自転車ときどき世界1周

2016年02月

 オーストラリア158日目 キャンベラの町〜シドニーから南西に約170km ゴールバーンの町

 しかしオーストラリア東部は快適である。何が快適ってハエが全くといって良いほど姿を見せないことだ。恐らく内陸部の1%にも満たない数であり、同じ国とは思えないほどオーストラリア東海岸では楽しての走行が続いている。

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 あんまり快適すぎて寝坊した

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 日曜なのもあってか自転車乗りの多いこと

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 僅か10kmほどでNSW州へ

 緯度か季節的かは分からないが、本日曇り空の天気ということもあって実に心地いい温度となっている。数日前まで山の上で寒かったと思えば、今度は直射日光で勘弁してほしい暑さとなり。なかなかベストの状況にならなかった気温も良い感じなのであり、これはやる気もうなぎ上りというものよ!

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 んで休憩 やる気は何処行った?

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 一緒になった方からコーヒーやれクッキーやれ頂く

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 こういう出会いがあるから自転車旅行は好きなのだ

 気分上々の私に影響されたか天気まで上々に晴れてくる。おかげ様で今日も午後から大汗かいての走行ですな。

 なお、自転車で快適なペースをイジして走っている時というのは、汗をかいている実感というのがほぼない。丸1日走り終えた後などに、ふと体を触ってみると汗でお肌がベト付いていることから「汗をかいたのだなぁ・・・・」という事実が分かる。

 こうしたことから、ややもすれば体を洗わなくても大丈夫なんじゃね?とか勘違いして、テント内で横になったところで体中がベタついてどうにもならない!という失敗を何度か重ねたりしている。私、神経質なので気持ち悪いと眠れないタイプなんですよ。

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 お昼休憩場所がまた眺めの良いポイント

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 さっき貰ったプラムをデザートにしましょうか

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 今日のゴールの町は人口2万4千と大きな町

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 「お疲れ様!!!!」

 いや、まさかこんな巨大羊が出迎えてくれるなんてビックリだ。完全に前情報がない状態で、道を曲がった先にいきなり現れる巨大羊。これにときめかないワケないのであり、流石何処行っても羊を見かけるオーストラリア。今夜の夕食はラム肉にしよう。

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 その前に公園の無料シャワーでサッパリして

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 不気味な色のカタツムリを通過する

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 思わず撮影しちまったじゃねーか!

 ちなみに日本ではジンギスカンでもない限り、ラム肉(羊肉)を食べる機会はほとんどないが、オーストラリアでは牛・豚・鳥と同様に羊の肉が常に扱われている。あと数は少ないがカンガルーの肉も。

 他の肉と比べて味も遜色ないのに値段が若干安めということもあって、実にお世話になっているラム肉なのだが、実はどの宗教でも食するのに問題ない肉として、非常に有用であるらしい。日本でももっと売り出してほしいと思いますん。

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 良い味ですよ、羊のお肉

 2016年2月21日(日) 走行距離99km 累計31719km
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 オーストラリア157日目 クイーンビーアンの町〜オーストラリア首都 キャンベラの町

 冒頭にその日到達した町を書くのがこのブログのお約束なのだが、オーストラリアの首都であり大都会のキャンベラでも人口300人しかいない辺境の片田舎でも全て「町」と表現している。

 これは要するに面倒くさいからなのだが、そもそも「村」と「町」や「街」「都市」といった違いに細かい規定があるのかを私は知らない。今のご時世ネットですぐに調べることもできようが、もちろんそんなことをする気はない。興味が湧かないことに対して淡白な茶壺です。

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 ウッドチップは思ったより固かった

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 この値段であまりに美味くて2度買いに行ったカスタードケーキ

 さて本日はキャンベラの町でも観光することにしましょうか。シドニーとメルボルンのどちらに首都を置くかで揉めた挙げ句、妥協の結果として設置された首都なのだが、現在では人口も堂々第8位という見事な微妙なポジションを築いている。

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 3km走って再び首都特別地域へ

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 日本でいう首相官邸

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 超絶整備された計画都市ですわこりゃ

 川を挟んで南側は、官邸の他にある建物が各国の大使館だらけ。もちろん日本大使館もこの大使館村に位置しており、ちょっと情報収集しようかと覗いてみたら土曜日で休みだった。どおりで交通量が少ないわけだよ。

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 なので国立図書館へ行ってみる

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 入り口でお出迎えしてくれた君は誰?

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 メルボルンの図書館の方が面白かったなぁ

 そもそも図書館を名乗っているクセに、蔵書が少なすぎるのである。もはや機能としては「無料パソコン作業所」に近い形態なのであり、どうせ私にゃ読めないけれども壁一面を本で覆っている光景が見たい人としては残念でならない。本が整然と並ぶ光景が好きなのだ。

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 お昼食べていたら隣のグループからぶどうを貰う

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 国立博物館 ここも無料で見学できるという太っ腹

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 半世紀前にオーストラリア中を走り回ったというおじいちゃんの自転車が展示されてた

 しかしキャンベラの町は走りやすい。基本的な主要道路に全て自転車道路が設置されているだけでなく、細かな段差もシームレスに繋ぎあわせてあるし、主要建物には自転車を立て掛ける及びロックをかける支持物をキチンと用意している。

 オーストラリアの州都クラスの町では、どこも自転車に対する設備が整っていたのであり、自転車後進国の日本はもっとこうした国々から学んだ方が良いと思う。

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 道路より広い自転車道路

 首都のど真ん中でテント張るのは大変(「躊躇われる」じゃないことがポイント)なので、少々郊外へと移動したのだが、何処もスポーツグラウンドだったりして今イチである。というか、BBQテーブルが欲しいのです私。

 結局無駄に10kmほど走り回った挙げ句に辿り着いたのは、シティセンターのすぐ脇に位置する公園である。人のいない場所を求めたら、何故だか都会のど真ん中に戻ってきた事実。確か「青い鳥」ってこういう話だったよね?←違う

 2016年2月20日(土) 走行距離47km 累計31620km
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 オーストラリア156日目 クーマの町〜シドニーから南西に約250km クイーンビーアンの町

 深夜の3時にテントを叩く音。何かと思えばスプリンクラーさんの来訪なのであり、その後1時間に渡ってテントを激しく打ち付けるも無視して寝続けてやった。思えば図太くなったものである。

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 もちろん朝から天日干し作業する羽目に

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 焼き鳥にしてまうぞ?

 朝は寒くて目が覚めたものだが、日差しを受けると途端に汗ばむ強い日差し。多くのオーストラリア人から言われたように、この国の日差しは本当に強烈なのであり日焼け止めは必需品だと思う。使ったことないけども。

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 雲の1つでも出てきやしませんかね?

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 バスケゴールもそっぽを向いてしまうよ

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 日陰からだと写真の色合いも大分違う

 さてオーストラリアの首都キャンベラは「首都特別地域」という、名前からして特別感溢れる独自の州で構成されている。別に行かなくても構わないけれど、普通に走ってたら特別区入りしてしまったので行き掛けの駄賃にキャンベラの町を観光しようかね。

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 割と簡単な州境表示

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 奈良とは姉妹都市なのですね

 そういえば我が故郷の多摩市はどっかの国と姉妹都市になってたりしたのだろうか・・・?とか、そんなことを考えつつ細かなアップダウンを上り下り。

 正直、スレッドボの町を過ぎれば暫く下り坂で楽ができると思っていたのに、そういう楽な道には終ぞならず。いやいやそんなワケはないのだが、人間嫌らしいもので苦しい上り坂の記憶は「長く辛いものだった・・・」と感じ、楽チンな下り坂は「全然走ってないぞ?」と誤解してしまう。

 この症状を「キツいことばっかりシンドローム」とでも呼ぼうかしらね。「往路が向かい風だったから帰り道は追い風かと思ったのに、風向き変更して帰りも向かい風だったんだぜ〜」・・・という自転車乗りあるある会話で活用できそう。

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 おっ、ソーラーパネル村

 キャンベラまで10kmというポイントで本日は走行終了し、明日を観光に回すことにしようと思う。というのもこのクイーンビーアンの町でフリーシャワーを発見したからなのであり、日本でいえば無料温泉を見つけた時と同じくらい嬉しい。

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 海辺でもないのに有難いです

 なおオーストラリアの国が大きすぎる関係で、オセアニア区域のカテゴリは国毎でなく州別にしているのだが、キャンベラの首都特別区域はニューサウスウェールズに含もうと思う。だっていちいち分けるの面倒くさいし、そもそもクイーンビーアンの町はギリギリニューサウスウェールズ州なのである。

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 スーパーと川を挟んだ位置にある公園で夕食

 今日はスプリンクラーに邪魔されませんように・・・と星空に願って就寝。

 2016年2月19日(金) 走行距離113km 累計31573km
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 オーストラリア155日目 スレッドボの町〜シドニーから南西に約330km クーマの町

 朝、目を覚まして外を見たら、丁度氷が溶けて落下していった。2月のオーストラリアはまだ夏真っ盛りなのだが、たかだか標高1500m程度の高さでこの冷え込みである。昨日のニュースではタスマニア島は雪が降ったとか言ってたし、思っていたよりオーストラリア南部は寒いですな。

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 ベッドが2つあったのを見て中国の宿を思い出した

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 いやはや楽しいハイキングができた山だった

 ちなみにホストのマイケルは、昨日の夜から私に鍵を預けて出張してしまったため不在。せめて別れ際にお礼だけでも言いたかったのだが、仕方なく置き手紙を残して出発する。

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 黒塗りされてない珍しい動物注意の看板

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 山の合間を抜けるようにして伸びる道

 一昨日必死に坂道を登ったのだし、今日はご褒美ダウンヒルで楽できると思っていたのだが、山間部を走る道というのは上り下りを繰り返させる道である場合が多いのであり、この道もその例に漏れず楽して進もうという私のプランはあっさり瓦解した。

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 やってらんないっすわー

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 この辺はダム湖もけっこうある

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 北海道のクラーク像を思い出した

 50kmほど走ったあたりでようやく周囲が緩やかな丘陵へと変化する。今年は春(9〜11月くらい)に雨が降ることが多かったらしく、その影響で通常なら茶色へと変化していく大地は未だに緑色を広げている。そうした景色を見るたび「WindowsXPの壁紙みたいだ・・・・」とか思ったり。

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 雲がうじゃうじゃしてるのはワクワクする

 登り坂も有りはしたものの下り基調の道である。それほど苦労することもなくクーマの町へと到着し、結局日中は暑くて仕方がないいつものオーストラリアであったので、乾いた体を潤すべくビールを飲みませう。

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 町の看板に人口が表示されることが増えた

 ところでクーマの町の人口8000人というのは、オーストラリア的には「やや大きめの町」に該当する。人口が5000人を超えていれば、その町にはコールスかウールワースのスーパーがあることが多い。なお1万の大台を越えると、2つのスーパーが両立していることがほとんどだ。

 2大スーパーがない町を網羅しているIGAスーパーが素晴らしいのは、人口1000人くらいの小規模な町でも建てられているからだ。ちなみに人口200人くらいまでならば、町中に「ジェネラルストア」という個人商店があることが多い。

 オーストラリアというと、シドニーやメルボルン、ブリズベン等の大都市の名前が浮かぶ人が多いだろうが、これらの町はこの国の1%にも満たない僅かな土地だ。残りの99%を占めるであろう田舎区域でどれだけ効率的に補給ができるか?

 そういう知識と情報が、オーストラリアの田舎を自転車で走るにおいて重要なことなのだ・・・・とか最近思う茶壺さんです。

 2016年2月18日(木) 走行距離101km 累計31460km
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 オーストラリア154日目 スレッドボの町

 セブンサミッツという言葉がある。これは世界7大陸における最高峰の山を示しており、8000m14座と違って「お金があればどうにかなる難易度」であることから、これらの山々を制覇しようという人も少なくはない。

 そうしたあんまり難易度が高くないとされるセブンサミッツの中で、ダントツに難易度が低いのがオーストラリアにあるコジオスコ山である。何しろ標高2228mと、車で行ける富士山5合目よりも低い。だがまぁ山は高さじゃない!どれだけ楽しんで登ることができるか、登った後の充実感があるかであり、行きましょうかねコジオスコ登山。

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 ちなみにスレッドボの町はスキーなどで賑わう観光の町

 つまり、ほぼ山頂付近まで夏季でも営業しているスキーリフトを使って登ることができるのであるが、敢えて私は徒歩で進む。お金がもったいないせっかく自転車でここまで自力で来たのだから、山頂まで自分の力のみで登りたいじゃないですか。

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 スキーコースだけあって斜度が厳しい

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 頂上リフトまで上がってしまえばハイキングコースに

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 川が流れる横を歩いて行く

 そもそもコジオスコ山は地元の人達がハイキングするのに人気という感じの山。Tシャツにペットボトルだけしか持たない兄ちゃんが歩いていたりするのであり、そもそも登山道はほぼ全面に渡って鉄格子で整備されており至れり尽くせりな道なのである。

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 むしろこれは登山道というべきなのか?

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 まぁ景色がきれいだしどうでも良いのだけれど

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 出発から3時間ちょいで無事登頂

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 山頂に到着した頃から一気にガスってしまった

 何が堪えたかといえば寒さもあったが、それ以上に昨日のヒルクライムで両足が強烈な筋肉痛であることだ。日本1周で富士山登った時にも思ったが、自転車旅行の最中でそれなりの山へ登るという行為には、十分な期間を設けるべきだということだ。

 そうでないと私のように全身疲労困憊筋肉痛の状態にも関わらず登山することとなってしまい、何かとよろしくない。というか、登山そのものよりも登山口までアプロートするのに全力を使う事になりかねないので。

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 帰り道のリフトは無料なので一気に下れる仕様

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 夏場はMTBのダウンヒルコースになっているらしい

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 なるほど自転車はそうやって持って上がるのね

 リフト使わずとも山頂まで往復で約15kmちょっと。特に厳しい坂を上らされることもなかったため、13時過ぎには下山完了。これが予め分かっていたならば、インスタントラーメンやガスバーナーまで持っていかずとも済んだのだが。コジオスコ山の恐るべき罠である。

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 麓にあったサイクルショップがダウンヒル専門店状態で面白い

 何だかんだで結構楽しかった山登り。自転車よりもさらに遅い速度での移動であるが、そうでなければ見落としてしまう物があるのだと思ったり。そう考えると「徒歩における世界1周」・・・という変態的な旅行をする人がいるというのも分からないではない。なお、やりたくはない。

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 しかしマイケルのお家に泊めてもらえて本当に助かった2日間である

 2016年2月17日(水) 走行距離0km 累計31359km
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 オーストラリア153日目 カンコーバンの町〜メルボルンから東北東に約330km スレッドボの町

 犬3匹・猫2匹・鳥2匹を買っているアランの家。なおオーストラリアの田舎では、これくらいの数のペットは至って普通であった。家畜もたくさんいるけれど、ペットの数も抜群に多いオーストラリア。家が大きいって素晴らしい。

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 ちなみにこの子は犬じゃなくてディンゴ

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 楽しかったです。ありがとうアラン

 出発して10分くらいは寂しさとか寂寥感で涙が出そうだったのだが、その5分後には上り坂に入って汗が出る、と。全くもって感動に浸る暇もなくヒルクライムの始まりである。

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 1つ目の峠の景勝地

 所詮平坦なクであるオーストラリア土地は、山岳地帯の標高も高が知れているといわれればその通り。結果的に本日登った最高地点の高さは1580mで、日本1周中に2700mまで登らされたことを思えば大した数字ではない。

 だがしかし。標高350m→1000m→450m→800m→500m→1500m・・・という上がっては下らされる、鬼のような峠道。「山々が連なって厳しいぞ」とか聞かされていたタスマニア島が可愛く思えるほどである。

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 ただし休憩所は素晴らしい設備

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 もうここでテント張って終わりにしたい

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 そんな気持ちだったからか前輪がパンク

 先日から後輪でパンクが頻発したこともあり、チューブを交換してみれば今度は前輪パンクかい!作業中に周囲には蚊の大群が飛び交っているし、イライラを越えて何も考えたくなくなってきた。

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 このレストエリアから最後の1000mアップがスタート

 この坂道で遂に足が限界を超えてしまったのか、緩い斜度でも全くペダルを踏み込めない状態に。既にギアは最軽となっており、時速4〜5kmでヨタヨタと道路を走る。もはや自転車降りて押した方が速いのではなかろうか?

 刻々と迫る日没の時刻。遅々として進まない、もとい進めない自転車。一体どこのどいつだよ?「オーストラリアの東海岸は西に比べれば楽勝だ」・・・なんてほざいた輩は!私ですが。

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 シドニー→メルボルンを走ってる姉ちゃん この先2回くらいキツい坂があるけど頑張ってね

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 実は腕を上げるのもしんどかった最高地点

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 なおここら辺の地域の名前は「シベリア」

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  それっぽい木がたくさんあるからかな

 さて19時を過ぎてようやく辿り着いたスレッドボの町。2度目の利用となるウォームシャワーを使って連絡していたホストのマイケルの家に行く。実は到着が遅くて気になったマイケルが車で様子を見にきてくれていたのであり、先の最高地点での撮影者は彼だったり。

 特に両足太ももが痛すぎて泣きそうな満身創痍の状態であり、流石に明日は自転車漕ぎません。代わりにオーストラリア最高峰の山へと登山しに行ってくるけども。

 2016年2月16日(火) 走行距離79km 累計31359km
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 オーストラリア152日目 コリヨングの町〜メルボルンから東北東に約330km カンコーバンの町

 日本という国はそれはもうビックリするくらい山岳王国である。私は東南アジアとオーストラリアしか知らないけれども、日本に匹敵するほど山々が連なっていた国はラオスくらいしか記憶にない。つまり日本を走りきれたのであれば、大半の国々の山道はどうにかなるのである!・・・・と、私も思ってた時期がありました。実際のところ、どうにもならない道だらけですな。

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 しかし良い場所でした

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 糖分補給の名目で朝からコーラを購入

 それはともかく、世界で最も平地が広がっている国と評されるオーストラリアにおいて、まがりなりにも各国の山々を乗り越えて来た自分の脚力を信じて、オーストラリアの最高峰がそびえる麓の町ことスレッドボへ向けて出発である。

 なおこの時点で違和感を感じた方、流石の注意力に驚嘆すると共に、こんなブログを隅々までキチンと読まなくてもいいんよ?・・・と余計な一言を申し上げたい。

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 あ〜ヤダヤダヤマヤマ

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 峠を2つほど越えて川を渡れば

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 ニューサウスウェールズ州(以下NSW州)へと突入である

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 知ってるけど知りたくない情報ってのもある

 さて30kmほど進み、山中へと突入する手前にある最後の町ことカンコーバンへ。昨日はここまで走れれば・・・とか思っていたのだが、割と距離が長かったことと昨日は昨日でガッツリ坂道ったこともあり、辿り着けなかった町である。

 町の入り口を示す看板を通り、その脇に停まっているオッチャンは手を振っている。・・・いや違う、手を振ってるのではなくて「こっち来い」と手招きしてる模様。

 一体何なのかしら?と近寄ってみれば、
 「カンコーバンの町へようこそ」
 「いやいや、どうもありがとう」
 「オマエ、今日はウチに泊まれよ」
 「いえす」
 
 ・・・という、後から思い起こせば自分でも詐欺か何かじゃなかろうか?と思えるほどスピーディな展開で泊めてもらうことになった。というか、言葉だけ抜き出してみると冗談みたいな感じに思えるけれども事実です。

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 そんなわけでアラン宅にお邪魔する

 午前中で走行が終了してしまったのだが、それでは午後に何をしていたのかというと一昨日ついに壊れてしまったバッテリーチャージャーの修理をお願いしていた。

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 アランの仕事の関係上、自宅に専門工具がずらりと並ぶ

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 分解してマイクロUSBケーブルを直接ハンダ付けして修理してもらった

 ありがとうございますアラン。「何か困ってることはないか?」と聞かれたので、軽い気持ちで「バッテリーが壊れちゃってね〜」といったばかりに3時間以上も作業をさせてしまい、大変申し訳なく思っていますよ茶壺さん。

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 その後アランが建設に関わったという水道パイプを見に行ったり

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 アランの奥さんも交えて自家製ビールを飲みに行ったり

 そうなのだ。オーストラリアでは自分でビールを造る人がいるのであり、メルボルンでお世話になった小島さん宅でも自家製ビールを飲ませてもらったものであるが、実際に自分で造ったビールを振る舞われるのは始めてである。何飲んでも「実に美味い!最高ですわ!」という感想ばかりの私では、折角造ったビールが浮かばれない気もするけれど。

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 自宅にビールの製造場所を構えている

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 このビールの製造キット自体はスーパーで何度も見たのよね

 美味しい料理とビールを堪能し、明日こそ本当にスレッドボの町へと移動である。自転車に乗ろうという気持ちは全く湧いてこないのですけれども。

 2016年2月15日(月) 走行距離29km 累計31280km
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 オーストラリア151日目 ルドロウズキャンプ場〜メルボルンから北東に約320km コリヨングの町

 自転車が好きなのと同様に山登りも好きである。割と似通っている点があるのか、はたまた使う道具がそのまま流用できるものが多いからなのか、自転車と登山を共に趣味としている人は多い印象だ。

 私は自転車で世界中の知らない土地を回ると共に、異国の地において登山をしたいと常々思っていた。奇しくも東南アジア最高峰のキナバル山は地震があった影響で登ることができなかったのだが、オーストラリアでは無事に登ることができそうでなによりである。

 ということで本日からオーストラリア最高峰であるコジオスコ山へとアプローチ開始である。どういうことかといえば、ひたすら上り坂が待っているということだ。

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 朝焼けで目が覚めた

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 珍しく芝生の上にテント張りました

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 湖の中に枯れた木々が立ち並ぶ光景

 まだ距離にしてコジオスコ山までは200kmくらい先ではあるのだが、オーストラリアで数少ない山脈の間を縫うような道のお出ましである。タスマニア島で坂道の感覚を思い出しといて良かったなぁと思ったり。

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 暑いのとで汗がダラダラである

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 休憩!休憩! 

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 おや、本土にもいましたかハリモグラさん

 そろそろ昼食にしようと調べていたレストエリアの付近で後輪タイヤがパンクする。2日前に修繕したばかりなのに!こんなにパンクが頻発するなんて・・・ここはへっぽこ東南アジアの未舗装路じゃあないんですよ?

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 すぐ脇の家に避難させてもらって修理

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 ついでにお昼ご飯もここで食べさせてもらう

 果物貰ったりタブレット頂いたりと、パンクも悪いことばかりじゃないですね。逆境に陥った時ほど人様の優しさが身にしみます。

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 結構上り下りさせられたけど本番は明日

 110km走ってコリヨングの町に到着し、次の町まで移動して明日走る距離を減らしておこうか悩んでいたら、本日2度目のタイヤのパンク。何コレ?悪いこととか色々思い当たることが多いけど、ここまで責を負うほどのことをしたつもりはないぞ。

 一応言い訳しておくと、パンク修理が下手糞で貼付けたパッチが駄目になったとかのパンクではないからね。本日2回とも小さな針が刺さっていたのを見つけて取り除いているし、運が悪かっただけ・・・だと思う。

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 今回でパッチの数が10ケ近くになったためチューブ自体を交換

 都会であるビクトリア州でも、ここら辺の田舎町では日曜日に営業しているお店は少ない。頼みのスーパーも午後4時閉店であり、ようやく町に到着した時には既に店は消灯されていた。

 良いですよ別に。メルボルンで小島さんから頂いた日本の食材もたくさんあるし、少しでも荷物を軽くしておかないと明日のヒルクライムで足が根元からもげかねん。

 そうしてビールの代わりに水道水をガバガバ飲み、下手したら山から離れるまでビールが飲めないのではないか?と、正にこの瞬間気付いて驚愕している茶壺であった。

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 ビールのない夕食は何か寂しい

 2016年2月14日(日) 走行距離110km 累計31251km
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 オーストラリア150日目 ベナラの町〜メルボルンから北東に260km地点 ルドロウズキャンプ場

 オーストラリアも150日目で約5ケ月。結構色々回ったつもりでいて、案外そうでもないのが自転車旅行なのであり、自分が心底満足するまで全ての国と地域を走ることができたら・・・とか夢想するのだけれども、いくら時間があっても足りなそうな話ですな。そうでなくとも私は寄り道多い方なのだし。

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 久しぶりの屋根がない場所でのテント泊

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 涼しいと思うのは起きてから1時間くらいまでかな

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 たまにはブッシュファイヤ危険のない表示を見てみたい

 さして面白くもない高速道路の走行が続いているのだが、それというのも他に選べる目的地までのルートがないためである。西側に比べれば実に多くの道が選択できるオーストラリアではあるが、それでも町を離れてしまえばスッカスカなのが基本の国。

 というか私の感想としては、日本という国がどこまで走っても家が途切れない・・・という一種異常な人口密度を誇っている国なのだと感じる今日この頃。

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 この一角に大量の小銭が落ちてた

 おっと!ネコババは駄目ですよ。拾ったお金を然るべき機関へ届けるのは国民として当然の義務です。私はオーストラリア国民でないのでマイポケットに届けましたが。

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 わざわざ電光掲示板に出す情報なのか?

 理由は忘れてしまったが、小金が入ったので贅沢にも昼を外食で済ますことにする。といってもハンバーガーチェーン店ですが。オーストラリアの物価は高すぎるので、ファストフード以外の店に行こうものなら私の1日で使う金額よりも多額の料金を請求されること必死である。

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 ジャックスも今イチなことが多いけど

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 そんなにテント張るポイント大きくしなくても良いですよ?

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 レストエリアで休んでたらエナジーバー頂いて

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 喜んでいたら、次から次へと追加で貰ってしまう

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 当初の目的地であったウォドンガの町

 この町を越えると暫く大きいスーパーに出会えなくなるのだし、無理せず休むべきだと思うのだが、明日明後日の道が超絶ヒルクライムなので少しでも楽するべく距離を縮めておきたい。

 こういう時、下手に先々の情報が分かってしまうネットというものの功罪を考えずにはいられない。「何も知らない」ということは苦労に繋がることが多いのだが、情報を得ることで事前にテンションが下がってしまうのは旅行している者としてどうなのかと思ったりもする。

 そんな思いを抱えながら予定していたレストエリアへ行ってみれば、あるはずの電源コンセントがないどころか水道もないでござる。仕方なしに近くのガススタンドで水を頂けないかお願いしている私なのであり、とりあえず情報がない方が突発的な事態の対応力は上がるよね・・・とか思ったりする。

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 アイスを貰ったりすることもあるし

 それどころかシャワーまで使わせてもらってリフレッシュしての再出発。変更したゴール地点に到着したのは20時半となってしまい、夕食も作らずビールだけ飲んで寝てしまったりしたけども、こういう旅行の方が私に会っているのかも・・・とか思ったり思わなかったり。

 なお温くなったビールも他の人から氷を貰って冷やしております。常に行き当たりばったりで動いているな。

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 夕食抜いたのは旅行始まって以来じゃないかな? 

 2016年2月13日(土) 走行距離131km 累計31141km
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 オーストラリア149日目 シーモアの町〜メルボルンから北東に約170km ベナラの町

 昨日1日走って改めて感じたのだがオーストラリア(本土)は起伏が少ないね。昨日約100km走ったけど獲得標高は200mないのではなかろうか?きっと他国からオーストラリアへ入国したサイクリストは「なんて楽な道なんだ!」とか感動すると思う。というか、私が昨日感動した。

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 電源コンセントがあったので充電済み

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 すげー凶悪な動物かと思われる

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 このレベルのレストエリアが頻発するのがビクトリア州

 しかしやっぱりタスマニア島とは気候が違う。直線距離で300km程度しか離れていないはずなのに、メルボルンに着いてからの暑さといったら!思い起こせば日本1周の時も、青森県から北海道に渡ったところで何故か一気に寒くなったものだ。

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 まだ問題のない気温ですけれど

 高速道路を走っているので移動は速いのだが、景色に変化が少なく写真もあまり撮ることがない。そんなこといったらW.A州なんて1週間とか景色に変化がなかったような気がするのだが、あの頃の私は一体何を撮影していたのかと疑問に思う。

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 とりあえず昼食休憩ポイントは撮影してたかな?

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 ここでオバちゃんからスイカを頂く

 全くもって暑い時にもらうフルーツは最高である。オーストラリアでも色々な果物を食べてきた私であるが、実は自分で購入したことがあるのはリンゴとバナナのみだったりする。何故か果物は購入しようとすると東南アジアでの物価を思い出してしまい、なかなか手が伸びなくなるという後遺症に苦しんでいる。

 これが肉だとかビールではその症状が一切出ないのであり、人の体というものは実に深い謎に包まれているのだと感心したりする一幕。

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 この公園でテント張って終わりにしたいほどに綺麗

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 中央分離帯がある道路

 ゴールまで残り10kmという場所で後輪タイヤがパンクする。おお!パンクか。ナラボー平原以来のアクシデントということを考えれば、タイヤに文句を言うのは少々酷というものか。もう所々にスリップサイン(タイヤの限界を示す印)が見え隠れしているし。

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 なお一気に2カ所もパンクしていた

 パンクで30分程遅れたが、本日も無事に走行終了。とりあえずスーパーに入ってビールを物色する私。良いですな、毎日食料を買えてビールが飲める日々というものは。イーストオーストラリアではお金の使い過ぎに注意を払わねばと思う。

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 右は始めて飲んだフランスビール

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 ちょっと遅くなって慌てていたので夕食を撮り逃した

 そういえば日が沈む時間も21時半であったのが30分程早くなってきた最近であり、東へ進んでいるのと共に、オーストラリアの夏も終わりに向かっているのだなぁと思う。まぁ私はかれこれ1年以上も夏が続いているのであり、終わらない夏をまだまだ楽しみたいと思っていますが。

 2016年2月12日(金) 走行距離106km 累計31010km
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