自転車ときどき世界1周

2014年04月

 寝袋は偉大な寝具ではあるが欠点がないわけではない。その1つに包まれているが故に足が広げられないという点があり、1日中ペダルを踏み続けた足にはこの事実がなかなかに辛い。そういう意味も含めて布団で目覚める気持ちよさは相当なモノがある。今日も良い仕事してるね、朝日と太陽。私は今日も仕事をしない。

 琵琶湖湖畔からは少々離れてしまったルートだが、何が何でも沿岸部を回らなければみたいな考えは持っていない柔軟な考えの私は、好きな人にはたまらない旧豊郷小学校を見学しつつフラフラと国道8号線を北上するのである。
 
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 ちなみに私は基本的なスタンスとして「一部の人にしか分からないネタ」を極力避けたいと思っている。私が好むのは「誰が喜ぶのか分からないネタ」なのであり、皆様が貴重な時間を作ってまで閲覧してくれたブログを見て「何、これ?」と諸行無常を感じたら大笑い大変申し訳ないがそういう方針なのだと理解してほしい。

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 痛車1号
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 2号
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 部室

 ところで関西圏を走っていると所々で見かける「飛び出し小僧」をご存知だろうか。交差点などに隠れるようにして設置してある子供の飛び出しを注意喚起する看板であり、飛び出し注意を歌っている割に飛び出す子供のイラストが突っ込みどころの看板だ。

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 こんな感じ

 この看板なのだが自治体毎に様々な種類が作られており、違いを発見して楽しむというのが通のサイクリストである。
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 田井中さん何やってんの

 まだまだ寄り道は続く。住宅地内にポツンと点在している名水こと十王水。王水って劇物だったような気がするが、今夜のチキンラーメンの水として美味しく頂きましたのん。

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 頑張って琵琶湖湖畔から話を逸らしてきたのだが、何しろ何処を取ってもいい景色ばかりで私は全然面白くないのだ。ちょっとズレてたり笑っちゃうようなギミックだったりが存在しない。風光明媚も考えものといえる。

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 綺麗でしょ

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 面白くないでしょう?

 こんな景色を1日中眺めて走る私の苦労を想像してみてほしい。天気は良いし走っていても気持ちがいい。景色も最高なのであり、何かこうそうじゃないだろう!という気持ちになってしまうのは仕方がないことだといえる。なんと贅沢な

 とか思いながら走っていると前方にトラブっている自転車が。よしよし、退屈していた私が助けに参りましたのですよ。

 おやおやパンクですか、仕方ないなぁ私が助けてあげませうと修理作業。そういえば私もロードに乗り始めの頃に峠の山頂でパンクしてしまい、通りすがりのロード乗りにチューブを打ってもらったりしたものだ。あのときの恩を今こうして返すことが出来て、退屈しのぎにもなって私は大変嬉しい。

 誰かに貰った親切を見知らぬ誰かに返していく、そうした繋がりを私は大切にしたいのであり、彼等の心に今日の出来事はきっと色濃く残ったことだろう。そういうことにしておこう。なんて良い話だろうか。

 気分を良くして琵琶湖北のキャンプ場に宿泊。自炊での緩やかな夕食。え、風呂?琵琶湖です。
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 4月26日(土) 走行距離102km
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 若干斜面でのテント設営だったため、眠っていると体がズレていってしまい熟睡ができず。まったく、何ともひ弱な自分であることにガッカリである。そういえば昔から自称、線の細いタイプといってはばからなかった実績が私にはあるのであり、今後の私の体調を大いに心配している。

 さて、その割には体調優れる体を動かして6時30分に出発である。今日は琵琶湖へと行くのであるが、その前に木曽川に掛かる木造の大橋があるとのことなので、木造建築物好きの私としては見逃すつもりはない。早速寄り道である。

 というわけでお早い到着。これが噂に聞く木造橋だ
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 うおおおっ!これは風情ある良い橋ではないか。車の通行不可なのもポイント高いが、歩くと木が軋んでキュッキュなる音といい、周りを菜の花が咲き誇る景色といい、私を多いに満足させるに値するぞ。

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 パラセーリングで遊んでる人を見ると、ジャンプしてぶら下がってみたい欲求に駆られる

 聞くところによると、この橋は2日前まで壊れていて復旧工事をしていたらしく一般人が通行出来るようになって間もないそうだ。こういうタイミングの良さに定評のある私であるが、これも普段の行いの積み重ねであり、日々善行を重ねることがウンタラすんたらどうでもよろしい

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 そんなわけで滋賀県に突入

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 私は路面電車を見るとテンションが上がってしまうタイプである

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 滋賀県庁 建物自体に看板がないので敷地のところで撮影

 そして琵琶湖に到着である。いやあ風光明媚であること素晴らしい。何というか何処を見ても良い景色なのであり、撮影ばかりでちっとも先に進まないぞ。

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 野宿し放題の土地とロシナンテ号

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 アン・ドゥ・トライ

 楽しく湖畔を走っていると、何やら大荷物を積んだ自転車が見えるのである。すわ、また自転車旅行車か?と思ったらそうでした。本当に多いな!日本1周してる人。

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 放浪の画家、秋本 さんという方で国内を自転車で回りながら絵を描いているとのこと。夏になったら北海道でキャンプしながら滞在しているとのことなので、北海道での再会フラグを立てて別れる私である。

 近江八幡市まで来たので近江神社を見なくては(ちはやふる的に)と思い、調べてみると滋賀県庁のある大津市にあるってどういうことなのん。また30km近く走って戻れというのか。

 どうせ琵琶湖1周するのだし次のチャンスに掛けることにして前進あるのみだ。私は後ろを振り返ったりしない男として売り出していくことにする。


 そろそろユースホステルも経験してみたいと思い、近江八幡YH(ユースホステル)に宿泊。このYHは古民家をそのまま施設にした物であり、古い建物も好きな私としても趣があって大変満足である。あえて将棋で表すと王手飛車取りくらいの満足度だ。

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 同宿のライダーと世間話をしつつ布団で眠れる幸せを堪能して就寝。

 4月25日(金) 走行距離93km 滋賀県庁到着 11/47
    mixiチェック

 私はそこそこに本が好きである。程度で言うと年間読書量が100冊に届かないくらいの中途半端な読書家だといえる。

  そんな私が世界1周を知ったのは石田ゆうすけの著書「行かずに死ねるか」である。



 当然ながら、本気で自転車世界1周を企ててから後、参考になると思った本は見境なく買いあさっている。私は本に対しては財布の紐が非常に緩い。

 そんな訳で若干関係ない本も含まれているかもだが、私が読んでみた本の一覧を表示しておくのであり、これは今後の自転車で世界を走ろうとする人や、そうでない人が暇つぶしに読んでみるきっかけになれば 幸いと思ったりしているようでありつつ、単なる本読みの何時もの会話である。

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 順不同

新バックパッカーズ読本

旅行情報研究会

双葉社

最新版バックパッカーズ読本

旅行情報研究会

双葉社

自転車地球放浪熟

のぐちやすお

山海堂

新自転車漂流講座

のぐちやすお

山海堂

自転車で地球を旅する

のぐちやすお

ラピュータ出版

地球の走り方

のぐちやすお

枻出版社

MTBツーリング全技術

九里徳泰

山海堂

冒険王への100の戦術

九里徳泰

山と渓谷社

人力地球縦断

九里徳泰

山と渓谷社

自転車ロングツーリング入門

山下晃和

実業之日本社

満点バイク

山田美緒

気楽舎

マンゴーと丸坊主?アフリカ自転車5000km

山田美緒

MARUTAN書房

日本一周by自転車

中神哲二

中西出版

自転車担いでアジアひとり旅

高群哲夫

ウインかもがわ

自転車担いでアジアひとり旅(続)

高群哲夫

ウインかもがわ

ぞくぞく自転車担いでアジアひとり旅?

高群哲夫

ウインかもがわ

20歳の日本一周

岡田光永

廣済堂出版

女チャリダーふれあい日本一周ひとり旅

くぼたまきこ

イカロス出版

世界130ヵ国自転車旅行

中西大輔

文藝俊秀

ユーラシア大陸横断自転車2万キロの旅

加藤功甫・田澤儀高

枻出版社

自転車五大陸走破

井上洋平

中公新書

世界一周バイクの旅

坪井伸吾

ラピュータ出版

行かずに死ねるか

石田ゆうすけ

幻冬舎

一番危険なトイレと一番の星空

石田ゆうすけ

幻冬舎

洗面器でヤギごはん

石田ゆうすけ

幻冬舎

道の先まで行ってやれ!

石田ゆうすけ

幻冬舎

地図を破っていってやれ!

石田ゆうすけ

幻冬舎

大事なことは自転車が教えてくれた

石田ゆうすけ

小学館

やった

坂本達

幻冬舎

88ヶ国ふたり乗り自転車旅

宇都宮一成、トモ子

幻冬舎

十六歳のオリザの冒険をしるす本

平田オリザ

講談社

自転車で遠くへ行きたい

米津一成

河出書房新社

最後の冒険家

石川直樹

集英社

この地球を受け継ぐ者へ

石川直樹

講談社

全ての装備を知恵に置き換えること

石川直樹

集英社

深夜特急1~6

沢木耕太郎

新潮社

旅する力 深夜特急ノート

沢木耕太郎

新潮社

1号線を北上せよ

沢木耕太郎

講談社

自転車ツーリングハンドブック


山と渓谷社

自転車をめぐる冒険

疋田智

東京書籍

グレートジャーニー人類5万キロの旅 1~5

関野吉晴

角川文庫

LONG RIDERS 1.0

あきばっくす

ロングライダース

LONG RIDERS 1.5

あきばっくす

ロングライダース

LONG RIDERS 2.0

あきばっくす

ロングライダース

LONG RIDERS 2.5

あきばっくす

ロングライダース

LONG RIDERS 3.0

あきばっくす

ロングライダース

LONG RIDERS 3.5

あきばっくす

ロングライダース

LONG RIDERS 3.75

あきばっくす

ロングライダース

世界遺産なるほど地図帳

地図帳

講談社

なるほど地図帳世界2012

地図帳

昭文社

旅用自転車 ランドナー読本

平野勝之

山と渓谷社

RANDONNEUR Vol.1

雑誌

グラフィック社

自転車と旅 Vol 3

雑誌

実業之日本社

自転車ツーリングファーストガイド

雑誌

グラフィック社

素晴らしき自転車の旅

白鳥和也

平凡社

地図の読み方大事典

おもしろ地理学会

青春出版社

くらべる地図帳

浅井建爾

東京書籍

国境線の謎がわかる本

吉田一郎

大和書房

世界の三大宗教入門

保坂俊司

幻冬舎

世界の宗教が面白いほどわかる本

池上彰

中経の文庫

知らないと恥をかく世界の大問題 1~4

池上彰

角川SSC新書

青春を山に賭けて

植村直己

文藝春秋

辺境を旅ゆけば日本が見えた

伊藤千尋

新日本出版

旅を生きる人びと

大野哲也

世界思想社

世界でもっとも阿呆な旅

安居良基

幻冬舎

地平線の旅人たち

地平線会議編

窓社

旅で眠りたい

蔵前仁一

新潮文庫

ホテルアジアの眠れない夜

蔵前仁一

講談社

インドは今日も雨だった

蔵前仁一

講談社

旅人たちのピーコート

蔵前仁一

講談社

ホテルアジアの眠れない夜

蔵前仁一

講談社

旅ときどき沈没

蔵前仁一

講談社

スローな旅にしてくれ

蔵前仁一

幻冬舎

人生を変える旅

蔵前仁一

幻冬舎

いつも旅のことばかり考えていた

蔵前仁一

幻冬舎

世界最低最悪の旅

蔵前仁一

幻冬舎

あの日、僕は旅に出た

蔵前仁一

幻冬舎

東南アジア四次元日記

宮田珠己

幻冬舎

なみのひとなみのいとなみ

宮田珠己

幻冬舎

ときどき意味もなくずんずん歩く

宮田珠己

幻冬舎

スットコランド日記

宮田珠己

幻冬舎

晴れた日は大仏を見に

宮田珠己

幻冬舎

わたしの旅に何をする

宮田珠己

幻冬舎

ふしぎ盆栽ホンノンボ

宮田珠己

講談社

ジェットコースターにもほどがある

宮田珠己

集英社

旅の理不尽

宮田珠己

ちくま書房

世界一周できません。

松崎淳史

幻冬舎

カミーノ!

森知子

幻冬舎

世界一周 わたしの居場所はどこにある!?

西井敏恭

幻冬舎

世界ぐるっとほろ酔い紀行

西川治

新潮社

危ない世界一周旅行

宮部高明

彩図社

旅する胃袋

篠藤ゆり

幻冬舎

世界一周ひとりメシ

イシコ

幻冬舎

ブラを捨て旅に出よう

歩りえこ

講談社

世界最悪の鉄道旅行ユーラシア横断2万キロ

下川裕治

新潮社

してみたい世界一周

吉田友和・松岡絵里

情報センター出版局

はじめての世界一周

吉田友和・松岡絵里

PHP

世界一周デート

吉田友和・松岡絵里

幻冬舎

 一気にスクロールした人。それが正解。
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 ベッドって偉大だ。ちょっと食事して横になって気付いたら朝なのである。こんなもん毎日使っていたら駄目人間になってしまうこと請け合いということで、危険用品2級の称号を与えても良い。ちなみに1号はコタツ。

 朝からバイキング山盛り食べて、ちょっとだけ作業をしていたらあっという間に9時なのである。野宿している方が色々と作業が早くなるのはなんでなのん?

 紀伊半島を周回していた関係で取りこぼした形となった内陸部の奈良県庁を回収するべく、昨日の国道1号線を東へと走るのである。

 酷い道こと酷道好きの私としては、第一選級の酷道である暗峠を越えてみたいという気持ちもあったりしたのだが、最大斜度37%の事実と存外交通量が多いため走りにくいという嫌らしさから、こんな道キャンピング車で通る道じゃないという厳選たる協議の結果、回避することとした。

 暗峠 wiki いつかロードで来ようと思います。

 回避したとはいえ結構な峠道を越えて奈良県へ。

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 あんまり気合い入れて登ってたせいか県境の看板を取り忘れる始末。

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 とりあえず奈良県庁に到着

 その足で奈良公園を散策しつつ、東大寺へ寄り道をする私である。奈良公園の鹿は遠慮がないとの話なので気を引き締めて参るぞ。

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 「簡単にカメラ目線あげないんだから」

 そういえば私の中学生の修学旅行は京都・奈良という定番コースだったのであり、東大寺にも一度訪れているはずなのだ。多分、当時も面白おかしく楽しんでいたはずなのだが、大人になって見る大仏はまた違う趣があって良い。

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 この薄目と後方に控える小大仏。今なら分かる、大仏が攻撃をする時にはこの小大仏が遠隔操作で自在に動き回るんですよね!これは想像するだけで燃えてくるシチュエーションであり、いつぞやの東京湾大観音も加えて仏像大決戦とかになったら私としては心底楽しめるB級超大作映画となると思うのだが。

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 中指だけ曲がってるのは小大仏を操作している仕草

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 後ろ側にコックピットの搭乗口とか作っておけば大人気間違い無しだったろうに

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 柱を潜るのが何故か大人気。私には意味が全く分からないが、とりあえず女子中学生が柱に潜り込んでいる姿を見ていたらなんだか幸せな気持ちになった。

 おっと、遊びすぎて街中で日没を迎えてしまうと野宿が出来ないのである。慌てて県道70号を北上し、ちょっとした公園にて野宿。勿論その前に温泉には入っておりますよ。

 4月24日(木) 走行距離75km 奈良県庁到着 10/47
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 わざわざ野宿場所を変更したにもかかわらず、起きたらおじいさまやらおばあさま方が沿岸で釣りしてるのですが。こんなもんですよ、私の安全対策なんて。

 ちょっと出発に手間取ったのは好奇の視線に身構えていたからであり7時前にようやく出発。

 しかし天気も良いし和歌山県は風光明媚で実に走っていて気持ちがいい場所である。
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 しかし間もなく大阪府

 あっという間に信号地獄の到来である。道路も2車線3車線が当たり前になるし、大型車が私の横を走り抜けてゆくのが怖くてたまらない、誰か助けてほしいぞ。
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 轢かれないかドキドキしながら大阪府庁に到着

 しかし府庁は耐震工事中とのことで正面からの記念写真がスッキリしないちょっと残念な感じに。まぁチェックポイントの写真がどうだと文句垂れる程子供でもなし。むしろ色々な出来事に相対出来て良いではないかと思える私は大人である。ただし無職無収入の駄目な大人。
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 府庁より個人的に注目していたのがココ。国道1号線の終わりと2号線の始まりとなる梅田新道交差点である

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 この看板に万感の思いを込めて

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 ちっちゃいけれど記念碑もあった

 キャノンボールの出発・終着点としても有名な場所。
(キャノンボールとは東京⇄大阪間を自転車で24時間以内に走行するという、人間の限界ギリギリに挑戦する大分頭がオカシイイベントのこと。ちなみにこれが達成できるのはもの凄い強脚と運が必要で、達成できたらキャノンボーラーと呼ばれ、一部では大変尊敬される。) 

 久しぶりのネットカフェ泊かと思いきや、親戚の勤め先に宿泊させてもらえるとのことでホテル泊。おそらく日本1周中、最初で最後のホテル泊になると思われる奇跡の夜である。

 人間が食料を食い溜め出来ないのを悔しく思いながらバイキングを堪能した後、気付けば意識を失うように睡眠。

 4月23日(水) 走行距離 85km 大阪府庁到着 9/47 
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 おはようオマエら。私は今日も元気にホテルドマドームでの起床である。強制5時過ぎに起こされる生活は慣れると病みつきになると思えるとか思えないとか。

 今日の私は、もとい今日も私は本気である。なにしろ目的地が最短でも110km先の和歌山まで走行する気持ちなのであり、むしろ気持ちだけならすでに今日は走り終えているようでもあり、折角の名湯である白浜温泉を1日で去ってしまうなんて言語道断な気がするのであり、後ろ髪を引かれる思いでああ走りたくないなぁと。

 要するにいつも通りやる気はない。何時だって前向きに後ろ向きな私である。

 とかのたまいつつも6時半に出発。快調に走行を始める
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 永遠と走り続けた国道42号線もついに400kmを突破。何というか「42号線は私が育てた」といっても過言ではないほどの愛着を感じ始めた私である。ただし峠の多さは許せん
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 休憩したローソンがログハウス風の建築で、木材建築好きの私としてはたまらない完成度
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 内部も良い感じ

 良い気分だったので、昨日までの雨ですり減ったブレーキシューを交換しようと作業をすることにした。何しろブレーキシューは雨の日に使うと制動能力は半分以下であるくせに、通常の10倍以上の勢いで摩耗してしまう欠陥商品なのである。冗談抜きで根本的な問題が解決されていないと思われるので、雨の日に自転車に近づくのは非常にリスキーな行為なんだぜ。

 んで、ちょちょいのちょいとシューを交換するはずだったのだが、最後の1つが固くて外れない。フフフ、たかがシュー如きに本気なるとはなぁ。うおりゃああぁあ!ガリッ

 ・・・・・右手の中指の爪が割れたんですのん

 汚れた指先から滴る出血。もーやだ、やる気でねぇ。
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 なんだか天気も中途半端だし
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 道中みかんの無人販売所ばっかだし(30件はあったな)
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 日本一たい焼きのくせにチェーン展開してるし
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  紀州の梅に掛けましてスッパイダーマンって無理があるし
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 なんとか和歌山県庁に到着なのである。ああ私の白魚のような指が痛々しくて辛い。
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 そういえば県庁に到着するのは久しぶりだ

 さっと写真を撮って加太という温泉地区まで移動して先に夕食である。スーパーすらない田舎地区の食堂は早めに閉店する、という以前の反省点から風呂を後回しにする私は同じミスを犯さない過去に学ぶ賢者であるといえる。

 んで、風呂上がり。今日の野宿ポイントで目星つけていた場所には・・・・・何だか若者達がライトかざして騒いでいるのだが。ちょっと待て、そこは私のテントサイトですよ?

 そんなこと言えるはずもなく、逡巡した末数km程走ってスポーツ競技上の端で野宿。暖まったはずの体は既に残念な状態に陥っている。まったく、危険を回避した行動が新たな危機を呼び寄せてしまうあたり、世の中とは因果なものである。

 4月22日(火) 走行距離125km←new 和歌山県庁到着 8/47
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 やはりというか朝から雨である。やる気なんぞ微塵も出てこねぇのであり、今日はこのままダラダラ過ごすのが吉、と朝の占いコーナーでも言っていたに違いない。

 しかし本州最南端の潮岬は半島となっており、周辺に風呂場はおろか食堂すら見当たらない区域である。いやいや、商店ぐらいあるのだが、私は昨日から濡れ鼠のこの体を心逝くまで暖めたいのだ。
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 広大な芝生を誇るこのキャンプ場も、雨が降っていては単なる野原と変わらない。そんなことより温泉はないのか温泉は!

 という気持ちが最高潮に達したので、起床より4時間後ついに出発を決意する私なのであった。
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 本州最南端の碑での記念写真もちゃんと撮りましたよ

 嫌だなぁ走りたくないなぁ。そう思うなら走らなければ良いにも関わらず、ただただ修行僧の如く黙々とペダルを漕ぐ。って漕いでられるかーい!そうそうに気持ちが悲鳴を上げて食堂に避難。もとい、戦略的撤退。

 食堂のおばちゃん達と「雨なんてやってられないですよね〜」なんてウダウダと時間を潰しているのも限界である。泣く泣く外に出てみると、この雨の中エラく大きなザックを背負った青年がいるのである。

 「雨の中何やってんだろ」とか思っていたら、何か背中に「日本一周」とか書いてあるのだが。何と走って日本一周にチャレンジ中とのことで、ははは雨の中ご苦労さんである。

 というか凄いな!聞けば1日40km以上をキャンプ用品を積載したザックを背負って走っているのだそうであり、私なんぞは風が吹いたらスローペース、雨が降ったらお休みよの精神の基、南の島で気ままに暮らしたい軟弱自転車乗りなのであり、比べることすら失礼に当たるわ。
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 ウルトラマラソン(100km)も完走しているそうですよ

 会話の際には私も頑張っているのだぜ、的な見栄を張っていたのだがこんな男と出会ったら、私は雨で今日はもう止めますなんて言えるわけがないのである。見栄っ張りの血が熱く滾るぜ。

 当初の温泉があった時点で終了の予定から一変、日本3大古湯の白浜まで一気駆けである。私の本気、見せてやるぜ!
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 と、こんな道を永遠50kmほど走って到着

 ちょ・・っと、気合い・・入れすぎたんだぜ。こんなもんよ!

 っていうか知らなかったけど結構な観光地なんですね。
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 ダイナミックな地形って、説明されれば凄いと思うけどどうだろ?

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 こういう分かりやすいのは良いと思います

 待望の温泉で芯まで暖まりつつ頑張った私は公園の隅で野宿。今日は気持ちよく眠れそうである。

 4月21日 走行距離85km
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 昨日調べた情報によると、今日の午後からは雨が降ってくるとのこと。その前に本州最南端の潮岬に到着するのが本日のミッションであり、この任務に失敗は許されないのである。

 昨日のコンビニで買った材料を手軽に調理し朝食。6時40分に出発。10分後、雨となる。任務失敗。

 てか、早いよ!午後から言うなら時間を守りなさい。と、うだうだ文句言いつつレインウェアに着替えて再出発。この旅、本格的なレインウェアでの初走行である。以下、感想。

 『流石にアウトドアメーカーでありながら自転車の専用レインウェアを制作しているモンベル製品だけあって、両方のいい点を備えていると感じる。特にズボンの裾に対しての違和感のなさは特筆モノだと言って良い。上り坂での内側の汗は完全放出という訳にはいかないし、外からの雨も完全にシャットしているとは言いにくいが、乗り手が不快に感じないように細かい点までよく考えられた製品であり、高かった値段分の働きをしてもらわなければ困るよキミぃ。という嫌らしい期待に見事に答えている。』感想終わり

 雨降っているので基本的には粛々とこぎ続ける。こぎ続けようと思っていると出てくるのがマヌ景なのであろうか。
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 本日1番の看板と信じて疑わない
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 痛そうなトゲだと思ったらハトだったでござる
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 42号線は道路に距離が塗られててロードの大会を彷彿とさせる

 10時過ぎには潮岬の半島へ渡る入り口に到着。速く付いたので、気軽に隣の大島へ寄り道。

 気軽にこれねぇー、何だよ最初からループ橋って。
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 その後も恐るべきアップダウンの連続で心が折れそう。誰だよ、こんな島行こうと思った奴は。あんまり大変過ぎるわ雨降ってるわで写真も撮らずに終点へ。

 ここが有名なトルコ人が乗った船が難破した地であり、当時の日本人が救助活動を行ったことがきっかけで、現在でもトルコは非常に親日国であるそうだ。今後、私がトルコに行った際には、この地で起きたことを100倍くらいに誇張して、むしろ助けたのは大体私の力であるくらいのことを語ってこようと企んでいる。
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 ちゃっかりお店もありましたのん
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 帽子でかすぎない?

 12時前に潮岬キャンプ場(無料!)に到着。まさかのドマドームテント被りにビビる。明日も雨らしくて滞在するかどうか悩み中。
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 カッコいい方のテントが私のです

 4月20日(日) 走行距離55km  本州最南端潮岬到達 1/18
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 そこそこ飲んだ割には気持ちのいい目覚めである。やはり、適量のアルコールを接種する方が気持ちよく睡眠に入ることが出来るので、朝も清々しく迎えられるということなのだろう。なお、この旅の中で寝付きが悪かったことは1度もない。

 気分よく260号線を南下してみると出てきましたよ、事前情報の通りのキツそうな坂が!一気に制覇してやるぜ、と登り始めたはいいのだが、何だが斜度辛くないですか。

 ふと道路標識を見てみると12%とか書いてある。朝一からどんな坂登らせんだよぅ。(斜度12%とは100m進む毎に12m分高くなる角度の坂、一般的に14%位で激坂と呼ばれる)
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 なんだか朝日と山頂の景色でちょっと泣きそうになった後、道の駅で夏みかんくれたオッチャンと談笑。仕事の元同僚に自転車世界1周をするといって退職していった輩がいるとのこと。え、私じゃなくて。

 なんだか連日そういう人と出会ったり話を聞いたりしていると、日本1周とか実行している人間は自分が思ってるよりずっと多いどころか、むしろ大多数がドロップアウトした遊び人であり、皆してどこそこ旅して回っているのかもしれない。そうすると、むしろ社会的にもっと旅人のための善根宿を増やしてオーラルにするべきではないのか。

 無駄金と歌われてしまう国民の税金も、そういう一銭の得にもならないしょうもないことに投入することで、私みたいな人間には多大なる支持へと変わるぞ。旅人が増えれば日本も変わる!

 で、進んだ道は国道42号線へと入る。この辺りから何故かクラシックカーがたくさん走っていると思ったら、そうしたイベントだったらしい。

 向こうにしてみれば、荷物満載した自転車が音楽鳴らして歌いながら走っている姿を見ているわけで、多くの人が応援の声をかけてくれたのは私の歌に感動したからであると思われる。
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 昨日に続いて三重県は鬼がいい味出してる

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 獅子の形をした岩 こんなんでも世界遺産の一部

 再び道の駅「ウミガメ公園」で休憩中に何とリアカー引いて日本1周の方と出会う。なんだこの人?本当に同じ人間か。
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 この道の駅、ウミガメも見れた

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  なんと齢71歳のスーパーじいさんである。

 本当かい、還暦くらいかと思ったぞ。私もこんなバイタリティ溢れる歳の取り方ができれば、人生増々楽しくなることうけあいだと思いつつ、今でも相当楽しんでいる私である。

 道の駅という名前のくせに鉄道の駅にもなっている「那智」にて温泉を堪能し野宿。銭湯で長居しすぎて出てきた時には周囲の店が全て閉まっていたのでコンビニ食。さもしい夜である。
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 地味に和歌山県に突入

 4月19日(土) 走行距離115km
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 気持ちよく寝ているところで、なんだかボツボツとテントを叩く音がするのである。まさかと思い外に出てみると、なんか激しく雨が降っていたりして、私の体も自転車にかけている洗濯物もビショビショである。やってられるか!

 朝になっても雨が降り止まないので、やる気あふれる私としては雨の中を走りたくないでござると、満場一致で採決がなされた結果、午前中を大いなる休息に当てることとなった。

 昼に雨もやんだので、近所の歩行者の目もあることだし出発することに。余談だが、私は怪しい物ではありませんという台詞は、その言葉を発してしまった時点で敗北が確定してしまう言葉だと思うのだ。

 ここ数日お世話になっている260号線を走る。お世話になっているのだがこの道路、アップダウンが激しい割に景色も良くないわ、天気は曇りだわ、コンビニが20km走っても1件も出現しないと悪態をつきたくなる道である。

 そんな260号線だが、なかなか心を打つオブジェがあるのもまた事実 
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 制作者は鬼を何だと思っているのか
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 巨大伊勢エビがお出迎え 実は何匹もいるうちの1匹
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 伊勢エビキング どうして方針を統一しなかったのかなぁ
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 これは見事なオブジェ。ただしバンパーは突っ込みどころ

 さて、こうした道で補給ポイントを1度逃してしまうと、以後1時間に渡り「あの時行っておけば良かった」と悶々としてしまうので、チャンスの時に男らしく決断して実行することが大切なのであり、私は人生の真理をまた1つ発見してしまったりしておお、よせよせ褒めるでない。

 そんなことを考えつつ走っていると反対側から荷物満載の自転車が走って来るのである。ははは、こんなに荷物積んでどこの馬鹿だよと振り向いてみると「日本一周」とか書いてあるのだ。

 ええぇー、他の自転車日本1周旅行者に偶然出会うって、どんだけの確率なんだよ。と、いうわけで立ち話をば。
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 小径車でオーダーメイドした自転車だそうです。うんうん、私のロシナンテ号の次にカッコいい。
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 現代の自転車旅行社よろしくブログも嗜んでいるそうで、うんうん、私の100倍くらい運営に力入れてる。


 固い握手をして旅の無事を祈るのである。ボンボヤージュ!

 そして私はキャンプ場へ。憎っくき260号線のおかげで私は全身汗塗れなのであり、清潔感を売りにしている私としては周辺に温泉施設がないことから、風呂にも入らない男と見なされるイメージ低下を恐れて野宿を諦めたのである。人生、決断が大事。
 
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 こちらの受付兼、食堂で夕食。居合わせた常連客と大いに盛り上がり、気付いた時にはビール4杯、焼酎2杯、挙げ句に翌朝のカツサンドまでご相伴に与っていたりして、私は本当に幸せ者である。世界1周を無事に終えた時に、また訪ねたい場所が1つ増えたといえる。
 

 しまいにゃ一緒にカラオケを歌いつつ、いい気分で0時就寝。実に4時間以上も飲み食いしていたようである。
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 宿泊したお風呂コテージ 廊下の面積は3割ほど

 4月18日 走行距離62km
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