タイ66日目 クラブリーの町〜ワンプラチャン国境から北西に約320km タクアバー郊外
私にとって良い宿泊先というのは、無料で飲み食いできるコーヒーやお菓子がある宿泊先だともいえる。何という卑しい考えだろうと嘆きたくもなるが、現実的に自転車旅行は「如何にしてカロリーを補充するか」という側面が存在するため、こうした点は重要なのである。
なおタイでは結構な確立で宿泊先に無料コーヒーが設置されていたりして、単純にコーヒーが好きなこともあり出発前には3〜4杯ほど堪能することが多い。砂糖に蟻が入っているのが難点なのだが、そんなのはお湯を注いだ後で取り除けば良いだけのことだ。気にしてはいけない。
たとえ暑くても太陽の光が降り注ぐ天気というのは気持ちがいい。晴耕雨読ってワケではないけど、外で活動するのであれば気持ちの良い青空と眩しく光る太陽はあった方が良いに決まってる。なお、この後30分後にスコールが来て酷い目に遭うのだがそれはまた別の話。
調子良く走っていたのだが突如ペダルに違和感が発生する。これまでの経験から、こうした症状の場合7割方後輪タイヤのスローパンクなのであり、調べてたら案の定小さな金属片が突き刺さっていたりする。私の活用しているマラソンプラスというタイヤは対パンク性能が最強という触れ込みではあるが、流石に長さ2cm近い金属片を防ぐほどの強さはないらしい。
スコール休憩とパンク修理で思いの外走行距離が伸びない午前中であるが、全く焦ってないですよ?昨日の宣言通り、今日は早々に切り上げる気満々なので、宿泊先を見つけた時点で本日の走行は終了なのである。何時だって条件は同じなのだけども、自分で「そう決めてしまう」ことで精神的な余裕は全く違う。「ここまで行こう」という意識と「何処でも良い」という意識では同じ距離を走ったとしても別物なのだ。
途中、タイでは御馴染みとなったハイウェイポリスを見つけたので休憩に寄ってみる。職員であるオバちゃんにやたらと写真撮影された後に、電話にて(多分)ここの所長と会話。直接話すよりも電話の方が難易度高いのだが、何とか聞き取れた所で「今日はこの警察署に泊まっていけ」とのこと。
こうして都合5回目となる警察のお世話となり、フラグをへし折ることなく今日こそは楽な走行を達成したことに感無量の喜びである。嬉しさのあまりビール瓶で2本飲んだが些細なことだ。明日、相当頑張らないとプーケットに到着できなくなったのだが、気にすんな。
明日のことは明日考えることにして、今日という日を楽しむ。むかし「アリとキリギリス」という話を聞いた時に、その日暮らしをしていて先のことを考えないキリギリスを馬鹿にしていた私であるが、まさか良い年した自分がキリギリス生活そのものを送ろうとは思いもしなかった。人生分からんものである。
2015年6月23日(火) 走行距離63km 累計14361km