自転車ときどき世界1周

カテゴリ: 中東

 第7部 中東ファイト
 〜特別な人間なんていねんだよ 自転車旅行してきただけだ〜
 イスラエル1日目 ベン・ガーオン空港〜イスラエル首都 テルアビブの町

 ということで無事イスラエルに到着する。とにかく入国審査が厳しいとされる国だけど、何ていうかイミグレ職員の質問事項は通り一般の内容でむしろ気になったのは職員態度の横柄さというか。とりあえず無事スタンプではない顔写真が印刷された入国カードを受け取って無事イスラエルinである。

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 折角なので機内食でも

 しかし荷物受け取りでカート取りに行ったら10シェケル(約310円)支払わないと利用できないという仕様であり、こんな酷い空港始めてだよ!なんかもうイスラエルという国から出たくなってきたな。

 ともあれ自転車含む荷物を回収し、そのまま空港端っこに位置するベンチで仮眠。空が明るくなってから活動開始だ。

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 そんな訳で朝

 絶賛寝不足でフラフラするがとにかく自転車の組み立てである。幸い壊れたり異常があったりする箇所は見当たらず、1時間半ほどで組み上げ完了して出発だ。

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 高速道路みたいな道でドキドキした

 とりあえず最寄りの町でありイスラエル首都でもあるテルアビブにwarmshowerで連絡とってる家があり、夕方のタイミングでそちらに寄らせてもらう予定。アイスランドに続いて今年2度目の利用である。

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 だいぶ町中入ってきた感じ

 道ゆく人は白人系が多いものの割と多様な人種が混在してると感じるテルアビブ。道路標識も公用語であるヘブライ語の他にアラビア語だったり英語の表記もある。とりあえず中東という響きに抱いてたイメージはまだ欠けらもない。

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 先進国によくある都市だよな

 時間もあることだし地中海まで移動し海を見てみることに。なおこの辺の緯度は32度くらいで一気に九州南部くらいの場所まで南下してきたことになる。

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 とはいえ11月の海が大盛況だとは

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 気温も30度近くあるし

 ビーチバレーの国際大会が開催されており、日本チームが戦っていたので試合を観戦しつつ。まぁ男子だったので半分くらいうたたねしつつだったのだが、気付いたときには負けていたようでなんか申し訳ない気もする。

 海岸を後にして幾つか自転車ショップを覗いてみるが、電動キックボードだったりeバイクの小規模なショップが多くあんまりしっかりとしたショップが見つけられず。この後の行程を鑑みると、イスラエルである程度ヘタった装備品を新調しとかないと色々マズいと思ってるんだけどな。

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 適当に時間潰してからホスト宅へ

 首尾よくホストのウリ宅へ到着し、色々話を聞きつつお買い物に同伴する。ちょっとイスラエル1日走って気になってたが、この国無茶苦茶物価が高いのな。トルコから来た身としてはあまりのギャップにクラクラしてしまうレベル。

 国土小さな国だしサッと通り抜けたいとは思うけど、オススメ聞いてると割と行ってみたい場所が色々出てくるのであり、こいつは大問題だ!

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 夕食も頂きました

 とにかく明日のうちに自転車部品を取り揃えるのが私に課せられた使命。今となってはトルコのフライト時期に余裕持たせ、装備品はかの国で交換しといたほうが良かったとも思いつつ。何事もそんな計画通りには進まないもんだ。

 2019年11月7日(木) 走行距離35km 累計103792km
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 イスラエル2日目 テルアビブの町

 超絶寝不足だったため、布団に横になって1分とかからず急速潜航。そのままバッチリ8時間グッスリであった。それにも関わらずまだ眠たいし、身体が休息を欲しているのが分かるのだけどそうも行ってられないイスラエル。

 というのもイスラエルでは金曜日没から土曜日の日没までが安息日とされるユダヤ教の教義で定められてる国らしく、実際には金曜日のお昼過ぎから小売店系のお店は閉まってしまい、日曜朝まで開かれないことも多いとか。

 つまり今日の午前中までが勝負なのであり、あんまりダラダラ休んでいるわけにはいかないのだ。

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 早速教えてもらった自転車街に行ってみる

 というか最初ウリに連れられて近所の小さなお店にも行ってみたのだが、ブレーキシュー2セットとワイヤーだけで2000円近くの出費となってしまい、既に心が折れかけてるというか幾らかかるのだ!?とドキドキが収まらないのだが。

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 昨日である程度道は把握済み

 中心街にあるショップはその多くが有名ブランドを店頭に掲げたプロショップであり、これなら値段はともかく必要部品の入手はそう難しくないだろうと思っていたが。

 とにかく店員の対応が無茶苦茶悪い。店に入るなり「もう今日は整備予約いっぱいだから無理だよ!」みたいな勘違いしたセリフ言われるのもどうかと思うが、そうではなくて自転車パーツ買って自分で交換作業するよと伝えるも、私の自転車自転車全然確認せず適当なパーツ渡してきて「これでバッチリだ」とかのたまう始末。

 「これさ、規格が違うから私の自転車には使えないよね・・・」とこちらが指摘しなけりゃ確実に後でモメるパターンじゃねーかよ。ぶっきらぼうなのは仕方ないとしても、プロのくせに自転車確認もしないで適当な売り方するんじゃねーよ。

 結局6だか7店目に訪れたお店がスタッフしっかり話聞いて対応してくれたこともあり、ここなら信頼できる!とクランクセットにリアスプロケット、チェーンといった足回り品を中心に購入する。しかしこのショップも忙しくて交換作業はできないとのこと。

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 クランクは専用工具が必要なんだよね 

 仕方ないので自力で作業できる部品であるチェーン・リアスプロケット・ブレーキワイヤーを新しい物と交換し、クランクおよびBBについては土曜を挟んで日曜日に再訪問することとした。

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 今回はかなり歯数の大きいヤツ

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 その後で南部にある時計塔とか行ってみたり

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 有名なポイントらしい

 ウリの家に戻った後は古新聞とサランラップで予備タイヤの保護をしつつ。予期せずして明日もテルアビブ滞在することになったワケだが、生まれたての赤ん坊がいるウリに対して「もう1泊してもいいかな?」とは流石の私も言い出せなかった。最初の連絡ではそこらへんの事情知らなかったけど、知ってしまうと言い出せないことってあるよね。

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 これで一通り作業は終了 

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 まぁ素直にホステル泊まろう

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 シャクシュカというイスラエル料理

 早いとこ走行開始したいという気持ちを抑え、とにかく今はイスラエルだ。

 2019年11月8日(金) 走行距離25km 累計103817km
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 イスラエル3・4日目 テルアビブの町〜テルアビブから南に46km地点 道路脇 

 急遽湧いた休息日。というのもユダヤ教が多数を占めるイスラエルでは、祝日となる安息日が金曜日没から土曜日没の間とされているため。このため実際には金曜の午後2時を目安に商店は閉まり始め、レストランなどのお店は土曜の夜から営業開始、一般的な小売店や自転車ショップは土曜日終日休業となるらしい。

 お世話になったウリにお礼言って家を出だのは10時前。そのままホステルに直行したい所だが、チェックイン開始時間となる15時まで待ってなくちゃならないのが厳しいところ。

 仕方ないので公園行ったりビーチに行ったりして時間つぶし、結局14時半と30分前にチェックイン。これは事前にホステル行って「何時になったらチェックインしても良い?」と直接聞いてみた結果である。

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 疲れてるし今日はゆっくりだな

 テルアビブに限っては土曜でも幾つか営業してるスーパーやお店もあり、問題なく食料調達できたので普通に自炊しての夕食に。ドイツとかみたいに完全に祝日全ての店が営業停止というわけではないようだ。


 翌日。それでは改めて自転車ショップへと向かうことに。これ以上物価高いこの国で呑気な滞在したくないのであり、フルパッキンでショップに向かい部品交換後にそのまま出発する予定。

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 ちなみにフリーの朝食あった

 開店5分前に到着し、はよ開店しないかと待ちわびつつ。なお店員がやって来て鍵開けるの営業開始より5分くらい遅かったのだが、その5分間は「もしかして今日もこの店休みなんじゃ・・・?」と不安がいっぱいだった。表記された時間通りにお店がオープンすると信じてるあたりが日本人。

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 早速クランクとついでにBBも交換してもらう

 私はクランクを外すための専門工具を持ってないのでショップに任せたワケだが、そのことを話したら簡易クランク外しの工具をプレゼントしてもらった。嬉しいのと同時に「そんな工具があったのか!」という驚きも。

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 もうちょい自転車工具に詳しくなりたい

 そのままスタッフが自転車の状態確認してくれたのだが、ペダルにもガタがきてるというので新しい物と交換、オマケでプーリーも付け替えてもらった。

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 そしてまさかの工賃0

 いや午前中いっぱい作業させてしまったというのに申し訳ない。イスラエル人は最初のイメージぶっきらぼうでとっつき悪いと感じてたけど、昨日今日とで何人か話をしていくうちにその認識が改められた。みんな親切で良いヤツだ。

 あと私がお店を出発する際に「God Bress」と言われたんだけど、このフレーズってキリスト教じゃなくても使うんだ・・・とか思ったり。

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 公園に水飲み場はよくあるけど体重計は珍しい

 バッチリ快適になった自転車を踏み込み早速テルアビブを脱出する、その前にちょっと両替しとかなくては。

 というのも一応この先アフリカへと入ってく予定の私にとって、アフリカ各国のビザを入手するための現金として米ドルを簡単に確保できる最後のポイントがここイスラエルなのである。

 アフリカ各国の通貨は信用度が低い関係で、ビザの購入も自国通貨では支払いができないというワケ分からん制度となっており、事前に米ドルを用意しておかないと非常に困ったことになってしまう罠。こういう点でネット発達した現代の旅行者ってのは本当ありがたい。

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 これくらいあれば大丈夫だろ

 これで本当に後顧の憂いなし、ようやく中東の本格走行始まりだ。事前準備は大切だけど、面倒臭くてやってらんないよね、というのは確かにある。

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 はよ郊外に抜けたい

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 イスラエルの信号ってさ

 こんな感じで中央分離帯を挟んで手前と奥の信号が連動してないの嫌なんだけど。タイミング悪いと狭い分離帯の上で待たされるのもストレスだし、車からしても中途半端に歩行者や自転車がギリギリまで動いて向かってくるのは怖いと思うんだが。

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 かなり町が続く

 結局郊外の道路に出るまで35km近く走らされたのであり、この時点で既に15時過ぎ。しかもイスラエルはタイムゾーン設定が悪いのか、この時期に日が沈むの17時前なんだよね。

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 もう太陽が地平線へと落ち始めてる

 食材を買ったりとかしてるうちに日が沈んでしまい、最後は真っ暗になってしまった道をライト点けての走行に。テント張ったのは普通に木々が立ち並んでる場所なんだけど、割とこの辺畑ばかりで野営地見つけるの手間取った。

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 とにかくイスラエル楽しもう

 2019年11月 9日(土) 走行距離 8km 累計103825km
 2019年11月10日(日) 走行距離64km 累計103889km
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 イスラエル5日目 道路脇〜テルアビブから南南東に98km地点 森林公園 

 日が沈む時刻が早いということは、日が昇ってくる時間もまた早いということ。テント泊してると時計ではなく太陽光による眩しさで目を覚ますことになるため、イスラエルでは必然的に早起きの習慣が身につきそうな6時起床。

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 時計なんて人間が勝手に決めた指標だもんな

 夜中は思った以上に冷え込み普通に寝袋入って寝ていたが、日が出て1時間もするとみるみる気温が上昇する。1日の寒暖差が激しいのは砂漠地帯の特徴だったなそういえば。

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 まだ砂漠ってより畑が広がる景色だが

 昨日と打って変わり激しい南東からの風が吹き付ける。私の進む方向がまさにそっち方面なのであり、ガッツリ風と喧嘩しながらの走行に。

 しかも20kmほどで周辺の景色が切り替わり完全に砂漠地帯へと突入した模様。砂漠なのはまぁいいとしてさ、この強風&向かい風という環境だと細かな砂塵が身体に当たるしサングラスの隙間から目に入ってきたりして痛いんですよ。どうにかしてほしい。

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 どうにもならない

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 1から10まで何書いてるのか分からんな

 ちなみにイスラエルの道路看板はヘブライ語・アラビア語・英語と3種類の言語が表記されてるのが一般的で、このため「次の町まで○km」といった簡単な内容でもやたら看板がデカい。写真みたいな情報量多い場合は100mくらい後方に英語表記の同じ内容の看板が登場する。

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 風だけじゃなくてアップダウンも激しくなってきた

 死海を有するイスラエルだけに、基本標高が低い場所ばかりだと思ってたんだけどな。内陸部へと入るにつれて徐々に増えていった標高は結局500m近くとなる。

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 こんな登ることになろうとは

 途中の町で昼休みと買い物に寄ったのだが、もうこの辺まで来るとユダヤ人ではなく完全にアラブの世界。砂漠に四角形の白い建物とモスクが立ち並ぶ街並みに、ヒゲ生やしたオッさんが(多分)アラビア語で話してくるのであり、イスラエルという国の複雑さを感じるな。

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 しかし本当に困るのは

 スーパーの商品値段が表記されなくなったこと。後進国ではよくあることだが、それは物価が安い国だから許されるというか私も対処できたのだと言いますか。物価クソ高いイスラエルで物の値段が分からないまま買い物するのはある種恐怖ですよ。

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 結局丸1日向かい風だった

 遮蔽物が存在しない砂漠の景色に加え、郊外でもポツポツと建物があるため非常に野宿が難しい雰囲気。どうしたもんかと思いつつ走ってると、前方に1箇所だけ木々が集まったポイントが。

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 なおオアシスではない

 どうやら植林して作られた公園のようで、運の良いことに無料でキャンプが可能な施設であった。私の他にも結構な数のハイカーがおり、もしかするとこの周辺は人気のウォーキングコースなのかもしれない。砂漠しかない気するんだが。

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 水道水あったので給水できてありがたい

 こんな砂漠の環境じゃ、新調したギアがすぐ砂にまみれてしまうじゃないか!とか不安に思ったんだけど、よく考えたらこの先しばらくはどうあがいても砂漠が続くんだよね。砂と仲良く付き合ってくしかないようで。

 2019年11月11日(月) 走行距離87km 累計103976km
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 イスラエル6日目 森林公園〜テルアビブから南東に101km地点 死海の側

 目を覚ました直後に近くでスプリンクラーが発動し、朝から水をぶち巻いていた。散水ポイントは公園内の芝生エリアのようで、実は昨夜芝生にテント張ろうか迷ってたんだよね。結果的に土の上で大正解。

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 テーブルがあったからという理由で

 夜中は落ち着いてたが、日が昇ると吹き始めるイスラエルの風。嫌がらせしてんじゃないかと思いつつ、それでも出発準備する私は風にもめげずに自転車旅行よ。

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 ということで7km先のアラドの町

 地図で見たときから完璧に区画整理された形で「これはユダヤ系の町だろな」と勝手に思っていたのだが、実際には多様な人種が混在してる見た目に不思議な町だった。

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 上手く言えないのだが

 先進国の大都市ならそこに多様な人種が入り混じってるのは普通の光景なんだけどさ、こういう観光や大きな都市で多くの人が出入りするワケでない普通の町、つまり他国の人間があまり流入してこないであろう普通の町で全身黒服に黒シルクハット姿のユダヤ人隣を目出し服着た女性イスラム教の人が闊歩してる町なのだ。

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 イスラエルって面白い国だと思う

 それはともかくアラドの町を出たと同時にようやくダウンヒルの開始となる。標高500mから世界一低い場所にある死海の沿岸部まで下がる道は、岩石地帯で南米のアンデス山脈を思い出すような風景だ。

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 側道広くて安心感ある下り

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 デッドシーってすごい名前だよ

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 昨日のハイカーはこういう崖に来てるのかもしれん

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 海抜0m

 手元の高度計が今まで見たことない数字を叩き出してるのにまだ道が下へ続いてるのは不思議である。途中の見晴台からようやく死海の姿を拝むことが出来たのだが、標高さえ気にしなければ「普通の湖だ」というのが第一印象。

 死海の沿岸部まで降りてきて、そのままちょっと北上した場所にある公営ビーチへと向かう。かなりの面積を誇る死海だが、イスラエル側で無料の死海遊泳ができるビーチは私が確認した限りこの周辺2箇所のみ。ケチくさいなイスラエルは。

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 それはともかく死海じゃーい

 大喜びで突っ込んでいくが水に入って3歩目にはUターン。というのも水の底には結晶化した塩の塊が沈んでおり裸足で踏むと痛いのだ。死海で泳ぐにはサンダル必須なのだと知る。

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 分かりづらいけど足の踏み場がないほど塩だらけ

 塩分濃度が海水の約10倍とされる死海の水は、何というかオイルを混ぜ合わせたようなぬめりを感じる。体を脱力させて横になっても上半分ほどが水面から出るほどの浮力であり、なるほどこんな独特な水に入ったのは初めてだ。

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 面白い

 面白いけど5分も浸かってると傷口だとか頭皮がピリピリと痛くなるのであり、長く入ってる場所ではないんだな死海。とにかく全身ヌトヌトだし直ぐにシャワー浴びないと酷いことになりそうではある。

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 なおシャワーはビーチに無料のが備え付けられてた

 満足したので着替えて先へ。場所によっては潮溜まりになってる死海を横目に整備された自転車道を走らせる。こんな場所まで自転車で来る物好きは多くないと思うのだけど、レンタル自転車でもあるのかな?

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 浅い部分の潮溜まりではっきり色が分かれてる

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 崖と死海とで独特の景色だ

 向かい風に逆らいながら進むこと20km。左手に聳え立つ崖にへばりつくようにしてビジターセンターが建っている。ここがマサダ山の遺跡群入口なのであり、私はここの写真を見て是非とも訪れたいと思ってたのだ。

 しかし死海の脇を通ってる道路からビジターセンターまでは150mほどの上り坂。それだけならまだしもそのビジターセンターから更に200m以上登った山の上に遺跡群は建っていたりする。

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 そんな場所にあるから面白いと思ったのだが

 ケーブルカーは往復2500円以上するので最初から眼中になし。熱中症対策に水ボトルと帽子を被って登山開始だ。正直相当疲れてて、一瞬遺跡に行かずもう先へ進もうか迷ったりもした。

 そうは言っても年中走り回ってる自転車旅行者。途中で2〜30人ほどぶち抜いて40分で山頂到着である。なんだかんだ楽だったな。

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 ということで遺跡見学

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 かなりしっかり復元されてて見応えがある

 なお歴史的には当時のユダヤ教徒がローマ軍から追われて行き着いた最後の場所がこのマサダ要塞であり、彼らは最終的に集団自決したという悲壮な歴史の場所でもある。そんな逸話もありユダヤ教徒的には人生で1度は訪れるべき聖地なのだとか。

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 私は遺跡が好きだから訪れましたが

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 崖下に作られた寝室らしい

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 山の上なので死海もよく見えること

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 しかし今日は写真多いな

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 これは大満足でしたわ

 そして再び下り坂を40分かけて戻る私。ビジターセンターに戻った時には既に16時を過ぎており、急いで準備しメインロードへと戻るワケですが。

 そこから数百m先に雨季には河川となるのか、草木が生え揃ってるポイントがあり自転車突っ込み終了とした。こんな近くで野営地見つかるなら急いで戻ることなかったか。

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 まぁ真っ暗になったら困るもんな

 日が落ちてから実感する低地に来たことによる気温の上昇っぷり。昨夜寝袋使って寝てたのが信じられないくらい暑い。ー400m程度大したことないと思ってたけど、今猛烈に堪能しております。

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 流石に暑すぎるって程じゃない

 2019年11月12日(火) 走行距離63km 累計104039km
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 イスラエル7日目 死海の側〜テルアビブから東南東に73km地点 道路脇

 一晩中北からの風が吹いてて寝苦しい夜にはありがたいことである。走行中はただの邪魔者でしかない風だけども。

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 干上がった川のカーブ地点でした

 8時には走り出したのだがこの時点で既にアツい。ふと思ったのが、ここ半年ほどヨーロッパを周遊しててそれほど暑さに悩まされることがなかったのであり、すっかり私の身体が暑さに対して弱くなってしまったのだと思う。また1から暑熱順化して身体慣らしていかなくては。

 しかしペダルが重たいのは暑くてへばっているからではなくスローパンクのせいだった。せめて日陰となる場所でパンク修理したいけど、そんな余裕もなくタイヤがベコベコになり始めたため炎天下の元に佇むゴミ箱の脇でパンク修理。

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 ここでドライバーの人からパン貰った

 修理終えて改めて先へと進む。ところでイスラエルにおける死海沿岸部は基本、多くの人が居住しているような町は存在せず観光客を目当てとしたリゾート地区が点在してるのみである。

 しかし極僅かに植物園を有する集落や工事施設の拠点として作られた村が散見され、そうした人たちのために個人商店も存在している。私もここで食料買い物しようと思っていたのだが、何故か崖側の高い場所ばかりを拠点として村が構成されてるため、アホみたいな坂を登らなくては買い物1つできやしない。

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 エグい斜度だった

 なおこの町の入口にはゲートがあり入場者を逐一チェックしていた。色々と問題抱えてるパレスチナ地区の最寄に位置してる村だからと考えるが、対応した係員は非常に親切で「暑くて大変だろ!水飲むか?」とそのまま守衛室色々ご馳走になってしもうた。割とゆるい雰囲気なのかもしれない。

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 こういう自転車に優しいポイントは全てリゾートエリア

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 でもここで格安の折りたたみマット買えた

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 そんなー418mも下がってないと思うけどな

 ちなみにイスラエルというとパレスチナという名前がよくニュースを賑わしているが、ざっくり言うとユダヤ人がイスラエルを建国した際、その土地に住んでいたパレスチナ人が住む場所を失い逃れた場所である。名前でいうとイスラエル国内の「ヨルダン川西岸地区」と「ガザ地区」が該当する。

 個人的には歴史的に国を追われたユダヤ人がこうしてイスラエルという国を得ると、パレスチナ人に同じことしてるというのは色々モヤモヤするとこがあるけど本題と外れるので割愛。

 とにかくことの成り立ちは置いといて、ヨルダン川西岸地区においては現状イスラエル人が統治しイスラエルの人々が普通に生活するちょっと軍隊による検問が多かったりするだけの地域だ。少なくとも死海の沿岸ではそう感じる。

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 そんなことよりアップダウンを無くしましょうよ

 実はこの近くに温泉があるという情報得ており、死海を眺めながら湯船に浸かれるなんてなんと贅沢な!と非常に楽しみにしてたのだが、いざ該当箇所に来てみたら死海の一部分で湧いた温泉に入れるというポイントであった。しかも近くに施設も何にもない場所。

 つまりあのヌルヌル水を浴びた後でシャワーも浴びれない死海温泉なのであり、流石に入るの辞めといた。駐車場の時点で硫黄の臭いがしてワクワクしてたけどさ、全身塩まみれの状態で自転車走らせたくはない。

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 ちなみに駐車場がここ

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 残念無念

 死海の北部へ行くに従い徐々に平坦な道路となり、不思議と風も弱まりペースが上がる。15時過ぎには湖(死海は湖)の北端まで走りきり、そのまま低標高地帯からの脱出を図る。

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 この崖の頂上くらいが海抜0m

 とはいえ0m地点までならまだしも、この道を進んで到達するエルサレムの標高は約800mときた。つまり合計1200m近い登りなのであり、そういうのは明日に回して今日はもう休みましょう。

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 ラクダもそうしろって言ってるよ

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 食材消費して少しでも軽い状態で登りたいし

 まだほとんど上り坂に手をつけてないが、何故だか昨日よりだいぶ涼しい。やっぱり死海の近くというだけで暑くなる、何か要因でもあるんじゃないかと思うんだけど。単なるプラシーボ効果かもしれない。

 2019年11月13日(水) 走行距離67km 累計104106km
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 イスラエル8日目 死海の側〜テルアビブから東南東に約50km エルサレムの町

 十分死海を堪能しすぐ側にヨルダンへと抜ける国境もあるワケだが、イスラエルという国に来たからにはエルサレムという町をこの目で見てみたいのは仕方ない。

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 むしろイスラエルといったらエルサレム 

 キリスト・ユダヤ・イスラムの3宗教における聖地が同一の土地に存在し成り立っているという世界唯一の町。そんな宗教に思い入れもなければ造詣が深くもない私だが、やっぱりエルサレムという土地がどんな姿をしてるのかというのは興味深くある。

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 そのために1200m登るんだけど

 出発と同時に上り坂。というか昨日の走行終了時点で登ってる途中だったのでこれは仕方ない。とにかく今日は坂を登りきったらそこで終了みたいなモンだ。ギア軽くして焦らず進もうか。

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 登れば多少は涼しくなるだろうし

 序盤にややキツい斜度の坂道があったものの、そこを過ぎると後は一定の緩やかな坂が続く道。今回はリアスプロケットをかなり歯数が多いタイプ(ペダルが軽くなる)に変えたので、多少は厳しい斜度でもイケるんじゃないか?と思っていたのだが。

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 あんまり活躍機会がないまま進む

 海抜0mを越えても景色は変わることなく道路が続いてる。思ったより良いペースだし調子よく登れてはいるけどさ、全身汗まみれだし連日走行で両足絶賛筋肉痛でもある。はよ終われと思いながらのクライムだ。

 20kmも過ぎたところで道路が2又に分岐する。素直に進むなら国道1号線だろうけど、そのルート上にはトンネルもあるみたいだしあまりに大きな主要道路で走るの怖いな・・・と思い別のルートを進むことに。これが後の大失敗に繋がる。

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 別に普通の町中と思うんだけどさ

 地図上ではエルサレムまで繋がってる筈の417号線だが、市内へと突入する直前で何故か道が途絶えてしまい、代わりに出てくるは軍隊の基地である。なんか知らんがエルサレムの市内へ入るには主要道路に設置されてる検問所を通らなくては入れないらしい。

 あとで調べた所ではパレスチナ地域と隣接しているエルサレムの町は、その境界線に壁を作って移動を制限しているとのこと。そういうことするからアラブの国と険悪になるんですよイスラエル君?

 それはともかく目の前まっくらですよ。分岐点の標高400m弱で、必死になってここまで登ってきたというのにUターンするとかさ。現在標高690mなのであり、返してください私が登った300m。

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 そんで分岐点まで戻って再び上り坂を駆け上がる

 なんでエルサレムって土地が山のてっぺんにあるのか?と、この時はそればっかり考えてたよ。距離的には10km程度のロスなのに、東京タワー1本分登って降ろされるとか体力的にもそうだが精神にキツいぞ。

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 それでも何とかエルサレム市内へ

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 旧市街は壁で覆われてる

 最初は壁の外側にあるホステルで泊まろうと考えてたけど、どの宿も料金高過ぎたため慌ててネット使って情報収集。結局旧市街の中にある格安ホステルにチェックインとなった。

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 狭い道自転車通すの一苦労だ 

 疲れて動き回る元気もないし、観光は明日に回すことにして今日は素直に休みましょう。元気ない割に町中歩き回ってATM探したんだけどな。こんなに早く手持ち現金がなくなるとは想定外だった。

 2019年11月14日(木) 走行距離49km 累計104155km
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 イスラエル9日目 エルサレムの町

 ここエルサレムこそがイスラエルの首都であるとされているが、日本を始めとした多くの国がコレを認めていない。私個人としてもこの土地は3つの宗教聖地が混在する場所として、他の概念を持ち込まないほうが良いと感じる。

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 それくらい一触即発の危険性を孕んでいると思う

 そんな多様さが聖地巡礼者だけでなく多くの観光客をも引きつける要因になってるエルサレム。早速色々見て回りたいとは思うけど、両足の筋肉痛と全身の倦怠感からなかなか動き出すことができず。

 とはいえ物価の高いイスラエルで更に超観光地でもあるエルサレム。ここで1日休養を取るという選択を仕切れないのが私の貧乏性たる所以。

 実際のところ宿泊してるHebron Hostelは1泊40シェケル(約1250円)と、イスラエルでは超格安で泊まれる施設なのだが。如何せん食事をするのが面倒臭い。

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 宿出て10秒で市場が並ぶけど

 経営してるのがアラブ系だからなのか料金表示がなく平気でぼったくって来る。最近はぼったくりというか相対する人間によって料金が違うというのは、その国の文化であり考え方の違いだから悪いことではない・・・とか思うようになってきたけどさ。その品物を買う買わないという選択権はこちらにあるのだし。

 ただもう細かな交渉がひたすらに面倒臭いのであり、かといってメニューがあるようなレストランは1食でホステル1泊分を超えるお値段徴収されてしまう。ホステルのキッチンは午前中しか利用できない制限があるため価値が薄い。

 一言で語れば「滞在するのに向いてない町」なのだ。なので見るべき場所見てサッサと次の土地へ行こうと動き出すことにした。

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 そんな消極的な理由で出たけども

 悔しいことにエルサレムの旧市街は面白いのだ。狭い旧市街の中もキリスト地区・ユダヤ地区・ムスリム地区・アルメリア地区と4つの区域に別れており、宗教と民族の違いがハッキリと見て取れる。

 そんな中で各宗教の聖地と観光客を当て込んだ土産物屋が混在しているのだから、これはもう混沌とでもいうべき様相を呈してる。クソみたいな商品法外に売りつけようとしたお店の向こう側ではキリストが亡くなったとされる場所に信者が手をついて嗚咽してるんだ。

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 聖墳墓教会へ

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 イエスが墓に入ったとされる場所とのこと

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 聖書読んだ人なら色々思うところあるのだろうな

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 私の場合は「装飾が豪華」という愚にもつかない感想に 

 そのままイスラム教聖地である神殿の丘、及び岩のドームへと向かったのだが、なんとこちらは立入禁止で追い返されてしまった。どうやらイスラム教の安息日である金曜と土曜日はイスラム教以外の人は入る事が出来ないらしい。タイミング悪いな。

 入れないものは仕方ないのでユダヤ教の聖地である嘆きの壁へと向かう。なお金曜日の午後からが最も多くの人が祈りに来るというので夕方に合わせて訪問してみた。

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 人混み嫌いだけど頑張った

 物凄い数の黒トレンチコートに黒シルクハットという格好した正統派ユダヤ人が壁に手をついて祈りを捧げているのは宗教という感覚が薄い日本人の私でも圧倒される凄みを持つ。

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 これが嘆きの壁か

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 なおこれ以上近くでは撮影禁止

 実際には多くの人が笑顔でピースサイン出しながら撮影しまくってたけど、当のユダヤ人はどう思ってるんだろな。聖地でも観光地でもそこを訪問するのなら一定のマナーとリスペストは必要だと思うのだけど。

 荘厳さと信者の熱心さ、それに加えて観光客の無茶苦茶加減を見ていると、いつの日かイスラム教みたいに信者でないと入場禁止措置取られちゃうよと私は物申したい。涙流して祈り捧げてる人を勝手に撮影とかしてるから嫌われるんだよ中国人観光客とか。

 ちょっと文句もいったけど、この場所にしかないであろう独特の雰囲気を味わえたのは喜ばしかったし興味深くもあった。ということでそろそろイスラエルも脱出しましょかね。

 2019年11月15日(金) 走行距離0km 累計104155km
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 イスラエル10日目 エルサレムの町〜テルアビブから北北東に30km地点 墓地の脇

 さてイスラエルを抜けてお隣ヨルダンへと行きたいのだが。イスラエルとヨルダンには陸路で3つの国境があり、素直に進むなら先日登ってきた坂を逆走しキングフセインという橋を渡る国境が1番近いことになる。

 だけどこの国境はヨルダンが領有権を主張している場所に当たり、本来国境で取得できるハズのヨルダンビザが発給されないという弊害がある。ヨルダン側にしてみれば「そこは俺の土地なので国境越えてきたことにならない。故にビザもここでは発給しない」という理屈。そういえばモルドバと沿ドニエストル共和国でも同じ問題があった。

 とにかくそういうワケで、私はキングフセイン橋国境ではなく北部のシェイクフセイン橋からヨルダンへ向かおうと思う。同じ道を走るの楽しくないのでむしろこのルートのが都合が良い。

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 そんじゃ出発

 人でごった返すエルサレム旧市街を出てそのまま大通りを北上する。2日前みたく下手に狭い道走ってまた壁にぶち当たるの嫌なので、素直に町を抜けるまでは主要道路だ。

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 面白かったよ

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 エルサレムの町を抜けていく

 それほど苦労せず国道1号線へと入り、さぁここから一気に町を抜けるぞ!と思ったところでまさかの雨。この時期にイスラエルで雨が降るなんて思ってなかったけども、エルサレムは山の上だからそういうこともあるのかな?

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 まぁいいや行っちゃえ

 ちょっと向こう側に青空広がってる景色から、雨雲エリアから逃げ切れるだろうと考えた私の考えは正しかったけどさ。雨に降られた5分間がずっと急斜面の下り坂でしかも両側を山に囲まれた谷底の道。必然的に雨水が道路へと流れ込んできてしまい、全身バッチリ濡れてしもうた。

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 そんでこの天気だもんなぁ

 しかもこの道路側道部分にやたらガラス片が散乱してる。トンネルを通過してる途中で後輪がパンクした時も「この路面状況じゃ仕方ないよなぁ」と思ってしまったんだけどさ。何か間違ってる気がする。

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 かなり大きな穴で修理手間取る

 結局チューブ1本交換して対処。「アフリカだと何処でチューブも入手できるか分からないし」と予めイスラエルで予備チューブ購入してたのだが、そのアフリカ到着する前にチューブ使うことになろうとは思わなんだ。

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 一気に山を降りて

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 イスラエルスタート地点の空港脇を通過していく

 ルート的には一旦西へと移動しテルアビブ付近まで戻ったところで北上する・・・という随分遠回りである。これはエルサレムから直接北上するとパレスチナのヨルダン川西岸地区ど真ん中を突っ切る形となってしまい、流石によろしくないだろうという判断のため。

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 危ない橋は避けていく派

 土曜日なので多くの商店が閉まっているのは先週経験済み。とはいえテルアビブでは個人商店がそれなりに営業していたし、まぁどうにかなるんじゃね?という楽観的な考えでいたのだが。

 どうやらテルアビブの町中のみが例外らしく、他の町では個人商店から大型のショッピングモールまで全ての店が完全閉鎖中。これではマトモに食料買うこともできやしない。

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 最悪ガソスタで何か買うけどさ

 かなり不安だったがようやく営業してるお店を見つけ、入ってみるとなるほど経営者がアラブ系の人だった。土曜の安息日はユダヤ教のルールだもんね。

 しかしアラブの人ってのは面倒くさいことも多いが親切である。この時も「まぁコーヒー飲んで行けよ」と誘われてしまい「そろそろ日没だから早めに野営地見つけたいんだけど・・・」と申し出を断りきれない茶壺さん。

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 結果完全に日が暮れてしまった

 悔しいのが日没になるとそれまで閉まってたお店が営業始めるということ。土曜日の日没とともにお店が開くとは聞いてたけどさ、それってレストランとかのサービス業のお店で小売店系は営業しないと思ってたんだよね。普通にスーパーとか八百屋が開いてたのには驚いた。

 変な時間帯に町中入ってしまい、なかなか野営地を見つけられないままズルズル先へ進む。テント張れそうな郊外の姿隠せそうなポイントをようやく見つけててみれば、そこは墓地だった。ちょいと一晩お邪魔しますと敷地隣にテント張らしてもらい、ようやく一息つけたの18時半。

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 1時間半くらいナイトランしてたワケだ

 死海は夜でも暑く、エルサレムは日が落ちると寒かったのだが、海抜ほぼ0mのこの場所は暗くなっても涼しげで気持ちのいい適温だ。地中海沿岸に人口が集中する理由も案外そんな点にあったりして。

 2019年11月16日(土) 走行距離104km 累計104259km
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 イスラエル11日目 墓地の脇〜テルアビブから北東に76km地点 道路脇

 かなり見晴らしの良い場所で野営してたため朝の時点でかなり風が強く吹いてることはわかっていた。昨日は法学的に追い風となる方向へ走ってたので、どれだけ強く風吹いても構わなかったが今日は東の国境へ向かうので風が強いの勘弁してほしい。

 昨日はごく僅かの微風で今日は良い感じの強風とかさ、どういう嫌がらせだよ!?と思うワケです。

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 反対側が墓地

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 今日はしんどい走行になりそうだ

 20kmほど北上したところでぶつかるT字路からが今日の本番か。北東方向へと向きを変えた途端に真正面からぶつかる風に耐え進むことになろうとは、そりゃ朝出発する前の時点でわかっちゃいたけども。

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 どうにかなるまいか

 ただ幸いだったのが、1本軽めの上り坂を越えた後は基本下り基調であった今日のルート。スタート地点の標高は100mにも満たない高さだったけど、イスラエルの東部は海抜0mを下回る程標高地帯が南北に長く続いているらしい。

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 つまり死海はこの低地の一部に溜まった湖というワケだ

 お昼過ぎにイスラエル最後の大都市となるアフラの町へ到着し、昨日使ってしまった予備チューブの他幾つかの消耗品を残金ある程度残るよう調整しつつお買い物。イスラエルはビザ要らない国だけど、脱出する際に出国税を支払わなければならない国らしいので。

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 他に予備のチェーンも買っておこう 

 ちなみにここアフラの町からちょっと北上すると、イエスが幼少期を過ごしたとされるナザレという町があり、その町もキリスト教の聖地とされているらしいけど。正直エルサレムでお腹いっぱいという気分なので、ナザレには寄らずそのままイスラエルは脱出しようと思う。最初に走行ルート考えてた時には訪問予定だったんだけど。

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 町中の公園にピアノあるとか洒落てんな

 一通り買い物済ませて町を抜けたの16時前。この時点で既に太陽は地平線へと沈みかけてる状態であり、ちょっと手間取るとすぐ暗くなってしまう11月のイスラエルは忙しなくていけない。

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 はよ寝る場所探さないと

 主要道から離れた場所に木々が広がっていたの見つけそちらへエスケープ。上手いこと暗くなったタイミングで木々の中に今は使われていない矢倉があったのでそこで終了とした。何故「今は使われてない」と言えるのかだが、上に登ってみようとして階段が取り外されてることに気づいたからだ。

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 イスラエルはビール飲める機会が少なかった

 なおこのタイミングでルーマニアでゲットした味噌は全て使い切った。この先も南下するとなれば暑くなりそうだし早いタイミングで使い切って良かったとも言えるけどさ、次に味噌汁が飲めるのはいつのタイミングになるかと思うと気が重いよね。日本人だもん。

 2019年11月17日(日) 走行距離84km 累計104343km
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