自転車ときどき世界1周

2020年08月

 ウガンダ14〜97日目 カンパラの町〜日本

 続き。そんな感じでウガンダでの生活は序盤の混乱期を抜けて以来、少なくとも日本よりは落ち着いて推移しているよう私の目には映っていた。

 ホステル内における人の食材を勝手に使った(名前書いてたのに!)とか8時間停電が続いた・・・みたいな小さな問題はままあれど、治安も良い地区だったし外国人向けのホステルでオーナーもアメリカ人という環境は私みたいな立場の人間にとって安心材料の1つにもなった。

 最初の2週間くらいで大使館から日本へと向かう臨時便のメールが2度ほど来たのだけど、これが通常時の約4倍という価格設定になっておりとてもじゃないが利用できないと見送った。この時期にウガンダに居る在留邦人300人強のうち200人くらいは日本へ帰国したらしい。

 ちなみに観光ビザの旅行目的でウガンダに入国した日本人は、大使館が把握してた人に限るが5月の時点で私含めて残り2人だったとのこと。

 6月の頭にオーナー夫婦が宿は現地マネージャーに任せて母国へ一時帰国。この頃には大型車両の移動規制も解除されて一見するとコロナの影響は感じないほどにカンパラの町にも活気が戻ってきていた。

 このタイミングで大使館から再び日本への臨時便フライトの報。多少料金下がったとはいえ非常に高額な料金で利用する気にはなれなかったのだが、日本の両親にこの件を話したら「とにかく死ぬ前に帰ってこい」と無茶苦茶な要請が。

 この点に関してはアフリカ缶詰生活始まってから色々話していたけども、向こうの価値観が「アフリカは危険である」という絶対不変の基準に根付いているため「コロナの感染者数は少ない」とか「もう少し航空券の値段が下がったら帰る」等々、何を言っても「いいから帰ってきて」と言われる始末。泣く子と母にゃ勝てん。

 ということで日本へ帰国する準備をば。大使館はフライトがある旨を伝えるだけなのでチケットの購入手続き諸々は自分で行わなければならないのだが、私の進捗状況を自分にも伝えるように指示されていた。

 そこでチケット会社とのやり取りをメール転送して送っていたのだが、この大使館職員がクセある人で突然横から「今日の12時までに振り込みしないと間に合いません」とか言い始める。

 フライト情報が金曜に来て搭乗を決め、土日の会社が営業してない関係で月曜の朝から旅行会社とやり取りしてた上、ウガンダのネット振り込みはエラーが頻発していてマトモに機能しておらず。直接しないの旅行会社に行くのは時間的に不可能なのであった。

 んで一度は諦めてたのだが、旅行会社から
 「あなたの来店を待ってるよ、早く来て」と続報が。
 「大使館の職員がお昼になったら時間切れだと言ってきたけど?」
 「そんなことはない、普通に処理するよ」

 ということで走行距離11kmはここで走ってます。余談だけどこの宿は日本へ帰国する人が数日間だけ宿泊してたのだけど、その際この大使館職員がとにかく口と態度が悪いと噂を聞いて、今回私もそれを実感した。自転車積載の別件で質問したら「あなたは嘘つきだ!」とかワケ分からん非難されたし。

 ともあれ前日に宿のスタッフが手伝ってくれて、近くのお店で大きめの段ボールをもらい切り貼りして自転車の梱包を済ます。今回はネットで申し込みとかしてないので荷物が23Kg×2と最初から規定されており、限界まで荷物断捨離してまとめたのだけど当然のように超過重量になってしもうた。

 んでフライト当日。もう1人の親切な大使館職員に車で飛行場まで送ってもらい、フライト4時間前には飛行場到着。建物に入るためには搭乗券と体温チェックが必要らしく、本日2本の臨時便があるその乗客全員が飛行場前に長蛇の列。

DSCN1387
 ここで3時間近く並ぶ

DSCN1388
 飛行場内の設備は全てクローズしてたのでパッキングしといて正解だった

 案の定荷物は超過重量だったけど、自転車の預け荷物料と合わせて追加料金を支払ったら免除され一安心。チェックインの時点でフライト予定時刻30分前とかだったけど、そこから搭乗ロビーで実に11時間待たされることになるとは思わなんだ。

DSCN1389
 乗り換え飛行場の1枚

 エチオピアのボレ国際空港から成田へ直行予定だったけど、何故か韓国を経由して翌日23時に無事成田へ到着する。エチオピアから韓国は30人、韓国から成田は10人程度の利用客で節約のためなのか機内の電源は落とされており真っ暗の中で20時間。大体寝てた。

 成田空港ではPCR検査対象国から外れていたため検査は実施されず即解放。でも公共交通機関の利用はダメとのことで、朝までベンチで休んだ後に自転車走らせ隔離先の宿へ投宿。2週間の禊を終えて現在私は日本です。

 2020年3月26日〜6月16日 走行距離11Km 累計112152km
    mixiチェック

 ウガンダ14〜97日目 カンパラの町

 飲みまくってダウンするでもない限りは紙もブログも当日に日記書いてしまう私だが、ブログに関してロックダウンの最中は全く書いてこなかった。食材買い出しに出る以外はほとんど外出すらしない(できない)日々だったので、さもありなん。

 一応日本語におけるウガンダのコロナ禍がどういう状況だったのか?・・・という記録を残しておけば、将来地域別にコロナ禍で現地の雰囲気や状況を知る一助になるやも知れないし。そんなの知ったことではないけれど。

 ということでアフリカはウガンダの首都、カンパラにおける外国人向けホステルで長期滞在していた旅行者から見るこの国の様子だが、少なくとも日本と比較してウガンダは政府の対応が迅速かつ強烈であったとは思っている。


 実施された処置として私が把握しているものだけで「大型乗合車両(バス)の運行禁止」「夜間帯(19時〜翌6時)の外出禁止」「食料品店・薬局以外、物品販売の営業禁止(路上含む)」辺りがある。ちなみにハイエースタイプのバンならば人数制限且つ短距離の便ならば運行可。

 隣国ケニアなんかは都市間の移動も禁止されていたらしいが、一応それは無かったな。ウガンダでは一部の裕福層しか車両を保有しておらず、国民の大多数はバスでの利用を主としているため交通機関が制限されてしまえばそもそも移動できないから・・・という理由を聞いた。

 それに加えて3〜4月くらいは中国から発生したウイルスということによるアジア人へのヘイトがあった関係で、無用なトラブルを避けるためにも宿の敷地内で生活を続けていた私。

 日本人的には3月21日に日本人女性が現地人から「コロナ、コロナ」と言われた上に殴られたという具体的なトラブル例を聞いたというのもあって、先行きの見えない混乱状態だったことを実感していた、と思う。

 大使館からも「セキュリティのしっかりした場所に滞在して下さい」と言われたし、そもそもこの時期は宿の予約サイトでカンパラの低予算系宿泊施設がほとんど受付不可になってて宿を選べるような状況ではなかった。

 狂乱という言葉が似合うカンパラの道路にほとんど車両の姿が見えず静まり返っている町の風景は、日本帰国後に緊急事態宣言中に迎えたGWの光景と近しいものがあったのだろうと想像する。

「こんな日中から誰もいない景色、初めて見た」

 国内では品薄からの転売騒動で一悶着あったマスクだが、アフリカにおいてはマスクを着用してる人は一部に止まっていたのが現状で、5月に入り政府から「建物内ではマスクの着用を義務(無いと入場禁止)とする」という御達しが出るまでは私の感覚で着用率1〜2割だったかと。

 ウガンダでは日本大使館がこの事態に憂慮して、国会におけるブリーフィング内容を1〜2日に1度のペースでメール配信してくれていた。原文そのままなので和訳しなくちゃいけないし、旅行者的には関係ない予算関係とかの内容も多かったけどウガンダ政府の方針がある程度分かったとは思っている。

 その政府情報がどこまで信用できるのかはまた別問題として、私がフライト直前のウガンダコロナ感染者総数は700人程度だし死亡者数はほぼ0だったと記憶している。余談だが南ア共和国とエジプトの2カ国以外、アフリカでのコロナの感染者数は全体的に少ないのだが、そのアフリカ内でもかなり優秀な数字だった筈。

 もっともウガンダでは検査キットの配布数が微々たるもので、検査の実施例も他国からの流通関係者に限定されていたように感じられる。実際コロナの発症例者で発表されてたのはトラックドライバーが9割超だったし。

 数字上は良好であるものの、陽性の患者には入国拒否したり無理矢理国外に放り出して国内における感染者数を減らしてるという話を聞いたりも。まぁウガンダの国内におけるコロナ患者を入院させて対応ができる病床数が20そこそこらしく、手に負えないという側面もあったのだろうが。

 ともかく年間に数千単位でマラリアの死亡者が出るウガンダとしては、コロナにおける脅威はむしろ経済面での方向にあったのではと想像できる。ブリーフィング内容でもヨーロッパからのコロナ関連援助金でどうこうという報告がやたら多かった。

 長くなったので次回に続く

 2020年3月26日〜6月16日 走行距離11Km 累計112152km
    mixiチェック

 海外を長期旅行していると、よく聞かれる質問の1つに「寂しくないんですか?」というものがある。私はこの手の質問に対していつも「特に寂しくないですよ」みたいな回答しているのだが、これは別に「1人が大好き!」とか「人が苦手なモノでして・・・」というわけではない。むしろ私は寂しがりだ。

 最も私は積極的にグループとかに入り込むタイプではないし、見知らぬ人にどんどん声かけていくのは苦手だ。旅行してるとそんな生っちょろいこと言ってらんないというのもあって、この点に関してはだいぶ改善されたと思っているが、そもそも社交的なタイプではないのです茶壺さん。

 そもそも「寂しい」という気持ちはどういった状況で起きるのか?という話であって。例えばほとんど人が住んでいないような土地を走り続け数日間ほど人の姿を見ていない・・・といった状況はままあった。でもそういった時に浮かんでくる気持ちというか感覚は、むしろ高揚感だったりするんだよね。言葉にするなら「楽しい」とか「ワクワクする」という感じか。

 むしろ私が寂しさや孤独感を感じる時ってのは、周囲に人は沢山いるけど誰も私のことを気にすらしていない時なんだけど。完全に1人ってのはむしろ孤高である・・・ってのは新田次郎の本だったかな?

 というか探検家でもない旅行者じゃ、一般的な道を走ってる限り誰にも会わない期間なんて3日が限界だ。基本的に人の少ない過疎地域であるほど自転車旅行者は声をかけられる頻度が増える傾向にあるし、そもそも食材の搬送量限界で自転車なら2週間が精一杯。

 これがね「日本語が話せなくて辛くない?」みたいな話だったらまぁそうですね・・・ってなるのだけど。どうしたって現地人とでは意思疎通が上手くやり取りできないし、いちいち頭で考えながら会話するのは疲れるしストレスも溜まる。単純に日本語で話したい(活字が読みたい)って欲求も溜まる。

 だから単純に「寂しくないか?」と問われたならば、そんなことは無いのですよ。少なくとも人が旅行続けていけるレベルの土地で「ずっと1人で寂しい」なんてことはない。

 そして自分に共感してくれる人がいるの?という意味では、自転車旅行ならそうした寂しさを感じることはまずない。治安だ貧困だとなんのかんの言われるけれど、この世界は人力で旅行を続けるという行為してる人に対して理解があるし優しい。

 なので海外旅行に興味あって寂しがり屋な人ほど自転車旅行オススメだと私は言いたい。というか「いやいや1人が好きなんだよ誰も声かけてくんな」というタイプは自転車旅行大変ですよ?南米とか1日10回じゃ足りないくらい話しかけられる土地なので。

 そりゃまぁ一期一回の人とその後も継続して関係を持っていく人とでは、声かけることのハードルや対応の気軽さも違うの分かるけど。質問の枕詞に「日本人同士でいないと〜」という意味ならば、馴れ合いと寂寥感とは別物であると回答するかな。

 ちなみにこの文章書いてて思ったのだが、旅行してて「寂しくない?」って聞いてきたのが思い出せる限り100%日本人なんだよね。外国人がした似たようなニュアンスの質問って「家族が寂しがってない?」みたいなの多くて単独で人力旅行することのイメージが大分違う。
    mixiチェック

 言語については以前にもコラムで歌ったことがあるのだが、英語の強さを実感したのはむしろ文章における浸透度合いであったと思う。

 英語が公用語となってる国でも他に公用語で独自の言語が使われている国ってのは案外多く、特に後進国と呼ばれる国では原住民が古くから使っている言葉の方が幅を利かせているパターンも多かったように思う。自転車の場合は観光地でない田舎を走る機会が増えるので、特にその傾向が顕著になるし。

 しかしそうした後進国であればあるほど英語、中南米においてはスペイン語の存在感が強くなり、現地語というのはその存在感というか活用度合いが減ってしまうという側面がある。

 これはそうした国においての公文書や書類といったモノが英語(スペイン語)書式が主で、他の公用語がマイノリティだったり下手すりゃ受付していないという点がありまして。

 よく後進国での教育水準の低さで国民の識字率が挙げられたりしてるけど、家で使う言語と学校で習う言語が別だったりする環境だったりとかする背景は全く考慮されてないとは思うのだ。今の日本教育がどうなってるか知らんけど、私が小学生の頃(今も)なんて英語サッパリ分からなかったぞ。

 そういう多言語が入り混じる難しさに加え、彼らが大学で勉強を受けようとする場合、その授業内容が外国語(英語)での講義になるのですよ。テキストもレポート提出も当然外国語。日本とはまた環境が色々違うから単純比較に意味は薄いのだけど、それは相当語学力に秀でてないと厳しいということは分かる。

 私は書店が好きなので海外でも本屋さん見つけるととりあえず物色するのだけど、マイナー言語の本ってのは本当に出版品数が少なくて、つまり後進国で現地語を話し育った人は教養を身に付けたいと思っても「英語の取得」というスキルが大前提にあることになる。

 日本にいると本にしても映画にしても日本語に翻訳されて自国語で楽しむことが当たり前にできるけど、これは他国に日本語を公用語とする国がない1カ国のみの独自言語使用国では非常に珍しいといえる。新宿の紀伊国屋でも行かないと書店で他言語の本コーナーってまず見ないでしょ?

 何が凄いって国民の多くが他言語をほぼ話せないってのが凄い。日本語一本で専門的に突っ込んだ情報でもない限りは大抵のことを取得できる環境ってのは本当にありがたいものなのだということを実感してますここ最近。むしろ外国人にとって日本は「英語の通用度低くて先進国にしては旅行しづらい国」ではないかと邪推しそうになる。

 言い換えると、海外にいると英語圏の人ってのは良いよなぁと思わずにはいられない。どの国行ってもイミグレーション用紙に英語版があるし、ホステル行けば他の旅行者が残したペーパーバックとかの英語本が大量に積まれている。

 それを見る都度「コイツら本が読みたいけど読める本がない」って感覚を経験したことないんだろうなぁ・・・と暗鬱な気持ちになるというか、有り体に羨ましいぞチクショウ!ってなるのですよ、英語ができない茶壺さんとしては。


 ちなみに単に旅行するだけってなら言語なんてどうにでもなるってのが私の意見です。使えるとより便利で旅行が楽しくなるって存在だと思ってるけど、下手でも出来なくてもどうにかなるという程度。

 ただ国によっては他言語を取得しないとどうにもならないって立場の人もいる。仮に私がそうだったなら、死ぬ気で英語を覚えようとしただろうか?
    mixiチェック

 日本に戻ってから隔離してた2週間を除き、そろそろ1ヶ月が過ぎようとしてる。私はその巧拙はともかくとして文章を書くという行為が好きだし、今までのパターンからしてなんのかんのブログは定期的に更新するではないかと思っていたのだ。

 もっと言えば何人かの近しい旅行者が日本に一時帰国をした途端、めっきりブログが書かれなくなってて「まぁ私はこうはならないね!」くらいの傲慢さというか自尊心を持っていたのだ。犬の餌にもなりそうにないプライドならぬホコリだな。

 そんな感じでこの1ヶ月

 いやもうね、日本という国の娯楽の多様性よ。こんな状況下なので久しぶりに会った友人と呑みに行くとかそういうこと一切してないにも関わらず、ブログに割ける時間が全然捻出できやしない。

 大袈裟な表現とかじゃなくて割と本気で睡眠時間削ってるレベルというか、少なくともウガンダで缶詰生活送ってた時より3〜4時間くらいは減っている。その捻出した時間で何やってるのかと言えば、小説・漫画・映画・ゲームと娯楽作品を貪り遊んでる時間がほとんどなのだけど。

 去年に一時帰国があったとはいえ日本を離れて5年半くらい経っているので。そらもう中古書店の100円コーナーでいっくらでも未読の本やれ漫画がラインナップされているのですよ。帰国してこれほど嬉しいと感じた瞬間は他にないね。

 私は活字中毒なんて言える程の本読みではないけれど、それでも長期間日本語の文章を読まないとそれなり程度にゃストレスを感じるくらいは本が好きだ。昨今では青空文庫とかでネットからでもちゃんとした本読めるワケだけど、まぁそれと「自分が読みたい本」ってのは違うからさ。

 映画にしたって私の英語力じゃ字幕なし英語音声で観れる作品は単純明快アクション映画1本になってしまうし、それすらちゃんとストーリー追えているのか分かりゃしない。こんなこと言ってるけどマッドマックスの新作は普通に日本で観たけども。感想?マッドマックスでした。


 ともあれ必須タスクを処理する以外、極力外出してない生活は変わってないのにこの有様。でもまぁ色んな創作物に触れてるとそれに影響されて自分の中に書き残しておきたい欲求も出てくるものでして。有り体に言えば私のコラムなんてのは大抵元ネタとなる作品がある。

 そんなワケで放置してるのも寂しいし、ブログも定期的に何か書いていきたいと思います。思ってるだけかもしれないけど。 

 ちなみに1月弱で読んだ小説17冊、映画は以外と少ない7本、漫画はもうワカンネという感じ。でも1番ヤバいのはゲームだったりして、プレイ総時間が120時間とか表示されてるんだけど。

 遊んでばかりじゃなくて仕事探しましょう。
    mixiチェック

↑このページのトップヘ