらずに凸凹になっているタイプの路面が多数。
側道はやや狭いながらもしっかり確保されてる一方で、やはり路面状態が悲惨でまともに走れないといった場面も多くちょいちょい怖い場面に出会す可能性がある。
国土の多くが平坦または非常に緩やかな坂となっており、登り坂で苦しめられるといったことはほぼ無いのは有りがたい点か。
意外と信号の数が多く、やや田舎町の小さな交差点なんかでも信号機が立ってたりしてストップ&ゴーの回数が多い。でも切り替えのタイミングが早いので何分も赤信号の前で待たされるといったことにはなりにくいが。
観光地でも完全な旧市街は路面完璧に整備している反面、その周辺の一般住宅街エリアだともうボロッボロのガタガタ道で降るパッキンの自転車ではまともに走れないレベルだったりする。結局ウズベキスタンは観光地に関しては多大な設備費を投資する一方で、それ以外の場所に関してはインフラへの意識が低いというのが私の感想かな。
◎治安
良い。ブハラやサマルカンドでは夜中も普通に歩き回ったりしてたけど、そんな時間帯でも一眼レフ首から下げた観光客がウロウロしている程度には治安が良い。田舎はそもそも人がほとんどいないし。
都会や観光地といった場所でそれほど緊張感なく動き回れるという意味ではかなり安心感が高かったように思う。もちろん旅行者としてトラブルに遭遇しないようある程度の注意は払っていたが、治安に関してウズベキスタンは相当良い国だと思いますよ。
◎ビザ・出入国
日本人の場合ノービザで30日間まで滞在が可能。んで宿の項でも述べてる通り、出国時には国内滞在中に宿泊した宿の滞在登録証を提出&確認する作業が求められると聞いていたのでドキドキしていたが、結局3回とも出国時にその手の確認を求められることはなくアッサリ手続きしてくれた。拍子抜けといえばその通りだが、係員が出国者の中からランダムに登録証の確認するという話を聞いたりもしてるので運が良かっただけかもしれず、この制度自体が効力を失ったと断言することはできないかな。
ただし出入国にかかる手続き自体は非常に面倒くさいパターンが多く、特にキルギスからウズベキスタンへ入国する際には「パスポートか汚い」と文句が始まりイミグレのボスまで出張ってくる事態となり大変苦労した。やたら荷物検査が多かったのも印象的で、超絶適当だったパターンとの温度差で風邪ひきそうになるくらい。個人的には大人数が利用する都市部に程近い国境だと面倒なイメージがあるのでそうした国境は避けれるならそれが良いと思うのだけど。そもそもウズベキスタンの小さな国境は自国民以外利用できないタイプがあったりするため、あんまり辺鄙なルートを走ることもできないのが悩みどころ。事前に外国人が通過できるかのチェックがとても大切。
◎交通事情
悪い。結構クラックションを鳴らしてくるタイプの国であり、何故か乗用車の8割以上がシトロエンであるため同メーカーのイメージまで悪く思えてくる程度には運転マナーの酷いドライバーが多い気がする。
といっても南アジアみたいにルールも何もない無茶苦茶な運転をするのではなく、道路を逆走してくるのは自転車と電動バイクのみだけど高速道路を何百mも平気でバックしてくる・・・みたいな「致命的な行動はしないけど、その運転はどうなのよ?」的な運転は平気でやってくるくらいの認識だ。あと単純に運転が下手というか、道路脇に停車・発進する際、他の車両を確認せず飛び出す/飛び込んでくるため自転車的にはとても恐ろしい存在。目の前で急にドアを大開で開けたりするので安全マージン取って運転してるのだが、そうすっと後ろからクラックション鳴らされたりとか地味なストレスが大きかった。
あとそこそこ信号機が多い国なのだけど、ウルグアイのドライバーは赤信号が切り替わる前からフライング気味に飛び出してくるのに加えて信号自体が切り替わった後のタイムラグが少ないように思う。なので青信号が点滅してる位のタイミングで交差点突入すると交差点途中で車両が横からバンバン迫り出してくる・・・という状況に遭いやすいと感じたので無理しない方が良いかと。
◎特徴
世界に2カ国しかない二重内陸国の1つ。なおもう1つの国はヨーロッパのリヒテンシュタインで、自転車でも数時間で国内横断してしまうほど小さい国であるためウズベキスタンの特異性という意味で非常に大きい。
なお二重内陸国とは「隣り合う国が全て内陸国」という条件であるため、ウズベキスタンは海に出るためには最低2度の国境越えをする必要がある国ということ。
ウズベキスタン的には貿易の運送コストが非常に高く付くデメリットが大きそうだが、旅行者的には海から遥か遠くに位置している大陸性気候の影響が強い国という面で影響が大きい。要するに寒暖の差が非常に激しい土地であり、オマケに国内の8割以上が砂漠気候のため日中は激しく熱く、そのクセ夜間は震えるほど寒い。年間の晴天率が高いことでも知られている町が多く、直射日光の影響を避けて走行することが難しい国なので特に過疎地域が広がる国内西部を真夏の時期に走るのは相当難易度が高い。
◎気候
海から遠いことが影響してか正に大陸性気候の特徴を思わせる日中すこぶる暑いが湿度は少なく、夜になると一気に気温が下がる・・・という5月6月であった。国土の半分くらいは砂漠なので全く雨が降らないが、別に東部地域だからといって雨が降るかというとそんなことはない。天気予報とかで雨マークがあったとしてもごく短時間に少量の雨降る程度で走行スケジュールを把握しやすいという点では良いかもしれないが。
標高の低い土地では5月の時点で40度近い気温になるため湿度云々とかで耐え凌げるレベルを超えており、特に西武の人口希薄地帯では何十kmにも渡って人工物すら出てこない土地が続くので熱中症の対策必須。
なお風は全体的に西→東へ吹いているものの、恒常的ではなく普通に丸1日に渡って逆方向からの風となったりするので信頼しすぎると痛い目を見る。これも西部の砂漠地帯の方が風力強い傾向にあり、30km/h以上の風が吹き続ける日も珍しくなかったので運次第では滅茶苦茶快適な走行ができる。向かい風だったら地獄だが。
◎言語
公用語はウズベク語で、やっぱりロシア語の通用率も高いらしい。というか中央アジアの国々は割と言語帯が近いそうで、半分くらい意思疎通が可能なのだとも聞いた。そういう流れからかやはり英語の通用率は低めなものの、観光関係が強いためか主要な都市だと普通に食堂の定員が英語話せたりする場面に遭遇することも多くカザフスタンほど困る場面は少なかった。ただし田舎で食事注文するのは結構大変といえばそう。キリル系の文字を使ってるのでメニューがあっても読めないからさ。
◎宿(野宿)・Wi-Fi
ウズベキスタンは宿の宿泊関係が非常に面倒くさい国であり、というのも宿泊した宿毎に通称レジストレーションと呼ばれる滞在証明書を発給してもらう必要がある。この滞在証明書を出国時に審査することで旅行者の動向を監視するという旧ソ連からルールを引きずってるらしいがはた迷惑な話である。
んで自転車旅行者がウズベキスタンを横断する場合、道中に結構な人口過疎区域が存在しておりまず間違いなく宿泊施設を繋ぎながらの移動は不可能であるという点が問題だ。とても不安なので方々からこの制度について話を聞いてみたのだが、そもそもレジストレーション制度は2025年現在でかなり適当だったりなぁなぁになっているともされており、出国時に確認される滞在登録の紙(若しくはPDF等のデータ)について何も言われぬままスルーされたという報告も数多い。とはいえこの制度自体が完全に無くなった訳ではないらしく普通にチェック受けたとか滞在証明がなくてトラブルになった報告も見つけたので、係員が真面目かどうかだとか出国者の中からランダムでチェックする人を選んでるとか言われている。何にしてもトラブルを避けるために宿に宿泊したらチェックアウト時にレジストレーション頂戴とお願いするべき。これを言わないとそもそも証明書を発給しない宿も多いので要注意。
さてこの滞在証明書だが、基本的には入国から72時間以内に宿泊した証明が必要だそうで、それ以後は最後に宿泊した施設から同様に72時間以内の滞在記録があれば審査的には問題ないという話。それでも私はヒヴァ〜ブハラ間を4日かけて走行してるので問題となるのだが、この点に関しては突っ込まれたら「自転車で宿泊施設に辿り着くのが無理だった」と説明するしかないと割り切っていた。幸いにしてこのルートを逆走してきた日本人サイクリストに2組出会っており、彼らは両名ともこの点が問題視されることなく出国できたので何とかなると思っていた節がある。
そういう背景があるためウズベキスタンではある程度の規模の町なら多少値段が高くても宿を活用して宿泊していた。都市部を除けばいくらでも野営出来る場所が豊富にある国だけど、ホステルなら1泊1100円くらいからあるのでリスクを減らしたかった。値段の割に広くて設備の良い宿が多く、Wi-Fiは安定してないものの速度に関しては充分満足できるものだったのでコストパフォーマンス的にも優秀だし。
ただし普通の民家を宿泊施設にしてたりレストランが併設しているタイプの宿が多く、宿泊客がキッチンを利用できた宿は私の場合サマルカンドのみだった。これに加えて観光地や都市部の場合は「観光税」なる料金が追加で必要となることが多く、またこれが宿泊施設の予約サイトとかでは総額料金に加算されていないパターンも多い。なんでこう細かい部分で嫌らしい仕様を加えてくるかなウズベキスタンは。
◎動物
西部ではラクダとかも見たが、東へ進むに連れて羊やヤギといった家畜ばかりが目立つようになる印象。標高自体は1000mを超える土地もあったが全体的に平野が広がっている国でヒマラヤの山々で見かけた動物というのをウズベキスタンで見た記憶はほぼない。
二重内陸国の割にそこそこ鮮魚店があったり釣りしている人を見かけたりと魚が豊富であることを感じさせることがあったのが興味深い点。それと砂漠らしくハエにまとわりつかれることは多かった反面、蚊の存在を意識したことはごく僅か。暑すぎて蚊が生存できる環境ではないのだろうか?
タジキスタンではロバ、キルギスでは馬が存在感を見せていたがウズベキスタンだと半々くらいのイメージで、牛に関しては普通に沢山見かける。特に旅行していて危険と思われるような動物に関しては話を聞くことも姿を見ることもなかった。
それと特に西部の砂漠地帯でバッタが飛び回っていることが多く、下手すりゃ道路や建物一面にびっしり集まって蠢いており非常に気持ち悪い。これって蝗害か?と疑いを覚えるほどである。
ちなみに犬はそこそこ追いかけてくる奴に遭遇した。この暑さでよくまぁ元気に走ってくるなと思っていたが、向こうもしつこく駆け回る元気はないのか、ちょっと離れるとすぐにUターンして戻っていく姿をよく覚えている。
◎自転車店
首都であるタシケントに辛うじて「それなり」レベルのスポーツバイクショップがある程度。サマルカンドやブハラといった大都市でも(しっかり探さなかったとはいえ)見かけたのは完成車をそのまま販売するだけのショップでトラブル対応やパーツの交換に対応してくれるかは怪しい店が多かった。
かなり広い国土で全体的にこのレベルであるため割と自転車旅行している身としては難易度が高い。難しいのが中央アジアにおける周辺諸国も似たり寄ったりのレベルである点で、西からやってくる場合はアゼルバイジャンのバクー、運が良ければカザフスタンのアクタウでしっかり下準備をしておかねばマトモにチェーンすら購入できず困ってしまう可能性が高い。なお東から来る場合はキルギスの首都ビシュケクに先進的なショップがあるとのことで、装備品に関しては最悪この2点間で入手不能になる場合もあると想定しておいた方が良い。まぁアフリカ縦断よりは距離短いから大丈夫さ!
◎物価・食事
中央アジアにおける4カ国(トルクメニスタンは知らん)ってかなり文化的に似通ってる印象があったのだけど、その大きな理由となるのが「どの国いっても食事メニューに変化が少ない」という点があったからだ。もちろん同じメニューでも国によって特徴が異なったりしてて興味深くはあるのだが、ウズベキスタンならでは!というメニューというのがとんと思い出せない程度には日々プロフやラグマンばかり食べていた気がする。ちなみにウズベキスタンは全体的に油をふんだんに使いまくってる印象で、全体的に重たい料理が多かった。
そしてイメージ悪いのが郊外とかにある食堂だとプロフ単品で注文しても勝手にパンとサラダ、チャイの3点セットが付いて最初に提示された料金の1.5倍くらいの料金にされること。これが観光地とか都市部の食堂だとこうしたメニューはサービスで付けられてることも多いので酷い罠だと思ったよ。
安い店なら2〜300円で食べれる店がある一方で、先に挙げた店では1食に7〜800円くらい取られたこともあり、観光国特有の「事情を知らない外国人から騙し取ってしまえ」という雰囲気を感じることが多かったように思う。
これに加えてアルコールの販売許可店が少ない印象で、特筆するほどビールの値段が安い(2ℓで200円とか)のに、そもそもビールを売ってる店が見つからなくて飲むことができないというパターンが数回あった。特に東部、それも地方の中核都市レベルだと個人商店や大型スーパーでは酒類の扱いがなく専門のリカーショップに行かねば販売されてないパターン多いので注意が必要。イスラム教が主体となる国で酒を安く飲めることは有難いなと思うんだけどさ。
◎総括
中央アジア5カ国の中で最も観光的な人気が高く有名な国と評されるが、自転車旅行的には野営の自由が制限される上に道も交通マナーも悪く、オマケに内陸部における盆地の土地であるため気候的にもしんどく大変だったという印象のが強い国。
親切にしてもらったり楽しい出会いなんかも多々あったけど、それらの印象が強いのは圧倒的に国内西部における過疎地域に偏っており、むしろウズベキスタンの観光地はそれほど魅力を感じるものではなかったかな。やっぱアラル海跡地を見た時がこの国のピークという感じで、そこから徐々に落ちていく一方で気温だけはどんどん上がっていった感じ。
色々あるけどとりあえずレギストレーションこと滞在証明証の制度は自転車旅行的に害しかないため早急に取り止めていただきたいと思っている。