自転車ときどき世界1周

2022年08月

 フランス9日目 森林〜パリから東北東に153km地点 エーヌ川沿い

 深夜4時にやたら荒い息遣いで目を覚ましたのだが、こんな森の中に光源も持たず入ってくるのはどう考えても動物。何が出たのかとライトで周囲を照らしてみたら子連れの猪が2組もいた。いや結構ドッキリ体験だと思う。

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 食材の匂いに釣られたか?

 ヨーロッパには危険な肉食動物はいない・・・と言われたし、私もそう認識してるけどさ。奴らはある意味悪意を持った人間より怖い。何しろ話が通じない輩なのだから。

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 そんなことを思いつつ出発

 そして最初に見つけたスーパーの軒下でチェーンの交換作業に入る。今まではチェーンの耐久ギリギリまで使い込んでから交換としていたのだが、自転車ショップの人曰く「それより2〜3000kmの範囲で交換する方がスプロケットの消耗を抑えられるので結果的に効率が良い」と言われたから。

 暫くはヨーロッパでギア入手するのも無理がないし、なるべく今後はこの方針に沿って早いタイミングでの交換を目指したいと思います。

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 よしバッチリ!

 こころなしかペダルも少し軽くなったように感じるフランスの道。昨日の国境から続く緩やかな丘陵地帯に伸びる道は、オランダ・ベルギーで平坦走行ばかりしていた私の坂道リハビリに丁度良いレベル。

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 でも未舗装路はいらない

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 青空とアスファルトがいるのだよ

 前回の入国でもう私はフランスという国が思いっきり田舎国というか、首都と一部の観光地を除いて基本農地が広がる人口過疎地区が続く国だとインプットされてる。その認識は間違ってないようで、走って丘を越えると見えてくるのは次の丘・・・この繰り返しだ。

 天気が良くて気温も適切な快走路だから楽しく走れるけれど、これ雨でも降ってたら泣きたくなるタイプの道だったかもしれない。

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 遮るような物がないので

 何度も道路標識見てるうちに覚えてしまったD985という道路を走り続けルテルの町へ。ようやく規模の大きな町に到着できたけど、マックで一瞬Wi-Fi接続したくらいでそれ以外やるのはスーパーにてお買い物。

 むしろ今までフランスとスイス以外のヨーロッパではスーパーでFreeWi-Fi使えたから余計なこと考えなくても良かったのだ。しかしフランスはネット関連のサービス悪い国で、ちょっと探し回ったり工夫する必要がある。

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 いやsimカード買えよ・・・って話なんだけどね

 ルテルから先も南下する形で進もうと考えていたが、ちょうどこの町と交差しているエーヌ川にサイクリングロードがあるっぽいため、そちらに進路を変更する。どっちにしてもパリに辿り着けそうなので問題なし。

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 こういう道の方が楽できるし

 人気がなくて適度に木々が生え揃ってる野宿主体の自転車旅行者が喜びそうな道。ちょっと面白そうな獣道が出てきたので迷うことなく突入し、川沿いの野営地みたいなポイント発見したので今日はここまで。

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 3回も川に飛び込んで遊んでしもうた

 8月も後半だし緯度が下がってきたこともあるのだろうか、21時を前にして早くも空が暗くなり始めた。これからどんどん夜の帳が降りるの早くなっていくのだと思うとちょっと寂しい。

 2022年8月23日(火) 走行距離74km  累計115257km
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 ベルギー9日目&フランス8日目 マース川沿い〜パリから北東に200km地点 森林

 昨夜はワイン丸1本開けたのでフラフラになってしまい、そのままノックアウト状態で迎えた朝。日記にブログに寝る前の柔軟にとやるべきことを放り投げて迎える朝は清々しいよね。

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 なので出発が遅くなる

 昨日に続いてマース川を上っていく形で走る。というか川沿いは切り立った崖となっている地形であるため、他にエスケープルートも少ないし偶に出てきてもガッツリ上り坂なので走りたくない。

 川沿いが1番楽なのよ

 そもそも私が向かっているディナンの町がこの川沿いに位置している場所にあるのだ。とりあえずはその町を通り過ぎてからどういうルート取るのか考えたいと思っている。

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 水面に家や木々が写って良い感じだ

 1時間半ほどでディナンの町へと辿り着く。面白い町だよというのはジャンパの弁だが、なるほど崖の上に要塞がある地形を利用したタイプの建築物がウリである町らしい。

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 古い教会の上にあるのがまた良いのだ

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 ロープウェーに乗って行けるみたい

 ここらの写真撮ったらサクッとディナンの町を抜け、更にマーズ川を遡る。行けるところまで行こうと思っていたのだけど、ちょうどフランスとの国境となるポイントでいきなり自転車道が消失したため方角変えて西へ進むことにする。どうやらベルギーの方が自転車乗りに優しい国だ。

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 どうせ今日中にフランス入国するけど

 川から離れてしまったのでアップダウンを繰り返す丘陵地帯をひた走ることに。ベルギーって最初はオランダと同じく完全平坦路で構成された国だと思ってたけど、全然そんなことなかった。

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 しっかり登りましたよ

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 石かレンガ造りの家ばかりが並ぶ

 ベルギーは使用言語が主にオランダ語とフランス語に2分されるのだが、ブリュッセルを過ぎた辺りから完全にフランス語圏に入ったと思われる。スイスなんかは1つの町でドイツ語使ってると思いきや、隣の町ではフランス語、さらにその先ではまたドイツ語・・・と言った具合に使用言語が混ざり合っていたのだが、ベルギーはここら辺分かりやすい印象だ。

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 というかベルギー語みたいなのあれば良いのに

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 この国は割と自動販売機をよく見かける

 クーヴァンという町で水補給と食材買い込み自転車1番重たくなった状態なのだが、ここから国境までの道が上り坂なんだよね。フランス入って暫く大きな町がないから仕方なくこのポイントで買い物したというのもあるが、ベルギーほとんどお金使ってないので旅行者として多少はこの国にお金落としていくべきかな?・・・みたいな気持ちも少しある。

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 ベルギーラストランだな

 国境の看板は見かけることがないままフランス入国。キリもいいので近場の湖で行水済ませ、そのまま適当にテント張ろうと思ったのだが、良さげなポイントの近くに地元民がいたので少々場所移動。かなり大きな森の中に自転車突っ込み本日終了とした。

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 ちょっと味付け甘くし過ぎた夕食

 今日はアルコールビールのみなので気合入れて日記書いてしまうのであり、しかしそろそろ作業しようと考えてたチェーン交換には手をつけることなく終わる。いいんだよ!明日の私が頑張るからさ。

 2022年8月22日(月) 走行距離88km  累計115183km
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 ベルギー8日目 ブリュッセルの町〜ブリュッセルから南東に63km地点 マース川沿い

 西欧では多くの国で日曜日にスーパーを始めとする小売店が閉まっている。これはその土地で生活する人々にとっては歓迎されることであるかもしれないが、旅行者的には週1で毎回「どう乗り切ろうか?」と考える必要があり困り物。

 しかし今日に限っていえば「すぐ近くに週末開催される大型市場があるよ」とジャンパに教えてもらい、買い出しに出かけることが出来たので大丈夫だ。むしろベルギーの市場を見学できて良い経験ができたと感じる。

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 本当にデカくて何でも売ってる

 一通りの食材を買い込みジャンパ宅へ戻って朝食いただき、お礼いって出発である。わざわざ家族揃って外まで見送りに出てきてくれて嬉しい限りです。

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 お世話になりました

 ブリュッセルの中心部からやや外側をなぞるようにして南下開始。オランダ以降「完璧」と言えるほど平坦な道が続いて楽させてもらってたが、このブリュッセル市内からはいよいよアップダウンが復活し、久しぶりの上り坂を相手することに。

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 割と市内は簡単に抜けられた

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 こういうの久しぶりだ

 途中で日本人の方と出会って軽くおしゃべりしたりしつつ。幹線道路を避けて小さな道を縫うように進むと迷いやすい反面、こうして呼び止めてもらうイベントは増える傾向にある気がする。

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 なかなかの趣味

 畑が広がる丘陵地帯を越えてマース川沿いのナミュールという町へ。ここで水だけ補充するつもりだったのだが、何やら遠目に金色光る物体が。

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 なんだろ?

 ということで登ってみたら黄金の亀だった。上に乗ってる人まで金ピカであり、意外と人も多くて人気のスポットだったのが面白い。

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 何を見てますか?

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 ナミュールの風景

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 下調べしといた水分補給できるポイント

 なおこの手前でまさかの日曜日通常営業してるスーパーが出てきてなんか悔しい。悔しいので腹いせにビールとワイン買ってやった。 

 そのままマース川を南下し出てきた野営ポイントにて本日終了。テント出てから5歩で川に入れる素敵なスポットでございます。川の温度が思ってたより冷たくて驚いたけれど。

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 やっぱ川沿いの道よ 

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 肉は先週頂いたサラミ

 国土小さい国だからもっとスパッとベルギー編終わると思っていたけれど。人様のお家で厄介になる期間が長くてこの国8日目。おかげで私もベルギーという国が大好きになりました。

 2022年8月21日(日) 走行距離93km  累計115095km
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 ベルギー7日目 ブリュッセルの町

 ベルギーのお家は寒い冬に対応するためなのか保温性が非常に高い。反面、夏の暑さには弱いというか、そもそもベルギーの暑さはそこまで厳しくない。

 これが何を意味するかといえば、今の熱波に襲われてる環境だと「無茶苦茶暑くて寝苦しい」のである。窓を開ければ涼しいのだが、今度は蚊の猛攻に悩まされることになる。

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 結構寝不足の朝

 とはいえ「よく眠れたかい?」との質問に「バッチリ!最高だったよ」とか答える程度には私も社交性を持っている。まあ良いや、今日はブリュッセルの町を観光して終わりなのだし。

 チベット文化でミルクティーに塩入れて飲むのだけど、これが予想に反してなかなか美味い。甘い物を食べる朝食だとしょっぱいミルクティーが良い対比になるのだ。

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 そんな感じでブリュッセル観光へ

 ジャンパが「こっから中心街までは近いし自転車より歩きの方が良いよ」とアドバイスしてくれたので、今回は徒歩での観光とする。スリに注意するため荷物も一眼レフは持っていかず最小限だ。

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 あっという間に中央広場

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 かなり好きな感じだ

 ブリュッセルはパリと並んで治安に注意すべき都市と聞かされたのだが、こと中心街のツーリスティックな場所であればそこまで神経尖らせておくほどではない感じ。一眼レフ首からぶら下げてる観光客も複数見かけたし。

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 これが有名な小便小僧でございます

 私はコイツがどうしても見たかった人であり、この小便小僧をもって「シンガポールのマーライオン」「コペンハーゲンの人魚像」「ブリュッセルの小便小僧」と有名な世界3大ガッカリ名所を制覇したことになる。個人的には非常に嬉しい。

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 しかし本当に小さいねキミは

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 ついでに小便少女にも行ってみた

 何処に行っても人の山。無料の市内観光ガイドとかもいて色々案内してるみたいだが、早口の英語ガイドを聞いて回っても疲れるだけだと思うのです私の英語力では。

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 タンタンの冒険はベルギー生まれらしい 

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 なので好き勝手に歩き回る

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 流石に教会はドイツの方が凄かった

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 やっぱベルギーといったらゴディバでしょ

 結構意外だったのが中央通りの商店街に結構日本の漫画・アニメ系のショップがあったこと。フランスで日本のアニメが人気という話は聞くが、ベルギーでも似た感じなのかもしれん。

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 ずっと歩き回って疲れたな

 中心街を離れると地域毎に移民の人が多い区画があるようで、通り1本超えると突然看板の文字がアラビア語だらけになったりする不思議。目に見えてゴミの量が増えたり建物がボロくなったりするので必然的に緊張感も高まる。

 無事ジャンパ宅に戻ったら、疲れと寝不足でそのまま倒れるように昼寝してもうた。起きた後もチベットティー頂きつつベルギー情報聞いたり娘さんと日本の漫画・アニメの話したり。

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 夕食はビーフカレー(インド風)

 YouTubeやってるぜ!みたいな話したのがきっかけで、ちゃんと字幕は英語を入れないと視聴者数伸びないぞ!とお叱り受けた後に、海外旅行系YouTuberの動画色々と見させられちった。

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 オッさんがフルーツ食べてる動画の面白さは私にゃ分かりかねる

 そんな感じで一緒にサッカーの試合見たりと、良い経験させてもらいました。ソナムのお家では彼が忙しくてあんまり話す時間が取れなかったからさ。やっぱり異国の人と色々話すって経験は文化や感覚の違いを感じて面白い。

 2022年8月20日(土) 走行距離0km  累計115002km
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 ベルギー6日目 エスコー川沿い〜ベルギー首都 ブリュッセルの町

 ベルギーのイメージといえばワッフルとチョコレート。あと個人的には西欧諸国でしょっちゅうお世話になってるベルギービールなのだが、ビールはともかくこの国で甘味をまだ1度も口にしていない。これは良くないですよ!

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 無茶苦茶狭いスペースに設営したテント

 さて食べ物はともかくとして私が向かっているアントウェルペンの町はアニメ「フランダースの犬」でネロとパトラッシュが亡くなった大聖堂があるとのこと。折角なので一眼見てみようとはるばるやって来たのです。

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 オランダと同じく川の下を通るトンネルへ

 対岸に出てしまえばそこはもうアントウェルペンの郊外に当たる場所。そのまま自転車レーンに沿って一気に大聖堂向かっても良いのだが、折角だし市内をちょっと回ってみようかと思う。

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 何気にベルギー第2の町らしい

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 王宮とか市庁舎かと思ったら駅舎だってさ

 想像以上に立派で規模の大きな町ではあるが、ブルージュみたいに市内を石畳で敷き詰めたりしてないので自転車で走ってもストレスなく見て回れる。というかブルージュが自転車観光に向いてなすぎる町だったんだな。

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 どんだけ水出してるねん

 フラフラ迷ったりしたが何しろ大聖堂はやたら背の高い建物だ。遠目に尖塔を見つけたら、後はその方角目指して進んでいけば自ずと辿り着けるのであり、僕まだ疲れてないよパトラッシュ。

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 思ったよりデフォルメ強いと思うた

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 ちゃんと日本語の解説がある辺り日本人観光客も多いんだろな

 このまま大聖堂内入ってルーベンスの絵画を見るのが正当だと思うのだが、自転車置いとく場所もないし、人が多すぎて正直盗難が怖いので教会の中には入らず終了である。そもそも私は絵画に疎くてルーベンスの絵を見たことない人。

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 早々にアントウェルペン脱出である

 最初は幹線道路沿い、次に川沿い、最後は細い道も使って直線的に進みながら首都のブリュッセルへ向かう。ベルギーは小さい国だから都市間の距離が短いんだよね。

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 途中のスーパー謎の日本推し

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 はい、ちゃんとワッフル買いました!

 思ってたより甘さ控えめでサクサクして美味しい。これなら何枚でも食べられそうと思う程度には美味い。異国の甘い物でちゃんと美味しい国ってのはヨーロッパ諸国くらいのもので、大概は激甘砂糖塗れでレベルが低いのだ。

 そんな感じでブリュッセルも市内に入り、徐々に家屋もアップダウンも増えて来たと思っていたら、遠目に謎の銀の玉が見え隠れする。いや、本当に「銀の玉」と表現するしかない物体があるんだって。 

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 ほーらどう見ても銀の玉

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 おもろい 

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 調べたらベルギー万博で作られたオブジェらしい

 銀玉にケラケラ笑いつつも目指すはブルージュでお世話になったソナムの友人宅。彼が「この後ブリュッセルに行くなら友人がいるから紹介するよ」と言ってくれたおかげです。人の好意が連鎖して私は旅行を続けている。

 特に迷うことなく無事到着し、どうもよろしくお世話になりますありがとう。ソナムとはチベット繋がりのジャンパさん一家、夕食に有名なモモが出たのがとても嬉しい。

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 なるほど餃子とよく似ている

 呑気にベルギー飲んでたらあっという間に23時前。昨日の反省を踏まえて言えることは、キャンプしようがしまいがこのくらいの時間になるのは避けられないようである。

 2022年8月19日(金) 走行距離68km  累計115002km
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 ベルギー4・5日目 ブルージュの町〜ブリュッセルから北に37km地点 エスコー川沿い

 出発しようと思っていたが、朝起きてみたらガッツリ雨降っていた。ソナムが「この雨じゃ無理だろ。もう1泊していきなよ」と言ってくれたのに甘えて延泊させて貰いましたとさ。


 ということで翌日。計4泊も泊めてもらったソナムさん宅出発である。昨日も仕事から帰ってきたの0時過ぎだったためほとんど話もできず朝を迎えてしまったが、そんな状態でも色々面倒見てくれて本当に嬉しかったです。どうもありがとう。

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 ソナムの出勤タイミングと同時に出発する

 ブルージュの町中は石畳&人混みで走り辛いため、外周部を迂回するようにして東へ抜ける。ベルギーも自転車道がしっかりしており、そこら中に自転車用の行き先示した看板があるため「町の名前を知っていれば」ほぼ迷うことなく辿り着ける親切仕様。

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 私は町の名前を知らないので

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 ときどき迷ったりしつつ進む

 とはいえ幹線道路に沿って進むルートでほとんどカーブもなく直線的に進むため、一度方角を確信してしまえば悩むことなく前進できる。午前中で一気にベルギー第3の都市であるヘントの町まで走ってしまい、なので少々観光して行こうかな。

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 自転車が通った数をカウント中

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 中央部に巨大建築物が固まってて見て回るの楽チン

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 流石に中には入らなかったが

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 なおこの町もオススメされてた町である

 ヘントの町を抜けてからは進路をやや北寄りに修正して進む。このまま素直に首都のブリュッセルへ向かっても良いのだが、せっかくなので北部にあるアントウェルペンの町へ寄り道しようと思ったので。

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 何かの罰ゲームっすか? 

 ベルギーもまたアップダウンの無い国で、道はひたすら直線だし小さな町が現れては抜けていく・・・という繰り返し。少々眠くなってきたので途中に出てきた公園のベンチで横になって一休みしようと思ったらさ。

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 その公園も面白かった

 すぐに地元っ子から声かけられてそのまま談笑となる。フルパッキンの自転車で旅行してるとこういうことはよくあることで、楽しいけれど忙しい。

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 でもベルギーのこと色々教えてくれて面白かった

 なんだかんだ1時間以上話してたので、やや慌てて走行再開。近くのスーパーにて食材買い込みそのまま野営場所を探す・・・という何時ものパターンになるのだが、テント張り終えたのは20時近くになってからだった。かなり苦戦したな。

 ともあれ夕食作りつつビール飲んで。日記書いてブログの文章も終えた時には23時前に。これじゃ明日は早起き出来ないよ。

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 別に早く起きる必要はないけどさ

 8月も後半だし徐々に日照時間も短くなってる筈なんだけどさ。現状ではまだ暗くなるの21時過ぎとかなので、つい油断してしまうのかもしれない。

 2022年8月17日(水) 走行距離  0km  累計114825km
 2022年8月18日(木) 走行距離109km  累計114934km
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 ベルギー2・3日目 ブルージュの町〜ブリュッセルから西北西に約90km ブルージュの町

 お世話になっているチーチェンさんの家を7時起床。荷物の整理中にようやくご主人のソナムさんとお会いすることができて本当に良かった。幾ら連絡取り合ってるとはいえ、かなりドキドキしてたので。

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 その割によく寝てたな 

 レストランのチーフをしているというソナムさんが朝食にと出身であるチベット料理を作ってくれて、これが朝から小麦粉練って、綿棒で引き伸ばして・・・と結構な手間暇かけての料理。やっぱ料理を仕事の生業とする人は一味違う。

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 無茶苦茶美味しかった

 「好きなだけゆっくりしていけば良いよ」と言ってもらえて本当にありがたい話だが、果てさてどうしたものか。とりあえずベルギーの祝日はどこもお店完全クローズすると言われたこともあるし、今日1日はゆっくりさせてもらうことにした。

 ソナムは新居の見学を予約してるため私はお留守番。なお彼がお昼ご飯までササっと作ってくれていたりして、感謝しかないぞ。ついでに言っておくと夕食は彼の友人宅に行ってご馳走してもらった。

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 今日飯の写真しか撮ってねぇ


 翌日。昨日ネット使えるからとこの先の予定を色々と調べてみたのだが、ちょっと事情があってパリへ到着するタイミングを遅らせることとなった。なのでもう1日此方に滞在させて貰い、今日は3日ほど前に壊れてしまったカメラ三脚をゲットしようと思う。

 ソナムが教えてくれた「Media Market(メディアマルケト)」というお店は所謂、総合電化製品店。家電量販店という方が分かりやすいか。

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 日本だとヤマダ電機とかそういうポジションでしょ?

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 あ〜、こういうお店は分かりやすくて安心できるわ

 20ユーロしないで新品ゲット出来たので大満足。ブルージュ市内のワッフル屋が1つ7ユーロで販売していたこと考えると、ワッフル3つで三脚が買えた!と表現できる。安いのか高いのか分からんな。

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 この被写体は流石に気の毒に感じる 

 冷蔵庫にある食材使って好きに夕食作ってくれ!と私に言い残していたソナムは本日友人宅の壁紙剥がしを手伝いに行っているとのこと。適度に気を使ってくれて疲れない距離感を保ってくれる彼の態度は、英語が下手な旅行者にとってありがたい限りだ。

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 ということでオーブン料理やってみたり

 再出発してからオランダのキャンプ場で1日しか休み入れてなかった反動なのか、この2日間はダラけまくり。でもここに来て本当に良かったとしみじみ感じている。

 2022年8月15日(月) 走行距離 0km  累計114812km
 2022年8月16日(火) 走行距離13km  累計114825km
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 2022年8月5日〜8月14日
 走行日数10日間
 累計走行距離706km(114077km〜114783km)

◎道路
 こういうのが自転車に優しい道路の国・・・と言うのだろうな。冗談抜きで「何処を走っても」自転車用に作られたサイクリングロードか道路脇に自転車レーンが設置されており、目的地までのルートをアレコレ考えなくても「ただ道を進む」だけで快適なサイクリングロードに乗れてしまう。
 かなり小さな国土であるオランダだが、サイクリングロードの総距離は6000kmを超えるとされており、面積9倍ある日本よりもその距離は多分遥かに長い。
 しかも国内にアップダウンがほとんど存在しないので、自転車での移動という点に関してはこれ以上楽でストレスの無い国は存在しない!そう断言できるほど整ってる道です。なお車両は右側通行。
 流石にアムステルダムみたいな都市部に行くと信号の数も増えるし、交通量も多くてやや緊張する場面が出てくるが、それでも他国の首都と比べると雲泥の差。何より多くの観光ポイントにおいても自転車での走行を可能とする形であることから、本当に自転車を置いてどうこうする・・・という状況が極めて少ない。こんな自転車乗りのことを考えて寄り添ってくれてる国はちょっと思いつかないのであり、オランダこそ自転車で旅行する国であると私は声を大にして言いたい。

◎治安
 アムステルダムとかは場所によって嫌な雰囲気感じる場所もあったけど、それは「東京の歌舞伎町は治安あんまよくない」とか言ってるのと同意なので、首都&観光地なんてのは基本的に注意するに越したことはない。
 それ以外の田舎に関してはまぁ牧歌的な雰囲気というか、危険を感じることは全然ない。あんまりなすぎて私の危機察知能力が衰えてしまっているんじゃないかと不安になるくらい。
 とはいえ自転車から離れる時は必ずロック掛けてたし、キャンプでは荷物を全てテント内に入れる程度の対策は行っていた。雰囲気だけで防犯対策を怠って良いとは思ってないので。

◎ビザ・出入国
 シェンゲン協定圏の国なのでな〜んも問題なし。むしろオランダでは久々に国境でオランダの表記がある看板を見れたことに喜んでしまったくらい国を跨ぐのは簡単。というかそろそろシェンゲン全体での滞在日数90日を意識して後の走行計画立てないとだ。

◎交通事情
 そもそも車両が自転車と交わることの少ないよう配慮されてる道路造りの影響で、サイクリングロードを主体とするオランダではあんま車に対してどうこう思うことが少ない。町中とかだと車両を近くに感じることもあるのだが。それを踏まえた上で言うと、結構スピード出すし先進国にしては横断歩道とかで自転車優先で止まってくれる車の割合は低いと思う。でもまぁ円形交差点とかも基本自転車側が優先して入れるようなってる造りなので、そもそも「自転車が車の走行に邪魔されて進めない」という状況になりにくいのだこの国は。こういうハード面自体が車両ではなく自転車優先で作られている構造となっているため、完全に住み分けがなされていると感じた。すごい国だよ本当に。

◎特徴
 1、国土の4分の1ほどが干拓によって海から陸地となった海抜0m以下の土地である。このため河川の水はほとんど流れているか分からないレベルで濁っている(入水に躊躇する)し、起伏がないので開けた場所だと風を遮る遮蔽物がないので風も強い。森林は防風林か敷地内のみに植林されたものが植えられている。海岸線に作られた堤防は道路として機能しており、もちろん自転車も走行することができるため、狭い直線道路の左右に海が広がる・・・というなかなか爽快な景色を見ることができオススメ。
 2、国内で大麻が合法化されている。マフィアの成長を防ぐためとか色々理由は聞くけど重要なのはそこじゃない。大麻を扱うお店の名前がよりによって「Coffee Shop」と表記されている点で、カフェと勘違いして入店しないよう注意が必要。

◎気候
 夏のオランダは実に過ごしやすいと思うけどさ。地味に高低差がない土地のため、風を遮る遮蔽物がないポイントだと風が吹きっぱなしになるという問題が。せっかくアップダウンがない国なのに、運が悪いとひたすら向かい風を受け続けて疲れ切ってしまう・・・ということもあり得るのが怖いところ。町と町との間隔近いし多少は森林地帯もあるのでオーストラリアみたいに丸1日吹きっさらしとかにはならないけど。
 私が走行した時期は熱波が襲来して相当な暑さだった・・・と聞いたけれど、それで気温は30度ちょいとかだったので、日本の夏を知ってる人には問題なく過ごせるだろうと思われる。湿度低いし。

◎言語
 オランダ語。文字表記もほぼ英語が使われておらず地図を見たりするのにやや苦労するかも。なお会話に関してはオランダ人の多くが非常に流暢な英語を話せるので、その恩恵に預かってかなり楽させて貰った。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 地味に野宿が難しい国である。というか海岸線へ近づくと「自然にできた森林」というのが存在しないため、身を隠せそうな雑木林とかが出てこないのだ。ちょくちょく林とかはあっても大概の場合、人様の家だとか敷地で囲われているパターンが主であり、郊外であっても人に見つからないポイントというのは割と難しい。むしろ町の近くの方が人工林揃っていたりで野営地見つけやすかったりする場合もある。
 2度ほどキャンプ場を利用したが、料金それぞれ14ユーロ、11ユーロでWi-Fi使い放題だったし設備も素晴らしくコスパ的には悪くない。ヨーロッパのキャンプ場は良いよね。
 そのWi-Fi自体は大手のスーパーでも観光地でもほぼFreeWi-Fi飛んでいるので特にネットを求めて探し回るような苦労はない。

◎動物
 危険な動物は出てこないのだが、野宿するような雑木林にやたら蜘蛛が多い印象を持つ。よく見ると木々の枝が雲の巣だらけだし、一夜過ごしただけで自転車にまで結構糸張られてしまったりするためやや面倒。
 あとやたら人口河川や湖が多い影響なのか、場所によっては蚊の数が多いので注意した方が良い。鴨とかアヒルなんかもよく見かけるけれど、アイツらは基本害が無いので省略。稀に道路上を隊列組んで横断したりするので邪魔ではあるが。
 なお割と酪農が盛んな国なので馬や牛、羊を見る機会は多かった。敷地内に柵が建てられてないことも多く「脱走したりしないのか?」と疑問に感じたこともあったが、土地ごとに水路で区画されて仕切られているパターンが基本の様子。

◎自転車店
 中規模な町なら1店くらいは自転車店があるし、そんなショップでも品揃えは気にすることはない。ただショップ自体がスポーツ系より一般車両系(ママチャリみたいな)をメインターゲットにしているお店も多いため、専門的な部品になると取り扱いが無いこともある。
 パーツに関してもタイヤはマラソンプラス取り扱ってる店が非常に多いし、種類も豊富だった。あとオランダはリカンベントどころか座席が並列のタンデムバイクとか独特な自転車を沢山販売してるので、自転車好きな人はとりあえずお店入ってみると楽しめると思う。なおドイツよりEバイクの使用率は低めの印象で、そりゃあこの坂のない国じゃアシストも使いどころないもんなぁ・・・とか思ったりした。

◎物価・食事
 まぁやっぱり高いです。とはいえドイツより1段階上がった程度の物価なので、西欧諸国を旅行していたならそこまで「物価が一気に上がった!?」みたいな驚き方はしないと思う。ビールもたくさん1ユーロ以下のロング缶があるし、主要食材を選んで購入してる分にはそこまで気にすることもないレベル。ただオランダはガソリンにかかる税金が高いらしく、ガソリン代はどこ行っても軒並み高かったな。
 スーパーの食材で自炊しかしてないから食事とか正直全然分からないのだけど、隣国ベルギーに比べてオランダは食の面では大したことないんだ・・・みたいな話は聞いたな。でもオランダもチーズに関しては熱い情熱を持ってるらしく、チーズの専門店とかよく見かけた。保存が効いて栄養価の高い食材なのでヨーロピアンサイクリストがよく食べてる食材の筆頭なのだけど、私も購入してみたら使い切るまで2週間近くかかってしまった。米食を主体にしてると難しいんだ。

◎総括
 とにかく走りやすい国というのが印象的で、特に西欧では1日の走行距離を短くして休息日を減らしていこう・・・と考えているにも関わらず、軽く走ってるだけでグングン走行距離が伸びる。楽して進んでるのだから良いのだ!と考えるべきか、それじゃあ疲れ溜まるからもっと道中休むべきだ!と考えるのが正しいのか。
 とりま「自転車で走る」という点におけるストレスの少なさは、特に自転車旅行をやってみたいと考える初心者にとって非常に重要な点であり、そういう意味でオランダほど自転車旅行に適した国はないだろう。
 反面、楽すぎてチャレンジングな走行をしたいだとか頑張って走って達成感を味わいたい人だとオランダはすぐ飽きてしまいそうだと感じる。私だってオランダ走行10日程度だから楽しめたけど、1ヶ月とかこの国いたら「もうちょい峠とか出てこないんかなぁ」くらいの文句は言ってしまう気がする。そういう次のステップはアルプスに行けば良い話なんだけどね。実際オランダのプロレーサーはこの国じゃ山岳練習しない(出来ない)らしい。
 何にしても車両ばかり優先される道路づくりとなってる日本の民からすると、この自転車大国の姿には強い憧れを覚えたのは確かである。
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 オランダ10日目&ベルギー1日目 ブレスケンスの町〜ブリュッセルから西北西に約90km ブルージュの町

 実は昨日、疲れに負けて近くのキャンプ場へ行ってしまった茶壺さん。でも「スマンなぁ、今日は満員なんだよ」と言われた関係で、こうして野宿しお安く済ますことができました。ところでキャンプ場が満員ってそんなによくあることなのか!?

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 自転車だとスペース使わないから余計にイメージ無い

 この地は既にベルギー国境にほど近い場所。昨日はペース早くて一気にベルギーまで入国することも可能なペースだったのだけど、何故こうしてオランダにいるのか?ちゃんと理由がある。

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 面倒くさいからだよ!

 じゃなくて。調べた限りではベルギーもまた日曜日には多くの商店が営業しない国らしく。しかも翌15日はベルギーの祝日なのであり、恐らく2日連続で焦点を利用できない可能性が高い。このリスクを回避するためオランダに留まったのです私。

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 流石に45℃は嘘だろう

 ということでしっかり食材をキープしてから国境へと向かう私。案の定全く国の境目が分からないままの入国であったが、それでも今回はすぐにベルギー入ったんだ!と実感できることがあった。

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 というのも

 自転車好きにとってベルギーは自転車競技における超強豪国という印象なのだ。オランダもそうなのだが、オランダはプロやレース志向の人も多いが自転車は庶民の足というイメージが強かった。

 しかしベルギーは入国して1時間も経たずに2度もプロ(だと思う多分)の集団走行に追い抜かれる体験をした。これはオランダでは1度も無かったことであり、文化の違いを感じられた気がしてワクワクする。

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 速すぎて写真は最後尾だけしか撮れなかったが

 とりあえず南西に進んでブルージュの町へと向かう。ドイツ走ってる時にオススメされたベルギー三和烏ならぬ三大名所の1つがここなのだ。

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 でも市内に入るのは後回し

 先日Facebookで友達になった方がブルージュに住んでいるので「良かったら泊まっていって!」と絶妙のタイミングで連絡頂き、お邪魔させてもらうことになったので。結構色々な方のお家にお世話なってるけれど、こうしてネットの繋がりから連絡来たことはとても嬉しい。

 何故ならこれは以前チューリッヒでお世話になったデネスさん夫婦の繋がりで出来た縁だから。つまり私は彼らの中に少なくとも「友人に紹介したい人物」と思ってもらえたワケでさ。そうであれば、こんなに幸せなことはないよ。

 仕事中なのでお隣さんから鍵をもらってね・・・との指示に従い、お家の中へ。まだ初対面ですらないのにお邪魔させてもらってるのはちょっとドキドキする。

 ネット使わせてもらい連絡が取れたので荷物置かせてもらい、改めてブルージュの観光へ行きませう。

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 すぐ近くだったけど自転車で行く

 調べてみたらブルージュは交易で栄えた町とのことで、旧市街のみならず街全体の至る所が水路で張り巡らされた地形。これはオランダも同様の町が多かったのでそれほど驚きを覚えるには至らないのだけどさ。

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 ベルギーは建物群がすごく歴史を感じさせるんだ

 オランダが割と近代的な方向に舵を切ってる国の印象だったが、ベルギー少なくともブルージュに関しては古い町並みを意識的に残そうとしつつ町づくりを進めている印象。方向性としてはドイツに近いと思う。

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 大聖堂も気合入ってるな

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 内部も見学してみたり

 町の水路はボートツアーの発着場が複数箇所設置されており、乗船して水路からの観光を楽しむこともできるようだ。水面と橋脚部の高さが近くて頭ぶつけやしないかと不安になりつつ見ていたぞ。

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 でも楽しそう

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 ワッフル屋には凄まじい人だかりが

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 この鐘楼の音がまたデカイんだ

 確かに大手のスーパーは日曜日は休業又は午前中いっぱいでの営業がほとんどだったが、どうやらベルギーには曜日関係なく営業している大型スーパー傘下の小型店、日本で言うところのコンビニ見たいなショップが営業している模様。観光終えた後にここでビール購入して戻り、キッチンお借りして自炊。

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 「餃子あるから使って」と言われたので

 「帰宅遅いから寝ちゃってて良いよ」とは言われたものの、挨拶くらいしときたいと0時近くまで待ってたのだが、眠気限界になってしまい休ませてもらうことに。こんな体験ってあるんだなぁと自分でも驚いてます。

 2022年8月14日(日) 走行距離53km  累計114812km
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 オランダ9日目 スパイケニッセの町〜アムステルダムから南西に約140km ブレスケンスの町

 1度リズムが作られると早起きするのも習慣になって苦ではなくなる。ただ夏のヨーロッパを旅行すると日の沈む時間が遅い関係で、テント張るのも遅くなり就寝が遅れてしまう。その結果として朝の起床が遅くなるため、大切なのは早いキャンプインなのだが。

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 野宿場所見つけられるかは運の要素が強いので

 昨日ベンから教わったサイクリングロードはなるほど直線的でありつつも景色の変化に富んだ気持ち良い道だ。ここ数日は日中特に暑くなる関係で、10時前くらいが1番気持ちいい気候で走れるため尚更。

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 南西へ向かってます

 というのも川や水路によって半島や島が細かく分かれているこの周辺。それを橋や人口島で繋げている地形なのだが「1番海側を走った方が楽しそう!」という理由からだ。他にも南下できるルートは無数にある。

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 でもこんなビーチリゾートはそんなに無いでしょ

 そりゃ8月の土曜日だからこの人手も理解できるけどさ、特筆すべきはキャンピングカーの多さだと思うのだ。駐車場を見る限りひたすら立ち並ぶキャンピングカーなのであり、どんだけ旅行好きなんだよとか思ってしまう。

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 サイクリストも多い

 とはいえオランダは庶民派自転車大国。スポーティな自転車乗りも沢山いるが、それ以上に目立つのが「普通の自転車」に乗った人々。日本で言うならママチャリに乗ったそこらのオッちゃんやオバちゃんが普通にサイクリングしてるのだ。

 これはオランダという国が如何に自転車に対し優しい国かという答えでもあり、老若男女誰もが自転車で走っているこの国は本当の意味で自転車先進国と呼ぶに相応わしい。

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 この辺なんて近くの町まで10km以上あるのにサイクリストいっぱい

 海岸線かと思えば農村地帯のど真ん中を走ったりして進む今日の道。ただ丸1日かけて何度も見かけた変わらぬ建物が風力発電機であり、陸地にも海上にも無数に聳え立っている。

 特に後半走ったネルーチェヤンスという場所はオランダの干拓事業における歴史で最も重要であった土地らしく。現代ではひたすらビーチに集う人々で溢れている地となっているが、その凄まじい数の風力発電機はオランダという国の苦労を思わせる。

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 だから記念撮影しておこう

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 風車じゃないプロペラ系も好きなのです

 海岸線の近くをひたすら南下し約100km。フリッシンゲンの町以南は川幅が広がってしまったためか、自転車が通れる橋が存在しない。しないので、オランダ3度目となる船による移動となるワケだ。

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 実はこの前に図書館で少々ネットしてたり

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 チケット購入から乗船まで実にスムーズ

 運よく出発直前の便に乗れたようで、待ち時間なく直ぐに船は動き出した。一息つく・・・というほど長距離ではなく20分もしないで対岸へ到着し、100台近くいた自転車乗りは散り散りに道路へ放たれていく。

 私はといえばスーパーで食材とビール買い込み、近くの庭園で水を補給したり身体洗ったりしつつ、上手いこと見つけた雑木林に自転車突っ込んで終了・・・と、全然走っちゃいない。

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 多分アムステルビールは今日が最後

 思ったより長居した感じになったオランダだけど、もっとこの国走っても良かったなと思えるくらいに自転車旅行がしやすかった。それだけでなくオランダ人が自転車旅行車に対してフレンドリーで優しいんだよね。

 そういう意味でもストレスなく日々楽しい気持ちで回ることができました、スマホ壊した日以外はね。

 2022年8月13日(土) 走行距離111km  累計114759km
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