自転車ときどき世界1周

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 イスラエル12日目&ヨルダン1日目 道路脇〜アンマンから北西に37km地点 畑

 深夜2時に謎の機械音で目を覚ましたのだが、こんな時間にテントのすぐ側で大型農業用機械が稼働していた。何もこんな時間に作業しなくても・・・と思いつつ様子を伺っていたのだが、小1時間エンジン鳴らしまくった挙げ句に機械をそこに放置して作業員は全員引き揚げてしまった。何かトラブルでもあったのか知らんが、とりあえず私の睡眠時間を返して。

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 そして早朝、普通に機械は動いて消えていった

 よく分からんけどそれは置いといてイスラエル最終日。残るは下り坂ばかりとなった道を進み、5kmほどで出てくる国境沿いのベト シェアンの町へ。昨日も金銭調整で買い物したけど割と小銭が余ってしもうたので使い切ろうかと思います。

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 町中に古い闘技場があった

 スーパーで小銭キッチリ使い切れそうな商品ないかと物色してると店長が「何か探し物か?」と声をかけてくる。話してたら商品割り引いてくれるどころか「コレも持って行きな!」とコーヒーまで頂いてしまう。

 ありがとうございます、特にイスラエルではコーヒー豆が高すぎたり買うタイミング無かったりで買い逃していたんです。

 ちなみにここでお礼言ってた時に「ウェルカム トゥ イスラエル」とこの国で初めて言われたのが何だか可笑しい。今からイスラエル出国するんだよね。

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 それではイミグレーションへ行きましょか

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 ヨルダンの看板出てきた

 下り坂を降りきったヨルダン川の手前がイスラエルイミグレーション。イミグレ敷地に入場する前から守衛が1人1人チェックしており物々しい雰囲気満載だ。あと手際が悪くてこのゲート潜るだけで15分以上待たされたし。

 とにかく指示された通り建物内入り出国税の支払いをば。下調べの通り107シェケル(約3360円)だったのはいいが、その後に「ヨルダンディナールあるの?無いならここで両替しなさい」とか言われ、いや私は自転車だから必要ないんだけど・・・という訴えは無視されて、半ば強制的に酷いレートで残してた50シェケルは両替されてしもうた。

 というのもどうやらイミグレーションの手続き後、国境を越えるにはバスを利用しなくてはならないようで。お金さえ支払ってしまえば出国手続き自体は何1つ聞かれることなくカード渡されて終了し、その先にあるバスターミナルで1時間以上待たされる。

 んでこのバスの運賃が1ディナールだったんだけども。別に5シェケルの支払いでも構わないとか言われてしまい「あのオバはんにハメられた!」とこのタイミングで気づいた。

 バスは300mも走らずにヨルダン側イミグレーション前で降ろされる我々乗客。イスラエルって国の面倒くささは色んなところで感じたけれど、この出国する一連の流れが最高潮だったな。やっぱイスラエルってちょっと普通じゃない国だった。

 最初にアライバルビザの申請窓口に行ったのだが「オマエはビザ必要ないから入国審査行け」と言われ、素直に従ったらスタンプ押されてしもうた。ビザが必要だと聞いたからこの国境を越えてきたんだけどな。手続き簡略化されてるだけなのか?

 その後に荷物検査があったことは完全に誤算というか、バスに自転車載せるタイミングで1度全て荷物を取り外しヨルダンイミグレーションの前でパッキングしたんだよね。僅か30mでもっかい全ての荷物取り外すことになろうとは。

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 この時点で12時半

 とにかくお腹空いたので敷地出て最初に出てきたレストランへ。郊外にも関わらず大型バスが止まってるレストランだし観光客相手の料金で大丈夫かな?と不安だったので「現金6ディナールしか持ってないけど・・・」と財布見せたら「まぁいいや、食べな!」と案内された。

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 ビュッフェスタイルだった様子

 イスラエルじゃこの倍支払っても食べられるか分からないのであり、ヨルダン来てよかった・・・と早くも喜んでいた私。

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 まさかメインが後から来ようとは

 面白いのがここからでマネージャーが「オマエ自転車だからたくさん食べるだろ!」と他のお客が残した料理を勝手に私のテーブルへと運んでくる。いやまぁ食べるけどさ、それってある意味失礼な行為だとは思いませんかね?

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 食べるごとに増えてく昼食

 他の団体客も私にペットボトル渡してきたりで最終的に魚料理3皿、ペットボトル9本とかテーブルに並んでいた。食事はともかく水は飲み切れないので半分ほど持ち運ぶことに。

 そんでお店出ようとするとマネージャーが「ペットボトルの代金支払え」とか言ってくる。私はしつこく「お金これだけしかないけど大丈夫か」と確認したのにさ、勝手にサーブして料金取ろうとするところが最高にアラブだと思う。

 ない袖は振れないのであり、何か最終的には幾つか手持ちのペットボトル渡して出発することになった。入国して1時間で既に濃ゆい体験してるな。

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 ヨルダン川沿いはまだ緑が点在してる

 走っていてもイスラエル比で20倍くらい住民から声かけられまくる。素直に応援してくれる人もいれば私を見かけるなり「マネー」と叫んで進路を塞ぎにくる挙げ句、最後は自転車引っ張って邪魔するクソガキまで多種多様。

 先進国では味わうことのなかった面白くもあり面倒でもある「放っておいてもイベントが勝手に向こうからやってくる」感覚を全身で味わってる。南米以来だなこういう気持ち。

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 本格的に何書いてるのかさっぱり

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 自転車乗ってて「止まれ!写真撮れ!」って言われることは普通ない

 1つ誤算だったのがヨルダン川沿いのこの道は、結構大きな町もある割にATMが極端に少ない。10km走ってようやく見つけたATMはカードが合わないのか現金引き出すことができないのであり、ほとんどの商店でカード支払い未対応のヨルダンでは現金がないと何1つ買い物ができない。

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 モスク撮ってる場合違う

 結局40Km近く走ったところで運良くカード対応してるスーパー見つけて事なきを得たんだけどさ。そこから僅か200m先にあったATMで現金引き出せた私の気持ちは複雑というか何というべきか。

 しかしヨルダンでATMがある町というのはかなり規模が大きいことを意味しており、日が落ちかけてるにも関わらず人家が続いて野宿できそうな場所が見つからない。その割にホテルも姿を見せないし、そもそもアラビア語でホテルって書かれていた場合は判別することもできやしねえ。

 結局道路脇に広がる畑へ降りていき、死角となる場所にテント張ってやり過ごすことにした。隣の土手の上にある家からは丸見えなんだけど、事情話したらOK貰えた(と思う。何しろ全く言葉通じない)ので良しとしよう。

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 イスラム国だからビールはあんまり飲めなそう

 2019年11月18日(月) 走行距離63km 累計104406km
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 ヨルダン2日目 畑〜ヨルダン首都 アンマンの町

 死角とはいえ道路からすぐ脇でテント張ってた割にしっかり眠れた夜。怖くないのか?といえばそりゃ危険度高いであろう場所だが、ここ周辺をトゲトゲの木々で囲まれたポイントなので深夜に人が近づくと物音するし傷だらけ間違いなしということもあったので。

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 誰も来れないだろうとは思ってた

 荷物まとめて出発し、僅か数km先のT字路を左折する。南北に長い死海を有する低地帯を走ってきたワケだが、いよいよ地上部分へと脱出である。今日はこの坂を登り終えたらほとんど終了みたいなモノ。

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 それじゃ行きましょか

 最初の1kmこそ淡々と登って行けたのだが、そこから一気に急斜度へ切り替わりギアを最軽にしても進むのが厳しいレベル。14〜5%くらいあったんじゃなかろうか?

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 奥の山が酷い斜度でして

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 海抜0mでもう満身創痍

 幸いなことにこの0m地点の後からは斜度も多少落ち着いたようで、継続的に乗り続けていけると思える坂が続く。

 基本私は上り坂においてギアを1番軽いのより1つ上(重たい)に合わせることが多い。コレは要するにキツい状況でも「まだもう1段ギアを下げられる」という精神的余裕を持ちたいからであるのだが、今回は序盤の激坂で余裕も何も無くなった状態となってしまいずっとギア最軽のまま。

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 余裕はない

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 2時間弱で800mアップしたし

 この数字はフルパッキンの自転車クライムでは相当良いペースで登っていると思う。その割に両足の疲れがそれほどでもなく「やるじゃん私!」とか思ってたのだが、おそらくイスラエルで交換したリアスプロケットが歯数の多い山向きのタイプだからなんだよね。

 やっぱ重量ある旅行用自転車であるほど上り坂のギア比は大きな影響が出るんだな・・・という普通に考えれば分かることを経験してようやく理解する茶壺さん。賢者は歴史から学び愚者は経験から学ぶというが、私は賢き者になれそうもない。

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 合計1300mちょっとで頂上に

 スタート地点では暑かった気温もここまで来ると肌寒いほど。ここから首都アンマンの都市圏に入り道路も複雑化してくるため、マックのWi-Fi使って地図確認してたのだが。

 それだけで「お前どっから来た?」とワラワラ質問されまくるのがヨルダン。旅行者を放っておかない人当たりのいい国ではあるが、こうした外での作業は全然進まない難点もある。

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 ここら辺は高級住宅街っぽい

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 多分新市街エリアなんだろな

 私が向かうのは安宿が集まる旧市街のエリアであり、あるポイントから突然高層ビルが無くなりボロっちい建物や廃墟が増えたの見て「旧市街エリアに入ったか」と判断した。治安とかどうなんだろ。

 下調べしといた宿が1泊4ディナール(約610円)と格安になったこともあり、ようやくここでしっかりとした休息をと流べきだと3泊お願いする。気軽に連泊って物価安い国でないとできないからなぁ。

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 夕食も外で食べようかと市場に向かう

 すると屋台の前で「お前旅行者か!ここの飯は美味いぞ食べてみろよ」というオッちゃん2人組と遭遇す。出会って3秒でこうしたお誘い受けるの初めてではないが、この後でもの凄い金額請求されるんじゃ?とかやっぱりちょっとドキドキしてしまう。

 2人買い物に来ていたとのことで、そのまま一緒に市場内を散策ししつつモスクで礼拝を見学させてもらったりした。私この時点でハーフパンツにサンダルという服装のため、モスクに入るレギュレーション違反してるから追い出されそうになったんだけど「こいつは俺の友人だから!」と説明してもらい同伴してたりする。

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 中での写真撮影はしてません

 1時間ほど歩き回りお礼言ってお別れした。「この後ウチに寄っていくか?」とお誘い受けたのだが、流石に疲れ切ってて早く寝たかったので。勿体無いことしたかな?

 何はともあれ暫くアンマン滞在だ。

 2019年11月19日(火) 走行距離50km 累計104456km
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 ヨルダン3・4日目 アンマンの町

 休息日。とにかく疲れていたこともありひたすらベッド上で横になって過ごす。値段安いにも関わらず2人部屋だし、ブルガリアキャンプ場以来休息日を設けることもせず走ってきた自分に対してのご褒美だと思いたい。Wi-Fiもバッチリ使えるのでダラけるにも最高の環境だし。

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 ただ同室のインド人はマナー悪い

 昼・夕方にそれぞれ食事で外出したものの、それ以外はほとんど寝て過ごしてた私。この先のルートとか考えたりもしたけれど、自分でもビックリするくらい睡眠取ってたと思われる。

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 ちょっとくらい町中歩き回ったりもしたけれど

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 すげーな村上春樹ってアラビア語にも翻訳されてんだ


 翌日。何にもしてないので日記の内容も薄い。とりあえず多少はアンマンの町中を観光してみるのも良いかと思い、宿の真上に位置する遺跡を見学しに行ってみようかと思う。

 階段登ったり入口が分からず敷地をぐるっと1周したりしつつも到着した私だが、そこで言われたのは「今日はフェスティバルの関係でお昼から閉鎖だよ」という一言。すぐ隣にいた西欧人が「今はまだ11時前じゃねーか!こんなに沢山の観光客が入ってるのにどういうことだ!」とまくし立てていたの見て、なんか私の方は冷静になるというか若干引いてしもうたというか。

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 まぁどうにもならないよねと思ってしまった

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 ということで入口から1枚だけ

 そもそもアンマンの町にこうした遺跡があることすら知らなかった程度の思い入れなので、そんなに凹んでないのです私。せっかくなので支払うことのなかった入場料分でちょっと贅沢なお昼でも食べようか・・・とか切り替えられる程度。

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 ちょっといいお昼

 ちなみに明日はイスラム教の休日金曜日なのでやっぱり閉鎖されてるとのことで、まぁ縁がなかったのだと思う。アンマンは本当に食べて休んだのみで終わりそうだな。

 というのもアルコールが禁止されてる国だからかこの町には甘味所が非常に多い。そうしたお店に大勢のオッさんやねーちゃんが寄り集まっていて、そんなにこのお菓子は美味いのか?と私も食べ歩きを楽しんでみたり。

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 これで100円ちょっと

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 ウマウマ 

 ガッツリ砂糖系の甘さながら奥にチーズが仕込んでありアマくてトロっとする濃厚系のお菓子。でも口当たり良い感じでコレは癖になりそうだ。アンマン滞在中に食べまくって増量しとこうかな。

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 1回くらいと思ってビールも飲んでみたけど

 これの値段が600円とかするのであり、流石イスラム国はアルコールの値段が高い。流石にこの先ヨルダンでビールは免税エリアでもない限り飲むことはなさそうだ。

 2019年11月20日(水) 走行距離0km 累計104456km
 2019年11月21日(木) 走行距離0km 累計104456km
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 ヨルダン5・6日目 アンマンの町〜アンマンから南南西に36km地点 スポーツ施設宿舎

 まだ休み足りなかったので延泊申請し宿にてゴロゴロ。昨日食べたチキンがやたらスパイシーでお腹下してしもうたこともあるし、何より今日は金曜日でイスラム教の安息日に当たる。ここで気合い入れて出発してもどうなのよと思いまして。明日から本気出す。

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 この昼食が100円くらい

 東欧もかなり物価安くて長逗留しやすい国だったと思うけど、とはいえやっぱりヨーロッパ。一切食事を作らず外食続けてもタカが知れてるヨルダンの物価とは比較にならない。英語通じる人も多いし人はぐいぐい話しかけてくるので飽きないし、思わず居ついてしまう町だと思う。これでビールが安ければ。

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 甘いもので我慢かな


 翌日。そんな感じで計4泊したアンマンの町を出発する。アンマンもまた山における窪地というか谷間に作られた町であり、脱出するまで一苦労だろうなという思いがあった。なので準備は早々に済ましやや早めの8時にはホステルを後にする。

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 安かったし居心地も良かった

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 やっぱり朝早い方が車両が少ない

 ボリビアのラパスよろしく郊外へ抜けるのにどうあれ厳しい坂を登りきる必要があると思って覚悟してたのだけれども。とりあえずメインの主要道路に沿って南へと進むよう走っていたら、ほとんど坂を登らされることなく郊外まで抜けられたのは予想外だった。

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 坂はほとんど登らなかったけど

 ただ道路工事が多数の場所で行われており、迂回したりUターンを余儀なくさせられたりでかなり迷ったのも事実。周囲から建物が消えて農地が広がる景色になるまで25kmくらい走ったぞ私。

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 ようやく落ち着いた道に

 1つ素晴らしいなと思うのが、ヨルダンの道路事情。アンマンという大都市ですらかなりの部分で広い側道が完備されており自転車的には非常に走りやすい町であった。全くサイクリストを見ないけど、非常に自転車で走りやすい国ってのも何か勿体ない気がする。

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 だから側道で商売始めちゃうのかな

 40kmちょっとで到着したマダバの町。イスラム教の国でありながら聖書にも名前が出てくる歴史ある教会がある町だそうで、そのためか非常に観光地化された町である。とりあえずサクッと教会見学して町を抜けようと地図を確認してたら声かけられる。

 ヨルダンではよくあることと普通に話してたのだが、向こうがワールドサイクリストだったのには私も少々驚いた。しかもアフリカと中東地域を走ってるかなりガチなタイプ。

 そんな流れでイェシンが「このマダバから5kmくらい先の施設で無料で泊まることができるけど」とか誘われたらそりゃ行くっきゃないでしょう。アフリカの情報色々と聞きたいし。

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 住所教えてもらい後で合流することに

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 んでマダバの教会を見学しつつ

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 いわゆるモザイクアートが有名なんだとか

 場所はスポーツ施設だと言われており、町から離れた畑が広がる場所にそんなのあるのか?くらいの気持ちでいたのは間違いない。だから冗談抜きで畑のど真ん中に複合スポーツ施設が出てきた時にはちょっと笑ってしまった。大型のサッカーコートとかあるし、プロチームの練習施設とかそういう系かな?

 イェシンが連絡してくれており、守衛さんに連れられ恐らくは選手の宿舎みたいな場所をあてがってもらう。まだ時間も早いので、さっき教会を見学しようと急斜面を登った際に敗れてしまったズボンを縫ったりとか。

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 結構ザックリ破れてしまったので

 近くのスーパーで食材買って簡易キッチンで夕食とする。スーパーといっても生鮮食品の取り扱いがない店だったためパスタとツナ使った適当スパゲティだけど。

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 ペペロンチーノ風

 イェシン戻ってきて色々話をしたのだが、モロッコから反時計回りでエジプトまでアフリカ完全陸路で自転車旅行した筋金入りのサイクリストだった。治安的に不安ある国とか多いだろうにすげーなコイツ。彼によれば「東アフリカは余裕」とのことだが、オイオイんなわけねーだろ。

 色々面白い話が聞けただけでもここに来た甲斐あったというものだ。しかしこの施設の存在に感謝するのは明日だったりする。

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 レシートもらっても読めやしねぇ 

 2019年11月22日(金) 走行距離 0km 累計104456km
 2019年11月23日(土) 走行距離54km 累計104510km
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 ヨルダン7日目 スポーツ施設宿舎

 イェシンとの話が盛り上がり、すっかり遅くなってしまった夜。とりあえず解散して寝ることになったのだが、何か猛烈な腹痛が。

 ヨルダン来てから生モノほとんど食べてないし、昨日も変な食べ物は口に入れてない。にも関わらずシャレにならない痛みと猛烈な下痢の症状に苛まれ、眠ったと思いきや痛みで目を覚ましトイレに向かうというのを繰り返しつつ迎えた朝。

 寝不足で頭痛いし腹部は激しい痛みが継続しておりとても自転車乗るどころではない。イェシンはマダバの町を回るといってたので同行するのも面白そう・・・とか思ってたのだが、この状態ではマトモに動くこともできそうにないので今日1日休んでいることを伝え横になる。

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 お腹痛い

 まどろみと痛みによる覚醒とを繰り返す午前中となり、流石にこんな状態では全く食欲も湧かず。かなり脱水症状気味だしこういう時って水分だけでも摂取した方が良いのだろうけど、お腹に何も残ってない状態でもトイレを行き来する今の状態だとなぁ・・・

 午後になりようやく痛みが治まって来たので最寄りのスーパーで水分と糖分だけ購入し、後はひたすら寝て過ごす。横になってると「肝炎」だとか「赤痢菌アメーバ」みたいな言葉が浮かび不安で仕方ないのだが、幸いというべきかネット環境ない場所なので下手に調べたりすることもできず。

 ともかく下手にテント泊だったら悲惨なことになっていたやもしれん。体調悪くするタイミングってやっぱり気の抜けたタイミングが多いから割と宿泊施設を利用してる時が多いんだけど、今年に限ってはアマゾン川のイカダ・ブラジルの田舎町・ウクライナの道端ときてこのポイント。半分は宿に避難するのも一苦労しそうな場所だった。

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 もしかしたら昔はちゃんとした宿泊施設だったのかもしれない

 衛生観念悪くて食あたりするのは後進国あるあるだが、この先アフリカというどう考えても食に関して杜撰さが残るであろう大陸へと向かうというのにこの体たらくで大丈夫なんだろか私?やっぱり茶壺さんはヨーロッパ辺りを走っているのがちょうど良いと思うのです。イメージ的にも。

 2019年11月24日(日) 走行距離2km 累計104512km
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 ヨルダン8日目 スポーツ施設宿舎〜アンマンから南南西に89km地点 廃墟跡地

 何とか体調不良1日で回復できたのは幸いだった。アンマンでダラけまくってたタイミングでは元気いっぱいで、いざ走り出すとお腹痛くなるとかタイミング悪いな私の身体は。

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 イェシンにここ紹介してもらってなかったら危なかった

 各関係者にもお礼言ってから出発。やや寒いのでフリース着たのだが、アップダウンの多い道のため下りはともかく上り坂では暑くて仕方ない。でも服脱ぐほど大きな坂でもないのでありどうしたもんやら。

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 こういうハッキリした谷の方が登る方も覚悟できるってもんだ

 現在走行中のキングスハイウェイは、アンマンからヨルダン南部へと移動するにおいて3つあるルートの中央を抜ける道。1つは死海の沿岸部を通る道で、1つは砂漠の中を突っ切る道。どちらもそれほどアップダウンがない道のようだが、よりによってこのキングスハイウェイだけひたすら上り下りを繰り返す道だ。

 何でそんなルートを選んだのかと問われれば、ペトラ遺跡へと向かうルートだったというのもあるが、単に「面白そうな道だった」という点が大きい。だって巨大な渓谷を抜けていくんだよ?そんなのワクワクするに決まってる。

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 ということでやってきました渓谷へ

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 ほれみろ無茶苦茶いい感じ

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 エクアドルやペルーを思い出すな

 かなり急斜度の坂を一気に下ってダム湖の脇まで駆け下りる。最下点でフリースはバッグの中に仕舞い込み、それでは登り返しのスタートだ。

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 ギア最軽で何とか足つかず走り続けられる斜度

 斜度がキツいのでそれほど距離を進んでないのに眼科に見える建物がみるみる小さくなっていく。九十九折りの坂道ってのはこうして自分が登ってきた軌跡をハッキリ確認できるのが楽しいと思うのだ。

 8割ほど登ったところに喫茶店があったのだが、やたら強く呼び込みかけられ思わず入店。疲れてたので勝手に出された水とコーヒー何も考えず飲んでしまったのだが、後で料金5ディナール(約750円)とか請求されて「やってもうた!」と悔しい思いをした。ヨルダンの観光客向けのレストランは勝手にサーブして高額料金請求してくるタイプだったなそういえば。

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 ぼったくられちった

 気持ち切り替え最後の坂を登って谷を脱出する。これでしばらくは楽に進めると思いきやこの先もジワジワとゆるい斜度の坂が継続しているのであり、なるほど楽させてくれないなキングスハイウェイ。

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 郊外は全然交通量ないのに

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 町に入るとこの有様

 日が沈み始めたタイミングでカラクというやや大きめの町に入ったのだが、バスターミナルの脇を走ってる際に突然横から自転車を押されて危うく倒されそうになった。偶然とかでなく完全に故意での行動で、もう本当に何なんだよヨルダン人。

 アラブの人間ってこんなクソみたいなことしてくるのが常なのか?仏教徒もキリスト教徒もユダヤ教徒も誰もこんなことはしない。イスラム教が悪いんか?・・・と宗教を引き合いに出して文句言うのは間違ってるわな。

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 最初はこのカラクのお城に行ってみようかと思ってたが

 こんな人間のいるカラクの町に滞在する気が完全に失せたので町を抜けてしまい、その先にあった廃屋の壁だけが残っている場所へ入り込みテント設営した。四方を壁に囲まれてるので安心感がある。

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 飲み物買うの忘れてた

 色々あって腹も立てたけど、案外後進国と呼ばれる国ではこの程度よくあることだったような気がしないでもない。この半年ほどヨーロッパというお上品な国で面倒な人間な相対することがほとんどなかったから、大したことない出来事に過剰反応してるのだと思いたい。そういうことにしておこう。

 2019年11月25日(月) 走行距離85km 累計104597km
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 ヨルダン9日目 廃墟跡地〜アンマンから南南西に約120km タフィラの町

 周囲を山に囲まれた谷底に位置してるので、朝になってもなかなか太陽光が当たらない。その割に目を覚ました時点で暖かく、出発する時点でフリースを着ることなくバッグに仕舞い込んだ朝。まだ普通に標高も1000mくらいある場所なんだけど。

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 謎の暖かさだ

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 崖の途中にあったので自転車持ってくるの大変だった場所

 そんな谷間からのスタートなので当然上り坂。昨日あんだけ大きな谷を越えたというのに全然道がフラットになる予感を感じさせない。久しくなかった「坂道ばっかり系」の国だなヨルダンは。

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 何やってんすかこんなトコで

 あんまり風に吹かれた記憶のないヨルダンだが、今日は珍しくやや強い向かい風が吹いている。地形的に谷間とかで狭い箇所に風が集約されて「強い風」だと錯覚しているだけかもしれないが、どっちにしても私が大変な思いをすることに違いはない。

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 昨日と同じく40km手前から大渓谷

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 坂下る前は最高にワクワクするんだよな

 惜しむらくはひたすら南下している行程であるため、冬の現在の時期だと常に太陽を正面に迎えてしまい逆光での撮影となってしまう点。上記写真みたいに自転車から降りてる時はまだしも走行途中で撮影する場合、どうしても侵攻方向である南向きになってしまう。

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 ダウンヒル中はあらゆる方向にカーブがあるからそれほどでも

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 でも反対側の山はやっぱり撮りづらい

 谷底まで下るも今回は最下点をしばらく進んでいくルートであるらしい。左右に切り立つ崖を眺めながら何処で本格的な上り坂が始まるのかと注視していたところ、道路看板に出てくる「Hot Spring」の文字。

 ちょっと待ったこんな場所に温泉あるのか!?と慌てて地図を確認すると、三叉路から突き出した道の先になるほど温泉の表記があるではないか。

 しかし思い出すのがイスラエルでの記憶。あそこみたいに温泉と銘打っても入浴できなかったりするタイプでは意味がない。確かめるにも250mほど下がった場所に温泉あるようで「ダメでした〜」で済まされる状況じゃないぞ。

 迷った末に適当なドライバー捕まえて「この先の温泉入れるかな?」と聞き込みしてみた結果「大丈夫だぞ」というお墨付き頂いたので向かうことにした。向こう完全アラビア語だったので信用ならない情報だが知ったことか。

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 何で一部分だけ変色してるのん?

 6kmほど走ったところで出てきた温泉施設。ちゃんと入浴できるとあって私も心の底から嬉しかったしホッとした。

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 そして他にお客は1人もいなかった

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 やったぜ貸切温泉だ

 かなりぬるま湯なのだが谷底で標高300mほどしかないこの場所やたら暑いため適温だと思う。むしろこれ以上温度暑かったらゆっくり入浴できなかったのであり、それにつけても温泉サイコー。

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 外に水風呂もあった

 心身共にリフレッシュし先ほどの分岐点まで戻るしかないのは道路の先が行き止まりになってるから。どうやら終点にも別の温泉があるらしいが、流石に連続して入浴したりはしない。いやしたいんだけど、今日中にこの渓谷抜けないと食料も水もないので詰む。

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 ここまで戻ってきた時には汗まみれ

 この後も斜度こそ厳しくないもののいつまでも上り坂が続く。2日連続でがっつり登らされてるからか、温泉入って体が弛緩したからか、分岐点まで帰り道の坂で余計に体力使ったためか、とにかく普段以上に疲労度合いが強くなかなか頂上までたどり着かない。

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 水の残量も厳しくなってきた

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 しかもやたらアホ犬が多いんだよねこの区間

 やっとの思いで頂上まで登りき理、そのまま現れたモスクで水を頂く。モスクは大抵手洗い施設が整っており、そこで水分を補給させてもらえるの本当にありがたい。

 そのままタフィラという町の外れに突入したものの、割と大きそうな町で野営場所探すのに苦労しそうだったためちょうど出てきたモスクで敷地内にテント張らせてもらうようお願いして了承を得る。モスク泊するの3年ぶりくらいでちょっと嬉しい。

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 チャイとフルーツ頂いたり

 英語通じる人が何人かいて、色々と話してたのだが夕方から始まるお祈りを見学させてもらえたのは良かった。やっぱイスラム教って知らないことばかりであるため、こうした宗教儀式を見てると色々思うところがある。

 ほとんどの人がそのまま家に帰らず井戸端会議が続くのであり、なんかその流れで私の夕食を用意してもらいご馳走になった次第。本当にありがとうございます。

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 非常に美味かった

 シャワー施設も貸してもらい身綺麗になって眠ることができる夜の何とありがたいことか。昨日はヨルダン人に対して腹を立ててばかりだったのに、今日は同じ国の人に助けてもらい感謝しているという不思議。

 そうしてみると、人も国も単一的な見方なんてできないんだよなぁ・・・とか、分かったようなことを言ってしまいたくなるね。

 2019年11月26日(火) 走行距離70km 累計104667km
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 ヨルダン10日目 タフィラの町〜アンマンから南南西に163km地点 森林

 モスクの裏手なので早朝4時代にマイクで大音量のアザーンが流れて目を覚ますことになったのだが、これは織り込み済みなので良しとしたい。ヨルダン人だってこの時間帯じゃまだ寝てるだろうに。

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 朝食も頂いた

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 本当にありがとうございました

 お礼言って8時半には出発である。とりあえずの目的地であるワディムーサの町まで距離にして90kmちょっと。普通なら今日中に到達できる距離であるが、この鬼のようなアップダウンが繰り返されるキングスハイウェイではそうもいかない。

 むしろ翌日のペトラ遺跡観光は広大な敷地であり、かなり歩き回ることを鑑みると今日無理して町に到着するより刻んで翌日余裕を持って町に着きたい。さすればインフォメーションセンターで情報収集もゆっくりできようぞ。

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 タフィラは崖っぷちにある町だった

 狭い土地に道路が延びてる関係でぐねぐね&急斜度の上り下りなのは仕方ないとしてもだ。どうやらヨルダン人は駐車場というものを作らない国民のようで、町中の何処に行っても路駐してる車が道路脇を占めている。

 このためせっかく町中でも片側2車線の道なのに、ヨルダンでは大抵この駐車車両のせいで半分しか走るスペースがなかったりする。しかも道路の端っこに止めるとか可愛いことせず、平気でど真ん中に止めたりする悪癖があるのでタチが悪い。

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 道路はオマエらだけのものじゃないぞ

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 昨日ほどではないけど今日もガッツリ上り坂

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 流石にここが最高地点だと思いたい

 急いでないこともありカフェでWi-Fi使えないかと調べてみたら、まだ中学生くらいの子供が客引きで「ウチならネット使えるよ!」と呼び込んで来る。案の定ジュース1本が3〜4倍する値段設定だったが、まぁネットできるしこのくらい良いか・・・と思ったけど。

 その後で「料金別で席代支払え」とか言ってきたのには流石に驚いたし腹も立った。何に腹立てたかって、こんな子供にあこぎな商売方法を教えてるこの国の大人に対してだ。国の将来を担う子供がこれじゃあヨルダンの将来見通しは暗いぞと私は申したい。ついでに言うとネットは2分くらいで接続切れて以後使えなかった。

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 何じゃこの国

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 この風力発電も看板表記を見る限りヨーロッパ諸国が建設したみたいだし

 ヨルダン独自の資源である観光も「取れるだけ取ってやろう」とエゲツない外国人料金を設定してるのがヨルダン。昨日の温泉もあんな僻地にありながら外国人は料金5倍だったからね。

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 猛省すべきだと思う

 ショウバックという町の付近でもう今日は終了しても良いかと思うのだが、まだ時間は15時ちょい。余裕があるので町北部にある古城を見学してみようかと行ってみることに。

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 あ、コレ無茶苦茶キツい登りのヤツだ

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 世界最小のホテルだそうです

 思った通り尋常じゃない斜度の坂道でほとんど全行程押して登る。そうでなくともこの数日は限界ギリギリのクライムが続き両足疲弊してるというのにこんな坂登れるかい!何で私はこんなお城に来てるんだろう?

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 ウルトラ頑張った

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 ちょうど夕日が当たるタイミングで展望よし

 あとは町へと戻り予め予測つけといた森林の中に入りテント設営。これで夕食作って寝るだけだと思ったのだが、そうはいかない事態となる。

 突然4WDの車両が森林の中へと突撃して迫ってきたのであり、しかし不思議な事に私のテント10m手前で突然Uターン。再び道路へと戻るという謎の行動をしてみせた。

 判断に悩むところだが、確実にテント目撃されたのと最近のヨルダン人のイメージからこの場所で寝るのは危険だと判断しテント撤収する事に。既に真っ暗なんだけど「嫌な予感」した以上は仕方がない。

 ここから新たなテント設営場所探すの難航する。風力発電が立ってる場所だけあってこの周辺は風も強く、1度大きな岩の下にテント張ったのだが風が通り抜けて寒い。しかも道路から車両のライトがバッチリ映し出されるポイントだったため、あえなく2度目の撤収に。

 中途半端に周辺を探し回るよりも町の入り口付近まで戻れば確実に見つからない場所があったため5km以上逆走してようやく無事テント張ることができた。時刻は20時半である。

 疲れ果てて何もする気になれず、夕食も途中のお店でサンドイッチ購入したの食べて終了。海外旅行始めてそろそろ5年になるけどさ、1晩で2度もテント設営場所を移動したの多分初めて。嫌な初体験だな。

 2019年11月27日(水) 走行距離80km 累計104747km
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 ヨルダン11日目 森林〜アンマンから南南西に約190km ワディムーサの町

 余裕なかったとはいえ山の斜面に無理矢理テント設営はどうにかならなかったのかと今更ながら思う。とにかく寝心地を優先させた関係で睡眠自体はバッチリだが、テントの前室が斜面なので食事をすることもできやしない。

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 なので珍しく外で座っての朝食に

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 昨日寝るはずだった森林地帯がココ

 明るくなってから移動してみると、昨夜相当走ったように思ってたのが僅かな距離であったことを知る。要するに短い距離の中で野営地は無いかと右往左往してたんだな私は。

 そんなショーバックの町を抜けてようやくワディムーサの町までラストラン。距離的にはアンマンから250kmとかそんな程度なのに道中5日もかかってしもうた。どんだけこの道がキツかったという1つの指標となれば幸いだ。

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 温泉とかお城に寄り道してるから


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 今日は緩やかで楽な道

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 そんな耕しても作物育つ環境なんだろか?

 昨日はかなり強かった風もピタリと吹き止んでおり快適な走行である。何より今日の坂は急登がなく緩やかな斜度ばかりで疲弊してる私であっても余裕を持って登ることができる。どうして他の道でこの道を作らなかった・・・とかそういうことを言ったりはしない。

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 ペトラまでもうちょいだ

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 しっかりした道路ポストと思いきや出てきたのはここ20kmくらい

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 なんだかんだ1600mオーバー

 ようやく稼いだ標高貯金を切り崩す峠の頂上に到着したと思っていたが、そこはやっぱりキングスハイウェイ。下り坂の途中でもちょいちょい登り返しを織り交ぜてきたりで最後まで私に楽をさせる気は無いらしい。

 本当に最後の最後、ワディムーサの町まで残り数kmから猛烈な下り坂で渓谷の谷間へと一気に降りていく。こんな土地だからこそ激動の歴史である中東という土地にありながらペトラ遺跡も破壊されずに残ったのかもしらん。

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 町出るとき大変そう

 前情報なかったのでとりあえずペトラ遺跡のビジターセンターへ向かったのだが、これが町の最下部にあるというね。ここのネットで情報取得した後もっかい激坂登って宿へ向かうことになろうとは。

 首尾よくチェックインしネットして情報収拾したりとか。町中歩き回ろうかとも思ってたけど、ちょっと買い物出かけただけで両足絶賛筋肉痛なことが判明し、今日は大人しくしといたほうが身のためだと思いまして。

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 超観光地だしお店どこも適正価格で売ってくれない

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 良い時間帯に外出たな

 当然だけどレストランも観光客向けのスタイルばかりでとてもじゃないが入れない。ただ幸いなことに宿泊先のホステルは有料で夕食が食べれるサービスおこなっており、これがビュッフェ形式とのことらしく一も二もなくお願いした。食べ放題はブラジル以来かな。

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 思ってたよりずっと豪華

 ヨルダン物価的には決してお安く無いのだが、ワディムーサの町として考えると非常にお値打ちというね。いや本当ヨルダンの観光地ってビックリするほど「金毟ってやろう」という雰囲気が蔓延しているので。過敏になってるのかな?

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 これスーパーのレシートなんだけどさ

 商品の項目が全て一緒で値段は手打ち入力してるんですよこの町のスーパー。つまりレジは通さず正規値段のフリして明らかに高い料金設定で吹っかけてきてる。「商品スキャンしてよ」と言ったら「大丈夫だ」とか答えになってない返答してくるし。ペトラ遺跡に寄生する悪い輩が多すぎる。

 2019年11月28日(木) 走行距離38km 累計104785km
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 ヨルダン12日目 ワディムーサの町

 さてヨルダンという国の観光名所を1つ挙げろと言われても、多くの日本人にとってあまりに馴染みのないこの国で即座に観光地を答えられる人はそう多くないと思う。だからか単に「ペトラ遺跡」と名前を挙げても、それってどんな遺跡?という反応が多いのではないかと想像する。

 しかし「インディ・ジョーンズの映画で聖杯が置かれてた遺跡だよ」と言えば、ある年代以上の方なら「あの遺跡か!」と反応してくれる方も多いのでなかろうか。かくいう私がそんな人であり、むしろインディ・ジョーンズ観てなかったらヨルダン走っていたかも疑わしい。

 ともかくあの遺跡が映画のセットではなくちゃんとヨルダンに実在するというのは驚きで、そんなの絶対見てみたいじゃないかとホステルの送迎車に乗って向かうはペトラ遺跡なのである。

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 今日の写真はペトラ遺跡オンリー

 驚異の入場料金50ディナール(約7700円)に「やってられっか!」と帰りたくもなりつつ素直に支払う悔しさよ。一説では世界で1番高い世界遺産入場料らしい。

 ちなみにヨルダン人だと入場料1ディナールであり、流石にこれはやり過ぎだとヨルダン人も自覚してるのか、看板などの料金表示には一切その点が明記されてなかった。都合の悪いことは隠すのな。

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 これで大したことなかったら暴動モノだ

 入口から少々進むと左右を切り立った崖に覆われた地形となる。まだ7時半で他の観光客も少ないためずんずん進んで行きたいのだが、この地形が既に面白くて写真撮影が止まらない。こういう景色好きなんです。

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 ワクワクする

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 雨降ったらこの通路水没しないのか?

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 まぁ砂漠だし大丈夫なんだろ多分

 ちなみにペトラ遺跡とは紀元前頃から栄え始めた町である。つまり多くの人間が居住していた土地ということで、こんな厳しい上に天然の要塞みたいな場所で生活とかどうしてたのかと思ったりするのだが。

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 崖の側溝で水を流していたらしい

 こんな道が1km以上も続き、そこで崖の合間から突如姿を現すのが映画にも登場した宝物殿である。いやね、事前にガイド読んだし出てくるの分かってたんだけど、それでも思わず声を上げてしまった。

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 いやコレは感動ですよ

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 道の先にこれだもの 

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 残念ながら中には入れない

 この通路奥に遺跡を作った人物は「演出」に関して相当こだわりがあったのだろうと想像する。視界が狭い崖下の道をいつまでも歩かせてからのズドンと宝物殿だもん。この遺跡が本当に宝物殿かは謎とされてるらしいけどさ、貴重な品物を収める場所を1番最初に登場させるとかリスク高くて危険じゃん。それよりも「道を抜けるとそこにずどーん!」というインパクトを重視して遺跡構えたのだしたら、なんかこの王様好きになれそう。

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 高さが約40mほど

 遺跡の反対側に階段があって上まで登れる道があったのだが、そのビューポイントまで行ってみると「ここは俺らの場所だから入るなら金払え」という看板とヨルダン人。勝手にショバ代請求とかヤクザみたいだな。

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 更に奥へ

 徐々に左右の崖が離れ始め道が広がり始める。ペトラはこの崖を切り崩して遺跡なり居住エリアなりを作っていたらしく、遠目に見ると崖の上まで何層も横穴が掘られているのがよく分かる。

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 すげースケールだな

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 どうやってこんなの整備したんだろ?

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 首都のアンマンにもあった半円形の劇場

 遺跡って大概は崩壊した建物や基礎が残っていたりでその全容は想像するしかないのだが、崖を掘って作られたペトラはその姿が非常にわかりやすい形で残されており見た目に優しい。当時の人はこうした横穴に生活用品運び込んで生活してたのか。

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 快適だったのかな?

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 やたら大きなこの遺跡が王様のお墓らしい

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 横一列に4つほどある

 このお墓遺跡は内部に入れるモノもあり、そういうことならと最上階までくまなく探検して遊ぶ。面白いのが辿り着くのも一苦労なポイントにも必ずお土産屋が営業してること。不思議と辺鄙な場所で営業してる人の方が人当たりも良く緩やかだった。

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 トレイルがあるというので登ってみる

 軽い気持ちで臨んだ道だが、要するに左右の崖上から町なり先の劇場を見下ろせる場所まで登れるということ。つまり高さ100m以上の山道登らされる思ったよりハードな行程だったりして、なるほどペトラ遺跡回るの時間かかるというのはこういうことか。

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 ビューポイント経由すると長くなるワケだ

 下まで降りて更に奥へ。道の脇に円柱が立ち並んでいたようで、この通りがペトラにおけるメインロードであったことを彷彿とさせる。当時も暇な輩がこの通りを歩いてウインドウショッピングとかしてたのだろうか。

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 現代でも行商人が山ほどおります

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 多分メインの建物であった神殿跡

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 この建物は普通に石組みで建築したっぽい

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 こっちの建物はかなり原型が残ってる

 でも私は普通の遺跡じゃなくてペトラならではの壁に掘られたそれが見たいのだ。この大神殿やカスル・アル・ビントはサクッと通り過ぎて最深部にある修道院へと私は向かう。

 中心部を過ぎたからなのか再び左右に崖が迫り細くなった道は、どんどん階段登って上へと移動する。結構なキュ坂で私はともかく途中でへばってしまう人もいたし、乗馬サービスを利用して先へ進む人もかなりの数いた。

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 頂上が終点っぽい

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 これを見たかったんだ私はよ

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 後に礼拝堂として使用されたから修道院って名前らしい

 1番奥に最大の遺跡が置かれてるとか満足感あって大変よろしい。ここから同じ道辿って入口まで戻らなくてはならないというのがちょっと気になる点だけど。相当距離あるぞ。

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 往路で見落としてたポイントを回収しつつ戻る

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 ここは教会とのこと

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 修復したんだろうけどモザイク画が綺麗

 こんな調子で町を見下ろせる往路ではスルーしたポイント行ってみたのだが、これがやっぱり崖の上。かなり両足疲れているのだが、7700円分の元を取らねばと景勝地全て訪れてしまう私は貧乏性。

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 流石にこの道は人少なかった

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 頂上に祭壇が

 案の定「場所代支払え」看板とヨルダン人がいたけれど、なんか毎日この崖を上まで苦労して登ってるのだと思うと彼にはちょっと優しい気持ちで接しても良いような気がした。奥に馬が繋がれてたので自分の力で登ってないと思うが。

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 それじゃあ引き揚げますか

 この時点で14時半とかだったのだけど、宝物殿とかもうイモ洗い状態の大混雑っぷり。とにかく朝早くに来たのは大正解だったのだ!そう理解したのはこの時である。人多過ぎでもう写真撮影する気も起きず、とにかくはよ脱出するべと出口へ向かう。

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 高い料金の価値はあったペトラ

 16時の宿ピックアップ車両に乗り込みホステルへ。疲れ切ってたのでその後は外に出ることもなく昨日と同じ夕食を食べて就寝。充実のペトラでありました。

 2019年11月29日(金) 走行距離0km 累計104785km
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