自転車ときどき世界1周

2022年10月

 モロッコ19日目 メストフェルキの町

 表記にはメストフェルキという町に滞在してることになるが、恐らく日本人で知ってる人がほぼいないモロッコ片田舎の更に郊外に位置しているオートマンの家。でも旅行者を家に泊めたのは私が初めてではないらしい。

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 旅行者ってのはどこにでもいる

 朝から子供達が家畜に餌やりして水を汲んでとまだ小学生の年頃なのによく働くな。一息ついたところで庭にある木々を私に説明してくれるというのでホイホイ付いていく明日には38歳になるオッさん。

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 多分私よりサバイバル力ある

 アーモンドの実を石で叩き割って食べたりとか凄くいい経験してるなと思う一幕。様々な野菜や果物が栽培されていたが、この家の自給率相当高いのだろうな。

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 パン焼き窯もある

 そのまま山羊の乳搾りをするとのことで、私もちょっとだけ体験させてもらう。牛の乳搾りだってやったことないが、まぁ多分どうにかなるでしょ!の気持ち。

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 大体1.5リットルくらい出すとのこと

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 残りは君たちかー 

 いわゆる殺菌処理をしてない生乳というヤツだが、これを布で濾し取ってそのまま朝食にお出しされるとか超ワクワクする。そんなの絶対美味いに決まってるじゃん!

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 味は牛の乳とそんな変わらんな

 そんな感じで色々良くしてもらってばかり。流石に申し訳ないので「何か手伝えるようなことあるかな?」と聞いたら、昨夜の強風でオリーブの実が落ちたから今日はそれを回収するので一緒にやろうとのこと。

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 というワケでやっちゃるぜ!

 そんな軽い気持ちで始めた作業だったけど、思ってたより大分疲れるぞこれ。強い日差しの中でオリーブの実を拾っては移動し拾っては移動しという作業が永遠と続く。しかもトゲのある植物が多くて指先傷だらけ。

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 休憩でアーモンド食べたりしつつ 

 1本の木に対して3〜5分程度時間かけてると思うのだが、良く考えてみたらこの庭に300本ほど植えてるって昨日言ってたな。丸1日かけても終わらないんじゃ・・・

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 終わりませんでした

 いやまぁ久しぶりに労働したな!って感じはする。子供たちもずっとお手伝いしてて農家の子供ってのがいかに貴重な戦力かというのがよく分かる。

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 そんな感じで頂いた夕食はクスクス

 このクスクスが物凄く美味しくて驚いた。タンジェの食堂で1度クスクス食べた時は「まぁこんなもんか・・・」という感想で、以後モロッコでクスクスを食してなかったのだが、野菜や肉の煮込んだ出汁がクスクスに染み込んで実に味わい深い。しかも量が多くて自転車乗りもニッコリ大満足ですよ。

 そのままみんなでUFCの試合見て応援してた。イスラム マカチョフって名前の選手応援してるので、名前からてっきり中東系の選手なのかと思ったが普通にロシア人でした。紛らわしいな。

 慣れない作業で疲れたのもあり、オートマンも早寝するようだし私も早々に就寝をば。走ってない日の方が疲れるという自転車旅行で稀にある1日でした。

 2022年10月23日(日) 走行距離0km  累計119369km
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 モロッコ18日目 ゲルシフの町〜フェスから東に約260km メストフェルキの町

 非常に快適な宿で驚いたというか、今のところモロッコで部屋が1番綺麗なホテルだったな。観光地でない宿の方が値段安くて質が良くなる傾向はままある。

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 ただしエアコンは別料金らしい

 荷物を下階に下ろすのまで手伝ってもらい、しかし出発は普段より30分以上遅かったりする。朝食摂りながらネットで遊んだりしてるからだよ。

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 ゲルシフの町をサッと抜けて

 あっという間に荒野が戻ってくるのかと思いきや、結構植林地帯に混ざって農地が復活していたり。東へ向かえばどんどん砂漠化していくのだとばかり思ってたけど、意外と地域によって違いが大きいみたい。

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 植林が盛んなエリアとかあるのかな?

 地球環境規模でみれば砂漠化の進行に歯止めをかける意味でもこうした緑化運動ってのは大切だと思うのだが、私個人の意見としては「もうちょっと身を隠せる種類の木を植えて欲しい」とか思ってしまう。枝打ちされてるのか低い部分に葉が繁っておらず、テント設営しても丸見えの木なんだよ。

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 野宿に利用しづらいじゃん

 ゲルシフの町抜けてから全く商店や集落が姿を見せず、偶に電波塔みたいな人工物が姿を見せる程度で一休憩するような場所がない。結局50km走って次の町までノンストップだったし。

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 町が見えてホッとしたよ

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 そんで町自体は結構な規模だし先進的なんだよな

 やはり環境が厳しくなって、人々も1カ所に寄り集まっての生活を強いられてるのかもしれない。砂漠でポツンと一軒家ってパターンも相当見かけるんだけど、それはそれ。

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 ウジュダって町がモロッコ東端

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 三叉路に1軒だけあった商店で一休み

 アイウンの町に到着するも、市内に宿泊施設は存在しない模様。なので夕食済まして食材だけ購入したら町の外で野宿だな!とか思っていたのだが、町を抜ける途中で先ほど「この町にホテルは無いぞ」と教えてくれたオッちゃんと再開。

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 ちなみにレストランの場所も教えてもらった

 「無事にレストラン見つけたか?」といった話して、面倒見の良い人だなぁ・・・とか思っていたら、いつの間にか彼の家にお泊まりすることとなり自転車一式車に載せてもらっていた。

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 20kmほどの距離らしい

 そんなオートマンの家は町の郊外でファームを経営しつつ車の修理工とかもやってるらしい。英語ペラペラでありつつイスラム系のお家にお邪魔する機会はあまりなかったので、色々興味深いことを説明してもらえてすごく楽しい。

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 家畜は他に鶏とウサギ(犬)もいた

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 敷地内にオリーブの木がずらり

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 なんだかんだ2回目となる夕食頂いてる

 食後にモロッコ茶飲みながら色々話を聞かせてもらったり。かなり厳格なムスリムのようで、最初子供たちと「ちょっとプレイタイムだから」といわれた時に「一緒に遊んであげるのかな?」とか思ったら、お祈りの時間だった一幕も。

 無茶苦茶広い部屋を使わせてもらい、なんか恐縮してしまうな。夜になって風が強烈に吹き荒れており、こうして気軽に休めるのは本当にありがたい限りです。

 2022年10月22日(土) 走行距離103km  累計119369km
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 モロッコ17日目 墓地脇〜フェスから東に約160km ゲルシフの町

 静かでナイスな墓地で迎える爽やかな朝。そういやイスラム教って土葬式みたいだな・・・とか今になって気付いたりしつつ。

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 どうもお邪魔しました

 今日も最初にガッツリと上り坂から始まる昨日の焼き直しのような序盤戦。違う点といえば、今日の坂道は割と斜度がキツくて結構大変であることかな。

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 あとこの坂道は直後に下り坂だった

 20kmほど走ってこの周辺における中核都市であるタザの町に。いくら上り坂を挟んだとはいえ流石にお昼を食べるには早いと感じる11時前。

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 高層ビルなんて必要かな?土地余まくってるのに

 でもこの先食堂がありそうな町がしばらく出てこなさそうで、どうしよっかな・・・とか悩んでいるウチに町を抜けてしまう。

 んじゃあそのまま進もうか・・・と思ったが、町を抜けたら今まで痩せた土地とはいえ農地が広がっていた景色が砂漠へと一気に変化しているではないか。

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 こらいかんわ

 町外れのレストランへと駆け込みしっかりエネルギー補充して、万全の態勢で改めてタザの町を抜けて先へと進みませう。なお時間は12時前で1番暑い時間帯から砂漠スタートだ。

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 まだ砂が広がるタイプの砂漠ではないけれど

 アップダウンや丘陵の姿が減った代わりに地平線がチラホラ見えるようになってきた。農地がなくなった関係か、家屋と人の姿が劇的に減って走る分には随分気が楽になったな。

 その代わり日陰もほとんど出てこなくなってしまい、雲1つない晴天の炎天下をひたすらペダル漕いでいく。朝から水分2〜3リットルは飲んでるはずなのに、トイレに行きたいどころか喉が乾いて仕方ない。

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 水分補給せねば

 どんどん田舎に入っているので外国人が珍しいのか、水飲みながら日陰で座っているだけで子供50人くらいに囲まれてしまう。疲れてるので相手はしなかったんだけど、話しかけてくるでもなく何十人もの視線を受け続けるのは割としんどい。

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 そんな感じでゲルシフの町へ

 町の規模的にはタザより大分小さいのだが、ゲルシフの町の方がずっと洗練されてる雰囲気だ。まず道路の質からして違うし、町の入口に観光地によくある町名オブジェもあったし。

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 大きな軍事施設がすぐ側にあるからか?

 キャンプ場はGoogle先生の間違いだったらしく存在しなかったので、普通にホテルへチェックイン。値段安い割にシャワー・トイレ付きの部屋で自転車も鍵付き物置置かせてもらえて文句なし!

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 流石イタリアの都市名を冠するだけはある

 時間もあるし町中散策してみるが、金曜日(イスラム系は金曜日が祝日)ということもあってかあまり営業してるレストランも少なく、ファストフード系のレストランで夕食済まして終了とした。飲み物はもちろんビール!・・・が売ってないので炭酸ジュースなのである。

 2022年10月21日(金) 走行距離90km  累計119266km
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 モロッコ15・16日目 フェスの町〜フェスから東に77km地点 墓地脇

 本日出発しようと思っていたが、朝起きたら身体がダルくて動く気になれずそのままベッドの上で1時間ほどゴロゴロし「よし!今日は無理!」となったので1日寝てた。しゃーない。


 翌日。ということでフェスの町を出発だ。宿の値段安い上に居心地良かったので出発したく無い気持ちが結構強いのだけど、ここでいつまでもダラダラしてるのも違うだろ。

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 行きますか

 モロッコ第2の規模を誇る都市だけあって、町を抜けるまでが長い。ただ途上国の都市脱出って基本的に最悪の交通状況下を必死になりながら這い出ていくのが普通でさ、それに比べるとむしろフェス脱出は楽だった。

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 直ぐにメイン道の6号線に乗れたのが大きいか

 7〜8km走って警察の検問エリアを抜けると一気に交通量が減って走りやすくなる。この6号線と並行する形で東西に高速道路が延びており、もしかすると大多数の車両はそちらへ流れたのかもしれん。

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 お、コブの数が1つだ

 順調に進むかと思いきや、序盤から2〜300mはありそうな上り坂。斜度が緩やかなので大変ではないものの、はやくも気温が30度突破しているようで暑くて仕方ない。

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 もっと奥地行けば涼しくなるのだろうか?

 登りきってしまえば平坦基調な道が戻って一安心。てっきり峠越えパターンですぐ下り坂かと思っていたが、割と登りきった標高で安定しつつ東へと道は続いている。

 ちなみにモロッコの主要観光地は西部に集中しており、フェスより東へと向かう旅行者は非常に少ない。少なくとも私は見つけられなかった。

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 だからこそ行ってみたいタイプ

 観光地のモロッコ人は結構な割合で嘘ついたりぼったくって来る輩が多い反面、親切な人は本当に驚くほど親切でさ。旅行者が少ない地域に行けば、もうちょいモロッコ人と対面しても構えなくて良い環境になると思うんだ。

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 また心のダムの貯水率が上がる前にストレス緩和せねば

 そんな感じでAmlilという町に到着したものの、地図で示された場所に宿は存在せず、なので郊外のガソスタでテント張らせてもらえないかと確認し、OK貰ったので日が暮れるまでの時間を利用し夕食済ましておこうかなと。

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 はーいぼったくりのお店でした

 しかも事前に値段確認したのにさ、勝手にサラダ置いて「それは別料金だ」と言ってくるパターン。手慣れてる感じしたし、相手が外国人だとみるや同じ手口使ってるんだろな。セコい奴らだ。

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 ツアーバスとか相手にしてる店なのか

 んな事ありつつガソスタに戻ってくると、先程とは別の店員が「ここでテント張る事は出来ないぞ」と言ってこようとは。うわぁ、このパターンかよ。

 これは割と途上国あるあるで、誰か1人がこちらの話を勝手に安請け合いしてしまい、後になってから別の人が「それは許可できない」と手のひら返してくるというヤツ。

 コチラはお願いしてる立場だし、その事実自体は仕方ないのだが「勘弁してくれよ・・・」という気持ちは残る。日が沈みかけてる状況で、急遽今から野営場所探さなくちゃいけなくなるんだぜ。

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 地元っ子と写真撮ってる場合じゃなかった

 町を離れても結構人が点在してるのがモロッコの嫌なとこで、ちょっと見えない場所にテント張っても見つかりそうなんだよね。どうしたもんかと焦りつつ、ふと道路から離れた場所に木々に囲まれた墓地が見えた。

 こりゃ助かったと突入させてもらい、敷地の隅っこにテント張らせてもらう。お墓は割とどの国でも夜に人が訪れにくいスポットであり、そういうの気にしない人なら非常に良い野営地なのである。

 2022年10月19日(水) 走行距離  0km  累計119072km
 2022年10月20日(木) 走行距離104km  累計119176km
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 ネットの功罪なんて別に私が語るべき話じゃないし、そもそもこれだけ生活に根付いてしまったネットを今更切り離すというのは不可能だ。社会インフラは前進することしか出来ない。

 とはいえ自転車旅行で全くネットが届かないような僻地の町に来たりすると、どうしても考えてしまうのだ。「ネットを使わない旅行やるのも面白そう」・・・みたいなことを。

 これは「世界から車を無くしたらどうなるか?」と同じく自転車旅行者同士でよく与太話のネタにされるのだけど、その根底にあるのは「昔の旅行者は羨ましい」という感情だと思う。


 海外での自転車旅行って、現代においてもやはり情報が全く出てこない土地を走る・・・ということがある。地図で見てもそこにどんな施設があるのか分からない、町の名前すら付いてるのか怪しい、なんならそこまでの道がちゃんと続いてるのかも不安。そういうなんとか走れそうだけど、他に何も分からない道。

 そうした土地におっかなびっくり手探りで踏み入っていくドキドキというのは普段の旅行中の比ではない。それとは明らかに別種の喜びと緊張感があって、これがなかなか堪らないのだ。

 海外で訪れる町なんて全て「知らない土地」であるのは間違いないのだが、やっぱりネットで下調べを行い、そこで食・住の確保が取れそうか?程度の確認はする。それがそのまま出発時の食材等積載量に関係してくるのだし。何も悪いことではない、むしろ旅行する上で正統な行為だ。

 ただネットでの情報収集は旅行に不可欠ではない。ほんの四半世紀前まで旅行者はそうした情報をネットからではなく、現地の人から聞いたり情報ノートを参考にしたりと別の形で入手していたし、そうした情報の出てこない土地へ向かうときは出来る限り備えをした上で徒手空拳で向かっていった。

 私だって宿1つとっても、何も情報がない町だと3件4件回って慣れない言語で四苦八苦しながら料金比較&交渉し、ようやくチェックインして落ち着いたと思いきやすぐ側でもっと綺麗で安い宿があった・・・とかそういう経験を数多くしている。

 つまり情報がないってのはどうしても無駄が多いし失敗や金銭的な負荷も増える。でもそれこそが「知らない土地を旅行する」ということなのじゃないか?・・・そんな気持ちがあるのも事実なのだ。

 自分自身で人から情報を引き出し、その内容も不確実だけど行ってみる。なまじ自転車だとそういう実体験を色々経験しており、ネットでは味わえない喜びも面倒さも知っているから、ついつい思ってしまうのだ。「ネットに頼ってばかりじゃ駄目だ」とかね。


 ネットの情報に従って効率的な旅行をすることを「攻略方法を教わりながらゲームをクリアする」みたく例えられることがあり、それは流石に実体験を伴う旅行に対して失礼じゃないか・・・と思いつつも、そう言いたくなる気持ちはちょっと分かる。

 だって情報調べると潮流が出来てて同じような宿、観光地、食堂を紹介する金太郎飴になるんだもん。それは確かに効率的で料金も安く、無駄の少ないことだと思うけど。何というか、そこに本当に自分の意思は介在してるのか?みたいに感じてしまう。示された道をルート通りに進む旅行って、それもうガイドが居ないだけのツアーじゃない?

 そうした気持ちのアンチテーゼがネットを使わない旅行に惹かれるのではないか?現代でネットを利用しないというのは相当な覚悟というか、強い目的意識が必要だと思う。そもそも自ら消息不明、音信不通になることを家族や近しい人が理解してくれるだろうか?という問題もあるし。

 新しいインフラが出てきてそれを上手に活用していくことは、物事の幅を広げ多角的なアプローチを可能にするとても意義あることだと思う。むしろネットを使わないのはそうした手段を自ら捨てることであり、向上心がないとすらいえる。

 それでも尚思ってしまうのだ。ネットを使わず自分の力で直接情報を集めて対処する旅行をやってみたい・・・と。多分、そうした強コミュ力に憧れがあるんだろうな。会話が苦手な茶壺さんは。
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 モロッコ14日目 フェスの町

 もうフェスの町で観光的な遊びは終えたけれど、この町で行っておくべき場所はもう1つある。それが新市街であり、ここの宿を選択した理由の1つでもある。このHotel Agdirって宿、立地的に旧市街と新市街の丁度中間地点にあるんだよ。

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 なので昨日とは逆方向へ

 荷物を全て外したロシナンテ号で新市街の中心部へ。大した距離走ってもいないのに、本当に同じ町かと錯覚してしまうほど景色が一変して変化するのは面白い。

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 でもこっちに観光客は少なそう

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 完成度イマイチじゃない?

 何を求めているのかってコーヒー豆だ。モロッコはカフェ大国で、田舎の小さな村でも普通にカフェが営業している国なのだが、何処のカフェに入ってもコーヒー豆販売してくれるお店はほとんどない。というか多分かなりの割合で豆使ってコーヒー淹れてないと思う。

 その割に田舎カフェだと本当にコーヒー以外にメニューがないお店多くてさ、コーヒーしか販売してないのにそのコーヒーも適当ってのは酷くないかな!?と茶壺さんは詰め寄りたい。

 そんな中でちゃんとコーヒー豆を取り扱ってるお店を調べ、ようやく見つけたのが新市街にあるこのカフェだったのだ。南米でよく分かってるつもりだったけどさ、途上国で良いコーヒー豆を見つけるのは先進国より遥かに難しい。

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 ところで店名がエジプトの都市名なのは何故?

 首尾良くコーヒー豆入手できたので、そのままショッピングモールに寄り道する。というのもここにはフランス資本のスーパー「カレフール」が入ってるからで、何が言いたいかというとモロッコでアルコールを取り扱ってるスーパーだということ。

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 いやバスマティ米超高いな!(約1020円)

 各種調味料とかを補充しつつ、別の販売エリアでこっそり営業してるアルコールコーナーにてモロッコ産らしいカサブランカビールをゲット。飲むのが楽しみだ。

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 途上国のショッピングモールは楽しい 

 イスラム系の国でアルコールは公共の場所で飲むどころか姿を見せることすらご法度。ワクワクしながら超特急で宿へと戻り、部屋に入って1人になったところで飲むビール。なんか背徳的だな。

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 いや〜何日ぶりだろ

 あ、でもカサブランカビールあんま美味しくなかった。ここまで環境と気分盛り上げておきながら「大したことない」って凄く残念なんだけど、事実だから仕方ない。こりゃ今後モロッコではあんまりビール飲まないかも。

 なんか残念な結果になってしまいそのままふて寝・・・じゃなくて、昨日夜更かしし過ぎて寝不足なのだ。日中1番暑い時間帯に行動すると大変だし。

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 コーヒーだけが楽しみだ 

 ともあれフェスの町も堪能したし、どんどん行きましょか。ここまではモロッコど定番ともいえるルートを走ってきたけれど、明日からあんまり人気じゃない道を走るのでちょっと楽しみだ。

 そういうマイナー道走ってさ「私がこのルートのパイオニアになっちゃるで!」とか勘違いするテンションってのは大切。

 2022年10月18日(火) 走行距離5km  累計119072km
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 モロッコ13日目 フェスの町

 たかだか3日走った程度なのだけど、やたらと疲れた気がするというか普通に疲れてる。目を覚ました後もなかなかベッドから動くこともできずにゴロゴロしており、ようやく活動開始したのは11時を過ぎてから。

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 光の加減かやたら怖い部屋に見えるな

 とりあえずモロッコでも最大級とされるメディナ(旧市街)の見学に行くことにしよう。同じモロッコのメディナでも町ごとに結構特色があり面白いということに気づいたが、普通に考えれば日本の歴史保存地区だって場所によって趣が全然違う。むしろ同じという方があり得ないよなぁ。

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 メディナまで割と遠い

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 広場なんだけどバスの停車場になっておる

 ということで門の前に来たときで既に大汗かいてるし疲れたぞ。10月後半だというのに未だ日中の気温は30度超えてくるモロッコという国は、夏本番だったらどれほどの暑さになっていたのか?ちょっと調べたくない。

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 凄いエネルギー

 メディナ内をメインの道が貫く形で構成してるので、変な小道に入らないようすればそれほど迷いはしないタイプ。ただ迷路ってのは人を迷わす最大の要因はその「規模」こそが重要で、内部の複雑さってのは2の次なのだというのがよく分かる。

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 とにかく広い

 東西の長さが2km近い規模である上、東西南北方向感覚を失わせる曲がりくねった道と立体的な登り降りが合わさってるメディナってのはもう巨大迷路そのものだ。子供心にそういう迷路ってワクワクしたものだけど、いざ体験してみるとなかなか大変。

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 だってモロッコ人が面倒臭いだもん

 フルパッキンの自転車抱えた状態で突入なんて無謀なことしなくて本当に良かったと思いつつ。なんか市場エリアに入ったり謎の人気がない場所を通ったりしていたが、とにかく直線的に進めばメディナを構成してる外側の壁にぶち当たるだろ!とまっすぐ進む。

 果たしてようやく出入口となる門が現れ「やれやれようやく自分の現在地が分かる・・・」と落ち着いて周りを見回してみたら、2時間前に突入した門だった。ぐるぐる回って同じ場所に戻ってきたのか。

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 最初全然気づかなかった

 なめし革の製造エリアが有名だとかあるみたいだけど、もう充分堪能したのでメディナを後にして宿へ戻る。面白い場所だけどこのエリアで生活するのはちょっと嫌だな個人的に。

 宿に戻って伸びてた髪の毛を散髪する。多分モロッコの理髪店は無茶苦茶安いので切りに行っても構わないのだけど、暑かったのでどうせシャワー浴びるなら・・・くらいの気持ちで自分で切った。どうせバリカンなので5分で終わるし。

 そこからネット作業とかしてたのだが、Wi-Fiが弱くて写真のアップロードがどうしてもできず、仕方ないのでもっかい外出。宿の斜め向かいにあるカフェでコーヒー飲みつつMacbookを弄る私。カッコいいじゃん!

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 なるほどこれがカフェで仕事するってヤツか

 周りはアラブのオッちゃんばかりだけど、茶壺さん今すごくオシャンティかもしれない。

 2022年10月17日(月) 走行距離0km  累計119067km
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 場所:フォルクゲンの町から西に2〜3kmほど道なりに進んだポイントに駐車場やれインフォメーションセンターがあり、更にそこからもう1〜2km(自転車は押して行けば持ち込み可)進んだ場所にある。なおミュンヘンの町からは約120kmくらい。
入場料:特になし。城内に入るならツアーに参加する形で入場料も必要になるとのこと。でも内部では撮影禁止とされているため、どちらにしても写真は撮ることができない。


 シンデレラ城のモデルとして採用されたらしいお城。なおすぐ側にあるホーエンシュヴァンガウ城と合わせて見学する人がほとんど。というかこの2つの城は父親、息子がそれぞれ建てた物なので親戚みたいな存在だしさ。私が2つ合わせて紹介しても良いだろう。
 ノイシュバンシュタイン城の方は全体的に尖った形である一方、ホーエンシュヴァンガウ城は角ばった形をしており見比べてみる楽しみもある。なお前者が女性的で後者が男性的なお城とのこと。
 なおサブタイにホーエンシュヴァンガウ城の名前を入れてないのは意味なく長いサブタイトルになるのが好きじゃないからです。特別な意味はありません。

 ◎ノイシュバンシュタイン城
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 ◎ホーエンシュヴァンガウ城
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 モロッコ12日目 キャンプ場〜モロッコ古都 フェスの町

 おそらく利用客私を除いて全員ヨーロッパ系だったキャンプ場。そうだよね、この施設を利用するのは「車両を運転してヨーロッパから海を渡ってくるような人」ばかりだよね。

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 私もそうだよ!と言いたいのです

 残念な味のお米とラーメンで朝食としていたら、スタッフがサービスだよとモロッコ茶を振る舞ってくれるサービスが。へー!良いじゃんキャンプ場でそういうサービス珍しいし好感度上がる。一気にこのキャンプ場イメージが良くなったわ。

 そんな感じで出発

 1つ谷を跨ぐ形で15kmほど南下すると、大都市メクネスの町に到着する。過去にはモロッコの首都として機能していた時代もある由緒正しい町とのこと。昨日頑張ってこの町まで走ってしまうプランもあったのだが、ヴォルビリス遺跡が思いの外面白くて時間使ってしまったので。


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 新市街はまぁ良いとして 

 とりあえず旧市街ことメディナへと足を延ばす。自転車だから「足を回す」とでも表現する方が適切か。

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 ここも旧市街エリア 

 モロッコのメディナも幾つか見学してきたし、そんなに違いがあることはないだろう・・・とか思っていたのは否めない私。しかしびっくりメクネスのメディナは一味違う。

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 このエリアも良かったけど本番は後

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 風の道と呼ばれてるらしい

 こういう両側を高い壁に囲まれてひたすらに延びる直線的な道ってワクワクするよね。後ろから巨大な丸い岩がゴロゴロ転がって逃げる想像とかしちゃう。その時代の映画が好きなのです。

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 内部も観光色が少なくて独特な雰囲気

 単純な雰囲気では1番ドキドキさせるメディナだと思うよメクネスは。そのドキドキってのはRPGで迷宮とかに迷い込んだ感じに近いけど。具体的にいうとゼルダの3D立体迷宮にいる感じ。

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 光の加減がまた素晴らしいんだ

 そんな感じで遊んでいたが、今日のゴール予定はメクネスではない。このまま東へと町を抜けてフェスの町に行こうと思う。なのでちと名残惜しいけどメクネス出発だ。

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 都会を抜けて

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 ここまで来ればあとは似たような景色

 ツイてたのが風の向きで、まさに進行方向と同じ西から東へ吹いている。しかもフェスまではなだらかな下り坂が続く傾斜となっており、オマケにこの区間の道路は側道がしっかりしていて走りやすい。

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 ものすごい楽

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 途中の町でフェスティバルやってた

 観光客も来ないような小さな村だと英語やスペイン語で会話ができず、身振り手振りでの意思疎通に。観光業が強いモロッコとはいえ田舎じゃそんなもんです。

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 20ディラハムで食える分だけ作ってくれ!の結果

 2都市間の距離約70kmで、11時にメクネスを出発したから17時過ぎにはフェス着けるかな〜とか思っていたが、追い風パワーで15時過ぎにはフェス到着。速過ぎてビビった。

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 フェスの宿はメディナの外側にある立地

 観光地での宿探しは前に嫌な思いしたので、今回完全下調べして決め打ち方式での訪問。面白味は少ないけれど、フェスのメディナはモロッコ最大の規模だというし、迷わず安宿に辿り着ける自信が全くなかった。

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 落ち着いたところで夕食でも食べに行こうかね

 しかし日が落ちてからの活気がすごい。宿に戻っても窓の外から聞こえる喧騒はこの国のパワーを感じるようで、ちょっと煩くもありつつ悪くないなと思ってしまう。

 2022年10月16日(日) 走行距離84km  累計119067km
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 モロッコ11日目 森林〜フェスから西に80km地点 キャンプ場

 シャウエンは夜結構冷え込んだけど、昨夜は寝袋使わずでも平気だった。標高下がったのが効いているのかと思われる。500mの差は如何ばかりか。

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 7時過ぎには目が覚めた

 テント泊なので朝食作るのだが、昨日買った米がやたらと不味くて大失敗。私は海外だとジャスミンかバスマティ、この2種類がなかった場合は最低でもロンググレン(長尺米)のタイプを購入するよう努めているのだが、昨日は店員が選んだ米を購入してしまったのだ。そもそも選べるほど種類もなかったし。

 日本方式の炊き方が合わないのかもしれないが、とにかく不味い米というのは恐ろしく残念なお味。個人的に日本政府が米ばかり強く守る政策には疑問を抱く(海外にも美味くて安い米はある)が、こんな米食べさせられるのは勘弁してほしい。

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 文句言っても仕方ない、出発だ

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 途上国名物、人数ばかり多くて誰も働かないの図

 山岳地帯は抜けたようで、ひたすら農地ばかりが波打つように広がる景色に。農地といっても収穫時期が過ぎているのか、刈り取られた草が目立つばかりでポツポツと牛やヤギが放牧されている程度。

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 でもこの半円状のパイプ

 スペインでも度々見かけたけれど、尽くぶっ壊れて水を運ぶ用をなしていなかったのだが、なんとモロッコで始めて現役で活用されているのを見ることが出来た。過去の遺物とばかり思っていたよ。

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 過積載のトラックも増えてきたな

 こういう細々とした点で「なんだかんだ途上国だよなぁ」というのを実感する。都市部こそ結構な発展っぷりを感じさせたモロッコだけど、観光地で外国人料金を設定していたり、やっぱり先進的な国とは言い難いところがある。それは別に悪いことばかりじゃないけどさ。

 地図で見る限り主要道を外れてショートカットができるルートがあるため入ってみることに。道路の半分くらいが崩壊しており実質1車線しかない道なのは良いのだが、相当厳しい上り坂となっており思いの外しんどいな。

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 割とアップダウンの多い国だ

 主要道と合流したポイントで遅めの昼食休憩とし、そのまま10kmちょい進んだところにあるヴォルビリス遺跡へと向かう。調べたところではローマ帝国時代の遺跡とのことで、通り道ついでに見学してみようかね。

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 とか思ってた

 あ、これ思ってたよりずっと面白い。相当大きな町だったようで広大な基礎部分があたり一面に広がっているのは圧巻の一言。ローマ帝国すげぇな。

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 こういう神殿跡みたいなのも良いけれど

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 モザイク画も沢山あるし

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 浴場として使われてたらしい場所も多い

 惜しむらくは7倍の値段でふっかけてくる外国人料金と、自転車止めておいたら「俺がちゃんと見ててやるから金よこせ」とか言ってくるモロッコ人のセコさかな。払いましたよ、そうしないと逆恨みしてそいつが窃盗犯に変貌する可能性あるので。

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 面倒臭い国だな

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 面白い観光地だけに余計そう思う

 1時間ちょい回って満足したので先へ進もうかと。時間も16時過ぎてるし近くの町で終了しようかと寄ってみたが、宿代が軒並み高くて利用できん。すると「ここから10kmくらい先にキャンプ場あるよ」と教えてもらったので、そこへ向かうことに。

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 そこそこ登って

 守備よくキャンプ場チェックイン完了。ただ下調べして来た場所じゃないので食材持ち合わせがないんだよね。近くの町まで買い出しに行かないと・・・と準備してたらスタッフが「1時間後に街へ行くからバイクに乗せてやるよ」と有難いこと言ってくれる。

 どうも助かりますと1時間後に行って更に30分待たされるのはまぁ想像の範疇だけどさ、買い物終えてじゃあ戻ろうか、というタイミングで突然「今から友達の家行くからオマエは歩いて帰ってね」とか言ってくるの勘弁してほしい。途上国モロッコなのである。

 2022年10月15日(土) 走行距離85km  累計118983km
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