自転車ときどき世界1周

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 コロンビア42日目&エクアドル1日目 イピアレスの町〜キトから北東に約90km アンブキの町

 走行距離の割に日数かかったコロンビアだが本日をもって終了である。向かうは6km先から始まるエクアドルの国であり、果てしないアンデス山脈第2章の始まりと言い換えても良い。

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 本当、宿のレベル高い国だった

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 朝食でコロンビアペソをきっちり使い切る

 弱い雨の中、ちょっと坂道下ったらそこはエクアドルとの国境。偶然出会ったアメリカ人サイクリストと一緒にイミグレーションへ並ぼうとするのだが、思った以上に長い行列が待ち構えているとは思いもよらなんだ。っていうか出入国を同じ窓口で対応してるから単純に長さ2倍になってますよ。無駄の多い。

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 待たされ過ぎてエクアドル入国の感動薄い

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 更にここで一家で自転車旅行してる人たちとも出会う

 なお今日は出入国手続きがあるからと、7時過ぎには宿を出発して行列ができる前にサクッと終わらそうと考えていました私。なんということでしょう、エクアドル側のイミグレーションにはコロンビア側の2倍はあろうかという長蛇の列ががが。

 聞くところでは本日エクアドルは国民の祝日なのだそうで、3連休の最終日とあってか普段以上に大勢の人で賑わっているとのこと。早めに出発したハズが、合計で2時間近くも待たされ続け、パスポートにスタンプ貰うだけで疲れたよ。

 まぁとにかく無事エクアドルに入国だ。溜まったフラストレーション吹き飛ばすべく気合い入れて走りましょうかね。

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 なお初っ端から上り坂

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 まずは首都であるキトを目指す

 イピアレスの標高2900mもあったのに、更に登らせるとかどんだけ向上心溢れているのだエクアドル。結局3300mまで登りきってようやくダウンヒルの始まりとなる。

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 エクアドルの景色は何ていうか「雄大」

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 この畑見てると富良野のパッチワークを思い出す

 多少の登り返しがあるものの、綺麗な景色と整備された道路で一気に進む。なお途中の町で昼食休憩したのだが、何故か初見のオッちゃんから「コレで何か食べろよ」とお金を頂いたのだが理由が全く分からない。多分、天使だったのだろう。町の名前もガブリエルだし。

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 そんなガブリエルの自転車モニュメント

 この先からが怒涛の道。具体的には山々を切り崩し、無理矢理道路を開通させたことが一目で分かる山岳ルートとなっていた。エクアドル政府がそんな道を作ってくれたおかげで、個人的には最高の景色を見ながら下り坂を楽しめるのであり最高だわこの道。

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 山削るの好きなんですね

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 どこまで続くのかアンデス山脈

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 道路も片側2車線&中央分離帯があって完璧

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 よくまぁこの山に道作ったもんだ

 合計で1500mほどを下りきると寒くて仕方なかった気温も上昇し、空気も心なしか濃くなった気がする。気のせいだって。

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 まだ下るみたいだけど

 小さな峠を1本超えたところで今日の所は勘弁してやることにする。終了ポイント何処にしようかと探し始めたタイミングで消防署が出てきたので。なお夕食のタイミングだったみたいで私も一緒に頂きました。

 いや初日から親切なエクアドル人に色々良くしてもらって嬉しい限り。これはエクアドル、楽しくなりそうな予感がする。

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 最近開発した新しい洗濯物の干し方

 2017年8月7日(月) 走行距離98km 累計65632km
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 エクアドル2日目 アンブキの町〜キトから東北東に約50km カヤンベの町

 エクアドル消防署の起床時間は6時のようで、時間とともに大音量の音楽鳴らしまくっていた。最初は中南米の消防署は自由だなと思ってたのだが、むしろ日本の消防署はお固すぎる・・・というのが今の私の感想である。

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 外国人に敷地内でテント張らせるくらいの融通が欲しい

 坂道の途中に位置してた町であるため、走り始めが下り坂というのは寝起きの体に優しい作り。そのまま町を抜けてしまい、上り坂へとチェンジするに至り、朝食を食べる機会が全くないことに気づいて大慌て。仕方なく売店のマズくて硬いパンケーキ食べて急場をしのぐ。

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 1650mから登り開始

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 よく分からんけど自転車が走りやすい道なのは確か

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 よくまぁこんな道登らせますよ

 割とあっさりイバラの町へ。コロンビアから来た場合はこのイバラが最初の大きな町になるのだが、特に用事もないし町が大きくなると側道が消えるわ交通量増えるわでロクなことないのでスルー。バイバイイバラ。

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 ずんずん先へ

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 エクアドル盆栽

 イバラ以降も引き続き上り坂。仮にこの町を中間地点とするならば、後半戦の登りはものすげー疲れた。ロクな食事を取ってないと、疲れが出てきた時に踏ん張りが利かなくなると思うのだが、どうなんだろう?

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 んで、お昼にしたのだが

 この2日の感想としては私はコロンビア料理の方が好きだなぁ。というかこの店の料理はしょっぱ過ぎる上に飲み物がないという悲惨な仕様。それでもって料金もお高いのであり、今後に不安が残るなエクアドルの食事情。

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 2000m代後半なのに遥か高い山を望みながら走る

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 登山したい

 昨日ダウンヒルで使った高度貯金のほとんどを本日稼ぎ直したというべきか、まさかの3100mまで登り返すことになろうとは。獲得標高もさることながら、今日は走行距離も相当走っているのであり、ちょっとばかし体にガタ来る運動強度だったかもしれない。

 実際、上り坂の途中で疲れて15分くらい休憩しているのであり、キリの良いポイントでもない場所で立ち止まってしまうのはコロンビアでは1度もなかったこと。エクアドルの坂が特別厳しいとまでは思わないが、少々難易度上がったか?

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 無理して走りすぎた説、有

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 最高地点まで来たし、カヤンベという町で終わりにする

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 最初と最後だけ下り坂だった今日

 とりあえずホスタルにチェックインして人心地付く。朝7時から17時前まで走り続ける激走だったわ。これはさぞかしビールが美味かろうて。

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 実際美味かった

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 あと隣の公園がやたら立派で吃驚した

 この2日割と頑張ったので明日にはキトに到着できる見込み。きっとキトに着ける!とか阿呆なこと言ってられる辺り、まだ限界ではないようです。

 2017年8月8日(火) 走行距離96km 累計65728km
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 エクアドル3日目 カヤンベの町〜エクアドル首都 キトの町

 コロンビアからエクアドルに入り、明らかに空気が乾燥したと感じる。自転車旅行的には喉が渇くことがそのまま水分携行量を多くすることに繋がりかねないため、良いことばかりと言えないのだが洗濯物が早く乾くし私は好きだ。

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 寒いとそれほど水飲まないし

 カヤンベの町を出発して僅かに5km。この国の名前となってもいる赤道ラインへと到着である。

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 今回の旅行、2度目の自力通過

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 外で自転車と一緒に記念撮影できるのが良いね

 なお首都であるキトの町北部にはもっと立派な赤道記念館だか博物館があるらしいのだが、それには全く心惹かれない。私は自転車で北半球から南半球へと新たなステージに入った実感を得たかったのであり、これくらいの簡単な記念碑があれば十分だといえる。

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 他に誰もいないのが嬉しい

 ということで1年以上に渡って太陽に向けて走り続けてきた日々は、今を境に背を向けての走行へと変わりまする。何というか、感慨深い。

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 「オトン」も喜ぶし

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 「やる気」も出るよ

 なおエクアドル入って午前中から青空が広がったのは今日が初。やっぱり高い山々に灰色の雲は似合わない。透き通るような青色を目にして走っていると、何だか私も最高の気分になってくるというもの。

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 幸せ 

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 自転車旅行ここに極まれり

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 2600mくらいあるけど天気が良いと半袖で十分

 エクアドルに入ったことでもう1つ変わったと思うのが、平均高度が上がった点。コロンビアでもちょくちょく3000m越える峠があったけど、それはやや低めの標高から一気に登り、頂上から折り返し下るような道だった。

 これがエクアドルでは2000m代後半でちょこちょこアップダウンを繰り返しつつ、場合によっては3000mも超えてくるといった具合。そのため全体的に走ってる高度が上がっているし、3000m越える場所でも平気で集落が広がっている。

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 この先のキトだって標高2900mの町だし

 なお大都市キトへ侵入するにおいて、南北に長いこの町の中央ど真ん中である東側から突っ込む形をとった。こうすれば交通量多くて走りづらい都市部走行を最小限に押さえられるという賢い判断なのであるが。

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 その代わり崖みたいな道を登らなくてはならない

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 しかもアスファルトじゃなくてブロック敷きかよ!

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 最後の250mアップに1時間かかった

 やっとの思いでキトへ到着。ホステルにチェックして荷物を運び込み、とりあえずベッドに腰を落ち着けたらそこから1時間以上動けなかった。かなり厳しい行程だったのに加え、キトの町に着いたことにより気が抜けたか。

 とりあえず明日明後日で体調万全にして調子整えたいところ。地味に体調悪かったのです。

 2017年8月9日(水) 走行距離77km 累計65805km
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 エクアドル4・5日目 キトの町

 流石に国境越えてからここキトまでを3日で走り抜けるのは疲れたわ。距離的には1日平均90kmくらいで無理ないのだが、獲得標高が4000m超えてるとかどんな修行だよまったく。

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 そんなわけでキトではゆっくり休みます

 気持ちの糸は緩んだままで午前中をベッドの上で過ごした後、ようやく空腹を感じて動き始める始末。ついでにキトにおける唯一の目的である新しいガソリンバーナーを買いに行こうと思う。

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 すぐそばの中華屋に昨日も含め3日連続で通うことになる

 有り余る時間の中で下調べ十分に済ましておいたため、全く迷うことなく目的のアウトドアショップへとたどり着く。なおボゴタでも見た市内を走るバス型電車は1回の乗車が0.25ドルと非常にお安い。

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 エクアドルで最大手のアウトドアショップとのこと

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 確かに自転車関連から

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 登山用品まで

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 南米とは思えない充実っぷり

 エクアドルという国は経済的な側面だけで見れば隣国のコロンビアやペルーに及ばなく、私としても当初はコロンビアでガソリンバーナーを入手する腹積もりであった。

 ところが南米においてアウトドア用品が最も充実しているというか、レベルの高いアウトドア用品が手に入る都市は数えるほどしかないらしく、そうした貴重な都市がここキトだという不思議。

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 値段は日本と同じくらいでした

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 中心街だけを見ればコロンビアより立派に感じる

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 ショッピングモールにもアウトドア店あったし

 道具の種類は北米と比べるとさすがに見劣りするが、それでも非常にレベルの高いショップであった。中米諸国やコロンビアとかアウトドア用品の品揃え悲惨なレベルだったもんなぁ。

 無事バーナーも入手できたし、エクアドルは過疎地域なら野宿も大丈夫そうである。この先のルートを考えるのが俄然楽しくなってきたと思いつつ、地図見てニヤニヤしてましたわ。


 翌日。なんか旧市街の街並みが世界遺産に登録されてるらしいキトの町。最初は軽く観光してみようと思ってたのだが、気分的にどうでもよくなり丸1日身体を休めて終わる。

 つーかエクアドルはアンデスが素晴らしすぎてそっちにモチベーション全振りというか、こんな人多い町でストレス溜めながら観光して疲れるよりも、ここで体調万全にして心逝くまでアンデスを走りたいとか思ってしまいまして。

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 話によく聞くインカコーラ飲んでみた

 あとこの日はエクアドルの独立記念日で休日であった。ついでに入国初日の休日とやらは何だったのか?と調べてみたのだが、別にその日は何でもない平日だったようであり、あのアメリカ野郎!適当なことを言いおって。

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 こんな交通量が少ないの珍しいんだろうな

 折角なので髪の毛切ろうとしたら、バリカンがぶっ壊れて使えなくなっていた。これで僅かばかりのやる気も全て失い、以後は宿から出ることもなく本日終了する。何にもしてないけれど、もうキトはお腹いっぱいなので明日には出発だ。

 2017年8月10日(木) 走行距離0km 累計65805km
 2017年8月11日(金) 走行距離0km 累計65805km
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 エクアドル6日目 キトの町〜キトから南へ約60km ラッソの町

 ひたすら寝ていただけの都市であったキトとおさらばすべく、フリーの朝食が始まる1時間前には起床する。というのも無料の朝食で自転車乗りを満足させてくれるような量を出してくれる安宿なんぞ皆無と言ってもいいレベルであり、足りない分を補うために朝からキッチン使ってます。

 そんな感じで満腹になったので出発する。南北に長いキトを、とりあえず郊外まで抜けてしまうのであれば東へ向かって進むのが正解なのだが、折角なので町南部にある旧市街の街並みを見て南へと走ろうかと思う。

 あまり賢くない選択だと言わざるえを得ないが、そもそもキトの侵入に東ルートを使ってるので同じ道走らないためには南へ進むしかないのだ。

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 絶対他にもルートある

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 それはともかく旧市街

 やっぱり無機質なビル群と観光客相手の盛り場に囲まれた場所よりは風情があって大変よろしい。この旧市街にも多くの安宿が軒を連ねる中で、それでも私が新市街に宿を取ったのは一重にガソリンバーナーを買いに行くのが楽だったから、である。

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 あと先行してる沖野君が旧市街の宿はゴキブリだらけで汚いと教えてくれた

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 ショッピングモールがやたらデカい

 こうしたモールというのは町の外れにあるというのが経験上分かっているので、「よっしゃ、もうすぐキトを抜けるぜ!」とか喜んでたのに、それから一向に景色が変わらない道が続く。いいからはよ牧草地帯に切り替われっての。

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 地味に上り坂だったのが原因か

 20kmを走ってようやくキト脱出。道路に側道も戻ってきたし、左右を緑の色した山々が囲む景色が私は好きだ。ようやく楽しいエクアドルが戻ってきたと思いますん。

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 一旦大下りを挟んで

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 エクアドルの道が戻ってきた

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 何のイベントだったのか?

 これがゆるゆるの斜度でしつこく登り続けるタイプの坂ときた。一旦2700mまで下がった標高は、ふと高度計を見る度に少しずつ数字を増していくのであり、楽といえばそうなのだが「いつまで続くんだよ」と言った思いが拭えない。

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 まさか3500弱まで登るとは・・・

 地味に自転車走行中における最高地点を更新しているのだが、どうせ数日後には更なる高い場所へと登るのだと思っていると、感動も薄いといいますか。

 というか峠の頂上に向かって必死に自転車こいだ末に、山頂でガッツポーズ出しながら記録ってのは更新してほしいものですよ。サラっと「やっちゃいました〜」みたいなノリは面白くない。

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 ここからガツンと下る

 今日の午後はずっと天気悪くて雨も降ったり止んだりのハッキリしない状態。再び雨が降り出しそうなのを見てさっさと宿へ逃げ込もうとしたのだが、小さい町だからなのか土曜日は営業してないでやがる。

 でも裏手にある敷地が広くて使いやすそうなので、お願いしてテント張らせてもらうことにした。というかこの町他に安宿ないみたいだし、次の町まで走り直す気力がもう出てこないっす。

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 エクアドルは頑張りすぎると疲れきっちゃうし

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 のんびり行こうと思いますん

 案の定、この後雨に降られた私だが幸いなことにロシナンテ号は屋根の下に避難完了している。テントが濡れるのも何かと面倒ではあるが、自転車さえ無事なら割と気持ちは余裕です。

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 なお浮いた宿泊費はビール4本セットへと姿を変えた。

 2017年8月12日(土) 走行距離73km 累計65878km
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 エクアドル7日目 ラッソの町〜キトから南へ約120km アンバトの町

 宿(の裏庭)で一夜を明かし、久しぶりの朝からコーヒーに舌鼓。キャンプは満天の星を見る夜中も良いが、まだ肌寒い日が昇る朝方も甲乙付けがたいと感じる。

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 8時過ぎを「朝方」というのはどうなのよ?

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 近くのコミュニティセンターで水補給してから出発する

 エクアドル入国当初はその山々ばかりが続く光景に相当の覚悟をしたものだが、キトを過ぎてからは激しいアップダウンは一段落した模様。完全な平坦路こそ出てこないが、自転車で無理なく走れる道が続くのでありこれは意外と楽できるんじゃね?エクアドルさんよぉ。

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 オーストラリアを思い出す牛の群れ

 ところで現在走っているE35という道路が片側4車線という異様に立派な道路。別に高速道路でも(多分)ない普通の道なのだが、これほど立派な道路を作る必要があったのだろうか?

 そりゃこれだけ広くてしっかりしてる道は自転車においても走るの楽なのだが、何というか立派すぎる道路で走ってて面白くないという贅沢な文句の1つでも言いたくなる。

 やっぱり知らない異国の道を走るのならば、こちらが勝手に思い描いたイメージに近い道というのを体験してみたいじゃないか。エクアドルであればそりゃアンデスの山々に囲まれた牧歌的な雰囲気の草原の真中を進みたいのであり、こんな立派な道路ばかりじゃ退屈してしまう。

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 無茶苦茶身勝手なこと言ってるとは思う

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 銅像に兵隊が多いエクアドル

 というか一般道路で100km以上に渡ってこんな広い道が続くことがそうそうないからの言なのだ。山岳地帯ばかりで道を通すの大変そうなエクアドルだが、やたら立派な道路を造る情熱に関しては日本を上回っているかもしれないとすら思う。

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 山削りまくりだし

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 このアイスをやたらプッシュしてた

 看板持ちのオネーチャンが可愛かったので思わずアイス休憩。自転車で走ってると気にならないが、停車してアイスを食べようものならここが3000m近い高地であったことを思い出させられる。気温だって手元の温度計で10度そこそこだというのに、Tシャツ1枚でアイス。阿呆である。

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 アンバトの町へ

 写真見ても分かる通り、山岳地帯に作られてる町は割と崖ギリギリまで建物が並び立っている。

 これはイバラやキトといった他の町でも同様で、私が思うに最初は町に住む人口も少なく家々も普通に立ち並んでいたのだが、人口増加と都市部における人口一極集中でどんどん町が広がってしまい、有効活用できる土地は「全部使っちゃれや!」の精神で溢れ出てきた結果であると思っている。

 イメージでいうと「コップに水入れ過ぎて漏れそう」な感じ。

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 そんなアンバトの町へ到着

 1泊5ドルという宿に投宿し、町中ぶらぶら散策する。と言っても日曜日なのでその大半のお店がシャッター下ろしていたのだが。そろそろ伸びてきた髪の毛切りたいのに、バリカン壊れたりタイミング合わなかったりで私の髪の毛伸び放題。このまま好きにはさせておけん。

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 登ってみたくなる景色

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 登ってみた景色

 ということで明日は立派な主要道路を外れて山道へと行ってみようと思いますん。自転車旅行は自分で行き先を自由に決めれるのが良いところなのだし。

 2017年8月13日(日) 走行距離67km 累計65945km
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 エクアドル8日目 アンバトの町〜キトから南南西に142km地点 道路脇

 アンバトの町西部に位置するエクアドル最高峰チンボラソ山。地球が赤道側に広がる楕円形をしている関係で、地球の中心点から地上で最も離れている場所である。ちと限定的な定義だが、それでもロマン溢れる山ではないか。

 ということでアンバトからちょっと寄り道して、チンボラソの山を回るルートを走ろうと思う。一応登山口まで舗装路が続いてるようであり、山の麓とはいえ標高4000mを超える場所へ。これは楽しみである。

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 良い値段の宿でした

 町中に激しい坂があるアンバトの町を必死こいて脱出する。この後山登りが続くはずなのに、結果として1番斜度キツかったのが町中の坂道だとか嬉しくないなぁ。

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 そんじゃねアンバト

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 アンコウならぬ豚の吊るし切りってか

 サンタロサという町で食材購入しつつ、この先レストランがあるか分からないので早めの昼食とする。ここ最近お昼を食べるタイミング逃して空腹走行になることが多いけど、今回それやってしまうと洒落にならない大事故を引き起こしかねないので。

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 10km先の町にレストランあったんだけどね

 なお本日ここ最近イマイチだった天気を覆すかのような晴天である。山の周りを走るのに雲掛かって全然見えなかったら残念どころの話では済まなかったのであり、そういう意味でタイミングばっちりだったと思う。日頃の行いだとか余計なことは言いませんよ私は。

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 20kmくらいからチラホラ姿を見せ始める
 

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 3000m超えても畑作るの一生懸命

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 なお今日は写真撮りまくりの1日

 この赤道直下の国で雪が降り積もっている山を見るのは新鮮であり見応えがある。スネークラインを走っているので手前の山の陰から見えたり隠れたりするのだが、その姿を見せる度に写真撮影してるのでやたらペースが遅い。

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 警察官のオッちゃんから水を頂いた

 このポイントが丁度富士山頂の高さだった。まだこの辺りではインディヘナの人たちと思われる家もチラホラ現れるし、木々も生え揃っている。晴天なのでTシャツ1枚でも何とかイケる程度には暖かいのもあって、まだ「人が住む土地」という印象が強い場所。

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 そこからもう少し登って3900mを過ぎると

 完全に森林限界となったようで、木々が姿を消し荒涼とした平原が広がる土地になる。ここから一気に人が定住しない世界へと突入したようでワクワクさせやがる。

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 嗚呼チンボラソ

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 休憩ついでにアングル変えてみたり

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 君がビクーニャですか?

 標高4000mを越えると流石に稜線へと出たようで、遮るものがなくなり左側には常にチンボラソが佇む景色の中を走る。

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 なお強い追い風で楽チン

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 しかしこの景色

 本当にこの道素晴らしい。それなりに色んな道を自転車で走ってきたつもりだが、この道を走ってて「地球って大きいな!」という気持ちになったのは初めてじゃないだろうか?

 世界にはまだまだ見果てぬ景色がある・・・というのを知識では分かっていても、私は今日ここを走るまでそれをちっとも理解してなかったのだと思ってしまう。自分の想像力を凌駕する、そんな景色の中を今私は走っているのだ。

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 61km地点に自転車宿泊ポイントが

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 こんな道作ってくれて本当にありがとう

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 ここから登山道へ向かう道へ

 この三叉路はちょっと通り過ぎたとこから振り返って撮影した1枚なのだが、よく見るとダート路の向こう、丘の上に何やら建物が見えるではないか。

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 アップ

 遠目から見ても人が住んでる建物ではないし、山が見える最高の立地でキャンプできるじゃん!・・・と自転車押して丘を登るはいいのだが・・・

 何コレ無茶苦茶キツいんですれど。自転車乗ってるとそれほど意識しないがここは標高4200mであり、自転車押して坂道を上がると猛烈に息切れするのですが。10m押しては呼吸を整えて、再度押し進めるという地獄の前進。500m進むのにたっぷり30分はかかったわ。

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しんどかった

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 でもまぁ最高の景色だし良しとする

 暴風かと思える風なので、この建物内でゆったり食事作れるのが有難い。太陽が徐々に沈むにつれて、色合いが変化していくチンボラソの写真を撮ってるため食事作るのがその都度ストップするのだが仕方ない。

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 仕方ないでしょ?

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 ビールここまで運んで本当に良かった

 なお4000mオーバーでもお米はそれなりに美味しく炊けた。今後も高地で食事を作る機会があると思うので今回はある意味試金石だったのだが、これならアンデス後半戦でもご飯が食べられそうで何よりである。

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 夜になると猛烈に寒い

 しかしこの標高だと星が綺麗なことこの上ない。寒いけれどもここは頑張りどころだと一眼カメラ使って星空撮影に四苦八苦してたのだが、前々から調子悪かったオリンパス君。見事にぶっ壊れて無事終了となりました。お後がよろしいようで。

 2017年8月14日(月) 走行距離67km 累計66012km
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 エクアドル9日目 道路脇〜クエンカから北北東に約110km グアモテの町

 一晩中台風かと思うほどの強風が吹きすさぶ夜。最高の立地というのは時に最悪の条件下での就寝を余儀なくされるものなのだと知る。というか知りたくなかったそんなこと。

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 でも目を覚まして雲海の中にいるのには感動する

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 雲間から見えるチンボラソも見応えあるなぁ

 標高が4000mを越えるとエクアドルでも寒い。むしろそんな高さで寒くないハズなかろうと思うのが一般的かもしれないが、私は寒くないと思ってたのだ。主に昨日の経験から。

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 朝食は建物跡に避難して作る

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 パスタもこの高さなら問題ない

 どうやらこの一帯では風は常に一定の方向から吹き続けるようであるが、私が走っているルートはチンボラソ山の麓を回るルートであるため、どうしたって追い風を受け続けてばかりはいられない。

 厄介な横っ風に自転車をフラつかせながら、人が住むには厳しすぎる荒涼とした世界をひた走る。

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 幸い天気は今日も上々

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 ビクーニャ?そこらへんで50頭くらい見たよ

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 そこらへん

 チンボラソのメイン登山口を超えた辺りで下り坂へと切り替わる。手元の高度計で4300mは、もちろんこの旅行を始めて以来最高地点。まだまだ登ってみたいと思わせる素晴らしい道であったが、それはこの先のアンデス山脈に期待しておこう。

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 見果てぬ景色に思いを馳せて

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 でも今はチンボラソを満喫するよ

 ここから一気に下り坂だ!と思った矢先、側道のバイクトレイルルートから1台の荷物満載サイクリストが。いやはや結構このルートって自転車旅行者に人気の道なんだね、まさかここでサイクリストに出会うとは思わなかったよ・・・と思ったら。

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 中米一緒に走った沖野君だった

 コロンビアのメデジンで再会して以来3度目の邂逅である。南米のルート似てるところがあるため、何処かでまた再会するかもとは思っていたが、場所が場所だけに驚きを隠せない。もっと言えば彼の顔がもの凄い髭面になっていたことに驚きを隠せない。

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 ということで暫く一緒に走ることに

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 徐々に離れていくチンボラソ

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 ちなみにコイツら3900mを境に一切その姿を消す

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 あっという間に小さくなるチンボラソ

 1000m以上を下って一気にいつものエクアドルの世界へと舞い戻ってきた気分。3000m超の環境で「いつもの」と表現するのもスゴいと思うが、この国はそれが許されるアンデス山脈に囲まれている。

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 そんなエクアドル(山岳地帯)が私は好きだ

 道が緩やかなこともあり、沖野君とそれぞれ走ったルートについて、あーでもないこーでもないと雑談しつつの気楽な走行。別に平坦路というワケではないのだが、ちょっと緩やかな坂道くらいならなんかもう楽に思えてしまう不思議。

 とりあえずグアモテの町へ到着し、町中にある全ての宿を尋ねてみたのだが何処も値段が高いという不条理。標高と同時にエクアドルにおける宿泊費も最高値を記録したのであり、欲しくないよそんな記録。

 でもここは南部大都市であるクエンカまでの中継ポイントということもあり連泊する。休息日挟まずに走りまくるとキト到着時の二の舞となりかねないのであり、体力は小出しにしていきましょう。

 2017年8月15日(火) 走行距離80km 累計66092km
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 エクアドル10日目 グアモテの町

 割とエクアドルの町は多種多様というか、小さな町でも画一的な感じではなく特色を感じさせることが多い。メキシコとか何処に行っても似たような造りの町だったことを思い起こせばそれはもう。

 そんなエクアドルにおいてもこのグアモテの町は独特な雰囲気を醸し出すというか、有り体に言えば「寂しい」雰囲気の町である。

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 いや、寂しいとはちょっと違うか

 何かこう栄枯衰退を感じさせるというべきか、かつては活気のあった町が時が経ちうらぶれてしまい、そのまま時が止まったかのように細々と存続している雰囲気。似たような町でいうと、オーストラリアはタスマニア島南西部にあったかつて鉱物資源で栄えたものの、資源取りつくしてしまい寂れたジーハンの町とかか。


 休息日だからゆっくりするのではなく、町中歩き回っても1時間いらない規模であるためゆっくりする。要するにこの町で見て回るような観光的見世物はほぼ存在しない。それは別にツマラナイわけではないけれど。

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 とりあえず午前中は部屋でネットしてた

 小腹を空かせて町中散歩。昨日から並走しているエクアドルの高山地帯を延びる線路はここグアモテにも駅舎があり、やたら小さな町の割にホテルが多かったり中心部に観光地図があったりするのは、この列車が人気を博していた時期があるかららしい。

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 一通りの施設は揃ってる

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 でも教会前の広場ですらこんな感じ

 1月半以上放っておいた髪の毛を切ることが本日課せられた唯一の目的。幸いというか、エクアドルに限らず散髪関係というのは小さな町でも豊富に店を構えているのであり、ここグアモテの町においても4つも5つもお店が見受けられる。そんなのよりも安い宿を増やせと言いたい。

 僅か2ドルで綺麗に顔剃りまでしてくれるのであり、この競争率と低料金、更に町の人口とを考えるとどう考えても赤字経営必死だと思うのだけど、そこんところどうなんでしょう?

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 なおエクアドルで2ドルってのは食事1回分

 母方の祖母の家も相当に世間から隔絶されていた感のある島根の片田舎ではあったが、こうして海外の小さな町に泊まるとよく分かる。あの町ですら相当に栄えていた場所だったのだと。

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 とりあえず町中が舗装されてれば都会

 別にグアモテ自体は地図で確認する限りではエクアドルの小〜中規模の町という扱いで、そんなド田舎とは違うのだけども。何というかこの町に漂う空気感がそう思わせるのだ。

 こういう何か語ってるようで何にも触れてないまったりとした物言いをしておけば「茶壺は旅行で何か色々考えてるのだ」と勘違いしてくれる人がいるのだと信じたい。

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 そんなグアモテの町でした

 2017年8月16日(水) 走行距離0km 累計66092km
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 エクアドル11日目 グアモテの町〜クエンカから北に約70km チュンチの町

 沖野君とは次に訪れる予定のクエンカの町までをペアランする予定としている。その後も進行予定ルートは一緒なのだが、まぁそこら辺まで走ったら後は各々好きに走りましょうという考えであるため。

 とりあえずはクエンカまでを3日で走りきるためグアモテの町を出発しようと試みる。しかし宿を出てみてビックリ、寂しい雰囲気を纏っていたグアモテは何処へやら。ホテル前の道まで屋台がぎっしり並んで軒を連ねている。

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 全く別の町に来たかのよう

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 こんなに活気ある町だったなんて

 私が2日の間に見てきたグアモテとは思えない変わりように驚きつつ、日にちや時間帯によってここまで大きく姿を変えるグアモテという町のポテンシャルを最後に垣間見れたような気がして嬉しくもある。

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 それはともかく走行開始

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 珍しく針葉樹が生えそろう道

 昨日と異なり青空が広がる気持ちいい天気。標高は3000mを越えてきたのだが、太陽が照りつけるこの状態ではTシャツ1枚でもうっすら汗をかく暖かさ。とはいえ手元の温度計は10度ちょっとの数字を指しているのであり、決して暑くて仕方がないワケではない。

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 むしろ涼しいくらい

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 平坦路なようで完全フラット道は出てこない

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 適度にアップダウンを繰り返すのがエクアドル

 お昼だからとアラウシの町で昼食休憩にしたのだが、この町からが本日の本番といっても過言ではない。本日のゴール予定であるチュンチの町はアラウシから直線距離で12kmと短い距離。

 ところが道路に沿って走ってみると、走行38km、300mアップの後に600mの坂を下り、再び300mを登る・・・という大渓谷迂回ルートでの走行となってしまう。たかが谷を1つ越えるだけで半日を必要とする辺り、南米のスケールの大きさには感嘆するばかりじゃないか。

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 まずはこの丘を越えますとも

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 登ってきたルートがはっきり分かる九十九折りの坂

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 この先の道も山中に伸びる道が見える

 この国を走っていると「よくまぁエクアドル人はこんな山岳地帯に道路を通したものだ」と度々感心するばかり。遥か彼方豆粒のように見える小さな点が、隣の山に作られた道路を走るトラックだと理解した時にはなんか驚くというより呆れる気持ちになってしまう。

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 何を思ってこんな道を通したのかと

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 そのおかげで最高の景色を眺めながら旅行ができる

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 この小さな川を渡るために往復10km以上の回り道でした

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 そして再び上り坂へ

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 スケールが大きすぎて思わずため息出てしまう

 チンボラソ山が圧倒的なスケールと景色を見せてくれたと思いきや、エクアドルの山岳地帯はどこを走っても全く引けを取らない道ばかり。この国の魅力はアンデス山脈の中に続く道にこそあるのだと私は声を大にして言いたい。

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 つまり自転車こそがこの国を1番楽しめると思う

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 だからみんな自転車で旅行すればいいんよ

 そんな感じで無事チュンチの町へ到着する。ここら辺にある唯一の宿泊施設を有する町であり、自転車旅行をするにおいて欠かせないポイントであると言える。

 早々に宿へチェックインした後、ネットに精を出そうとしたのだが何故かWi-Fiが繋がらず。私だけでなく沖野君も同様の症状であるため、宿の設備が悪いと思われる。仕方ないので軽く町歩きしたりビール飲んだりしてた。

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 エクアドルは地図で見るより立派な町なことが多い

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 コロンビアもそうだけどバレーボールが割と人気のスポーツ

 なおペアランしてる沖野君は本日が誕生日であった。ちゃんとしたお祝いはクエンカの町に到着して開催することにしており、今日は1ℓのアイスを食べたのでご満悦とのこと。ビールを飲まんかい!

 2017年8月17日(木) 走行距離80km 累計66172km
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