自転車ときどき世界1周

2017年03月

 ここ最近日本人宿に泊まる機会が多かったため、割と色々なタイプの旅行者と話す機会があった。そういう人達の旅行スタイルを見ていると改めて「自転車旅行」というのが少々異質なスタイルであるのだと思ったのであり、改めて私の自転車における旅行のあり方を書いておきたい。


 んで、私が1番強く感じたのが自転車旅行というのは「他を当てにする割合が極力少ない旅行」ということ。

 バックパッカーと呼ばれる人たちはサイクリストに比べてその分母が桁違いに大きいためか、その旅行スタイルも千差万別に富んでいて面白い。1つの箇所に留まり続けて終いにゃ働き始める人や、現地でお金を稼ぎながら旅行をしてる人もいた。

 だがまぁ基本的に共通して「移動はバス」なのだ。ついでに言うと「宿泊はほとんど宿」である。テントを持ってる人もいたけれど、それが主要な宿泊の手段になってる人にはまだ会ってないので割愛。

 つまり旅行を続けていくことは、常に人の力を頼りにしなくてはならない。

 この点で自転車旅行というのは、その道中における他人との関わりを究極「食料の売買」という1点にまで狭めても旅行を継続することが可能なスタイルだといえる。

 その旅行の期間中における生活用具一式を持ち運ぶという点で、自転車旅行者はバックパッカーよりも登山者に近い存在なのではないかと私は思う。


 これが何を意味するかというと、我々は「すげぇ身勝手」であるのだ。オブラートに包むと「自由」であると言い換えることもできる。

 特に移動手段と宿泊先を自己意志で決定できるというのが大きい。同宿者の人たちが先のバス予定や宿の予約に精を出している中で、サイクリストというのはとにかく無計画極まりない。これは多分、私だけじゃないと思う。

 疲れたら走るのやめてしまう、合わないと思ったらサッサと移動する。そうした自分の都合で移動する際のフットワークの軽さが自転車乗りにはある。とにかく食料さえ確保しとけばその他の制限が(あんまり)ないのである。そして人の住む場所であれば食料はどこにでもある。

 別に自転車旅行にも1カ国の滞在できる限界日数とかあるので完全に好き勝手できるわけではないし、そもそも道の上しか走れない不自由さがある。それでも自転車旅行は自分で選択できる範囲が非常に大きいスタイルの旅行であると思う。


 ところで私は割に「自由に生きてる」とか「好き勝手やっている」という評価を受けることが多い人なのだが、そんなことは全くない。むしろ人生は妥協の連続だと思っている。

 でも多分、誰しもその一生の内に自分の意思を貫き通す「引いちゃ駄目な局面」というのが何度かあると思うのだ。どんなに周囲に迷惑がかかろうとも、死ぬ気で勝負すべき天王山が。

 多分、私の自転車における世界1周旅行を決意したのはそうしたターニングポイントの1つであったのだと思う。その時に自分の要求を一切妥協することがなかったからか、まぁその他の小さい細々としたストレスに対しても平気な顔して日々楽しんでいられるのではないかと。

 バックパッカースタイルの旅行はまた自転車旅行にない楽しさがあるのかもしれないが、恐らく私にはそうした旅行ができない。やれないではなくできない。

 それは知識とか経験とかではなくて、私がそうして望んだ旅行のあり方が「自分の意思で好きに移動する」ことにあるからだ。そこを妥協することは、私にとってこの旅行が死んだことを意味する。


 まぁそういう気持ちを持ち合わせていることもあり、他者に合わせて予定を変えたり1人で行動せず常に誰かと一緒にいる旅行者を白眼視している向きがあると思う。たかが遊びで何と偉そうな。

 だがこうして色んな旅行者と話してみると、それぞれに自分の内に抱えた旅行における「譲れない一線」というものを感じたような気がする。そういうの全く感じない人もいたけれど、それはそれで。

 とりあえず私が旅行で大切に思っていることは、大多数の旅行者にとって「かなりどうでもいいこと」に位置付けられてることが多いようである。

 自転車旅行者が理解される日は遠い。
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 メキシコ84・85日目 カンクンの町

 それではスーパーリゾートであるカンクンの町を観光しようと思うのだが、ちょいと日差しが強すぎるのであり落ち着くためにと一休みしてたら漫画読み始めてしまった私。

 まぁ分かってたのだが一度読み始めると止まらないのが漫画の怖さ。ついつい勢いに任せて読みふけってしまったのであり昨日のBBQ材料残りで昼食作るの挟んではいるものの、午後3時まで何にもせずに終わる。バガボンドが悪い。

 これが怖いから基本的に海外出て以降、日本語で書かれた漫画には手を出さずにいたのだが。人が堕落するのは一瞬である。そもそも堕落しきっていたとか言うな。

 気持ちを立て直したとかそういうわけではなく、単純に既刊を全て読み終えたのでようやく活動開始する。そうして始まった麻雀2回戦は夜遅くまでアツい勝負を繰り広げるのである。

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 なんて楽しい 


 翌日。流石に昨日は無気力すぎた・・・とか反省するような性格だったらどれだけ良いことか。今日も朝から麻雀しているダメ4人組の構成員として「麻雀は運と確率を計算する知的な遊びである」と諳んじておく。

 でも午前中の勝負は負けてしまい、気分転換のためにリゾートエリアでも観光してみようかね。完全に麻雀やるためカンクンに来た形となっているが、実際麻雀ができると聞いてたからこの町へ来たので何も間違ってはいない。

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 海沿いには高級ホテルがずらり並ぶ

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 道路すらリゾートっぽさを感じるな

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 カリブの海だからそれっぽい船も多数有

 ちなみにカンクンは町の東側に大きな湖が存在し、これの更に東部がリゾートエリアとなっている。つまり湖をぐるっと1周するとカンクンの町と海沿いのリゾートエリアとを両方を見て回ることができるのだ。

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 なおリゾート地区のモールにはちょっと入りきれなかった

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 道路端に剝き身で置かれてるATMとかさ

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 まさにリゾート地という感じ

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 その割に海の色が綺麗なのは素晴らしい

 荷物がないのと整備終えたばかりというのもあり、自転車のペダルが軽いこと。アップダウンもないこともあり約40kmの距離で色々見て回りながらも3時間ちょいで走ってしまった。かなりのペースである。

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 でも道路狭くて交通量多いからオススメはしない

 宿に戻ると麻雀面子の1人がシェア飯で夕食作ってくれるという。そりゃまぁ私もご相伴預かること待ったなしなのであり、お手伝いしつつ晩御飯をば。

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 グアテマラで宿経営してる方でこちらに短期滞在中とのこと

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 魚のフライが食べれる幸せ

 そして麻雀は夜の部へと突入する。ここでようやく1位を取ることができたのであり、つまり私はこの麻雀宿ことロサス7を出発する準備が整ったということだ。

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 勝者の戦利品

 2017年3月22日(水) 走行距離 0km 累計59642km
 2017年3月23日(木) 走行距離41km 累計59683km
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 メキシコ83日目 カンクンの町

 周辺には綺麗な海、大勢の観光客をもてなす色とりどりのアクティビティ、近場には多くの有名遺跡群が立ち並ぶカンクンの町。私もセレブな旅行者として海辺でよく分からんワインを開けつつ水着美女を眺めるのも悪くないのだが、それはともかく自転車の整備をした後の話。

 メキシコシティ以後かなりの距離をノーメンテで走行しており、チェーンやリアディレイラーから嫌な音が出る始末。自転車旅行者である以上、海や観光よりも大切なのは愛車の状態であることは否めない。水着美女とすら甲乙つけがたい。

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 なので近場のサイクルショップへ

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 なおこの日外に出たのはスーパー行った時との2回のみ

 購入したパーツを交換したり自転車の整備したりと作業に入る。最初に思い描いてた遊びとずいぶん差が出た気がするが、大丈夫これは前哨戦に過ぎない。カンクンの本番はこの後に始まる。

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 散髪ですね

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 ハート型に刈ってもらったのだが分かりづらい

 ここから流れるように洗濯したり壊れかけてたスピーカーの修理をしたりと八面六臂の大活躍である。この暑さの中で自分でもほれぼれするような働きっぷりには喝采を送りたい。

 いやいや違う。カンクンで私がしたかったコトはそれじゃあない。旅行というのはその土地・その町でしか見れない景色、できない体験、会えない人たちと交流し新たな刺激を受けるコトが大切なのだきっと。つまり私がなすべきコトは・・・

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 麻雀である

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 もう最高に楽しいよ

 海なんぞ知らん。ここで牌を触っているだけで、カンクンまで走った長く厳しい道のりが浄化されていくようだ。「日本人宿で観光にも出ず、昼からダラダラと麻雀をしている旅行者」という、どうしようもない旅行者を体現することができて心から嬉しいぞ。

 ちなみに夜は同宿の人たちと一緒にバーベキューした。みんなで買い出ししてバーベキュー台使って火起こししたり肉を食べたりするのはすごく楽しいですね、麻雀の次くらいに。

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 こういう営業は許されるのだろうか? 

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 割とよくあるイベントらしい

 0時過ぎまで飲めや歌えや楽しんで、ようやく私も自分のベッドへと戻るのである。明日は海くらい見に行ってみようかね?

 2017年3月21日(火) 走行距離7km 累計59642km
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 メキシコ82日目 カントゥニルキンの町〜メキシコ最大のリゾート地 カンクンの町

 久しぶりに草地の上でテント張ったからか、フライシートに水滴が付いていた。これを放っておくと生地の劣化やカビが生える原因になることもあり、シートを干して乾燥させるという作業工程が朝から追加されることになってしまう。どうにかならないものだろうか。

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 そこら辺に放っておくだけなのだが

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 思ってたよりも大きかった
カントゥニルキンの町

 町を抜けてカンクンへと移動である。もう今日は100km以下の距離であり、私がちょっと本気を出せばあっという間にたどり着ける楽な行程だ。問題なのは今日も強い日差しで暑い1日であるという点。

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 そしてタイヤがパンクしてやる気が出ない点

 出発して僅か5kmでパンクとかもう神様が「今日は走るな!」と導いているとしか思えないのだが、私は天からのお告げよりビールを優先したい人なので粛々とパンク修理を終えて走行再会である。運命とビールは自分の手で掴み取るものなのだ。

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 ある程度走ったところで高速道路脇の道に出る

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 こういう「残り100km」系の看板って海外では珍しいと思うの

 メキシコにおけるスーパーリゾート地域であるカンクンは、そうした土地の宿命なのか物価が高い。まだ町中入ってもいないというのに、昼食で頼んだトルタスが1ヶ40ペソ(約230円)とか倍額近い値段となってしまい印象悪いのですけれど。

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 しょぼい

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 観光地だからね、仕方ないけどさ

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 嬉しそうな顔すんな

 厳しい暑さは午前中がピークであったらしく、午後は多少走りやすい気候となる。勢い余ってお昼過ぎに2ℓジュース買ってしまった私は当てが外れたということだ。結局ゴールするまでに飲みきらなかったし。

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 外国人旅行者にも大人気らしいですよ

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 でもまぁリゾート地区でない場所は普通のメキシコ

 交通マナーの悪い道路を抜けて到着したのは日本人宿。なお私はこの宿に来ることをすごく楽しみにしていた。なぜかって、そりゃとても高尚な知的遊戯が楽しめるからであり、つまり私のカンクンにおける滞在理由は8割方麻雀をするためにある。

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 メンツ揃うかな?

 2017年3月20日(月) 走行距離93km 累計59635km
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 メキシコ81日目 道路脇の敷地〜カンクンから西に約70km カントゥニルキンの町

 メキシコも東へ東へと走ってきたため朝日が出てくる時間が早くなったと思う。日本は単一時間の国ということもありあんまり意識してなかったが、東西に1000kmとか移動すると普通に1時間くらいは日の出・日の入り時間はズレる印象だ。

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 明るかったからか今日は6時起床

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 この施設、2年前には日本人もいたらしい

 ではクソつまらない残り50kmの逆走開始である。幸いなことに強い北風なので、そんなに頑張らなくとも先日のティシミンまで戻るのは容易いと思われる。

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 道中の写真もこれ1枚

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 あっという間にティシミン到着

 とりあえずスーパーで買い物して、お昼ご飯を済ましたところで進路を東に取る。主要道路に沿っていくならば、このまま南下しバヤドリド付近から高速道路使って東進するのが簡単であるが、実は昨日ピンクラグーンでメキシコシティやオアハカで出会った旅行者と偶然出くわしたのである。

 そこでカンクンからピンクラグーンまでのルートを聞いたところ、ティシミンから東に抜けるルートは道こそ狭いものの自転車で抜けることに問題は無いと教えてもらった。

 以前カンボジアで細い道に突っ込んで死にかけたことがあってから、あんまり地元道路を信用しなくなってた私ではあるが、小さな道というのは交通量も少ないし治安も良い。選べるのであればこうした道を走りたいとは思うのです。

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 地味にショートカットにもなるし

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 私はこの道を走りますぜ

 35kmほど走ったところで一休憩。飲み物買った隣の商店でオッちゃんが「一休みしていけよ!」と声をかけるのでお言葉に甘えて休む・・・どころか昼寝していた。あまりに気持ち良かったので、つい。

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 そんで写真撮り忘れた

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 子供が必死で私を追いかけるの図

 ゴールとなるカントゥニルキンの町に到着する直前、右手に見えたのは消防署ではないですか!そのまま右折して1泊テント張らせてもらえるようお願いし、許可をもらった後に改めて夕食タイム。常に誰かに助けてもらって成り立つ私の旅行。

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 助かります本当に助かります 

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 夕食にピザとか頼んでみた

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 充電させてもらいつつブログ記事

 メキシコ入ってから「体を洗う」という点に関してはそれほど困窮したことは少ないが、そうはいってもシャワー浴びれるのは有難いことこの上ない。今日みたいに距離走った日には、なおさら身に染みるんだぜ。

 本日距離稼いだのとショートカットできたことが功を奏し、明日にはカンクン到着予定。当初はメリダから6日かかると踏んでいたので、1日短縮したことになる。

 この稼いだ1日分を超絶無駄に使ってやろうと今からワクワクである。

 2017年3月19日(日) 走行距離129km 累計59542km
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 メキシコ80日目 ティシミンの町〜カンクンから西北西に146km地点 道路脇敷地

 意外と大きな町だったティシミンだが、人口自体は2万そこそこ程度らしい。その割にホテルの数が多かったのは、私が本日向かうピンクラグーンの他にもこの周辺に観光目的となる名所が複数存在するからかもしれない。

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 今日は時間余裕持ちたいので早起きした

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 中庭が広くて良い感じだった宿

 ティシミンからまっすぐ北へと伸びる道をひた走る。微妙なアップダウンがあるものの、ギアを切り替えなくてもギリギリ対応できる程度の傾斜である。そういう微妙な斜度を細かにシフトチェンジし、疲労を蓄積させないのがスポーツバイクの基本的な乗り方なのだが、ギアがダブルレバー方式の私はハンドルから手を離すのが億劫なため、体力で無理くりカバーしている。

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 疲れたら休めばいいんだよ

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 交通量も少ないし気持ちいい

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 この交差点から東に向かう

 多少道路幅が狭くなりはしたものの、ちゃんと舗装されてるし問題ないね。このまま一気にラスコロラダスの町へと到着するぜ!・・・と意気込んだのが失敗だったか。

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 忘れた頃にパンクは発生する

 やってられんと思いつつ修理終えて海を望む道に出る。ユカタン半島西側もなかなか綺麗な色していたが、ここら辺の海は格別に綺麗で思わず見とれてしまう。

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 人がいないのが素晴らしい

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 塩、山盛りで頼む

 予期せぬパンクがありつつも無事ラスコロラダスの町に到着。とりあえず昼食にしようとしたのだが、観光客相手の強気な値段設定レストランが堂々と居を構えており、こんな店を利用したくない私。

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 フラフラ路地裏に入ったらお弁当売ってた

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 町自体はのどかな田舎町って感じ

 お腹を膨らましたところで500mほど逆走し、お待ちかねのピンクラグーンである。先の塩の山はここら辺一帯の塩田で取れたモノなのだが、このピンクラグーンもそうした塩田の1つだったらしい。

 それがプランクトンが発生したことで湖がピンク色に着色され、人を呼び寄せる観光名所になったのだから良かったのか悪かったのか。とりあえず自転車旅行者が1日半かけて寄り道する程度には集客効果があったようだ。

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 思ってたよりかなり大きい

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 思ってたより割とピンク色してる

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 たまには写真いじったものでどうぞ

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 調子に乗って一眼取り出して撮影してたけども

 面白いんだけど場所を変えて何度も撮影するようなモノじゃあないね、コレ。何しろ塩田なのであり、どこから見ても大きな水溜りでしかない。もっと技術ある人が撮ればまた違うのかもしれないけど、私は1時間でお腹いっぱいである。

 ということで時間余ったので逆走開始である。なお今現在これを書いてる時点で、逆走しなくともピンクラグーンを抜けてカンクン方面へと通過できそうな道を見つけてしまい少々凹んでいる。20km以上戻った後で気づいてしまった不幸。

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 ふと途中で気になる湖が・・・

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 あ、野生のフラミンゴだ!

 何はともあれ先に挙げた交差点付近の建物職員にお願いし、敷地内にテント張らせてもらう。周囲10kmに店はおろか建物は全くないが、んなこと1度走った道であるため把握しているぞい。

 ラスコロラダスの町で購入したお弁当を食べつつ、明日素直にティシミンまでは逆走します私。

 2017年3月18日(土) 走行距離91km 累計59413km
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 メキシコ79日目 テマスの町〜カンクンから西に約140km ティシミンの町

 ユカタン半島でも北部地域だと暑さはそれほど厳しくないようである。まあ暑くて仕方なかったフチタンだとかそこらへんの町から、500kmとか北上していると考えれば気候も大きく変わって当然なのだが。

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 夜中は少々肌寒いと思うまでになった

 悲しいのはユカタンは「半島」であるために、どう走ろうとも南方へと戻らなくてはならない点。再びあのおぞましいレベルの灼熱気候を走るのかと思うとゲンナリする。

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 昨日作ってたテントが完成してた

 せっかくなのでもうちょいユカタン半島の地理を語ると、西のメリダに対して東のカンクンという2大都市が中心となっており、これをまっすぐ高速道路が繋いでいる。この2都市の中央に位置するバヤドリドという町も一大都市として名を馳せている。

 海沿いにも小さな町が点在しているのだが、道路がこの3都市から放射状に伸びているため海岸線を走るといった走行は出来ず、またこれらの町へ向かおうとする場合、同じ道を50km以上に渡って引き返す必要があるのだ。

 と、ここまで語ってお分かりかもだが、私が向かっている寄り道の目的地はこうした海岸沿いにある町の1つである。何でそんな場所に行くのかといえば、面白そうだからだ。他に理由が必要なのか?

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 馬がぽつんと

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 木々の高さが低くなったような

 ちょっと水の残量が怪しくなってきたので、近くにあった民家にて助けを求める。普通に生水貰ったのだが「大丈夫だぜ!」と言われたのでグビグビ飲んでみた。後でお腹下さないか心配なのですが。

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 ちょうど暑い時間だったので日陰で1時間ほど休ませてもらう

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 フラミンゴの看板は初めて見た

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 涼しげですね

 ずっと向かい風に抗って走っているため非常にペースが悪い。ただ悪いことばかりではなくて、風に当たっているため暑さ自体はかなり緩和されることになる。

 この後にガソスタ休憩で停車した時、今日の日差しがとんでもなくキツイものであると自覚したのは風が当たってなかったからに他ならない。風は時に偉大なのである。

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 そんで大体迷惑な存在である

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 ドライバーのオッちゃんからプレゼント頂く

 先のバヤドリドに比べると非常に小さな規模ではあるが、それでもユカタン州で3位を誇るティシミンの町に到着する。バヤドリドから北に海まで伸びる道路の途中にある町で、この先ティシミンまでは同じ道の往復路となる。なんて面白味のない。

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 コーラ以外の選択肢なし?

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 ソカロもわりかし大きくて立派

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 どれも微妙に微妙なんだよなぁ

 いくつか宿を回って最初に訪れた宿が1番設備も値段も良かった事実。こういう時って無駄に探し回った分だけ骨折り損だと思いつつも、いくつか調べなくては気が済まない。RPGではダンジョン内をすべて探索しないと落ち着かないタイプです。

 2017年3月17日(金) 走行距離86km 累計59322km
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 メキシコ78日目 メリダの町〜カンクンから西に約220km テマスの町

 このホステル非常に居心地良い上、オーナーのラファが私に対してすごく良くしてくれるので本当に楽しかった。メキシコ人もしょっちゅうハグする人達なのだが、ラファとは10回くらいハグしたのであり「もしかしてゲイなんじゃないのか?」と疑いを覚えるほど。

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 無茶苦茶良い人なだけ

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 同宿していた崇くんとも

 頂いたホステルのTシャツを着て、9時半には出発である。ここからメキシコ最後の目的地となるカンクンへと向かう予定だが、その前にちょっとだけ寄り道しようかと思っている。

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 なのでメリダは北東へと抜ける

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 今日はそれほど暑くない

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 郊外に来てようやく安心できるというね

 交通事情の良いメリダの町ではあったが、やっぱり大都会は疲れるね。信号機だらけで平均速度も半分程度しか出せないし、常に車両の接近に気を配らなけりゃならないし。よくまぁ東京住みで自転車乗ってたと今となっては思う自分。

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 東京っても田舎の方だったし

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 珍しく豆が入ってない今日のお昼

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 何で1つだけ色違うのん?

 特に調べたわけでもないのに何故「気温が低い」と言えるのか?これはボトルの水を消費するペースが明らかに違ってくるからだと回答したい。もちろん湿度や乾燥度合とかその他色々な条件で影響出るのだろうが、基本的に気温と水分の消費量は綺麗に比例関係を作っていると感じる。

 本日の走行では途中で1度も水分補給休憩を挟まなくとも走りきれた!・・・という点からの「気温が低い」という結論に至ったワケである。要するに体感だけじゃ不安なので、他に理由付けしておきたいのだ。

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 ちょっと野営したくなる建物

 小さなテマスの町にて終了し、テント張らせてもらえそうな場所を探して町中をぐるぐると。流石に2ヶ月以上もメキシコいるので経験上テント張らせてもらえそうな場所とか施設は見当がつく。

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 今日はこの建物内にある警察署裏で

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 トイレに!シャワーが!

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 週末のイベントか何かで使うのかな?

 夕食終えてテント張ろうとしたところ、地元の人たちのダンストレーニングが始まる。世界一肥満率が高いらしいメキシコであるが、ここでエクササイズしてる人たちは皆さま良いスタイルをしていた。

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 超爆音

 1時間強で終了したので私も胸を撫で下ろしながらテント設営する。なお寄り道には往復150kmくらい走らなくてはならないみたいで、どんな感じで走行しようかと考えたりしつつ。テントで暇な時には大抵こうして先のルートを考えてます。

 2017年3月16日(木) 走行距離85km 累計59236km
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 メキシコ76・77日目 メリダの町

 メキシコの走行も後半戦である。別にここから次の国まで一気に休まず走りきるつもりは毛頭ないが、ラストスパートの前に気持ちを切り替えるべく大休憩をしておくことは重要なことだ。だからここメリダの町では充実した休息を送る予定である。

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 ドミトリー私1人で気楽である

 フリーの朝食の後で、オーナーであるラファが友人でもあるアルゼンチン人のワールドサイクリストが作ったというDVDを持っているとのことで見せてもらう。

 もちろん全編に渡ってスペイン語なのだが字幕が英語で表示されるため、どうにか内容追いかけることができる。

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 面白かったのもそうなのだが

 こういうのを見ると、自転車旅行という遊びに対してのモチベーションが上がるといいますか。旅行が長期化すると、どうしても見るものに対し新鮮味が薄れて感動が小さくなってしまう向きがあるのだが、外からこうした自転車旅行の姿を見てみると「なんて楽しい遊びなんだ!」と改めて実感する。

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 自転車旅行ってワクワクするよね

 そんなやる気をもらった私は中庭でハンモックに揺られたり読書したり。溢れるやる気は行動に移されないようである。

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 お昼はたかし君のオムライスを頂く

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 あとは洗濯したりとか

 最初は2泊で出発しようと思っていたのだが、このホステル居心地良いので1日延泊することとした。あふれたモチベーションは生かされないままメリダでのダラダラする日は続く。


 翌日。午前中で首尾よく本1冊読み終えたこともあり、ちょっとくらい外出てみようかと外出する。昨日だって一昨日だって外くらい出ているのだが、その全てが「ビールを買いに行く」という行為のついでであったことは否めない事実。

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 久しぶりに映画でも観るか〜

 なお値段は驚異の1本20ペソ(約120円)ときた。もちろん今までの国でも映画の安い国は多々あった(というか日本は高過ぎる)のだが、現在ぶっちぎりのトップへと躍り出たメキシコ映画料金。

 缶ジュース1本分で映画観れるとかメキシコ来てすぐに知ったならば、もう休日は毎回映画三昧だったかもしれん。

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 ただしスペイン語で字幕なし

 そうはいっても単純明快アクション映画だ。映像さえ観ていれば、どうにか内容追いかけることができる。

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 ついさっきも同じ台詞を聞いたような

 冷房効いた映画館から出てみれば、外は猛暑ときたもんだ。強烈な日差しを避けるため建物のわずかな日陰を壁伝いに沿って歩く。怪しく見えるかもしれないが、大抵の人が同じことやってるから浮いてみることはない・・・ハズ。

 宿で近くに日本食屋で寿司食い放題の店があると教えてもらい、食い放題の言葉に惹かれて行ってみることにした。本場の日本人がメキシコの寿司を評価してやろうという上から目線満々である。

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 片道6kmも移動して到着

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 なるほど、スシですな

 日本の寿司とは別物だと考えればこれはコレでイケる。ほぼ全てのネタにチーズが入っているのがマイナス点だが、流石に大将がサンフランシスコで修行してきただけのことはある。

 メキシコ映画6本分の価値があったのかと問われれば、私は「あった」と回答したい。何気に海外1人で入った初めての日本食レストランでもあり、そもそも基準が曖昧ではあるのだが。

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 確実に言えることは「寿司」ではなく「SUSHI」だった

 満腹になったまま自転車に跨って帰り道。今夜は涼しいし蚊取り線香も買い足したしで、今夜は気持ちよく眠れそうである。

 2017年3月14日(火) 走行距離 0km 累計59138km
 2017年3月15日(水) 走行距離13km 累計59151km
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 場所:最も近い主要な都市は南にあるフラッグスタッフで約150kmほどの距離。でも自転車乗りならば南のウィリアムズの町か東に位置するキャメロンという集落のどちらかからアクセスするのが通常だと思われる。どちらもキャニオンまで1日の距離だが、キャメロンからのアクセスだと1000mほど登らされるため、場合によっては辿り着けないほどハード。
入場料:自転車で7日間15ドル。なお車両やオートバイでそれぞれ料金は異なる。

 特に説明の必要がないほど世界でも有数の有名観光地。入園チケットは7日間固定であり、この期間中は何度でも出入りが可能。車で来る組はキャニオン外の宿泊費安い施設に宿泊したりする人も多く有用なのかもしれないが、自転車の場合はキャンプ場が1泊6ドルで利用できるためあまり意味はない。
 キャニオン内部へと降りていくにはそれなりの登山装備があったほうが良い。日帰りから谷を渡って反対側までたどり着くなど多彩な楽しみ方ができる。
 なおパーク内には無料のバスが巡回しており、このバスに自転車を載せることも可能であるため、自転車の機動力が非常に生かされた作りだと思う。一応レンタルサイクルとかあるが値段は知らん。

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