第4部 天元突破!!北中米
〜俺の自転車は、世界を駆けるマシンだぁぁぁっ!〜 機内アナウンスの内容はさっぱり分からなかったが、目覚ましの代わりにはなった。時差がめまぐるしく変わっているので現在何時なのかも曖昧模糊なまま、とりあえず窓から外を見てみればアラスカの山々がそびえ立っていた。
現地の時間で朝の5時。無事にアンカレッジ空港へと到着した私の心境は、それはもう筆舌に尽くしがたいレベル。とりあえず映画と小説のせいで睡眠時間が減ってしまい、眠くて頭がボーッとする。
ずいぶん久しぶりの右側通行にも戸惑ったが、何より驚いたのは「アラスカが暖かい」ということ。私の勝手なイメージでしかないのだが、北極圏近いということもあるし年中寒いものだと思っていたぞ。
とりあえずフライト前に食料関係は全て処分(胃袋的に)してきたので、新たな食材を調達しないことには身動きとれやしない。アラスカに到着して最初に向かう目的地なんて、スーパー以外あるわけない。
政治的なことをブログでどうこう語るつもりは毛頭ないが、数日前にイギリスさんがやらかした関係で、一気に円高が進み旅行者の立場からいえば大助かりである。全ての商品がいきなり1割引きなったようなもんだし。
続いて向かうはアウトドアショップ。色々とヘタっていた道具があるのだが、オセアニアのアウトドアは品数少ないし多分アメリカならば値段が安い!という腹積りでここまで新調するのを渋っていたのだ。
いや想像してたよりずっと大都会なアラスカだアンカレッジ(州都はジュノー)。アラスカ自体がやや辺境の地だしとタカをくくっていたけれど、そこはアメリカなんでも揃ってるね。もらった地図によればアンカレッジ内の自転車店だけでも20店舗以上あるらしい。
日本人海外サイクリストの多くはここアンカレッジから出発するのだが、そういう人は運ぶ荷物を最小限にしてアンカレジでキャンプ道具を一揃い安く調達できるため、飛行機における積載量制限に引っかかりにくいというメリットがあることに気づいた。
でもまあこのメリットって、実際に渡航してみないと分かりづらいと思うんだよね。なんだか癪なのでこの事実は黙っておくことにしようと思う。
宿代高いし泊まらなくても・・・とは思うのだけど、時刻にして14時過ぎ。すでに眠気が限界頂点なのであり、思い起こせば飛行機内ではほとんで寝ていない私。だって久しぶりに映画や小説が見れる機会だったから・・・
いよいよ準備も完了し、明日から本格的なアメリカ大陸の走行開始。楽しみと少しの恐怖が混ざり合ったこの気持ちは、入国したてのこの時期にしか味わえない貴重な瞬間だと思っている。
2016年6月27日(月) 走行距離18km 累計41188km