自転車ときどき世界1周

2024年07月

 インド56日目 パドゥムの町〜レーから西南西に115km地点 工事拠点跡地

 ラダック37日目。一昔前まで訪れるのも難しい土地とされてたザンスカール地方。現代でもそれなりに僻地ではあるが、インドの急速なインフラ整備のおかげでパドゥムの町はすこぶる快適だった。電気も24時間使えるし、どの時間帯でも熱々のシャワーを浴びれるほどに。

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 助かります

 さてそんなパドゥムだが、ここから南と北へ道が2つある。南下するとこれまた最近新設された山岳路を抜けて、5週間ほど前に通過したダルチャの町へと通じている道。

 これはこれで面白そうなルートだけど、ダルチャへ到着した後どうやっても1度走った道を再走してラダック走行終了することになり、何というか気分的な盛り上がりに欠ける。

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 ということで北上するルート行きます

 やっぱり知らない世界の奥へ奥へと突き進んでいくのはワクワク感と少しの怖さが混ざり合って、何とも言えない高揚感があると思うのだ。これは体験してしまうと病みつきになる。

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 かつてパドゥムへ行くにはこの道しかなかったらしい

 つまりザンスカールへ向かう主要道路となるのだが、その割には結構未舗装でガッタガタとなってる箇所が多い。割合的には8:2くらいの比率でアスファルト多めなのだけど。

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 10kmほど走ったところにあるサニの町

 ここには立派なゴンパがあって人気の観光地だと教わっていたが、ゴンパなんぞより草原ど真ん中に鎮座する仏像に目を奪われる。よく見れば周囲には幾つもテントが張られておりキャンプツアーの敷地としても利用されてる模様。

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 小川の向こうに

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 いかつい顔して座っておられます

 青空の下に見る仏像って本当好きだな。何とも言えない力強さを感じて素晴らしい。立派で荘厳な建物の中で仰々しく祀られてるより自然の中におわせられる姿の方が親近感あると思いませんか?

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 湖面に写った姿が良いよね

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 ついでにゴンパも見学す

 結構な数の車両が来ており人気のほどを感じさせる一方で、ここサニの町には食堂の1軒も存在しない。それどころか小さな個人商店が1軒ようやく営業してるだけという慎ましさ。これを見るとパドゥムの町は観光地だったのだなと改めて思う。

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 その後も小さな村が点々と出てくるが

 僅かにホームステイとして宿泊施設が見られるのみ。外から人がやってこないような僻地の上に最近までアクセスが猛烈に悪く車以外の通行車両などほぼいなかったのだろう。そのためこうした途中の村々でストップするような旅行者の需要がなかったことが商業施設皆無の原因だと想像する。

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 何年か後にはもっと色々な施設ができてるかも

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 食堂もないためお昼はここで食べることに

 すごく勝手な意見だが、こうしてインフラが整い便利になってしまうとここの村々に住む牧歌的な人たちも段々と旅行者スレしてしまうのだろうなぁ・・・とか思ったりする。

 それを体現するかのように子供たちが自転車見かけた途端に「何かちょうだい」的な言葉を発しながら手を出して追いかけられた一幕があった。諸行無常か、仏教圏の土地だけに。

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 上手いこと言ったつもり

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 50kmほど走った場所に地図記載されてない食堂が

 せっかくなのでひと休憩してから先へと進む。というのも調べた限りでパドゥムから70kmほどの距離にポツリと食堂があるようなので、今日のゴール地点はそこにしようと考えていたから。

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 しかしその考えは甘かった

 先ほどの食堂とは逆パターンで、つまり地図表記されてるものの実際行ってみたら何もなかったというね。いやまぁ何もなかったというか、既に使われなくなって久しい雰囲気の道路工事で寝泊りするためのプレハブ小屋が廃墟になって残されてましたが。

 こりゃ夕食は自炊するしかないと慌てて近場の水を探す。今日1日ずっと脇を流れてた川は土砂を大量に含んでいるのか灰色で飲めそうにない水のため、飲んでも平気そうな綺麗な水が流れる小川見つけるのに大分手間取った。

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 廃墟の1つをお借りして夕食

 峠の手前に位置する場所なのだが、山からの吹き下ろした風なのか結構な轟音が鳴り響いてドアをガタガタ鳴らすためビビる。間違いなく周囲に人がいない環境の方が物音すると怖いんだよね。ホラー映画的な怖さに通ずる気がする。

 2024年7月22日(月) 走行距離73km 累計153886km
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 インド55日目 食堂裏〜レーから南西に約100km パドゥムの町

 ラダック36日目。地面が横に向けて微妙に傾斜しており寝心地悪かった夜。普段はこの失敗しないためにテント設営時一旦横になって傾き具合を確かめるのだが、昨日は疲れ切ってて省略してしもうたのが悪い。

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 基本的なことはサボらずやるべきという教訓

 ということで本日はザンスカール川を伝ってこの地方における最大都市パドゥムの町を目指す。ザンスカール自体が現代に残る秘境みたいな土地のため、その中心都市といっても大したことないのが想像できるが今の私は人口1000人でも「大都会だ・・・」と感動できる自信がある。

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 限界集落みたいな村ばかり通ってきたので

 さてザンスカール川。ラダックでは様々な谷底を通る川沿いルートを走ってきたが、ここの道はもう限界を超えてる感じで道が構成されており、走ってる本人としても「ちょっとあり得なくないか?」と思ってしまう。

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 だってさ

 両側に立つ崖がほぼ垂直状態な上に川幅が狭くて道を造るだけの余裕がない。アルファベットの「VとかU」みたいな形してるイメージで、所々で道を通すだけの幅が確保できずに崖をくり抜いた形で無理矢理開通させている。

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 通行する分には絵になるし面白いが

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 恐ろしく危険な工事だったと想像する

 それを象徴するかのように幾つか慰霊碑が建てられており、落石によって亡くなった方を弔う文言が記されていた。今年も新しい道が開通された訳だが、ザンスカールに道路を通すということはそれだけ危険が伴う一大作業ということなのだろう。

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 自転車で走るだけでも大変だし

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 ちょっと大きな車両は天井ぶつけそう

 ときどきギュッと狭いポイントで急斜度の上り坂が出てきたり、突然地面が砂地になって自転車埋れて押して進むことになったりと、地面の状態だけならザンスカールで1番厳しいのだが。誰だよザンスカール残りはもう楽勝だぜ!とか言ったやつ。

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 言ってない

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 狭い通路から道幅が広がった

 この写真の直前で大人数で工事作業していたのが印象深い。恐らくは道路を拡張させるための工事であり、つまりこの崖を切り崩して道を広げようとしてるワケだ。何というか凄いな人の力ってのは。

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 30km弱でアスファルトに切り替わる

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 キミ見たことないタイプのオブジェだね 

 この時点で露出している手も足も砂埃に塗れて真っ白だった。恐らく私の顔もそうだしロシナンテ号もあらゆる部分が砂だらけ。とりあえず見つけた水場で目立つ部分は洗っておいたが、またどこかのタイミングで整備作業しなくては。

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 このザングラという町に

 食堂があると地図に出てたが真っ赤な嘘だった。こんなことなら20kmほど手前にあったテント食堂で食事しとけば良かったなと思いつつ、手持ちの携行食のみでこのままパドゥムを目指すことに。

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 この後も2つほど町はあったが食堂はなく

 ラダックはこうした「ホームステイはあるけど食事できる場所はない」という自力で移動してる旅行者に対して厳しい地域が多い印象だ。それで困るのは主にサイクリストのみなので問題が表面化しない気もするが。

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 今回の空腹具合は相当激しくて

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 もうパドゥムの町が見えた時の嬉しさといったら凄かった

 とりあえず食事し落ち着いてから宿を探す。町の中心部である十字路から各方向に宿泊施設があるようで、適当に南側のモスクの側にあったゲストハウスに投宿する。

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 路上靴直し屋がいたのでサンダル修理してもらったり

 これが流石というか普段自分でサンダル修理してる身としては、プロの手筈の鮮やかさに惚れ惚れしてしまう。壊れてる箇所だけ直してもらおうと思ってたけど、最終的にサンダル全体に補強入れてもらった。とても丁寧に仕事してくれたので、私にしては珍しく料金上乗せしてお支払いしたほど。

 そのまま夕食にしようとお店入ったら、昨日シンゲ峠で出会ったライダーの方と偶然再開する。お互いあの悪路を走ってきた同士なので話がとても楽しく酒もないのについ長話に。お互い事故ないようにと祈りつつ別れるのはラダックならではの気がするな。

 2024年7月21日(日) 走行距離77km 累計153813km
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 インド54日目 フォトクサールの町〜レーから西南西に69km地点 食堂裏

 ラダック35日目。恐らくザンスカール地方において今日が最も厳しい行程となる日。ということで私も気合を入れて6時前には起床し朝食作り始めることに。すぐ側の食堂利用しても良かったのだが、少しでも米の量を減らして荷物を軽くしようという目論見。

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 他に減らせるモノたくさんあるだろうに

 8時前には走り始めてグイグイ坂道登っていく。谷底の川を挟んで対岸には昨日訪問したフォトクサールの町が小さく見えるのが大変よろしい。

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 絵になる集落だと思う

 2〜300mほど登ると坂道は一旦落ち着き平坦どころかやや下り基調の道となる。山の中腹に造られた崖となってる狭い道を伝って奥へ奥へと進んでいく模様。

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 この辺も絶賛工事中のようで

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 ザンスカールでは初の川渡りもした

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 割と走りやすい

 10kmほど走ると奥から手前に流れてくる別の川があり、どうやらこの川を渡ったところで本格的なヒルクライムとなる模様。なんか昨日と似たような感じだな。

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 ここからつづら折れとなるのも同じだし

 ただ異なる点は今回のシンゲ・ラ(シンゲ峠)の方が標高が200mほど高いことと、全体的に斜度が厳しい点が挙げられる。ザッと計算してみたら平均6%強で、一般的なサイクリストなら問題なく登れる角度だし私自身もその程度ならフルパッキンだろうとまぁ大丈夫。

 ただ5000mに近い標高だと僅かな斜度の違いが如実に高負荷となって襲い掛かるというのが最近分かって来たのであり、このレベルの標高では斜度マックス5%まででお願いしたい。

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 と思っていたけれど

 途中から新設のアスファルトに路面が切り替わる。アスファルトならば話は別で、私もイケイケどんどんやっちゃるぜ!というか単純に未舗装と比べてパワー3割減で登れてる感じ。

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 流石にヤクよりは移動速度速いと思われる

 経験的にアスファルトで5%の斜度なら5500mまでは乗車して走れる気がする。その辺からは如何に身体の高度順応具合が良くて低酸素でもパワー発揮できるか?という勝負になるのかなと思う。

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 いやまぁこの辺でも高度順応してないと厳しいとは思うが

 自転車乗りはその辺の意識が薄いというか気軽に考えてる節があって、旅行用自転車では1日に走れる距離も登れる標高も限界があり、他の乗り物と比べて移動ペースが遅いため否が応でも身体が高度に順応していくものだ・・・くらいに考えている。

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 実際昨日より今日の方が心肺楽な気がする

 山頂直前で声をかけられたライダーが日本人で驚いた一幕がありつつも12時半に無事シンゲ峠登頂する。5000mには僅かに届かない4955mらしいが十分楽しい山だった。

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 車両が少ないのが素晴らしい

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 ここの峠も展望が抜群

 山頂の脇に避難小屋っぽいのがあり、ちょうど良いので建物風下にて昼食休憩。寒かったら多少でも標高下げてから食事にするところだが、天気が良くて風を遮れれば5000mでもTシャツ1枚で問題ないのが7月のラダック。

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 避難小屋の中にはマニ車が

 そんで下り坂が始まったのは良いのだが、即アスファルトが無くなり未舗装ダートへ逆戻り。上り坂舗装されてて楽な方が良いのは間違いないが、下りが未舗装というのもそれはそれでキツい。

 体力面では楽できても、一瞬たりとも気を抜けない集中力と必要以上にブレーキ握りっぱなしとなるので握力及び手全体が痛くて仕方ない。

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 ノロノロと下っていく

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 この辺の景色がもう抜群だった

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 最高だわ 

 手を休めるのもあって少々進んでは停車し写真撮るのを繰り返す。先ほどまで同じくらいの高さに聳え立ってた山々がどんどん見上げるような高さに変化していく様がたまらなく面白い。

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 ここの分かれ道は

 どちらへ進んでも最終的に合流して同じルートに戻るのだが、右折するとリングシェッドというゴンパで有名な村へ寄り道できるらしい。ルート考える際に「行ってみようかな・・・」とも思ったが、更に激しいアップダウンと町への分岐路から700mの急坂と聞いて止めた。満身創痍ですよ私は。

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 ということで左折してザンスカール川に降りるルートへ

 しかしこっちのルートも一筋縄ではいかないというか、もう無茶苦茶な急斜度の下り坂で怖さが先に立つレベル。徐々にブレーキの効きが悪くなって来たので「もしかして・・・」とリムを触ってみたらものスゴい熱持ってたので急遽ストップ。

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 熱が覚めるまで待機中

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 凄い場所に村があるな

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 というかよくこんな崖に道を造ったな

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 この道が今年造られた新道らしい

 シンゲ峠から2000m近く下ってようやくザンスカール川沿いに到着した。ここから先は川を伝って進む道となるためそこまで厳しい坂道は出てこないだろうし、町へと向かうのでそのうちダートも完全にアスファルトへと切り替わるだろう。

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 とりあえず出てきたテントレストランにて夕食

 キャンプするなら良い場所があるよ!と従業員の子に連れられて100mほど離れた丘の上にテント設営す。この時点で18時だったのでなんだかんだ早めに出発しといて正解だったな。

 とりあえずザンスカール地方における核心部を無事通過できたのであり、しかし気を緩めるにはまだ早すぎるラダック。ザンスカールはまだまだ続くんじゃ。

 2024年7月20日(土) 走行距離54km 累計153736km
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 インド53日目 道路工事会社〜レーから西に約70km フォトクサールの町

 ラダック34日目。風の心配が要らないテント泊は思った以上に快適であり、しかしながら朝6時頃には物音がうるさく目を覚ます。どうもこの施設では電気が利用できる時間帯が決まっており、昨夜も22時半を過ぎたら一斉に全ての電気がシャットダウンされてた。

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 んで6時ごろから数時間ほど電気が使えるらしい

 このためスマホ充電のため室内のコンセントへ何人もやって来てるのが物音の正体だ。こんなラダックの山奥でもスマホの支配から逃れられないのかと思うと複雑な気持ちだ。娯楽もなさそうな場所だし仕方ないとも思うけど。

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 準備進ませて朝食も頂いてます

 しかもお代わり2回もさせて貰いエネルギー充填バッチリの状態に。今日から厳しい峠越えが始まるのでしっかり朝食食べることが出来たことはとてもありがたい。

 親切にしてくれた皆様にお礼言って出発する。スタートの標高が3800m位なので、峠までザックリ1000mアップのヒルクライム予定。普段なら何ということはない(ある)獲得標高だけど、今回は全工程が未舗装路とあってなかなか手強そうだ。

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 昨日行こうと思ってたテント食堂

 日差しが差し込むと暑くて仕方ないと思ってしまう。この時期のラダックは標高5000m越えてなければTシャツ、ハーフパンツという夏スタイルの服装でも何ら問題ないほどに暖かいのは意外だった。

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 何ならヘルメットから汗が落ちてくる程

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 前半戦は割と直線的な感じに道が伸びてる

 オマケに乾燥してるのでやたらと喉が乾く。至る場所に川が流れている土地だけど、場所によっては雪解け水に多量の土砂が混じって飲めたものじゃない水もあるため「ラダックは何処でも水が飲める」というのは流石に間違い。

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 でもまぁ大体何処でも水飲んでるが

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 峠アタックの日に天気が良くなったの素直に嬉しい

 ザンスカールはそれほどライダーの人気が無いのか、このルートを走りたがるバイク乗りが少ないだけか?すれ違う車両の半分近くがバイクのイメージであるラダックにあって、出会う車両が車やトラックばかりというのは珍しい。

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 ここの川を通過したところで

 道のスタイルが一気に変わってつづら折れの連続となる。山頂まで直線距離ではもう2〜3kmしかないのだが、そこへ向けては急斜面しか存在しないため嫌でもジグザグの道を作るしかなかったのだろう。

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 見た目は大好きなんだけどな

 未舗装だけあって斜度や路面も安定しておらず、ちょいちょいガツンと登らせるポイントが出て来たりする。これが5000m越えてるとその一瞬でも全力使うと心配的に限界を超えてしまい、直後に動けなくなるほど苦しくなるのだが4000m代ではそうした心配必要ない。

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 やはり高度というのは身体に及ぼす影響大きい

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 ・・・という感じでシシ・ラ(シシ峠)到着

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 4823mとなかなかの標高に

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 山頂から両側の景色が見通せる展望の良い場所だ

 時刻も13時を過ぎており風が無い場所でサクッとお昼を済ませてダウンヒル開始。とはいえ未舗装路であるためスピードは出せないし、ガタガタ道を両手でしっかりホールドしつつブレーキも握りっぱなしで握力が。

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 なお下り途中に2組自転車旅行者と会った

 そのうち1組は女性2人組のサイクリストで珍しいなと思ったり。男女ペアの自転車旅行者は結構多いのだけど、女性のみでしかもインドという国を自転車旅行してるとはタフだよな。写真取らして貰えば良かったと後になって思うたり。

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 明日はあの峠を越える予定

 川を渡るために一気に標高下げまして、最下部付近に着いたの15時前。この辺が本日唯一の人家があるエリアのため、本日はこの側でキャンプする予定。

 時間あるので分かれ道の先にあるフォトクサールという村を見学しに行こうと思う。ザンスカールという僻地の中で、5000m近い峠の合間にある僅かな盆地で農地を耕し村自体は崖にへばり付くようにして存在してるという秘境。

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 2kmほど狭い道を進んでいくと村に出る

 10数軒の民家と幾つかのホームステイ施設があるのみで商店すら存在しないフォトクサール。とりあえず道路の最奥まで行ってみたら崖から飛び出すようにして鎮座してるゴンパがあった。

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 RPGなら重要アイテム隠されてるなこりゃ

 面白そうなので徒歩にて向かってみるも道中の道が土砂崩れで寸断されてて辿り着くことは出来ず。あんな場所にお寺作るからそういうことになるんだよ〜

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 仕方ない、戻るか

 町外れに小さなテント式食堂が存在しており、旅行者にとってこの地域でほぼ唯一の存在。特に移動距離を稼げない自転車にとっては確実にお世話になる施設と言える。

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 その割に値段も良心的 

 ということでここで夕食済ませ、側にあった草地が広がる傾斜の上手いこと並行になってる場所を探してテント設営。ラダックでは何度か「暗くなってから水攻め」パターンを受けているので、設営場所は相当慎重に吟味したつもり。

 今日も結構ハードな行程だったが、明日の方が峠までの距離も高さも厳しくなる予定。この1本をクリアすれば残りはそれほど難しくない道(のはず)なので、まぁ頑張りつつも楽しみましょう。

 2024年7月19日(金) 走行距離36km 累計153682km
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 インド52日目 アルチの町〜レーから西に69km地点 道路工事会社

 ラダック33日目。珍しく夜の間に1度も目を覚ますことがなかった。これは大抵の場合「めちゃくちゃ寝心地の良い場所だった」か「猛烈に疲れていた」かの2パターンが多いのだが、今回は後者なのであまり喜ばしくはない。

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 目を覚ましても30分くらい動けなかったし

 とりあえず長所は作らずテントを畳んで走行開始。3〜4kmほど先にレストランがあるようなのでそこまで移動し朝食にしようかと。

 インダス川渡って崖との間に造られた狭い道路を進んでいく。昨日もそうだったが、川を下っているのに上り坂が多いのは道路を通せる地形が少ないことが大きな原因なのだろう。それか道路設計者が自転車のこと嫌いかだ。

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 なお宛にしていた食堂はスルー

 というのもこの辺リゾートエリアのようで、アホみたいな高額料金のお店ばかり。結局ウレイトクポという村の食堂まで走り続けてようやく食事ができました。全然量足りなかったのは仕方ないか。

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 ラダック走ってるとすぐ痩せてしまう

 かなり強い向かい風が吹き付けるため全体的に標高下げてるはずなのに全然楽な気がしない。地形的に谷底ばかり走っているのもあり、風が集約してより強風になってるんじゃなかろうか?

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 10000フィート割った

 けれどもこの辺が本日標高最低ライン。というかザンスカール突入すれば再び標高爆上がりすること必死の状況なので、気持ちとしては「そこまで標高下げなくても良いんだよ・・・」という意識がないではない。上り坂大変だーとかのたまうクセに何と身勝手な。

 お昼には少々早いがこの地域ではかなり大きな町であるカルトセの町に着いたのでお昼休憩。何ならご飯の前にケーキ屋見つけてパクついてたりするが、それでもお腹は全然膨れた気がしない。常に空腹を感じてるのが自転車旅行者。

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 今日はトゥクパじゃなくてゼントゥクという料理

 先日レーのレストランで食べた際にとても美味しかった故の注文で、具体的には山梨名物ほうとうの極太麺をぶつ切りにしてあるようなメニュー。私はこんなに麺料理好きだったかな?と自問するくらいには毎日麺食べてる。

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 カルトセの町を抜けた辺りで分岐がある

 私は南のザンスカール地方へ行くので左折するが、インダス川に沿って進む右折ルートも非常に素晴らしい景色が見られる道として有名らしい。数年前は許可証がないと入れない地域の1つだったらしいが、現在はどうなんだろ?流石に自分が行かない場所のまで事細かく調べてないのでよく分からん。

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 インダス川もこれが見納めかな?

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 その後一気に急峻な谷に変わった

 写真で見る限りは岩や崖をくり抜いて作られた道ってワクワクするのだけど、自分で走るとなると不安定なガレの下を通過するのは結構怖い。仮に瓦礫が落ちてこようと速度の遅い自転車はスピード上げて逃げるとかできないのでビクビクしながら通過してる感がある。

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 ここのゴンパ脇が

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 ザンスカールへ突入するもう1本の道

 町で言うとラマユルという町の手前に位置する分岐であり、ここから5kmほど直進すればラマユルの町に到着する。ここから主要道外れて僻地となるため、1度ラマユルの町まで行って買い物と「ムーンランド」と呼ばれる月面のような世界が広がるエリアを見学しようか迷ったのだけど。

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 疲れてるのとえっぐい上り坂で止めた

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 素直にザンスカール突入だ

 そもそもこれを見越してカトルセの町で買い物済ませている茶壺さん。早いタイミングで食材積みすぎると重量マシマシで上り坂困窮するためなかなか判断に迷う事項なのだが、まぁ基本的には「備えあれば憂いなし」の精神で活動してます。本当です。

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 一気に交通量が減って快適に

 ここからジワジワと登りが続くのだけど、アスファルトが続いてるうちは問題ない。一体どのタイミングで未舗装路に変わるのか、そこが最も需要なポイントだ。

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 しかし凄い土地に町があるな

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 写真縦にしないと収まらない

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 商店で休憩してたらバター茶もらった

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 この辺は進行方向変わって追い風に

 一応本日のゴール地点と考えていたハヌパタの町まで残り10km弱のポイントで路面が未舗装へと切り替わった。途端にガタ落ちするペース、激増する疲労感。ここからがザンスカールの本番というワケだ。

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 まぁ走りやすい方の未舗装だけど

 割と斜度が厳しくギアを最軽にしても自転車乗って走るのギリギリというレベル。かなり頑張ってハヌパタの町に到着したのは良いが、どうも町中にレストランがないっぽいのだが。

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 地元民には「食堂あるよ」と言われたのだけど

 まぁそれならそれでハヌパタから3〜4km離れた場所にテント食堂があることを確認済みだ。本日の夕食はこちらで摂ることにしようともうちょっとだけ走行延長す。

 ところが途中に出てきたのは道路工事会社の臨時拠点地。この道もガンガン道路工事が実施されてる場所の1つであり、そうした工事に出かけるための仮宿舎等の施設とのこと。

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 そこで色々話してるうちに

 使っていない建物内にテント張らせてもらえることとなり、オマケに夕食は社員の皆様とご一緒して頂くこととなった。何ならウイスキーまで一緒に飲んでおり、日記書いてる現時点で大分ご機嫌な状態。

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 TVで音楽流れて踊り始めるインド人

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 クスクスに似た細かいパスタ系の料理でダリアという名前

 お腹いっぱい食べさせてもらい、何ならこの後近くでキャンプしていたイスラエル人グループにもお呼ばれして2度目の夕食とウイスキーを貰っている。こりゃ今夜はあっという間に眠れそうだ。

 2024年7月18日(木) 走行距離76km 累計153646km
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 インド51日目 レーの町〜レーから西に約40km アルチの町

 ラダック32日目。かなり長逗留したレーの町だが本日より走行再会としたい。レーの町を起点に南部・東部地域は大体満足できる感じに走れたし北側はパキスタンとの国境地帯でそれほど道が存在しない。

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 お世話になったオーナーと

 ということでレーの西側に広がるザンスカールという地域へ向かおうと思う。調べた限り今回は5000mを越えるような凄まじい峠は出てこない土地らしいので、多少は楽して走れると思います多分ね。

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 それでは出発

 前回レーの町を出る際はスタートからそのままカルドゥン峠のヒルクライムだったけど、今回は進行方向が真逆でありつまりスタートから爽快な下り坂。幸先良いじゃないですか。

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 このまま下りばかりだと楽なのだけど

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 軍隊の基地が続く

 結構長い距離下ったように思ったが、標高的には3000mを割ることなく上り坂へと転じてしもうた。地図で見た限りインダス川に沿うようにして下流方向へ延びるなのだから、川の水が重力に逆らわない限りは並行する道路も下り坂だと思うのだが。

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 そんな上手く行かないのがラダック

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 バンジージャンプは1度体験してみたいと思ってるタイプ

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 やたら攻撃性の高い植物だな

 中心部でないため大分マシだったレーでの交通状況だが、それでも悪辣な運転に狂ったように鳴らしまくるクラックションには辟易していた茶壺さん。こうして町から離れて2時間もすれば交通量は激減し、受ける印象も随分変わってくるのだけど。

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 自転車も割といる

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 峠を越えて下り坂の途中でインダス川と再会

 そのまま坂を下って行くとお出ましするのはザンスカール川。ここで2つの川が合流するのだが、川の色合いが全然違うため、ドッキングポイントで綺麗な境界線が発生しており面白いビュースポットとなっている。

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 当初はこのザンスカール川(右の川)を登って行こうと考えてた

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 せっかくなので川べりまで来てみたり

 分かれ道にも「現在工事中なのでこの道は通り抜けできない」と注意看板があったが、道自体は既に開通しているため隙間を通り抜けして進める自転車ならば多分通過できると思う・・・というのが複数の地元民から聞いた話。

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 どうせ来年になれば完全開通してると思うが

 私自身はこの道使わずもうちょいインダス川沿いルートを進む。目指す分岐路はラマユルという町の手前にあり、そこからザンスカールの山奥へ突入する腹積り。

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 この辺はまだしっかりした町の景色だけど

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 そのうちトゥクパも食べれなくなるのかな?

 ザンスカール分岐地点ことニーモの町を過ぎて暫くすると本日2度目の上り坂。どうしてインダス川のすぐ隣に道路を作らないのか!と思ったりもするけれど、さっき凄まじい崖の下を流れているインダス川見ちゃったから「まぁ仕方ないわな・・・」とは思う。

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 急斜度ではないけど思ったよりガッツリ登る

 結局レーの町とほぼ同じ3500mまで登らされてフィニッシュ。余裕があったら山頂付近にある分岐を更に登ってリキルという村のゴンパでも見に行こうかと思ってたけど、そんな余裕はありません。

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 走行再会初日からハードだ

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 楽しいけどさ

 3度ガッツリ下ってインダス川に戻って来たのがサスプルという町の手前。ここからインダス川を渡った向こう側のアルチという町のゴンパがとても素晴らしいと聞いていたので行ってみようかなと思う。ここがあるからリキルゴンパには消極的だったというのはある。

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 見学したらそのまま野宿すれば良いし

 素直に道路を進んでいくと、どん詰まりにぶち当たり更に狭い路地を抜けた先にゴンパがある。土産物屋が軒を連ねているし観光客も割と多くて相当な人気があるのを感じさせるゴンパなのだが、例によって寺の中は写真撮影禁止。

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 しかも入場料も100ルピーとデムチョクゴンパの2.5倍

 でもここの展示物は凄かった。壁一面に描かれた何千体もの仏像の絵を背景に鎮座するオブジェはそここによく分からん謎の生き物が姿を見せつつも、それが重なり合って複雑怪奇さと荘厳さが現れている。

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 6つのお寺をそれぞれ見て周った後のインダス川ビューポイント

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 マニ車がお寺の敷地をぐるっと囲んでいる

 見学終えてそのまま食堂にて夕食済ませ、帰り道の途中で見つけた廃墟の敷地にテント張り終了したのは18時半。この時間になっても風がなかなか収まらずテント設営苦労したのだが、建物内にテント張らなかったのは廃墟の壁がスカスカでむしろ外より風が通る構造となっていたため。

 何とか設営終えたテントの中に入って一息つくと「ラダックの土地を走ってるんだなぁ」という感慨が湧いて、野宿もなかなか悪くないなと思ったりするのです。

 2024年7月17日(水) 走行距離75km 累計153570km
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 インド49・50日目 レーの町

 ラダック30・31日目。体力的には回復したものの、今後のルートを考えるとレー滞在中に幾つか済ませておきたい事項があるためもう暫くレーの町でのアレコレが続く。

 ・・・といってもやってる事は地味なPC作業がほとんどなので、それほどブログに書き残す程のことでもない。現在この宿には3名の自転車旅行者が滞在しており、オーナーも自転車好きであるためすこぶる居心地良いのもあってつい長居している・・・というのも間違ってはいないし。

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 ここで新しいマットレス購入しようと考えてたけど

 ここの商品はR値低い製品しか取り扱い品ないから止めといた方が良いぜ!とかアドバイス貰ったりと、やや濃い目のアウトドア会話が繰り広げられてる我が宿ことBunk Central Hostel。

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 地下室には卓球台もあれば

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 シアタールームとなってて映画も観れる

 イタリア人サイクリストのニコロが今日もオススメのレストラン見つけてきて「良かったら一緒に行かないか?」と誘われたので同行する。彼は彼で午前中には街中へ行ってしまい自転車の修理や買い物等で精力的に動き回っており、あまり宿から外に出ずいる私からすると「精力的で凄いなぁ」という気持ちになる。

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 本屋はやっぱりチベット仏教関係が多い

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 今日の晩御飯

 ラダックでの伝統料理を提供するお店ということで、散々この土地の僻地を走り回った身としては「食べ飽きてる料理しか無いのでは?」と疑念を呈するかと一瞬思ったが、そんな心配要らない。

 ちゃんとメニューに来歴と共に料理の内容まで記載されていて、昨日の焼肉とはまた別の感じで満足度高い店だった。胃袋だけでなく精神も満たされて宿に帰還。


 そこでもう1人のサイクリストであるロイが「プレゼントだよ」と渡してくれた物が何と私の名前入りのTシャツで驚いた。つまりこれはわざわざ商品受注して作った貴重な一品物ということだ。


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 だから名前のスペルや服のサイズを聞いてたのか


 これは本当に無茶苦茶嬉しいのであり、大切に使わせてもらいます。具体的には明後日出発の日から積極的に。



 翌日。一通り作業にもカタがついたというか、向こう方の連絡待ちという状況になったため再出発の準備で食材購入したり現金の引き出ししてトラブルに備えたり。

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 それとニコロの自転車が不備あるとのことで

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 整備作業を少々手伝ったりとかも

 ラダック突入してから気付いたのだがインドはコーヒー関連製品の取り扱いが悪いというか充実していない。有り体に言えばお茶関連は充実しててもコーヒー関連はさっぱりだと思う。

 特に困ったのがドリップ用の紙フィルターが何処の店に行っても無いことで、現在使ってるフィルターもいよいよ残り2枚となっていた。

 ここ何日も紙フィルターを探して様々なお店を確認したがどうにもならず代替品として茶こしみたいな製品をゲットし、これでコーヒー挿れることに。

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 一応普通に飲めるな

 味噌とか蕎麦とか割と入手難しい日本独特の商品はそこそこ見かける一方で、個人的には世界的にスタンダードだと思う紙フィルターは影も形もなかったり。国の違いというのは文化の違い。インド人がドリップコーヒーに対して興味がないことを何となく感じつつ、レー最後の夜を迎えて明日からはザンスカール編のスタートだ。

 2024年7月15日(月) 走行距離10km 累計153486km
 2024年7月16日(火) 走行距離 9km 累計153495km
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 インド46〜48日目 レーの町

 ラダック27〜29日目。休息日。本当に疲れ切っているのもありとりあえず寝てた。オーナーが朝食をお出ししてくれて8時過ぎには起きたのだけど、食後は再び寝てた。

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 広い部屋にゲストも2人だけ

 午後もずいぶん時間が経ってから「お腹が減った・・・」と動き出し、外に食事へ向かったくらいで本当に今日は何もしてないな。初めからそのつもりでいたので問題ないけどさ。

 市内中心部ではあまり姿を見なかったバーが幾つか営業しており「都市部じゃないと飲めないし!」とビールを頂く。何故かインド産のビールはアルコール度数が高くてそれほど美味しいと思わない銘柄が多く、値段も高いしで食指が伸びなかったのだが。

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 昨日は昨日で到着記念ビール飲んでるけれども

 名前がゴッドファーザーというのも良い。私はあの映画3部作をちゃんと全て見たことないので偉そうなこと言えないが、史上最高の映画と評されることもある作品だし1度通して視て見たいとは思ってる。

  ・・・その他に本日実施した行動はバリカンで自分の髪の毛を散髪して、厚物衣類一式を洗濯とかその程度。休息日なのだから仕方ない。

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 そんな感じで夕食はターリー食べて寝た


 翌日。しばらくレーの町に滞在するつもりだが、流石に今日からは少しづつ活動を始めたいと思う。具体的には自転車の整備作業をしなくては!

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 J&Kって「ジャンムーカシミール」地域を指してるのか!

 ちなみにラダックは案外地方の僻地でも複数の銀行やれATMがあって割と現金入手に苦労はしなかったが、本当に地方の田舎町だとこのJ&Kバンクしか存在しない。

 旅行者的には銀行やATMの違いは大した意味を成さないかに見えて、インドはATMの系列銀行によって現金引き出し手数料金が違ってくる国のため結構銀行の種類を気にしている。

 とかそんな感じでロシナンテ号の整備作業を実施。相当未舗装路走ったこともありクランクの内部まで砂がギッシリ詰まっており、今後のことを考えても整備作業は必須だったので。

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 これをやらないことには出発できん

 その作業中にデリーで会ったイタリア人サイクリストのニコロがやって来て久しぶりの再会をば。美味いタイミングで昨日彼から「今どこにいるの?」と連絡があり、こうして再開する事ができたワケだ。

 そのまま一緒に飯食べたりしつつお互いの走ったルートの情報交換。私も結構厳しい道を走ってきたと思ったけれど、ニコロも相当面白い道走ってて自分の中に新たなワクワクする感情が燃え上がるのを感じる。

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 宿のオーナーと3人で

 そんな感じで更に翌日。正直ラダック後半はもうちょい緩やかで楽に走れるルートで行こうと考えてたけど、私は再びラダックの凄まじい大自然を走りたいと思っている。こりゃしっかり情報収集して次の舞台に備えなくては。

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 飯も沢山食べて体重戻さねば 

 ・・・と考えてザンスカール地方の新道について調査を始めた私。というのもレーの町から西方面に広がるザンスカール地域は中心都市パダムへ行くのにも数百kmの未舗装路を渡るか歩いて向かう山中のトレッキングルート、それ以外だと冬季に凍りついてしまうザンスカール川を渡るくらいしかアクセス方法がなかったという凄まじい僻地。

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 ラダックヤバいな

 しかしここ数年の急速なインフラ整備でパダムへと向かうルートは飛躍的に増加した。以前通ったダルチャの町から通じる新道なんかもその1つ。

 そして2024年の夏にもう1つ新しい道が開通され、この道はチャダルロードというらしい。当初私はこの新道を走ってみようと考えていたのだが、ニコロ曰く「その道は開通したものの、今も工事が続いてて車両の通行は出来ないよ。自転車なら通してくれるかもしれないけど・・・」とのこと。

 ニコロが走ってきたのはこの谷底ルートじゃなくて、もう1つの2年ほど前にできた新道なのだがこちらはゴリゴリの山岳&未舗装路。でも確実に通過できるし見せてもらった写真は抜群に綺麗で心惹かれる物があり「やっぱり自転車旅行はワクワクする道走らなきゃね!」とアッサリ心変わりした茶壺さん。

 この絡みでもうちょい道路情報知りたくて、レーの街中にある日本人が経営する旅行代理店へ行ってみたり。

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 運よくザンスカール出身のご主人がおりまして

 日本語で色々詳しい話を聞かせてもらい、新たなルートを走る気持ちが固まってきた。道中の補給可能な場所や路面状態も心得た上で、ラダック地域における3度目の遠征も全力で臨むことになりそうだ。

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 夕食はニコロと中心街の韓国料理店へ

 彼は彼で精力的に活動しており「せっかく街に来たのだから、ちょっと値段張るけど美味しいレストラン行かないか?」とお店調べた上に予約作業までしてくれた。私1人だと旅行の最中に「ちょっと良いお店で美味しいもの食べる」という発想がなかなか湧いてこないのであり、こういうのは嬉しい機会。


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 インドで豚肉が食べれるチャンスは少ないし

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 焼肉なんてもうそれだけで滅茶苦茶嬉しい

 ということで柔らかなお肉を楽しみつつの肉祭り。自転車旅行車が2人なので量が足りないのは仕方ないとして、全身に電流走るほどの美味しさだったとお伝えしたい。もうちょっとだけレーでの滞在は続くんじゃ。

 2024年7月12日(金) 走行距離 0km 累計153461km
 2024年7月13日(土) 走行距離 0km 累計153461km
 2024年7月14日(日) 走行距離15km 累計153476km
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 インド45日目 ウプシの町〜戻ってきましたレーの町

 ラダック26日目。昨日くらいから明らかに疲労で身体が重たいと感じるが、今日中にレーへ到着できる見込みなのでそこまで走れりゃ問題ない。その後宿でのんびりしながら諸々の作業や予定は考えれば良いのだし。

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 この1本をしっかり走り切りましょう

 という意気込みとは裏腹にウプシの町へ戻って朝食摂りつつネット。昨日発見したFreeWi-Fiは恐らく宿泊施設のWi-Fi設定にロックをかけていないが故の状況で、私はこれにタダ乗りしている輩と表現することもできる。

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 ちゃんと食事注文してるのでまぁ

 ということで以前に走った道はレーまでラスト50km。3週間くらい前のことではあるが、流石に道や風景は走行してると「あぁ、こんなんだった」という感じで色々思い出す。

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 この坂の上でトラックが駐車していて邪魔だと思ったとか

 前回通った時には水が道路上に広がり冠水してたのに、今回は完璧にドライな道だったりと複数回走ることで色々見えてくるものがあるのは面白い。

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 前回寝泊りした中洲も

 全体的に土地が縮小されていて、つまりインダス川の水位が20日そこそこで全体的に上昇していることを意味する。ということはもっと上流にある水源からの水量が増えたということで、恐らくは7月に入って雪解けの水量が増しているのだと想像する。

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 そんなこと考えつつ

 主要道路に帰ってきたことで交通量が増えてドライバーに対するストレスも一気に増した。どうしてこうもインド人は自分勝手な運転しアホみたいにクラックションを鳴らしまくるのか?

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 レーの町というのも

 ラダック地方における中心都市なので拠点とするのに便利だから戻っているが、正直町中に入ると交通量の多さに加えて排ガスと騒音とゴミと臭いで好きな町とは言い難いのも事実。一般的なインドの都市と比べたら天国みたいな場所だけどさ。

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 ということで

 今回はレーの中心地へは向かわず周辺の住宅街にある安宿を探ってみたのだが、これが大当たり。朝のネット接続時に目星をつけていたBunk Central Hostelは2ヶ月前にオープンしたばかりの新築宿泊施設で料金安いのに無茶苦茶綺麗だし利用客も少ない。

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 オマケにオーナーが自転車好きときた

 チェックインしてシャワーに汚れ物の洗濯を済ませ、滞ってたブログ記事を一気にアップロード・・・したまでは良かったが、この辺で疲れが吹き出し以後何もする気力が出ない。

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 最後の気力振り絞った感じだったか 

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 とりあえず無事戻ってきた記念にビール

 地味にラダックの中心街では酒屋やバーといった施設が見つからず、そういった点でもちょい郊外にあるこのホステルは有難い限り。自転車があれば何か用事で中心街行くのも気楽なので、個人的にはこうしたダウンタウンからやや離れた宿というのは大歓迎。

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 近くに食堂等の施設は沢山あるし

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 中心街より物価も安い

 ということで暫くレーの町というか宿でゆっくり休もうかと思います。ハードな移動で減ってしまった体重も増やしたいし、数日食っちゃ寝の生活が続きそうな予感。

 2024年7月11日(木) 走行距離52km 累計153461km
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 インド44日目 チュマタンの町〜レーから南に約40km ウプシの町

 ラダック25日目。早朝「なんか寒い気がする・・・」と目を覚まして周囲確認してみたら、どこからともなく水が小川となってテントの下を通過していた。おいおいおいちょっと待て。

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 慌てて活動開始

 川の本流からはかなり離れた場所だし昨日の時点で水の流れがなかったことは確実で、私もびっくりの騒動である。とりあえず濡れてしまったテントとマットを干しつつ太陽が登る(崖に囲まれてるのでなかなか顔を出さない)のを待つ形に。

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 上着も濡れてしまい困ったなこりゃ

 幸いというかダメージを受けたのはほとんど直ぐに乾燥して回復する物ばかり。上着を除いて7時過ぎには荷物撤収完了し出発することに。

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 まぁどうにかなるでしょ

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 天気良いから上着は自転車にひっかけてる 

 昨日のチュマタンに戻って朝食済ます。どうせなら寒い思いした身体を温泉で温めたいが、2つしかない浴室は両方とも使用中だったので諦めた。もうちょいすれば気温も上がって暖かくなるし悔しくないよ。

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 では本格的に走行開始

 今日からレーに向けて本格的に標高下げていくのだが、その割には結構急斜度の登り返しが頻発するため楽に走れてる気がしない。常に向かい風が吹いてくるのも疲れを感じさせる要因の1つ。

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 疲れてるのも1つ

 でもこういう時ほどトラブルは発生しやすいものだと気を引き締めゆっくりと進んでいく。このまま進めば以前通ったレーマナリハイウェイ上にあるウプシの町へ合流する予定で、そこまで進めば後は1度走った勝手知ったる道。

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 とりあえず今日の目標はウプシだな

 しんどい気がする道だけど、基本的には下り坂の舗装路なので標高の割にやたらペースが速い。12時の時点で50km走ったのはラダック突入して初めてかもしれない。

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 写真だと似たような景色に見えてしまうの残念

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 昼食時に寝袋も一応干しておく

 この辺で既に富士山頂の標高を下回り空気も濃くなった気がするし、気温も上がって暑いほど。そういえば今は7月のど真ん中だった。ラダックじゃ暑くて25度が良いとこの気候なので。

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 花畑とか久しぶりに見た

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 何となく広い場所へ抜けるっぽい地形に見える

 まぁ私は距離計見てるから地図との兼ね合いで「そろそろウプシの町が見えるはず」くらいの予想はあったのだけど、それでも町が見えた瞬間というのは嬉しいものだ。

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 というか町が見えた瞬間は旅行中でも1・2を争うレベルで嬉しい

 とりあえず食堂に入ったところ、謎のFreeWi-Fiが飛んでいたため食事しつつネット。思ったよりもネット環境のない土地が続いたためブログも途切れていたし、親族友人と言った人たちに心配かけるのも申し訳ないので良かった。

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 ついでにブログの記事も1本上げておく

 さてこのまま前回野営したインダス川の中洲エリアまで移動しても良いのだが、あそこは雨降られてテント砂だらけにされた因縁ある場所。ということで今回はタンラン峠の方へ少々移動した所の川沿いにテント張ることにした。

 割と簡単に野営地見つかると思っていたが、意外と難航し空が薄暗くなり始めたタイミングでようやく完了す。とりあえず明日にはレーの町へ帰還だ、さて何食べようか?

 2024年7月10日(水) 走行距離101km 累計153409km
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