自転車ときどき世界1周

2018年01月

 アルゼンチン39日目 キャンプ場〜メンドーサから北に約380km グアンダコルの町

 野宿のような、そうでない気もするキャンプ場脇での起床は清々しい。朝7時代のアルゼンチンの気持ちよさといったらもう最高の気分であり、やや肌寒い気候と山から姿を見せつつある太陽光が絶妙にマッチしていると思うの。

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 8時になるともう暑くてやってられんが

 9時前には出発するハズだったのに、コーヒーフィルターの外袋が見つからず探し回ること30分。ようやく発見した時には汗まみれ虫さされまくりと酷い有様になっていた私。

 でもまぁ出発してからでなく、荷物パッキング最中に物の行方を探し回るのは悪いことではないと思うのだ。これは荷物の収納場所を完璧に抑えているからこそ分かることであり、旅行4年目にしてやっとこのレベルまで来ましたよ茶壺さん。数日前に洗濯物干しを忘れたことは無かったことにしたい。

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 出発早々が1番キツかった坂

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 泊まったキャンプ場がもうあんなに小さく

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 景勝地で遊んでる場合違う 

 暑いんだけども、やっぱり2000mとか越えてくると夏でも過ごしやすい環境に変わってきて嬉しい。ずっとこのまま高地が続けば良いのにと思うワケだが、残念ながらアルゼンチン・チリにはアンデス山脈の上部を走り続けることが可能な道は無いようでして。

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 土地余ってるっぽいし

 一瞬だけ涼しくてすぐまた低地へと戻る。こんなこと繰り返しながらも先へと進めば緯度も上がって(下がって)そのうち涼しくなるさと思ってる。そんなのより即効性のある峠の方が良いんだけどさ、アレは登るの大変なので獲得標高1日1000mくらいを限度としたい。

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 早くも次の峠が見えてるのだが

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 ようやく訪れた集落で水を貰おうとしたら

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 何か他にも色々頂いた

 この集落にある十字路から南側へと舵を切れば「タランパヤ国立公園」という恐竜の化石で有名な世界遺産へ寄り道できるのだけれども、何か聞いたらツアーでしか見学できないということで行くの止めた。そもそも恐竜に興味ない人でもあるし。

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 何より値段が超高い

 ということで十字路直進した先にあるグアンダコルの町まで走り、ガソリンスタンドで終了である。このスタンドから町中の商店まで片道4kmとやたら長距離走らされたのだが、町の規模自体は人口1000人満たないレベル。

 これの何が困るかって、肉屋が1店しかないのにシエスタ休暇による営業再開時間が19時とかであったりすること。他に選べないからなのか、強気な休憩しやがって。

 待つのもアホらしいので夕食は肉なしで終了とした。密かにアルゼンチン滞在中で「日本人の年間牛肉消費量を超える」という目標を持ってるのだが、こんなことでは達成できないよ。

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 肉が食べたい、ビールは飲んだ

 2018年1月23日(火) 走行距離118km 累計73137km
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 アルゼンチン38日目 チレシトの町〜メンドーサから北北東に約410km キャンプ場

 目を覚ましても体が重くて動かなかったのであり、疲れの原因の大半が昨日無駄に野営場所を探してウロつきまくった結果と思うとやりきれない。

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 トラックの下が私の家

 さてチレシトの町。規模の大きな町ということで、残り僅かとなってたコーヒー豆をゲットするチャンスでもある。ここ数日はスーパーで常にコーヒー豆の在庫をチェックしてたのだけれども、あっても粉末タイプの豆ばかりなんだよね。今更インスタントなんてもう飲めないし。

 ということで町中コーヒー探して回る。今まで狙ってたのは規模の大きなカフェとか土産物屋だったのだが。ペルーまでの中南米ではコーヒーの産地ということで土産物屋によく豆が売られていたのだけれども、アルゼンチンは既にコーヒーベルト帯から外れている国であり、実質カフェ1択となる。

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 割とアッサリ発見

 ここら辺、ボリビアなんかと違ってコーヒーを豆から挽いて楽しむ人の割合が全然違うのだろうと予想がつく。コーヒー豆の入手難易度はハッキリと国のレベルに比例する。

 とまぁ戯言はこの辺にして、アルゼンチンなのにブラジル豆をゲットした後、そのままカフェに居座ってネットして遊ぶ。最悪半日くらいは買い物コースと思っていたが、時間が余ったので有意義に使おうではありませんか!

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 ちなみにこの規模のモールでも日曜は閉まってる

 夏の昼過ぎから走り始めるとかどう考えても阿呆な選択なのであるが、どうしてこうなったのか私だって分からない。1つ思うのはアルゼンチン走行に際して「13〜17時は町中に滞在しててもシエスタで何も買えない」という特徴が影響してるのではないかと思う。

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 カフェなら多分営業してたけども

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 暑いからね、やってらんないよね

 町抜けて下り坂1本のみの道は、ノノガスタの町で西へと向きを変えると上り坂となる。ちなみに今日は走行終了までこの上り坂が続いたのであり、下りと上りとで両極端な行程だな全く。

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 下りと上りの比率が2:8くらいだけど

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 振り返ると分かる鬼の道

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 どこまで登らせられるやら

 上り坂それ自体よりも、登ることによって「暑くなる」ことの方が嫌だ。全身に熱が溜まっていくことで体の動きが鈍くなることを認識できる程度には、暑さというファクターが強く人体に影響を与えるのだというのが実感できる。

 そんな状況ではあるが、登るということは山岳地帯へ突入するということでもあり、気づけば左右は山に囲まれ流れる川を横目にして走るのは楽しい。川の音とか聞いてると思わず歌い出したくなるってもんだ。

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 流石に歌えるほどの余裕はない

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 なんか景勝地らしい

 目星をつけていたキャンプ場が2つあったのだが、明日楽したいという考えから遠くのキャンプ地まで走る。そうしてたどり着いてみれば「ここは一般キャンプ場じゃないよ」とまさかの施設使えず問題が。

 まぁ周辺いくらでもテント張れる状況なので特に問題ないのだが、むしろ向こうが気を使ってくれて敷地の外にテント張るスペース作ってくれた。オマケにシャワーもキッチンも使わせてくれるのであり、何コレむしろお得な状況じゃないか。

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 ありがたき幸せ

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 前にも日本人の旅行者(リアカー)が来たらしい

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 メニューが代わり映えしないのが辛いところ 

 アルゼンチンにしては早めの夕食を済まし、横になったのが昨夜ようやく寝場所を確保したのと同じ時間。余裕のある自転車旅行って素晴らしい。

 2018年1月22日(月) 走行距離46km 累計73019km
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 アルゼンチン37日目 クイパンの町〜メンドーサから北北東に約430km チレシトの町

 これほど連日キャンプ場を利用してるのは自転車旅行やってて初かもしれない。オーストラリア・ニュージーランドはレストエリアばかり使ってたし、カナダ・アメリカは隠れて野宿ばかりだったし。

 そんなアルゼンチンはオフィシャルなキャンプ場でも無料で利用できる場所が多かったりで、大変ありがたく思っています。有料でも日本円にして500円以下の良心的な場所が多い。

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 野宿も簡単だけどさ

 少なくとも真夏の1月に自転車で1日中走るならば、シャワーくらいは浴びたいですよ私。アルゼンチンは意外と綺麗な水が流れている川が少なくて、体洗うのに苦労する国でもある。

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 水道水が何処でも手に入るのは凄いけど

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 出発してすぐ上り坂

 こういう覚悟のなかった坂道は、その斜度や高さに関わらず疲れるものだ。やっぱり気持ちが入ってないと、キツめの道を走るのは嫌だというか、単純に暑くてやってらんないというか。

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 大体1000mちょっとの標高

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 まーたスポーク折れたし

 もう一々書くのもアホらしくなるくらいキャリアのボルト折れと合わせてスポーク破損が続いてる。経年劣化で部分的に脆くなってるとか如何にもありそうなのだが、何にしてもこんなアルゼンチンの山奥で解決できる問題ではないのでして。

 サンティアゴにでも到着したらスポーク全張り替えの大手術を行うべきか・・・とか考えたりしつつ。その前に無事たどり着けるのかも怪しい気がするな。

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 お昼休憩中にフルーツ大量に頂く

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 こんな場所がエリア51だったとは

 カファヤテの町以降、南北に延びた2つの山脈の合間を抜けるようにして走っているのだが、その道がクセ者というか嫌らしい作りをしているワケでして。

 山間部に位置する平野部は東西30km以上ある広々とした土地なのだが、何故だか道路はこの幅を目一杯使ってやろうと西へ東へ蛇行しまくる。今日なんかは東側の山嶺からスタートしたのに、西側山の麓まで30km近く横移動して90度カーブと来たもんだ。

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 アホか?アホなのか?

 こんな道作ってるから無駄に40号線が長くなるんじゃなかろうか?土地余りまくっているのだし、素直に道路まっすぐ伸ばしていれば500kmくらい短縮できたと思うですよ茶壺さんは。

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 その500kmに大して意味なんか無いけども

 んなこと考えつつやって来たのはチレシトの町。サルタを出て以降で最大の規模を誇る町なのであり、ちょっと私としてもワクワクしていたのであるが。

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 両手広げてる場合じゃない

 町中にキャンプ場が無いとのことで、町外れのキャンプ場まで移動すること5km。そこは私の知ってるアルゼンチンキャンプではなく日本にもよくあるファミリーキャンプ場なのでして。ホステルに宿泊するより高額な料金示されて、アホらしいので来た道戻る。

 こういう野営を考える時に一番良くないのは「中途半端」なことだと思う。もう割り切ってホステル泊まるなり町から離れて野宿するなり方針をハッキリ決めるべきで、今回この駄目パターンに陥って町中あちこちを彷徨い走る。

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 なかなか日が沈まないから危機感も薄い

 結局21時になったところで郊外のガソスタにお願いしてテント張らせてもらう。全身汗まみれだし疲れきっているのだが、動く気力もなくって夕食すら摂らずに寝てしまった夜。

 キャンプ場も1つ思惑が外れるだけで、一気に面倒な事態となってしまうことが多い。やっぱりいざという時のために、常に野宿能力は鍛えておかなくてはいけないのだと思いますん。

 2018年1月21日(日) 走行距離124km 累計72973km
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 アルゼンチン36日目 ロンドンの町〜メンドーサから北北東に約520km クイパンの町

 アルゼンチン西部なんてのはアンデスの山々に覆われた住むには適さない土地であるためか、この国の人口分布を見るとその多くが東部海岸線沿いに集中している。

 そうした中で南北に伸びる国道40号線を始めとした道路や小さな集落の数々は、アルゼンチン西部が野宿やりたい放題であることを意味しているのであり、まぁやりたい放題してます実際。

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 給水塔の脇でテント張る程度には

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 この家屋全部廃墟だったし

 そんな土地なので町から3kmも走ればもう地平線。どころかカーブすらない直線道路が40kmとか続くのであり、こういう道って風向き次第で感想が180度変わってくるんだよね。

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 今回は「やや向かい風」程度で助かった

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 大体午前中は晴れてる

 こんな道でトラブったりしたらさぞやリカバリ大変だろうなぁ・・・と、お気楽な気持ちで自転車漕いでる私ですが他人事じゃないからさ。最近の不安は残りの予備スポークが3本しかないことで、去年までのペースだと新年度迎える前にホイール駄目になってしまう計算なのだが。

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 こういうレストエリア作るあたり、レベルの高さが伺える

 ジワジワと標高下げてきた道は、ついに1000mの大台を割る。楽して進めることの等価交換で、一時は涼しくなってた気温は再び灼熱地獄へ舞い戻ってしまうのであり、本当に南下してるのかコレ?

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 こんな道に電線作って欲しくないなぁ

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 そりゃ旅行者の勝手な言い分だとは思うけどさ

 でもどうせ人なんか住んでない大自然地帯だ。こんな場所にインフラ通すより、もっと税金使ってよくすべきポイントあるでしょうよとアルゼンチン政府に問い正したい。とりあえず高すぎるATM手数料の見直しから始めようぜ。

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 ようやく直線道路終わり、同時に次の州へ

 ここでカメラの調子悪くなり、撮影画像が全くデータに残せなくなる。使い始めて既に3度目の同症状なのだが、貰い物ということもあって余り強く文句言うのも憚られるな。どうしたもんやら。

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 ゴールしたキャンプ場まで写真なし

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 もう夜中だよ! 

 何か町中でフェスティバルやってたりとか面白イベントあったりで、こういうのは体験した記憶だけでなく記録にもキチンと残しておきたいところ。結構刺激的な旅行してるつもりでも、時間経つとアッサリ忘れちゃったりするもんだし。

 管理人が全くいなかったキャンプ場は、21時になってようやくオッちゃんがやって来たのでありホッとしたというか。対応が適当すぎて私の方が心配になるっての。

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 コンセントが各国に対応していて素晴らしい

 近くに商店あったので久しぶりにビールも飲めたし満足だ。普通に連日ワイン飲んだりしてたけど、それはそれでやっぱりビールが飲みたくなるのである。

 2018年1月20日(土) 走行距離102km 累計72849km
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 アルゼンチン35日目 温泉地〜メンドーサから北北東に約600km ロンドンの町

 走ってる時はまだしも就寝中の気温は「やや暖かい」くらいがベストであると考えるのは、昨夜に肌寒い思いをしたからである茶壺さん。何度も言ってるけど基本的に夏が好きなのですよ私は。

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 やたら急峻なポイントの温泉地だった

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 他のキャンパーもいたり

 朝一から未舗装路の道を走らされるのは何ともだが、メイン道路へと戻ってしまえば下り基調の楽な道。何故か2000mを超える標高では姿を見せなかった山岳地帯も復活し、そういう走ってて飽きさせない景色はもっと沢山出てきて良いと思うのです。

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 もちろんこんな道も多い

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 だからこそ貴重な山間の景色

 左右に高い山が聳える景色の道ではあるが、それでも広大な景色なのは間違いない。そんな土地であるにも拘わらず全く人家が見えないあたり、日本とは人口密度が全く違う国なのだと思い知らされるというか。こんな場所には誰も住みたくないってか?

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 不便そうだし

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 小さな集落はあるけども

 川沿いに進むは良いけれど、その川自体が全く見えないのは如何なものか?事前に地図で確認し創造する風景と、実際に走って見た景色とではその光景は全く違うことがほとんどで、それは嬉しい事なのはそうだけれども面倒なことでもあるんだぜ。

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 野宿ポイントとかさ

 手持ち食料の関係で昼過ぎに到着したベレンの町にてスーパーへ寄ろうと思っていた私。しかしまぁ予想してたといえばそうなのだが、シエスタで閉店してやがるというね。

 基本私は訪れた国の文化を尊重したいと思っているし、単なる旅行者がその国で育んできた文化に対してどうこう言うのはお門違いであると思っているのだが、それでもこのシエスタという制度には一家言あると言いますか。まぁ良いか、アルゼンチン発祥の文化でないし。

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 クソだと物申したい

 次のスーパーある町まで約200kmとかここで補給しなくては道中面倒になること必至の土地で、しかし午後に完全休養となってしまう施設はどうなのよ?もう自転車旅行者狙い撃ちにした嫌がらせ制度としか思えないのですがシエスタさんよぉ。

 仕方ないので近場のカフェでネットしつつ時間潰し、17時半までの2時間半を遊んで過ごす。こう言う時間にこそブログ作業とかするべきなのかもしれんが、もうひたすらネットサーフィンして遊んでたね私は。

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 スーパー再開と共に退去

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 お前が日中休むせいでな?

 もうこのままベレンの町で終了しても良いのだが、何となく走り足りないという気持ちなので15kmほど先のロンドレスの町まで走って終了とする。

 都合よく給水塔の敷地があったので権限持ってるか知らんけど隣の家に断りいれてテント張らせてもらうことに。ここら辺先進国というか、この手の申し入れを快く了承してくれるのが有難いです本当に。

 そんな先進国の良さを感じつつも、ボリビアやペルーの物価は良かったなぁ・・・とか言い出す輩なのであり、つまりは私みたいな存在はひたすら迷惑な存在だろうと理解はしているのですよ。

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 その理解を生かそうとはしないけど

 2018年1月19日(金) 走行距離82km 累計72747km
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 アルゼンチン34日目 サン ホセの町〜メンドーサから北北東に約660km 温泉地

 寝ようとした23時前にバイクでやって来た彼らは、大音量の音楽を鳴らしながら宴会を続けること朝の4時まで。満足して帰って行ったのは良いけどさ。私は何一つ良くない最悪の一夜なのである。

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 無茶苦茶眠いけど準備

 夜中に割と強めの雨が降ったりしていたが、テントもフライシートにも水滴の類は付いておらず。多少は湿度が上がったとはいえ、まだ日本ほど多湿の環境ではないようだ。

 代わりというか何というべきか、雨が降ると乾燥した大地へ一気に水が流れ込み、川の流量リミット超えてしまうのか水が道路に勢いよく流れ込むという嬉しくないイベントが発生する。

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 渡りきるのに一苦労なんだぜ

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 色々と惜しい

 昨日まで暑い暑いと喚いてたのだが、今日はTシャツ1枚だと少し肌寒いと思えるほどの良い気候。これは自転車という運動的に考えるとベストに近いコンディションであるのだが、涼しくなっている要因が強烈な向かい風だというね。

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 最低に近いコンディションでもある

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 ポツンと1件だけ建ってた教会で昼食休憩

 午後になるといよいよ遮蔽物が全くなくなり、ひたすら風と喧嘩しながらの走行になる。昨年後半はアンデスを代表する「坂」に苦しめられた思いが強いが、今年の前半は「風」こそが最大の難敵になりそうな予感。パタゴニア走るし。

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 ただただ地獄

 しかし本日スタートから緩やかに登っていた坂道は、なぜそこにあるのか分からない飛行場を過ぎたポイントで山頂を迎えた模様。

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 半径20kmに集落1つもないのに

 下り坂となったことで多少はペースも回復し、どうしても今日中にたどり着きたかったウアルフィンの町へ。

 この町自体は買い物するだけに寄っただけなのだが、このウアルフィン最寄りにはみんな大好き温泉地があるのだと教えてもらっていたのだ。もう今日は道中これだけを楽しみにして走ってきた様なモノですよ。

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 入口

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 100km走った後にこの未舗装路はキツイけどさ

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 こんな川渡るのも大変だけどさ

 しかし温泉なのである!しかもシステムよく分からないけど無料で利用出来る上に個室なので水着着用の必要なしときたもんだ。温度が36度とややぬるいのが難点だが、それを補って余りある素晴らしいポイントだ。

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 この道走ってよかった

 そのまま隣接しているキャンプ場にテント張り、今日こそは静かな夜で安眠できることを願いつつの夜である。

 2018年1月18日(木) 走行距離111km 累計72665km
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 アルゼンチン33日目 カファヤテの町〜メンドーサから北北東に約730km サン ホセの町

 日中は灼熱だが夜間は割と凌ぎやすいアルゼンチン北部。少なくとも日本の熱帯夜と比べれば涼やかで気持ちのいい夜だということは確実であり、そういえばカファヤテの標高にしても1500mを超える高原地帯なのであり、この結果は別に驚くでも何でもなかったな。

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 やたらと親切にしてもらったオーナーと

 そんなお気楽な感想が言えるのも日差しが強くなる前までである。一旦暑くなってしまうと、ひたすら強烈な日光に晒されてやってられなくなる暑さのアルゼンチン。本当に世界最南端に位置する国なのかと疑いたくなる。

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 本格的にブドウ畑が広がり始めた

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 この先4300km以上も続くのが

 このアルゼンチンを縦断する国道40号である。アルゼンチン最北の町から最南端に位置するウシュアイアまで、主に人口希薄地帯であるアルゼンチン西部を延びるこの道は、一昔前まで冒険的なルートとしても有名だった国を代表する道である。

 現在でこそ9割以上が舗装され、走破すること自体は自転車でも難しくなくなったルートであるが、アメリカのルート66と同じようにアルゼンチン国民の「いつか走ってみたい道」として羨望となっている道路がこの国道40号線なのだ。

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 スペイン語的には「ルータ40」

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 ブドウ畑とサボテンというミスマッチ

 すぐ右隣にはアンデスであろう山脈が連なっているのだが、この区間は山の合間に形成された平野部であるようで。ほとんど坂道もなく地平線へと走ることのできる楽な道だ。

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 楽な道だけどスポークは折れる

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 なお平野部と言っても標高2000m弱ありますが

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 まぁ、平野ではある

 サルタ近郊ではまだ周囲に鉄線が張られている区間が多く、野宿するにもやや場所を選ぶ感覚があったのだが、もうこの辺まで来てしまうと完全好き勝手テント張りたい放題の様相を呈してくる。

 まぁ実際には1月付近のこの区域は天候が安定しておらず、なるたけ雨を避けれるポイントにテント設営したいというのが人情ではあるのだが。テント張れる場所がなくていつまでも走り続けなくてはならないという心配をしないだけでも有難い。

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 ようやくサルタ州を抜けてトゥクマン州へ

 ところで国を代用するはずの40号線だが、なんか普通に未舗装路が出てきたりするのはどうなのよ?砂まみれでノロノロ走るのは去年で終了したと思ってるのだけれども。

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 いいからアスファルト持って来いや

 そんな道だしと一休みしてたら雨まで降ってきたりと踏んだり蹴ったり。雨宿りすら満足にできない小さな集落を抜けて、少々大きめの町ことサンタマリアのバスターミナルへと逃げ込む私。

 雨が一段落したところで走行再開。ふと思ったのだが日中の厳しい日差しを避けるためにも日中はあまり走らないで休養に勤めた方が良いのでなかろうか?とか思い始めた。私にもシエスタは必要でしょうて。

 18時半でも空は明るくまだまだ走れそうなのだが、良い感じにキャンプ場があったので終了とする。日が落ちたら帰ってしまった名ばかりの管理人だが、料金サービスしてくれたので文句はない。

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 この量で200円以下というワイン

 しかもこれが美味いのだから恐れ入る。確かに安価でたべれるけども、実際「格安」というほどでもない牛肉と違い、小さな町で手に入る産地ワインの安いこと!

 これの唯一の問題は、ワインばかりを飲んでしまいビールに手が回らなくなることだと思うのだ。

 2018年1月17日(水) 走行距離96km 累計72554km
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 アルゼンチン32日目 カファヤテの町

 本日移動をしないのは、今日この地にてダカールラリーが開催される関係で一般道路においても大変な混雑と場合によっては道路封鎖が行われるという話を聞いて、早々にやる気をなくしたからである。

 というかダカールってアフリカを走るイメージだったのだがと調べてみたら、2009年からアフリカ地域の政情・治安不安に伴い舞台を南米へと移して行われているのだそうだ。ご苦労なことである。

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 そんなワケで朝から惰眠

 このキャンプ場に限らずアルゼンチンのホステル等は、陽射し除けとなる樹木にブドウが生い茂っている場合が非常に多い。地面に蟻が大量発生するのが難点ではあるが小腹が空いた際、気軽に摘めるのは嬉しいことだ。

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 流石ワインの産地だけある

 ちょいと町中歩いてもみるが、もう日中の陽射しが殺人的なレベルでオカシクなってしまいそう。オマケにシエスタ制度のせいで最も暑い時間帯に逃げ込むことのできる施設が観光客向けのお高いレストランとか喫茶店しか無いでござる。

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 殺す気か

 ちなみにそんなお店に入ることすらできない私が町中歩いて何を求めるというのか?ということなのだが、最近はとにかく中古物品販売店が楽しい。

 よく旅行者で「メルカド(市場)が楽しい、その国のことがよく分かる」といった話を聞くのだが、私にとってメルカドは完全に生活のためのそれであり、行って楽しいような場所では無い。地元のスーパーって楽しむ場所では無いでしょう?

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 そんな場所よりガラクタからお宝を探す方が楽しいって

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 その国のレベルがよく分かるし

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 アルゼンチンの市場は平気でシエスタ休暇取るもんで行きづらいし

 18時過ぎになり、流石に営業再開してるだろうとメルカド行ってみると全店シャッターが下りてる絶望感。この国で普通に生活してるとどんどん夜型になってしまうのだけど、これはもうハッキリとシエスタの悪影響だと思う。

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 夕食20時

 ところでダカールの影響は町中にいる限りでは全く分からなかった。まぁ一般道でない道を走るからダカールなのだということくらいは分かるけどさ、それって現地にて直接観戦する人がほとんどいないTV中継ありきの大会なのでないか?と思うのだが。

 そうだとしたら、それは随分と盛り上がりに欠けるツマラナイ大会なのだと思ってしまうぞ。実際のところを知らない意見だけどさ。

 2018年1月16日(火) 走行距離0km 累計72458km
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 アルゼンチン31日目 ラ ビナの町〜メンドーサから北北東に約810km カファヤテの町

 気付けばアルゼンチン滞在も1ヶ月になる。うち半分は山に登ってたから仕方ないとしても、まだこの国の感じを掴めてないと感じるのは自転車で走った経験が圧倒的に少ないからと思えてならない。

 サルタ〜メンドーサ間で往復2回のバス移動をしてはいるが、バスでの移動というものが如何に何も見てないことを思い知るというか。要するに道中寝てただけなのですが。

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 この点さ

 自転車における移動はまさにその国を感じているというか、受ける情報量が桁違いなのだということを改めて思う。暑いだとか、湿度も高いぞクソが!といった他にも側道狭くて怖いし、地味に小さなアップダウンが多いし、町と町との距離が長くて意外と補給に困る・・・といった自力移動だからこそ見える数々の発見。

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 文句ばっかじゃん

 そんな「移動している最中」の感覚の積み重ねで、私はその国のイメージを培っていくのだと思った。つまりは自転車で走ると感覚が研ぎ澄まされているというワケですよ!

 そんな研ぎ澄まされた私は出発して15kmで嫌な予感を感じ荷物チェック。案の定、洗濯物干しをスタート地点に置き忘れていることに気付くのである。感覚云々の前にまず注意力を備えてもらいたい。

 仕方なく引き返そうと、近場のカフェ兼キャンプ場に荷物を置かせてもらえないかお願いしたところ「丁度ビナの町まで用事あって出るところだから一緒に乗せてあげるよ」という有り難すぎる申し出を頂く。1時間弱かけた道をものの5分で移動してみれば・・・

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 そこには洗濯物干しが

 再び車に乗せてもらってキャンプ場まで。こんだけ自転車上げしといて何だが、この炎天下の中を逆走してたら今日はもうやる気出せず全てを諦めてたのであり、本当車ってすごいよね。自転車で走るとか阿呆丸出しだよねと思うのです。

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 ありがとうございました

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 こりゃ明らかに山岳地帯へ突っ込んでいくな

 しかし山を登るとばかり思ってた道は、渓谷の谷間を抜けていくためそこまで上り坂ではない。ふと横をみれば茶色い色した川が流れているのであり、風光明媚にちょっと足りない景色の中を走っていく。

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 天気が一気に曇り空に

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 こういう道は走ってて飽きないね

 やたらと車両が止まってる場所があり、何かと思えば急峻な崖が作り出した景勝ポイントなのである。この道はこの手の見所が景勝地ならずともたくさんあり、いやいやこの道のウリはワイナリーがたくさん立ち並ぶ「ワイン街道」じゃなかったんかい?

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 日本語訳で「悪魔の喉仏」というポイント

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 海外ってやたら悪魔の名称をつけたがる印象が

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 太古の昔、ガマ親分が封印された

 奇岩立ち並ぶ渓谷は、カーブを曲がるたびに新たな風景が飛び込んでくるのが嬉しい。自転車みたいに速度の遅い乗り物では、景色が雄大であればあるほど「道中の変化が少ない」という側面を抱えているため、こうした地形だと次々違った景色を眺められる良さがある。

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 トレス クルスってどんな場所か?と思ったら直訳でまんま3つの十字架

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 全体的に上りだけどダウンヒルも多い

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 渓谷を抜けたと同時に天候も回復したのが分かりやすい1枚

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 これでオベリスクって名称は名前負けしてると思うの

 大体追い風が吹いてたこともあり、忘れ物で1時間以上をロスした割にカファヤテの町まで無理なくたどり着く。まぁこの時期のアルゼンチン西部は20時半とかでも空が明るいため、遅くなっても問題ないが。

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 最後の最後だけワイン街道だったな

 かなりツーリスティックな町で、町中至る所にホステルあるのだが。「高い」というそれだけのしかし切実な理由で私が投宿したのは町中央に位置するキャンプ場。1泊の値段は500円くらいが適切だと思うの。

 ちなみに「以前も日本人旅行者が泊まっていったぞ」と落書き帳見せてもらったら、リアカー旅行者の人だった。この人とは直接出会ったことないんだけど、地味に何度もこうしたホステルやキャンプ場で名前を見かけているのであり、人力旅行者同士でこうした出来事は割とよくあると思っている。

 きっと研ぎ澄まされた感覚で、安い宿泊施設へと導かれるのだ。

 2018年1月15日(月) 走行距離110km 累計72458km
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 アルゼンチン30日目 サルタの町〜メンドーサから北北東に約890km ラ ビナの町

 睡眠時間の少なさは体力と根性でカバーする方針が通用するのは20代までだと思う。それを実感させる重たい頭を振り払い、出発前の朝食摂ろうとキッチン行ってみれば他のお客は1人もいないのでして。バックパッカーって不健康な生活スタイルしてるよね、と今朝の私がいうのは如何なものか?

 雨降りそうな天気だがこれ以上の滞在もどうかと思いつつの出発は、そのテンションが表面に現れたのかやたらと準備が遅くなり、宿のチェックアウトギリギリ10時の出発である。今雨降ってきたら素直にUターンできるのに。

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 そういう場合は得てして雨降らないもの

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 やたらと野外でBBQでの肉販売が多い

 でもまぁ久しぶりに乗る自転車の楽しいことよ。ある程度フルパッキンの自転車に乗ってなかったことで、改めて自転車で旅行することの楽しさを実感してるというか。当たり前に感じていた移動の日々は、こんなにも楽しいものだったんだ!と思うわけです。

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 平地限定ね

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 微妙に膝かっくんしてるのがポイント

 やっぱり自転車とバスに乗ってるのとでは受ける印象が全く異なってくると感じるアルゼンチン。特筆すべきはピクニックエリアと公園の多さであろうか?

 当たり前にBBQ台とか水道蛇口が置かれているのを見ると、もうこの地はペルーやボリビアとは一線を画す先進的な国なのだということをハッキリと感じ取れる。どちらかというとオーストラリアとかアメリカ寄りの国ですよアルゼンチンは。

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 お昼休憩もやり易い

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 親切な人から頂きました

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 というか昼食で気軽に食堂入れなくなってしまったし

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 虚無の表情ですね

 昼過ぎからは天気も良くなり、交通量も減って走り易い走行が続く。無茶苦茶暑くて大汗かいてるのが問題だけど、南半球はこの時期真夏なので仕方ない。ずっと山ばかり登ってて「夏は暑い」という当たり前のことを忘れていた私の方に問題があるのだと思う。

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 それはそれとして暑いけど

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 「ワイン街道」とのことだけど、ワイナリー1つも見てない

 小さな町だが他に選びようもない感じでビナの町にて走行終了。幸いにしてガソリンスタンドでテント張らしてもらえる許可頂けたのであり、暗くなるまではスタンド内のカフェにてネットして遊ぶ。こうした施設にしっかりとネットが通じてる辺りでアルゼンチンのレベルの高さを感じてもらえれば幸いだ。

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 日曜フェスティバルかな?

 その素晴らしさを是非とも「日曜休業」とか「シエスタで午後閉店」みたいなシステムの改善に向けてくれればと思うのだが。

 肉屋が開かないので野菜炒めのみとなる夕食を摘まみながら、切実にアルゼンチンの人間はもっと働くべきだと主張するのである。私は働いておりませんが。

 2018年1月14日(日) 走行距離92km 累計72348km
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