自転車ときどき世界1周

2021年07月

 場所:ルーマニアの北西部に位置するトゥルダの町外れに位置している。サリーナという単語がルーマニア語で「塩鉱山」という意味なので、名前が「トゥルダ町の塩鉱山」とそのまま場所を示す施設でもある。
 町の中心部からだと入口が急斜度の丘を登って下った先にあるため、フルパッキン自転車だと辿り着くまで割と大変。ルーマニア第2の都市であるクルジュ=ナポカから距離が近い(約35km)ので、ここから日帰りも可能だと思う。
 
入場料:純粋な入場料で50レウ(約1300円)となかなか強気なお値段。内部のスパとか水泳プールだとか他の施設を利用する場合はそれぞれ料金が必要だし、遊園地の乗り物やアトラクションにも別個に利用料金が掛かる。まぁ遊園地のシステムってのはそういうモノだよね。
 

 鉱山で使われてた地下洞窟をそのまま遊技場に転用したというロマン溢れるルーマニアの遊園地。その深度は120mにも及ぶとのことであり、洞窟内の様子を見てるだけでも十分楽しめる。遊園地の他にもウイルスの少ない清涼な空気である環境を利用した治療施設や、鉱山時代の様子を展示して博物館な要素も付随されている。
 地下という閉塞的な空間にこれでもか!と煌びやかなアトラクションの数々が立ち並ぶ姿は他でなかなかお目にかかれない光景であり、私はここに滞在してる間ワクワクでずっと頰が緩みっぱなしだった。
 内部は割と気温が低いので訪れるなら上着を1枚持って行くのがオススメ。あと暗いので写真撮影はブレないよう三脚の類を持参すると良い。私は持ち込まなかったこともあり結構ブレてる写真が多い。

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 現在お仕事の関係で離島における生活が続いてるのだが、人口1000程度しかない隔絶された土地というのは必然的に未知の楽しみが乏しい。山も登った海も泳いだ、島内の道も全て歩き回ってしまった私の休日はYou Tubeで世界各国の歴史や近代史等を見る事が多い最近である。

 しかしながら様々な異国の情報を改めてみるとコレが実に面白い上に私が訪れたことのない国であっても内容がスンナリ頭に入る(気がする)。興味の有無が学習効率に大きく影響を及ぼすであろうことは想像に難くないが、多分それだけじゃない。

 これは思うに、現地で暮らす人と出会っているからなのだ。

 基本的に歴史というのは一般人にフォーカスを当てない。彼等への描写というのは大抵の場合、侵略やれ為政者が変わったことによりどれだけの人が亡くなった・・・ということに収まりがちだ。そうした一般人の中から才覚を発揮し歴史の表舞台に出てくる偉人がいるのは確かだが、それは所謂「普通の人」ではないだろう。

 だが旅行者が出会うのは一般人だ。そこには私たちと同じく日々の生活があって仕事をしたり、冗談を言ったり納得いかないことに腹を立てる人もいれば、酒飲んではくだを巻いてる人もいる。そんな私と似てるところもあれば、全然違うところもあるけれど、なんだかんだ一生懸命に生きてる人たちだ。

 戦争の原因がどうだとか、そこにはCIAが裏で絡んでいるだとか、その地域を牛耳ってるボスがいるといったジャーナリズム的な情報を知って、確かにそれは重要なことだと思うが何というか納まりが悪い。しかしその土地に住む普通の人たちが想像できると、この話が一気に色付く。

 それは当事者の姿が分かるからだ。画面の向こう側にある隔絶された異界ではなく、同じ世界に住んで私と同じように生きている普通の人たちが影響を受ける話なのだというのが実感できる。

 例えばコロナのニュースで日本国内のことは実感として感じるし、政府の対応に色々思うところある人も多かろう。でも「イスラエルはコロナワクチンの摂取率が非常に高い」と聞いて何か思うところがあるだろうか?

 この国の歴史を知ってる人なら「イスラエルはお金持ちのユダヤ人が多いから金銭的なやりとりがあったのだろう」とかそういうことを思うのかもしれない。そしてイスラエルを自転車で走った私の場合、最初に考えるのはアラブ系の人たちだ。

 同国には結構な比率でアラブ系の人が住んでいて、パレスチナ地区もそうだが彼等にも無事ワクチンが行き渡ったのか?というのが茶壺さん割と気になるのですが。そしてこれは彼の地で親切にしてくれた人の顔が思い浮かぶからこその気持ちだと思う。国の名前が出た時に、そこに住んでる人との思い出が思い浮かぶからこその。

 ニュースや歴史というのは「木を見て森を見ず」では駄目なのだろう。不特定多数の人に情報を伝えるならば全体を写した情報を伝えるべきなのだろうが、これは悪くとれば「森を見て木を見ず」といった内容だと言えなくもない。現地の人との邂逅や実体験を繰り返す旅行とは良し悪しではなく方向性が違う。

 ただこれは車の両輪みたいなモノだと思うのだ。国という存在が人あってのモノである以上、そこに住む国民を知らずして国は語れないし、逆に国民と会っただけで国を知ったとも言えない。

 ただ何かのきっかけで興味を持てば、自ずと反対側の車輪にも目が向きやすくなる。そこに住む人たちが好きであれば、バックグラウンドである国や歴史といった事柄も知ってみたくなる。

 私はそうして「旅行した」という事実だけでなく、旅行から様々なことに興味が広がればこれほど嬉しいことはないと思っている。さすれば自転車旅行を再開する時に、今度はもっと訪れた国を深く知ることができるに違いない。気持ちよく全て忘れていたとしても、それはまぁご愛嬌だ。
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