自転車ときどき世界1周

2018年05月

 アルゼンチン101日目 レストラン脇〜ウシュアイアから北に1133km地点 ガソリンスタンド

 ここ2日ほど夜になっても強烈な寒さとならず「これはいよいよ暖かい場所へと突入したのか」とか思ってたのだけれども。

 これは海岸線に位置する場所では冷え込みが緩やかである・・・というヤツではないだろうか?多少北上するよりも海沿いにいる方がよっぽど暖かいのだとしたら、何というかやるせないが。

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 テント凍りついてた

 でも天気はスカッと快晴の青空である。1時間も経てばどんどん暖かくなっていき、痛かった指先もどんどんほぐれていくのは明るい先行きを予感させて素晴らしい。

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 お昼休憩に良さそうな廃墟

 昨日必死の思いで合計20kmほど西側へと移動したわけだが、その甲斐あってか今日から暫くは北東(は言い過ぎ北北東くらい)へと向かって走行になる。基本的には西からの風が吹くパタゴニアにおいて、これは追い風を意味しており、実際大して力を入れずともぐいぐい自転車が進む。

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 50km先まで電話もないですか

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 久々の土管でお昼休憩

 かなり北上してきて「もうパタゴニアとは言っても強風に悩まされるような区域ではないのかも・・・」とか油断すると、台風並みの強烈な風をお見舞いしてくる嫌らしい性格のパタゴニアさん。

 そんな風も一度進路を東に向ければ笑いが止まらないほど楽な自転車旅行を助けてくれる頼もしき存在へと変わる。気まぐれな味方を得た気分。

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 まだグアナコを見ることがあろうとは

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 州を超えてからSOSの電話塔がちょっと変わった

 町と町との距離が350km以上離れてる割に、なぜかこの区間には電線がずっと張られている。こんな場所に電線伸ばす費用を考えたら、小型の発電施設でも作ったほうが割がいいのでないかとすら思うのだけど。それかこんな場所だからこそ風力発電とかさ。

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 最高に気持ちの良い天気

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 本日のゴールが見えてきた

 上手いことスタートから100km強の場所に位置するガソスタにて本日終了。シャワーこそないもののこんな僻地でWi-Fiが使えるとは驚きである。

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 充電もできたし有難いことで

 ガソスタ隣に「ここにテントを張って下さい」と言わんばかりの芝生帯があるのも高ポイントなのであり、この道を走るサイクリストの多くがここで1夜を明かしたのだろうと思うと感慨深い。

 もしかすると私が今シーズンこの芝生を利用してる最後のサイクリストかもしれないのであり、いや本当早いところ北上して寒さから逃れなければと、最近いつも似たようなことばかり言ってる気がする。

 2018年5月23日(水) 走行距離105km 累計80385km
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 アルゼンチン100日目 ラダ ティリの町〜ウシュアイアから北に1053km地点 レストラン脇

 今日でアルゼンチンも100日目。1つの国で100日を超える滞在をしたのはオーストラリアに続いてアルゼンチンが2カ国目であり、改めてこの国の大きさに驚くというか。私がやたらと回りすぎなのだというべきか。

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 でもまぁこの国好きだし

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 ちょっとした高台だったので町の景色がよく見える

 このラダ ティリの町は北側に位置する大都市コモドーロ リバタビアの町と隣接しており、何で統合して1つの町と称さないのかとか思ってたのだが出発してすぐに合点がいった。2つの町は山によって分断されているからである。

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 そしてその山を登らなければならない(写真は登った後)
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 風力発電の羽運んでるのか

 ウシュアイア以降では最も大きな町であったと感じさせるコモドーロ リバタビアの町。久しぶりに高層ビルとか見たし、中心部の通りに並ぶショップも垢抜けているというのか先進的な感じを受ける。

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 本当にパタゴニアかと錯覚する

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 一言で言えば「オシャレ過ぎる」

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 町外れにはまさかのウォルマートもあったし

 何というか私のようなタイプにはこんな大都会は不釣り合いなのであり、居心地の悪さすら感じてしまう根っからの田舎者。おっと私は東京育ち。

 とはいえパンパが続く地平線を見てる方が落ち着くというか楽しいと思ってしまうのは、まぁ悪いことではないと思うのだが。

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 しかし本日は郊外に出ても山岳地帯

 海沿いの町から内陸に入る際の恒例の上り坂だとばかり思っていたのだが、まさか町から25kmも登りが続くとは思わなんだわ。今日も厳しい西風の吹く中を正面から受け止めつつだかんね。

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 最終的に600mくらい登る

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 そして地平線へ

 登りきると進行方向も北東に、つまり追い風を受ける方向へと変更するのであり残りの30kmは楽勝かと思いきや楽勝であった。というかキツかったら途中で走るの止めたるわ。

 看板にも記されてた場所は、かろうじてレストランと工場があるだけのポイント。私としては風邪を防げる場所があれば充分なのであり、レストラン脇にテント張らしてもらいどうにか今日も無事終了。とにかくここまで来ないと水の補給ができないとあって頑張った。

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 明日からワインもない道中を走らなアカン

 ということで私のモチベーションは3日後の町で飲めるであろうアルコールに託されている。

 2018年5月22日(火) 走行距離91km 累計80280km
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 アルゼンチン99日目 カレタ オリビアの町〜ウシュアイアから北に約990km ラダ ティリの町

 見晴らしの良い野宿地は朝の天気も相まって、素晴らしい気分で朝を迎える。自転車旅行に限らず早朝ってのは晴れてナンボだと思う。

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 起きた時にはまだ真っ暗だったけど

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 眼下のガソスタを眺めつつ

 こうした素晴らしい環境で自転車走らせることが出来るのが嬉しいのであり、ワクワクの気分で準備整え走り出す。そしてあっという間に崩れ去る私の喜び。

 というのも猛烈に風が強い。最近緩やかな状況が多くて忘れていたが、まだここはパタゴニア地域の真っ只中。ひとたび本気を出すした風は、自転車をまっすぐに走らせるのが困難なほどの風を吹かせて私を襲う。

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 マジで洒落にならない

 何が恐ろしいって、側道もないような道で強烈な横風に振られることの怖さといったら。道路外へと押し出されないよう必死にハンドル確保するはいいけども、不規則に弱まったりと読めない風相手に集中しっぱなし。

 オマケにすぐ脇を通過する大型トラックとか、自転車旅行者を殺しに来てるのかと思わせるギリギリを通過する危なかっしい運転でして。こっちのことを障害物どころかミジンコ程度にしか思ってないぞ奴らは。

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 珍しく海沿いでの走行

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 とにかくストレス凄まじい

 このままでは何か1つ間違えば大事故に発展するかも・・・と思い始めたところでふと横を見ると謎の道路が並行して延びている。何のための道かは分からないけどとにかくエスケープだと逃げ出したのが大正解。

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 恐らくは建設中の新道

 いくら強い横風とはいえ後続車両を気にしなくてもいいのであれば、走行自体は随分楽というかストレスがかからないのであり助かります。よくぞこの道作ってくれたと褒めそやしたい。

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 良いタイミングで昼休みポイントの廃墟もあったし

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 風はよく吹き抜けたけど 

 午後になっても古い道の隣に隣接して道路が伸びており素晴らしきかな。時おりダートが入り混じったりもするのだが、側道がない上にカレタ オリビア〜コモドーロ リバタビアという大都市間を結ぶこの区間は、交通量が他の比でなく多いため私でなくともこの新道を利用すると思う。

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 後半は割とアップダウン多かった

 上り坂ではちょいちょい怖い思いさせられたものの、無事ラダ ティリの町へと到着する。そのままキャンプ場へと突撃したのはいいが、まさかの改装工事中で営業していないとはどういうことか。

 でも今日はシャワー浴びたいしネットもしたいと仕方なくホステルへと向かうのだが、まさかのこちらも営業しておらず。シーズンオフにおけるデメリットを今日初めて実感したかもしれないです私。

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 他は高級ホテルしかなく街を彷徨う

 結局街入口付近の雑木林の中にテント張って本日終了なのである。いいよ別にシャワー浴びれなくてもさ。

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 ビール飲んだし肉も食べたから

 というのも明日から次の町まで丸4日ほどかかる計算なのであり、今日くらいは良い環境でゆるりと夜を過ごしたいと思ってたのだけども。そんな甘えは許されないようでして、明日からも怒涛のパタゴニアなのである。

 2018年5月21日(月) 走行距離82km 累計80189km
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 アルゼンチン98日目 フィッツ ロイの町〜ウシュアイアから北に約930km カレタ オリビアの町

 予期せずフィッツロイの町にて3泊もしてしまったワケだが、それだけ待てば天気も回復するというもの。素晴らしい晴天の青空に、私も待ってた甲斐があったというものだ。

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 かなり暖かい

 連日お世話になったガソスタにてお礼を言うべく出発前に立ち寄るのは礼儀として至極当然のことだと思うが、一方でそうするとまた無料でコーヒーやパンを「食べてけよ」と出されるのだろうなぁとも思っていた。

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 そうなった

 改めて感謝を述べていざ出発である。思い起こせばアメリカ大陸本土に戻ってからここまで気持ちの良い天気はなかったのでないか?そう感じるほどに地平線まで青空が広がっているのであり、私は今最高に気分が良い。

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 こんな世界を走れるのだから当然だわな

 風も緩やかだし太陽が雲に遮られてないとこれほど過ごしやすいのかと驚く心地よさ。これはウシュアイアから北上してきたからとかそういう理由じゃなくて、日光それ自体の暖かさを実感できるというか。

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 日本で言えばまだ最北端より北なのだけども

 2日休んで万全とは行かないまでも、ほぼ両足の筋肉痛も回復した状態に加え、吹いてくる風も弱い横風。これはもうイケイケの状態なのであり、実際普段よりもかなり良いペースで自転車が進むこと。

 ちなみに今日は出発時点からウインドブレーカーも羽織ってなかったし、グローブも2重にしなかった。それでも全く問題なかったのであり、やっぱり天候というファクターは自転車旅行において1・2を争う重要事項なのだと思う。

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 再び大西洋を望む

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 町手前の廃屋にて昼食休憩

 サン フリアンから随分かかった気がするが、ともかく次の大きな町であるカレタ オリビアへと到着である。町中入る前の道がゴミだらけでかなり残念な気分になったりもしたが、それはともかく大型スーパーのある町に辿り着けたことが嬉しい。

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 炭鉱夫・・・とは違うと思うけど

 しかし今日は日曜日。目抜き通りを走っても軒並みお店は閉店してるのであり、別に私はそんなオシャンティなショップに用事はないけどさぁ・・・とか思いつつもスーパーへ向かう。チェーン店スーパーの良いところは曜日に関係なく開店していることだと思う。

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 買い物終えたらさっさと郊外へ

 町外れのガソスタまで移動して本日終了。走行距離短かったので時間が早いため、カフェスペースで小説読んで時間過ごし、暗くなってからガソスタに隣接している崖の上の雑木林にテント設営する。ガソスタからちょっと距離あるので静かなのが嬉しいね。

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 とりあえず「肉」という夕食

 この後数日はいい感じの天気が続くらしいのであり、フィッツロイで休養とったことだし一気に北上してしまおうかと思っているのだが。まぁそんなに上手くいかないんだろうなぁという予感はある。

 2018年5月20日(日) 走行距離84km 累計80107km
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 アルゼンチン97日目 まだフィッツ ロイの町 

 のんびりガソスタ内のカフェスペースで休ませてもらい、気分一新出発だと準備し始めた7時半。テントも収納して自転車のパッキングも済ませ、お世話になった店員の人たちに挨拶していたワケでして。

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 まさかその間に雨が降ってこようとは

 昨日走らなかったのも「雨だから」というのが理由なのに、このタイミングで雨降ってくるとかどうなんだよと思いつつ。

 でもまぁ私も面倒臭い性格というか、こんなに良くしてもらってる人達の元で何時までも甘えてちゃ駄目だろ!とか思ってしまうのですよ。

 かくして本格的に降り始めた雨を前にして上下レインウェアを羽織り、颯爽と雨の中を飛び出していった茶壺さん。「ありがとう」と何度も思い返して走り始め・・・3分後に雨と風の冷たさに負けてUターンしてもうた。すげぇ格好悪い。

 というか私のこと心配して見送ってくれたオーナーが、道路上で躊躇して立ち止まっていた私に「こんな状況で無茶すんな、良いから戻ってこい」とか言われてホイホイ戻ってきちゃいました。私、チョロい。

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 ということで再びガソスタにて待機

 1つ違うのがオーナーが裏庭にある今は使っていないキャンピングカーを私の寝床として提供してくれたこと。気持ち的にもう1度ここにテントを張るのも嫌だったのであり、有難く使わせてもらうことにする。常に人様の好意に助けられてるな。

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 ありがたき幸せ

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 お昼もいただく

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 夕食くらい購入しようと思ったのにお金受け取ってもらえず

 ということで2日続けてネット三昧。もう飽きも来てるので片手間で小説読んだりしながらコーヒー飲んでたりするのであり、ここだけ抜き取ると「カフェでMacBook使いつつ文庫本を読んでる」という如何にもオシャンティな光景ということになる。

 多分そんな私の格好よさに思わず声をかけてくる人もいるというか、何でかここのカフェにいるとやたら声かけられるんだわ。2日間で5組くらいに声かけられた。

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 よく分からんけどステッカーとか貰ったりした

 寒いから早く北上したいとのたもうてる割に、随分のんびりしてるじゃないですか。・・・とか思われるかもしれないが仕方がない。人は自然の力に抗えないモノなのだよ。あと雨が降ってるとやる気でねぇ

 2018年5月19日(土) 走行距離1km 累計80023km
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 アルゼンチン96日目 フィッツ ロイの町 

 予想通りではあるが朝になっても雨である。このフィッツロイの町は人口にしてやっとこ4桁に乗るような町であり、町中歩いて1周しても30分とかからないような規模。

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 不動の構え 

 とはいえこのガソスタにはWi-Fiあるし、やたら親切な店員が朝からコーヒー出してくれたりと居心地良いので1日くらい滞在することには何の問題もない。

 とりあえず午前中をネット作業の時間とし、放っておいたというか本来やるべきだったのを見て見ぬフリしてきたタスクの消化に当てる。ニートなりに「やらなければならない事」ってのがあるのです。

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 一応13時には雨も止む

 とはいえ今更出発しても意味が薄いというか、次の町まで丁度1日の距離なので中途半端に走っても仕方がない。ここはどっしり構えてダラダラとネットするのが正解だと思う。

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 お昼も頂いてしまったしさ

 一通り作業を終えて暇になった時間もできたので折角だからとフィッツロイの町中を散歩する。1日中室内に籠っているのが苦手なタイプなのだ。何度か同じこと言ってるけども、よくこれで消防の仕事を続けてこれたと思う。

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 意外とお客の絶えないガソスタ

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 町の規模と見合わない公園とか

 そういえばここから海岸線に向かって線路が延びており、何らかの資源というか海産物でも輸送に使われていたのかと思われる。現在では廃線となって朽ち果ててしまっているのだが、当初私はこの線路がフィッツロイの町中を通ることから廃墟になっているであろう駅舎を寝ぐらにしようと思ってたのだ。

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 だって屋根があるし

 こんな感じで事前に取れる情報から野営地を色々と考えておくことは多い。実際訪れてみて思いもかけず予定変更することは多々あるのだが、まぁこういうのはより良い野営地を見つけるための対応策みたいなもんだと思ってる。

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 アルゼンチンもレベル高い国だと思わせる建物の数々

 頂いてばかりでは申し訳ないのでちょっとくらいお返しの意味を込めて、売店で細々とした商品を購入したり。まぁね、結果としてはそのまま夕食を頂いてしまったりで全然返せてないのだけれども。

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 一応自分でも夕食作ってはいる

 ふと空を見上げれば空には良い感じで星が輝いていた。これなら明日は良い天気だろうと思うのだけど、夜にはやっぱり雨降るようで。アレか?アウストラル街道と同意度地域だからこの辺も雨が多いとか。

 2018年5月18日(金) 走行距離0km 累計80022km
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 アルゼンチン95日目 工場 〜ウシュアイアから北に約870km フィッツ ロイの町 

 素晴らしく快適な寝床で休ませてもらった朝。下手な安ホステルだとベッドが小さかったり、同室の人間がうるさかったりすることも多く、テント泊の方がよっぽど快適に眠れることもあるけども。

 こうして「ちゃんとした寝床」で休ませて貰えると、やっぱりベッドって素晴らしいと思わずにはいられない。

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 あと部屋が暖かいってスゴい

 シュラフの収納もテント撤収作業も必要なく、ゆっくりとコーヒー頂きながら出発準備しても9時にもなっていない。まだようやく空が明るくなってきた状況だというのに。

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 庭に住み着いてるキツネ

 とはいえ何時までも好意に甘えて滞在し続けるわけにもいかないのであり、ようやく重たい腰を上げて出発するは30分後。何してたといえば、スペイン語でよく分からん経済ニュースとか見てた。

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 お世話になりました

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 この周辺は割とアップダウンが多い

 昨日と違い午前中の天気は悪くないが、昨日と同じく午前中から無茶苦茶寒い。大型車両が追い抜く一瞬だけ追い風に変わるのだが、すると自分の吐いた息が白かったことに気づく。走行中は後ろに流れてしまうので分からないのだ。

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 この湖も凍ってるし

 太陽の出てくる時間が遅いから致し方ないのかもしれないが、日中になり気温が上昇してくるタイミングがやたらと遅い。11時代ではまだ朝の寒さが続いており、13時になるとようやく気温が上がり始めるという感じ。今日は2重にしていたグローブ1枚外したのは14時を過ぎてからだった。

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 お昼休憩は謎の工事跡地で

 周囲の氷も溶け始める午後の走行は、厳しい気候のパタゴニアにおいて緩やかさを感じる貴重な時間帯である。そんな場所にて到達したのが

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 80000kmの大台

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 場所は川を渡る直前

 もう記念も何もないけども、まぁこうした数字を伸ばすではなく「自転車旅行を楽しむ」という点を第一にここまで走ってこれたことが嬉しい。走行距離を気にして走ってるのは何かが間違ってる自転車旅行だと思うし。

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 ブエノスまで2000km切った

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 見えてきたのはフィッツロイの町

 遥か西のエル チャルテンという町の近くに同名の山があったのだが、一応町の名前としてはここがフィッツ ロイらしい。何か関係があるのか、何の関係もなく偶然同じ名前なのかは知らないが。

 とりあえずテント張れそうな場所探して町中走ってウロつき回る。最終的に町外れのガソスタでテント設営許可もらい、お礼とWi-Fi使いたいということもあって適当なパンでも購入しようとしたのだが。

 「自転車旅行者だろ。ならお金は要らないよ。」と親切を受けてしまい、それどころかシャワー使わせてもらうわコーヒー入れてもらうわ、遂には夕食までご馳走させてもらう。

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 おかげ様で持ってた食材全然減らない

 「明日の朝食も作ってやるからな!」との事で、本当嬉しい訳ですが夜中から雨降ってきたのであり、この分だと明日はフィッツロイに滞在することになりそうなのですが。

 朝食頂いて「雨だからもう1泊してもいいかな?」と尋ねるのはちょっと勇気いるな。何というか人様の親切の上で胡座をかいてる気がしてさ。

 2018年5月17日(木) 走行距離88km 累計80022km
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 アルゼンチン94日目 工場〜ウシュアイアから北に797km地点 工場 

 恐らくこの施設の居住区域で常勤してるのは管理人のオッちゃん1人で、繁忙期とかになると私がテント張らせてもらってたこのコンテナ小屋も本格的に使われるのだと思う。というわけで誰も来なくて気楽だった夜ですが。

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 風も完全防風スタイル

 しかし朝の寒さが凄まじい。キッチン使わせてもらえたから良かったものの、この寒さで出発準備してたら走る前からやる気も根こそぎ奪われてしまう。

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 お世話になりました

 何が寒いのかって周囲一帯完全にガスっているのが寒い。太陽光が遮られてしまうとここまで寒くなるのかと嘆きたくなるというか。グローブは2重にしてるから手の指は大丈夫だが、足の指は冷たいを通り越して痛みしか感じない。靴下も2重にすべきだったか。

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 フードも被るべきだったか

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 ふと荷物を見たら水滴が凍りついてるし

 天気予報を確認する限りだとこの辺の最低気温は2度とかそんな程度らしいけどさ。一体何処のデータを収集してるのかと文句の1つも言いたくなる。体感的にはー5度くらいの寒さなんですけど。

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 自転車で走ってるからなのか

 とにかく昨日目標にしていたガソスタまで走ろうとそれだけを胸に進む。こういう書き方するとすげー辛そうな感じだが、寒くはあっても別に辛くはない。

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 でもガソスタ見えた時は本当に嬉しかった

 この半径100mだけが別世界。木々が生え揃い整備された芝生が生い茂っているのであり、周囲のパンパは何だったのかと思わずにはいられない。

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 楽園 

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 呑気なもんだ

 心なしか気温も上がっている気さえする・・・というか普通に青空が見え始めたじゃねーか。すげーなガソスタ、天気さえも引っ張ってくるのか。

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 暖房ある屋内でネットしたり

 まず間違いなくここでもテント張らせてもらえるだろうが、もうちょっと先へと私は進む。コンディション悪い状態で必死に走り、改善してきたらお休みじゃあ何というか割に合わないではないか。

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 青空の下で自転車乗りたいし

 道中何もないことは昼のガソスタで確認済みであり、よって午後の課題は「何処で野営するか」という点に絞られる。こんな人口希薄地帯であるパタゴニアなんか何処にだってテント張れると思うのだが、昨日「道路脇でキャンプなんかするなよ。悪い奴に襲われるぞ」とか言われてしまったこともあり、ちょっと慎重になってます茶壺さん。

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 しかし意外と見つからない

 人工物が見つからない時の野営ポイントとして「道路下の土管」というのはパタゴニアにおける基本的なポイントなのだが、先日の雨の影響かことごとく浸水しておりとてもじゃないがテント設営できる状態ではなく。

 気づけば太陽は地平線へと沈んでしまいそうなのであり、流石に私も焦ってきた。どうにもならなきゃ適当に柵越えて道路から見えない場所まで移動すりゃ良いんだけどさ。

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 と思っていたら人工物が

 いやはや助かったわと道を外れて進むこと1km。まだテント張らせてもらえるかも分からないのに、気分は既に終了モード。こんな辺鄙な土地で断られるはずはないという根拠もない自信だけがある。

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 助けてください割とマジで 

 んで実際には断られるどころか夕食頂いてしまった上に「テントじゃ寒いだろ?そこの部屋使いなよ」と当てがってもらった。

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 遠慮しません私は3回おかわりする

 アルゼンチン地図を引っ張り出して、今後の予定からどんなルートが良いかと色々相談に乗ってもらう。案の定、ブエノスアイレスは危ないから行くなと言われたのだが。

 「ブエノスアイレスは危険だから止めとけ」と言われたの、10人以上の人から話を聞いて現在まで100%の確率なんだよね。そんな場所行くつもりありませんよ私は。

 行く気は無いけど最初のお題目にしている起点となる町からの距離表示をどこにしようかね。というのが最近の悩ましい問題だったりする。行かないけどブエノス起点にしちまうか。

 2018年5月16日(水) 走行距離110km 累計79934km
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 アルゼンチン93日目 サン フリアンの町〜ウシュアイアから北に698km地点 工場 

 一度リオガジェゴスの町で冬の寒さは振り切ったと思ったのだが、なんかこの数日寒さがぶり返してきたと思わずにはいられない寒さ。冬将軍に追いつかれたか。

 とりあえずテントのフライシートは凍りついてるし、湿度も高くてテント自体もびっしょびしょ。これは周囲が昨日の雨による水たまりだらけというファクターも大きのかもしれないが。

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 人目につかないし風もなくて良いポイントだったけども

 出発前にたまらずガソスタ内のカフェへとエスケープ。郊外型ガソスタってトラックドライバーの休憩所として使われてる側面もあってか、休憩エリアも広いしトイレには大抵シャワー室がある。ここのは工事中らしくて現在使えなかったのだけど。 

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 人心地ついたところで出発

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 何だお前は?

 最初の10kmは緩やかな上り坂。散々この道走って分かってきたのが、アルゼンチン国道3号線は海沿いから外れる場合、標高1〜200mの高台を走っているということ。

 このサン フリアンの町も然り、町へと近づく時とこうして離れる時にそれぞれアップダウンが挟まれる。そこを超えてしまえば基本は平坦路、川を渡る時だけU字型に坂を挟むというのがこの土地。

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 ほら、登りきったら平坦になった

 先日雨だったことは関係ないのか、この辺りでもグアナコの姿はほとんど見かけなくなってしまいちと寂しい。多い時には1日1000匹くらい普通に見かけたグアナコだが、いよいよ彼らの生息区域から外れてしまうのだろうかあの独特な「キョキョキョキョキョキョ」とかいう警戒音も聞けなくなるようで。

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 この鳥(ニャンドゥ)はまだ見かける

 しかしまだパタゴニアのど真ん中ではある。幸いにして今日は弱い追い風が吹いてるため楽して自転車漕いでるが、いつ何時猛烈な横風に変わるかも分からない。でも最近は風より悪天候の方が怖いんだけど。

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 30km走って道路以外唯一の人工物がこれ

 一応130km先のガソスタ目標にして走ってるため、必然的にペースを上げて休憩は少なくしての走行となる。そんなずっと走ってばかりじゃ楽しくないでしょう?とか問われれば、そもそもパタゴニアという土地での走行はひたすら走ってばかりが基本です・・・と回答したい。

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 でもこの昼食休憩は自分でも適当すぎると思う

 このまま20km/hを維持し続ければ17時半には到着できるかな・・・とか思ってたら左手に工場が出てきた。地図には全く載ってなかったポイントで、事前予測も全く立てていなかったし。

 さてここでテント張らせてもらうか、それともこのまま走り続けてガソスタまで頑張るか。とりあえず地図アプリ開いて残り距離が40km切ってたら先に進もう・・・とか考えてたのだが、表示された数字は「ガソスタまで50km」であった。

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 終〜了〜

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 コンディションの良い時にたくさん進んでおくだぁ?

 知ったことか。自転車旅行ってのはゆっくりスローペースでたくさん休憩して進むもんなんだよ。パタゴニアだからとかそんなの関係ないね。

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 キッチンも使わせてもらえた

 ゆっくり進むのはともかく、この寒さからは早急に離脱する必要がるというのは間違いのない事実。さて、どこまで北上すれば落ち着けるのだろうかね。

 2018年5月15日(火) 走行距離94km 累計79824km
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 場所:ビジャビエハの町から東に約10kmくらい。付近の大都市だと40kmくらい南にネイバという都市があり、ここからツアー等でアクセスするのが一般的とのこと。
入場料:特になし。ただ雰囲気ぶち壊しのプールがあって、そこに入るなら300円くらい。付近に幾つかホステル兼キャンプ場があり、んなもんなくとも何処でもテント張れそうだがキャンプ場なら利用料金200円とかそんな程度で施設使わせてもらえるので利用価値は高い。


 2つある砂漠はそれぞれ別の雰囲気が漂っており、個人的には手前のスエロス・ロホスの方が好み。後者のロス・オヨスも悪くはないが、ホステル密集地帯から8kmほど離れており移動するのが割と大変なのに、全体的に色合いが暗くてちょっと残念と言いますか。

 かなりの広さがあるため両方回ると考えると最低でも半日程度は時間を取っておいた方がいい。あと暑いので水分の携行は割と重要。砂漠という土地の割に独特の奇岩が連なる景観は、相当な岩好きであっても十分に満足できる面白スポットであると私は太鼓判を押すね。

◯スエロス・オホス
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◯ロス・オヨス 
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