自転車ときどき世界1周

カテゴリ:ヨーロッパ > エストニア

 フィンランド11日目&エストニア1日目 ヘルシンキの町〜エストニア首都 タリンの町

 久しぶりに大都市で野宿したけど北欧だとそれでも安心というか平気で寝てられるくらい、町中に隠れられる場所が多いし人も少ない。こういうところが北欧は本当に楽だと思う。

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 フェリー出航に合わせてやや早起き

 昨夜も大して見て回ったわけでもないヘルシンキの町だが、特に寄り道することもなくフェリーターミナルへと向かって走る。私が北欧で求めているのはそうした都会の景色ではないのであり、それを示すかのようにノルウェーのオスロもスウェーデンのストックホルムも訪れていない。いやまぁルートの都合上行けなかっただけなんだが。

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 なおコペンハーゲンは自転車乗りとしてぜひ行ってみたかった

 ちなみにオスロはともかくミステリー好きとしては「ストックホルム症候群」という言葉を生んだ町ということで一眼拝んでおきたい気持ちはあった。でもアレは町じゃなくて飛行場での出来事なんだよね。

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 簡単に説明すると閉鎖状況で被害者が加害者に好印象を持つことを言う

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 こんな小便小僧を夜中に見たら私の方が漏らしかねん

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 そんな感じでフェリーターミナル

 自転車は車両と同じ列に並んでの乗船ということで、ターミナル外からぐるっと建物を迂回するように移動しフェリーへ向かう。気持ち良い晴天だからよかったけど、屋根もない状況でかなり待たされたのであり天候悪かったらと思うとゾッとするわ。

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 雨多かったからなぁフィンランド

 2時間半程度で到着する割に9層まである大きなフェリー。しかし内部にある施設はほとんどレストランとバーで構成されており特に面白いものはない。まぁ船内でFreeWi-Fi使えるから全く構わないけどさ。

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 バイバイヘルシンキ

 ということで約2時間半。今回も酔うのでないかと大層心配していたが、海といっても外洋ではないフィンランド湾の波は微々たるモノ。全く気持ち悪くなることもなく無事エストニアの大地を踏む事ができたのは幸運だった。

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 こんちはタリン

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 ちなみにエストニアの首都である

 ここの旧市街地区が世界遺産認定もされてる所謂「大観光地」なのであり、バルト三国に入って物価も落ち着いたので久しぶりに宿に泊まることとする。ホステル泊するの4月のブラジル以来だな。

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 ところがどっこい

 山のようにあるホステルがことごとく満員で入れないよと断られてしまう。確かに夏休みのシーズンだけど、平日にそんな何処も満員になる程なのかと思いつつ別のホステル行ってみると「ウチは事前予約しないと利用できないよ」とのことで。

 そういえばエストニアは世界でも屈指のネット先進国。恐らく予約なしに直接宿へと訪問しても「満員だ」と言って利用できないようしている節がありそうだ。そう思ってネットで予約入れてみたらアッサリ受領できたのであり、細かい予定組み辛いサイクリストにゃ相性悪いかもしれんタリンの町。

 これを裏付けるかのようにこの日の宿泊者は私含めて2名であり、調べてみたらココかなり人気の宿だったため何か特別なイベントでタリン全体の宿泊施設集客量が間に合わない状況というのも考えづらい。

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 まぁとにかく町歩きしますか

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 ヨーロッパに残る旧市街地区でも最大の規模なんだとか

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 屋根の色統一するのって良いよね

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 黒魔術とか使ってくる敵キャラだわ

 抜群の青空で白い璧とのコントラストがよく映える。ここら辺まで来ると北欧の雨が多い地域も完全に脱したようであり、太陽に伴って気温も上昇し私も上着を着ることなく活動できるというもの。まだ夏は終わっていなかった。

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 協会はときどき面白い形のがある

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 個人的にはこうした囲い壁とかの方がワクワクする

 足が疲れるまで回って宿へ戻り、洗うタイミングのなかったフリース等を洗濯したり夕食作ったり。先に作業的なことを終えて夜中はのんびりしようと思っていたのだが、このホステルは受付にバーを併設してる超パーティ系の宿だったことを今になって知る。

 音楽大音量で鳴らしまくり、お客も騒ぎまくりなのであり堪らず部屋へと退散する。久しぶりのベッドなのだから早く寝てしっかり利用しなさいということか。

 2019年8月22日(木) 走行距離13km 累計98560km
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 エストニア2・3日目 タリンの町〜タリンから南東に約80km Jarva-Jaaniの町

 シェンゲン協定の関係であんまり滞在期間に余裕ないけど休養日。というか余裕綽々だったらフィンランドをバスワープしない。

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 防音良いのか割と煩いと思わず眠れた

 この先の走行予定を大まかに立てつつ残り滞在日数で消化できそうか計算したり。こういう作業は嫌いじゃないが、地図見てると次々に行ってみたい場所が増えてしまうモノであり、そうした場所を泣く泣く妥協するのがちょっと辛い。

 んなことしつつ近くのモールへ買い物に行ったら何とアジアンコーナーに味噌が売ってて驚いた。ちょっと値段張るとはいえ、まさかここで味噌を入手できるとは思わなんだ。

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 これは嬉しい誤算

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 ケーキとコーヒーとかできるのも物価落ち着いたから

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 午後は自転車の清掃や注油とかしたり

 何が嬉しいって物価が落ち着いた事でローアルコールでないタイプが飲めるのと、肉を選んで買う事が出来るようになったこと。キッチン使えるので久しぶりにちゃんと料理して好きな食事ができる喜び。

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 電熱器弱くてやたら時間かかったけど

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 なんかいつも揚げ物な気がするチキンカツ

 腹いっぱいまで肉を食べ、ビール飲み。ホステルが騒がしくなる21時半のハッピータイム突入する前に私は部屋へと退散です。あの場でワイワイ騒ぐタイプにゃ一生なれそうもない。


 翌日。バッチリ休んだ事だし本格的にエストニア走行開始である。バルト三国はいずれも国土面積小さいから、あっという間に走行終了になりそうではあるが。

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 ちょいと手間取り10時前出発

 昨日休んだ理由の1つに午後から雨が降る予報となっていて、今朝は見事な青空だけど路面は所々に水たまりが残っている。掃除したばかりのロシナンテ号を汚したくなくて、かなり慎重な運転をしつつタリンの町を抜けていく。

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 北欧と比べちゃうとやっぱり路面のレベルは落ちた

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 かなりレベル高い方なんだけどさ

 ただ大都会ということもあって車両優先の道路造りに加えて点在する水たまり。こりゃ少々大変な走行が続くかも知れん・・・と思っていたら、20kmで突然高速道路っぽい道に切り替わり側道幅も路面状況も一気に改善した。

 改善はしたけど「これ本当に自転車通行可の道?」という疑問が拭えないため、面倒が起きる前に小さな道へエスケープ。ようやく落ち着いて走れるようになったの30kmくらい走ってからだ。

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 でもここからは実に快適な道

 主要道路が車両を吸収しているためか、首都にほど近い道とは思えないほど交通量が少なく走りやすい。景色も森林地帯一辺倒から麦畑や牧草が広がる土地を代わる代わる見せる景色となり、走っている事が実に楽しいと感じさせる最高の環境。何気に気温も「やや暖かい」程度で自転車乗るのに最適だし。

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 幸せ

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 思わずずんずん走ってしまう

 というか追い風な上にアップダウンがほぼない平坦な道のため、放っておくとあっという間に距離が伸びていく。この分じゃエストニアの走行ものの数日で国境にたどり着きそうだ。

 100km走ったところでスーパーにて買い物しそのまま町の西側にある湖へ。海水浴のマークがあったのでテント張れるだろうと思っていたが、想像以上に立派な公園だったので湖の反対側まで移動し走行終了とした。エストニアも治安すこぶる良いけれど、やっぱり人のいない場所でストレスなく野宿したいし。

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 味噌汁とデザートがあるのがポイント

 かなり小さな町なのでグーグル先生も日本語での町名表示をしてくれず、かと言ってエストニア語の読み方知らない上に、エストニア語独自アルファベット記号が打てないこのPC。ということで1番上にある町の名前は妥協の産物であり、悪しからず。

 2019年8月23日(金) 走行距離  0km 累計98560km
 2019年8月24日(土) 走行距離106km 累計98666km
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 エストニア4日目 Jarva-Jaaniの町〜タリンから南東に約160km タルトゥの町

 かなり南下して暖かくなってきたとはいえ、まだ夜中は冷えるエストニア。それでも朝になって湖が朝霧で覆われてる景色を見たときには「かなり暖かくなってきたんだなぁ」とか思ったよ私。

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 寒すぎると朝靄すら出ない

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 夜露払うのが面倒になるけどね

 国土面積の小さいエストニアは素直に南下すると2日で走り抜けることも出来そうだが、私は結構このバルト三国を楽しみにしていた人であり、そりゃ寄り道しますよ当然じゃないか。むしろそのためにフィンランド列車でワープして時間的余裕を作ったのだとも言える。

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 ということでエストニア第2の都市、タルトゥに向かってます

 タリンから西へと移動しエストニアの諸島をフェリーで渡りつつ周遊するのも面白そうだったが、2019年はあまりにも自転車以外の乗り物移動が多すぎる状況でさ。ここは1つ自転車による移動能力を見せつけてやらんとと思いまして。

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 自転車で走ってこその旅行してるのだし

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 しかしエストニアは屋根付きの休憩ポイントが多い

 それだけではなくエストニア入ってから古びた建物に加えて壊れた廃墟が目立つようになったと感じる。ロシアと西欧諸国に囲まれた土地で、激動の歴史を経て今に至っている地域の国だけに「侵略された際に壊された建物が残っているのでは?」と思ってしまう。

 タリンのような大都市では先進的で立派な建物が建ち並び、そんなことを全く感じさせなかったエストニアだが1991年まで当時のソ連に属していた国だったんだよなぁとか色々考えてしまう。

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 見当はずれだったら笑い話だが

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 昼過ぎのタイミングで食材補給

 もっと後のタイミングでスーパー寄ることも出来そうだったが、キリスト教圏で初の日曜日を迎える際にはなるべく早いタイミングで商店に入るよう心がけている。エストニアが日曜日でも営業してるのは昨日確認してたけど、日曜日で営業時間が短くなってる可能性があるからだ。

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 流石にドイツみたく小売店全て閉鎖とかの国は少ないけど

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 とりあえず食べてみたら甘くてイケる味

 やや向かい風が吹くものの、走りやすい道と天気で最高に気持ちがいい。自転車旅行やってると稀にこうした「いつまでも走っていたい」と感じさせる最高のコンディションに出くわすのだが、今の状態がまさにそれ。走ってるだけで他に何もいらないと思ってしまう。

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 楽しい

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 小さな集落なのにやたら大きくて魅力的な形の教会が

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 珍しく中まで入ってしもうた

 今日中にタルトゥの町へ到着してもいいのだが、そこは大都会。町の郊外にて宿泊し翌日改めて突入する方が時間的にも余裕があって良いではないか。ということで町の約5kmほど手前で近くを流れる河沿いにテント張り走行終了とする。

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 ビールは4本全て違う種類

 日が落ちるまでは釣り人がポツポツやって来たりと意外に人が来るポイントで気を使ったぞ。何に使ったかといえば、素っ裸で川に飛び込んで身体洗うとかそういうのを自重したことかな。気遣い屋さんなのです私。

 2019年8月25日(日) 走行距離100km 累計98766km
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 エストニア5日目 タルトゥの町〜タリンから南南東に194km地点 小さな湖畔の森の影

 北極圏から随分と南下し最近では木々も高さのある大木が目立つようになって来た。ただそうするとテント張った翌朝に背の高い木が邪魔してなかなか太陽光が当たらずテントが乾きにくいという問題が出てくる。

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 こういう草地で水場が近いとね

 テントを撤収する前にフライシートを日向に干して水分飛ばすのだが、テントを覆うために作られた形なので地面に広げても変に重なる部分ができて一発では全ての面を乾かすことができないんだよこれが。完全に乾燥させるのは少々手間がかかるワケでして。

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 5kmも進まずタルトゥの町に

 エストニア第2の規模を誇るタルトゥの町だが、商業の中心が首都タリンであるならば文化や学問的な中心地がここタルトゥの町であるらしい。学校の数も多いらしく、いわゆる学園都市なのだそうで。

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 ちょこちょこ町中見学していきますか

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 あんまり住みたくないビルだよなぁ

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 額縁とおりに撮影してくださいってか

 タリンの巨大な旧市街と比べて細やかな規模のそれは、月曜の早い時間帯ということもあって人通りもまばらで自転車でも気軽にみて回ることができる。むしろ路面が石畳で走りにくいポイント僅かであるため、こと自転車であればタリンよりもストレスなく散策できる分良いかとも思う。

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 観光地にフルパッキンで来んなって話だけども

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 かなり雰囲気感じる場所多くて楽しい

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 せめて名前江戸前寿司とかにすりゃ良いのに

 一通り中心街見て回り満足したので先に進む。今まで南東方向に進んでいた進路を変えて、この先はラトビア国境に向けて南西へと舵をとることに。まぁ南下すればどのみちラトビアなんだけど、首都のリガに向けて進むとこの方向になるワケで。

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 ちゃんと校舎ってぽい建物もあった

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 協会はどこにでもある

 最初こそ国道3号線の脇を走る自転車用道路を走っていたのだが、案の定街を離れると自転車道は消滅し道路脇を走ることとなる。国道2号線と違ってこの道は明らかに一般道路だし自転車が走っても問題なかろうが、主要道路だけあってとにかく交通量が多くて気を遣う。ということで早々にエスケープ。

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 さてこの写真

 久理の数字はエストニアの自転車道3号線という意味だが、右の数字はヨーロッパ全土に広がる自転車路ことユーロヴェロの11号線だったりする。この1号線スタート地点こそがノルウェー最北端ことノールカップなのであり、そのまま1号線を辿っていくとポルトガルのロカ岬まで行けるらしい。

 別に普通の道に対して自転車でのルートを歌っているだけではあるが、こうしたとんでもなく長い道が何カ国にも跨ってヨーロッパ最北端から最西端へと繋がってるというのはそれだけでワクワクしてくるじゃないか。ヨーロッパはこういう自転車旅行者の喜ぶ点をちゃんと分かってるよなぁ。

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 もうちょい南部の国道39号線まで移動中

 やや遠回りになったが大切なのは自転車で走ってて楽しく気持ちがいいということ。エストニアは割と主要道路以外にも小さな道が網の目状に広がっているのであり、こうした主要道より一枚落ちる道路くらいの方が自転車走らせるのに合ってると思う。

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 実際他のサイクリストとすれ違うのはこうした道ばかり

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 田舎なのにやたら立派なバス停が多い

 昨日までの追い風は、向きを変えた本日当然向かい風となるワケで。強烈ではないにしても走行ペースも疲労度も段違い。それでもエストニアは峠が全然出てこないのでまだ楽して走れる国ではあるが。

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 多分1度も標高100mまで登ってないと思う

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 リンゴの実が落ちてたので頂く

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 5〜6個は拾ったかな

 早くもラトビア国境近くまでやって来たのであり、とりあえず今日も町手前の郊外で走行終了としたい。インフォメーション看板に湖沿いのポイントでテントマークが表示されていたため、それはもう素晴らしい場所なのだろうと期待に胸を膨らませて行ってみることに。

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 それはもう素晴らしい場所だった

 結局エストニアでの野宿は全日身体を洗える水場でテント張ることができたのであり、そういう意味ではまだまだこの周辺は川も湖も数が多いのかもしれないと思いつつ。

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 久しぶりにテーブルでの夕食

 2019年8月26日(月) 走行距離107km 累計98873km
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