自転車ときどき世界1周

カテゴリ:南米 > ペルー

 エクアドル23日目&ペルー1日目 スンバの町〜リマから北北西に約800km サン イグナシオの町

 晴れたので、改めましてエクアドルラストラン開始である。何だかエクアドルは終わりに向かうにつれて、どんどん厳しい道へと変貌している気がするのだが、もう国境までは30kmもない程度。たとえ厳しい道だとしても、このまま勢いで走りきれる程度。

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 という気持ちで宿を出たのです

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 今日も未舗装路がまぶしいなぁ

 やはりというか、路面の柔らかい場所では昨日の雨でぬかるんでいる場所があった。下手に昨日突撃しようものなら大惨事となっていたことが伺えるのであり、ダラダラとネットして遊んでいた私は間違っていなかった!と、自分を褒めそやすのである。

 雨の中こんな道とかマジ勘弁

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 最近よくある谷底の道は川が流れてるパターン

 しかしここからがエクアドルの最後っ屁とでもいうべきか、猛烈な斜度の坂道が私の前に立ちふさがる。全力で漕いでるのに時速4km出ないのも凄いが、車避けるために一旦停車したら、あまりの急斜面&未舗装で後輪滑ってしまいリスタートができないでござる。

 というか坂の真ん中で立ち往生してるのですら厳しいという鬼畜仕様。5〜6回ペダルを踏みなおしてようやく出発できたは良いが、そもそもここは坂道の途上であり、私はそんな上まで登らにゃならんのか。

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 たかが300m程度で全力使ったわ

 素敵なことに、このレベルの超ド級坂道が他にも2つ用意されていた。これはエクアドルから最後の私への挑戦状だと受け取り、これは意地でも自転車押すもんかと無理して走る。道理を蹴っ飛ばして無理するから自転車旅行なんだよ!

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 足は着いたけど押さなかったし私の勝ちってことで1つ

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 最後に猛烈な下り坂越えるとあるイミグレーション

 久しぶりの利用者少ない国境越えで、イミグレーションの職員が適当極まりないのが良い。建物に職員いなくて「何だこれ?」と思ったら、外でタバコ吸ってたオッちゃんが職員だった・・・とかそれくらいのノリ、好きですよ私は。

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 よろしくペルー

 なおペルー入国で「何日くらい滞在するのか?」と聞かれたので、かなり多めに見積もって「4ヶ月くらい欲しい」と言ったら期限4ヶ月にしてくれた。緩いなペルー。それとも「自転車はすごく遅いから時間がかかるんだよ!」という私の弁を汲んでくれたのか?

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 米の食感が劇的に変わった

 なお変わったのは食事だけではない。道路も舗装された道になったし、何より坂が劇的に変わった。これなら何処までも登っていけるのではないかと錯覚するほど緩やかに。

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 超絶楽チン

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 というかエクアドルの最後が狂ってるレベルなだけ

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 山を無理に削ってるからか、崖崩れが多い

 坂道は緩やかなんだけど長い。いつまで走っても坂道が終わらないのであり、国境1つ越えただけでこうも道の印象が変わるものかと驚くわ。両国の特徴足して2で割ればちょうどいい道になるんじゃないかしらん?

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 今日だけで5回くらい見たぞケイコさん

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 君たち

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 そこ道路の上なんだけど

 道路脇の家の前、路上にビニールシートが敷かれ豆が天日干しされている。確認してみたらコーヒー豆を乾燥させているとのことで、どうやらこの地域一帯はコーヒー栽培が盛んらしい。

 ならば新しいコーヒー豆を買いたいところだが、タイミング悪く4日前にビルカバンバの町で新しくコーヒー豆買っちゃったんですよ。向こうも地元で作ったコーヒーとしてウリにしてたヤツを。

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 ブラジル→コロンビア

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 ちょっとした集落とかこんな感じ

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 サッカー場なんてコーヒー農園

 結局国境越えた後はず〜っと上り坂。標高自体は1600mと900アップくらいで済んだのだが、ジワジワと登らされるのもなかなかキツいな。途中で2回くらい下り混ざって標高下げられたし。

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 最後に見えたサン イグナシオの町まで下って終了

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 やっぱりコーヒー豆売ってた

 入国初日はお金降ろしたり物価を把握したりと忙しいのです私。町中キョロキョロ見て回りつつ、とりあえずペルーもビールは美味かった。それだけでこの国を走る理由ができたというものですよ!

 さてペルー。期間は4ヶ月もあるのだし、どんなルートで走ろうか今から楽しみだ。

 2017年8月29日(火) 走行距離74km 累計66769km
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 ペルー2日目 サン イグナシオの町〜リマから北北西に約730km ハエンの町

 とりあえずペルーに入ったことで僅かだが物価が下がり、坂道は緩やかになると良いことだらけな気がしないでもない。最もマイナス点を挙げるならば、貧困格差が開いたのかボロい家が増えたことや、3輪タクシーの運転が荒くて危険度高い等、良いことばかりではないけども。

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 あと標高下がって暑くなった

 2017年の8月は平均気温が20度を下回る大変過ごしやすい季節だったのに、ここに来て気温急上昇とはこれ如何に!?しかも現在1300mのサン イグナシオから先は更に低地へと進むので、もはや暑くなることから逃げられない。

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 最初こそ上り坂だったけど

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 一気に700mのダウンヒルに

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 もうこの看板ペルーで10回以上出てきた看板

 右へ左へウネウネ回り回りながら降りてきたのは川沿いである。ここから暫くは流れる川と並行して平地が続くのであり、何ですかこの国!エクアドルと違って賢い道路設計してるじゃないか。

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 楽だよね、平坦道路

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 田んぼ久しぶりに見た

 しかしものすごく暑いのです。エクアドルでは4日経っても手持ちの水が無くならないレベルだったのに、既に午前中で半分の水を消費する始末。気温は現在28度と猛烈な暑さ・・・・とか言ったら怒られるだろうけども。

 1月半も10度そこそこの環境で過ごしていた反動か、暑さに対する耐性が全くなくなっていることが実感できる。恐らくは山ばっかり走っていたことで私の脚も山岳仕様になってしまったことだろう。平地でスピードがイマイチ乗らない気がするのはそのためか。

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 道路は車洗う場所じゃないと思う

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 エクアドルはね、最後こんな坂のイメージ

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 お昼休憩

 これも小さな集落のレストランで食べた食事なのだが、ものすげー美味い。何処の食堂で食べても安くて美味いとか東南アジアの感覚で、これは食に関して楽しみになってきたペルー。

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 南米にも地平線はあるんだよ

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 ウシュアイア→アラスカ

 しかし昨日に続いてマイナールートなのにサイクリストとよく会うな。やはりペルーの沿岸部分における自転車強盗の噂は多くのワールドサイクリストが知るところのようで、この回避ルートに流れてくるらしく。ペルーはともかくエクアドル未舗装路を走らされる現状は早いとこどうにかならないもんかね?

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 平地だったので100km過ぎても16時前

 とりあえずこのハエンで自転車整備その他もろもろゆっくりしようと腰を落ち着けたのもつかの間、スマホがぶっ壊れました。だいぶ前からタッチパネルはイカれており、騙し騙し使い続けていたのだが本日ついにWi-Fiが入らないわGPSが死ぬわと止めを刺しにきおった。

 何とか生き返らないかと数時間調べて粘って色々試したけども、結論としてご臨終なのが確認された次第。初期化までしたのに初期設定すらできない事実。あ〜あ、ニュージーランドからなので1年3ヶ月と短命に終わったな。

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 とりあえず暫くは保管しておこう

 予期せぬ出来事でちっともゆっくり出来ぬままの午前様。これは明日が不安になる展開だ。

 2017年8月30日(水) 走行距離110km 累計66879km
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 ペルー3日目 ハエンの町

 スンバで予期せぬ休養日を設けているため、ここハエンの町で休まず走っても良かったのだが1日休息を入れている。表向きの理由は未舗装路を走ってダメージ受けた自転車の整備をするためであるが、実際には疲れ果てて動きたくないからだ。ダルいのだ。

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 起きたら両足バッキバキだったし

 でも悩ましいのが気持ちとしては「走りたい」ということ。そういう時に休んでしまうと感覚としては「勿体無い」と感じてしまうのであり、面倒臭い性格してるなとか思いつつ洗濯物を洗う私。

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 玉ねぎの断面みたいな教会だ

 今日ハエンの町中歩いてみて確信したことで、ペルーの人々は食に対する意識が高いと思う。この国の食事が美味いこともそうなのだが、どこのお店に行ってもメニューを見て品物と値段が一目で把握できるのは、中南米の国々で始めてのこと。

 こうした基本的な点が完備されてないのがラテンアメリカの国々であり、ペルーにしたってほとんどのお店でまともに釣り銭を用意してないだとか、知らないことに対して平気で適当な回答をするだとか、そういうのは変わらない。

 しかしレストランにあっては利用客の心理を鑑みて、利便性を追求しているのが分かるのであり、こうした点1つ取ってもペルー人の食に対する意識の高さが伺えるというものだ。

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 食文化が豊かだとも言える

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 他の商店とかはむしろレベル下がったような気が

 未舗装路を走ったロシナンテ号の整備をするという名目で連泊してるため、午後からは自転車整備を実施する。でも昨日調べた限りだとペルーの北部山岳地帯はかなりの割合で未舗装の道を走らなくてはならないため、ここで綺麗にしても結局なぁ・・・という気持ちが拭いきれない。

 限りなく後ろ向きな気分で清掃を済ませることになり、わざわざ宿の中庭まで急な階段で自転車担ぎ降ろしたというファクターなければ適当に終わらせていたかもしれん。掃除するにもモチベーションってあると思うの。

 ちなみにこの宿、1泊15ソレス(約510円)とお安い料金であり、お部屋もそれなり程度だと思ってたのだが。

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 すごい綺麗な廊下を通されテンション上がり

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 何故か2階から中庭へと下された先で

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 値段相応の部屋へと切り替わるというニクい演出があった

 まぁ500円なら文句は全くないけども。部屋に出てきた蚊は蚊取り線香を炊けば良いし、ゴキブリなんてぶっ潰せば万事解決する問題。むしろ夜でもテレビ大音量でかき鳴らすペルー人達から離れた部屋で静かに過ごせるのは有難い。

 幸いにして部屋でネットも使えるし、食も宿もここまで安くてレベルの高かった国は他にベトナムくらいしか記憶にない。

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 これで大体100円

 あとはこの暑さを落ち着かせるためにも早いとこアンデス山脈登らなくては。暑い場所と寒い場所ならば、基本的には寒い場所の方が自転車旅行するのに適してると思うようになった最近である。

 2017年8月31日(木) 走行距離0km 累計66879km
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 ペルー4日目 ハエンの町〜リマから北北西に約680km カピジャの町

 地図を見てもらえば分かることだが、地味にペルー北部はルートに迷うほど様々な道がある。とりあえず海岸線の砂漠道はどう考えても楽しくないだろうということで行かないとして、ハエンから先をどのように走ろうかワクワクしながらの準備。

 惜しむらくは、山岳地帯ではどの道を走ろうとも、未舗装路から逃れることができないという事実。綺麗な道路は走れません。

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 しかし交通ルール無茶苦茶だなペルーは

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 やっぱり郊外が走りやすい

 手始めに200m程の峠を越えて、とりあえず並行している川の上流に向かうよう進路を西に取る。全体的に向かってる方向は南のはずなのだが、道が東西に分かれていたのだから仕方ないね。

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 豆を干すのは無くなったがコーヒーのお店がやたら多い

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 ハエン手前ほど平坦路ではなくなったな

 川に流れる水が黄土色をしており、いくら暑くてもこの水は飲めないなぁと思いつつ走行する。もうここ最近アンデスの標高高い場所ではそこらの湧き水補給してたので、当たり前に川から水が飲めると思ってしまっていた。これは、一般的じゃないみたい。

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 そりゃ、飲めない水もあるわな

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 50kmの距離にあったチプレという集落から

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 明らかに整備状況悪くなる道へと進む

 ここからお休みしていたアンデス山脈のご帰還である。左右にそびえ立つ山の真ん中に流れる川。それと並行して延びる道というのは先ほどまでと同じなのだが、違うのは道の先端が明らかに山中へと向かっていること。

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 あと未舗装路なこと

 まぁダートではあるけどもかなり走りやすい。所々で道路工事が行われており、近い将来には全面舗装へと切り替わるのだろうか、未舗装であってもかなり整備された場所が多い。

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 その代わり工事による通行止めも多い

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 ここら辺はまだまだこれからなのか?

 も1つ嬉しいことで、ペルーの上り坂は頂点に向かってほぼ一定の角度で登り続ける作り方をしているため、体力的に無理がないし、途中で下り坂が入る割合が非常に少ない点。いや本当、エクアドルはペルーを見習うべきですよ。

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 もはや路上の川に対して何も思わなくなってきた

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 後半は結構キツい登りも多い 

 分岐点から1000mアップの標高1700mちょっとまで走ったところでいきなり町が現れて驚いた。もう今日は確実に野宿だと思って食料買い込んでたし、完全に空き地を探しながらの走行だったのだが。

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 事前予告はお早めに 

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 あるなら宿使いますよ、ペルーは安いし

 やっぱりね、標高上がってくるとそれだけで楽しくなってくるといいますか。全方向に広がる地平線とかの景色も好きではあるが、やっぱり高い場所から山を望むのは格別なのである。勿論、これには間違いなく「自分の力で登ってきた」というファクターがある。

 自分の力で汗かきながら大変な思いして行くからこそ、世界はより強く色を帯びるのだ。これはもうやった人にしか理解できない胡散臭いスピリチュアル的要素がふんだんに含まれているものの、紛れもない事実である。

 2017年9月1日(金) 走行距離81km 累計66960km
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 ペルー5日目 カピジャの町〜リマから北北西に約660km クテルボの町

 目を覚ましても全身がダルくて起きられない・・・という経験はおありだろうか?これの9割超は睡眠不足かやる気が原因だと思っているのだが、どちらも万全であるにもかかわらず動けないとはこれ如何に?

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 疲れすぎたのか両足が動かなかった

 結局目を覚ましてから活動し始めたのは1時間後。斜度が緩やかであろうとも、未舗装の上り坂というのは厳しいものだということを身をもって知る。というかまだ山の中腹なんだけど。

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 移動する=坂道

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 でも先に伸びる道は坂しかないんだよなぁ

 天気悪いわけではないのだろうが、標高を上げると雲の中へと突入してしまったため視界不良の中を走ることに。ただでさえ路面に注視しなくてはならない未舗装路において、前方の視界が悪くなるのは勘弁願いたいのですけども。

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 どうにかならないもんかね

 昨日から引き続き所々で工事が行われており、一言で言うと「ウザい」と言わざるをえない。半端に工事されてると、路面状況もぐちゃぐちゃになるしダンプカーはたくさん通るし通行止めの箇所も多数出てくる。普通の未舗装路の方がよっぽど走りやすいですよ。

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 でも工事のオッちゃんからみかん貰える特典があるかも

 先の見えないダート山岳をいつまでも走り続けて3時間。当初の予想ではお昼には峠を越えて、そこから15km先にあるちょっと大きめの町でお昼休憩したりのイメージだったのだが、現実には最初の峠すら登りきれていない。

 なんだかんだでアンデス山脈突入して2ヶ月近くになるけれど、その大部分は舗装されていた綺麗なアスファルトの上での登坂だったのであり、走行ペースを勘違いしていたことに気づく。未舗装路で移動できる距離は舗装された道の約半分ってところだな。

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 やっと頂上に

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 泥付きまくった自転車をとりあえず川で水洗い

 峠を越えてもダートだけど。とはいえ同じダートでも地面の質が泥っ気のあるネチョネチョタイプから、乾燥したそれへと変わってきたのが有難い。既に私の両足、泥でパッキングされた上に砂埃でコーティングされて真っ白になってたし。

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 山超えたことで雲も抜けたし

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 食堂ないけど作るの面倒という理由で昼取らずに走り続ける

 1700mから登り続けて1000mアップ、したと思ったら400m下がって再び登り返し2750mでようやく上り坂が終了する。つまり明日も両足筋肉痛でヘロヘロであることは避けられそうにない。

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 お昼を食べる予定だった町が見えたの14時過ぎ

 ようやくクルテポの町へと入り、舗装された道の走りやすさに感激だよ。感覚的には「タイヤが地面をがっちり掴むのによく回る」みたいな。ダートだと「タイヤは空回転するのに地面を進まない」という逆転現象だからね。

 そんでこの町で何やってたのかといえば、昨日引き千切ってしまったブレーキのワイヤーを交換するため自転車店探してた。昨日・今日とほとんどの行程が上り坂だったし、一応フロントブレーキが生きてるからと走り続けてここまで来たが、生死に関わる部品の故障は極力早いタイミングで対応しときたい。

 思いの外大きそうな町だし大丈夫だろ

 適当にそこらへんの人捕まえて聞き込みし、2つ目のショップというか民家っぽい場所で無事ワイヤー交換する。というかほとんど自分で作業してたな。看板もないし、ここは本当に自転車店だったのか最後まで分からず仕舞い。

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 しかしどんだけブレーキ強く握ってたのか 

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 でもすごく親切な人たちでした

 というか親切すぎて、宿を探すという私のため近場の宿に電話予約入れてくれる。どう考えてもお高いホテルなんだけど、ワイヤー代金も無料にしてくれた手前、断りづらくてチェックイン。部屋が5階で自転車運び入れるだけでヘトヘトになってしまったホテルだけど、それでも本当に嬉しいよ。

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 気になる料金は25ソル(約850円)って、そこまで高くない!

 かなり大変だった割に実走距離は30kmちょっと。まぁ再びアンデスの高台へと登ってきたことだし、明日からはもうちょい距離走れるだろうと思いつつ。

 2017年9月2日(土) 走行距離35km 累計66995km
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 ペルー6日目 クテルボの町〜リマから北北西に約640km チョタの町

 入国当初はコロンビア・エクアドルと比べて町の汚さや、低所得層の住居がボロすぎることに一抹の不安を抱いてたペルーだが、少なくとも山間部に住む彼らは親切で、陽気さを合わせ持つ人たちだと思う。第一印象が日数を経過して変化していくのは何とも面白くある。

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 あと物価が安い!

 1階まで荷物を運び降ろすだけでもう疲れた出発前。宿に泊まる際には場合にもよるが、自転車含めすべての荷物を上階まで運ぶ場合は「サイドバッグ4つ」「リアボックス+その他」「自転車本体」と計3回の荷物搬送が必要となる。しかも毎回20kg越えの荷物搬送であり、自転車で出発時に息を切らしてるとかどうなのよ?

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 バスもモトバイクも多いが人員輸送トラックもある

 かなりしんどい未舗装路だった2日間。今日は綺麗な路面で楽できると思ってたのだが、いざ町を出てみたら普通に石ゴツゴツのダートであった。ちょっと責任者出てこいや。

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 かなり整備されてはいたけれど

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 山の脇を下っていく

 昨日はブレーキ壊れてたこともあり、あんまり景色見てる余裕もなかったのだが改めてこの道というかペルーのアンデス路も素晴らしいと実感する。

 同じアンデスではあるが、コロンビア・エクアドルでその景色が大きく変わったように、ペルーのアンデスも前2ヶ国とは異なりつつも感動させる光景を見せてくれる。

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 ペルーアンデスは道が続いてるのがよく分かるところが良い

 つづら折りとは漢字で「九十九折り」と書くわけだが、ペルーの坂はまさしく99回曲がらせてやるという偏狭的なノリを感じる。実際には日本の3倍以上の国土を持つ国なので、偏狭という言葉は似合わないけども。

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 まぁ土地の大体が山だから

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 他はアマゾンジャングル地帯だし

 1700mまで下がった標高は、谷間に作られた道を辿ってジワジワと登っていく。あんまり斜度が緩いのでそれほど高度計を確認しなくなるのだが、ふと手元に目を落とすと100とか200m登ってたりするので、何だか得した気分になったりそうでもなかったり。

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 今日は舗装路が多くて楽だった

 14時半にはチョタの町へと到着し、先へ進むか留まるか悩みどころだったのだが「面倒くさい」の一心で終了することにした。まだ昨日無理した反動で体の節々が痛いんだよ。

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 宿のオッちゃんからフルーツ頂く

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 ペルーに入って「これぞ市場!」というメルカドが増えた

 というかペルーではスーパーが明らかに減った。中規模クラスの町でもそうした巨大スーパーがなかなか見つからずに苦労してるのであり、それだけならまだしもペルーは小売店でビール販売してる店が少ないため、必然的にビールを見つけるのが大変になっている。これは由々しき問題だ。

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 今日は何とか近くに酒屋があった

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 そんでこちらの叔父様からご馳走になった

 ちなみに今日も宿は5階の部屋なのだが、自転車はオーナーの好意で2階の踊り場に置かせてもらえた。この場合は盗難防止も兼ねて、リアボックスもワイヤーで繋げたまま自転車脇に置いておけるため、荷物搬送が1回のみで片付くという利点がある。

 自分でも何でこんなに荷物多いのだ?と不思議に思わないでもないけれど、どれも捨てられない必要な道具を残していったら今の形になったのだ。実はペルーで日本から荷物を送ってもらおうと考えてるのだが、これ以上に必要なアイテムって何だというのか?

 2017年9月3日(日) 走行距離63km 累計67058km
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 ペルー7日目 チョタの町〜リマから北北西に613km地点 道路脇

 壁一面ガラス張りのオシャレな部屋にはカーテンが付いておらず、気持ち良い太陽の光で目を覚ますことができるという素敵な宿。1泊15ソレス(約510円)の宿は一味違う。

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 割と本気で良かったと思ってる

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 ベッド2つも要らなかったけど

 ここチョタの町から先へと進むのにどうやら2つの道があるようで、まぁ調べた限り共に未舗装の道だし少し走ったところで合流する。ならば少しでも距離の短い方を走ろうじゃないか!と小さい道を選んだのだけども。

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 これがもうひっどい道

 未舗装路といっても走りやすいモノから超悪路まで様々であるが、本当に町出て1kmの場所にあるのか疑いたくなるほど走りづらい道だった。乗って走れない場所は自転車押して進みながら、とにかくこの道が終わることを祈って進むことに。

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 景色は良い道だったけどさ

 3時間近くかけて14kmを走り、ようやく合流路が見えてきたのだが、何だか路面が綺麗なアスファルトでありやがるんですよ。え、何なのコレ?

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 チクショウ!騙された

 いやね、舗装路で有難いのは確かなのだが、気分的に納得いかねぇというジレンマよ。さっきまでのガタガタ道は何だったのかと思わせる路面はスイスイ自転車を運び峠の頂上へ。

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 まぁね、自転車旅行なんてこんなもんですよ

 700mを稼いだ標高は僅か30分で元の位置まで下ってしまい、バンバマルカの町に着く。これで素直に平坦路になるなら文句はないのだけども、この町の先に向かう方向には明らかに巨大な山がそびえ立っている理不尽。

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 そもそもこの町が山の斜面に位置してる町だし

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 では後半戦の山登り

 だがまぁ午前中に厳しい未舗装山岳路を登らされた身としてはこの道は楽すぎる。路面は綺麗なアスファルトだし、斜度は緩やかなのであり、これなら私もガンガン登っちゃうよ。

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 ガンガン・・・ちょっと待てや

 登らせるにも限度ってのがあるだろうに。写真じゃ分かりづらいが山の頂上付近までつづら折りで道路が続いてるのが確認できるのであり、つまりもうどうにでもなれってことですかい!

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 意外と未舗装路も混じるし大変だった

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 こんな道ですよ

 なんかペルーの坂は緩やかで楽だと聞いてたし、確かにそういう面はあると思うのだが。そうは言っても厳しく登らせてくるポイントは多いし、全体的に舗装されてない坂道も多く、全体的なイメージとしてはエクアドルと大差ないんじゃないかと思うのだけど。

 まぁペルーは南部の方が発展してる印象なので、この先もっと楽になってくれるという希望はあるけども。結局マイナーな道では大差ないかも。

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 こんな山間部に位置する町だけど大きくて立派

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 恐らくプロチームの試合なんだけどさ

 ここの標高3400mあるんだけど。サッカーみたいに動きの激しいスポーツやってて息切れしないのだろうかとそればかり心配になるよ。海岸線沿いのチームがここでアウェー戦やったら半数はぶっ倒れるな。

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 みなさんこの道から立ち見してる

 すでに食材買い込んでいるのでウアルガヨクの町では終了せずにもうちょっとだけ先へ進む。別に野宿したくて堪らないワケではないが、荷物になってる食料を減らしたいのです私。

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 しかし今日は最後まで手を抜かない道でしたペルー

 適当に車から見えない木陰で走行終了し、日が涼むのを眺めつつ夕食作るのはなかなか気持ちの良い瞬間だ。惜しむらくは、ビール買ってないので一杯やれないことだろうか。

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 ペルーは缶ビールの流通量少ないんよ

 2017年9月4日(月) 走行距離60km 累計67118km
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 ペルー8日目 道路脇〜リマから北北西に570km地点 バニョス デル インカの町

 自転車旅行者は似たようなもんだろうけど、自分のテントは最高に快適な空間だと思っている。じゃあどうして毎日テント泊しないのか?と問われれば、それはテントじゃ色々と問題あるからだと言葉を返す。

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 それは最高の空間じゃないのでは?

 さすがに3500mを越えるとTシャツ1枚での生活は難しい。オマケに今日は天気もイマイチで、雲間から太陽が出てこないため上着を着て過ごすことに。下はハーフパンツだしサンダル履いてるけど。

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 手元の温度計で気温は8〜9度

 昨日ウアルガヨクから1時間くらい走っている分を「貯金」と考えれば、今日最初の峠山頂までは溜め込んだ分だけ楽ができる算段。少なくともここから最初の峠までは舗装された綺麗な道での300mアップ。昨日最後に走らされたダートを考えれば大正解の判断だったと思われる。

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 なお山の頂上は採掘場

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 富士山頂より高いのに大きな湖はあるんだね

 そういえば大きな湖として世界最高所にあるチチカカ湖だってペルーにあるのだし。この国では3000後半の標高における湖という存在は特別なものでないのかもしれない。

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 こんな場所に道路作るくらいだし

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 平気で民家がありもする

 しかし舗装路と未舗装路が交互に出てくるのはどうにかならないものか?実際には8:2くらいでアスファルトの上を走っているのだろうが、ダートは極端に速度出なくなるため体感としては半分近くを砂利道走らされている気分。

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 疲れます

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 ちょっとその毛皮寄越せ

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 緩やかに回り道してきたのが分かる道

 しかし凄いなペルー。この道ひたすら標高3500mを超える道が続いているのであり、ここは高い山に登る登山道へと通じるとかではない普通の町と町を繋ぐ一般道ですけど。しかも国道3号線という一級道路。

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 普通に3輪タクシーとかも走ってる

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 ここ3750mあるし横風凄まじいけども

 2つ目の峠の先からカハマルカの町まで一気に下るとばかり思ってたのに、しつこく続く尾根道よ。何だか景色も採掘場地域に入ってしまったようで削り取られた山々となってしまい、でもそれはそれで悪くないなと思ってしまうのが私。

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 割とこの手の景色は好き

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 作業員の人から水だって貰えたりするし

 70kmを過ぎてようやく3000m以下の世界へ向けてダウンヒルが始まる。途中から路面状況悪くなってしまい、いくら舗装されてるとはいえこれでは気持ち良く坂道楽しめない!というフラストレーションを抱えつつ大都市カハマルカへ。

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 まぁね、この町スルーだけど

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 ショッピングモールとかペルーで始めて見た

 特に都市部に用事もないので隣町のバニョス デル インカへと向かう。というのもここは温泉が出ることで有名な町。コスタリカ以来となる暖かなお湯に浸かって休養するのが良いと思うのです。

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 同じ宿にオランダ人サイクリストが

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 夕食で虎の子のカレー箱を使用

 でも休むとなると洗濯に自転車整備、ブログ更新と意外と作業が多い事実。走ってる方が余計な面倒事は一切なくってそれはそれで楽という説もある。

 2017年9月5日(火) 走行距離92km 累計67210km
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 ペルー9日目 バニョス デル インカの町

 温泉日。ちなみにペルーはかなり温泉が豊富に存在する国であり、バニョス デル インカに限らず様々な土地で温泉を楽しむことができるとのこと。今回の表題はそうしたペルー各地で温泉に入れるよう期待を込めて「その1」と歌っている。

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 なおこのプールは温泉水

 この町の中央広場に温泉施設が併設されているのだが、そんな場所へ行かなくてもここTetem Backpackers Cajamarcaの宿では無料で温泉を楽しむことができる。

 もちろん私はその情報を前もって調べておいた・・・ワケではなく、プールで遊んでたらオーナーが「温泉に入ることもできるよ」と教えてくれたので「是非に」とお願いした次第。

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 準備できるまでに1時間くらいかかる

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 コーヒー飲みつつ自転車整備したりして待つ

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 洗濯したりして待つ

 とかやってるうちに準備完了。海外の温泉は外のプールに代表されるように水温低めで水着着用が多いのだが、完全個室の浴槽はお湯も熱々なのであり、むしろ熱すぎて入れないからと水で温くする始末。

 思い出せばコスタリカで川の温泉に入って以来の湯船である。日本だと何処へ行っても温泉ある印象で有り難味も何もなかったが、あの状況は奇跡的な環境だったのだと思う。日本1周した時は合計で150回くらい温泉浸かったような。海外出てからは3年弱でまだ10回も入ってない。

 昼間っから風呂上がりにビール飲んでと良い身分。気分良いのと買い物とで町中にあるという温泉施設でもついでに見てみることにしましょうか。

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 聞けば1回30分の時間制限があるとのこと

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 別に露天に入れるワケじゃないようだし

 小さな町の割に宿泊施設は揃っているインカ デル バニョの町。他の宿のことは分からないが、こうして贅沢に宿で温泉を楽しめることができたのは本当にラッキーだったと思う。ここら辺の運の良さは、自信があります私は。

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 孔雀の羽かよ

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 と思ったら本当に孔雀のオブジェあった

 昨日のオランダ人サイクリストはアメリカ大陸北上してる人なので、夕食食べつつお互いに情報交換である。面白いというか、自転車旅行者同士の情報交換ってそのほとんどが「道」のやり取りに終始するのであり、最初から最後まで観光地の話題とかは1度も出なかった。

 そんな中で役に立つサイトを2つほど教えてもらったので、南米を自転車で走りたいという少なそうな需要に応えてリンクを貼っておきませう。

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 夕食は手抜き炊き込み御飯 


 GoogleMapを使い、各地点のポイントを指定することで道中の獲得標高、斜度、各地点における標高が表示されるサイト。特にアップダウンで苦労する南米の土地において坂の情報を細かく知ることができる。

 名前の通り、アンデス山脈における主要な峠の情報を取りまとめているサイト。自転車旅行者に向けての情報だけあって、路面状況や水分補給可能地点といったマニアックな内容が歌われており、自転車乗りには非常に利用価値が高い。そしてどう考えてもその他の旅行形態では全く使いどころがないと思われる。


 こうした海外自転車における情報の差は、そのまま海外自転車旅行における人気の差であると思う。こうした状況を打破するために、もっと日本人はアンデスの山を走りに来た方が良いと思うのです、自転車で。

 2017年9月6日(水) 走行距離0km 累計67120km
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 ペルー10日目 バニョス デル インカの町〜リマから北北西に512km地点 学校

 温泉サイコーなのでもう1泊するのも満更ではないが、天気が雲1つない快晴だったので出発することにした。こんな良い天気で自転車乗らないと「俺は何やってるんだろう・・・」という気持ちになることが想像できる。

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 オーナーも親切だしすごく良い宿でした

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 やっぱり山は青色が似合う

 さて大都市カハマルカは当然のように周囲を山に囲まれている町である。隣接しているバニョス デル インカの町も同様であり、出発して間もなく上り坂が待ち受けるワケでして。分かっちゃいるけどアンデス山脈。

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 つづら折りなので案外楽だった

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 こういう家って憧れるけど住みたくはない

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 山中だけど意外にも魚がメインのようで

 峠の後もそれなり程度にアップダウンが繰り返される道ではあるが、もう道路がキレイに舗装されてるというだけで私は何の文句もないね。というかむしろヌルいとすら思ってしまうぜ。ぐはははは←フラグ

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 楽できるのが1番です

 しかし3000mに迫ろうという標高なのだが、ものすげー暑い。いや、これは太陽光の強さが尋常じゃないのが原因か。赤道直下に位置するエクアドルよりも体感的な暑さではペルーに軍配あがるといえよう。朝一では薄手のTシャツ1枚じゃ流石に厳しいか?とか思ってたのだが、まさか逆の意味で厳しいとは。

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 お昼過ぎから一気に雲が広がってしまう

 基本、連なっている山々の間に集落が存在しているペルーの山岳地帯。このため峠を越えると眼下に町が広がっているのを眺めることができ、この瞬間は大変嬉しい。・・・のだが、ふと視線を上げると道路は再び上り坂となって奥の山へと消えていくのが確認できる。この瞬間は大変悲しい。

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 町は見えた瞬間が1番テンション上がる

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 何故なら町中入ると交通状況悪くなるし面倒ごとが多いから

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 絵になる 

 昨日の温泉が効いたのか、はたまた坂が少ない楽な道だったのか。90km走った時点で時刻は未だ15時である。そしてここアグアカリエンテの集落は「アグア=水・カリエンテ=暖かい」・・・という名前が示す通り温泉がある。

 別に入れるなら毎日でも温泉浸かりたい私であるが、今日はもっとガッツリ走りたい気分である。ここで進むと野宿になること間違いなしなのだが、まぁそれは些細な問題だ。ビールが飲めないのは大きな問題だ。

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 ということで休憩だけして先に進む

 町こそないが民家がちょいちょい途切れず続くため、存外野宿ポイント見つけるのが難しい。どうしたもんかと思いながら走っていたら、都合よく学校が出てきたので敷地内にテント張らせてもらえないか聞いてみる。

 結果として大教室みたいな部屋を提供くれたのであり、親切な先生方に感謝しながら「使っていいよ」と言われたシャワー室に行くも水は出なかった。電気あれども水はなし、ペルー田舎のインフラは水の方が貴重みたいです。

 2017年9月7日(木) 走行距離103km 累計67313km
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