自転車ときどき世界1周

2014年08月

 7時半に起床。って、7時はんっ!?これは、アレだ。ビール3本に日本酒、焼酎とかしこたま飲むからこういうことになるのであり、大問題だといえる。だが1番問題なのは、私に反省する気が全くないことである。

 それでもどうにか1時間後には出発し、いざ行かん最北端!

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 ・・・のドナルドへ

 違う。思わず写真撮ってしまったけれど、こんなくだらない物も大好きだけど、そうじゃない。日本1周でも最南端の佐多岬と並んで1つの到達点ともいえる宗谷岬。私はこの地へ到着した時に何を思い感じるのか、それを考えながら最後の北上をしようと思ったのだ。

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 ワカメを干してる姿を眺めながら

 そうして感動的な最北端の碑が見えてくる・・・・のかと思いきや、カーブを曲がった先でいきなり登場してしまい拍子抜けも良いところである。もうちょっと盛り上がりとか演出が欲しかったのだが、これでは巨大仏像がいきなり現れた時と変わらない面白スポット状態ではないか。

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 というわけで最北端に到達 ここから終盤戦かな

 ちなみに到着した時に思ったことは、「次のルートどうしようかな?」だったのであり、特別感動はなかったでござる。むしろココで食べたホタテラーメンの美味さに感動してた。

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 遠回りなNo1宣言だが、確かに美味い

 日本で1番風力発電機が多い宗谷丘陵の丘を走りながら南下を始める。日本1周でも有数の光景が広がっているのだが、惜しいことに天気は曇りでありイマイチ爽快感を感じられないのが難しいところだ。

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 全部で59機 オレの写真にゃ収まりきらねーぜ(ルパン風)

 オロロンラインは何もないのが良い道と思った訳だが、宗谷岬を挟んで反対側に当たる東側にもそうした道が存在する。その名もサロベツ原野。やっぱり何もない道なのであり、5km走っても10km走っても同じ景色でテンションが上がること間違いなしだ。

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 地平線の向こう側を目指せる幸せ

 そうこうしながらも中頓別の「北緯45度みつばち村」というライダーハウスに宿泊。名前がなげぇ。最近とんと自炊をしていなかったので、食材を買い込みハウス内の器具を使っての料理。ガスが自由に使えるって便利だなぁと実感する。

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 メロンは400円の半額と格安

 なんだかんだで今日も同宿のオッチャンに焼酎を頂いて呑んでいる私である。何というか、ライダーハウスには魔物が棲んでいると言わざるをえない!

 8月26日(火) 走行距離121km 北海道最北端宗谷岬到着 15/18
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 今回の自転車旅史上で最悪の天気となった1日。起き抜けこそ霧雨の様な雨だったので、気合いを入れて稚内まで走りきってしまおうかと荷物の準備をしていたのだが、自転車に積載が完了した辺りからどんどん雨足が強くなってきてライダーハウス内へと逆戻り。

 10時を過ぎた頃にはバケツをひっくり返したような雨になってしまい、走ることは諦めて1日を温泉で過ごす。テレビを見てたら、礼文島は50年に1度の大雨とか報道されており、無理して北上しなくて本当に良かったと我が身が大切な私は胸を撫で下ろしている。


 翌朝には降り続いた雨も降り止んだようで、いよいよ北の果てへと私とロシナンテ号は進むのである。

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 1泊200円と連泊しても懐が痛まないライダーハウスでした

 多くのライダー・チャリダーがオロロンラインを憧れの道とかそんな評価をするのであるが、果たして「道の良さ」とは何であるのか?考えていくと五里霧中なのであるが、実際に走ってみるとウダウダ考えているのが馬鹿らしくなる程簡単なことだったりする。

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 ただ、道が伸びているだけ

 それだけで心の底から満足なのであり、最高に気持ち良く走ることができてしまう物なのである。この場所に余計な建築物は何一つとして要らないよ。

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 前言撤回

 要りますよ。一列に並んだ風力発電を横目に見るこの道のなんと贅沢なことであるか。ときどき故障しているのかプロペラが動いてない発電機があったりして、そのまとまりのなさが私をワクワクさせる。

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 さて一体何機あるのでしょう?

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 北緯45度の碑 佐多岬が北緯31度だったのが懐かしい

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 何もないのにトンネル!? かと思いきや冬期の避難シェルター

 しかし何時までこの道は続くのだ。バイクとかならば1時間で走り抜けることもできるのだろうが、こちとら永遠と数時間に渡って走っているのに未だに終わりの気配がない。何しろ大平原であるため、常に風が吹き付けていてオマケにそれは向かい風と来たもんだ。正直、やってられるかという気持ちにもなってくるぞ。

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 道端にて 味はイマイチだった

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 地吹雪もそうだけど重要なのは、あと34kmも同じ道が続くという点

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 ちょっと横道に入ってみると牧場が

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 可愛いのぅとか思っていたら・・・・

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 めっちゃ集まってきた!

 こういう脇道、寄り道ってのは結構素敵なスポットが隠されていることが多くて、私としてはあちこちフラフラと入り込んでは、道に迷ったりしつつこうした名所(迷所?)を発掘して楽しんでいる。

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 日本最北の無人駅!

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 今でもこんな古びた駅が現役で使われているとは驚きである

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 なんか撮影やってたけどコレ絶対許可取ってないと思う

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 この個人情報に五月蝿い時代に堂々としたバス停

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 色々あったけどノシャップ岬に無事到達

 北海道最北の地はここから30kmくらい先にあるので、今日は久しぶりの都会である稚内の町を散策して回ることにする。というか思ったより早く来すぎて強制的に街中散策となったワケだが、私は知らない町をフロフロと見て回るのは好きなので別段問題はない。

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 防波堤ドーム 一昔前はここに野宿者のテントが並んでいたらしい

 当然私もここで宿泊しようと思っていたのだが、張り紙に「キャンプ禁止!」と張られていたので諦めて有名ライダーハウスのみどり湯へと移動することにした。いくら無職で失う物がない私でも禁則事項に触れる行動を取る気はないのである。

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 最北端の駅 って今日はこんなんばっかだな

 さて、ライダーハウスみどり湯は一体何が有名なのか?ここは巷で「歌うライダーハウス」として認知されており、夜9時に全員が集合して自己紹介の後に、松山千春の「空と大地の中で」を全員で肩を組みつつ歌い上げるという伝統があるのだ。こういうノリは個人的に大好物なのであり、大声で歌いきらせてもらった。

 そのまま0時まで宴会は続き、倒れ込むようにして就寝。明日は最北端だ。

 8月24日(日) 休息日
 8月25日(月) 走行距離89km
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 自転車で旅をしていると、その道中の活動は必然的に走る・食べる・寝るといった点に集約されて来るのであり、そのため私の口から語られる内容も圧倒的に道中の観光地域などの見た物事に集約される。本当は政治的な議論であるとか、宗教が与える世界情勢への影響について等、熱く議論を交わしたいところであるが、それはまたの機会にしておく。

 そうした様々な物を見て回っている私であるが、その中で圧倒的に興味を引かれるのが「ワケの分からないオブジェ」であることは、今までのブログ記事傾向からもよくお分かりであると思う。

 人が旅行をしてみて、旅先の何に心引かれるかなんて千差万別で良いのだが、「何で茶壺は変な物ばかり写真に撮るの?」という大変不服な質問をされてしまった経緯もあるため、ここで変なモノの魅力について今一度お伝えしておかなければ行けないと感じた次第である。

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 マヌケと断じてしまうには余りにもモッタイナイ

 人が作る人工物には大概の場合、目的が存在する。来てくれた人を楽しませるためであったり、その土地や生物を燃した形を造形する物であったりだ。パッと見で一般人が理解不能な芸術性の高い物もあったりするのだが、そうした物にも「自分の感性を表現する」という目的が見て取れるものである。

 何にしても無目的に何となく其処にあるオブジェというのは、人が物を創造する以上有り得ないのではないかと私は考えるのだ。そうして制作者の心情を考え、何を思いそうした作品を世に出したのかと思いを馳せながら作品を鑑賞するのである。

 あるのだが、どう考えても制作者がギャグであったりヤケクソになったとしか思えない様な、駄目な意味で素晴らしい作品が世の中には結構ある。

 私は巨大仏像を全国各地で観賞しては楽しんでいるのだが、普通の景色の中に突如異物が混じることで感じる混沌というギャップも然ることながら、こうした巨大仏像を造った人達の心情を想像することが楽しいのである。

 制作途中に「巨大観音様を作るっていったけれど、どう考えてもコレ不気味なだけでご利益とかないんじゃないか?」とか思っていた人がいるはずであり、「現実的に巨大仏像に巡礼する人がどれだけいるというのか、むしろ維持費を考えると毎年大赤字になることは自明の理なのだし、今ここで制作を辞めましょうと言えたらどれだけ幸せか・・・・・」みたいな意識で製造に携わってた人だって居たはずだ。

 変な建造物であればある程、そしてそれが巨大であれば尚のこと、その製造渦中にいた人間達は様々な思いを抱えていたのであろうと思うとゾクゾクしてきませんかね?

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 そう思うと新たな魅力を感じません?

 何でこんな物を作ったの?と感じるオブジェほど、その内部では担当者がサジを投げただとか、資金が足りなくて無名のアーティストに頼んだらとんでもない物ができてしまい、引くに引けないからいっちゃえいっちゃえ!的なノリで作成されたのだろうかと思うと笑いが止まらないではないか。

 どうせ芸術的な物を観賞して違いが分かる程の目を持っているのでなし。それより見ていて不思議な気持ちになる面白スポットやオブジェを楽しみたいでしょう?

 ・・・・と長々と訴えた後に帰ってきた答えが「さっぱり分からん」だったりして、これだから芸術を理解できない人間は駄目であると嘆く私なのである。
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 今日は1日雨だという天気予報の言葉を信じて朝からテントの中でゴロゴロしていた私である。7時前になってようやく外へと這い出てみると、雨なんぞ降っていないのであり天気予報ダメダメだな!と責任転嫁しながらの朝食である。

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 隣にいたチャリダーグループは既に出発してた

 最初っから今日は雨で停滞だと決め込んでいたので、朝ご飯も米を炊いたりお湯を沸かしたりと一手間必要なものばかり。ようやく出発した時には8時半を過ぎているのであり、いっそここでもう一泊していこうかと後ろ髪を引かれる思いであった。

 昨日と異なりオロロンラインは平坦路ではなく緩やかなアップダウンを含んだ道のりで、まぁ大したことない坂なぞ辛くも大変でもないのだが、お空の状態は大変なことになっており、雨が降り出したらどうしようかとドキドキしながらペダルを漕ぐ。

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 ちなみに道中撮った写真は全部道と空しか写ってなかった

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 緩やかに道が波打っている

 と、思ったらいきなりスコール的な土砂降りに遭遇してしまい、周囲数kmに渡って建築物は一切無し。強制的に大雨の中を走行させられる酷い仕打ちである。とにかくバス停にでも避難して態勢を整えねばイカンと思って必死に走ること3km。既に雨は降り止んでいるのであり、何ですか?これは嫌がらせですか?

 全身が良い感じにびしょ濡れになり、まぁ手酷いシャワーを浴びたようなものだと思ってそのまま走行を続ける。というか依然として地平線まで人工物が見つからないのであり、何というか私を妨げるような物は何もない!とばかりに時速20kmで爆走を続ける。

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 稚内まで100km切った

 出発時間が遅かろうともオロロンラインでは関係なし。信号も交差点も全然見かけないのであり、表示されている時速の通りに1時間後には距離を走っていて、流石ど田舎は違うと感心した次第である。結局お昼には50km以上走っていたのであり、いつも通りじゃないか。

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 牛を見たのは実に熊本以来かもしれない

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 しかし変化のない1日の景色でした

 いよいよ空模様が怪しくなってきたので早めに走行終了してライダーハウスへと投宿。皆考えてることは同じなのか、定員一杯のすし詰め状態である。

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 1人一畳のスペースを見ると山小屋を思い出す

 8月23日(土) 走行距離85km
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 本日泊まった道の駅はひさし部分が存在していないタイプの建物であったため、同敷地内の池のほとりに立つ東屋の下でテント設営をした。ここで「テントなのに、何で屋根の下に作るの?」と思われる野宿初心者の疑問にお答えしておくことにする。

 基本的にテントは土や草地の上に設営すると、朝には結露やその他様々な原因でフライシートがびしょ濡れになっており、この水滴を拭き取らなければ収納することができない。雨の日だからとその作業を無視して放っておくとカビが生えてしまい使用期限が短くなるのだ。

 ところが道の駅等のコンクリート上でテントを設営すると、フライシートに水滴が付着しないというメリットがある。このため起床後の作業が迅速かつ楽ができるのであり、多少寝心地の良さを犠牲にしても時間の短縮に繋がる。

 そうしてフライシートの防水を図っているのに、雨に降られてしまっては意味がないのであり、テントはできるだけ屋根の下に設置するように心掛けている。まぁ雨音が五月蝿くて夜に起こされるのを防止とか、他にも幾つか理由はあるけれど。

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 一重にキャンプじゃなくて野宿だから

 まぁそんなワケで今日も5時半には起床し手早くテントを収納することに成功。起きてから出発までは一連の作業なのであり、こうした行動でストレスをためないことは重要である。

 稚内とかいう最北の町を目指してとりあえず海岸線を北上するために留萌へと向かう。この留萌という都市名なのだが萌えを留めると書いて「るもい」であり、さぞやくだらないキャラクターが満載してたら面白いなぁとか考えていたら本当に町を挙げて萌えを体現していて気持ち悪いぞ。

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 これがシンクロニシティというヤツか

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 ゲラゲラ笑いながら撮ってる私も私である

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 海老名って名前は「オレはキャプテン」って漫画のピッチャーのイメージ

 留萌以北の海岸線道路のことをオロロンラインと呼び、ライダー達は皆一度はこの道を走りたいと憧れを抱く名物道路なのである。何か凄いのかって何もないのが凄い。

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 こうした道が100km以上に渡って最北端まで続く

 まぁ何もないとは言ったが、実際にガードレールすら消えてしまい、道だけが伸びる場所は一部分のみである。それ以外の場所にはこうした風力発電が立ち並んでおり、ちょっと丘陵を上がってみると一面にプロペラが広がっていて何ともたまらない光景を拝むことも可能だ。

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 私が密かに入手した情報によると39機あるとかないとか

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 地平の彼方から走ってきた感を味わえる

 意外と道中には道の駅を始めとした休憩施設が揃っており、道北は宗谷岬以外に何もない等という傲慢な意見を聞いたりもするが、なかなかどうして面白い物は多いのだよ。

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 何とも趣のある道の駅 鰊丼が絶品である

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 日本では珍しいリアカー牽引方式の自転車

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 こんなデカい熊がいてたまるかい!

 苫前の道の駅で青森で出会ったチャリダーと再会してダラダラと1時間半に渡って休憩。何しろ道のコンディションがいいため、現在75kmを走って14時前だったりして、のんびりしてても余裕ですよ。北海道って良い土地ですね。

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 私とは逆回りで走ってきたとのこと

 この後、羽幌の町まで走って走行終了とする予定だったのだが、あまりにも苫前の道の駅の施設が素晴らしいため逆走して戻ってくる始末。だって明日の天気予報は雨であり、停滞するならゆっくり休める場所がいいじゃない?

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 ゆったりソファーとWi-Fiに

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 漫画コーナーまで充実している道の駅

 こんなスペースは、暇で仕方ない自転車乗りでもなければ利用しないのでは?とか思いつつ、これで明日も1日安泰である。この書き方だと雨を心待ちにしているようだが、そんな気持ちは毛頭ない。

 8月22日(金) 走行距離100km
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 6時前に起床。昨日もよく飲みよく食べた。これで体重が増加してくれれば一安心なのだが、自転車に乗って旅をしている以上、どんなに食べても体重が増えることはないと諦めかけている。まぁこれ以上痩せなければいいさ。

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 本当に低料金なのに設備揃ってて良いライダーハウス

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 一緒に飲んだ2人 東京に戻ったらバイト先に飲みに行くんでヨロシク

 富良野から美瑛へと素晴らしい景色が続く道を走る。なんだかこれほどの景色を最初に見てしまったら、他が色あせてしまうんじゃないかと思える程で、そうか!だから美瑛はアクセスしにくい北海道の中央に位置しているんですね。分かります。

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 道も

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 花も

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 そして何より丘陵がたまらない気持ち良さ

 もう何処を走っても最高に気持ちいい場所であり、写真を撮って再び走行を開始しても1分後にはあまりの美しさにカメラを取り出している始末。どこを切り取っても絵になる風景なんですよ!私だって、何時でもどこでも絵になる状態なんてことはないのに。

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 絵になる

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 なんか絵になりすぎてズルい気すらしてくる

 まぁそんな場所を走りつつも先へと進む。モンベルで修理した時計を受け取ったりしつつ旭川へ。ここには日本では珍しいロータリー交差点が街中の主要交差点として存在しており、私はヨーロッパの交差点事情を聞く度に「もっと日本にロータリー交差点を作れば良いのに」と思っていたのだ。今そう決めた。

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 これがロータリー交差点だ

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 青看板だけ見ると混乱しそう

 この交差点の利点について逐一挙げていきたいところであるが、本文の主旨から外れるので省略させて頂く。まったく残念である。

 ロータリー交差点とラーメンだけしか記憶がない旭川を越えて、いよいよ日本最北端の宗谷岬へと進むのかと思いきや、東へ西へ今度はひまわり畑を見に行く私である。寄り道を抱えて生きていくんだ、私は。

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 しかし、ひまわり畑は半壊していた!

 ですよね〜。ひまわりの最盛期って7〜8月の中旬辺りまでだって聞くし。これが一面に咲き誇っていたらさぞや気持ちの良い景色だったのだろうと思ったりしながら園内を散策。ひまわり迷路とか凄い面白そうなのに、しおれているので道が丸見えとなっていて物悲しいぞ。

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 まだ元気なのがいて良かったと思っておこう

 後輪のタイヤが空気抜けしており、スローパンクなのか普通に空気圧が減っただけなのか?ちょっとドキドキしつつ道の駅で野宿。

 8月21日(木) 走行距離123km
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 起きたら良い感じに雨、雨、雨。私のやる気スイッチの良いところはスイッチ切り替えの労力が少ないことであり、もう今日は走る気がしねぇ。幸いなことに道の駅の隣は温泉施設だったりして温泉入ったり、小説読んだり世界1周での荷物についての構想をまとめたりして1日が終了である。

 なお、昨日は自転車のサークルが、今日はバイク乗りに車での野宿者と、雨が降ると道の駅は大盛況になる傾向でもあるのだろうか?

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 隣がコンビニで立地が良いんだよね

 翌朝にはようやく雨も降り止み我が愛車のロシナンテ号と共に走り出す。目指すは北海道のへそとも形容される富良野であり、美しいラベンダー園を期待しているぞ。

 北海道の道なんて内陸部に入ってしまえば大体直線道路が続くのであるが、それにしても限度ちゅーものがあると思う。いつまでも真っ直ぐなんてのは、私みたいにアッチコッチにフラフラと生きている人間にとってはなんかこう、心苦しいような気持ちにならないこともないというかさ。

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 日本一長い直線道路は29.2km

 こんなにも直線が続いたりすると、なんというか1周回って笑いが込み上げてくるから不思議である。ちょいちょいアップダウンがあるため地平線が見えることはないのだが、坂の上まで登った時に遥か先へと伸び続けている道路を見ては「土地が余っているんだなぁ」と感慨にふけるのである。

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 意外と交通量が多い

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 途中の道の駅もアピールに必死 そして此処にも野宿してる旅チャリダー

 何度も同じようなことを言っている気もするが、自転車乗りは自らの体がエンジンであり食事こそがガソリンである。つまり食料は沢山腹に入れておきたい。そんな自転車乗りにとって山盛りに盛ってくれる飯屋という存在は何よりも重要であり、私は爆盛りをしてくれることで有名なこの喫茶店を前々から楽しみにしていた。

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 その名も喫茶マリン

 とりあえずカツ丼の大盛りを注文したところ、「大丈夫?ご飯3.5号くらいあるよ。」と言われてしまい、そもそも注文した料理に疑問を返すのがオカシイとか色々突っ込みどころ満載なのだが、ビビって普通盛りを注文してしまう私は無茶できないタイプである。

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 そんな普通盛りのご飯は2.5号

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 でもそんなんじゃだーめ

 あっさり完食。あとご飯1号くらい余裕だったなとか思ってしまうあたり、自転車乗りの食欲恐るべし。また訪れて色々なメニューを楽しみたい喫茶店であった。

 かなり補給された燃料タンクをフル稼働させ、山間部の国道38号線を東へと走らせる。昼過ぎから雲間に光が差し込んできて気分良く写真を撮る私。

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 あれ?なんだか変な頭部が写ってる・・・?

 来ました。久々の登場です。その名も北海道大観音。その全長は88mと今まで見てきた巨大仏像シリーズでも随一の大きさを誇る。民家の合間からはみ出てくる異端者こと大観音さん。出てくるだけで面白いとか本当に出落ちの存在で羨ましくないです。

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 こういう写真より

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 なごみの丘が一瞬で笑いスポットになるこうした写真が良いと思います

 あれが動いて追いかけてくる光景を前方からカメラで撮ったら、超絶スペクタクル映像間違いなしだなぁ。とか考えながら富良野へと辿り着く。素晴らしい丘陵地帯に広がる美しい風景であり、そうだった。私はこういう景色を求めていたのである。何だよ巨大仏像って、ギャグかよ。

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 有名なラベンダー畑のパッチワーク

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 こういう景色を待っていたんだよ

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 素敵でしょ? でもこれ写真マジックですのん

 富良野から北に走った場所にあるライダーハウス「ふくだめろん」ここは宿泊料金が500円と超良心的価格でありながらなんとサービスでメロン半玉が付いてくるのである。さっきのラベンダー畑でメロン1玉がウン千円であることを考えると破格というべき他ない。

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 ぶっちゃけ、このために富良野へ来たようなもんだ

 メロンを堪能して同宿のライダーと一緒に飲み会の買い出しへ。そういえば友人が沖縄を走っている時に「毎日飲んでばっかりじゃん!」みたいな誤解と取れる台詞を発していたが、彼が北海道でのこうした日々を見たら、増々誤解が深まってしまいそうである。

 8月20日(水) 走行距離115km
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 私は1日に走る距離の目安を100kmとしているのだが、天気や道の状況にもよって当然この数字は前後する。とはいえ頑張って距離を稼ごうなんて気持ちはそうそう持ち合わせていないのであり、広大で平坦な道が多い北海道ではあるが、それで走行距離が増えたりすることはあんまりない。

 しかしそれとは別に気候や道中の道のりで大きく変化するのが休息時間とその回数である。

 日本国内にはどこへ行ってもコンビニという素晴らしい施設が存在するため、補給物資に本気で困ったことは未だに無い。この他に道の駅という施設のおかげで休息と合わせて野宿が劇的に楽になっており、ほんの20数年前に出来て以降その数を増やし続けている道の駅という施設は素晴らしいの一言だ。

 現在では1000を越える道の駅、それにおそらく万を数えるコンビニこそが自転車旅行者の2大休憩スポットであり、日本ならではの特色であるともいえる。物価は高くとも日本での旅がイージーだといわれる所以はこうした施設と自動販売機の充実に鍵があると私は目論んでいる。

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 北海道ならセイコーマート 普通に割引商品がある凄さ

 自転車旅行はとにかく腹が減るのであり、1日に何度も休憩と称してコンビニに駆け込みエネルギーを補給しているサイクリストは私だけではないと思う。1日5回の食事はむしろ当然のことであり、これだけ食べても私の体重は10kg近く減少してしまい困っているぞ。

 とにかく栄養補給をする際に心掛けているのが「高カロリー」であり「糖分・塩分」が高くて「金額」が安い物を食することである。自転車というのは体への負担が少ない割に、とにかくエネルギーを消費するスポーツであり1日に5000kcalを消費してしまうとかレースでは普通なのである。

 旅する自転車乗りであってもその消費エネルギーが甚大なのは間違いないところであり、とにかく少しでもエネルギーが高い食物を腹の中に入れておかなくてはハンガーノックで動けなくなってしまう。胃腸が弱い人間には自転車で旅をするという行為は、かなり難易度の高いものとなってしまうこと請け合いだ。

 特に暑い夏の時期になると体の疲弊も早いのであり、こまめな休息と補給こそが走り続ける決め手になるともいえる。私は今シーズンのコンビニアイスクリームを既に全種類制覇する程食べまくった。(ハーゲンダッツ系除く)

 ペヤングの超大盛り焼きそばが値段の割に1000kcalを越える良質商品と教わったのも自転車乗りであるし、1個500kcalを越えるコンビニ菓子パンを喜んで食べるのも、旅を始めてからの変化だといえる。

 こうして培った知識なのであるが、そもそも海外では日本ほどにこうしたスポットが充実している国なんて聞いたことが無いのであり、食料・宿泊事情に関してはこうした楽をさせてもらえないことを思うと、今からワクワクが止まらない。

 参考までに、私が1日中走り続けて道中1度もコンビニに出会わなかったのは、四国の佐田岬半島と沖縄のヤンバル地域、その他離島のみである。そこでさえ商店は存在するのであり、こんなに食と休息に対するインフラが整っているのだし、もっと旅するサイクリストが増えれば良いのにと思ったりする私である。
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 どうにか二日酔いも無く朝7時に起床することができて一安心。そういえば仕事をしていた時は飲み会の際にはヘパリーゼを必ず服用していたものであるが、現在は1ℓ牛乳で代用している←安いから

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 こういうのを死屍累々っていうんでしょ?

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 良いライダーハウスでした

 さて、当初は札幌のモンベル店で壊れた時計を受け取ろうと計画していたので、20日まで寄り道をしながら札幌へと向かうつもりでいたが、旭川東部の店へと送付してもらう段取りが付いたので、北海道一の大都市札幌は一気通貫で通り抜けることにする。

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 自転車旅で大都市は鬼門ですから

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 北海道庁でササッと記念撮影して

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 ガッカリ名所で名高い時計台 写真マジックし易い建物でした

 都市を抜けてしまえば、再び北海道の地平へと伸びる道が私を待ち構えており、まぁ楽しいのではあるが1時間経っても道路をひたすら追いかける単調な道を走っていると、なんというかこう複雑な気持ちもある。

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 そう、ヤリキレナイってやつだ!

 この川のために50km迂回したとか全然構わない。むしろアクセスが大変である程こういうのは燃えるというものであり、全くもって見つけた瞬間の脱力感といったらたまらない嬉しさである。クセになるというのはこういうことを言うのだろうか。

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 奇跡の同じポーズ 店員が狙って配置したのだろうか?

 1日曇りの天気であり、明日などは雨が降り続けるとのことであるが、やる気スイッチが入っている状態なので明日も走り回ってヤリキレナイ気持ちを存分に堪能したいものだと思いつつ道の駅で野宿。北海道の道の駅は温泉が併設している施設が非常に多くて旅するのが楽チンである。

 8月18日(月) 走行距離112km 北海道庁到着 39/47
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 今日は休息日である。あるのだが、昨日本当は小樽まで足を運ぶ予定だったのに途中で満足してしまったので、残った20kmを移動しつつ小樽の町を観光して回ることとする。そんな浮ついた気分なのに朝の起床は5時45分。人は一度身に付いた習慣をなかなか変化させることができない生き物のようである。

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 芝生のエリアには4組くらい他のテント泊がいた

 昨日作ったシチューで腹を膨らました後、気軽な気持ちで出発。3km走ったところで忘れ物に気付いて慌てて取りに戻る。この忘れた場所が道の駅ではなくて昨日入った温泉なのであり、せっかく早い出発なのにも関わらず開店時間の9時半まで無為に時間を過ごす私である。

 そんなトラブルがありつつも、あっという間に小樽の町へ到着。20kmなんて私にかかれば30%の力で充分だ。午前中のうちに宿泊先のライダーハウスを確保したので、とりあえずタイヤの交換作業で自転車屋へと赴く。

 今回もロシナンテ号の後輪が限界を迎えたことから異常が発生していたのだが、まあそれはいい。解せないのは前回タイヤを交換した時は約7000kmを走ったのに、今回は4000km弱で駄目になってしまったぞ。3000km分は何処に消えてしまったのん?

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 のんのんの〜ん

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 小樽駅は趣があって良い感じ

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 始めて北海道に通した線路が残っている

 小樽といったら私的には佐々木譲の小説の舞台だったりするのだが、実際の街並は歴史的なレンガ造りの建造物などといった情緒溢れる建物が多く、札幌みたいな先進都市と違って私も納得する古さと新しさを兼ね備えた観光都市であると感じる。

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 硝子工房やお土産屋が多いのだが

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 やはり個人的には北海道土産の定番である六花亭ですよ

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 この円成バターサンドが北海道土産のジャスティス

 さて、小樽には地元産の酒蔵やビール工房があるとのことで、美味しいお酒をより美味しく飲むためにはその製造過程を知るべきであると思い、見学して回る。なお、今日の見学には試飲会は存在していないので精神的にも大変よろしい。

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 熊が4倍になると「ヒグマ」と読む

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 レストランと工房が一体になっている小樽ビール

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 なんか色々聞いたのだけれど要するに飲みたい

 一通り小樽の町を楽しんでライダーハウスに投宿。オーナーが私を一目見るなり「キミは飲みそうだから宴会部屋の方ね」と割り振られてしまい、何をもって飲んべえと判断されてしまったのか非常に不服である。不服ではあるのだが旅人同士の宴会は大好きなので文句は控えておく。

 7時頃から始まった宴会はライダー有り、チャリダー有り、外人部隊も加わって混沌とした空間となっており、これが面白くないワケが無い。日付が変わって短針が2の数字を越えた辺りでようやく騒ぎは終了し、私も布団へと入り込むのである。明日起きれるか心配だな。

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 ジェイソン(右)の圧倒的肉体とお茶目な性格

 8月17日(日) 走行距離42km
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