自転車ときどき世界1周

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 メキシコ2・3日目 テカテの町

 華麗なる休息日。その実態は久しぶりにホテルのベッドでいつまでも目覚めずヌクヌクとしているダメ人間の姿である。朝になっても太陽が眩しくて起こされることがないんだぜ!?これって凄いことじゃね?

 あんまり年末でも関係がないメキシコ地方の田舎町。物価の把握と雰囲気を感じるためにも町歩きして色々異国情緒を感じたいところだが、そもそも今日明日は1日中雨なのである。だからこそ昨日で走り納めとしたのでもあり。

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 まぁそれでもちょいちょい外には出てみたが

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 やっぱりマックはどの国行ってもありますね

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 外で食事ができる物価になったことが嬉しくて・・・

 国境をまたぐと雰囲気が変わるものではあるが、なんというかアジアの国々を想起させるメキシコの町。ゴミゴミして汚いところだとか、やたらと食関係の店が多くて目移りしてしまうこの雰囲気は1年以上も感じなかった懐かしい感覚で実に楽しい。

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 自転車店が適当なのも良い

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 テカテビール工場にも行ってみたが閉まってた

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 このパチモン感 たまらないですよ!

 1食にかける金額が100ペソ(約560円)を下回るのが当たり前となったため、最低限の非常食を残して自炊スタイルからの脱却を目指そうと思う。別に自分で作ることに面倒は感じないのだが、できることなら私だってその国の名物料理を色々と安く(←ここ重要)食してみたいのだ。

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 それでホットドッグかよとも思うのだが20ペソ(約110円)だったし

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 タコスはもちろん色々とうまいものがありそうだメキシコ


 翌日。雨の勢いが強くなってきたこともあり、午前中はひたすらPC作業とす。ネットが実に快適だったアメリカの後なので、ちょいちょい途切れたり働かなくなるWi-Fiにヤキモキする。こういうことも含めて「別の国に来たんだなぁ」と感じるわけですよ、多分。

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 部屋内の散らかりっぷりが酷い

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 間隙を見計らって町に出たりもするけれど

 基本は宿にて昼寝したりネットしたり。日本人の年末年始なんてのはそういうものでしょうよ。それに飽きたところで洗濯したり髪の毛を切ったりとか。物価下がったので床屋に行っても良かったのだが、外は雨だしとりあえず手持ちのバリカン使うこともしばらくなかろうてと思い自分で散髪。

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 町の中心部にある教会

 年末を祝うべくケーキとビールを買い込み楽しい寂しい年明けである。当初の予定では砂漠で1人テント張っての年越しを予定していたのであり、それと比べると随分日和った年末になってもうたが。

 0時になる前に床につき、来年からの中南米に思いを馳せるのである。

 2016年12月30日(金) 走行距離0km 累計54213km
 2016年12月31日(土) 走行距離0km 累計54213km
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 メキシコ4日目 テカテの町〜テカテから東に約100km プログレソの町

 やっぱりメキシコでも新年0時に打ち上げ花火が上がっていた。ベッドの中で私が思うことは「まぁ中国ほど騒がしくないな」であり、ハッピーなニューイヤーも何のその。知らん顔して寝こけていた。

 というワケで気持ちよく目覚めた1月1日。丸2日自転車乗らなかっただけだが、新しい国で天気も晴れ晴れしていて無性にサイクリングしたくてたまらない。チェックアウトを済まして2017年の自転車旅行を開始するぜ。

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 思ってたより大きかったテカテの町

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 野焼きとか見ると「違う国に来たんだなぁ」と感慨深くなる

 さて上り坂。それも町を抜けてすぐ始まり、いつまでたっても終わる兆しが見えない坂道が続く。メキシコ入って側道がほぼ消滅してしまい、ただでさえ疲れる上り坂に加えて後方からの車の接近にも気を使わなくてはならない。これは大変である。

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 あとわりかし寒い

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 高速道路脇にはこうした水瓶が定期的にあった

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 標高1300mってどこまで登るんだ

 ようやく坂に終わりが見えてきたと思ったのだが、同時に駐車している車がわんさか出てくる。どうやらこの峠道最高地点から隣の山へと登りに来ているらしく。やっぱり正月だからなのか聞きたいところだが、スペイン語を全く介さない私には想像することしか叶わない。

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 スペイン語覚えなくちゃなぁ

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 私も登りたかったけど自転車置きっ放しが不安なので止めといた

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 ドライバーの方から果物とかお菓子とか頂く

 こんな嬉しいイベントがあるなんて、新年早々幸先がいいと思いつつお昼ご飯に食堂へ。北米でお昼にレストラン使うなんて考えられなかったことを思うと物価の安い国は色々とありがたい。

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 そしてここでも相席していた方にご馳走してもらう

 まともに会話が成り立ってるかも怪しい旅行者だというのに、ただ自転車に乗っているというだけでこの至れり尽くせりの数々。だがまぁ一言で語るなら、メキシコの人たちが素晴らしく親切で優しい・・・という事実に尽きるんだよなぁ。

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 お、この国にも風力発電があった

 結局1500mまで登らされた道路だが、有料道路入ったポイントから一気に大下りが始まる。凄まじいヘアピンカーブだけならまだしも、強烈な風が右から左から無茶苦茶に吹き付けてくるので一瞬たりとも気が抜けない恐怖のダウンヒル。

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 さすがに走行中に写真撮ってる余裕なし

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 とか言いつつこの1枚だけ撮ってたわ

 側道もない道でとにかく恐怖だったのだが、ふと気がつくと後方の車はハザード出して私のペースに合わせて走行してくれている。恐らく私のことをガードしてくれているのであり、なんて優しい奴なんだ。

 とか思ってたらそのうち前方にも同様にハザード出して守ってくれる車が。前後2台の車に挟まれてVIP待遇のまま坂道を下るロシナンテ号。約15km、標高にして1200mほどを下りきり落ち着いたところで停車した車に対し、お礼を言おうと近づいてみれば「コングラッチュレーション!」との第一声と固い握手が待っていた。

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 もうね、メキシコ人大好き

 本当にこの国来てよかったなぁ・・・と走行初日から楽しみまくりの茶壺さん。とりあえず日が暮れる前に町へと到着せねばと走行再開。まぁこの先も下り基調だし、強い追い風が私の背中を押してくれる。40kmの距離を走るのに2時間も必要としなかった。

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 う〜ん、読めない

 ようやく町中に突入したかな?というところで消防署を発見する。物価安くなったので宿泊施設使っても良いのだが、それはそれとてテント泊できるならばそれに越したことはない。

 ということで身振り手振りで敷地の裏にテント張らせてもらう許可を得る。中米で公園にテント張るのは治安の面から流石に躊躇われるので。安全な野宿という矛盾した命題を満たすようにしてテント泊をしていきたいところ。

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 しかしまだ食事のメニューも分からず指差し注文なんだよね

 この先のことを思うと低レベルでもいいからスペイン語の取得は必須課題だよなぁと思うのは、今日だけでもたくさんのメキシコ人達が話しかけ、良くしてくれたからである。そういうのがあると、もっと相手とコミュニケーション取りたい思うのは当然でしょ?

 2017年1月1日(日) 走行距離121km 累計54334km
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 メキシコ5日目 プログレソの町〜テカテから東南東に約160km エスタシオンコアウィラの町

 メキシコの消防署は思ってたよりちゃんとしてる・・・という表現が正しいのか何ともだけど。少なくともこのレベルの田舎で1つの消防署に3人もの人間が勤務していた国をちょっと私は思い出せない。まぁ彼らは仕事というよりテレビ見てたけど。

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 消防の仕事ってのは「災害対応」が主だからそれで良いと思ってる

 準備して職員さんたちにお礼言ってから出発する。メキシコ入ってからこうして人と絡むと、やたら写真を撮られるのだが、スマホの普及ってのはこうした「気軽に撮影」の機会が増えた要因だよなと思う。

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 ちなみに私はスマホカメラを使わないタイプ

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 アメリカ国境の町メヒカリを通過していく

 とにかく(アメリカ)国境沿いの町は治安的に不安があるイメージ。ここメヒカリはテカテと違って大きな(国境ある)町であり何処でトラブルに巻き込まれるかわからない。事前に想像できる危険要因には近づかないのが主義であり、はやいとこ町を抜けて南下することに。

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 そもそも中心部まで行ってない

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 メキシココンビニはコーヒーが充実

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 こんなに種類いるのだろうか?

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 あと足踏みタイプのトイレ水レバーってのも珍しいと思う

 朝から雲に覆われた天気で今ひとつ気分が乗らず。大分マシになったとはいえ、太陽が出てない状況では上着も着てるし靴下&シューズの装備。できるならばサンダルでの気楽な格好で走りたい。

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 何故だか「ストレイトストーリー」って映画を思い出した

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 どんだけ焼いてるんだよ

 本格的にメキシコ田舎地域へと突入するのだが、どんな田舎でも食べ物屋台が豊富である国は安心感が違う。先進国で町に入ってスーパーがなかった時のガッカリ感は、メキシコではなさそうである。

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 潰れてたけど日本食レストランもあった模様

 町唯一のホテルがやたらと足元見た料金表示だったので、ここは華麗にスルーして教会軒下にテント張らせてもらう。メキシコ入ったら一転して宿泊施設ばかりの生活になる予定だったのだが、それはもうちょっと後になってからのお楽しみとしておこう。

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 もっと日中に出て欲しかったよ太陽さん

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 地味にソノラ州へ突入して時差1時間発生してた

 こういう看板1つとってもスペイン語だと理解できずにスルーしてしまうことが多いのであり、結果的に情報を見落とす頻度が上がることに繋がってしまう。別に大した問題にならないことがほとんどだけど、こと「面白さ」という側面では確実に損しているのでありどうにかしたいところ。

 2017年1月2日(月) 走行距離97km 累計54431km
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 メキシコ6日目 エスタシオンコアウィラの町〜テカテから東南東に253km地点 砂漠

 メキシコのネイティブがどうだったのか知らないが、少なくとも現在のメキシコにおける主たる宗教はキリスト教であり、そこそこの規模の町であれば1つや2つくらいは教会がある。おかげさまで私もこうして教会敷地にテント張らせてもらっているのであり、個人的には素晴らしいと思います。

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 歴史的な観点とかは知らん

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 やたらと大きな教会だった

 何処にでも屋台があるのだし・・・と甘く見て進む途中で見つけた屋台にて朝食にしようとスタートする。ところがどっこい次に出てきた町は本当に小さくて食堂があるのか怪しいレベル。

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 これ、食堂なんですよ

 あんまりリスクを背負って走行するのは止めておこうと大いに肝を冷やした朝である。というのもここから暫くの間は砂漠地帯となっており、食堂どころか人家の1つもでてこない不毛な土地が続く。

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 植物は結構生えているんだけど

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 あと朽ち果てた家の残骸とか

 40km地点で軍隊の検問なのか小さな集落が。自転車は普通にスルーだったのだが、運良くここに食堂が。普通に食料持ってはいるけどメキシコにおいて自炊するのは「食堂がない場合」が基本となりそう。だって自炊しても大して値段変わらないし。

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 40ペソ(約220円)で食べれるとあれば

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 後半戦の方がイメージする砂漠に近い風景

 80kmほど走ったところで海沿いの町に到着する。ここで本日終了するのも一興だが、そうすると明日丸1日使っても砂漠を越えられないのであり、今日もうちょっと進んで明日には大きな町へと到着するスケジュールとしたい。

 そんなわけでスーパーで食材とかビールとか買い込み、再び砂漠の道へと逆戻り。なんかイヤイヤ走ってるような書き方になってしまったが、交通量少ないし独特の景色が広がる砂漠の道は嫌いじゃない。

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 変化には乏しいかもだけど

 時間17時を目安に適当な砂丘の陰に隠れるようにして野営。時間が遅くなるほど道路を走る車の数も減り、ただただ静かな砂漠の夜に1人ぼっち。本当は新年こんな感じで迎えたかったのだが、今日砂漠野宿を楽しめたので良しとする。

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 こういうキャンプって憧れる

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 まぁビールあることが条件だが

 実はこの砂漠がどこまで続くのか知らないのだが、冬の時期で道路上を走っている限りでは、そんな危険なことないんだよね砂漠。もうちょっとこの砂の世界を楽しんでいたいと思ったり。でも猛烈にシャワー浴びたくはある。

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 今日は風ないのでマシだったと思う

 2017年1月3日(火) 走行距離118km 累計54549km
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 メキシコ7日目 砂漠〜テカテから東南東に約320km プエルトペニャスコの町

 朝起きたらフライシートに水滴がびっしょりで驚く。確かに海沿いの地形だし、夜間の冷え込みが強いことを考えるとオカシクはないのだけれど、なんだか砂漠にいるという事実に反している気持ちになるじゃないか。

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 もっとカラッカラなのを期待していた

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 いやしかし晴れると気分良いよね

 メキシコの水は飲めないらしいし、そもそも水道を補給するような蛇口が存在しない。必然的に「水を買う」という行為が必要になってくるのであり、アジア地域でも極力水買わずにやってきた私ではあるが、こんな感じで砂漠が続くことを考えると水の購入もやむなしと言えなくもない。

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 煮沸すれば生水イケるらしいけど

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 というか煮沸した生水既に飲んでたな

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 景色に変化があるのはなんか嬉しい

 いや本当に砂と道しか出てこないのだ。オーストラリアとかも相当な「何もなさ」ではあったのだが、そうは言っても先進国。適度なペースでレストエリアとかが出現して助けてくれたのに対し、メキシコは次の町まで平気で何もない区間が続いたりする。

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 おっと、看板くらいはありますよ

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 とか言ったのだが、こんなしょぼいレストエリアが出てきました

 軽く補給して一休み。おそらく夏の時期は日陰すらないこんな場所で休むことも儘ならないであろうが、幸いにして今は1月真っ只中。暑くて上着は脱いでしまったものの、丸1日晴天の砂漠を走り続けても大して喉すら乾かない。メキシコ走るならば冬がいいと思うのですよ。

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 こういう集落に住む人って何を生業にしてるんだろう?

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 地平線に町が見えた時の嬉しさったら!

 ということでプエルトペニャスコの町へと辿り着く。ほぼアップダウンがない無風状態であったため、15時過ぎには到着していた。町までの距離が100km超えているので、まぁそこそこハイペースだ。

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 しかしここから宿探しが難航する

 というかメキシコの町は色々わかりづらい。町中でも主要道路以外は未舗装路だったり冠水していたりとかで走りにくいわ、メインの道を走っても町の中心部へと向かわなかったりするためにどこが安宿街なのか把握しづらいこと多し。

 実に1時間以上も時間をかけてようやく250ペソ(約1350円)の宿を見つける。この宿以外が400とか500ペソの料金当たり前で、もしかして初日に260ペソで泊まれたのって凄くラッキーだったんじゃないかと思い始めてきた。

 前の国がアメリカだったこともあり、Wi-Fi見つける苦労も格段に違うしどうしたもんやら。やっぱね、最初の1週間くらいは前に訪れた国との違いで良くも悪くも思うところがあったりするのですよ。特にアメリカ→メキシコは違いが大きいし。

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 ビールが安いことが最大の喜びかな

 なおこの近辺の治安悪い雰囲気でして。プエルトペニャスコの町は完全に海沿いリゾートの町なのだが、そういう町ってのはどうしても治安不安になる場所が生まれる事実。ストリップバーとかダンスホールとかが立ち並ぶ周辺に安宿街を作らないで頂きたい。

 2017年1月4日(水) 走行距離118km 累計54667km
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 メキシコ8日目 プエルトペニャスコの町〜エルモシージョから北西に約260km ライグリエガの町

 特に意識したわけではないが、メキシコ入ってからの走行ペースが非常によろしい。というのもメヒカリ以降がひたすら平坦&無風という条件に加えて道中がほとんど砂漠であるためだ。そんなワケで立ち止まったり色々見て回るようなこともなく、ひたすら自転車漕ぎつつ音楽に合わせて歌い続けている最近である。

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 ベッドがヤバそうだったのでインナーシュラフ使ってる

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 まぁここだけ圧倒的に格安だったからね

 日が経つにつれてどんどん良くなる天気。ついに本日は雲1つない快晴の空であり、最高に気持ちいい状態でのサイクリングである。やっぱ自転車に乗るなら晴れた日がいいよね。

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 ちょっと町から移動するとこの景色

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 ・・・がず〜っと続く

 とはいえ砂漠にだって変化はある。自転車という遅い速度で走っているからこそ見えてくる景色があるのであり、具体的には背の高いサボテン群がお目見えしてきて、私はどういう反応すればいいというのか?

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 しかしサボテンって不思議な植物だわ

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 鉢植えにするには大きすぎるなぁ

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 かと思うと一面畑になったりもする

 一応旅行自転車で走れる距離の範囲内に小さな村々が点在してるようで、食料は最低限しか運んでいない。だけどメキシコの村ってのは「砂漠に廃墟1件」とかでも平気で地図上に集落として載ってたりするから油断できん。その関係で小さな村がべらぼうに多いし。

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 とりあえず商店がある規模で「村」を名乗ってやくれまいか

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 南下してたけど東へと進路変更する

 メキシコの西海岸は斜め(南東方向)に伸びているため、どうせ後で再び海沿いに戻ってくるのは分かっているのだが。陸地に沿った道路がなく、「東→南」か「南→東」というルート選択なので異なる景色を求めてちょっと内陸方面を覗いてみたい。

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 まぁね、こんな景色だろうとは思ってたけど

 ちなみにメキシコは町中においても少し移動すると別の町名となってしまうことが多く、自分がどの町にいるのか非常に分かりづらい。下手すると自分がどの町にいるのか分からないとか間抜けな状況になりかねない。

 本日も教会にお願いしてテント張らせてもらう。唯一のホテルが400ペソ(約2160円)と言われた時点で野宿するのは確定事項になっていた。確かに物価安くはなったけど、東南アジアほど劇的な料金ではないものでして。

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 ビールは70円とかで安いけど

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 協会の職員さん達から何度もお裾分けいただく

 メキシコは治安悪いと聞いてたし今でもちょいちょいビビってるけれど、その国の人達が怖いってのとは違うんだということに遅まきながら気づいた。そんな陽気で親切なメキシコの人達に感謝を感じつつの夜である。

 2017年1月5日(木) 走行距離117km 累計54784km
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 メキシコ9日目 ライグリエガの町〜エルモシージョから北西に約210km カボルカの町

 北米の国々が非常に大きな国であるためあんまり気にしてなかったが、メキシコという国もまた非常に広大な土地を持つ国である。それなりに距離走ってるつもりで地図を確認すると、笑ってしまうほど僅かしか移動してない。メキシコもまた走り終えるまでに時間かかりそうである。

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 教会の敷地で起きる朝

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 10円かからずに水は補給可能と理解した

 ようやく分かってきたことが、メキシコ北部は大砂漠地帯であるという事実。何故だか高山地帯だったり急峻な山々が多いイメージを抱いていたのだが、少なくともそういった地形は南部へと行かなければお目にかかれないようである。

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 それでも今日は山が見えたが

 土地に余裕ありまくりなのに、道路には全く側道が存在しない。別にメキシコ全ての道で側道が無いわけではなかったが、こうした主要道路に分類されるであろう大きな道でも車1台分以上の道路幅を造らないあたりがメキシコクオリティだといえる。

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 でも路面は超絶整備されてて走りやすかった

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 これは初見で分かりづらい

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 なるほど、川になった時の通り道か

 基本的には南下しているため日々の気温も徐々に上がっていってる気がしないでもない。それに呼応して私の服装も上着を脱いでTシャツのみとなり、今日はハーフパンツの着用を再開した。この感じだと数日以内には靴からサンダルへと履き変わって完全夏モードへと移行すると思われる。

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 しかしサボテンだー

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 なんか山に書かれているのは分かるけど

 今日はお昼過ぎに到着したカボルカというやや大き目の町で終了とした。もっと走っても良かったのだが、若干安めの宿があったので無理せずゆっくりしていくべきだと判断した結果。何事もダラける日は必要でしてよ。

 あと久しぶりにネットしたかったワケだが、部屋の中までWi-Fiが届かないのがメキシコクオリティ。何が悲しくて太陽が照りつける中でテラスに出てパソコン起動せにゃならんのか?PCいじる場所ってのは、インドアだと誰かが仰ってませんでしたか?

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 暑くはないけど照り返しが強すぎる

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 しかしいい雰囲気の宿である

 幾つかの町を回って理解したのだが、メキシコは町の中心部に大聖堂が存在しており、そこの周辺に安宿地帯がある模様。つまり私のような旅行者は見知らぬ町に到着したらまず町の中心部(セントロ)を目指せば良いということである。これの最大の問題点は、町の中心が全然わからないということなのだが。

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 こんな感じで教会がある

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 メキシコ人のセンスはわからんのう

 気温はそうでなくとも湿度が高いメキシコの国。必然、1日中走り続けると身体中がベッタベタになってしまい、これが今まで走ってきた国との大きな違いだといえよう。

 なんか田舎町ならば野宿難しくないと思ったメキシコであるが、とにかくシャワーを浴びなくては色々と厳しいのであり、Wi-Fi事情の悪さも相まってそれなりの頻度で今後も宿泊が増えそうである。こう書くとまるでテント泊を望んでいるようであるが、そんなつもりは毛頭ない。あしからず。

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 単純にお金の問題だな

 2017年1月6日(金) 走行距離62km 累計54846km
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 メキシコ10日目 カボルカの町

 現地で必要性を感じるまでスペイン語を全く学ぼうともしなかった私ではあるが、その必要性を感じてからは行動が速い。如何にして楽するかを考えつつ、NHKのスペイン語講座(You Tube)をダラダラと眺めて勉強している気になってる茶壺さん。

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 そんなんで覚えれたら苦労ない

 まぁついでに旅行でよく使うフレーズをノートに書き込み、これをフロントバッグに詰め込んで走行しつつ眺めたりとかしようと思う。自転車旅行は楽しいが、ある意味でものすごく暇な時間の多い旅行手段であると言えなくもない。

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 全て覚えたらヤギみたく食べてしまおうか

 居心地良かったカボルカの宿を出発して約2km。車に横から追突されて交通事故。もちろん私の乗ったロシナンテ号と車との出来事である。何言ってんだコイツ?・・・と思われるかもだが、私だって何でこんなことになった!?と一瞬意味がわからなかった。

 幸いにして車の速度はそれほど出ていたワケではないが、完全な脇見運転でノーブレーキアタックだったのであり、いい感じに吹っ飛ばされた。いくら荷物満載で重量級の自転車とはいえ、横っ腹を車にどつかれてはひとたまりもなかった。あえなく道路に転がされる私。集まってくる警察車両。

 なんか救急車まで出動してきて、以前の職業的にどうにもお世話になりたくない気持ちががが。とか思ったのだが、救命士の人は私の血圧だけ測った後、そのまま引き揚げてしまった。日本だったら交通事故の傷病者は問答無用に近い形で病院搬送するのだが、私の思いが通じたのだろうか?

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 でも自転車は壊れたので警察車両に乗せる

 ちょっと意外というか、加害者であるドライバーは轢き逃げせずちゃんと私に付き添っていた。勝手な思い込みで、運転マナーの悪い国なんてのは、小規模な事故とかは知らんぷりして逃げてしまうものだと思ってたよ。まぁ郊外に差し掛かる手前で目撃者多かったこともあるかもだが。

 とりあえず警察車両に乗って警察署へ。医師のウルトラ適当な診察を受けた後、町の自転車店へと移動し私の自転車修理となる。なお法令的なことは分からんが、加害者であるドライバーがこれら全ての料金を支払っている。

 キャリアをちょっと直して後輪タイヤがフレてしまったのを修理。少ない整備道具でなかなかどうして一生懸命に作業している所を見ると、メキシコの自転車屋やるじゃん!とか喝采を送りたくなってしまう。

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 タイヤレバーの代わりにマイナスドライバー使うとかさ

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 とりあえず走行できるようになって良かった

 そしてここで始めて病院へと連れて行かれる私。まぁ恐らく軽傷だとはいえ人間への対応が自転車の後になるとか良いのかそれで?もっとも私が「自転車の修理をしたい」と主張したのもあるかもだが。自転車乗りは時として自分よりもマシンの無事を優先してしまう。

 スペイン語で全然要領を得ないのだが、片言英語での説明でX線撮影をするということは分かった。というかこの病院にはそれ以外の設備があんまりないようで、特に痛みもない胸部や頸椎のX線撮影をした後に頂いた内服薬。

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 こんな展開半日前は予想だにしてなかった 

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 これ服用した方が良いのかどうなんだ・・・?

 警察署に戻って色んな書類に署名させられたりとか。午前9時過ぎの事故だったのに、一通りの手続きが終わったのは15時半。無理する場面でもないのでカボルカの町にてもう1泊して静養することにした。なお宿代もドライバーが支払った。

 左半身切り傷で痛いし散々だったので、せめて夕食くらいは楽しく豪華にしようとレストランへ。今日1日全くお金使っていないという点も大きいが。

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 メキシコはタコス系の料理が有名なのだが

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 どれもこれも物凄く美味い

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 腹一杯食べて100ペソ(約560円)ほど

 まぁしかし色々あったワケだが、とりあえず私も自転車も走行不能になるようなことがなく本当に良かった。ちなみに加害者に対してどうこうというのは特にない。私は人の「適当さ」とか「不注意」なんかは大事故でもなければまぁ仕方ないと思ってしまうタイプであるようだ。別れ際に握手までしたし。

 以前の仕事上、交通事故はたくさん見てきたのだがまさか自分が当事者になろうとは。人生わからないものですね。

 2017年1月7日(土) 走行距離2km 累計54848km
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 メキシコ11・12日目 カボルカの町

 カボルカ停滞。というのも朝になって起きてみたら、頭痛はあるし何だか体はダルいしであり、これ完全に「ムチ打ち」の症状じゃないか。予感はあったのだけども異国の地でワケも分からずの対応に全力でそこまで頭が回っていなかった・・・というのが本当のところ。

 とりあえず1日休んで様子を見ることにする。合間にネットで「交通事故 ムチ打ち」とか検索して、それはそれは恐ろしい後遺症の話とかが出てきたのであり、マジでビビっているのですが。

 ちなみに午前中に昨日の警察官がわざわざ様子見に尋ねてきてくれたりとかで、メキシコ人ってのは本当に親切というか仕事中なのにそんなんでええんか?とも思ったり。

 とにかく薬飲んで寝るくらいしか自分で対応できることがないので宿内にてひたすらダラダラしているわけだが、メキシコの人たち放っておいてくれないんすよ。何度か宿の主人が様子を見に来たり、併設しているレストランのオバちゃんが夕食に来いと誘ってくれたり。

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 今日の写真は飯くらいに

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 動いてないからそんなに食べてはいない

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 よくしてもらったレストランの人達

 アホな運転して自転車に迷惑かけるような輩もいる国なのに、これではこの国の人達が嫌いになれないじゃないか。結局体のダルさはあまり解消せずに1日が終了する。


 翌日。まだ体調怪しいので更にもう1泊延泊して様子を見る。日本だったならば病院で精密検査でも何でも手段はあろうところだが、この状況で私に取れる選択肢は限りなく少ない状況なのでして。

 寝すぎで眠れないので小説読んだりネットで暇つぶししたり。とにかく安静が一番大事だということくらいはわかるので、ビールも飲まずにひたすら静養しているなんて私ってなんという真面目っぷり。ちょいと補足しとくと、基本的に私はそういう性格なんですよ。真面目のベクトルが変な方向に向いてるだけで。

 幸いにしてお昼過ぎ頃からは体のダルさも取れ、頭痛も無くなる。これで運動始めたら一気にぶり返すとかそういう不安がないワケでもないが、もうこれで改善しないようならばそれなりに設備の整ってるメキシコシティまでワープ(バス移動)するしか方法ないでしょうよ。

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 今日も「大丈夫かい?」とレストランの兄ちゃんから差し入れ貰う

 多分、このカボルカで4泊もした日本人旅行者はほとんどいないだろうよ。私にしても特にこの町に滞在する予定はなかったのであり、まぁこういうのも不思議な縁というヤツなのかな?

 別に交通事故なんて体験したくもないし、いろいろ面倒事多くて不安も募るばかりだが起きてしまった出来事を嘆くよりも、それによって色んな人に良くしてもらい助けてもらったという事実を覚えておきたい。

 事実、このカボルカの町において私は多くの人達の優しさに助けられ良くしてもらった。事故というファクターだけを取ってみれば印象の良くないカボルカであるが、私はこの町が好きだし来て良かったと思っている。そう思えるのは間違い無くここに住んでいる人達のおかげだ。

 2017年1月8日(日) 走行距離0km 累計54846km
 2017年1月9日(月) 走行距離0km 累計54846km
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 メキシコ13日目 カボルカの町〜エルモシージョから北に約160km サンタアナの町

 体調万全に回復したわけではないけれど、そろそろ寝て過ごす日々の我慢に限界である。私は結構インドア趣味を楽しめる反面、丸1日外に出ないということに対して強いストレスを感じてしまう面倒くさい性格なのだ。

 思わぬ事故で4泊もしてしまったカボルカの町から出発準備すべく、放っておいた荷物の数々をまとめていく。その際にヘルメットにかなりのヒビというか、もう完全に廃棄処分になるであろうレベルの亀裂が入っているのを見つけたりして、ちょいと凹む。

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 頭は打たなかったんだけどな

 どちらにしてもある程度大きな町まで装備品を揃えることはできそうもないし、気持ちを切り替えて出発だ。蛍光灯の光だけでは体がシャキッとしないじゃないか。

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 お世話になりました

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 高いだけあって設備よかったモーテル

 しかし静養中は色々と不安なことを想像してしまうので、久しぶりに「自転車で走る」ということに対する有り難みを強く感じる。自転車で旅行するということは、人とマシンとが共に良い状態を保っているからこそ実現できる遊びであるんだなぁと。

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 普段は忘れているけれど

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 いいよね、サボテン

 そんなロシナンテ号と共に移り変わる景色を見ながら、自分の力で先へと進んでいくことの嬉しさよ。事故ってのも悪いことばかりじゃない、自転車に乗ることで感じる原始的な喜びを再確認させてくれるってもんだ。

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 もう1回体験したいとは思わないが

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 メキシコは料金所多いやね 自転車無料だからいいけれど

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 こんな僻地に自動販売機あろうとは

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 こういうの見ると、事故ってのは「運」が絡むんだと思ってしまう

 いい感じに100km強のポイントにある町で走行終了。まだ体調的に不安残る状態なので、テントではなく素直に宿泊施設に投宿する。ここは無理したり節約するような場面ではなかろうて。

 メキシコにおける町は決まったパターンがあるワケだが、ようやく最近町中で苦労せずに安宿を見つけることができるようになった。ポイントは「幹線道路から外れてセントロを見つける」ということにあった。

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 とにかくその周辺に安宿がある

 地味に700mを超える高さまで登らされたワケだが、朝から夕方にかけて見える景色が徐々に変わっていったのが印象深い。写真では分からないそうした移り変わりを見ることもまた自転車ならではの楽しみだと思ってる。

 2017年1月10日(火) 走行距離111km 累計54957km
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