自転車ときどき世界1周

2023年02月

 スペイン29日目 レストエリア〜マドリードから北西に327km地点  道路脇

 久しぶりのレストエリア泊だったのだが、レストエリアの何が嬉しいって「水場」と「ゴミ箱」が揃っていること。特に水場の存在は重要で、こいつがあると朝から衣類の洗濯を済ませた状態で出発できる。

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 非常にありがたい

 ヨーロッパならば多い少ないの差はあれど、どこの国でも探せば水場を見つけることはできるけれど。意図しないポイントで自転車止めて洗濯作業をするのは小さなストレスなのだ。ゴミ捨ては自転車に跨ったまま行えるからそれほどでもないけれど。

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 少々下って谷底からヒルクライム開始

 昨日悩んだのだが真冬用の服装にしないで正解だったと思うのは、上り坂で身体が暖まるからだけじゃなく。標高上がって気温も下がると思ってたけど、日中の気温は割と暖かい状態が続くのだ。

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 飛び出る系の景勝地だ

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 こういう陸橋は割とゾクゾクする

 同じ目線の高さに残雪が見られるようになってきたところで山頂到着。スペインは峠の天辺に標高標識を置いといてくれるので高さが把握しやすい1099m。

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 それでは下り坂行きましょう

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 山の間を抜けてく道で素晴らしい景色の連続

 山の上に着いた時点で12時半近かったけど、猛烈な速度で坂を駆け下りラス・エレリアスという町のスーパーに駆け込んだのは13時半ギリギリのタイミング。あと1分遅かったらシエスタ休憩でお店閉まるとこだった。

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 これだから小さな村は怖い

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 今日だけで3回もトンネル通ったな

 1本大きな山を抜けたことで地形的にも落ち着いたというべきか、平坦貴重な道が続く平野部が戻ってきた。別に地平線が見えるとかそういうワケではなくて、周辺はぐるっと山々が聳え立っているので地形的には盆地ということになるのだろう。夏場の暑さがキツそうだ。

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 途中大きな町を1つ抜けて

 盆地の東部から再び山道へと突入した辺りで本日終了とした。具体的には今日3本目のトンネルを抜けたちょっと先にある道路脇の未舗装路が良い感じに人来なさそうなポイントだったので。

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 山に落ちる夕日もいいよね

 特別意図したわけではないが本日の走行距離ジャスト100kmだった。キリの良い数字だし、今後100kmで走り終えた翌日には自分への小さなご褒美でも付けようかな?夕食に何か甘い物でも追加するとかさ。

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 でも明日は日曜日でスーパー軒並み閉まってるのだが

 2023年2月18日(土) 走行距離100km  累計126359km
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 スペイン28日目 野原〜マドリードから北西に393km地点  レストエリア

 朝の様相がテントやリアボックスに霜が張り付く寒さへと逆戻りしてしまった。非常に残念な結果であるが、そもそもこの辺の緯度は日本でいうところの北海道とかその辺り。そんな土地で標高500mを越える2月の山中というコンディションを考えればむしろ暖かいのだけれど。

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 広々とした野原での1泊

 防犯的に大丈夫なの?とか思われる方がいるかもだけど、このポイントはメイン道路から脇道に入り、その脇道から更に枝分かれした未舗装路を1km近く進み、その上で川を渡った場所にある辺鄙な場所なので。

 余談だが野宿するときの「人が来ないか」判断として、周辺にゴミが散らばってないかというのは気にしている。どんな国でもゴミをその場に捨てて引き上げる輩は居るもので、そうじゃなくても用を足した後のティシュだとか、不自然に整地された場所だとかそういう「人の痕跡」ってのは割と残っている。

 今回のポイントにはそういう「一般人が滞在して残した物」が一切なかったので、まず誰も来ないだろう!という確信があったのだ。

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 道路まで戻るの大変だったけど

 完全に山中を抜ける道となってしまい、町中も含めて平坦路というのがほとんど出てこない。スペインは主要道路を走っていれば、決して無理な斜度の道を出してくる国ではないのだが、何故か町中に入ると訳わからん斜度の坂道が出てきたりする。

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 無茶苦茶怖かったルーゴの町の坂を下り切った後

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 これは良い自転車道だな

 でも川沿いに進むかと思ったこのみちはごく僅か。私の走るN6号線はみるみる高度を上げていき、眼下に川が広がる景色を眺めつつ。マドリードへの道は険しく長い。

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 残り約500kmか〜

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 若い世代じゃこのネタ分かる人少ないのでは?

 サンティアゴ周辺のような細かなアップダウンはなくなり、1つ山を超えては谷間へと大下りをする・・・というパターンに切り替わったように思われる。個人的にはそういう道の方が楽しいし、頻繁にウェアの調節とかしないで済むから有り難い。

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 今日の1番高かった場所で793m

 マドリードの標高自体は650mとかそんな程度らしいので、もう素直にここから緩やかな下りで進ませてくれよ・・・と思ってしまう程度には疲労の色が濃い状況にある茶壺さん。

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 あっちの山には雪が積もってるしさ

 谷間にある町で食材購入し、そのまま町抜けてちょっと走った場所にレストエリア見つけたので、もう今日は走りません!とテント張って終了とした。ここ3日程こんなペースが続いてるけど、おかげさまでこれ以後も同様のペースだとフライト予約日の関係上、非常に困ることが判明した。

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 どこかの日で100kmくらい走っておきたいかも

 いやまぁ流石に乗り遅れることはないと思うけどさ。町に着いたら段ボールの調達からガタの来ている部品交換まで必要タスクは無数にあるんだよ。これだから飛行機ってのは嫌なんだ。

 2023年2月17日(金) 走行距離69km  累計126259km
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 スペイン27日目 O Burgoの町〜マドリードから西北西に433km地点  野原

 だんだん思い出してきてたが、スペインもまた野宿がしやすい都市部を離れれば森林が広がる国であった。おかげさまで人一人こない森の中での安眠を得られたのであり、ヨーロッパはこれが素晴らしい。

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 野宿のし易さと安全性な

 これまでの激走で多少時間的な余裕が見込めるようなったので、多少出発時刻を送らせて無理のない走行でマドリードまで走り切りたいところ。

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 いやいやこの辺はそんな寒くならないよ(2月で日中20度)

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 巡礼者用の東屋か

 そうなのだ。サンティアゴを抜けてカミーノ巡礼を終えたは良いが、この巡礼路自体はサンティアゴを抜けても続く・・・というか存在してるんだよね。私がその道を逆走してるだけで、サンティアゴに向かう人は沢山いる。

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 別にどうというワケじゃないけどさ

 カミーノ巡礼は「聖地であるサンティアゴへ向かう道」であるため、その道を逆走している形になる私の存在はどうなのか?とか思ったりしつつ走行している。普通に単なる自転車旅行者なのだけども。

 栓も無いこと気にしすぎだと思いつつ、お昼休憩を挟んで進むN547号線がアップダウンの連続で勘弁してほしい。恐らくはこの先スペインの内陸部へ進む限りこの山岳路から逃れられないのだと思うとゾッとする。

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 そんなこと思いつつ

 メリデというやや大きめの町を超えた場所にある川沿いの公園にて。このポイントは地図で発見した時から目を付けていた場所で、有り体にいえば「行水出来そうな公園だ」ということ。

 季節が夏であればとにかく見つけた水場で身体洗って汗を流す私だが、流石に今の季節では気軽に川へと飛び込むのは憚られるというか、まだ洒落にならない水温なので。

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 こういうコンディションを待っていた

 水は猛烈に冷たいが園内の無風&日中の強い日差しの下なら問題なく回復できる環境下。寒くてそれほど汗をかかないとはいえ連日シャワーを浴びれない中、実にリフレッシュできたひとときでしたよ本当に。

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 サッパリした後も走行は続く

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 ちょっと近未来っぽい

 時間的な余裕ができるということは、1日あたりの走行距離で無理しなくとも構わないという意味でもある。具体的には目安としている100kmを下回っても大丈夫ということで。

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 スペインは水分補給楽で良い

 今後しばらくは山岳路が続くということだけでなく、ある程度緩やかに走ってもフライト日に間に合うようゴールへと到着できると踏んでのペースを刻むと思われる。というか無理したら限界ギリギリの私の両足が死ぬ。

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 緩やかにいきましょう

 いや本当に大丈夫か?という不安を心の隅に抱えつつ、それでも私はマドリードを目指す。大量に購入したビールは別に到着できるか不安を紛らわすとかそういう物ではなくて、単純に飲みたいからのアイテムです。

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 でも今夜はワインもあるぜ

 2023年2月16日(木) 走行距離67km  累計126190km
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 スペイン26日目 ア セカの町〜マドリードから西北西に約480km  O Burgoの町

 ヨーロッパ入って以降、基本的に海岸線沿いを移動してきたこともありそれほど寒さに脅かされることはなかった。しかしこの周辺から徐々に山が姿を現し始めて徐々に夜間の冷え込みがキツくなっている気がする。

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 春の訪れとどちらが早いかな?

 カミーノにおける巡礼路というのは、サンティアゴの町を中心として放射状に様々なルートが広がっている。つまりサンティアゴの町へと近づくにつれて数々の道が集結することとなるワケで、やたらと貝殻標識が出てきたのもそのためか。

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 ステッカー貼られまくり

 スタート時点でサンティアゴの町まで50kmを切っており、上手くすればお昼の時点でゴールできると踏んでいたのだが。そんな上手くはいかないというか、平坦基調だった道路がいつの間にかアップダウンを繰り返しながら徐々に登っていく山道になってしまった。

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 いやコレはキツい

 というかそれ以上に私の疲労具合が強いのだと思われる。フライト予約日間に合うようにと満足に休息日も挟まず走り続けてきたワケだが、足への負担が少ない平坦路ならまだしも今日みたいなガチガチのアップダウンだと無理が効かない。

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 お昼前の到着は諦めた

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 やたら補給ポイントがあるな

 きっちりお昼休みで食事を済ませ、サンティアゴ町中へと突入する。地図で見たる分には気づかなかったが、このサンティアゴの町もまたアップダウンの連続する山中に据えられた都市。今日は朝からずっと坂道ばかり登り降りしてるなと思いつつ、狭い道路を縫うようにして町の中心部へ。

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 カミーノゴール地点となる大聖堂

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 どうもお疲れ様でした

 遥々歩いてきた巡礼者ではまた違った感想を持つのかもしれないが、別にヨーロッパにはよくある巨大な大聖堂と広場という印象だ。でも私はこのサンティアゴ大聖堂の広場の雰囲気が好きでついつい長居してしまった。

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 おそらくなのだが

 ここは地元民の通行路として多くの人が利用する日常の場所であると共に、カミーノ巡礼を終えた人たちがここで喜びの声を上げながら抱擁したり記念撮影してる特別な場所でもある。

 そうした日常と非日常の光景が混ざり合わさる景色が、私は何とも言えない良さだと思ったのではないか?そんなことを考えつつ、私自身も地元民に何回写真撮られたか分からんな。フルパッキンの自転車で来る人の方が珍しいのか?

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 ユーロヴェロの3号線でもあるみたい

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 多分2時間くらい滞在してた

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 すぐ隣にも立派な教会が 

 ここから更に西へ100kmほど移動した半島の先にフェステーラという町があり、そここそがカミーノにおける真のゴール地点だ!とか聞いていたが、満身創痍なのと寄り道してるとフライト日に間に合わない不安があるのでスルーだな。最後まで似非巡礼者だった茶壺さん。

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 ということで東へ向かいます

 ある程度町から離れないとマトモにテント張る場所もありゃしない・・・なんてことは全然なくて、むしろサンティアゴという町は割と小規模であるとすら思った。キリスト教における3大聖地の一角を担う割に謙虚だな。

 飛行場を超えた先の町にて食材購入し近くの山へと突入して本日終了。久しぶりにテント設営を空が明るいうちに終えて時間に追われることなくビールを飲む。

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 基本的に食事作りながらビール飲んでます

 巡礼も終えて私のスペイン走行も終盤戦。サブタイ後の現在地表示を示す基準都市に登場しつつ、いつまで経っても辿り着かないでいたマドリードの町へ、今度こそは向かいます。

 2023年2月15日(水) 走行距離69km  累計126123km
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 スペイン25日目 川原〜マドリードから西北西に約480km ア セカの町

 大きな川沿いなのが原因か、朝の冷え込みが強いしフライシートも水滴でびしょ濡れだ。最近この症状発生してなかったのであり、テント張る場所1つ取っても野宿地の選定というのは難しい。

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 でも川沿いだと色々便利なのだ

 経度という視点ではポルトガルと全く変わってないが、スペイン領に入ったので時差1時間が発生し8時の時点でようやく空が白み始める程度。スペイン人は夜遅いからね、時間設定でも朝を遅くしてるのかもしれん。

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 しばらく川沿いの道を走って

 トゥイという町から改めて北上開始。サンティアゴも射程圏内の距離なのか、やたらカミーノの象徴である貝殻マークの看板が出てくるようになったし、大きなザックを背負った巡礼者の姿も1日4〜5組くらいとこれまでの倍近く見かけるようになった。

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 錫杖杖ってどの国でもあるんだな

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 山と山の間を抜けるような道

 スペイン入って道路が格段に走りやすくなったのが嬉しい。ポルトガルは本当に道路事情がへっぽこな国で、サイクリスト的にはそれが国全体の印象を大きく下げる要因になったと感じるほど。いやまぁ基礎的なインフラレベルとかも低かったけどさ。最後まで紙を流せるトイレ出てこなかったし。

 お昼休憩済ませた後からフロントギアがアウター(重たいギア)に入らなくなる不具合が。どうしたものかと自転車止めてアレコレ調べて見た結果、クランクを留める特殊ネジが破損していたことが判明。

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 ここの部品が壊れたの初めてだ

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 こういう橋脚残してくれるの良いよね

 とりあえず他の箇所のネジを増し締めし、自転車ショップのある場所まで移動することに。自転車取り扱うお店は無数にあるのだが、しかしここはスペインである。午後からシエスタ休暇が始まってしまい、どこのお店も営業してないでやんの。

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 3時間も昼休みかよ

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 みんなカミーノだよ

 アホみたいに待ち続けても仕方ないのでこの周辺における大都市であるポンデべドラの町まで走ってしまう。ここで(3軒目のお店で)運良くシエスタ休みを取らないショップを見つけて代替え部品をセットしてもらった。

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 「料金?いらないよ」とのこと

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 近代的な雰囲気の橋

 お礼言って大都市脱出するともう森林地帯が出てくるのがスペインの良いところ。1本小さめの山を登った先にある町で食材買い込みテント張れそうな場所を探しながらのフィニッシュラン。

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 とか思っていたら景勝地見つけてしまったり

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 カミーノしてる人はこうしたポイントでスタンプ貰う

 こういうの見ると、本当にやってることはお遍路と変わらないな。宗教こそ違えど巡礼者に対するサービスとか証明書ってのは結局どこも似てくるのかもしれん。

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 スペインらしく生ハム摘みながらの夕食でした

 明日、カミーノ終着地であるサンティアゴの町に到着する予定。似非巡礼者だったけど割と感慨深い。

 2023年2月14日(火) 走行距離89km  累計126054km
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 2023年2月2日〜2月13日
 走行日数12日間
 累計走行距離951km(125009km〜125960km)

◎道路
 かなり悪いというか、残念な造りであると言わざるを得ない。いやまぁここがヨーロッパでなければ「割と良い」くらいの評価に落ち着くかもしれないが、腐っても西欧に位置する自転車先進国としては近隣諸国と比較するとガッカリするとしか言えないレベル。
 特に都市部の自転車道は担当者が全く自転車のことを理解してないとしか思えない酷い作りをしている上に、恐らく補習費用という概念がなかったようでガッタガタにヒビ割れている道も多い。自転車道自体も段差があって危ないわ、車道に沿って走ろうとすると普通に道路脇を走るより3倍信号待ちををする作りになっていたりと酷さが目立つ。
 主要道路且つ郊外の道だと割と側道が広い道もあってそちらを走るよう選べるのだが、それに安心してると側道が無いにも関わらず交通量は多いしエスケープ出来そうな道もない最悪な道を永遠走らされることもあるため油断ならない。正直ポルトガルの道路を走るのはかなりの部分でストレスが大きかったと言える。なお車両は右側通行。
 単純に大きな山がない割にアップダウンも多い土地で、しかも九十九折を作らず急斜面の厳しい坂道が多いことも問題だと思う。結果として自転車がゆるゆる走行することになるため車両が抜ききれず渋滞を作る要因にもなってしまいそれは申し訳ないと思うし、ちゃんと側道作れよ!とも思う。

◎治安
 それほど問題となるような雰囲気の悪い場所は無かったが、町中でも明らかに貧困を感じさせる住宅の割合が増えて、それに伴い町中におけるスラムとまではいかないけれど、ボロボロの家屋が立ち並ぶエリアを見ることが多かった気がする。
 私に声をかけてくる人も昼間っから酒瓶を抱えてるオッちゃんだとか、異国から来たであろう労働者の割合が増えて、まぁそれなりに緊張することもあった。なんだかんだ人の身なりは大切。
 ただしテント張ってて不安に思うような夜は1度もなかったのも事実。そもそもの人口が少ないというのもあるが、それだけ自然の割合が多く自転車で野営するのに向いてる土地だとは感じたな。

◎ビザ・出入国
 シェンゲン協定の範囲にあるためパスポートのチェックもなく出入国が可能である。もちろん陸路に関してのことではあるけども。
 スペインとは川で国境を設定している地域が多いようで、しかし国境となる橋は高速道路しかないポイントがまま存在するため自転車はフェリーで出入国することになるポイントが割と多い。余計な船代を出したくないのであれば国境付近の道路状況は要チェックが必要だ。

◎交通事情
 お粗末な道路に比べてドライバーの運転マナーは悪くない。ほとんどクラックションを鳴らされる事はなかったし、横断歩道で待っているとキチンと停車し先へと促してくれる親切さ。
 交差点のほとんどがラウンドアバウト方式で信号機における十字路は町中ですら少ないのだが、何故か普通の道の途中に信号機が設置されており、短時間だけ赤信号になるタイプをよく見かける。別に歩行者や車両がいるワケでもなし、道路が狭くて対面車両に注意する必要もない。本当に謎のタイミングで出てくる信号機が多く、私は「スピードの出し過ぎを赤信号で抑制してるのではないか?」とか考えてたけど真相は知らん。

◎特徴
 国の特徴とはちょっと違うがリスボンからサンティアゴまでのルートはカミーノと呼ばれるキリスト教における巡礼の道として有名なルートの1つであり、この道を走行したりしなかったりした。
 機転さえ見つければ曲がり角毎にルートを示す貝殻のマークが表記されており、あまり迷う事なく進めるカミーノだが、あくまでこの道は歩行者のために作られたルートであり自転車的には未舗装路だったり走りづらい道が多くて楽しめるものではない。
 道中には巡礼者ならば割安で宿泊できる巡礼宿等の宿泊施設もあるのだが、こっちは自転車だしテント持ってて野宿主体でやってる身としては旨味も薄く、結局道自体はほとんど走る事なくサンティアゴへと向かう結果となった。本気で自転車巡礼をしたいならば、自転車用の巡礼ルートというのも存在するらしいのでスマホアプリとかからDLし調べてみるのがオススメかと。200km以上移動した者には証明書も発行されるらしいですよ。興味なくてその辺調べてないけれど。

◎気候
 一部地中海性気候に属する地域ということもあり、冬の走行は雨が多いのではないかと心配したが杞憂に終わった。一応天気の悪かった日もあるけれど、雨は極々弱い程度にしか降ってこずバス停などの雨宿りできる場所が豊富にあったことも影響して困る事はなかった。
 2月の時点でポルトガルは既に春の気候となっており、日中の気温は20度近くまで上がったし山中の夜でもペットボトルの水がガチガチに凍りつくほど気温が下がることはなかった。むしろ恒常的に吹き続ける東からの風が冷たさを帯びており、割と強風となる日もあってかえの冷たさの方が印象に残っている。
 スペイン南部も含めむしろこの地域は冬の時期の方が旅行するのに都合が良いシーズンだと思われる。夏のヨーロッパ走行で3ヶ月経過してしまい、シェンゲン協定ルールのため西アフリカで3ヶ月待ちをし冬のアンダルシア&ポルトガル走行というのは、結果論だが理想的なシーズン走行ができてオススメだと言っておく。

◎言語
 ポルトガル語ですね。言語のバンド帯としてはスペイン語と非常に近いとされており、実際半分くらいは言葉が通じるともされている。少なくとも数字に関してはスペイン語を覚えていると何とか対処できる程度には近しい言葉かな。
 英語の通用率は半分程度のイメージで、商売人は割と英語話せる人が多かった一方で、その辺の住民とかだとポルトガル語オンリーとなり意思疎通には結構苦労することあ多かった。
 これはよく話題にもなるのだが、ポルトガル語の「オブリガード(ありがとう)」という単語は日本のありがとうと同じ音程だよねと言われるらしく、私も同じこと言われたけれど。どうかな〜?あんまりそんな気はしないんだけどな。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 キャンプ場すら利用てない完全野宿行だったので宿に関しては知らん。都市部をちょっとでも離れればそこら中に雑木林やれ森林地帯が広がってるので、野宿のポイント探すのに困ることはまず無い。2月のこの時期でも水が凍結することはない程度の気温であるため、テント泊でも困ることは少ないどころかむしろ今の時期の方が快適に過ごせるとすら思う。ポルトガルを走るなら夏より冬だ。
 なおWi-Fiはドイツ系スーパー(ALDIとLIDL)2店舗が共にFreeWi-Fi使えず、カルフールもポルトガルには出店してない模様。
 ということでポルトガルではGalpというガソスタ、CONTINENTEというスーパー、サンタンデールという銀行の3本柱でWi-Fi使わせてもらっていた。ただしGalpは南部地域でしかFreeWi-Fi使える店舗が無かったので、例えば北部地域のGalpスタンドは別の方針が示されているとかあっても不思議ではない。
 そうした施設がなくとも割と大きめの町で中央広場とか行けば普通に市内Wi-Fi拾うことができたりもする。先進国ってのはこういう所が便利だと思うし素晴らしい。

◎動物
 たとえ人里離れた山奥とかでもヤバそうな大型動物とかは出てこない感じ。時おり農地とかで馬やヤギ、羊を飼っていたりする姿を見かけたけれど、その回数も全体的に少なかったし動物に関してのイメージが薄い。
 身近なところで犬は割と攻撃的な奴が多く、しっかり敷地内でガードされてるから良いものの自転車を見かけるなり狂ったように叫びまくるアホ犬は結構たくさんいた。1度だけ野良犬だかに追いかけられたことがあったかな。
 2月だけど森林の中でテント張ってたら室内に複数匹の蚊が入っていたことがあり、冬の時期じゃなかったらその他の虫も合わせてもっと色々面倒であったことが想像できる。やはりポルトガルを走るのならば冬だ。

◎自転車店
 自転車人気の高さを窺えたのは割と小さな町でもしっかりとしたショップがあったりサイクルカフェのお店を見かけたことが理由。そうしたショップは細かな部品まで多種多様に販売されており、一般的なトラブルであればまず問題なく解決することが可能であると思われる。
 単純に交換部品を安く買い換えたいだけならば、デカトロンの自転車コーナーでチェーンなら10€くらい安価で入手できる。ヨーロッパは本当にデカトロンが便利でもうここばかり利用してしまうなマジで。
 タイヤに関してマラソンシリーズが陳列されているのは見かけなかったので、ポルトガル似てマラソンプラスが欲しいのならば事前に情報調べて取扱店を確信してから向かう方が良い。同じ西欧でもドイツやオーストリアみたいに「どこの店舗にもシュワルベ製品が!」ということはないので。

◎物価・食事
 様々な人から「ポルトガルはスペインよりもさらにもう一回り物価安くなる」と聞いてたので、私も期待してたのだが結論から言うとポルトガルは物価安くない。隣国スペインと比較するとむしろ高い。
 割と貧困具合の強い地域を見かけたので、所謂「人件費が安い系の国」としてレストランやサービス業関連の値段は下がるのかもしれないが、普通に流通している食材や物品に関しては間違いなくスペインのが安い。強いて挙げるなら魚介関係はポルトガルの方がお買い得だったかな。あとはケーキ。
 この予想と異なるギャップのせいで、ポルトガルではなるたけ無駄遣いしないでやり過ごそうと思って動いてたし、そのため食事内容に関しては普段より更に似たメニューが続く羽目になった。
 ポルトガルらしい食べ物って何かあったかな?と思って出てくるのがエッグタルトとポルトガルワイン2種類のみであるというのは流石に残念な気持ちになる。

◎総括
 割と辛口の感想が続いたポルトガルだが、大きな要因は隣国スペインに囲まれてるが故に「スペインと比較するとイマイチ」という評価になってしまう点がある。
 道路事情さえキチンと整備すれば物価もヨーロッパ全体では安い方だし、様々な建築物は一見の価値ある荘厳な建物が多く流石はかつての覇権国家!と唸らされるものがあるのも事実。
 でも個人的には整備もしないでボコボコな石畳の道は勘弁して欲しかったし、自転車のことを全然考慮に入れていない最悪なサイクリングロードとかも多くて残念なイメージが先行してしまうのは確かにある。
 なまじサイクリスト的には最西端であるロカ岬があるので黙っていても多くの大陸縦断系サイクリストがやってくるから自転車旅行に対して環境整備しなくても良いか!などと舐められているのではないか?私はポルトガルに対してそこらへん大いに反省してもらいたい。
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 ポルトガル12日目&スペイン24日目 キンタ・ド・セルケイラの町〜マドリードから西北西に455km地点 川原

 フライト予約してる関係で連日走り続ける日々を繰り返してきたけれど、予定的には「もう大丈夫」だと思える感じになってきたのでポルトガル走行終了記念に今日は半日のみの走行とする。

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 出発自体はかなり早め

 ちなみに私はかなり心配性な性質で、仮に何かトラブル発生して時間ロスが起きてもリカバリできる余裕を見込みつつの日程を立てて行動してる。その上で「もう日程的に大丈夫」と感じたということは、実際かなり余裕が見込まれる。

 とするとヨーロッパでの都市部じゃ野宿難しいし、どうやって時間調整しようかな・・・とか考え始めるのが私の良くないところであり、単にじっと滞在してるの苦手なのです。多動症ってあるけど私の親は割と本気でそれの心配していたらしい幼児期。

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 今も落ち着きがあるとは思ってないが

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 海岸線を望む道で北上を続ける

 自然の地形に国境が設定されるのは良くあることで、今回のポルトガル〜スペイン間にもミーニョ川が流れている。海岸線を走っているということは川の河口付近となるワケで、つまりは1番川幅が広がるポイント。

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 そんな場所にさ

 ポルトガルが自転車走行可能な橋をかけるワケないと思ってたのだがその通り。というか付近に渡し船みたいなフェリー船も見つからず、2国間の移動が随分不便だと思うの私だけなのか?

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 そのまま川沿いに15kmほど遡上

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 お、巡礼宿だ

 ようやく船着場に到着したが、地図見る限りもうちょい先へ進めば普通に橋があるみたいなのでそこまで移動。結局ヴィーラ・ ノーヴァ・デ・ セルヴェイラという、なっがい名前の町まで走って今日はほぼ終了。

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 適当に水場を見つけて洗濯して

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 別に町歩きをしたりはせず

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 そのままバーガーキングで充電&ネット

 今回かなり電子機器の充電品目多く、4〜5時間滞在した最初から最後まで常にコード繋ぎっぱなしだった事実。連日走行&野宿ばかり続くとこういう点で苦労するのだな。

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 ポルトガルでお世話になったスーパー

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 ということでスペイン再突入

 川を渡ったその先で早くも野営場所を探し始める茶壺さん。時差が1時間発生したこともあり、もう18時を過ぎているので早々にテント張れる場所を探さねば!なのである。

 幸いというかスペイン側は農地と森林ばかりが広がるド田舎地帯。むしろ都合の良いテント設営場所を選び始めて時間がかかってしまった程。

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 久しぶりに明るいうちにテント張れたわ

 ということで何だかんだスペインも3度目の走行である。ヨーロッパ主要国となるドイツ・フランス・スペインの3カ国に全て3回以上入国したことになるのだが、これはシェンゲン協定というクソルールが影響していることが大きな要因であり、決して私の意思ではないことをここに表明しておきます。

 2023年2月13日(月) 走行距離47km  累計125965km
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 ポルトガル11日目 アルコゼロの町〜リスボンから北に約330km キンタ・ド・セルケイラの町

 ちょっとした丘の上だからか早朝は風が非常に強かった。ちなみに海からの風ではなくて陸地から吹く東風。どうやらこの時期のスペイン南部・ポルトガルは決まって東風が吹くらしい。

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 やや雲が多くてスッキリしない天気

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 どもッス

 ポルトガルの大都市ポルトへ向かうが、既に都市圏内で交通量が多くて道は狭い。ここはちょっと回り道して海岸線にあるサイクリングロードを進むことにしようかと。

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 この道が非常に良かった

 残念な道やサイクルロードを造ってばかりのポルトガルだが、この道は幅広で無意味な段差もなく直ぐに道が途切れたりもしない。オマケに景色も抜群の快適路であり、日曜日ということもあって他にも無数のサイクリストやランナーの姿が。

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 需要があると整備にもしっかり予算が出るのか?

 町へ突入するため大きな川を越えねばならない地形だが、なかなか橋が出てこなかったり高速道路だったり。ちょっと褒めるとすぐ自転車に優しくない道に戻っちゃうんだポルトガルは。

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 バイクのイベントかと思われる

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 あの高さまで登らないと橋渡れないのかー

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 と思っていたら、下層部にも通路があった

 やっとこポルトの町に突入したのだが、私は特別この町で見たい場所とか興味がない。というかそもそも昨日まで名前も知らなかったレベルであり、多分ポルトガル第2の都市なのだけどそれすら自信ないという。

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 とりあえず鬼の坂道&石畳なのは分かった

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 多分有名な観光ポイントの大聖堂とかでしょう

 かつて覇権国家となった歴史もある一代大国ではあるが、その栄光時代はごく短くて現在では国土も10万平方kmに届かない程度。それでもこうした主要都市における建築物は当時の繁栄を現代に残すかのような荘厳さを見せており、ちゃんと下調べしてくればもっと楽しめたと思いますよ。

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 中央広場っぽい

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 ここもひたすら坂道の途中

 というかポルト坂ばかりでやってられん!早々に脱出することにして一路北を目指す。この国の大都市は何処も坂に塗れて自転車観光大変なのは何故だろう?

 やっぱり外敵から身を守るために有利な土地に居を構え、そこが都市へと成長した・・・みたいな理由なのかな?戦から逃れられない歴史の土地だし。

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 ポルトガル来てからエッグタルトばかり食べてる

 ポルトガル的にはバステイシュ・デ・ナタと言うらしいが、割と世界各国で見られるお菓子の1つ。もともとこの国が原産国であったと聞いてたこともあり、スーパーとかで見かけると思わず購入してしまう。

 ポルトガル入ってから計20個以上は食べたけど、全く飽きが来ることのない抜群に美味しい逸品です。1個50円位だし無限に食べれそう。 

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 日曜だからか自家製野菜売り場が目立つ

 思えば北部に移動するに従って農地でも根菜やブドウの木々が連なる光景が増えた。これは地中海性気候を抜けたということ示しており、そういえばポルトガルってワインの産地としても有名だもんね。雨が降る地域でないとワイン育てるのは難しいよ。

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 珍しい田舎道での渋滞も日曜市場への列

 休み入れずに走り続け、流石に身体が重たいことを感じる本日後半。せめて今日は早目の走行終了としてポルトガル最後の夜だしキャンプ場にでも泊まろうか・・・と考えていたのだが。

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 そんな甘くなかった

 何ということでしょう調べてたキャンプ施設は閉鎖しており、そこから野営場所探してフラフラ動き回る羽目になろうとは。何処かで水も補給しなくちゃ困るしさ、結局早いうちに終了するどころかこの国来てから1番遅い時間まで自転車漕いでたよ。

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 同じメニューに飽きたのでシチューにした

 食事終えたら日記書く気力もなくなってしまい、そのまま倒れるようにして就寝。そんで朝5時には目を覚ましてしまい、これ以上眠れそうにないのでこのタイミングで書き上げた。朝方人間じゃん。

 2023年2月12日(日) 走行距離97km  累計125918km
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 ポルトガル10日目 ミラの町〜リスボンから北に約260km アルコゼロの町

 地図上にもキャンプ地のマークが示されてる公園だが、明らかに長期間人の手が入ってない放棄された場所であることがよく分かる荒れ具合。野宿する自転車旅行者としてはむしろ都合が良いのだが、なんというか勿体ない。

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 まぁ小さな町だし需要がないのかもしれん

 町の中心部へと戻りメイン道路に沿って北上の続きである。流石に10日も走行を続けるとある程度その国の事情というかレベルも分かってくる所があり、有り体に言えばポルトガルはヨーロッパにおいて非常に残念な国である。

 道路レベルの低さもそうだが、ある程度大きな町でも通りを1本越えると廃墟が目立ったり雰囲気の良くない地区となったりするし、全体的にスペインと比較しても貧しさが目立つ。

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 今日は割と側道しっかりしてる道だ

 自転車的には町の中心部に入ると石畳の道へと変わるのが腹ただしいというか、走りにくいだけでなんのメリットもないこの道がポルトガルは多すぎるのが嫌だ。むしろ町の中心部だけなら我慢もできるが、ポルトガルは何故か道路脇の道をこの石畳で構成する悪癖があって、何なのさ?自転車が嫌がる段差のある石畳側道をわざわざ走れというのかい?

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 そういうところだぞ

 そんなワケで楽しい道や風光明媚な場所がありつつもポルトガルにおける走行は割とストレスが溜まる事も多かったりする。救いなのはドライバーの運転マナーが良いところ。ここら辺は流石のヨーロッパだと思うし、クラックションを鳴らしてくるようなアホ車両もほぼいない。

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 ナザレ以北は大分走りやすい道の割合が増えたけど

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 褒める点を挙げとくと、やたら休憩施設が沢山ある

 こうしたベンチやテーブルだけでなく、給水ポイントが併設されている事も多く旅行者的には非常にありがたい。カミーノを実施する巡礼者に対する配慮かな?とも思ったけれど、巡礼の道に指定されてないルートでも給水ポイント無数にあるもんな。

 今は真冬の時期なのでテント張る直前のタイミングで1度補給すればその日は十分なのだけど、夏の時期だとこれに助けられる旅行者は相当数いることが予想される。

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 何故こんなオブジェにした?

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 多分今夜はフェスティバルだな

 つくづくサイクリストでない旅行者には優しい国だなとクソみたいなサイクリングロードを見てると思ってしまう。いや比較対象が西欧諸国だからそう思うだけで、こうした道があるだけ立派だとも言えるのか。

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 とにかく側道しっかり作って欲しい

 お昼頃からペダルを踏み込むと異音がなる違和感が強くなり、気になって仕方ないので停車して駆動系のネジを締め直してみたり。

 それでも一向に症状改善する兆しが見えず、自転車ショップが見えたタイミングで問題を聞きに行ってみたのだが、ポルトガルの自転車ショップは土曜日午前中で営業終了する場所が大多数なのだとのこと。

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 仕方ないので自分でクランク外して整備してみる

 ちょっとビックリするほどクランク周辺に砂がこびり付いており、こうしたポイントの整備を疎か市にしていた自分自身に反省しつつ。綺麗に拭き取ってグリス塗ってみたら異音はなくなった。やはりキチンとした整備が自転車の調子を決める。

 大都市ポルトの都市圏に入ってしまい町と町とが途切れなくなってきた。整備諸々で時間食った事もあり、そろそろ走行終了したいのだけどテントを張れそうな場所がなかなか見つからない。

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 どうしよっかな

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 線路の脇を走っていたところ

 反対側に雑木林というか森林エリアが出てきたので、ぐるっと道回って小さな丘の上にテント張り終了とした。割と住宅街の近くだけど、まず人が来そうもない場所だし日も沈みかけのタイミングなので大丈夫でしょう。

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 とにかく肉食べて元気出さねば

 ガンガン北上してる関係で、一度は暖かくなってきた気候が逆戻りしないか不安な日々。緯度だけでいうならカミーノゴール地点であるサンティアゴの町は北海道と同じくらい高い場所なので。

 2023年2月11日(土) 走行距離88km  累計125821km
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 ポルトガル9日目 森林〜リスボンから北に約200km ミラの町

 それほど意識してる訳ではないが、ロカ岬から後は北に向かってキリスト教の聖地(の1つ)であるサンティアゴ・デ・コンポステーラという町に向かって走っている。この町は古くからキリスト教における聖地として存在しており、現代でも尚「巡礼の道」と評されてヨーロッパの各地からサンティアゴへ向けたルートが無数に存在する。

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 一般的に「カミーノ」と呼ばれるヤツ

 んでまぁ私も広義的にはサンティアゴを目指すカミーノを歩む人となるのだが、本来ならば巡礼者が携行するであろう証明書とかその手の類いは一切持っていない。ついでに言うと巡礼者用の安価に宿泊できる施設とかも色々あるのだが、やっぱり利用するつもりはない。

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 というのも

 そういう他者からの「やりました証明」と言うのはもう必要ないと感じているからで、私が納得する形でサンティアゴに辿り着ければそれでいいと思っているから。今なら日本のお遍路とかも同様の対処をするのだろうな。

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 この道を楽しむことこそが何より大切

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 やっぱり朝は波あるっぽい

 メイン道路ではない海岸線に並行して延びるこの道は、交通量が極小な割に風光明美でオマケに自転車道路も完備されてるなかなかのルート。強烈な横風を受け続けるのが問題だが、そこは道路の責任ではないし。

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 走ってて非常に楽しい

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 本日50km以上はこんな道が続いた

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 さてこの1枚

 欧州の至る所に存在する自転車道ことユーロヴェロ。この道自体は数十にも渡るのだけど、生えある第1号線はヨーロッパ最北のノールカップから最西端のロカ岬を結ぶルートとなっている。

 私は1人の自転車乗りとして、ユーロヴェロの1号線に北端から西端を結んだルートを設定していることに強い好感を覚えるというか、自転車乗りとして最初に示してくれる道がそこであることをとても嬉しく思わずにはいられない。

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 他にも無数に道はあるだろうに

 それほど走行率が高いわけでもなかろうこの道を1号線としているのだ。そこにはサイクリストとしての矜恃というか、確固たる新年を感じる。

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 そんな道を走ったり走らなかったりしつつ

 60km程でメイン道路に合流した後も側道しっかりしてる道だしストレスもなく良いペースを保って走り続ける。ポルトガルは全体的に北部の方が走りやすい道が多い気がするな。

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 まだ断言するには早いと思うが

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 ミラの町にて夕食のスーパー探す

 大手スーパーの1つは改装中であり、市内をぐるぐる回ってようやく買い物無事済ます。その足で町の郊外に位置する公園へと向かい、上手いこと箸を渡った先にあるキャンプエリアを発見す。 

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 見つけるまでに相当走り回ったけども

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 終わり良ければまぁよし 

 この調子で順調に走れれば、あと4〜5日程度でサンティアゴの町へと到着できると思われる。エセ巡礼者ではあるけども、こういう「道」を主体にしたポイントというのは世界的にも少ないのであり楽しんでいきたいところ。

 2023年2月10日(金) 走行距離121km  累計125733km
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