自転車ときどき世界1周

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 カナダ71日目&アメリカ1日目 フォートフランシスの町〜ミネアポリスから北に362km地点 アッシュレイクキャンプ場

 さぁやって来ましたアメリカ(本土)入国の日。手持ちのコインを簡単な食材へと変えて、いざカナダに残すものなし!準備万端でアメリカ国境の橋へと向かいませう。

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 なお凄く良い野宿ポイントだった

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 右にてUSAでございます

 ということでアメリカ側イミグレーション。主に車両が使用する場所にて管理官にパスポートを見せると、うむうむなるほど!?・・・みたいな顔され建物内へと連れて行かれる。まぁここまでは想定内だしここからの質疑応答がキモなんでしょうよ、知らんけど。

 どこから来た?・・・という定型質問から始まり、入国理由・前回入国してから(カナダ含めて)90日を超えてる理由・仕事は何をしている・預金残高を見せろ・出国のフライトチケットを見せろ等々・・・そんなに私のことが知りたいかい?

 とりあえずこの瞬間、私の職業はフリーのフォトグラファーになっていた。

 それはともかく陸路でアルゼンチンまで行くのだ(世界1周とかいうと面倒なので大体これで通してる)、だからアメリカは陸路で通過して南米で出国用のチケットを買うのだ(文句あるか?)・・・ということを最高に人当たりの良さそうなフリして和かに応対する。良いから速くスタンプ押さんかい!

 まぁあくまで私が見た雰囲気での感想だが、向こうもギスギスした様子ではなかったのであり、どちらかとういうと「こういう旅行者の対応はどうすんの?」的なことを確認していた気がする。

 PCの前に4人も5人も人だかりができてワシャワシャ相談してたもんな。この国境からアメリカへと入国する長期サイクリストなんてほとんどいないだろうし、ルールの確認に時間がかかったのだ。そう思うことにしたい。

 結果として事前に準備していた預金残高データをすぐ見せたことが決め手になったのか、時間にして約30分後に入国スタンプの押印をもらう。いやはや前もって準備はしておくものであり、入国しちまえばコッチのもんだぜウヘヘへ。

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 今までで1番大変な入国だった

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 「お疲れさん」

 手早く残りのカナダドルをUSドルへと両替し、いよいよアメリカ本土のサイクリングが出発だ。何度目の経験であっても新しい国に入った時ってのは緊張とワクワクでなんとも言えない気持ちである。

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 まだそんなに景色変わらない

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 最初だし本国のマックを体験しとかにゃあ

 なんというか私のイメージでは凄い大きさのハンバーガーを想像していたのだが、別に日本と変わらない気がする。私が日本でマックのバーガー食べたのは、恐らく5年以上前なのでそもそも信憑性の薄い話なのだが。あれ、ジュースはセルフでお代わり自由ってのは、日本のマックも同じなのん?

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 まーたマイル表示の始まりだよ

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 アメリカだけ意地張ってないで他国と併合しちゃえばいいのに

 アラスカでちょっと感じてたんだけど、アメリカという国は町の中心部にスーパー等の大型商業施設を作らない傾向があると思う。両替の関係でカナダでお札を崩せなかったため、アメリカにて食料購入しようと目論んでたのに何処にもスーパーありゃしない。

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 結局途中のガソスタで冷凍肉購入した

 でもまぁ悪いことばかりじゃない。特に多くのお店でコーヒーが安価で飲めたり、場所によっては無料だったりするのは個人的に素晴らしいと思っている。特に私は薄味で大量に飲むアメリカンコーヒースタイルが好きなので、好み的にもバッチリだ。

 アラスカ終盤〜ホワイトホースまで同行したタカさんなんかは「アメリカンはコーヒーじゃねえ!」とか豪語していたが知ったことか。あの飲みやすさが良いんだよ。エスプレッソ反対派である。

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 おっと、つい熱くなってしもうた

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 天気悪いけど気温は低くない

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 あの場所に何か降臨してそうな・・・

 入国と以後一連の作業で戸惑って、走行距離は伸びないが些細な問題だ。でも今夜あたりに雨降るらしいと聞かされて、それは大いに問題だ。テント張るにもその国のノウハウがない初日ってやや大変なんだよね。

 というところでキャンプ場を発見。おっちゃんが良い人で、自転車旅行をして旨とか話してたら「それじゃあ特別に無料で使わせてやるぜ」と便宜を図ってもらった。申し訳ねぇです。

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 「シャワー?そこに湖があるぜ!ガハハハ」

 10月になっても行水続けてるとは私自身もビックリだ。人は環境に慣れるものだということを身を以て知るというか。なんか最近水潜るの平気になってきた気がするんだよ。

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 気のせいなのか、南へ移動して暖かくなってるのか

 自転車も屋根の下に避難できたし雨対策はバッチリだ!着替え袋という枕を高くして寝袋に入るアメリカ最初の夜である。

 2016年10月4日(火) 走行距離70km 累計47864km
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 アメリカ2日目 アッシュレイクキャンプ場〜ミネアポリスから北に約290km バージニアの町

 深夜に何度か覚醒した際には雨降ってなかったのに、朝になって動き出す時間に雨となる不条理。テントの中でシュラフに包まりながらダラダラするのは最高に気持ちいいので、そう悪いことばかりじゃないけれど。

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 活動開始時刻:8時半から

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 昨日から何度も様子見に来てくれたオーナー、お世話になりました

 風が強いからなのか、走り始めてみればもう青空が見える今日の天気。結果的に走らない夜の間に雨が降るという非常に幸運なパターンでやり過ごしたワケで、これはアメリカ幸先良いんじゃなかろうか?

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 この道路と空が

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 あっという間にこうですよ

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 すげえなアメリカ、自転車用の無料州地図があるなんて

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 料理中です

 このクックの町でようやくスーパーに入ったのだが、ちょっと商品の価格に驚くといいますか。カナダという国は本当に物価高だったのだと思い知った次第である。

 余談だが、私はアメリカ大陸縦断のスタート地点をフライトする時期で決めようと思っていた。日本でいう夏の時期ならばアラスカから南下、冬の時期ならばアルゼンチンから北上・・・にしようかと。

 今になってアラスカ南下ルートで本当に良かったと思う。進めば進むほど物価が下がっていくというのは気持ちに余裕が出るし、先へ進む原動力になる。これが逆方向だったら走れば走るほど物価高の地域へと突き進み、最後が超絶料金のアラスカとなるワケで。全くもって冗談じゃないよ。

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 無料コーヒーがスーパーにある幸せ

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 ミネソタ州も基本的には森林地帯が続く

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 でも小さな町でこんな工場あるのがアメリカ

 雨停滞でスタートが遅くなったものの、どうにか当初予定していたバージニアの町までたどり着く。別にたどり着けなかったらそれはそれなのだが、まだ私はアメリカ到着記念のビールを飲んでいないのだ。それは由々しき問題ではないか!

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 6本で6ドル!6ドルですよ!

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 ビールが安いというだけで全て
美しく見える

 なお本日はズボンの下にランニング用タイツを着用しないで走ってみた。カナダの中盤戦ではそのスタイルでも寒いと思うこともあったのだが、もう全然平気でしたね素晴らしい。10月に入って暖かくなってきたことを実感するのはどうなのだろう?とか思いつつ。

 でもまだ日本最北端より北なんだよね

 2016年10月5日(水) 走行距離95km 累計47959km
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 アメリカ3日目 バージニアの町〜ミネアポリスから北北東に約190km マトワの町

 今まで走った先進国と呼ばれる国は全て土地の割に人口が少なく野宿するのに困らないでいた。だがアメリカは土地も広いが人口も多い。これはテント張るのが難しいかもしれないと思いつつの野宿であった。

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 なおアラスカ州は完全に別物と私は考える

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 朝からマーチングの練習してた

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 さすがハロウィンに本気

 ミネソタ州がそうなのか、アメリカの中央部は全体的にそうした傾向があるのかまだわからないが、実に平坦基調で自転車走らせるのが楽である。グーグルマップとかで高低差調べると、単位がフィートで表されるためやたらと数字が大きくなるのだが、メートルに直せばその3割程度。なんだよ!大したことないじゃん・・・と喜ぶのが最近の楽しみ。

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 逆に距離だとマイル→kmで1.6倍となりガッカリする

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 アメリカも町の人口表示をする国なのかな?

 しかしアメリカはいいやね。人口が1000人を割る小さな町でも、充実の設備と安定のリカーショップが存在しており、これならば1日の走行終了ポイントをそれほど考えなくともビール補充はどうにでもなりそうである。素晴らしきかな。

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 昼食場所のここも人口200人くらいの規模

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 ちょっと天気が悪くなってきたか・・・

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 と、思いきや案外あっさり回復する

 先にカナダを経験してるので、大型スーパーがある町に毎日立ち寄れるというのも有り難さを感じる。現状ではアメリカでのサイクリングって、物価も含めて超絶オススメな国なんじゃね?とか思ったり。

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 ジョークをわかってる国だし

 ただし面倒なのが「インターステイトロード」という、要するに自転車の走れない高速道路が普通に一般道から接続されて道を構成していることだ。普通に走っていたらいきなり看板に「自転車の走行禁止」とか書かれており、それじゃあ私は何処を走れというのですかい?

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 奥に見えるのが高速道路

 慌てて情報調べてみたのだが、どうやら州によっては走行可能だったりとルールが国内で統一されていない模様。そういう面倒なことしないで全部自転車走らせてくれれば良いのにさ。変な小道を迂回するのは迷いやすくて嫌なのだ。

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 すごく小さな村の教会前にて夕食

 テント張らせてもらえるようお願いしようと思ってたのだが、夜になっても人が来ないでやんの。隣に併設されてる家とか何なのだろうか?

 人の多いアメリカとはいえ、田舎ってのは何処も大して変わらないものかもしれない。

 2016年10月6日(木) 走行距離120km 累計48079km
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 アメリカ4日目 マトワの町〜ミネアポリスから北北東に約80km ラッシュシティの町

 朝起きた時、これまで目を背け続けていた事実を無視できなくなる。寒い。何というか昨日も割と気温は低くて肌寒かったのだが、日の光が強烈でことなきを得ていたため自分に嘘ついて誤魔化していたのだが。もう今日はダメです朝から寒すぎます、だからといってどうしようもなく。

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 テントから出るのが本当にしんどかった

 出発時はすぐに気温が上がると思っていたのだが・・・

 すぐ脇を走る高速道路と並行する旧道61号線を使っての走行。日本でもよくある道路構成だと思われるが、アメリカもまたこうした一般道路の路面状況が素晴らしいのであり、高速道路なんかいらないじゃん。この国でも道路公団みたいな組織が税金じゃぶじゃぶ道路工事に使っているのだろうか?

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 交通量も少ないし

 10kmほど走ったところで、高速道路の脇道であるこの道路にさらに脇道があることに気づく。どんな道なのかと思いきや、自転車道路じゃないですか!

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 そういうことなら使わせていただきますとも

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 あれ、本当に自転車道路?

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 道中の休憩施設も整ってて素晴らしい

 どうもミネソタ州というのが自転車道路における建設に大変力を入れている州らしいのだが、こういうことにお金をつぎ込むのならば私も皮肉なんか言いませんとも!是非とも素晴らしい自転車が走りやすい道を作ってくださいな。

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 半日走って利用者は私以外に1グループしか見てないけど

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 いいじゃないか、いい景色じゃないか

 50kmちょっと走って終了

 昼食を挟んでも気温は上がらないどころか天気悪くなるし、風も吹き荒んで寒いのなんの。いよいよフリースだけでは我慢しきれなくなりカナダで購入した(3ドルの)ウインドブレーカーを投入して本気の防寒体制に入る。

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 開けた道の方が風が通って寒い

 でもこんな環境でも自転車で旅行をする人はいるんだね。カナダ西部で出会って以来、何日ぶりかも分からないほど久しぶりの自転車旅行者の出現に私だってテンション上がる。気温は上がらない。

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 ミネアポリス→カナダとのこと

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 あまり見たことないタイプのトレーラーだった

 終盤風向きが向かい風から追い風気味に変わったため、ラストスパートだとペースを上げてラッシュシティの町にてゴール。人口2000人強、アメリカではこれくらいの規模の町がスーパーあり・リカーショップありで(野宿しやすいし)良いと思うんです。

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 しかし外国のピーマンの大きさよ

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 この4〜5日はご飯&キヌアを主食としてる

 アメリカでもまた多くの人に話しかけられ楽しいのだが、初対面の人に「俺は癌なんだ。食事が食べれなくて胃瘻で栄養補給してるんだぜ、ホラ。」・・・みたいなこと話されて、一体私はどういうリアクション取れば?

 欧米人はフランクな会話をする人が多いと聞くし、それを実感してもいるけれど、やっぱりグイグイと懐に入っていく会話のテンポには驚くばかりである。私もその積極性を見習いたいよ。

 2016年10月7日(金) 走行距離114km 累計48193km
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 アメリカ5日目 ラッシュシティの町〜ミネソタ州最大の都市 ミネアポリスの町

 四方を完璧に囲われ風を遮ってくれる完璧な寝床であった。オマケに屋根はあるし、床にはゴムマットが敷かれており寝心地も抜群。昨日出会ったオッちゃんが「いい場所だろう?」と語るのも大いに頷ける野宿であった。

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 おそらくイベント時に使う屋台

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 実は電源もあった

 昨夜の時点で空一面が雲に覆われており、どうなることかと思っていたのだが素晴らしきかな良い天気。これは私のやる気もうなぎ上りよ!・・・と、走り出して1時間後には曇り空とかね。上ったうなぎは何処行った?

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 これが

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 こうなるワケですよ

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 お昼はスーパーのイートインコーナーで

 やっぱり暖房が効いてる建物の中ってのは快適である。そういえば昨日、電光掲示板に気温42°と表示されてるのを見たのだが、華氏から摂氏への変換計算知らないので放っておいたのだ。調べりゃわかるけど、何というか知ることが怖いというか。

 でも夜中に確認しちゃった私であり、およそ5.5℃とのこと。昼過ぎの時間でその気温という環境下、そりゃあ暖房の部屋が恋しくもなろうよ。

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 馬とスノーモービルは同類みたいで

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 こんな田舎にそんなスクールバスは要らんだろう

 スーパーにて昼食摂ってる間ににわか雨があった模様。見事な回避力を発揮したのが転機となったか、ここから天気良くなる気温も上がる、大都市であるミネアポリスに近づき道路もデカく交通量も多くなる。そして路側帯が消えるのであり、ふざけんな私はどこを走れというのか?

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 こういうとき、すぐWi-Fiが見つかるアメリカという国は優秀

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 この迂回した自転車道路だが

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 まさか自転車修理キット一覧が置かれているとは

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 完璧すぎてぐうの音もでねぇ

 流石にアメリカの大都市は道路が複雑怪奇に広がっており、目的地へと進むのも一苦労。放射状に広がっている高速道路や線路のせいで無駄な回り道を繰り返すのであり、なんか思い出すなと思ったら日本都市部でのサイクリングによく似てた。

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 でもまぁミネアポリスは自転車道路整ってるから大分マシ

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 本当素晴らしいと思います

 最後の20kmだけ別種の疲れを感じつつも、ウォームシャワーで連絡していたトーマスの家へ。私は本宅の裏にある離れの小屋を自由に使って良いよとのことなのだが、あまりに設備が良すぎて恐縮してしまう。日本の離れには卓球台とか入ってないよ。

 今日の夕食はレストランへ行くよ!とのこと。行ってみたいレストランをリクエストされたので「アメリカに来たからアメリカンフードを食べてみたいです」と言ってみたら・・・

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 レストランというよりバーみたいなお店になりました

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 ビールの種類が多すぎて幸せである

 色々な話してたらトム宅へ戻ったのは午前様に。とりあえず明日はミネアポリスの街を観光しようと思う。

 2016年10月8日(土) 走行距離105km 累計48298km
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 アメリカ6日目 ミネアポリスの町

 やたらと疲れていたこともあり、本日がっつり休息日。なので昨日も深夜3時半までネットした後で、朝は7時過ぎの起床ですよ。普段の半分しか睡眠時間が取れてない。

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 朝ごはん手伝ってアメリカスタイルの朝食

 午前中ゆっくりと自転車の整備してあげる予定だったのだが、トムが「今日はミネアポリス市内のマラソン大会なんだ。」と教えてくれたので、一緒に見学しに出かけてみる。

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 自分で走るのでないフルマラソンを直接見るのは初めてかも

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 みんな楽しそうに見える

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 この手のランナーは大概それなりに実力ある人

 1時間弱ほど楽しんでトム宅へと戻り、毎回のことではあるが自転車の清掃作業へ。この自転車の掃除とか整備とかって興味のない人はとんと気にしないけれど、私はマイバイクが泥だらけだったり黒ずんでたりすると割と「申し訳ない」というかそんな気持ちになってしまうのだ。綺麗にしてあげたいじゃん。

 そんな感じで一作業終えまして、と。午後からぶっ壊れかけてるまな板の修理道具だとか、自転車の予備パーツの補充しようと準備してると本日仕事休みのトムが車で一緒に回ってくれるとのこと。それはありがたい!何しろ私は本日休息日ですので。

 地元民の利というか、1時間もかからずに買い物終了しそのままミネアポリス市内の観光ドライブへと移行する。そんな都市部に興味がない私だが、この町は都市部に隣接して広大な公園だとか自然が広がっておりなんとも羨ましい。

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 これが有名なミシシッピ川です

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 ミネソタ州が源流なんだってさ

 ちな長いミシシッピ川において滝が存在するのは1ヶ所だけなのだそう。つまり河口から滝が存在するこのミネアポリスまで、3000km以上を遡上することも同様に川下りして遊ぶことも可能なわけで、日本のダムとか作りまくりの川とは全く違う。もちろん良い意味で。

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 その唯一の滝はダウンタウンのすぐ脇に

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 ちょっと面白そうな出っ張りがある!

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 ので行ってみた展望台

 ミネソタ州ではこの滝を利用して水車を回し、小麦工場の動力としていたのだと。現在ではその工場は博物館に姿を変えているが、未でもミネソタ州自体は小麦の生産が盛んな地域として有名・・・というアメリカ歴史を聞きながら。

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 その工場跡地こと博物館も見学した

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 こういうの残しとくって良いよね

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 最後は隣町で州都であるセントポール町はずれの丘へ

 存分に堪能させてもらい、トム宅へと戻ってから夕食作りのお手伝い。奥さんのアンは日曜日だが本日もお仕事とのことで、トムがシェフである。なお私は彼のヘルプアシスタントみたいなことしてた。

 帰ってきたアンと3人で夕食頂きつつ自転車旅行の話だとか、写真を見せたりしつつ色々と。なお流石に無茶苦茶眠いので本日は0時前にはお開きして就寝でした。楽しかった日だが、のんびり休息ではなかったな。

 2016年10月9日(日) 走行距離0km 累計48298km
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 アメリカ7日目 ミネアポリスの町

 さてミネアポリス。この町にはどうしても来たかった理由がある。というのも私が使用している自転車のメーカーであるサーリーことSURLY本社がこのミネアポリスの町にあるからだ。それは是非とも会社見学したいじゃないか!

 んで調べてみると、どうやらサーリーの母体となっているアメリカ自転車流通の最大手会社「QBP」は中心街から南西の方にあるとのこと。町の東に位置しているトム宅からは片道40kmってトコ。流石、アメリカの100万都市はその土地も広大だ。

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 とりあえず出発する

 折角なので「こんなスタイルで旅行してるぜ」というのを見せたいがためだけに、フルパッキングしている私。アホといえばアホなのだが、そもそも素直にカナダ西部を南下せず、既に2000kmくらい寄り道していることを考えればこの程度の行為はどうということはない。

 しかも道中でパンクしたのであり、持っててよかった大荷物!である。パンクしないのが1番よかった気がするけれども。

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 あ〜時間かかった

 一応事前にメールで会社の営業時間とかは確認したのだが、アポなしの唐突な訪問であることに変わりはない。まぁどうにかなるだろうと考えていたのだが、偶然にも私の止めていた自転車に興味を示した人がサーリーの社員で、そのまま事情を話し社内を見学させてもらうことに。ほら、どうにかなった。

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 なお撮影した写真は全て許可を頂いてます

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 シャレの分かってる職場で羨ましい

 そのまま本社であるQBPの倉庫も見学させてもらう。アメリカ自転車流通の最大手というだけあって、巨大な倉庫にあらゆる自転車関連の部品が陳列されている姿は好きな人なら感動もの。

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 自転車キャンプ用品とかも扱ってるとのこと

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 職員のだったりツーリングチームのだったり

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 色々とお土産頂きました

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 いやはや来て良かった

 そして再び40kmの帰り道。行きと同じルートじゃつまらないし、どうせならミネアポリスのダウンタウンを見学しつつ帰ろうかと考えて、街の中心部へ向けての走行とす。

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 自転車道路走って

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 徐々に高層ビルが増えて行く

 というところで本日2度目のパンクときた。意味がわからないし時間も厳しいというのにパンク。何だよコレ?パンクに強いマラソンプラスのタイヤじゃなかったんかい!

 愚痴を重ねても直らないのでとりあえずパッチで修繕。もはや中心街へと寄ってる時間どころかトムの家に明るいうちに戻れるかどうかも怪しくなってきた始末。不安が残るけどタイヤは適当に確認し、早々に戻ることとした。

 日没ギリギリに無事到着。丁度仕事終えたトムと同タイミングとなり、そのまま夕食作りのお手伝い。休日2日目も実に充実しているのであり、両足筋肉痛なのだけどどうしたもんやら。

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 アップルパイもアメリカ人のソウルフードとのこと

 この先のルートとかキャンプ場だとかを根絶丁寧に教えてくれて有り難い限り。気付いたら中米の国々におけるオススメの場所まで話が広がっていたのであり、その時まで覚えてるかな・・・?

 しかしこの2日間は雲1つない快晴であった。嬉しいことだができるならば自転車で走るような日にこそ、こうした天気であってほしい。さもありなん。

 2016年10月10日(月) 走行距離83km 累計48381km
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 アメリカ8日目 ミネアポリスの町〜ミネアポリスから南東に約50km プレスコットの町

 ここに来るまでは寒い気温の日々が続いていたのだが、連日の晴天ですっかり暖かな北米の秋。この環境が変化する前に、早いとこ南へと移動しなくてはと思ってはいるのです。寄り道したり観光したりでなかなか進まないけれど。

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 素晴らしい別宅でした

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 昨日も遅かったのにアンがパンプキンパンを作ってくれた

 本当、ウォームシャワーって素晴らしいサービスだね。割と日本人サイクリストは事前の連絡が大変だとか、人様に甘えるのは気がひけるといったことから、これを利用しない人が多い印象で私も最初はあまり積極的な利用はしていなかった。

 だが「海外で自転車乗り同士が異文化交流を図っているのだ」・・・と考えるようになってから、割とそういった遠慮の気持ちは薄れたと思う。今まで訪ねた人たちのほぼ全員が「来てくれてありがとう」と言ってくれたこともあり、積極的に利用しようじゃないか!と思っている。ついでに食事もシャワーも使わせてもらえるし、至れり尽くせりじゃないか!

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 たくさんお世話になりました

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 どうもありがとう

 それではミネアポリスからの脱出開始。町中へと行く時よりは、とにかく適当に走っても徐々に中心部から離れてく関係上、出て行く方が迷わなくて楽なのだが。それでも2、3回ほど走った道を逆戻りしたりでようやく郊外へ。

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 MRT=ミシシッピ・リバー・トレイル

 このアメリカ国内10州に跨るミシシッピ川沿いの自転車道路を下っていこうと考えてたのだが、これが実にぶつ切りコース。ちょっと走ってはすぐにサイクリングコースが途切れてしまうため、その度右へ左へ道を探してフラフラと。異様に無駄が多い走行である。

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 どこ、ここ? 

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 結局一般道路を走ったり

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 仕方なく川の左岸へと渡ってみたり

 思うように走れないところに昨夜の悲劇再び。3度繰り返されるパンクトラブル。どう考えてもこれはタイヤに何か異常がある!ということでタイヤの中に針が残ったままになっているのではと入念にチェック。と、いいますか昨日は時間なかった関係でこの作業を省略しており、起きるべくして起きたパンクだとも言える。

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 30分以上の長い捜索の結果

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 タイヤの奥深くにて発見!

 異常に長い時間をパンク修理に取られてしまい、もはやこれまでとビール買って近くの公園にて本日終了。ゆっくり行こうじゃありませんか。

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 ピントブレブレだ

 すぐ隣がツーリストセンターでFreeWi-Fiが飛んでる便利さ。それによると明日の朝は雨とのことで、どうして走り始めると天気が悪くなるのか不服である。パンクも天気もままならない。

 2016年10月11日(火) 走行距離74km 累計48455km
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 アメリカ9日目 プレスコットの町〜ミネアポリスから南東に約130km アルマの町

 しかし今年はテント率が9割超えていると思われる凄まじい野宿の日々。日本1周でも相当テントでの日々が続いたものだが、あれは200日やそこらだったので大した問題にならなかった。現状オーストラリアから始まったテント泊を基調とする日々が始まって1年を超えているのだが、このスタイルが変化する兆しが未だ見えない。

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 というかドミトリー宿よりテントの方が快適

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 トムからコーヒー貰ったので今後は朝コーヒーを楽しもうかと

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 いつもの朝食に少し彩りが出たような

 目を覚ました時には一応降り止んでいたが、曇天の今にも雨が降り出しそうな天気。隣のツーリストインフォセンターで天気を確認しつつ、状況見計らって出発しようとした私。結果的にネットに夢中になってしまい10時過ぎようやく出発したとしても誰が私を責められよう。あと、いつの間にかミネソタ州からウィスコンシン州へと移ってた。昨日の最後に州境超えたはずなのだが、焦って看板見落としたか。

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 良い施設でした

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 本日アップダウン多め

 すぐ脇を並走するミシシッピ川は長さ3700kmを超える一方で、源流となるミネソタ州中部の標高が450mしかない。つまりほとんど高低差なく平野部を流れ続ける川ということで、川沿いでのサイクリングを続ける限り楽なサイクリングになること請け合いのハズだったのだが。

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 こんな気分

 ただ嬉しいのが先日まで正面から受けていた南風が、一転して北風へと変わる。おかげさまで止まっていると寒くて仕方ないが、走っている最中は実に楽ができるじゃないか。いいぞもっとやれ!

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 休憩してたらリンゴ頂いた

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 この道中は人口少ない町ばかりで良い

 ときに「ストックホルム症候群」という言葉をご存知だろうか?ハイジャックや立て籠もり等の事件で、長時間監禁されている被害者が犯人に対して好意的な感情を持つ症状を指し、確かヨーロッパどっかの町であるストックホルムで起きた事件にて確認されたことからその名がついたハズ。

 ミステリー好きな人なら何となく名前を見たことがあっても不思議ではない言葉であり、多分私もいつだったかの小説で知ったのだと思う。

 なぜ唐突にそんな話を始めたのかといえば、そんなのストックホルムが出てきたからであり、なんか連鎖的に色々思い出した次第である。記憶って何が呼び水になるか分からんな。

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 人口が66人ってのも見どころ

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 ストックホルムばんざ〜い

 丸1日ミシシッピ川沿いを下り続ける。ときに川から離れたり、ときに川のすぐ側を走ったりしたワケだが、総じて景色の変化が顕著で楽しい走行である。やっぱね、変化があると自転車走らせるモチベーションも上がるんですわ。

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 パッと見、湖みたいに見える

 アルマの町で野宿できそうな場所探すも町を通り過ぎてしまい、仕方なく町の手前で見つけたポイントまで逆走する。1日の終わりになると、走りながら自分の中で「野宿候補地」を探しつつの走行へと切り替わるのであり、どうやら今年いっぱいこんなスタイルでの旅行が続きそうだ。

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 お米は買い忘れたけどビールは忘れない

 2016年10月12日(水) 走行距離104km 累計48559km
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 アメリカ10日目 アルマの町〜ミネアポリスから南東に約210km ホリデーヘイツの町

 しっかしアメリカのビールは種類が豊富すぎて嬉し悩ましい。毎晩のように違う種類のビールを楽しんでいるのだが、それでもアメリカ走りきるまでにすべての種類のビールを飲める気がしない。日本も主要4社以外の様々なビールをもっと販売すべきだと思うの。

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 最近は天気に関係なくテントは草地優先

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 きたぜ素晴らしい快晴が

 昨日走ったアルマの町を再び走り抜ける。同じ町の2度目となる走行ではあるが、朝と夕方とで受ける雰囲気というか感触は異なるのであり、なかなかどうして味わい深い。

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 晴れてる北米の秋は最高だと思う

 相変わらずミシシッピ川流域の人口希薄道路を走っているのだが、そんな人口700の町にやたらと立派な自転車店があったりしたら、そりゃあ私でなくとも立ち寄ってしまうというもの。

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 物凄く小さなショップかと思いきや

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 ビックリするほど充実の品揃え

 とりあえず先日のパンク連鎖で予備チューブを使ってしまったので、新しい物を購入したりとか。店員というか関係者と思われる人は店内に3人もいたのだが、お客は私1人だしどう考えてもそんな人員必要ないと思うのだが。時間になるとツーリングチームとかが一斉に入店してくるような店なのだろうか?

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 なおパワーバー(的な)を頂いた

 天気が良いと自転車こぐのも汗ばむほど。時折見かける電光掲示板では外気温は10度を下回っているのだが、雲1つない空の太陽光は多少の気温など物ともしない光で私を暖めてくれる。オーストラリアのときには2度と出会いたくないレベルで忌諱していた太陽だが、今では天からの慈悲だと思うほどに感謝をしてます私。

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 自転車走らせるのが本当楽しい

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 アメリカでリカンベント見たの既に4回目

 ミシシッピ川沿いに走ってきたこの3日間だが、そろそろ川を離れて東へと進む。というのもミネアポリスでお世話になったトムが「最高にオススメだぞ!」といってたサイクリングロードへと向かうからであり、人様の助言は素直に聞いておくのが1番と思うのでして。

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 アメリカは自転車道路多くて良いね

 まぁ本格的な走行は明日に譲ることとする。大分南へと下って多少は寒さも和らいだ(ような気がする)ことだし、そろそろ本来のダラダラまったり自転車旅行に戻りたいと思うのであり、日が沈む前には拠点でビールを飲もうじゃないか!

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 4本も要らないんだけど、セットで2ドル(約207円)だったから

 アメリカは人口多いし野宿するのは厳しいかも・・・とか思っていたのだが、都会はともかく田舎は他の先進国と変わらないですね。人も多いが土地も広い、今のところ田舎を走る自転車旅行において「治安の悪さ」は全然感じないが「人々の優しさ」は存分に実感している。

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 肉の安さも実感している

 他に「アメリカだなぁ」と思うのはやたらと各家庭の庭にカボチャとか魔女とかが陳列していることだろうか。日本じゃハロウィンはコスプレイベントの域を出てないと思うが、欧米におけるそれの気合の入れ方は半端じゃない。

 なおこの時期はハロウィンの関係でみんなカボチャを購入するため、各家庭で様々なカボチャ料理が提供されるのだそう。私も1回くらいカボチャ購入してみようかしら。そんで持て余して苦労するのも海外旅行らしくて良いかもしれない。

 2016年10月13日(木) 走行距離97km 累計48656km
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