自転車ときどき世界1周

カテゴリ:ヨーロッパ > ルーマニア

 ルーマニア2日目 ヤシの町

 すこぶる居心地の良いホステルで、まだ天気も芳しくないしチェクアウトギリギリまで滞在していようと呑気にネットして遊んでたのだが、気付いた時には延泊お願いしていた恐るべし宿と私の意志の弱さ。

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 一度は自転車に荷物席までしたんだけどな

 まっぁそういうこともあるよね!くらいの気持ちで切り替えまして、午後からヤシの町中散策に出かけることにした。昨日は雨でロクに町を見学することもなくホステル入ってしまったし、延泊したことで観光する機会ができたのだと思うとなんか感慨深い。

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 やたら協会の多いヤシ

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 この協会に掘られてる文様が気に入った

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 キリスト系でもルーマニア正教ってのがこの国の宗教らしい

 1つ感じたことが、ウクライナ・モルドバといった国と比較してルーマニアは完全に先進国寄りの国であり、ハッキリとした断裂が存在しているのだなということ。そういえば宿の人もルーマニアとモルドバで一気に文化的にも違いが出るよとか言ってたけれど、私は今日ヤシの町を歩いてみてこの言葉の意味を理解した。

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 みてよこのショッピングモールを

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 キリンだっているですよ

 なんていうのかこうしっかりと観光地してるしそれだけの環境を整えてるというのに驚いたとでも言いますか。ウクライナはともかくモルドバって国が観光的にあまりにもショボかったんだなということに気付いたというのが正しいか。

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 こういう贅沢の限りを尽くした建物がいいんですよ

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 葉巻作ってるの初めて見たわ

 軽く見て回る程度のつもりが4時間近く歩き回ってしまう大探索に。これだけフラつきながらも全然疲れたと思わなかったあたり、ヤシの町は相当旅行者を飽きさせない魅力に溢れた町ですよ。

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 ルーマニアこんなレベル高いと思ってなかった

 帰り際にホステルすぐ側の大型スーパーにてお買い物。先日キシナウの日本食屋で出てきた生姜焼きが余りにも量少なくて悔しい思いをしたため、今晩のメニューでリベンジしてやることにする。

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 お腹いっぱい食べたいじゃん?

 腹も膨らませてビールもたらふく飲んだし良い気分。明日こそは出発するぞ!と気持ちを一新させて充足できる日ってのは貴重だと思うのだ。

 2019年10月7日(月) 走行距離0km 累計101695km
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 ルーマニア3日目 ヤシの町〜ブカレストから北に308km地点 川沿い

 Wi-Fi爆速だった関係で一時帰国以後の写真データを全てアップロードできた昨夜。喜ばしいことではあるのだが、その作業のせいで睡眠時間が減ってしまったのは痛恨の極み。お肌が荒れてしまう。

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 宿泊者も施設もすごく良い宿でした

 丸1日待った甲斐あってか空は雲1つない快晴である。そのため放射冷却が影響してかやや肌寒くはあるが、やっぱり自転車走らせるならこういう空の下が良い。私もニヤケた顔が抑え切れない感じで出発だ。

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 キシナウ以降天気に恵まれなかったから余計に嬉しい

 思ったよりヤシの町から完全に郊外まで抜けるのは大変というか距離があったものの、ルーマニアも基本は農業国だ。一度郊外まで出てしまえば広大な農地が広がる地平線系の国であり、私は晴れた日にそうした景色の下を走ることがたまらなく好きだ。

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 自転車冥利に尽きる

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 交通量はそこそこ

 意外なことに、こんな道でも片側2車線を維持してるルーマニア道路。しかしその弊害というか側道がなくなっていたりして、そんな道にするくらいなら1車線道路でちゃんとした側道が欲しいですよ私は。

 そもそも外側の道路は明らかに幅員が足りてないようで、ほとんどの車両がいわゆる追越車線である内側の道しか走っておらず無駄になってる感じだし。日本に限らず使えない道路を作って税金を無駄遣いする国はあるってことか。

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 しかし結構アップダウンがあるな

 登らされはするが、全体的には丘陵地帯と言える土地なので頂上からの景色が抜群で登り甲斐のある坂だ。視界を遮るような木々もほとんどないため平地を超えた向こう側の丘陵までよく見渡せる。多分、坂降ってもまたあの上まで登らされんだろな。

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 ちょいちょい町も出てくる

 主要道路から外れ小さな道に入ってもひたすら西を目指して進む。別にルーマニアを横断しようとかそこまで考えてるわけじゃないが、ただ南下するだけじゃせっかくのルーマニアを楽しめないかと思いまして。

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 色々と寄り道しつつ行きたいね

 終盤に大きな川を渡ったのだが、ウクライナで見たような淀んで汚い姿の川は無くなった様子。となれば汗掻いた身体を洗い流せるぞ!と適当なポイントで道と並行して流れてた川沿いへとエスケープし林の中に自転車突っ込み走行終了。

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 やったぜ水浴びできる

 もう季節も10月だが7月のアイスランドよりずっと水温暖かくて気軽に行水できるのであり、そう思うと私も随分南下してきたのだなぁと感慨深い気持ちである。まだ北海道の最北端より北だけど。

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 流石に陽が落ちると寒かった

 2019年10月8日(火) 走行距離107km 累計101802km
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 ルーマニア4日目 ヤシの町〜ブカレストから北に283km地点 農地

 最近朝起きるのが遅い7時半の起床。目覚まし等の道具を一切使わず寝たいだけ寝てる生活が悪いというのもあるのだが、それでも日本1周とかでは5時代に目を覚ましてた気がするのだけど。

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 早朝は寒くて動けないからか?

 出発まではきっかり2時間なのだが、その後にゴミ捨て・衣類の洗濯・家族に現在地の連絡といった作業をしてると場合によってはマトモに走り出すのが10時を過ぎてしまうこともある。いくらなんでもスタートが10時は遅すぎるだろうて。

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 意識改革が必要かもしれん

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 でも10時過ぎないと自転車で走るのは少々寒くてなぁ

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 なんかルーマニアの協会って面白い形が多くて好き

 昨日までの農地を主体とした丘陵地帯から一転し、山の合間を進む山岳地帯へと突入する。渓谷に流れる川の側を走りながら徐々に標高を上げていくのはなんだかんだワクワクするね。こういう道走るの久しぶりだし。

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 羊も久しぶりだし

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 斜度自体は緩やかでそれほど大変ではない

 30km過ぎから本格的な登りとなるも、300mほど登った標高にして900m弱で山頂に到着す。これくらいなら私も余裕を持って登攀できるのであり、それでもこの標高まで登ったのはヨーロッパではノルウェーのゲイシャール以来じゃないかと思う。

 そうするとヨーロッパ地方というのは幾つか有名な山なり峠があるものの、全体的には平坦な土地であるという評価ができると思う。少なくとも日本なんて何処へ移動するにも山を越えなくては話にならない土地だし。

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 それに比べりゃ平坦だよな

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 やたら馬車を見かけるルーマニア

 一旦坂道を下りきって川を越えると再び次の峠に向かって登り基調となる。なんかこういうの懐かしいな、アンデスとか走ってる時は川を渡った後に2000mとか登らされて死ぬかと思ったけど、今になってみれば楽しい思い出だ。

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 楽しかったけど勘弁して欲しいとは思ってた

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 藁を独特な形に積み上げるのはルーマニア特有?

 結構登らされたし80km弱の町で食材購入できたので、後は適当な場所見つけたらテント張って走行終了してしまおうと思っていたのだが。

 山岳地帯で家屋を立てるスペースがないためか、川沿いにいつまでも家々が立ち並びテントを張れそうな森林も人がいないポイントも出てこずズルズルと前進し続けてしまう。

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 これ良くないパターンだ

 どうにか空き地を見つけたはいいが、道路から丸見えの場所でありちょっと嫌な雰囲気なので野営することなく別の場所を探すことに。この「嫌な予感」がした時は、疲れてようが夜が迫っていようが場所を変えるように努めているので仕方ない。

 結局20km以上も走り続け、時刻も日没ギリギリの18時半になって何とかフィニッシュ出来た。テント張り終えて一息ついたらもう真っ暗になってしまったのであり、夕食もライト使っての調理となる。これが面倒だから早めに走行終了したいという側面は間違いなくあるな。

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 どんなに遅くなっても食事は作るべきと思ってるタイプ

 そうして日記とブログの文章書き終えたのは22時半なのであり、そんなんだから朝になっても起きられないんだよと思いつつ。

 2019年10月9日(水) 走行距離101km 累計101903km
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 ルーマニア5日目 農地〜ブカレストから北北西に278km地点 川沿い

 朝の冷え込みが強烈で寝袋から出られないでござる。忘れてたけど昨日は山登らされてる途中で走行終了したのであり、ここは標高800mを超える高地なのであった。

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 そりゃあ寒いワケだよ

 テントにも霜が付着してる有り様だが、野営場所が日陰ということもあり早々に出発することを選択した私。そうでなくとも寒くて活動開始したの7時半とかで遅かったし。これ以上ダラけるワケにはいかん。

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 天気良いのが救い

 走り出して2kmも進まずに始まる本格的な上り坂。最初の10kmくらいまではウォームアップ区間として走りたいとこなんだけど、その10km地点で既に標高1000mを超えてしまいウォームアップでバーンアウトしかねない始末。

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 まぁ序盤に上り坂ある方が良いけど

 山頂到達するも間髪入れずにそのままダウンヒルへ突入する。こうした坂の頂上では登りで火照った身体が急激に冷やされることを考慮し山頂でウェアを着込むのがセオリーなのだが、なんかここら辺でようやくエンジンかかってきたというかテンション上がってイケイケな気分になっていたので。

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 思わず突っ込んでしもうた

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 幸いにして午前中でグングン気温上がってたから問題なし

 下りきった坂の終点に出てきた町にてお昼休憩。ちょっと規模の大きな町だと看板に「FAST FOOD」とか描かれたお店があるルーマニア。というか普通の安食堂みたいなお店が少なく、かといってレストランは自転車の姿が見えなくなるので町中では入りづらい。

 結局こうしたファストフードくらいが利用しやすいお店となっている。ルーマニアの名物料理とか食べてみたいという気持ちはあるのだが、今日も今日とてハンバーガーとはどうしたものか。

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 とりあえず後半戦に

 地図で見た限りではまだ山岳地帯を抜けておらず一山登らされるかな・・・くらいに思っていたが、実際には山間の川沿いに通じる平坦な道で走りやすい。

 どのタイミングで上り坂が来るか・・・と最初こそドキドキしていたが、そのうち渓谷の景色をニコニコしながらペダル踏んでる私がいて、いやはや良い道を選んだものだ。

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 登りそうで登らない

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 給水ポイントもあったし

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 補給と休息ついでにテントも乾かしてしまおう

 結局フラットな道のまま山間部を脱出し、再び農地が広がる景色に戻る。しかし前と違う点はいつの間にやら雲が空を覆ってしまい天気が悪くなってしまったことだ。

 風も正面方向から吹き始めて走行大変になるのだが、これだけの大平原ならもっと猛烈な強風が吹いてもおかしくない。むしろそれなりのペースで走れてる現状は運が良いのだ!と自分を無理やり納得させ先に進む。

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 100km地点で町に到着

 1日の終盤にこうして町が出てくると買い物するのも都合が良い。やっぱり食材とビール諸々の重量で3〜4Kgは確実に増量するのであり、その分の負荷は確実に増えてしまう。

 だからこそ重たくなった自転車を走らせる距離は最小限としたいのだが、そんな毎回走行終了直前にスーパーを有する町が出てきはしない。今日はほぼ理想的な感じでの食材調達だったといえるかな。

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 買い物後、町から7kmほど離れて

 隣を流れる川に通じる未舗装路があったので自転車突っ込み奥まった場所で走行終了。今日は簡単にテント張る場所見つかったぜ!とか思ってたのだが、こんな辺鄙な場所で釣り帰りのオッちゃんと遭遇しようとは。

 ルーマニア語でイマイチ要領得なかったが「ここは人通りが多い場所だから危ないぞ」みたいなこと言ってたので、草地の裏にある見えない場所へと野営地を移動。結局2日連続でテント設営が難航することとなった。

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 意外と野宿が難しいなルーマニアは

 2019年10月10日(木) 走行距離108km 累計102011km
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 ルーマニア6日目 川沿い〜ブカレストから北西に294km地点 川沿い

 寝る前にパラパラと雨が降ってて不安で寝つきが悪かった気がする夜。幸いにも朝の時点で雨は降り止んでおり、というか寝付く前には雨降ってなかったような気もするが、横になって数分後の記憶が無いので分かりません。

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 丸1日自転車乗ってりゃそうなるよ

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 とりあえず晴れてほしいな

 何とか自転車1台分の側道が確保されているので走れる道。割と交通量が多い道路なのであり、これで側道なかったら洒落にならない危険度だと思うのだが、ルーマニアの道路はちゃんと抑えるべきトコ抑えてる印象だ。

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 すごく走りやすいってほどではないけど平均以上ではある

 25kmほどで到着したトゥルグ ムレシュの町が思ってたよりずっと大都会。とてもじゃないが道路は危なくて走れないため歩道へとエスケープしたのだが、これが走りにくいと言いますかそもそも自転車が走行することを念頭に置いてない道の作りをしておりたまったもんじゃないぞ。

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 自転車の居場所がない

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 しかしルーマニアは教会が多いな

 途中で最近のお決まりパターンとなってるケバブで昼食とし、まぁケバブは確かに美味いんだけど、どうせこの後いくらでも食べる機会があるだろうなと思うと別の種類の食事にしたくもあるのだけれど。

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 ルーマニアのお昼は未だにハンバーガーとかケバブばかり

 やっとの思いで町を抜けると隣に高速道路が出現したおかげで大多数の車両が移動した模様。おかげで一気に走りやすくなった我らがDN15号線は天気も回復してきたこともあり最高の気分である。

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 こういうのを待ってたんよ

 アップダウンも無ければ風もほとんど吹いておらず、自らの踏み込んだペダルの音だけがしっかりとしたリズムを刻む。こういう時ほど自転車で旅行していて良かったと感じることはない。

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 ただただ走っていることが楽しい

 ルーマニアも主要生産物なのか多くの畑で栽培してるトウモロコシは既に収穫を終え、枯れた穂が一面に広がっているのだが、その多くは未だ刈り取られずに残されたままとなっている。

 必然的に遠目から見る畑の姿は一面が黄色に覆われた姿をしており、私の中のルーマニア風景といえば「黄色の大地」とインプットされている。

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 黄金色とか表現すればイメージ的にもよかろうて

 さてルーマニア東端のヤシからひたすら西へと走っていたのは、トゥルダの町を目標としていたからである。このままのペースで走れば夕暮れ前に到着できる感じだが、ここは数km手前の川沿いで走行終了しテント張ってしまうことにする。

 まだルーマニアは気軽に宿を連泊できるほどの物価ではないのであり、要するに宿代を抑えるため自転車旅行者ならではのテクニックの1つ。こういうセコい努力が日々のビールに結びつくのだ。

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 いや、浮いたお金をビールに使って良いのんか?

 2019年10月11日(金) 走行距離100km 累計102111km
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 ルーマニア7日目 川沿い〜ブカレストから北西に約300km サンドゥレシュティの町

 ルーマニアの首都や古都といったおよそ観光的に有名な町は大体国の南部に位置しており、私のルーマニア北部を横断するルートはそれほどメジャーではないと思われる。

 にも関わらず私がこのルートを洗濯したのは一重にトゥルダの町にある岩塩鉱山跡へ行きたかったからだ。

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 楽しみ

 サリーナトゥルダと呼ばれるこの洞窟の何が私を惹きつけるのかって、ここが地下に作られたテーマパークだという点である。しかもその深さは120mにも達するとか何とか。

 地底深くに作られた施設というのはもうそれだけで男の子のロマンなのであり、漫画やゲームでも怪しげな実験施設とか世界征服を企む組織の総本山は決まって地下深くに作られていたものだ。

 歳を取るとともにそうした憧れは「そもそも地下に広い空間があると崩落危険が増すし、地下に施設を作る意味がない」・・・みたいなツマラナイ現実に掻き消されていったものだが、みんな大好き地下帝国はルーマニアで生きていた。

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 トゥルダの町に入ると早速看板が

 100m弱の丘を越えることになったのは想定外だが、今日はもうここを観光することだけに決め打ちしていた私。ちょっとの上り坂がなんぼのもんじゃい!とワクワクしながら入口を目指す。

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 地上部分がしょぼいのも高ポイント

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 入口

 もうここから階段下って進んでいく時点でテンション上がりきって「ふおぉぉ」とか変な声あげてました私。人工物系の観光地でここまでワクワクしてたことが過去にあっただろうか?というレベル。

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 こんなの興奮しないほうがオカシイ

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 壁は所々に塩が付着してたり

 地味に地底深くで細菌とかが少ない場所であるため治療施設等にも利用されてるサリーナトゥルダ。そんなトコまでイメージ作らなくても・・・とか思っちゃうですよ私としては。

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 バイオ2のリメイクは今年だったっけ?

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 一応博物館的な側面もある

 そんな感じで中央部へ。地下テーマパークとされる巨大空間が広がっているこの場所は、もう訪れただけで感動というかありがとうございます!と声に出して言いたくなる素晴らしさ。

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 何これナニコレ!?

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 洞窟内に観覧車って馬鹿なんじゃないの(褒め言葉)

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 これは一眼レフ持ってて良かったと心底思う

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 最下層はボート乗り場になってた

 本当に興奮しすぎて鼻血出すんじゃないかと心配するほどだったと思う。ここ入ってから外に出るまで終始ニヤけてだらしない顔してたんだろうなと今になって思う。普段からだらしない顔してるとかいうな。

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 照明の付け方が良いんだよね

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 ここに来れて幸せだった

 大満足で3時間以上堪能した私。これでトゥルダの町に思い残すことはないのだが、実はもう1つ行く場所があったりする。

 というのも今朝方に自転車走らせていたら、目の前で車が停車し降りてきた人に「お前の姿見たよ!3ヶ月前にノルウェーで」とその際撮影した写真を見せられる。

 夏のノルウェーを旅行中に私を見かけて写真撮ったとの事であり、まさかのルーマニアで再開するとはものすごい偶然だ。というかよく覚えてましたね私のことなんて。

 という出会いがあった関係でお家にお呼ばれされた私。トゥルダの隣町に住んでるらしく「観光終えて午後に向かうよ」と話してその場は別れたのだが。もうちょいちゃんと連絡先機とかなくちゃマズかったんじゃね?と思い始めたのは後になってから。

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 行けばどうにかなるさ

 そんな思いでサンドゥレシュティの町中央までたどり着くと、広場でキリスト教の音楽イベント開催しており見学する。

 すると声をかけてきた女性が「あなたが達郎ね?クリスティアンから話は聞いてるわよ!」とまぁトントン拍子に話は進み、無事クリスティアンと再開することができました。というかこの時始めて彼の名前を知った私。

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 そのままイベント後の食事会に参加してる

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 その後に近くの山にあるビューポイント連れて行ってもらったり

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 あの辺の山は2000m級とかなり標高あるらしい

 この後、レストランに戻って地元の人たちと一緒に歓談したり。とか言ってるけど会話基本ルーマニア語なので何言ってるのか全然分からないんだけどね。それでも色々なルーマニアの歌聞けたりで実に楽しかった。


 その1


 その2

 やたら濃ゆい1日となったが、聞けば明日がイベントの本番とのことらしく。一緒に参加しないかい?とお誘い受けたので、明日はクリスティアン家族と一緒に感謝祭である。

 2019年10月12日(土) 走行距離26km 累計102137km
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 ルーマニア8日目 サンドゥレシュティの町

 ということでクラウディアのお家でお世話になってる私。住んでる家の豪華さにも驚いたけれど、頂いた朝食の半分以上が庭で作られた自家製野菜や果物を使っていると聞いた時のがビックリした。そんな良い食べ物頂いてしまって緊張で胃が痛くならないだろうか?

 10時を前にして車に乗り込み町の教会へと向かう。「小さな町のコミュニティだから写真撮影も大丈夫だよ」と了承も貰っており、気張って一眼レフまで用意した私。

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 既に大勢集まってた

 それほど広くない室内にギッシリと敷き詰められた椅子は着席率ほぼ100%であり、この地域の人たちが熱心なキリスト教であることが伺える。人数は目測で4〜50人といったところか。

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 小さな村なのに凄い数

 音楽祭だと聞いて他ので参加した私だが、ギビングデイこと感謝祭に伴うイベントであるため歌以外にも色々あるらしい。その多くは多分エライ人による高尚な説法が展開されているのだが、何しろルーマニア語なので私はサッパリ全然分かりません。

 「神父もハゲがいるんだなぁ・・・」とか低レベルな感想を持ちつつぼーっと見学してると、選手交代して壇上に立ったのは居候先の主人ことクラウディアである。すげぇな、この人数の前で聖書の読み上げするとかそんな立場の人だったんか!・・・みたいなこと思ってたのだが、ちょいちょい言葉の端に「ヤポン(日本)」とか「ビシクレタ(自転車)」とか聞こえるのだが。

 どうしたことか「それじゃあ茶壺、前に来て」と呼ばれるのであり、そのまま私の旅行のあらましを話した挙句「彼の旅行の無事をみんなで祈りましょう」とか多分そんなこと言っておった。

 もうね、嬉しい気持ちはあるんだけどそれ以上に全力前進で恥ずかしいですよコレ。多分私は耳まで真っ赤になりながら皆が私のために起立して各々お祈りしてくれる姿を見てたと思う。正規の場だと思って1番汚れてない服着てたのはよかったけどさ、足元は素足にサンダル。

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 お昼過ぎに終了しそのまま昨日と同じレストランへ

 お店の前にテーブル広げて青空の下でルーマニア料理が堪能できるとあって嬉しい限り。旧ロシア領の国々と同じくスープにヨーグルトを入れて食すのが個人的には注目点で、これの味を一言で表すなら「すっぱしょっぱい」感じで実に美味い。

 先のイベントで参加者全員に顔が割れてしまっており、代わる代わる旅行の無事を願われる。どころか「旅費に宛てて」とお金を包んでくれる人もいて、なんか結果的に今日までルーマニアで使った金額より多くの寄付を頂いてしもうた。

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 大切に使わんとだな

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 私のことを新聞に記載するらしく、その概要まとめたり

 時間の経過とともに参加者は各々帰っていったが、クラウディア夫妻は1番最後まで残っていたため私も同席してるワケで。それは全く構わないのだが、この間の会話が全てルーマニア語であり一応私も同席してる関係でリアクションが求められるのでして。

 全く知らない言語を何時間も聴き続けてたからか、終盤には頭痛までしてくる始末。普段どんだけ脳みそ使ってないかがよく分かるとも言えるな。

 21時半に家へと戻り、英語による会話が何と楽でありがたいと思ったことか。こう書くとまるで私が英語を達者に喋れてるようで自分でも違和感あるけども。

 2019年10月13日(日) 走行距離0km 累計102137km
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 ルーマニア9日目 サンドゥレシュティの町〜ブカレストから北西に253km地点 橋の下

 丸2日お世話になったクラウディア宅。「好きなだけ泊まっていけば良いよ」と言われたが、今日から月曜日だし皆仕事に学校にと忙しい中で私が呑気に滞在するワケにはいかんだろうと出発することにした。

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 本当にお世話になりました

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 英語が達者で色々教えてくれたルーカス君とも一緒に

 お土産にと自家製のジャムや野菜ペーストたくさん頂いてありがたい限り。朝食の際に「このペーストすごく美味しいね!」という会話をしてたのだが、それを覚えててくれお土産に持たせてくれる優しさよ。

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 ちょっと泣きそうだった

 朝の清々しい天気の中、素晴らしい出会いに感謝の気持ちでペダルも軽い。単純にほぼ2日に渡って休んでいたワケだし、やたら美味いもの食べまくって健康的にもエネルギー充填的にも最高の状態なことは影響してると思う。

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 結構道の脇にピクニックテーブルが出てくる

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 山っぽいようでそうでもない道

 この国道1号線のすぐ脇に並行する形で高速道路が走っており、ほとんどの車両はそちらを通過するためか交通量皆無で非常に走りやすい。これは楽して移動できそうだ・・・とか思ってたのだが、高速道自体はまだ全線工事が完了しておらず途中から高速より流れ出た車が流入してきて酷い有様に。

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 数年後にはもっと良い感じに走れるようなるのだろう

 今日このままずっとこんな最悪の道を走るのか・・・とも思ったが、南北の端から中央に向けて道路工事してるため後半になると再び車は開通してる高速道路に入ってしまい楽な道に戻った。一喜一憂。

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 クラウディア宅で補給してたけどこんな場所にも水飲み場が

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 ルーマニア自体水が豊富なのかな?

 このまま首都のブカレストに向かうか古都のブラショフの町を経由するかで迷い中。明日の後半には分かれ道が出てくるのでそこまでに決断しなくちゃならないのだが。とりあえずネットで情報調べて興味出たら寄り道しようかな・・・とか思ってる。つまりはガソスタでWi-Fi使うまで予定は未定。

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 それくらい適当な方が良いと思うの

 小川があったので橋の下にてテント設営したのだが、夜になると割と大きな野犬が現れるのは勘弁してほしい。明日の朝食用に残してる食材の匂いに連られて来るのだろうが、夜中にテント内で寝てる時に外から物音がするのは本当怖いのです。

 ちなみにこの場合犬に向かって一喝すればあっという間に逃げてしまうのであり、自転車追いかける時のアグレッシブさはどこから湧き出ているのかと疑問に思う。

 2019年10月14日(月) 走行距離101km 累計102238km
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 ルーマニア10日目 橋の下〜ブカレストから北西に188km地点 渓谷

 川のすぐ隣にテント張ってた割に、朝になってもフライシートに全く水滴がついておらず出発準備が楽でよろしい。世界各国様々な土地や環境でテント泊してる私だが、未だにテントが結露する環境を読み切ることはできていない。

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 ある程度は予想できるにしても

 今日も気持ちの良い青空が広がるルーマニア。入国初日と翌日こそ悪天候だったがそれ以後はほとんど毎日晴れ渡る青空を見せてくれるのであり、秋のルーマニアは自転車旅行に適してる環境だと思う。朝晩の気温差は大きいけども。

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 それは緯度の高い国だとどこも同じだし

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 ちょこちょこ小さな町を通過する

 隣を走ってる高速道路はほとんど高低差もなく直線的な道が続いてるというのに、我らが走る1号線は細かなアップダウンを挟んでくるわ、しかもその坂が割りかし急で大変だわと格差を感じるのですけども。

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 思い出したように平坦直線が出てきたりもする

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 ルーマニアではよく見る看板

 この辺の中心都市であろうシビウの町でお昼休憩取ろうと考えていたのだが、町に入る前にはそれなりに大きな坂を登り切らなくては到達できないワケでして。

 何度か語っているが私は地元の高尾山(599m)の高さを超える場合に「峠」という表現を使っており、それ以下の登りは「丘」100m以下の場合は「アップダウン」という表記にしている。確かインドネシア走ってる時にそう決めた。

 しかし600mって実は相当な高さなんじゃないか?・・・と自転車旅行初めて5年以上経過した今になって気づいたといいますか。

 今回のぼった坂道も獲得標高で精々2〜300mだったけど全身汗まみれで疲れたぞ。自分で決めたレギュレーションに自分が苦しめられて思い悩むとか馬鹿だよね。高尾山を基準にしたいので今更呼び方変える気は無いけれど。

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 なんとシビウの町には自転車専用路が!

 こんなのルーマニアで始めて見たのであり、写真の町郊外だけでなくちゃんと町中にもこの自転車専用路が張り巡らされてる安心感。ルーマニアの一地方都市だと思ってたシビウの町だけど、ルーマニア暫定No.1の町中走りやすさを誇る町になりました。

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 そんな場所でパンクしようとは・・・

 記憶が正しければヨーロッパ入って初のパンクである。もうこのままヨーロッパはノーパンクでフィニシュもイケるくらいに思い始めてたので残念無念。

 パンク自体は仕方ないにしても、これはタイヤのマラソンプラスがすり減ってタイヤの厚みが無くなってきた事を示すことでもあるのが不安だな。ヨーロッパいるうちに予備タイヤ購入しようとは思ってるんだけど。

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 修理終えて買い物してお昼食べてたら15時前になってた

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 この先も山が多そうな道らしい

 なお迷ってた進行方向は直接首都であるブカレストに向かうことにした。ブラショフの町に興味が出なかったし、途中にドラキュラ伯爵が住んでいたとされるブラウ城があるのだが、実際にはウラド三世はこのお城に滞在していなかった・・・みたいなガッカリ情報ばかり出てきて興味を失ったため。

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 ブカレストでドラキュラ城は見学しようかな

 トゥルダの町に向かう際も同様の道があったが、今回も山と山との間に作られた渓谷を進む道路で上り坂はそれほど出てこない。

 しかし地形的な問題か側道のない狭い道が半分くらいある割に交通量が多く、すぐ脇を大型トラックが抜けていくパターンが頻発してかなりストレス。他に選べる道もないので我慢して進むことに。

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 谷って日照時間が少ないから布団干したりするの大変そう

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 今日も終了直前に上手いこと水場が出てきた

 あまり人が住んでるエリアでないため簡単に野営地を見つけられるのは嬉しいところ。隠れる必要も感じないので景観の良い川沿いの草地に堂々とテント張って終了とした。

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 やっぱり野宿は堂々とやるのが1番

 そんな日陰・川近く・草地という場所なので、寝る前の時点で既にフライシートは水滴でびっしょびしょ。断言しよう、明日はテントばっちり結露してるぞこりゃ。

 2019年10月15日(火) 走行距離88km 累計102326km
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 ルーマニア11日目 渓谷〜ブカレストから西北西に143km地点 川沿い

 思った以上に川から立ち上った朝靄が激しく立ち込め空模様も確認できない朝。しかしビショビショになると覚悟していたテントはむしろフライシートのみで被害を免れたのであり、思ってたより軽傷だとすら思う。

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 この景色見たらそう思うでしょ?

 しかしこのガスは川から沸き立つ水蒸気が主であるため時間の経過し気温が上がると姿を消す泡沫の夢である。つまりテントを濡らすだけ濡らして消えてしまうハタ迷惑な存在ってことだ。

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 ほらもうこんな青空

 引き続き山あいの渓谷に沿って伸びる道路を抜けていくが、昨日ほどではないにしても交通量が多い道で走るのに対してストレスが大きい道が続く。これは常に後方を確認し続けて走り続ける事を意味しており、すなわち集中力というか精神的な方が削られる点で問題が大きい。

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 せめてもうちょい側道大きければ

 側道なんてあるだけマシという考え方も出来ようが、ルーマニアの山間部って道路脇に作られている排水溝がやたら深くて大きい作りとなっており、万が一落ちたら大怪我につながるという恐怖感からギリギリを走りたくないのでござる。

 これだけ自転車走らせてるので自転車の制御や挙動に関しては制御できる自信があるけどさ、路面のギャップや石などの障害物、動物の死骸等の存在で予期せず走行ポイントを変更させる場面は割とあり、安全マージンを取るためにも外側ギリギリは走れない。

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 こんな深く掘る必要無いだろうに

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 景色良いのに呑気に見てられない

 お昼になってもまだ山岳地帯を抜けられず、しかしそんな地形の割にはホテルやレストランが豊富に出てくるため補給自体は困らない。せっかくなのでルーマニア初となるレストランにてお昼食べてみたのだが、満腹できる量を食べれてお値段15レウ(約380円)と良心的であった。

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 とにかくこの道を抜けてしまいたい

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 今日の給水ポイント

 ようやく山を抜けて出てきたリムニクビルチャの町で進路を東へと変更する。このまま川に沿って南下すれば最短距離でブルガリアに抜けれるだろうけど、まぁ先のことはブカレスト寄ってから考えることにしようかな。

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 しかしあんまり道路状況良くならない

 小さな丘を1本超えた先に出てきた川沿いにてもう今日は終了としたい。とにかくストレス値高い道で道中の休憩も多かったし、体力的な面ではない部分の疲れも激しかったし。

 そう考えると自転車旅行ってのはつくづく体力だけでは賄えない旅行形態なのだなと実感する。こうしたことに必要なのは他の何事にも動じることのない所謂「鈍感力」なんだろなきっと。

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 もうちょっと良い名前を付けてあげたい

 2019年10月16日(水) 走行距離84km 累計102410km
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