自転車ときどき世界1周

2019年04月

 ブラジル60日目 ベレンの町


 何とかゴール地点であるベレンの町へと無事到着できた私。これであとは体調良くなるまでゆっくりしてればいいかといえば、もちろんそんなことはない。自転車を梱包するためのダンボールもそうだけど、どう考えても物価高であろう西欧地域を走るにおいて極力自転車関連のトラブル(=ショップでの修理)を避けたい。


 つまりブラジル滞在中に自転車のヘタってる部品の交換や、関連アイテムの新規購入もこのタイミングが安く済ませられる最後のチャンスなのである。


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 なんだけども


 とりあえず昨夜の時点で保険会社がしてくれる病院予約の連絡が来ない。とりあえず9時過ぎまでやきもきしながら待ってたのだが、事前の連絡とは裏腹にメールではなくホステルに直接電話がかかってきた次第。


 まぁ何にしても予約完了してればいいけどね・・・と思いながら受話器を受け取ると、言われた台詞が「時間帯は何時頃がご希望でしょうか?」ときたもんだ。まだ何にもしてないんかい!


 一応受け答えしたけど向こうが呑気な仕事してるのを律儀に待つほど時間に余裕無いですよ私は。ということで予約完了のメールを待たず、自転車ショップに出発することに。帰ってきたら確認しよう。


 サンルイスより自転車人気が高いのか、ちょっと調べただけでも付近にスポーツ系の自転車を取り扱うショップは山のように存在している。とりあえず1番近い場所から攻めていき、ダンボールもらえたお店で各種部品も合わせて購入しようと思いつつ。


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 ベレンは道が狭いんだけど


 まさか1店目の入店直後に「オマエこの前の自転車旅行者じゃないか!」と言われるとは思いもよらなんだ。4日ほど前にカパネマの町へ向かう途中で遭遇したサイクリストの人たちで、そういえば何人かはベレン在住だと言ってたっけ。


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 それにしてもこんなピンポイントで再開するとはビックリだ


 しかし私は運がいい。南米特有のアミーゴ対応というヤツで、簡単に自転車梱包用のダンボールをいただけた上に各種部品や用具も割引価格で販売してくれ、その上部品交換の作業工賃は無料にしてもらえたのだから。というかブラジルでは結構色々自転車トラブルあったけど、何と1度も作業工賃請求されたことがないというね。


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 どんだけ自転車旅行者に親切なのだ


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 そのうえお昼も頂いてしまう


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 最後にはTシャツも頂いて記念撮影


 色々お世話になって感謝に堪えない。これで自転車の荷物関係における準備は半分完了した感じで、馬鹿デカいダンボールを背負って宿まで戻る。結局距離にしたら1kmくらいしか移動しないで済んだな。


 できれば今日中に自転車関係の準備終えてしまいたいところだが、とりあえず病院の予約も大切だし・・・とメール確認してみたが連絡来ておらず。いくらなんでもオカシイだろう!と調べてみたら、メーラーが不具合を起こしてログインできなくなっていた様子。


 何とか直さないことにはどうにもならん!と小一時間格闘したところで諦めた。とりあえず予約キャンセルの旨を伝えて(受信はできないが送信はできる)私は他の必要道具を買い出しに。


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 ラップとか緩衝材とかテープとか


 大型スーパーやホームセンターでもあれば話は早いのだが、そうしたお店を見つける前に雨が降ってきてしまうアマゾンの午後。まだ体調万全じゃないのに雨で濡れたりしたら治せる風も治らない。というかもうマラリアではなく風邪だと決めつけてます茶壺さん。

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 このタイミングで予備の鍵も作っておいたり 


 仕方なく宿へと戻り、入国審査対策として銀行残高や出国用のチケットをプリントアウトしたり初日に泊まる場所の住所から連絡先を取りまとめたり。なおこの書き方で次の国が何処だか見当つく方は、かなり海外旅行慣れしてると私は思う。


 一通り作業終えたの22時とかであり、ほれ見たことか!やっぱりフライト前ってのは面倒臭くて忙しい作業が目白押しなんだよ・・・と私は声を大にして言いたい。


 2019年4月22日(月) 走行距離1km 累計91916km

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 ブラジル59日目 カスタニャウの町~アマゾン川の河口 ベレンの町


 全然体調回復してないが私が確保していた予備日を全て使い切ってしまったので、何が何でも教授にベレンの町に到着しなければなならない。ちなみにフライト予定日は24日で「いや余裕あるじゃん!」とか思われる方もいるかもしれないが、自転車のフライト準備は時間かかるのだ。


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 朝の時点で体温37.6℃


 とにかくベレンに向かうため出発準備。実は昨日の時点で出発する気満々で、全てパッキング終えいざ外に出てみたら雨が降っていた・・・ということがあり、私の体調も酷いが天気の急変も結構酷い。


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 とにかく出発


 本日が2年弱にわたる南米滞在において最後の本格的な走行日となるのにさ。もう体がダルくて感慨沸くとかそういう気持ちが一切出てこない。とにかく事故起こしたりしないよういつも以上に注意して、安全確保することだけに焦点を絞り淡々とペダルを回す。


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 その割に写真はそれなりに撮る


 幸いだったのが今日のルートでは上り坂がほとんど出てこなかったという点。ちょっとしたアップが2~3回あったのだが、これを走るだけで身体中の関節が痛くなる感じでマジ勘弁状態だったし。


 そう思えば自転車ってのが如何に負荷が少ない乗り物であるか分かる。荷物のみで50kg以上を積載してるのにこれだけ楽して移動できるのだからさ。


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 でもこの体調で走るのは普通やらないが


 走行距離も短いし、祝日ということもあって交通量少なくてマシなんじゃね?と割と楽観的な予測を建てていたのだが、そこは大都市ベレンの町。車両が少ないなんてことはなかったし、バスは無茶苦茶な運転して危ないしでちっとも良かない。


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 しかも途中でスコール降られた


 もしかすると3連休の最終日ということで、日本よろしくUターンラッシュみたいな状況になっているのではと思ったり。ブラジルの郊外で渋滞してるの見たの初めてだよ。


 そうすると身勝手な運転するのがブラジル人でさ。路肩に無理矢理はみ出て先に進もうとするアホドライバーが多いのでこっちは大迷惑ですよ。1台それでなのかパトカーに捕まってるの見て「もっと厳しく取り締まれ!」と思わずにはいられなかったよ私は。


 あと後進国の都市部全般に言えることだが路面状態が悪すぎる。何が問題かって先に降ったスコールのせいで巨大な水たまりが点在しており自転車は汚れまくりだし車は容赦なく水跳ねてくるし。


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 嫌だなぁ都会の景色


 むしろ町近郊から完全に市内入ってからの方が余程気楽に走行できた。自転車道が整備されてるし、信号増えて無茶苦茶な速度で走る車はいなくなるし。

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 これなくちゃドライバーが怖くて走れんぞ 


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 よくまぁそこまで落書きする気になるよ


 ただ治安的にはファーベラ(スラム街)が広がってた郊外も町中も等しく良くない印象を受ける。ブラジル同じ百万都市だとマナウスやサンルイスに行ったけどさ、ベレンの雰囲気は明らかにもう一段階悪いと思う。


 ふらふらの状態になりながら何とか下調べしといたホステルに到着する。最終日とは3連休だしベッドに空きがなかったらどうしよう?とか心配してたけど、他の宿泊客1人だけだった。


 シャワー浴びて薬飲んだらそのままベッドに倒れ込む。色々予定はあるけども、とにかく休まないと冗談抜きで身体が動かないですよ。とりあえず夕方に目を覚まし、保険会社を通じて病院に予約を入れた。マラリアかどうかを調べないと不安で夜も眠れない。チキンなのです。


 2019年4月21日(日) 走行距離75km 累計91915km

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 ブラジル58日目 カスタニャウの町


 体調悪くて走行不能。止む無く延泊して薬飲んでほぼ丸1日寝てた。たぶん風邪だと思ううけど、マラリア危険がある地域を走ってる関係からそっちの可能性に怯えてる。

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 ダルい 


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 ついでに言うと午前中は雨だったし


 ちなみに風邪ってこんなに苦しいものだったっけ?最後に風邪ひいたの10年くらい前なのでほとんど記憶がない茶壺さん。


 幸いにして道路挟んで向かい側が大型スーパーであるため、簡単に水分等買い揃えておくことができたのは有難い。ちなみにスーパーの店名が「IBARAKI」って名前なのだが、やっぱり日系移民の人がオーナーの店なのだそうだ。


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 ベレン周辺は本当に日系の人が多いんだな


 その後はベッドの上で完全に沈黙。寝すぎで眠れなくなってしまうもPC使うと頭痛がするので困ったもんだ。あと海外で1人病気で寝続けるって、悪い想像ばかりしてしまうので勘弁してほしいと思いまする。


 2019年4月20日(土) 走行距離0km 累計91840km

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 ブラジル57日目 カパネマの町~ベレンから東に約60km カスタニャウの町


 状況によっては連続走行続けたりもするけど、できれば1週間に1~2日くらいは休息日を挟みたいと思ってる。というか最低でもその程度は休まないと疲れ切ってきまい身体が保たないし。


 そういう意味ではピニェイロから連続走行5日目というのは「そろそろ休みを入れようかな?」と思い始めるタイミングだ。ただもうベレンまで距離ないのとフライト前の準備に時間取られることを鑑みてこのまま一気に走りきってしまおうと思ってるだけ。


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 安いのに良い宿だった


 しかし何故だか猛烈に身体がダルい。いや、ダルいだけじゃなくて頭痛があるし鼻水も止まらない。要するに酷く体調が悪いのであり、しかし「疲れてるのかな?」とかあんまり考えないで出発してしまった私。


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 まだ160kmあるというに


 睡眠は十分取ってると思うのだが、寝不足の時によくある視神系からの鈍痛でこめかみがズキズキ痛む。体調不良ってのは各種一気に湧き出てくるものなのか、腹痛も併発してきて「何で私は今日出発してしまったのか・・・」とか今になって思う。


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 国道316号線は


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 朽ちたガソスタが置かれてる


 30kmほど走った小さな村の軒下で堪らずダウンし横になる。私はあんまり頭痛で苦しむことなかったんだけどーとか思いつつ、ようやくこの辺りで「風邪の初期症状かな?」とか思い始める茶壺さん。


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 今更戻るわけにもなぁ


 ダルさを抱えつつも何とか50kmを走りサンタ マリアの町へ。もう今日はここで走るの止めてしまおうかと思ったのだが、この町安宿が見つからない上に雰囲気が悪い気がする。


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 ベレンが近づいて日系人が増えたか


 とにかく食事だけはしっかり摂っておかないと!と無理矢理食べまくったら多少楽になったので、サンタ マリアはスルーして先へと進むことにする。嫌な予感の直感には従っておいたほうが良い。


 というか今日って天気が良い上にかなりの追い風という素晴らしいコンディションで、しかも側道が広くて路面状況も完璧ときている。いくら私でもこれだけ好条件が重なってなければ無理はしないですよ。


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 しかも交通量が少ない道


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 ということでカスタニャウの町に


 ちなみに車両が少なかったのは今日がブラジルの祝日であったから。しかも21日も祝日ということで、週末が3連休ということになる。私がこれに気づいたのはカスタニャウの町に入って看板を見たからなのだが、もうこの時点で面倒なことになりそうだと思ってた。


 案の定、宿を探してみるがどこも「満員だよ」と断られてしまい、どうして調子悪いこんな日に限って宿を求めてフラフラしなくちゃならんのだ。


 最終的にかなりお高い宿だがオーナーの好意で割り引いてもらい、何とか投宿することができた。シャワー浴びた後はそのまま2時間ほど休むことに。まぁ今日はどこもお店閉まってるから出歩く意味も薄いだろうし。


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 夕食探すの大変だったが


 ほとんど人を見かけなかった町だが、中央広場だけ別空間のように賑わっており屋台も無数に並んでいた。どっかでカーニバルとかやってるのかもしれないが、まぁ基本的には住民の人たちも今日はココしか行く場所ないんだろな。


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 焼きそば


 ベレンという町及びその周辺は多くの日系人が移住してきた土地の1つで、ベレンに近づいてから急にこうした日本的な食事等を見かけるようになったな。でもここの焼きそばは量が少ないし、私が自分で作った方が美味しいと思うぞ。


 2019年4月19日(金) 走行距離95km 累計91840km

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 ブラジル56日目 カチョエイラ ド ピリアの町~ベレンから東に約150km カパネマの町


 そういえばブラジルでは全然野宿をしていない。南米でも特筆するほど物価が安いわけではない国だが、私はブラジルにおいて宿泊を繰り返している。


 その背景には「雨が多い」だとか「治安的に不安」というのも確かにあるが、最も大きな理由は「宿泊料金に対しての設備が満足いくレベルで整っている」からだと言える。


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 狭くて蚊の多い宿だけど


 色んな国で安宿に宿泊していくと自分の中で「この料金だったらこれくらい」という基準が作られるもので、私にとってブラジルの宿は料金に対してサービスが良いため積極的に利用したいと思わせるのだ。汗かきまくりなのでシャワー浴びたいし。


 言い換えるといくら安かろうがシャワーやトイレすらない宿は利用したいと思わないし、日本みたく設備が良くても料金が高すぎれば勿論利用しない。特に私は先進国で極力宿泊施設を避ける傾向があり、アメリカなんて計4ヶ月滞在して宿使ったのアラスカ初日の1回だけだったし。そういう場所でお金節約してブラジルみたいな物価安い国で贅沢したいとも思う。


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 出発直後に大下り


 しかし昨日入った宿は料金高くて朝食のサービスも無し。結果的には「これなら利用しなくても良かった」と思ってしまった宿であったが、まぁ今更テント泊するのもさ。調理器具は全て洗浄してしまったし、かといってブラジルの町中で野宿をするのははばかられるし。


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 塩梅が難しい


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 日陰があると助かりますわ


 宿の話はこれくらいにして、ベレンまでの道も残り300kmを切った。ブラジルというよりは南米全体においてのラストスパートと言える段階に突入したといえる感じで、ちょっと寂しくもある。


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 本当に南米は良い国ばかりだったから


 食堂で摂った朝食が残念無念の内容と量だったので、11時の時点で腹ペコの私。到着した町で「とにかくたくさん食べたい!」と注文方式でなくセルフサービスのお店であることを確認してから入店し、文字通りお皿山盛りに食べ物乗せて食べまくる。


 海沿いではないが今日は割とアップダウンが多くて疲れる道だったけど、これだけエネルギー注入しとけば後半戦もバッチリでしょ!と満腹になって膨らんだ腹を叩きながら走行再開す。そんな車じゃないんだからエネルギー入れれば良いってものではない気もするが、飯さえ食べれりゃ物事の8割くらいは解決できるのもまた事実。


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 ブラジルで初めてサイクリングチームの人達と出会う


 サッカー以外のスポーツ文化が全くイメージ湧かないが、ブラジルにもこうしてスポーツサイクルを楽しむ層があるのだと思うと何だか嬉しい。ちょいちょい個人でスポーツ自転車乗ってる人は見るけどさ、こうしたチームで走ったりするほど自転車が根付いていたんですねブラジル。


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 Tシャツ頂いた


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 すごく陽気で良い感じの人たちでした


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 別れた直後にスコール


 私と逆方向に進んでいった彼らは雨に濡れなかったかな・・・とか考えてるうちに降り止んでしまう雨。もう最近は雨が降ることは当然で、むしろ午後になって天候崩れる前にどれだけ距離稼げるか?みたいな思考で走ってるな。


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 降り止むのは早いんだけどさ


 その分2度目3度目の雨が降り始めてしまうことも多いので。今日なんて町まで残り2kmというタイミングでいきなりスコールとなってしまい「あと5分速く走れてれば・・・」とか悔しい思いをした。おかげで30分もガソスタの下で待たされてしもうたよ。


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 最後だからと雨の中無理して走らない判断したのは正解だったが


 それでも16時には投宿したし良いけどさ。あんまり遅くなると散歩という名のビール買い出しに行くのが難しくなるのが問題なだけで。いや、それは大問題ではあるけども。


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 日本商店


 部屋の蚊をあらかた排除し、落ち着いてから飲むビールは大汗かいた1日を締めくくるのに最高である。ちなみに宿のコスパはあれほどケチくさく吟味する私だが、ビールに関しては多少高かろうがどの国でも飲んでいます。


 2019年4月18日(木) 走行距離99km 累計91745km

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 ブラジル55日目 マラカスーメの町~ベレンから東に約220km カチョエイラ ド ピリアの町


  エアコンある部屋で無茶苦茶快適に眠れた・・・かといえばそうでもない。何でかそんな部屋には蚊がいないと思い込んでいたのであり、深夜になってから刺されて目を覚ますも蚊除けの塗り薬は鍵かけたガレージの中。


 結局頭からシーツかけてないと眠れぬ状況となってしまい、何だかな~と思える朝の到来は眩しいね。ちくしょうめ。


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 蚊の対策を怠ったらダメ 


 思ったよりも大きな町だったマラカスーメ。町の郊外に出るまで2kmくらいの距離を要し、しかしその後はひたすらジャングルが続くいつものブラジル風景が戻ってくる。

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 こんな景色と交互に 


 ただアマゾン真っ只中の時には道路の周辺以外のみが伐採されて視界があったの対し、ここいらでは牧場やれ湿地やれ色々な種類の土地が入れ替わって出てくるのが面白い。ただ1つ問題なのが、路面状況が悪すぎて地面に集中してないとまともに走行が出来ず、マトモに風景を見る余裕がないことだ。


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 意味ねーな


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 流星群でも落ちたのか?と思う路面


 サンルイスの時点で大西洋に面していたのだが、西へと進むにつれて陸地は北側へと伸びていき結果的にやや内陸部を走行している現状。流石にアップダウンが激しくなるほど内側に入ったワケではないが、どうせなら海沿いを走りながらの走行でもしたかった。何気にウルグアイから8ヶ月くらい海沿いの道を走ってないし。


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 50km強で上手いこと町が出てきたので昼食


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 その町外れにある橋を渡ると


 ようやくマラニョン州からパラー州へと戻って来たことになる。前回マラニョン州に突入した時には看板の1つも出てこず、後になって地図を確かめたら何時の間にか突入していた・・・という締まりのないエントリーだったので適当なブラジルの面目躍如といったところか。


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 そして道路が劇的に改善された


 こういうのを目の当たりにすると州によってのパワーバランスって本当にあるんだなぁと思わずにはいられない。昔のドラクエは橋を渡ると出現モンスターが変化するという特徴があったものだが、現代のブラジルで橋を渡ると路面状況が一変するのである。あんま上手いこと言えなかった。


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 そんでもって天候も一変する


 後ろからも雨雲追いかけてくるし前方にもどす黒い色した雲が見えて板挟み状態。ただ幸いなことに雲の動きは私の右から左へと横に向かって流れているため、移動しなければ雨に降られる心配はなさそう。


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 前方の雨が止むのを待ってるの図


 最後の最後に今日1番の上り坂を走らされ、坂の頂点に位置するカチョエイラ ド ピリアの町で走行終了である。最初は高い宿しかなくて「ここに泊まるくらいなら先に進もうかな・・・」とか思ったのだが、しつこく探し続けたら別の場所にもう1件宿があった。


 私も不思議に思うのだけど、どうして中南米の国は宿でも何でも同業のお店を一角に固めてしまうのかね?お客の奪い合いしてる割にはちっとも営業熱心じゃないし、お店とかのラインナップも完全に一緒。


 日本はここら辺シビアというか、同じようなお店が10店舗も横並びするとかアホな造り方しないもんね。床屋ばかりがずらり軒を連ねる光景とか見てる分には面白いけどさ。


 そういう意味では珍しい宿エリアから離れた場所に1件だけ立地していた宿。こういうはぐれ者に対して私は割と親近感を覚えてしまうタイプだったりする。


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 似た者同士ってことだろうか?


 2019年4月17日(水) 走行距離85km 累計91646km

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 ブラジル54日目 サンタ エレナの町~サンルイスから西北西に約200km マラカスーメの町


 部屋がやたらと広くて蚊取り線香焚いても蚊を撲滅することができず、結局深夜に全身蚊よけの薬を塗ってやり過ごした夜。私はこの手の薬をなるべく使用したくない人なのだが、そういう呑気な主張はブラジルで通用しない。


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 朝起きてとりあえずシャワー


 昨日は雨の中慌てて宿を探していたため気にしてなかったが、やっぱり駆動系のパーツを修理した後の快適は段違いだ。ストレスなく自転車漕げるということが、どれほど有難いことなのかというのを実感するのはいつもこの瞬間。


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 昨日も渡った川越える橋だけど


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 かなりの部分で家が水没してるのですが


 ちなみに日本という国は国土交通省がもうアホみたいにコンクリートブロックで川を固めてしまい、それは酷い景観の上に成り立っているのが常なのだが、その主な理由とされるのが「川の氾濫を防ぐため」とのこと。


 私はブラジルでこうした水が溢れて住宅地域まで浸水している光景を何度も目撃してるけど、当の住民は至って緩やかだったり平気な顔して生活している。


 国も環境も色々違うのは分かるけどさ、私はあんな灰色のコンクリートでガチガチに固められたヘドロまみれの川よりも、近所の子供達が飛び込んで遊んでたり小型の船で漁をしたりと生活に密着してる美しいブラジルの川が好きだし日本もそうあって欲しいと思う。


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 子供の頃は父方の実家にある川で毎日遊んでた川ガキの弁


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 ブラジルはこのままであって欲しい


 湿地帯を抜けると暫くはジャングルと牧場が交互に出てくる景色が続く。天気も良いし風も追い風、自転車のコンディションも回復したとあっては鼻歌でも歌い出したくなるような気持ちよさだ。


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 これがずっと続けば良いのに


 ブラジル走ってて思うことに「天気の移り変わりが早い」という点がある。これは要するに「雲の動きが早い」と言い換えることが出来るのだが、いや本当あっという間に青空が雲に覆われて雨降ってくるもんでさ。

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 やばいやばい 


 割と集落は狭い範囲に点在している道なのだが、ちょっと郊外の何もない場所で「雨っぽい感じだな・・・」とか思ったらその直後にはスコールですよ。逃げ場もなくてびしょ濡れになりつつ2~3km。ようやく出てきた工事現場みたいな場所へ逃げ込む私。


 「ちょっと雨止むまで休んでいいかな?」

 「おう!いいぜ。お前は日本人か、NARUTO知ってるか?」

 「日本のアニメ(漫画)だな。知ってるとも!」

 「そうか、ところで昼飯食べるか?」


 みたいな会話が割と多い気がするブラジル。前後の文脈繋がってないような気がするのだが、割と忠実に再現してると思う。ノリで生きてる人ほど南米という大陸は居心地が良いという説を提唱したい。


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 大変美味しゅうございました


 ここで三叉路を右に


 午前中にかなりのハイペースで飛ばしていたこともあり、マラカスーメの町に到着した時点で14時半。この先多少進めば他の町に到着することもできそうだけど、何の迷いもなく宿を探し始めたのは雨が降ってくる直前の天気だから。


 この予測は間違っておらず、投宿後にビール買いに出かけたら良い感じに雨が降っていた。普段雨に降られるとゲンナリといった気分だが、走り終えた後から降り出す雨を見てると痛快な気分になるのだから良い性格してるよ私は。


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 愛を感じる並木道


 まさかの宿がエアコン付きで、そんなの嬉しくなってしまうじゃないか!大喜びで涼しさを堪能してたらそのままうたた寝してもうた。なんか最近意図しない昼寝が増えてる気がするけれど、これって睡眠不足が原因か?


 2019年4月16日(火) 走行距離82km 累計91561km

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 ブラジル53日目 ピニェイロの町~サンルイスから西に約120km サンタ エレナの町


 ネットも高速だし宿の人たち親切で、実に居心地の良い宿であった。ブラジルという国では州都みたいな大都市よりも、こんなピニェイロみたく中規模都市に滞在する方が安くて質の良い宿に泊まれるため有難いと思っている。


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 治安的な不安も少ないし


 朝食も満足できる量だったし、元気いっぱい自転車荷物積載し出発しようではないか!・・・とまぁ、気分上々の滑り出しだったのです。走り出して500mまでは。


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 即パンクするとは・・・


 しかも通常の異物や尖った物を踏んづけてのパンクではなく、タイヤのビート部分が強度限界で敗れたことによるパンクである。これの何が問題かって、タイヤの方に穴が開いておりその部分が原因でパンクするためいくらチューブを修理しても意味がないという点。


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 なのでこのようにタイヤの穴自体を針や糸で塞ぐ


 今までもこのパターンでタイヤがダメになったことは多かったのであり、この方式の応急処置だと良くて300km、運が悪いと2~30kmも走れば糸が敗れてしまい再びパンクすることになる。


 この先で確実に自転車専門の店があるであろう町は約300km彼方であり、つまりはピニェイロの町で新しいタイヤを見つけないと道中で走行不能になってしまう可能性が非常に高い。


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 というワケで自転車ショップに


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 両輪ともマラソンプラスでないタイヤを履くのは今回が初


 これでようやくピニェイロの町を脱出できると思うとホッとする。何気に時刻は11時前とかなのであり、このままズルズルこの町にもう1泊という状況は私だって避けたいし。


 たかがタイヤ交換にこれほど時間を要してしまうのは、別に私がダラけてるとか作業が遅すぎるとかではなくて、


 パンクする→パンク修理→タイヤを糸で縫い合わせる→一旦宿に戻ってネットで自転車店を検索→向かったショップが修理専門店でタイヤ売ってない→そのお店からネットに載ってない別の店を教えてもらう→人に尋ねながらショップ到着→タイヤ交換


 ・・・という一連の流れを経ているからだ。土地勘もないし言葉も通じない異国でトラブルが発生するということは、解決までにとにかく時間を要する場合が多い。


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 長い町からの脱出だった


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 しかし周囲は湿地帯


 走行している道はちゃんと周囲より一段高い場所で、きっちりアスファルトが敷かれているから問題ないけどさ。この道もここにアスファルトが敷かれる以前は雨季になると陸の孤島みたいな土地だったのではないかと思われる。というかブラジルはそんな土地が多すぎだよね。


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 特にアマゾン地域


 タイヤを交換して後顧の憂いが無くなったと思っていたのに、15kmも走っていると何かがオカシイことに気づく。正確にはこの付近で急に後輪がガタつき始めたのであり、ちょっと待て何で丸1日休んでた昨日じゃなくて今日になってから問題続出するんだよ!


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 走ってないからだ


 今更ピニェイロの町へと戻るには距離走ってしまったし、とにかく次のサンタ エレナに到着してから考えよう!とそのまま先へ進むことにした。


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 この地域はある程度の規模ある町の手前は並木道になってる模様


 やはりピニェイロより小規模な町は、バイクの修理店は多々見かけるものの自転車専門のお店は姿を見せない。それでも人に尋ねて回り、何とか小さな自転車も扱うバイク修理店を見つけることができた。


 そんなお店なので工具も揃っていないし店員の腕も悪くて、外れない部品を万力で無理矢理外そうとしたりするので止めに入っておおわらわ。後半から若いニィちゃんじゃなくてオッちゃんが出てきたのだが、この人は作業信頼できる腕だったので助かった。


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 内部のベアリングが潰れてた


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 むしろこの状態でよく走れてたな


 ベアリングを交換し、グリス塗って処理したらバッチリ調子良くなった。一時はどうなることかと思ったけど、とにかく無事に走行続けられそうで良かったよ。


 ちなみに時刻は15時半、お昼も食べてないというのにこの時間か。やっぱり見知らぬ土地でのトラブルは解決までに時間がかかるものなのです。半分くらい店員の暴挙を止めて説明してた時間だが。


 自転車店から先へは進まずUターンし町中の宿へ。ここからイケイケで先へ進むほど私はやる気にあふれていないというか、修理終えた時点で雨が降ってて状況的にも進めなかった。


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 どんだけ放置してんだあの車?


 体力よりも精神的に疲れた日というのは何だかな。自転車旅行でも稀にこういう日がある。


 2019年4月15日(月) 走行距離51km 累計91479km

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 ブラジル52日目 ピニェイロの町


 朝から雨降ってたのでどうすることもできずの日。実はサンルイスからベレンへの道中で200kmほど寄り道すればトメ アスというブラジル北部における日本人入植地として最大規模の町があり、そこで話を聞いてみたいと思っていたのだが。


 ここに寄り道するとなると日数的にはギリギリだったため、途中で1日でも停滞したら止めとこうという目論見でいた私。2日目にしてもう諦めることになるとは思わなんだ。


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 バスで向かうという選択肢はない


 この宿泊施設はHotelではなくPousadasであり、日本語的には民宿という形態が近いと思う。これの何が違うかって、宿の従業員がここで生活している家族であるという点が違う。


 ちなみにこの宿は昨日私が安宿探してバスターミナル付近を探している際、オーナーのオッちゃんが私を見かけて声かけてきたことがキッカケで決めた場所。親切な人で宿泊料金も割り引いてくれたし色々と私のことを気にかけてくれ非常に居心地が良い。


 日曜日ということもあり皆のんびりくつろいでる感じで、私もロビーのソファで家族の人たちと話をしたりする緩やかな時間が流れる。ポルトガル語なので本当に最低限のことしか意思疎通できないのだけど、それでもこの人たちが私のことを歓迎してくれてるのはよくわかる。


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 午後になって雨止んだので散歩


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 といってもお店あらかた閉鎖中だし誰もいないし


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 割と早めに宿戻ったな


 何故だか蚊が少ない宿だったので、部屋の窓全開にして寝ていたらしっかり刺されていたようで痛痒さで目を覚ました。この地域の蚊は大小2種類の奴がいて、大きいタイプは動きも鈍くてすぐ潰せるんだけど小さい蚊はすぐ見失ってしまい手強い種類。


 しかも刺されると痛みも伴う痒さであり、傾向としてはニュージーランドやコロンビアで悩まされたサンドフライに近いと思う。


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 特に何するでもなく夕食


 1日ダラけていようとビールは飲む私だが、肝心のアルコール販売してるようなお店が軒並みシャッター下ろしており飲み物1つも買えない始末。


 走っても補給できる場所がなくて大変な日曜日だが、走らないとそれはそれで面倒というか困り者だと思うってしまうなブラジルの週末は。


 日本みたいに24時間365日営業してるコンビニをそこら中に配置しろなんて思わないけどさ、せめて町中で1~2件くらいは営業してるスーパーとかあっても罰は当たらないと思うんだ。大都市や観光地でない町に日曜滞在している旅行者が困窮しないためにもさ。


 2019年4月14日(日) 走行距離0km 累計91428km

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 ブラジル51日目 サンルイスの町~サンルイスから西に約90km ピニェイロの町


 ブラジルでの起床時間はせいぜい7時とかそんな程度。野宿スタイルとしては遅すぎるが、宿泊では割とこのくらいの時刻から活動開始することが多い茶壺さん。


 しかし本日5時45分に目を覚まし颯爽と朝食作り始めるとか、どうしたよ?・・・というのもサンルイスという町は半島の先端にある島に作られた町なのだが、これは町を抜けるにおいて半島側まで同じ道を逆走しなければならないことを意味している。


 しかし宿から10km少々移動した場所にあるフェリーを利用することでショートカットが可能であり、ちょいと10kmばかりの船旅を堪能すべく、8時出航する船に合わせて出発した次第である。


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 街の郊外まで移動して


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 これがそのフェリーですか!


 驚いたのがこのフェリー、自転車は料金無料であること。最初チケット売り場で並んでいたのだが、私に対して「良いから先いけ」みたいな対応されて訝しく思うというか「どこで料金支払うのだ・・・?」とか思っていたらそのまま乗船してしまったというね。


 余談だけどサンルイスを有するこのマラニョン州ってブラジルの全27州で国民所得が最下位だったりしてさ、ということは必然的に州の財政も最下位か下から数えて直ぐのポジションにあることが予想されるワケでして。


 それを証明するかのように、マラニョン州の道路は明らかに整備状況が悪く整っていなかったり州都であるサンルイスの町も補修がなされていない歴史的建造物が多々見受けられた。


 にもかかわらず船代を徴収しないとか大盤振る舞いしてるとは。いやまぁ私個人としては有難いから文句ないのだけどさ。アレか?車両のフェリー料金無茶苦茶高額設定してるから、チンケな自転車から取る必要ないということか。


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 あんま考えなくても良いことか


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 約1時間半で到着


 海を渡って一気に景色が変わったというべきか、ジャングルちっくな雰囲気が戻ってきた印象を受ける道に。ついでに連続するアップダウンまで戻ってきてしまい、いいからオマエはあっちいけ。


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 疲れるじゃないか


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 ブラジルは南米比較で馬とヤギが多いと思う


 メイン道路に入るとアップダウンも落ち着いて快適な走行が戻ってくる。この調子で走りたいのは山々だが、進行方向には雨雲が見えるんだよねー


 これ以上先に進むと雨降ってる場所に入ってしまう!と出てきたレストランにて昼食休憩。ここで飯食ってる間に雲が離れていってしまうのを待つという作戦は、離れるどころか近づいてきた雲によって大雨という結果で幕を閉じる。


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 うまくいかねーなぁ


 むしろ雨を事前に回避できたと思えば「上手くいってる」と評することもできようが、どっちにしても先へ進めず停滞してるのは間違いない事実。それでも割と短時間で雨は止み、走行再開して1時間。まさか再び雨宿りしてるなんて思いもしなかった。


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 多分マンジョカ(ブラジルの基本食)を作ってる


 雨ストップで遅くはなったが、今日はそもそもの出発時刻が早かったので差し引き0くらいのイメージか。方向転換して西へ西へと進んでるので、放っとけば日没時間も長くなるワケだし焦らず走ってもピニェイロの町には明るいうちに到着することができた。


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 町へ入る手前のこの道は素晴らしかったな


 宿に投宿した後でビールを求めて町中散策するのが私の努め。土曜日の午後ともなると日曜フライングで早くもシャッター閉めてる商店が続出するブラジルだが、こういうの鼻が効くというのか目ざとくスーパーを見つけて買い物済ませる辺りは私も成長したな!とか思う。スーパー発見する力が成長してもなぁ。


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 旅行中しか役に立たなそう


 2019年4月13日(土) 走行距離92km 累計91428km

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