自転車ときどき世界1周

2018年04月

 アルゼンチン73日目 トルウィンの町〜ウシュアイアから北東に16km地点 謎のキャンプ地跡

 寒い地域特有の家屋全体に暖房が効いているおかげで暖かかく眠れた夜。現道には地下室の倉庫を使わせて貰っており、そこには暖気がなかなか降りてこないのでやや冷える環境なのだが。比較対象がテント泊なので。

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 泊めてもらえるだけで大感謝です

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 こちらの共有スペースの方が暖かい

 起き抜けには雨がパラついてたこともあるし、今日はそれほど急ぎでもない。というか普通に出発すれば本日中にウシュアイアへと到着することは難しくないのだが、この町ってパタゴニアでも特筆するほど宿泊費用が高いみたいで。

 滞在費用を抑えるべく、町の手前で野営して翌日にウシュアイアinという割と自転車旅行者が行うポピュラーな作戦で対応することにした。ネットが使えると色々情報収集できるため、こういう小賢しい行いが増える。

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 そんじゃあ出発

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 すぐに天気も良くなった

 それまでのパタゴニアと違い山あいの道に加えて木々の生い茂る景色である。こうした環境だと今日も吹きまくっている風もほとんど影響ないのであり、どうしてもっと木々を植えなかったのだと思ってしまう。あの無駄に広大な土地も有効活用できたんじゃなかろうか?

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 やっぱり水が多いからなのか

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 キリスト像祀ってある小屋でお昼休憩

 アルゼンチンにはバス停だとか気の利いた休憩できる建築物は少ないけれど、こうした宗教関係の物は道端でも本当よく見かける。このフエゴ島では定期的に道路に星マークが描かれ、その脇に小さな祠だとかが設置されてることが多い。

 恐らくそのポイントで轢かれた犠牲者の追悼碑で、こんな直線的な道で車両事故など少ないだろうと鑑みると、彼らの多くはサイクリストだったのではないかと想像する。ちょっと風に煽られてフラついたところに後方から時速100kmとかでぶっ飛ばしてきた車が跳ねてしまう。この地では容易に想像出来る話だ。

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 明日は我が身と気を引き締めて走る

 何でかキッカリ10kmだけ雨雲が広がってるポイントがあり、上手いこと集落があったからやり過ごすことができたのだけども。この時点で僅かばかり残っていた「今日中にウシュアイア到着」の目が完全に潰える。

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 オマエのせいだ

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 軽めの峠を登りつつ

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 山頂周辺は雪が積もってましたよ400m程度なのに

 峠を下ってしまえばウシュアイアまでほぼ直線の30kmを残すのみ。どこかこの周辺でテント張れそうな場所はないかと左右を伺って走っていると、森の中に面白そうな木組みを発見する。

 人が住んでる気配はないし、これ絶対面白そうなヤツだ!とずんずん入っていくと出てきたのは謎のキャンプ地跡。

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 何に使っていたのか定かでないが

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 明らかにキャンプ地かと

 このとき思い浮かんだのは、カナダのユーコン川でインディアンの人たちが鮭漁をする短期間だけ活用するフィッシュキャンプであった。正否はともかくアメリカ大陸の最南端で、最北端でのキャンプ地を思い出すことになろうとは。

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 縦断してきたんだなぁと

 そうすると明日はアメリカ大陸縦断の節目となる記念すべき日なワケだ。よっしゃビール飲もう!

 2018年4月23日(月) 走行距離89km 累計78618km
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 アルゼンチン72日目 リオグランデの町レ〜ウシュアイアから東北東に約80km トルウィンの町

 トラック軍に包囲された地で風を防ぐというアホな野宿は、全くもって快適であった。難を挙げるとすれば、荷物コンテナの下にテント張ってるので、何かの拍子でコンテナ潰れたら私も巻き添えになってしまうということか。

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 死角なくて素晴らしい

 緯度の割に冷え込みはキツくないパタゴニアだが、その代わり強風によって体感温度を下げられてしまう。確か風速1mで体感温度が1度下がるという指標があったハズで、それほど寒くないんだけど寒いパタゴニアという図式が成り立つな。

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 風を遮る物がないからねぇ

 フエゴ島入ってから午前中の天気が午後になると崩れるというパターンばかりであったが、今日の青空は空一面に広がる会心の出来。これなら今日は1日中気持よく自転車走らせることができるってもんですよ。

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 そのうち雲も出てきましたが

 昨日のどフラットとは違い、それなりにアップダウンのある行程。昨日と同じくして良い塩梅に風は吹いているのだが、昨日とは異なり進行方向が南向きであるためそれほど恩恵は受けられない。要するにそれなりに大変な条件だというワケだけども。

 自転車旅行において「キツい」とか「大変」というのは、そこまでマイナスファクターにならなかったりするんだよね。それよりもその道が「楽しい」かどうかが重要なのであり、私がこの道において感じていたことは「交通量多いな」ということ。

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 つまりどう判断しろと?

 実際フエゴ島アルゼンチン領における「町」と表記できる規模の集落は3箇所あり、それがリオグランデからウシュアイアまでただ1つの道で結ばれている関係上、この道路に交通量が増えることは自明の理なんだけども。

 割と強い横風が吹いてくるというのにアルゼンチンときたら意地でも道路に側道作らない国なので。つまりこの道は「危ない」ということで、それほど楽しくなかったというのが最終的な私の感想である。

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 工場の建物脇でお昼休憩

 これ3方向を壁に囲まれているにも関わらず、風下側から風が巻いて襲ってくるという理不尽さ。パタゴニアで昼食にパスタ茹でるの割に合わない気がしてきたな。

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 よっしゃ午後になっても良い天気

 90kmくらいから樹林地帯に入ったようで一気に風の影響を受けなくなる。やっぱり木という存在が風を細かく散らしてその影響を抑えてくれているのだな・・・と勝手に感動して喜んでた。

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 それよか前方の雲!雲!

 路面は濡れてたけど雨に降られずという上手いタイミングでトルウィンの町へ到着。ここにはアルゼンチンを走る自転車旅行者にとって世界一有名なパン屋があり、サイクリストを無料で泊めてくれることで有名。

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 ちなみに27km手前から看板がある 

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 ありがたき幸せ

 聞いたところでは常にサイクリストでごった返しているらしいが、こんなシーズン外れに来る輩は珍しいのか私1人だけであった。

 いやまぁその方が気楽ではあるのだが、アウストラルであれだけいた自転車旅行者達は一体どこに消えてしまったのかと不思議に思う今日この頃。

 2018年4月22日(日) 走行距離111km 累計78529km
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 アルゼンチン71日目 アルゼンチンイミグレ〜ウシュアイアから北北東に約120km リオグランデの町

 一晩中暖房が効いてて無茶苦茶快適だった休憩室。こうしてイミグレーションに滞在するのは時折あるが、何となく怖いというか厳しそうな印象を持つイミグレという場所で、こうして寝泊まりできたりというのはそこはかとなく嬉しい。

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 珍しい経験だし

 そして昨夜の暴風はどこへ消えてしまったのか・・・そう思いはするけども、こう何度も繰り返されると「この地域は夜間帯に最も風が強くなるのだ」という結論に達するのであり、仮に偶然だとしてもそうであると信じたい。

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 さぁウシュアイアまでの距離が出てきましたよ

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 何とも生意気な顔

 風は弱まりこそしたけども、それでも自転車で走って進むのに最適な追い風ではある。エルチャルテンを出発した日の猛烈な追い風が記憶に残っているので物足りないが、普通に考えればこのレベルの追い風を受けて走れるなんて無茶苦茶ラッキーと言える。

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 アベレージ25km/hくらい出てたし

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 水道管かな?

 頑張ってペダルを踏まずとも簡単に速度が乗る道で。ともすると今日の私が調子良いだけなのではないかと思ってしまいそうになるが、ちょっと用を足そうと立ち止まると後ろから強く風が吹いてることに改めて気付かされる。

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 割と平原地帯でよく見る機械

 パタゴニアといえども全くの平原地帯ではないようで、アルゼンチン側でもちょいちょい人工物の工場なり家屋なりが散見される。そうした場所で簡単に昼食休憩できるだろうと踏んでたのだが、そうした建物はことごとく敷地内にフェンスが張り巡らされて近づけない仕様。

 こんな僻地でそうした用心深さが必要なのかと思う私だが、とにかくそうした理由で風のないポイントを求めた結果休憩場所は橋の下になってしまう事実。何でアルゼンチンはバス停を作らないのん?

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 全寮制の寄宿舎付き学校とみた

 リオグランデの町が近づくと、やたらと対向車線に自転車乗りが目に付くようになった。こんな土地で走ろうとしても毎日強風で大変だろうなぁ・・・とか思いつつ風上へ向かうサイクリストを微笑ましく見送る私。

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 どうやら自転車の大会だった模様

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 日本でいう巨大仏みたいなもんか

 思ってたよりずっと規模の大きなリオグランデの町。まぁ名前にグランデ(=大きい)とか付いてるくらいだし、それなりの規模を誇ってないと困りますが。それはともかく15時過ぎには到着してしまい、余った時間を買い物した後にガソスタでネットして遊ぶ。

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 自転車の見えるポジション取りが大切

 ここで情報収集した結果、郊外にガソスタあることを確認しテント張るため移動する。行き当たりばったりでどうにかする対応力も重要だが、事前に情報調べて快適な夜を過ごそうとする調査能力もまた大切だと思う。

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 明日も良い天気になりそう

 そのガソスタはテント張らせてもらうこと自体は全く問題なかったが、建物の風下に位置するポイントにテントを張れる場所がなく。なので近くのトラックコンテナを風よけとしたポジションにテント設営することに。

 すぐ隣に鎮座しているトラックのドライバー達が嫌な顔1つせず「おう自転車か!大変だな」・・・みたいな感じで応対してくれるアルゼンチンという国が私は好きである。

 2018年4月21日(土) 走行距離90km 累計78417km
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 チリ68日目&アルゼンチン70日目 ガレージ〜ウシュアイアから北に168km地点 アルゼンチンイミグレ 

 ガレージの壁をガッタガタ揺らす凄まじい風が吹き荒れていた夜であり、よっしゃよっしゃその調子で頑張りなさいとほくそ笑んでいた。

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 なにしろ今日は1日中東に移動

 横列な追い風で楽して進めることを期待して起きた朝は雨であった。おいおいおい、そんなオマケは要らんのだよ。良いからその雨全て風にコンバートして出直してこいや!と文句言いながら出発準備に取りかかる。

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 そしたら晴れた

 やるじゃん!その調子で頑張って欲しいと私も気分良く走り始めるのだが、まさか雨と一緒に風まで止んでしまうとはいくら何でも予想できないよ。そんなのってないよ。

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 どうしてこうなった

 最も晴天の無風というのは自転車走行するにあたって非常に素晴らしいコンディションなのであり、これ以上を望むなんてバチが当たるというものかもしれないけどさ。

 風上へ向かう際あんだけ向かい風に苦しめられたのだと思うと、ちょっとくらい追い風を期待してしまうのも仕方ないじゃないか。等価交換ってヤツ。

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 20kmくらいに完璧な休憩所が

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 学校の教科書で見たことあるヤツ

 でも無風。自分の力ではどうにもできないことに何かを期待してしまうなんて駄目だということですね。このやるせなさを何にぶつけることもできないので、代わりにペダルを踏み込んで発散しようと思う。

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 60kmほどでオナイアシンの交差点に

 ここには一部のサイクリストに有名すぎる避難小屋が建っており、風を遮る人工物が希薄なパタゴニア地域において数多くの自転車旅行者が1夜を凌ぐため利用した由緒ある場所。

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 中は自転車乗り達の落書きでいっぱい

 まぁ私はお昼ご飯作るのに利用させてもらった程度でそのまま出発しましたが。手持ちの水がギリギリなので、とにかく水補給できる場所まで走らなくちゃというのもあるし、単純に走り足りないというのもある。

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 そしてオナイアシンから舗装路となる

 こうなってしまえば怖いものなし。風なんぞ無くてもガンガン進んでやるだわよ!・・・とか思ってたんだけどさ、まさか雨に降られるとか勘弁してくれないかね。

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 本土のグアナコより大きい

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 あの明るい場所まで走れば・・・とか思って必死に走ってた

 結果としては後方からやって来た雨雲は、あっさり私を追い抜いて雨降り止みましたが。必死になって雨雲と追いかけっこしてたというアホなパターンだが、実はオーストラリアでも同じことやってて成長ないな。

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 そしてイミグレーションへ

 というのもこのフエゴ島は東西をそれぞれチリとアルゼンチンで分断しており、道路の関係上必ずチリ→アルゼンチンという行程を経なければ最南端の町であるウシュアイアまでたどり着けない。

 まぁチリ出国ならば問題ないけどさ、これフエゴ島を北上するサイクリストにしてみたら、チリ入国時点で向こう100km近く食材入手できる場所ないのに生鮮食品没収されてしまうのでしょ?ちょっと酷すぎる仕打ちではあるまいか。

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 他人事じゃないんだけど

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 なおイミグレ通過した途端に未舗装路になった

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 4度目のアルゼンチン 入国

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 なんとアルゼンチンイミグレから舗装してるじゃん!

 チリとアルゼンチン2カ国を走ってきて、道路に対して力入れてるというか整備されてるのは常にチリ側の方だったのに。ここに来てアルゼンチンが本気を出してきたのかと思うと私は感無量ですよ。やればできる子アルゼンチン。

 ちなみにここのイミグレーション内には普通にオートバイとかの旅行者が作ったステッカー等が貼られまくっており、その前で職員がパスポートチェックするというなかなかシュールな光景が面白かった。イミグレーションだから写真撮れないのが残念でならない。

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 行った人だけが楽しめる

 その足でお水頂こうかと裏手にいた職員のオッちゃんにお願いしたところ、ハンバーガーくれるどころか寝場所まで提供してもらえることに。キッチン付きホットシャワー・電源有りと完璧な物件ですぜ。

 風には嫌われたけど、人が良いからプラスマイナス0ということにしておこう!そんな気分でふと外を見たら、もの凄い暴風で木がバインバイン揺れていた。いやね、もう何というか・・・ふざけんな!

 2018年4月20日(金) 走行距離119km 累計78327km
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 チリ67日目 プンタ アレナスの町〜プンタ アレナスから東南東に63km地点 ガレージ 

 このプンタアレナスからお隣のフエゴ島へと渡るフェリーは大体1日に1〜2本の間隔で出航している。個人的には午後便で島へ向かい、ポルベニールの町でゆっくり野営場所を探す目論見でいたのだが、運悪く本日は午前9時出航の1本のみ。

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 だからこんな真っ暗の中で出発準備してる

 暗いだけならまだしも弱いながらも雨まで降ってきており、びしょびしょに濡れたフライシートをバッグの中に無理やり突っ込んでパッキングするこのやるせなさ。

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 この時間帯でも交通量多くて港まで行くのに神経使う

 昨日お世話になった免税店エリアの1kmほど奥。ちゃんと町に到着する時に時刻表の撮影と合わせて道の確認をしていたのであり、出航30分前という理想的なタイミングで到着である。

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 その場ですぐチケット買える

 かなり大きいフェリーだと思ってしまうのは、アウストラル街道で利用したフェリーのほとんどが短距離移動のみで小さなタイプであったためか。乗船方式は自転車そのまま突っ込んで適当に立てかけておくいつものパターンで変わりなかったけど。

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 自転車だと待たなくていいのが嬉しい

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 さよならアメリカ大陸本土

 席に着くなりすぐウトウトし始めた私は2時間の移動中、7割近くを寝て過ごし残りを本読んでいた。いよいよフエゴ島に向かうとかそういうテンション薄いわけじゃないのだが、昨日遅くて今朝早起きしたから眠いんだよ。

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 探検するほど船内広くなかったし

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 それではフエゴ島編スタート

 なおスタート早々フェリー到着した町であるポルベニールで走行終了しようと思っていたのだけど。昨日荷物の新調作業で食材の購入とかそう言ったことまで手が回らなかったのであり、もう今日はポルベニールで食材買い出しして終わりで良いかな?とか。

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 思ってたよりずっと立派なスーパーあったし

 何とここで味の素が販売されてて驚いた。ペルー・ボリビアでは当たり前にスーパーで販売されてた味の素だが、チリに入って以降は全くその姿を見かけなくなり残念に思っていたのだ。これは嬉しい。

 そのまま図書館でネットして遊んでようと思ったのだが、13時になりシエスタで追い出されてしもうた。まぁ何だ、このままダラけてるのも面白くないのでやっぱり走ろうかな・・・とこのタイミングで考え始める優柔不断さ。

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 昼食ついでにテント乾かす

 ということで14時過ぎてから本格的な走行開始するのである。こういう好き勝手なタイミングで移動することが可能なのは、自力での旅行をしている者が享受できる非常に大きなメリットの1つだと思う。

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 町抜けると即未舗装路に

 割と走りにくい道な上に、アップダウンの斜度が急で無意味に疲れる。そうだった、チリという国はどんなに国土があっても直線的な道作って急斜度を登らさせるアホな国だったわ。

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 丘自体は100mも登らないが

 思ったより町を過ぎても人家がポツポツ点在する。日本的な感覚の「ポツポツ」とは違うかもだが、それでも10kmも走れば2〜3件くらい人工物を見かけるのであり、これなら野宿も心配なさそうだ(風の遮蔽物的な意味で)。

 実際何の問題もなくガレージにテント張らせてもらう許可頂いた。そうしてテントの中から聞こえる暴風の音を聞きながら「明日の走行時間帯にこの爆風が吹きますように」と願って眠るのである。 

 2018年4月19日(木) 走行距離58km 累計78208km
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 チリ66日目 プンタ アレナスの町

 さてアメリカ大陸最南端のプンタアレナス。こんな世界の果てに位置する町ではあるが、その人口は10万を超える数でありパタゴニア地域における最大級の規模となっている。

 よくまぁこんな厳しい気候の土地にそれだけ大規模な町を築いたものだと思うのだが、ちょっと歴史を調べてみれば囚人の流刑地として活用されていたりと、この土地に人を定住させるのには苦労していたようである。

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 私にとっては自転車で訪れる町の1つでしかないのだけどさ

 そうした土地における人口誘致の政策としてか、このプンタアレナスには大規模な免税エリアが存在している。特筆すべきは通常の免税ショップで扱われている酒や貴金属等の税率高いアイテムだけでなく、一般的な衣類からアウトドア用品まで幅広く様々な用品が販売されているという点。

 とにかく物価の高いチリという国において、ある程度安価で色々な品物を購入できるチャンスとあって私はずっとこの機会を狙っていたのだ。プンタアレナスの免税エリアを知ったのはつい最近だがずっと狙っていたということにしておきたい。

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 午前中に新しいサイコンを取り付けてしまう

 ついでにブログの更新作業とかしてたら出発は午後2時に。こんなことして遊んでる場合じゃない時ほどネットって楽しかったりするのはどういうことか?

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 宿から約6kmほどの場所

 何というか普通にショッピングモールなのであり、壁面に記されたDuty Freeという文字がなければ免税店とは思えないのですけども。普通にシエスタで15時までお店が閉まってたりするのもローカル色強くて微笑ましいけど迷惑だ。

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 そんじゃあ行ってみますか

 まぁ期待をし過ぎるとガッカリするが、とはいえ確かに値段は安い。旅行者的な視点だとそこそこレベルの高いカメラが日本とそれほど変わらぬ値段で購入できたりするのはポイント高いかな。

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 かなりアウトドア系のショップは多い

 専門のアウトドアショップよりも、大型スーパーにあるアウトドアコーナーの製品が良い感じに安価で有難い。どうせワケわからん謎メーカーの製品だとばかり思っていたが、まさかパールイズミのグローブが500円で売られていたりと馬鹿にできない。

 なお本気で悔しかったのが、昨日購入したサイクルコンピューターが1/10くらいの値段で売られていた事実。見つけてしまった時に目の前真っ暗になりそうだったし。

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 色々あります

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 実は冬用のグローブも買った 

 破れていたTシャツや下着も合わせて新調し、コーヒーもちゃんと粉でないブラジル産の豆をゲットできて嬉しい。一応このタイミングで仮となるクロックスもどきのサンダルも入手したりと、かなりの装備品を新調することができた。

 本当は今日の午後発のフェリーに合わせ、チラッと見学するくらいでも良いかと思ってたのだがとんでもない。この広大な免税エリアは半日以上かけてじっくり見て回った方が掘り出し物に出会えるのであり、ダラダラ滞在することにして本当良かったわ。

 なお帰り道で安くて大量に食べれると聞いていたムール貝をゲットしようと思ってたのだが、時間が悪かったのか市場で売られてるムール貝全然安くないでやんの。

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 何だよ〜

 仕方ないのでボンゴレパスタは取りやめて、急遽親子丼という全く別方向の夕食となった。まぁよくあることだし構わないけども、このホステルは宿泊者数に対してキッチンが狭すぎて常に満員御礼状態なのが困りもの。

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 2日続けて6缶セットビール買ってもうた

 明日9時に出航するフェリーに間に合わせるため、まだ日が昇る前から走り出さなくてはならないのであり、全くもってチリのタイムゾーンが適当なために迷惑を被るのはいつだって自転車乗りなのである。

 2018年4月18日(水) 走行距離16km 累計78150km
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 チリ65日目 テウエルチェの町〜アメリカ大陸最南端の都市 プンタ アレナスの町

 パタゴニア地域における町中野宿って「朝起きても風を受ける心配がない」という安心が最大の強みだと思う。いつぞやの橋の下で深夜に叩き起こされる絶望感は本気で勘弁して欲しいですよ、この寒さだし。

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 電源まであった優良物件

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 こちらは他にオススメされたバス停

 上記に書いてる通りプンタアレナスはアメリカ大陸における最南端の都市である。一応この先にもちょいちょい集落はあるのだが、どうせフエゴ島に渡って更に南下する関係上、ここが私のアメリカ大陸最南端となる。つまり今日は記念すべき最南端到達の日。

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 晴れて良かった

 町から離れて100mも進めばそこに広がるはパンパが広がる地平線の景色。遮る物がなくなった土地は、私の後方からよく風を通して自転車をぐいぐい進ませる。

 こうしてパタゴニアを走っているとこの土地が風の大地と呼ばれているが、しかしそれだけではないことを強く感じる。

 特にパンパに広がる草木はススキの仲間なのだろうか、その黄色がどこまでも続いてる景色を見るとパタゴニアは「黄金の世界」だという気持ちを起こさせる。黄金の世界、パタゴニア。良いじゃないですか。

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 好きですよ私は。追い風ならば

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 謎のオブジェを越えて

 ほとんど起伏のない場所ではあるが、それでも緩やかに登った丘から向こう側が見える時がある。そうした瞬間に広がる一筋の道が続いてる景色を噛み締めつつ、もうすぐこのパタゴニアの景色も終わるのだなと思うとちと寂しい。

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 いやまぁサッサと北上しないと寒さで動けなくなるが

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 相変わらずのバス停昼食タイム

 まだ島々に囲われてはいるが大西洋の姿が見え始めると同時に荒野の景色も終わりを告げる。小さな町だとばかり思っていたプンタアレナスであるが、20km手前には国際空港があるし、10km手前からは既に町の景色に変わりはじめる。

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 巨人のサッカーボール

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 昔ダックハントというゲームがあってな?

 つまりは大都市突入時における交通量の多さに辟易とするワケで。まさかパタゴニアでそんなことになろうとは思わなんだ。本当の大都市と比較すれば蚊トンボ程度かもしれないけどさ。2ヶ月くらい人口5万を超える町を見かけてないモノで。

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 プンタアレナスから伸びる虹が

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 フエゴ島へと繋がってるとか出来過ぎな光景でしょ

 とりあえず「オススメだ」と教えて貰ったホステル兼キャンプ場へ。もうシーズン終わりだというのに敷地内8割を超えるテント設営率にゲンナリしつつ。いや、人気宿というのは設備が良いってことでもあるし悪いことばかりじゃないんだけどさ。

 とりあえずぶっ壊れたサイクルコンピュータを、ショップの半額セール中ダンボール箱奥底から見つけ出してきてそれでも料金4000円也。しかも有線タイプときた。

 比較しても仕方のないところなんだけど、日本って自転車部品だとか電子製品に関しては本当安価で色々選べて購入のできる国なんだよね。この半額も出せばもっと良い性能の無線タイプサイコンが買えるという事実はなんだか悔しい。

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 ちなみにこのアウトドアショップがやたらと商品充実していた

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 オルトリーブもあったしMSRのガソリンバーナーもあったし

 文句はともかく最南端だ。せっかくなので1日くらい町中見て回ってからフエゴ島へと渡ろうかと思いつつ。というか現在時刻が1時過ぎの時点で明日のフェリーに乗れる自信がない。

 2018年4月17日(火) 走行距離102km 累計78134km
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 チリ64日目 道路脇〜プンタ アレナスから北北西に約90km テウエルチェの町

 深夜2時に雨の音で目を覚ました時から嫌な予感しかなかったのだが、案の定朝になっても雨である。昨日緊急避難的に道路脇へとテントを張った私であり、つまり日中は脇を走る車から丸見えの状態。

 いくら何でもこの状態はよろしくないのでは?・・・という事実を全力で無視して何時までも寝てましたが。だって雨降ってるのにテントの外に出たくないじゃん。

 結局13時半になってようやく雨は降り止んだのだが、出発したのは15時過ぎ。本の良いところに「読んでる途中で中断するのが簡単」という店があると思うのだが、全くストップできず1冊読み終わるまで動けなかった。良い本を読んでる時ってのはそんなモンだ、仕方ない。

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 それなりに見えにくい場所ではあった

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 とりあえず屋根ある場所まで移動したいかな

 天気は悪いけども風がほぼ無いのが有難い。今の気分的には「風よりも雨の方が問題」とか思っているが、ほんの数日前は「風という存在が全ての悪行に繋がる」とか散々悪口言ってたのであり、要するに私はそういう輩です。

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 こんな土地で何して生活してんだろ

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 この地域による看板は「何かあるのか?」と期待するが

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 単なる駐車エリアである

 1時間くらい走ったところで再び雨がパラパラと。午前中を不動でやり過ごした身としては、もう今日はレインウェア着けないぞ!という強い意志でいたというか、面倒臭いので着たくなかったのが正しいのだが、こんな場所で濡れ鼠になるのは勘弁。

 やや焦り気味にペースを上げて、坂の上から集落が見えた時の嬉しさといったら相当なものだった。「助かった」という言葉はこういう時に使うのだろう。

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 助かったわ

 人口100以下でドラクエの村より規模が小さくはあるが、立派な商店やカフェにFreeWi-Fiのある図書館まで完備している立派なテウエルチェの町。そのクセ町中にはキャンプ場はおろか1件も宿泊施設がないあたり、こんな場所に滞在する旅行者なんて自転車乗りくらいしかいないことがよく分かる。

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 図書館いる間に雨止んだし

 まぁそういう町なので、誰に聞いても「そこら辺で自由にテント張ればいいよ!」という豪気な回答ばかりが帰ってくるためどうしたもんやら。結局町外れにある東屋っぽい建物にて無事終了。他にも1組サイクリストがいるのであり「まぁココだよね・・・」的な会話があったりなかったり。

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 いくらでも野営に適した場所あったけど

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 明日は晴れそうで一安心

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 動いてないので眠れるか心配だからワイン

 このワインを1リットルかぱかぱ飲むワケで、寝袋に入ったら最後日記を書くのも面倒になり「ちょっと一休み」と横になる。そうすれば無事明日の朝までワープしてしまうという恐ろしいチリトラップ。毎回どうにかしようと思っているのだが、どうにもなりません。

 2018年4月16日(月) 走行距離29km 累計78032km
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 チリ62・63日目 プエルト ナタレスの町〜プンタ アレナスから北北西に116km地点 道路脇

 長期間に渡って旅行を続けていれば色々な道具がヘタってくるのは自明の理。とはいえ今年に入って1ヶ月間トラブルがなかったことがないレベルで様々な場所が故障しているのはどうしたものか。たまには平穏な気持ちで自転車やバーナーの状態気にせず旅行がしたい。

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 そのガソリンバーナーは完全にバラしてガソリンどぶ漬け

 実は昨日のうちに購入しといたペダルとスプロケット。自転車整備と合わせてついでにチェーンも新しい物とに交換させて、足回りの装備を一新させることにする。

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 ただスプロケは歯数が減ってしまった(軽いギアが重くなった)

 ちょくちょく途中で雨がパラついたりするため作業中断してキッチンでネットを挟みつつ。すごく非効率的な気がするが、むしろネットで写真のアップロード途中に自転車の作業をしていると考えると無駄がない気がしてくる不思議。

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 チリでよくあるホステル兼キャンプ場

 ちなみに私はこの形態があまり好きではない。このタイプの宿はキャンプ場利用者でもホステルの共有部分を使える宿とそうでなくキャンプ場にある別棟の施設のみを使用できるタイプとがあり、この宿の場合は後者となる。

 ご想像の通り、キャンプ側の施設・設備は残念な状態となっている場所が多く、ここにしてもキッチンは狭いし調理器具もほとんど使えないものばかり。私1人で占有できたので問題なかったが、他に客がいたらフラストレーション溜まって気がする。

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 でもチリの宿泊施設は高いからなぁ


 翌日。青空が広がり気持ちの良い朝となる。空が暗い内から活動を開始して動き始めるなんてやる気に溢れてるぞ私。起床時間は7時半だけど。

 しかしいざ出発しようとしたところでサイクルコンピューターが動かない。自転車の問題解決させてから1日も保たなかったとか最短記録なんじゃね?

 今使ってるサイコンは無線ではなく有線式のタイプなのだが、このケーブルが断線してしまったようであり、あの手この手で接続できないかと1時間以上も格闘した末、無駄だと悟って諦めた。僅か4ヶ月しか使えなかったとか有線式のサイコンは使えないなぁ。

 日曜日で自転車ショップも休みだしとそのまま出発する。たまには速度も距離も気にせず思うがままに走りなさいと自転車の神様が言ってるのだ。そうに決まってる。

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 思うがままに地平線

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 謎のソーラーパネル押し 

 間違いなくこの地域は猛烈な風が吹き抜けているのだということは分かるのだが、今日はそれほどでもないとかなんだか悔しい。ちなみに風が強いと確信できるのは周囲を見渡したから。

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 木がこんな状態だし

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 アルゼンチンと標識が違う

 このひん曲がった木というのは、学校の教科書でパタゴニアを説明するのに記載されていた写真で見た覚えがある。その時は写真見てゲラゲラ笑っていたと思われる私だが、現実にこの土地を走っている身としては笑えないというか恐ろしい。

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 というかそんな風の中をよく走って来たもんだよ

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 マイケルジャクソンのアレを思い出した

 特にこの周辺は木々が生い茂っている場所なのだろうが、同時にその大多数が立ち枯れてしまってもいる。そんでその多くがこの通りひん曲がった状態となっており、なんかこの世界は強風に晒された状態のまま時が止まってしまったのではないかと思わせる不思議な風景だ。

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 独特の景色でした

 それが100kmを過ぎる(スマホで距離だけは分かる)と一気にパンパの風景へと逆戻り。ちょうどここに小さな集落があったのだが、今日は楽だしもうちょっと進んでおこうかな・・・とスルーしてしまったワケでして。

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 こうした遮蔽物が

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 全くなくなる

 20km近く走ったところで風を防げる建物なんぞ出てこないわ!と開き直り、道路脇の窪地にテント張って本日終了。多分風が吹いても地形的に大丈夫だろうし、今日1日微風だったことを思えば今更強風になるなんてハズがない。

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 別にフラグを立ててるつもりはない

 2018年4月14日(土) 走行距離  5km 累計77884km
 2018年4月15日(日) 走行距離119km 累計78003km
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 チリ61日目 セロ カスティージョの町〜プンタ アレナスから北西に約190km プエルト ナタレスの町

 コンクリートの上だと冷気をモロに受けてマット敷いてても寒いため、久々にエアーマットを使用してダブルマット体制で寝ていた夜。暖かいけどエアーマットって寝返り打ちにくくて寝心地イマイチ好きになれないんだよね。

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 じゃあ土の上で寝ろよって話だけど

 目を覚まして嬉しいことに、本日全くの無風でございます。既に西側行き着くところまで走った関係上、この先で強風吹かれてもそれほど困ることはなくなった場面での完全無風とはこれいかに。思い通りにいかないから自転車旅行なんだよと分かったようなことを言っておこう。

 なお本日距離短いためお気楽モードであり、出発前から図書館で30分ほど暖炉の前に鎮座しネットで遊んでからの出発。全身ポカポカに温まったところで出発できるなんて素晴らしい。

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 チリ領は「パンパ」というには少々山が多すぎる

 昨日までと違って走っているとその静寂さに驚いてしまう。丸2日間ほど行動している最中は常に「ゴーッ」という風切音が鳴り響いてたので、こうして静かでいるとギャップの大きさにドギマギ。

 そんでもってペダルが1回転するごとにパキパキ異音を鳴らし続ける事実を嫌でも認識させられてしまい、どうしたもんやら。今ここでペダルぶっ壊れたらどうすんべ・・・とか思いながら走ってた。

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 10kmくらいの間隔でバス停あるのが有難い

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 「世界の果て」と銘打った道

 パタゴニアを南下する場合、アウストラル等の豪華絢爛な景色からこうした寂しさを携えた世界に変わるワケだが、そこにこんな「世界の果て」なんて道路標識出されちゃあテンション上がらないワケがあるか!この終末感にはロマンを感じさせる。

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 終末のパタゴニア 

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 パイネのお膝元だけあって山並みが綺麗

 途中ドライバーのおっちゃんに道聞かれたりとかしたのだが、不思議と南米では荷物満載の自転車に乗ってどう見たって旅行者の風態である私に道を聞いてくる輩が多い気がする。手当たり次第にしても適当すぎるだろ。

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 可愛くない銅像がお出迎えプエルトナタレス

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 中央に入ると巨大な手が握りつぶしてくるんでしょ?

 規模は小さいものの観光色全開の町は、最初に訪れたキャンプ場が2000円くらいして「ふざけんな!」と怒りそうになってしもうた。物価の高いパタゴニアといえども限度ってものがあるだろう。

 幸いにして中心地から離れたキャンプ場は先ほどの半額と許容範囲。嬉しいのが施設使用してるのが私1人という点で、キッチンもネットもやりたい放題使いまくり。シーズンオフ、最高。

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 何でチリにダンボーいるの?

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 1度くらいはとアウストラルビール飲んでみた

 このままチリ最南端のプンタアレナスまで一気に走ってしまいたいところだが、自転車途中で走行不能とかになったら目も当てられないのであり、とりあえず明日はパーツ交換作業日という名の休養日とする。

 2018年4月13日(金) 走行距離65km 累計77879km
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