第6部 進撃のヨーロッパ
~この世界を走るのは残酷で美しい~
イギリス1日目 ヒースロー国際空港~ロンドンの町
約10時間のフライトでポルトガルのリスボンに、そこから飛行機乗り換えて更に3時間。合計15時間でやっとイギリスのヒースロー国際空港へ到着した私。
結構な長丁場ではあったのだが、それでもニュージーランドからアラスカへフライトした時に比べると随分楽だったな。機内食も2回出たし。
さて着陸したはいいが、ここからが本番と言いますか。イギリスの入国審査は「世界で最も厳しい」などと歌われている国なのであり、情報調べれば調べるほど「強制送還を食らった」みたいな恐ろしい文句が目に入る。
私のような品行方正の旅行者であったとしても、あらぬ疑いをかけられ冤罪を着せられてしまうかもしれないのがイギリスだ。そんなことがあってはならぬ、と自分にできる限りの下準備を行い備えてきた天王山。いざ行かんイギリスイミグレーションへ!
・・・とまぁ盛り上げておきたかったんだけどさ「長蛇の列」とされていた入国審査の順番待ちはものの5分で私の順番となってしまったし、係員のオッちゃんが私にしてきた質問は
「何日滞在するの?」
「あっはい1ヶ月弱です」
「イギリスなにすんの?」
「自転車でツーリングを」
「そっか楽しんでな~」
「うん、どうもありがとう」
「・・・・あれ、それだけ?」と思わずツッコミしそうになる程、スパーンとハンコ押されましたとも。 厳しい入国審査とは何だったのか?やっぱ前日に髪切って髭剃っておいた効果がてきめんだったのか?そういうことにしておこう。
荷物を抱えて入口脇のスペースで自転車組み立てを開始する。ロンドン市内は列車に自転車乗せて運べると聞いたが、自走できるのに列車を使う理由なんてあるか!男は黙って自転車移動じゃい。
時刻は既に17時だが、今の時期のロンドンは20時過ぎても明るいらしいから大丈夫。私の従兄弟が今ロンドンにてワーホリ滞在をしており、数日そちらへ厄介になるべく移動開始する。
私は雰囲気だとか空気感みたいな目に見えぬ存在を読み取ったり感じることが出来ない人だと自負しているが、そんな私でも見た目だけではない明らかに別の世界であるこの空気。飛行場から5kmも走らずのタイミングで、ようやく私は「新しい大陸に来たのだ」という実感を感じることが出来た。
ちなみにロンドンびっくりするほど寒いのですが。若しかして私が感じたヨーロッパの空気感って、単純に「肌寒い」ということの感想だったりしないよな。いくらなんでもそりゃあんまりだ。
従兄弟の滞在先アパートは思ったよりも遠く、オマケにロンドンの大都市は複雑な道路で進む方向がちっともわからないと来たもんだ。日が完全に沈み始める直前の20時半にようやく従兄弟と再会できた時には心底ホッとした。
大家さんの計らいで現在使用してない1室をお借りさせてもらえることとなり、物価の高いヨーロッパ初日においてこれは非常に有難い。とりあえずココを拠点にしばらくはロンドン観光楽しみませう。
2019年4月25日(木) 走行距離31km 累計91956km