タジキスタン3日目 森林〜ドゥシャンベから北に約40km フショリの町
急峻な渓谷に位置する貴重な平坦の土地なのだが、普通に放棄されてる場所っぽい。町から数km離れてるとはいえ勿体ないことだと思いつつの朝。
その割に道路からのアクセス路がもう何年も使われておらずボロボロの雰囲気だったので。野営地を選定するときはこうした「最近このエリアを人が利用していないか?」という点に対して敏感になる。
首都のドゥシャンベに向かうにあって1番ハードと考えていたのが今日。タジキスタンの県境を跨ぐルートなのだが、その境というのが3000m級の山岳によって構成されてる自然県境なので。
地図で見る限り県境自体はトンネルを通る形で通過するみたいだが、それでも凡そ2700mちょいまで標高上げる必要がある。標高差だけなら約1500mアップなのだけど、昨日と同じく細かなアップダウンを挟んで進む道なので実際どの程度登っているのか見当がつかない。
別に私は苦しい思いをしたいワケじゃないし避けられるならば坂道は回避もしよう。でもそうした気持ちとは裏腹に、いざこんな景色の中をえんやこら登っていると「これこそが自転車旅行だ!」とすら思ってしまうほど幸福感があるのだ。
オマケにここのお昼休憩地点から少々進んだところで本格的な上り坂が始まった。今までは登らされてもその後に幾らか下り坂が挟まれてたので疲労の蓄積も少なかったが、ここから山頂まではひたすら上り坂が続く。短時間で標高稼げる計算になるけど山頂着くまで私の体力が持つかが心配だ。
湿度低いし標高上がって汗かきまくるといったことがなかったここ数日だが、強い不可を長時間かけ続けてるので滝の様な汗が出る。サングラスが汗で滲んで見えなくなるので取り外し、それでも目に汗が流れ込んでくる始末。
むしろパミールハイウェイ突入する前の前哨戦として良い上り坂のリハビリだ。カザフ・ウズベキスタンと全然ヒルクライムやって来なかったので、坂道の登り方忘れてるかもしれないので。
とりあえず自走できるのか近づいて様子を見ていたら、案の定というか係員に声かけられて「危ないから自転車で走っちゃ駄目」とのこと。なので車両にピックアップしてもらい通り抜けるようにしてくれとのこと。
全く英語が話せない人だったので最初はトンネル反対方向から警備の車両がやってくるのかな?とか思っていたが、どうも係員がその辺の車両を捕まえて交渉しているっぽい。
結局1時間弱かかってトラックの運ちゃんが運んでくれる手筈になり荷物一式載せてもらう。このとき荷物も運んでくれたりと親切にしてもらったのだが、今にして思えばこれが悪かった。
出口の脇で荷物下ろしてもらったの18時前。かなり遅くなってしまったのもあり焦っていたのだと思う。自転車に荷物積載してる最中にヘルメットにつけてたGo Proカメラが外れて無くなってることに気付いたものの、既にトラックは姿が見えないほど遠くへ。
最近接着力が弱くなっててちょっとした衝撃で外れやすくなっていたため、恐らくトラックに積み込んだ瞬間か走行中のガタガタで取れてしまったのだろう。自分で持ち運ぶ時は外れやすいの分かってるから慎重に取り扱いしてるけど、人様に任せて確認しなかったのがマズかった。
それに気を取られて大下りの集中力を切らすわけにはいかない。キチンと五体満足で家に帰るまでが自転車旅行だぞ。
25kmほど下ってようやくフショリの町に到着する。悔しいので今日くらいはビールを飲もうかな!と酒を探し回るのだけど、どうやらこの小さな村には酒類を販売してる店がない様子。仕方なく夕食にしたら外で雷伴う大雨が降ってきたり。
1時間ほど様子見てたら降り止んだのは店員の人がアドバイスくれたから。とりあえず20時すぎて真っ暗となったフショリの町をウロつきながらテント張れそうな場所を探すも難航する。
最終的に道路脇の建物跡地みたいな場所にテント設営しなんとか本日終了に。ビールの代わりにコーラ1ℓ買ったけど、全然酔えなくて自分の不注意を思い出しては反省する繰り返しとなってしまうのが辛い。茶壺さん根が真面目だから。
とりあえずカメラに関してはドゥシャンベ到着してから色々考えることにしたい。
2025年5月22日(木) 走行距離85km 累計169796km