自転車ときどき世界1周

カテゴリ:色々まとめ > アフリカ

 2019年12月2日~2020年6月16日(第1回)

 2022年10月5日~2023年1月28日(第2回)

 2023年2月27日~2023年7月10日(第3回)


 訪問国数    13カ国

 走行日数    448日間(第1回199日間・第2回115日間・第3回134日間)

 累計走行距離  21769km (第1回7144km・第2回5910km・第3回8715km)


 アフリカ各国のまとめはこちらから

 エジプトスーダンエチオピアケニアウガンダモロッコモーリタニアタンザニアマラウイザンビアボツワナナミビア南アフリカ


 他地域と同じく私が走行してきた各国において、独断と偏見で点数評価してみた。


道路交通物価食事宿治安総合
エジプト63887234
スーダン661094540
エチオピア 52767128
ケニア73889237
ウガンダ61967231
モロッコ97688644
モーリタニア12391218
タンザニア411069535
マラウイ24948835
ザンビア54846734
ボツワナ97261833
ナミビア38355428
南アフリカ99466337
日本893921038

 

 ※最低1点、最高10点 物価はコスパが良いほど点数高い


 自転車乗りとしての視点から感じる国の特徴であり、国の善し悪しについては意識していない。物価が高い国は宿も高くなる傾向があるし、点数が高ければ良い国という意味では勿論ない。あくまで1旅行者が感じた感想である。数字に出すのが好きなのだ。

 なお各点数は私が訪問した当時の状況を元に評点している。今2023年現在ならスーダンの治安は1となるだろうし、現在の円安傾向で考えれば物価の数字も変わってくるかと思う。なのでこれらの国を旅行する際の参考程度に捉えてもらえればと思う。


<大陸の分類>

 アフリカ大陸全体として捉えると、サハラ以北と以南で分類することが可能なイメージ。国でいうと東アフリカならエチオピア、西は入国しなかったけどセネガルからガラッと人種も雰囲気も変わると思ってもらえれば。具体的には北部だとアラブ世界の感覚が強く、宗教もそうだし人種もアラブ系が多数を占める。これがサハラを超えると所謂「ブラックアフリカ」と言われるサバンナと黒人が多数を占める多くの人が想像するアフリカの世界となっていく。


 もう1つ歴史的な関係でエチオピアを除く全ての国が西欧列強に植民地支配された過去を持つが、その多くはイギリスとフランスである。現代においても支配国の影響は強く残っているといえ、つまり言い換えると英語やフランス語を母語若しくは第2言語としている国が多いため、特に英語に関しては旅行者的に助かることいって良い。

 当時の植民地政策の関係でフランスは東西に支配し、イギリスは南北に植民地を広げため実はエジプトから南下して南アフリカまで東アフリカ縦断ルートを取ると、かなり英語が通じる割合が高かったり英語を主語としている国が多い。特にケニア以南は道路も左側通行の国が多かったりしてイギリスの影響を感じたし、英語がよく通じたので言語的な苦労は非常に少なかった。この辺が「東アフリカは西アフリカより旅行が楽」と言われる理由の一因になっている気がする。

 ちなみにフランス人は割と西アフリカを旅行する人多いのだが、やっぱりフランス語話者が多いのと、フランス人だと西アフリカの多くの国がノービザで入国できる点があるかららしい。


<食>

 サハラ以北の土地はほとんどが砂漠の地であるため、食事もバリエーションはそれほど多くないし都市部を除くと大体毎日同じ物を食べている。でもアフリカで最も食事が美味しいと感じた国の1つがスーダンだったりするのは私自身も意外な気持ち。

 エチオピアから南に進むと牛・鳥を中心とした肉が安く全体的に普及しており、それに加えてヤギや羊といった種類の肉が続く。イスラム教の国ではなくなっても豚肉は南アフリカまでほとんど姿を見せないのだが、恐らくアフリカの農業レベルが低く豚を育てる余力のある農家が少ないことが原因だと思われる。

 この根拠としてあげられるのがアフリカ多くの国で野菜の種類が非常に少ないことと、野菜それ自体の大きさが小ぶりであること。未だに焼畑農業を継続している地域もあると聞くが、要するに肥料を活用して品質の良い作物を育てるとかはできず、痩せた土地と低賃金というか家族単位での小規模農業を営むことで成り立ってるパターンが多いため。アフリカ途上国の家族に子供がやたら多い1つの原因だと聞いた。


 何にしても質は悪いが野菜・果物共に非常に安価で購入できるし、田舎の食堂では1食100円とかザラの料金ではあった。ケニアからは米食文化も入ってくるので日本人的にも主食でご飯が食べられるのが嬉しいところ。これと対をなす東アフリカ主食のウガリだが、いくらか形を変えつつも似たような主食は南アフリカまで幅広い地域で地元民に愛されている。私はウガリやシマがあまり好きになれず、多少高くても米を選ぶことが多かった人。


 食堂の基本スタイルはワンプレート方式で、主食と肉・豆それにスープがついてくる方式が一般的。味付けも基本は塩のみのシンプルスタイルで、タンザニアより南の土地では割と飽き飽きしており、キッチンのある宿で自炊してる時が1番食を楽しみにしていたり。

 逆にアフリカ北部は東西それぞれ特徴的だったり独自の食べ物が多くて食事の楽しみは大きかった。その代わりイスラム教の国が多いためアルコールの入手が難しい又はできない国が多いのは難点だけど。エチオピアは色々と特殊で食に関しても独自進化を遂げた国であるため、好き嫌いがはっきり分かれると思われる。


<宿・キャンプ場>

 アフリカを走っていて助かる点の1つが宿泊施設の安さかもしれない。といってもこれは私が走行した東アフリカに限った話で、西アフリカには全く当てはまらない。モーリタニアの時点で既にサービスと値段が全く噛み合わない凶悪な宿泊料金となっていたけれど、西アフリカは全体的に何処も似たような宿泊事情だと聞いた。

 そういう意味でアフリカは途上国であってもやたら宿泊費用の高い国が罠みたいに点在してるのだが、幾つか基準として「国力が低すぎる(貧困な)国」「観光産業がない国」「政情(治安)が安定してない国」が揃うと宿泊費用がバカ高くなる傾向にあると思われる。ボツワナなんかは宿の値段は異常に高いのだけど、数は少ないながらホステル系の宿もあるし宿泊費用という面ではキャンプ場が充実しており一応バランスが取れてたりする。


 ちなみにキャンプ場、若しくは宿の庭にテントを張るキャンプスタイルが国内各地に出てくるのはザンビアからで、それより以北の国でキャンプ場は極めて少ない。現地の裕福層が車でキャンプレジャーをしたりサファリツアーの拠点としてピンポイントで幾つかキャンプ場が固まっていたりはするが、自然を楽しむキャンプ場とかそういう類よりもグランピングみたいなイメージに近い。そもそもアフリカの大部分でかなりの人が半キャンプみたいな生活をしてるのに自然と触れ合うもクソもないわな。


 私が訪問した国では宿かキャンプ場、どちらか一方で最低価格1000円を下回る施設があった国ばかりのため、基本的に野宿をするのは宿の無い場所であった。特に中央の国々は町でなくても人の数が多くてテントを張れる場所が見つけにくかったし。

 設備と金額とを考えると全体的なコスパはそこそこ良いと思うのだが、テントで寝た方がマシじゃね?と感じてしまう汚かったりボロかったりする凄まじくレベルの低い宿がポツポツ出てくることは普通にある。宿で1番コスパの良かった国はタンザニアだけど、ケニアやウガンダも相当レベル高かった。全体的にWi-Fiの設置率が低く、あっても速度劇遅だったり接続できないパターンも多く、なんだかんだブログの更新が止まらず続いたのはかなり運が良かったと思ってる。


<気候>

 アフリカというと季節問わず常に暑いイメージがある、少なくとも私はそんなイメージだったがもちろんそんな単純ではない。地域としてはやはりサハラ砂漠のエリアが最も暑い土地であり、特にスーダンは真冬の時期でも困窮してしまうほどの気温となる。西サハラに関しては走行ルートが海岸線に寄っていることもあり、東に比べて大分落ち着いた気候だった印象だ。

 これがエチオピアに入ると緯度が低くとも標高が上がる関係で気温は下がり、むしろ快適になるというのが面白い。ケニア北部とか海沿いといった標高の低い土地になると猛烈な暑さが戻ってくるが、こうした土地は大陸単位でみると局地的な範囲であると表現できる。なのでサハラ砂漠を超えてしまえば自転車走行に支障を来たすレベルで暑い環境が続くということはそこまで多くない。南部の国だとナミビアの砂漠地帯が厳しい暑さとなるのだが、ここまで南下すると夏・冬の気温差がかなり大きくなるため冬の時期に走行した私の場合はあまり問題とならなかった。なのでアフリカの走行におけるベストシーズンは基本的に冬の時期を選んで走ると良い。


 季節による寒暖差の少ない赤道付近の国々だが、これらの国では雨季・乾季による雨の降雨状況を気にして走ることになると思う。特にボツワナからは宿の宿泊料金が上がる関係でキャンプ泊を余儀なくされる頻度が増えるため、この地域を通過する際に雨季に当たると悲惨な目にあう。

 南アフリカは別として、マラウイからボツワナ辺りの乾季は大体4月後半から始まるイメージだと思っておけば良い。1年で乾季の時期の方が長いのでそこまで気にしないでも大丈夫といえばそうなのだが、この辺の南半球を走るのに12月とか真夏の時期だと今度は暑さがしんどいので。


 風に関してはサハラ砂漠において東西共に強烈な北風が吹いている。遮蔽物が全くない土地で絶え間なく吹き続ける風は自転車走らせるにおいて非常に厳しい存在となるため、アフリカ縦断を考えている場合北上と南下ではこのエリアで難易度が段違いとなる。もちろん南下していくほうが楽。

 その他にも幾つか恒常的に同じ方向から風が吹き続けていた地域はあるが、サハラ砂漠ほど猛烈に影響を与える土地はないので割愛する。


 こうした点から私が気候的に難しいと感じる国はスーダンとナミビアの2カ国。金銭的な意味では雨季のボツワナも極力避けたいところ。

 んで一般的なアフリカ縦断のルートであるカイロ(エジプト)~ケープタウン(南アフリカ)を走る場合、ペースにもよるが必要期間は大体8~9ヶ月とされている。これを考慮するとエジプトを11月位に出発しサハラ砂漠を12月の真冬に走破、タンザニアからマラウイの辺りで5月の乾季を走行。ナミビアの砂漠を真冬(南半球入るので)の7月位に走行する・・・というのが最も気候的に楽な時期を走行できるプランニングだと思う。


<注意点>

 政情不安だったり紛争状態となっている国の割合が他の大陸と比較して非常に多い。西・中央・東と各地域にとてもじゃないが旅行できるような環境でない国が配置されており、こうしたことが影響してアフリカ旅行というのは走行ルートの選択肢がかなり限られるし、行きたくてもビザの取得が難しかったりやたらと金銭が高くつく羽目になる。

 実はアフリカを陸路縦断というのはある意味で非常に難易度が高く、それは結局1本の線を繋げるようにして通れる国のルートが僅かしか存在しないためだ。私は正にそのルートでアフリカ縦断したワケだが、2023年現在ではスーダンにてドンパチやってて現状での入国は現実的ではないし、ちょっと前にはエチオピア北部で紛争しており、ここをまともに通過できる状況ではなかった。要するに金や時間で解決できる問題ではない時節による運が大きいと私は思っている。


 近年徐々に改善の兆しがあるものの、ビザの取得が必要な国が多いのも特徴で、特に西アフリカ諸国は必要要綱に訪問国での住所だとか無茶苦茶な要件を突きつけてくる場合もある。幾らか物好きな旅行者が西アフリカの陸路縦断を試みたりしていたが、彼らの多くはナイジェリアビザが取得できずにフライトしている。

 そういう意味では東アフリカは多くの国でアライバルビザが発給されたりネットによるeビザの取得が可能となっているため、必要なのはお金だけ・・・という意味で大分難易度が低い。スーダンビザだけは日本大使館から推薦状(レター)を発給してもらう必要があったりと少々難しいが。あとアフリカのビザ代は基本的に米ドルでの支払いとなるため、事前に米ドルを準備しておかないとレートの悪い両替をするくらいならまだマシで、自国通貨が弱く他国の紙幣と交換してくれない国だったりするとビザ代が捻出できずに進めなくなる危険性を孕んでいる。


<道>

 これが意外にも大陸全体的に「かなり良い」と私は評したい。これはアフリカ各国のインフラ設置能力が高いというよりも、日本を含む諸外国のODAによる援助で成り立っているという感じだが。なので国を貫くような大動脈であったり首都へ向かう幹線道路はしっかりアスファルトが敷かれている(場合が多い)という意味である。これで「かなり良い」という評価なのは私が相当アフリカを侮っていたということの裏返しともいえる。


 路面状況という意味では維持に回す費用が無いためかボロボロの道も数多く出てくるが、アフリカでは標高が高い山みたいな「単純にそこを走ることが厳しい場所」である筆頭のサハラ砂漠でしっかり道路が引かれているため全体的な難易度はそこまで高くないと感じた。注意だけど「高くない」だけで「低い」とは言ってない。少なくとも日本国内と比較するなら雲泥の差でアフリカの道は難しい。

 山の他に走行が難しい土地というのがナミビアの砂漠地帯くらいであり、その他の土地では町と町との距離がそこまで離れていないこともあって強烈に苦労したということが少ない。何度か言ってるがアフリカの難しさというのは人やルールに起因することが多く、純粋な走行という意味ではそこまで大変ではないのだこれが。

 一応サハラ砂漠には長距離に渡って人家の1つもない広大な無補給地帯も存在するが、そうはいってもその距離は精々200kmが良いところ。基本的に幹線道路における走行を続けている限りは野垂れ死ぬ可能性を考慮に入れる必要はない。

 ただし自転車にトラブルが発生しても多くの国で専門のショップが無いのが実情なため、ある程度消耗品パーツを自分で確保している&自分で修理・交換できる最低限のスキルは必要。自分の自転車トラブルを自分で対応できないならアフリカは走らないほうが賢明だと考える。別に全てのトラブルを解決できるようになれというわけじゃないが、何の工具も保持しておらず走ってるレベルだと、ちょっとしたトラブルで走行継続が不可能になる可能性もあるので。道の難易度が高くないこと=アフリカ旅行が簡単ということではない。


 他に特徴的なところでケニアやタンザニアの国立公園付近・ボツワナ北東部では大型の野生動物が普通に道を闊歩していたりする。野生動物の王国アフリカといっても人と動物が住むエリアは別れており、普通に旅行してるだけだと象やキリンとそうそう出くわすものではないのだが、そういった意味でこうした道は自転車旅行者としてアフリカの動物を見ることができる魅力的なポイントであるといえよう。なお普通に危険な場所でもあるため走行する際は充分に情報収集と下準備が必要かと。


<総括>

 いやまぁ思い返すと大変でストレス溜まって面倒が多い大陸だった。1つ1つの項目でアフリカよりも難しい国や大陸はたくさんあるが、総合してみるとアフリカよりも難しい土地はなかった。これは旅行経験のない中央アジアの存在を押して尚そう断言している。というかそうであってくれないと私が困る。


 でも同時にこれほど印象深く悲喜こもごもあった大陸というのも他にない。コロナという特大のイベントをぶち込まれ、アフリカ縦断どころか旅行の再会も危ぶまれたワケだが、それでも私はこの土地に戻ってきて北から南まで(西アフリカも一部)轍を繋いだ。エジプトのアスワン南部における車両専用道で湖を車に乗せてもらった数kmを除き、ほぼ完全に私とロシナンテ号のみで縦断に成功している貴重な大陸。大抵の場合はトラブルに遭遇して近くの町までヒッチハイクとかすることになるのであり、それは気にしても仕方のないことだけど「自走できる場所は全て自分で走った」という成果には素直に喜びたい。


 アフリカ全体としてみるとかなり多くの国が未訪問になっているが、自転車で走って面白そうな国というのは大体網羅したと思っている。治安が良かったりビザの取得難易度次第ではちょっと訪問してみたい国もあるっちゃあるけど現在の情勢と自転車走行ルート的に最大限面白そうな場所へ回り回ったつもり。こうしてアフリカという大陸を思い返してみて「やりきったぞ!」感があることをとても嬉しく思っている。

    mixiチェック


 2023年6月23日〜7月10日
 走行日数18日間
 累計走行距離1179km(134459km〜135638km)

◎道路
 幹線道路の路肩がしっかり取られており走行するのに不安が無い点は非常によろしい。海に囲まれた国の割に内陸部は高原地帯となってる土地が多く、ひたすらアップダウンが繰り返されるため自転車的には割と苦労する。とはいっても1本の峠で1000mとか登るような大型山岳はなく、また基本的に斜度も緩やかであるため疲労困憊で動けなくなってしまうとかそういう心配は少ない。なお日本と同じく車両は左側走行。
 人口の割に人が住んでいない土地の割合が多く、都市部でもないと信号機すら出てこないレベルだが、過疎区域でも多少のガタガタあるものの路面状態は良好であると言える。
 一方で都市から離れると主要道路以外の小さな道は未舗装で構成されてることも多い。私が走った未舗装路は大体走りやすくてしっかりした道だったが、雨の多い時期だったことを考えるとかなり幸運であったように思う。
 幹線道路の場合は10kmも走れば1回くらいレストエリアが出てくる印象で、休憩や昼食といった行為は町中よりもこうしたポイントを選んで実施するよう努めてたかな。

◎治安
 よく聞くような世紀末的無法地帯という程に治安が悪いわけでは無い。聞いたところで「乾燥して住みにくい西部よりも湿潤な気候の東部の方がより治安悪い」とかあったけど。
 少なくともケープタウンを除く普通の町では大量の浮浪者がスーパーや銀行の周辺を徘徊してはいるものの、下手な行動を取らない限りは強盗や傷害といったアグレッシブな事件に巻き込まれる可能性は低いように思う。ただし盗難被害は元よりATMのスキミング被害に関しても相当多いと聞くし、初日にATMで現金引き出した後に周辺で屯ってた人が一斉に機械へ突撃した光景を見て「何か失敗したのでは!?」と、その後1週間くらい不安だったこともある。なので南アフリカではATMは基本施設内にあるタイプを使うのが安心という意味でも正解かと。こちらの立場ではスキミングの装置がどんな形してるとか分からないこともあり、理想は目の前で現金引き出した人の直後に利用することだと思われる。
 んでケープタウンに代表される大都市の治安。結論から言うと町中心部のダウンタウンエリアはそんな危険を感じるほどではない。アフリカ周辺国の都市部と雰囲気そう変わらないというのが私の感想だ。浮浪者から金くれとか食べ物くれとか言われまくるけど、そう言うのはアフリカ都市部における通常運転であり、ケープタウン市内だけが別格という印象はない。
 むしろ怖いのは市内に入るまでの町郊外に当たる部分で、アパルトヘイト時代の名残である黒人居住区域が現代においてタウンシップという名称となり、多くがスラム街の様相を呈している。
 こうした区画が郊外でかなり多くの割合を占めており、もう遠目にも明らかに治安が悪いし地元民にも「絶対近づいちゃ駄目だ」と釘を刺されることが多かった。でも車なら一瞬で通過できるタウンシップエリアも自転車ではそういうワケにいかないのが難しいところ。
 特にケープタウンという町は立地的にアフリカ縦断のスタート/ゴール地点として設定しやすいこともあり、必然的に自転車旅行車の数も多い。悪人側もそれを知っており荷物満載の自転車に狙いを定めて強盗を働く輩が後を絶たないとのこと。こうした点からケープタウン郊外に延びるサイクリングロードは走っちゃ駄目だとされ、では何処を走れば良いのかといえば「1番大きな幹線道路」となるらしい。北部から南下してくるなら「N1号」東部(南部)から入るなら「N2号」ということ。私は喜望峰へショートカットとなる町南部の海岸線通る道は走れないのかと相談した人だが「車ならまぁ。自転車では辞めときな」というアドバイスが返ってきたので素直に従った。とにかく町の中心部付近まで一切他の道路に目もくれず真っ直ぐ進む・・・というのが私の選択した方法だ。それくらい注意しても罰当たらない程度にはケープタウン「郊外」の治安は悪いと思う。他の大都市だとヨハネスブルグは元よりプレトリアとかダーバンなんかも危険だと言われたかな。

◎ビザ・出入国
 日本人なら最大で90日間までノービザで滞在が可能な国。入国じも特に面倒な手続きや質問等もなく、滞在日数だけ聞かれたので「1ヶ月くらいかな」と答えたら、滞在日数30日が付与された。日数の申告次第で追加質問が来るのかは分からないが、多分何日間で答えても普通にスタンプ押してくれそうな雰囲気あったな。
 出国も手続き自体は簡単だったけど、その出入口となるケープタウン国際空港へ巨大なダンボール背負って自走するのは治安的に危険すぎると判断したため送迎サービスを利用した。ちなみに自転車荷物一式含めて料金は200ランド(約1500円)でした。

◎交通事情
 交通量は他の南部アフリカ諸国と比較して10倍以上に増えたけど、側道の広い道が多いため車両の運転がそれほど気にならず走行できるので問題ない。交差点もラウンドアバウト方式を採用していたり、田舎ではそもそもの交通量が少ないために信号機がない状態で三叉路とか十字路がある感じ。それで全然問題ないと個人的には思ったな。
 クラックションも鳴らさないし運転も多くのドライバーが紳士的だが、基本的に何もない広い道が続くため車の速度は非常に速い。ボツワナ・ナミビアと並んで一般道路の最高速度が120km/hの国だったし。
 あと交通量増えたためかトラック等の大型車をオーバーテイクしていく車の姿をよく見かけるようになったけど、先の見えない道でも平気で反対車線に入って抜いていく輩が結構いる。アップダウンの多い国だけど登坂車線は斜度の厳しい坂じゃないと出てこないため、頂上付近の反対側が見えないポイントで猛スピード出して追い越してく車両は何考えてるのだと思うし、側道があるから私もそれほど気にしてないだけで、一部側道のない道でこれをやられたら洒落にならないとは思ってた。そもそもそういう道にはほとんど車両が走ってないのが常だけど、アガラス岬にいく人は終盤の道路が側道なし&交通量多いというコンボなので注意した方がいい。

◎特徴
 電力需要と供給量が釣り合っていない関係で先進国の割に停電が非常に多い。それどころか町の一区画全体が1日のうち何時間か電力供給ストップされる計画停電が実施されてたりして、どうやらこの実施時間もランダムな上にかなり直前のタイミングで伝えられる「非計画停電」らしい。
 ある程度大きな町の宿泊施設とかだと停電中も自前の発電機で賄ったり、電気が落ちても光源とWi-Fiルーターだけは作動させてることが多かった。キッチン設備がある宿の場合、コンロのタイプがガス方式か電気方式かで停電中は自炊ができなくなってしまうことがあるため、ケープタウンみたいな宿の多い町の場合、可能ならば宿泊前にここを調べた上で泊まりたいところ。
 停電中は信号とかも明滅しないので危険では?とか思うかもだが、そもそも南アフリカで信号が設置されてる場所自体がごく僅かなため問題ない。私が信号の事実に気づいたのもケープタウンに来てからだし。

◎気候
 ケープタウン周辺が6〜7月の真冬に雨が多いという地中海性気候であり、なるべくこの時期を避けて訪れたいところだがアフリカの周辺国で走行に適したシーズン(乾季だったり暑い国での冬だったり)が4〜7月となる関係で難しい。個人的に南アフリカは最南端に行くことが目的で他は重要視してなかったことと、雨が多いとはいえ日本の梅雨みたくずっと降り続けるようなタイプの雨ではないと願って南アフリカはあまり観光に適さない時期に突入した。実際結構な頻度で雨に降られており、この時期に南アフリカ突入するという人は走行スケジュールに雨停滞での余裕を持たせた方が良い。
 ここまで南下すると気温も低くて上着が欲しいと感じる寒さの日も多かったが、内陸部はひたすらアップダウンが続く関係で上着あると熱地獄となる程度には暖かくなる。1日における寒暖差も大きな国なので、小まめにウェアリングするのが正解なんだろうな。私は気合いで対処した人だが。
 なお風に関しては全然規則性がなかったと思っている。風向きも風力もてんでバラバラな上に天気予報もあんまり当てにならない感じで、ケープタウンに到着した日なんか40km/hの真正面から向かい風で「どうしようもないな・・・」とか思ってたのに、蓋を開けてみたら風向きはやや追い風でむしろ楽できたこともある。とりあえず北からの風だと乾いて暖かく、南風は湿って冷たい風が吹く。

◎言語
 公用語は英語とアフリカーンス語の2つ。他にも多くの言語が使われているらしく、州によってはそうした言語が公用語に追加されてるとのこと。
 旅行者的には英語が通じるのがありがたいのだけど、南アフリカの人が話す英語はアクセントにクセのあることが多くて聞き取りづらいと感じることも。アフリカーンス語の発音に引っ張られているのではないかと感じたかな。
 ちなみにそのアフリカーンス語。看板等に英語と併せて表記されてることが多くスペルをよく目にするのだが、かなり英語に近い言語だと思われる。調べてみたらオランダ語から派生した言葉らしい。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 ナミビアと比較して料金は下がり設備は良くなったのが嬉しいところ。キャンプ場も豊富にあるが、基本的に市や町で運営しているキャンプ場は料金高くて設備駄目な傾向があるためキャンプ場なら町からやや郊外に位置してたり小さな村でやってる個人経営の場所が狙い目。
 自転車的にはナミビアから南下するN7号線の王道ルートで優良宿泊施設が点在しており、サイクリスト同士の情報交換でそうした宿情報が色々行き交っており、私の泊まった場所もそうしてお勧めしてもらった場所がいくつかある。
 安宿とキャンプ場の料金差が少なく選べるのなら宿で眠りたい私はバックパッカー系の宿がある町だとそちらを訪問していた。なお料金は100〜250ランド(約760〜1890円)まで幅広く泊まったが、全体的には南下してケープタウンに近づくほど値段が上がっていった。
 設備に関してはキャンプ場は千差万別という感じでWi-Fiどころかキッチン設備まで整っている場所がある一方で、まともに動かないシャワー設備がやっとこあるだけの場所も。南アフリカに関してはキャンプ場は「安全の確保」という割合が強かったこともあるので設備が悪く値段が高いキャンプ場でも「仕方ないか・・・」と利用することもままあった。
 とりあえずWi-Fiの速度で気になるほど遅いと感じることはない。少なくとも他のアフリカを経験してきた身としては南アフリカのネット環境は設置率・速度共に全く問題とならない程度に快適な利用ができた。

◎動物
 大型の野生動物は全然見なくなったし、家畜の姿も非常に少ない印象を受けた南アフリカ。ナミビアなんかと比べたら水や緑が多くて生物の環境的にずっと生存しやすい国だと思うんだけどな。
 よく見かけたのはプレーリードッグみたいなリスとかネズミっぽい奴。あと海岸線走ってる時にサメとか鯨のウォッチングポイントとして有名だという話を聞いたし、砂浜にはウミガメが産卵シーズンにやってくるだとか、ペンギンがみられる砂浜というのがケープタウン付近じゃなくても幾つかあるとのこと。
 ヤバい方向の動物ではナミビアから引き続いて毒ヘビが出るらしく、場所によっては毒ヘビに噛まれた場合のエマージェンシー番号とか看板表記されていた。冬なので姿を見ることは1度もなかったが。
 あと南部地域の山岳エリア近辺はヒヒが大量にいるそうで、食料出したまま行動してると盗まれる等のトラブルが頻発してるそうで要注意。実はそんな場所で野宿してたのだけど。

◎自転車店
 ある程度の規模を誇る町ならしっかりしたプロショップがある。アフリカで唯一マラソンプラスが販売されてる国と聞いてたので、個人的興味で現物を探してみようかなとも思ったが発見はできず。
 流石にパーツ関係はヨーロッパと比較すると品揃えが劣るものの、アフリカでしっかりした自転車関連部品を見つける場合南アフリカとナミビアくらいしかチャンスがないともいえるので貴重な存在ではある。
 なおケープタウンがゴールとなるサイクリストは自転車梱包用の段ボール箱を探してショップ行脚する人も多いと思うが、規模が大きな有名店だとそんな人の対応を散々してるためか高額料金で販売しかしてくれないパターンも。色々探して良心的なお店を見つけるためにもケープタウンでの滞在期間は少々長めに設定しとく方が良いと思う。

◎物価・食事
 ナミビアよりは若干やすい・・・という感じかな。北の一部を除いて適度な距離にスーパーがある町が出てくるため、安く済まそうと思えば料金は割と抑えていける。その一方で治安的な不安から宿泊施設を利用する割合が多かったので、全体的には1日ベースの金額高い国であったが。
 相変わらず肉が安かったためバンバン購入して食べていた。ナミビアと貨幣価値がほぼ同じ&料金も大差ないため、初日から物価の把握がし易かったことが地味にありがたい。ケーキに関しては少しだけ南アフリカの方が安い商品が多かった気がする。
 そしてやっぱりというか南アフリカではレストランを利用することがないままフィニッシュしてもうた。正確には最終日のフライト前に残った残金でレストラン利用してるのだが、空港内のお店なんて一般的な場所との剥離が大きく参考にならないというのが私の考え。
 アウトドアも盛んで南アフリカ発祥のKーwayというアウトドアブランドもあり、1回くらいお店覗いてみたかったのだが叶わずじまい。ちなみにここのブランドロゴ、MSRとそっくりでパクリ疑惑が。
 なおビールは非常にお安い物も多く、私の場合は750mlの大瓶タイプで販売されてるライオンとかカステルというビールをよく飲んでいた。場所によって値段に少々幅があるが、前者のライオンビールは常に他の種類のビールより2ランド(15円くらい)安かったのをよく覚えてる。なお大体の場合はライオンが1本16ランド(約120円)である。ケープタウンはちょい安かった。
 流通事情が良くなったからか割と他国のビールが目につくようになったけど、基本的に私は滞在している国のビールを飲むことに拘っているので飲んだことはなかった。決して国産のビールが1番安いからではない。
 一応南アフリカ(ナミビアも)の名産として乾燥ジャーキーの「ビルトン」というのがどこ行っても売られており、肉の保存食として自転車旅行には非常に適している。私も何度か食す機会があったけど、まぁ普通のジャーキーである。つまり美味しい。

◎総括
 ひたすら治安の悪いというイメージが先行してしまう国だけど、先進的でレベルの高い町とアフリカらしい雄大で美しい自然が織りなす魅力に溢れている。何より南アフリカの人々は自転車による旅行という行為をとても喜び応援してくれアウトドアの理解度が(主に白人だが)非常に高い。自転車で長期間旅行するという行為を喜び応援してくれる環境(国)というのはやっぱり嬉しいし楽しいので。
 何にしても大陸における最南端(人によっては喜望峰)への到達というのは、アフリカを南下してきた旅行者にとって非常に大きな節目であり、しかしそれだけでは収まらない魅力が他にも溢れていたことを知った。やっぱり実際に訪れてみないと分からないことだらけだ。
 確かに治安はネックだし、現地の人たちも「南アフリカは治安が悪い」と口を揃えて言うけれど、ビビりながら怯えながら、それでも南アフリカという国を走る価値は確かにあるのだ。
    mixiチェック


 2023年5月24日〜6月23日
 走行日数31日間
 累計走行距離2006km(132453km〜134459km)

◎道路
 舗装されてるアスファルト道路が非常に少なく、国の主要道路以外はかなりの割合で未舗装路となっている国である。ナミビアは道路名が頭にアルファベット表記でBとかCとか割り振られるタイプ(例:B10号線)の国だが、この記号がCなら8割未舗装路、Dは100%未舗装路だと思っておけば大体あってる。
 んで正直アスファルト道路はそれほど語ることがなくて、ナミビアでは面白い道を走ろうとすると、必然的に「如何にして未舗装路を走破するか」という話になる。今回「ナミビア未舗装路」でまとめを作らなかった関係で、その代わりここで少々深掘りして書いているため興味ない人はこの項目スルー推奨。

 全ての未舗装路を走ったわけではないため断言できないが、傾向としては大都市に近い場所ほど路面状態がマトモになる傾向にある。未舗装のタイプとしてはコルゲーションが多いガタガタ道系で、砂漠地帯に近づくと細かな砂が増えて埋もれてしまうタイプの割合が増える。
 ただでさえ人口密度の低い国だが、その中でも更に過疎地域となっているため比較的よく使われている道で車両は1時間に10台程度、人家は平均して50kmに1軒とかの割合。私の通ったルートではヴォルビスベイからソリタイレまで2日半に渡って人家が出てこず、無補給区間としてはここが最長であった。
 また海沿い海抜0mから山岳地帯まで広範囲での地形を網羅しており、場所によっては標高2000m近くまで登らされる。一応一部の急斜度区間だけは未舗装からアスファルトになっていたりと救済措置が設けられてはいるのだが、まぁ99%は未舗装の坂道と考えて間違いない。登りは体力的な問題で大変だが、下り途中に砂が深くなっていたり視認しずらい段差が紛れていたりするため油断してると大クラッシュに繋がり気が抜けないので要注意。
 区間的にはセスリエムから南下するC27号線というルートが砂が深くて自走可能区間が少なく厳しいポイント。セスリエムはナミブ砂漠への観光拠点であると共に、数少ない商店とガソスタを併設している補給基地でもあるため立ち寄るコース設定をしやすい点が罠。砂地で自転車押したくないならば並行して東部を走っているC19号線を活用するのが正解。回り道になっても確実にこちらのルートの方が速く移動できるので、エグいルートを走りたいという人以外はこちらがオススメ。
 また頭文字がCよりDの道ほど路面状態の悪い印象があったが、実際走って見た限りCだからといって路面状態が安定してたり質が良いという訳ではなかった。むしろ町や観光拠点を結ぶ主要交通ルートに選ばれているか否かが重要な点で、これから外れた道だと頭文字Cの道でもガッタガタだったりする。私の通った道だとC37号線という道なんかがそうだった。
 ただし全体を通してセスリエム南部の区間以外、荷物満載のフルパッキン自転車でも多くは乗車して移動が可能だったのでそういう意味での難易度は低い。この地域の難しさは未舗装地帯が非常に広大かつ補給可能箇所が限定的である点にあり、1日における食料消費量と走行距離を計算して走っていける計画性とそれを継続できる体力・根性に焦点がおかれると考える。
 感覚としては1日の走行距離が「アスファルト道路の8〜9割」程度になるとしておけば良いと思う。ただしこれは冬季での話。夏は気温が40度越えてくる環境だそうで、水の携行量・疲労の蓄積度合いが段違いだと想像するためこの限りではない。なお私は今回の未舗装地域に水は合計で約8ℓを搬送していたが、これが空になったのは最初の補給地であるソリタイレに到着する時の1度のみであった。
 未舗装区域というのは走れるコース自体はそれほど種類の多くない土地が多かったが、ナミビアの場合は広大な土地に大小かなり多くの道が交錯しているため、自分で独自のルートを色々と考える余地があるのが良い点だと思う。国内北部にも未舗装地域は広がっているし、面白そうな観光地はそちらにもある。
 私が走行したルートなんかは2箇所の有名観光地を巡って回る、言ってしまえば王道ルートだとも表現できる。それでも宝石の道やアウストラル街道と違って自転車旅行者自体が少ないこの土地は、まだまだ一般に知られていない未知のルートを開拓する楽しみが残っているのでなかろうか?
 なんにしてもアフリカ北部から南下してきたサイクリストならばこの時点でそれなりに経験積んでいると思うので、その積み重ねを全力でぶつけられる稀有な道としてナミビア未舗装路はオススメです。

◎治安
 町の治安は決して良いとは思わない。特に首都のウィントフックは住宅街における防犯設備も厳重だったし、目抜き通りはチラホラ雰囲気の悪さを感じる場所も目立った。でも第2の都市であるスワコプムントはそれほど治安の悪さを感じなかったんだよね。観光都市だからかな?
 治安の不安を覚えた理由はそれまでのアフリカ諸国と比較しナミビアが一気に先進的になったため、近代的な建物や施設とアフリカ何処にでもいる浮浪者とのコントラストをより強く感じたから・・・とも思うので、そこら辺の判断は難しいところだが。
 とりあえず町さえ離れてしまえばほとんど人を見かけることのない国であるため治安もクソもないというのが本当のところ。特に幹線道路ではなく未舗装路が広がる地域は実に牧歌的な雰囲気だったし「ここで自転車盗む奴なんていないよ」と言われることも多かった。まぁ私もそう思ったし、そもそも盗んだ自転車で何処に行こうというのだろうか?
 そういう意味で全体的に治安の落差が激しい国であったと思う。なお私は大きな町で買い物する際は必ず警備員にお願いして自転車見張ってもらったのだが、結構な頻度で浮浪者が「俺が見ててやるから大丈夫だ!」と言われることがあり、申し訳ないが私はそういう人を一切信用していなかった。後で料金請求される程度ならまだしも、最悪ソイツに荷物盗まれるかもしれないと感じる程度にはナミビアという国に対して警戒心を持っていたということだ。

◎ビザ・出入国
 ノービザで最大90日まで滞在が可能。アフリカにしては珍しくイミグレーションで初日の滞在先やルート予定とか色々聞かれたが、適当に答えてもスタンプは押してくれるので問題ない。
 審査の前に入国カードを書かされるタイプの国だが、ここの内容事項に滞在予定期間を2ヶ月と書いてたら滞在期限も60日になっていた。未舗装走行を考えている人だと1ヶ月じゃ期間厳しい国なので余裕を持って記入しておくのが望ましい。

◎交通事情
 主要国道を走るのが怖いタイプの国で、ウィントフック近郊以外の道には側道が無いのに制限速度120km/hで自転車のすぐ脇をぶっ飛ばしてくる大型車が一定数いる。単純な車両交通量自体もボツワナに比べて増えており、これは人口が少なくとも国民の所得が上がって車を持つ人の割合が増えているためだと思われる。
 運転マナー自体はかなり良く、反対車線に車が見えたら自転車を無理して抜こうとせずに減速し、やり過ごしてからオーバーテイクする・・・という行為をしてくれる車両が出てきた。これは途上国では一切見られない「配慮できる運転」というヤツで、ナミビアドライバーのレベルが高いことの一端だといえよう。
 ただしトラックを代表とする大型車両は他国から入国したクソドライバーの割合も多く、特にザンビアマークが貼られた車両の運転にはヒヤリとさせられることが多かった。なお車両後部に「ZA」と書かれたシールがあったら南アフリカの車両。ちなみにナミビアは「NAM」でボツワナは「BW」だったかな。
 未舗装区域では1時間に2〜3台しか車両とすれ違うことがなくなるため、全く気を使う必要はない。というか自転車側も走りやすい箇所を選んで道の中央だったり右側に寄ったりして走ることも多く、車側も同様なのでお互い様という感じ。遥か遠くから砂埃巻き上げてやってくるのが見えるし、後方からでも爆音響かせてくるので接近するのはハッキリ気付ける問題なし。ただし毎日全身砂埃まみれにされる。

◎特徴
 アフリカで最も人口密度の低い、というか全世界比較でも2番目に人口密度が低い国である。国土がかなり大きいこともあり、一旦町を離れると長距離に渡って補給が難しい土地が続くし、未舗装地帯を走ろうものなら1週間くらい町に辿り着けないルートが無数に存在している。
 このため事前のルートプランニングが大切で、更に主要道路以外はほとんど未舗装路であるため1日に走れる距離も自ずと短くなる。1日に消費する水と食料を把握し計画的な走行ができる、自転車旅行するのに上級者向けの国であると言えよう。
 なお人がいないので野宿は無茶苦茶簡単かと思いきや、道路脇はかなりの割合でフェンスが張り巡らされており「ちょっと道を外れた見えない場所にテント張る」といった行為が難しい。道路が未舗装である区域の夜間に走行してる車はほとんど無く危険度自体は低いと思うが、枕を高くして眠れるかというと私は少々不安なタイプ。

◎気候
 6月という真冬の時期に訪れたのだが、これはある程度時期を狙っていたし未舗装地域を走るにおいて大正解であったといえる。なおこの時期日中の気温は高くて25度程度、場所によってかなり違うが明け方の最低気温は0度近くまで落ちることがある。これが夏の時期だと気温45度とかに平気で上がると聞いたので相当ヤバい。
 雨季は1〜3月の短い期間のみらしく、その時期でも雨量は僅かであるためそれほど心配する必要はない。
 海岸沿いの町を除いて湿度は非常に低くカラッとしており毎日快晴の天気が続く。ちなみに夏は40度以上の気温となるそうで、そんな状況ではマトモに砂漠を走れない・・・というのが冬にナミビアを訪れた理由。
 海沿いほど西風が強くなる傾向があり、中央部に位置する山脈が壁となっているのかその辺で北からの風に変わっているイメージ。首都のウィントフックが「風の曲がり角」という意味なので、イメージしやすい。
 ただナミビアの風はそこまで恒常的に吹き続ける感じじゃなくて、割と無風だったり南や東からの風が吹くこともあったため過信は禁物。上手く天気予報を活用して走行日程を組み立てられれば、風に助けてもらえるルートを組みやすい国だとは思ったな。

◎言語
 英語とアフリカーンス語というのでダブル主要言語となっているらしい。なので基本的に僻地であろうと英語が通じるため言語的な苦労は非常に少ない国である。
 現地の黒人は結構(恐らく)アフリカーンス語で会話してるのだが、こちらとの会話は英語に切り替えてくれるしなんと浮浪者ですら同様である。
 あとは歴史的にドイツ植民地だったことが関係してドイツ系の人が多く住んでおり、そのためドイツ人と出会うことが多かった。なのでそういう人達は当然ドイツ語で会話しており、都会の町並みがドイツ的なのもあってかドイツのイメージがやや強い。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 主要都市には「○○バックパッカーズ」等と表記された安宿が幾つかあり、こうした宿でベッド泊ではなく敷地内に安くテントを張って宿泊するプランが併記されてることも多い。それ以外に町のやや郊外にキャンプ場があることも増えた感じで安く宿泊する方法は割と選択肢がある。テント泊の場合は大体150〜220N$(約1080〜1600円)くらいが相場で、アフリカ的には高いがその分使える設備も良いためコストパフォーマンス的には悪くない。ただし国立公園内に設置されてるキャンプ場は全く別で、テント泊に500N$(約3600円)とか町の倍以上の料金が請求される。場所も砂漠の中とかなので設備も期待できたモノでなし。個人的に利用する気は全く無かったのだが、アイアイスのキャンプ場だけは温泉施設が付属してた関係でテント泊した。感想は日記に書いてるので省略。
 町であれば宿泊施設はキャンプ場も含めてほぼWi-Fiが設置されてると思って間違いない。ウィントフックのショッピングモールにはFreeWi-Fiが飛んでいたし、適当なカフェに入れば普通にネット利用することができる環境になった。速度も十分満足できることが多く、カメレオンBPのWi-Fiなんか場所によって異なるルーターが3箇所もありレベルの高さを感じさせた。
 砂漠でもソリタイレのキャンプ場にあるWi-Fiは爆速で動いたし、セスリエムのキャンプ場でも一応ネットを使うことができたので、観光地に限ればネット環境は見つけられる。

◎動物
 結構色んな動物見たけど自転車旅行に影響するものに絞ると、砂漠エリアで食料を狙って出没するジャッカルという動物には要注意。ちょっと目を離した隙に食料滅茶苦茶に漁られてしまう事例が頻発しているそうで、特に夜間の活動時間帯は気をつけるよう言われたし、私も何度か姿を見かけたけど人に慣れきっており全然逃げやしないため気を抜けない。
 野宿的な方では野生のレオパルドこと豹が生息しており、砂漠地帯では普通に姿を現すこともあるので気をつけろ!と注意を受けた。砂漠といっても砂地の砂漠ではなく山岳地帯が主な生息区域らしいが、モロに私が走行した区域と被っており結構ドキドキすることもあった。
 イボ猪なんかも食料に惹かれて寄ってくることがあると聞くが、正直なところ豹のインパクトが強くて他の哺乳類にはそこまで気にしていなかったような気もする。
 それと怖いのが様々な種類の毒蛇が生息している点で、特にブラックマンバという蛇は割と東部地域や町の近くでも出現するらしく、噛まれた場合は30分以内に病院行かないとヤバいらしい。つまり自転車で野営中に噛まれたらほぼ100%死ぬ。それでなくともコブラだとかヤバい蛇が砂漠にゃわんさかいるらしい。ただ幸いなことにこれらの蛇は活発な活動をするのが夏の時期で、寒い冬はほとんど動かずじっとしている(冬眠か?)らしく問題となることも滅多にない。そもそも夏のナミブ砂漠に自転車で突入するのは動物以前に危険性の高い行為であるため冬季走行が一般的で、そこまで気にする必要はないと思われる。

◎自転車店
 これは一気に改善したというか、アフリカもここに来てようやく先進的なプロショップが出現したと表現する方が正しいかもしれない。
 少なくともウィントフック及びスワコプムントではスポーツバイクを取り扱うメカニックが勤務してるショップが存在し、陳列されてるパーツも種類が豊富までとはいかなくとも専門的な部品が散見されるレベル。チェーンリングやカセットスプロケットくらいなら割とアッサリ見つかる。
 ケニアでロストに気付いたBB周りのスペーサーという部品もナミビアにて見つけることができたのであり、アフリカ南下してきたサイクリストにとってはようやく修理や不具合の専門的な対処を望める土地に入ったといえる。
 ドイツとの歴史的な関係かドイツメーカーのリム(アレックスリム)とかもあったけど、扱ってるタイヤサイズはMTB規格が圧倒的に多く29インチが主流で27・28インチも多少は見かけたかな・・・という印象。そもそも私が使っている26インチというサイズはもう世界的にも廃れているため豊富に取り扱ってる店の方が珍しいのだが。

◎物価・食事
 国土の多くが農耕に適していない土地であり、農作物の多くを輸入に頼っている関係から野菜を中心とした生鮮食品の値段が高い。それに対して肉類は牛肉を中心にかなり安価となっており、安い野菜を沢山食べて食費安く上げる・・・という行為の優位性が低い国だと思う。部位によって料金全然違うが安い牛肉だと100g辺り60〜70円とかかな。
 よく覚えている点でケーキの値段が安く、小型のホールケーキなら60ドル(約470円)で購入できた。そりゃ町ではケーキばっかり食べてたワケだよ。
 全体的にスーパーの割合が増えて市場の姿はほぼ消えてしまい、路上販売自体もスーパーや大型複合施設の前に座って細々と行われてる姿が目立つようになり、そうした場所で購入することがお買い得ではなくなった。
 またボツワナよりも更に安価な大衆食堂という存在が減ってしまい、結局レストランに入って食事をしたことは1度もない。スーパーに惣菜コーナーみたいなのがあって、そういう場所でサンドイッチやミートパイを購入したことがあった程度。そういうのなら1ケ2〜30ドルで購入できる。
 スーパーのラインナップ的にもかなり品揃えが良くなり、そこそこ先進国的な食事メニューが組めるようになった反面、まだまだ野菜の種類は少ないしチョコレート等の先進国で作ってるっぽい外国製品はバカ高くて手が出せない。結局長期旅行者が選べる安くてそこそこ食べれる商品の幅はそんなに多くない・・・というイメージだ。
 あとナミビアではスマホを買い替えたけど、サムスンのGalaxyA04eという(定員の言葉を信じるなら)22年発売の機種で、2400ドル(約18600円)だった。日本だったらこの値段で性能的にはコスパが悪いとかあるのだろうけど、ナミビアの地方都市ではそもそもの選択肢が少ないので参考までに。

◎総括
 物価も高いし町の治安も良くない、オマケに自転車で走るには相当厳しい道が大多数の国だけど、私はナミビアを実に素晴らしい自転車旅行ができた国だと思っている。
 私はあんまりルートや走り方に対して強い言葉で断言するの好きじゃないけれど、ナミビアに関してはもう「未舗装路を走ったか否か」で感想が全然変わる国であり、悪いことは言わないから自分の走れる範囲でダートに突入してみなさい・・・と余計なお節介を言いたくなる。それほど刺激的な道であり、沢山の人と良い出会いができたということだ。
 見所のある観光地も各種揃っているし、旅行者が滞在しやすい環境を揃えた先進的で良いサービスが提供されるようになった先進的な国・・・なんてのはナミビア魅力の一部分であり、自転車旅行者としては「そこを走っていることが最高に楽しい」と感じられる道にこそ真髄があると思っている。ナミビアの未舗装路はそんな道の宝庫であった。
 繰り返すが自転車旅行経験の少ないサイクリストが気軽にホイホイ突っ込んでいけるほど簡単な場所ではないため、アフリカをじっくり走って経験を重ねてから是非望んで欲しい。ナミビアはそうして高く掲げたハードルを超えてくれる世界が広がっていると思う。
    mixiチェック


 2023年5月9日〜5月24日
 走行日数16日間
 累計走行距離1256km(131197km〜132453km)

◎道路
 一部ガタガタの未舗装路もあったが全体的には綺麗で走りやすい。少なくとも北部に関してはアップダウンがほぼ出てこない平坦な国であり、この国の累計獲得標高は1000mに満たない程度であったと思われる。なお日本と同じく車両は左側通行。
 側道幅はそれほど広くないもののしっかり確保されている反面、その側道部分だけ微妙に路面状態が悪くガタガタだったりする問題も。ただ交通量が全然ない国なので、路面状態が悪い場合は普通に中央寄りの場所を走れば済む。そもそも側道部分にまでトゲトゲ植物がはみ出しまくって生えているため律儀に側道だけを走ることが不可能に近い。
 町中ですら主要道を外れると途端に未舗装路となるのはアフリカお馴染みの光景だが、ボツワナのそうした道は沈み込むタイプの砂で構成されてる道が多く、荷物満載の自転車だと全く動けなくなり持ち上げるようにして移動しなくてはならず大変なことが多い。

◎治安
 それまでのアフリカ諸国と比べてそもそも人口数がガクッと減っていることもあり、治安云々の前にまず人が住んでる地域が非常に少なくなった。そうした意味で人間に対する注意よりも野生動物の方が危険度の高い珍しい国。
 なお大都市マウンの中心部でもそれほど防犯面での警戒感は強くなかったし、首都のハボローネとか行けばまた違うのかも知れないが、私の通ったルートではそれほど犯罪に遭遇する危険性は高くないように思う。
 とはいえスーパーの前には平日の日中から貧しい身なりの輩が何をするでもなくブラブラ屯っていたりするのでフルパッキンの自転車置いて買い物するのはかなり気を遣う。大体出入口にガードマンだか商品万引きを防ぐためにレシートチェックをしてる係員がいるので、私はそういう人に「自転車見といてくれ!」とお願いしてから店内入ってた。もちろんロックはしてるのだけど、括り付けてるバッグや荷物はどうしようもないから。

◎ビザ・出入国
 日本人はビザ無しで最長90日間の滞在が可能。私の場合は滞在日数聞かれて長めに「2ヶ月くらいかな」と申告したら60日間の滞在許可が下りたので、申告次第で変動するパターンだと思われる。というかそれが一般的だわな。
 特に荷物のチェックも無ければ指紋の登録だとか面倒な手続きも一切なくスタンプ押されてアッサリ出入国できました。他のアフリカの国もこれくらい簡単だったら良いんだけれど。

◎交通事情
 そもそも交通量が非常に少ないというのはあるが、ボツワナのドライバーはアフリカで1番マナーが良いかもしれないとすら思う。クラックションを鳴らさないというだけで他のアフリカ諸国と違うと感じるし、自転車を追い抜く際にしっかり距離開けてくれるのは非常に印象が良い。
 ただそうした過疎地域の国であるため一般道路の制限速度が120km/hと凄まじい設定となっており、実際にはもっと速度出して移動してることを想像するに自転車で走るの安心な国とまでは表現できない。アフリカという範囲でなら間違いなく安心な国。
 大都市に行っても信号機を見る方が稀で、広い土地を有効活用してかラウンドアバウトも見かけた記憶があるけれど、そもそも渋滞になるほど走ってる車両の数がないので無用の長物だと思う。私が訪れた都市で唯一そこそこ車両を見かけたのがマウンの町だったけど、ここも中心部から半径2〜3kmだけが栄えている印象で、ほとんど危険な運転する車に遭遇した覚えがない。

◎特徴
 すごく様々な点で特徴ある国で、それぞれ他の項目に関連してるからそちらで詳しく書いてるけれど、他のアフリカ諸国と比べて「人口が減って道中で人の姿を見ることが激減した」「物価が上がると共に市場が無くなりスーパーが増えた」「安宿が無くなりキャンプ場が増えた」「野生動物に道路上でも遭遇する確率が非常に高い」といった点が挙げられる。そもそも国立公園の敷地とそこに隣接する町や道路にほとんどフェンスを張ってない(他のアフリカ諸国はなんだかんだ境界線やそれに準ずる物があることが多い)というのもボツワナならではと感じる。

◎気候
 4月後半〜10月が乾季とされているが、なんだかんだ5月でも雲が広がり僅かだが雨を降らせることもあった。太陽が出てると暑くて仕方ないボツワナだけど、こうして雲が遮られると肌寒いどころかTシャツ1枚では少々しんどいレベルとなることも。
 内陸国ということもあってか非常に乾燥しており炎天下で走り続けても汗を流すことがない(汗が即座に蒸発してしまう)程度には乾燥してるため、他国よりも水の補給と携行に少々気を配った方が良い。

◎言語
 英語の他にツワナ語という言語が使われている。ツワナ語自体は南アフリカでも同様に使用されているらしい。肝心なのはもう1つの主要言語である英語の方で、そういえばボツワナ国内で英語が通じなかった人に遭遇した記憶がないほど英語の通用率が高い。流石に子供はあんまり英語を解さない子も多かったけど。
 というかボツワナ入ってから人と接する機会が激減し、特に言語的に苦労しそうな田舎でやり取りすることが少なかったため、実は英語できない人が多かったとしても不思議ではないが。どちらにしても一般的な日本人では全然知らない謎言語でやり取りする・・・といったケースはほとんど出てこないので安心感があった。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 これが一気に高くなったというか、そもそもボツワナという国は長期旅行者が好んで利用するタイプの安宿が都市部ですらほとんど無い。小さな村にはそもそも宿泊施設すらない有様で、都市部や観光地に出てくるのは星が付いた高級ホテルばかり・・・という状況だ。なので私のような旅行者はホテルに併設されてるキャンプ場エリアを利用するか、町の郊外にあるキャンプ場に行くこととなる。
 このためボツワナ滞在中は一気にテント泊率100%になったし、そのキャンプ場ですら1000円以上する場所ばかりで、今までのアフリカ物価を考えるとかなり高いと言わざるを得ない。ちなみに料金は最安値でも110プラ(約1100円)で、象が出てくるエレファントサファリキャンプ場は驚異の175プラ(約1750円)であった。
 ただしキャンプ場自体の質はかなり高く、またボツワナのキャンプ場は土地の特色を生かした面白いキャンプ場が沢山あるため利用した上での満足感は高い。私が利用したキャンプ場ではほとんどでWi-Fiが使えた上にアフリカとは思えないほど速度も安定していたというのがあって、ネット関連ではそれほど気になったことはない。300km以上に渡ってキャンプ場が出てこないということも無かったし。外国人向けのちょっとお高いカフェとか行けばWi-Fi設置しているし、何ならショッピングモールでFreeWi-Fiが使えたこともあった。アフリカという土地でこれは僥倖である。
 それまでの国と比べて一気に人口密度が下がり、一旦町の外へ出ると次の町まで無人区間を走り続ける形になってしまったため、ルートによっては野宿が避けられなくなった。次の項目で詳しく書いてるが、野生動物に遭遇するエリアがかなり広いので野宿する場所はかなり慎重に選ぶべきだと思う。

◎動物
 私のルートだとマウンの町以前の前半戦が、肉食動物を含む大型野生動物が出現するエリアに該当しており危険のある区域であった。実際道路上で何度も象を見かけたし、普通にライオンが生息してるから気をつけろ!とも言われた。
 道が広く視線も遠くまで届きやすい作りとなっているため、ヤバい動物と突然鉢合わせとなる確率はそう高くないと感じたが、とにかく区域が広いので夜間におけるキャンプ中の対応が怖い。
 町や集落、キャンプ場だけは周辺を柵やフェンスで囲っているため基本的には安全地帯となっているが、最長で約150kmほどこうした人工物等の施設が出てこない無人区間があるため、この道を通過する方は走行前に事前情報をしっかり取って対処を考えて頂きたい。レストエリアの看板にも「休むのは自己責任で!」とか書かれている地域だ。
 その他にはいつもの牛・ヤギの他にロバをよく見かけるようになったかな。逆にマラウイやザンビアでは少なくとも大型スーパーに行けば豚肉の取り扱いがあったけれど、ボツワナでは豚肉の類は一切見ることがなかった。多分国内でほとんど飼育されていないのではと想像できる。
 ちなみに他のアフリカ東部国に比べて犬は多少姿を見かけるようになったし吠えられることもあった。というかケニア以南で犬に吠えられたの初めてかもしれない。

◎自転車店
 結構規模の大きなマウンの町ですら自転車ショップはおろか自転車自体を見ることがなかった。恐らくボツワナという国自体で自転車という乗り物が全く普及していないのだと思われるほど自転車の存在感がない。実際現地の人間からも「ボツワナは自転車人気全然ないよ、みんな車に乗るしな」と言われてしまった。ちなみに自転車乗ってる現地人の姿を見たのは僅か2回のみ。
 首都のハボローネとか行けばまた違うのかも知れないけれど、ボツワナで自転車関連のトラブルがあったとしてもショップに持ち込んでどうこう対処するというのは絶望的ではないかというのが私の意見。素直に隣国のナミビアか南アフリカ行きましょう。

◎物価・食事
 物価はそれまでと比べて一気に上がってしまいまぁ大変だった。今までのアフリカ諸国では食堂で200円も支払えば十分な量の食事が出てきたが、ボツワナでは食材購入し自炊をしてもこの金額で治めることは難しい。というかそもそも食堂の絶対的な数が減り、特に小さな集落ではそうしたレストラン等を見つけることが難しくなってしまい、途上国だと手間の割にコスパが悪い自炊を続けなくてはボツワナでの走行は難しいという事情もある。
 一応調べた限りでは1食300プラ(約300円)とかで食事できたので、ローカル食堂を利用できるなら無茶苦茶高すぎるというワケではない。
 それと途上国には「甘い食べ物が際限なく甘過ぎる」という困った傾向が存在するのだが、ボツワナではスーパー等で販売されてるケーキが適度な甘さでそれなりに美味しく食べられる味。ホールで買っても4〜500円とかなので、かなりケーキを食べてたな。
 ビールはザンビアと同様の種類を見かける他、セントルイスというボツワナビールが登場した他にも国際的に有名なビール(ハイネケンとかコロナとか)が普通に売られていたので流通が良くなったことを感じたり。缶ビールもかなり普及してきた印象で値段もビンと比較してやたら高いということもなくなった。なおロング缶で17プラ(約170円)くらいのイメージ。瓶だと750mlの大瓶で25プラ(約250円)というのが基本かな。
 先進国の雰囲気を感じたのがスーパー等に自社ブランドの割安商品が販売されるようになった点。なお野菜なんかは下手すりゃ日本とそう変わらない一方で、肉だけは非常に安い。牛と鶏肉しか扱ってないのが残念な点だが、それでも牛肉がグラム50円とかで売られているためお求めやすい料金だった。なお肉の切り分けについては塊・ぶつ切り・ミンチの3種類くらいしかない。
 なおボツワナプラは1プラ=10円であるため日本円に換算しやすいのが楽だった。

◎総括
 それまでのアフリカと変わって一気に人の数が減り、何処に行っても人だらけだったアフリカとは大きく異なるイメージとなった。物価も一気に跳ね上がり、アフリカ東部を縦断する場合に明確な変化を強く感じる国境の1つであると感じる。
 自転車的には普通の道を走っていながら大型野生動物を見ることができる・・・という嬉しくある反面危険でもある道を走れるのであり、世界広しといえどもそれが可能な場所は少ない。もちろん自己責任で対応になるのだが、私自身としてはボツワナでそうした道を走れたことは非常に嬉しく思っているし、実際剥き身の状況で象と至近距離で遭遇できたというのは何とも得難い経験だったと思う。
 残念ながら国の北部地域しか走行せずボツワナを後にしてしまったのだが、この国の主要道路は私が曲がった道を直進すると国の南部を通ってぐるっと周り、元の場所に戻ってくる円の形をしている。つまりザンビアからナミビアへと抜けるサイクリスト的な定番ルートを考えると、短縮ルートか超大回りするルートしか実質選択肢がない(舗装路ならば)。
 何にしてもそれまでのアフリカ走行とはガラッと変わった走行を求められることとなるため、ボツワナという国はなかなか印象深い国となった。
    mixiチェック

 2023年4月22日〜5月9日
 走行日数18日間
 累計走行距離1217km(129980km〜131197km)

◎道路
 全体的には非常によろしい。側道も広くて危険も少ないし、他国で散々邪魔されてきた凸凹のバンプもザンビア国内ではかなりマイルドな物が多くて走りやすい。
 ただ駄目な区間はとことんダメで、特にグレートイーストロードの後半戦は路面穴だらけだし広かった側道幅も1/3に縮まってしまう上にしょっちゅう崩れて走行不能となってたりする。そういう道でも車両は他の「速度出しても危険のない道路」と同じように爆速で走り抜けてこうとする傾向があるため、劣悪な道は走り辛さ以上に悪い面を強調させることとなる。なお日本と同じく車両は左側走行。
 国の中心にあるルサカを境として東西南北に主要道路が延びているが、私が走った東部と南部の道路は明らかに差があり東部のグレートイーストロードは激しいアップダウン、道中数少ない補給箇所と走行難易度がかなり高い。路面状態の悪い道が多いのもこっち。
 対して国の南へ延びる国道1号線は、一部路面が悪い地域もあったものの全体的にフラットだし1日走れば1回くらいは大型スーパーを抱える都市すら出てくる道。前半で苦労したため覚悟して後半戦臨んだのだが拍子ぬけするほどだった。
 500m以下の場所まで標高下げることもあった(東部地域)が、全体的には1000m前後で安定しており、実は自転車で走るにおいて非常に良いコンディションが続く。もうちょい景色に変化があればもっとサイクリストに人気が出そうなルートに思えるが、残念ながらザンビアは最初から最後までほぼ同じような風景が続く。嫌いな人はとことん嫌いな道だと思う。

◎治安
 あんまり良いとはいえない感じ。宿泊費が上がったこともあり野宿やテント泊の割合もっと上げても良いと思っていたのだが、割とザンビアの雰囲気がよろしくなくてテントではなく宿を選んだ場面が何度かある。
 首都のルサカは明らかに大都市となった関係で、他のアフリカ巨大都市がそうであるように治安の悪い場所は洒落にならないレベルで雰囲気悪い。宿泊したエリアは高級住宅地街だったけど、家々の防犯レベルが相当厳重になったと感じたし、ちょくちょく銃を持ったガードマンの姿も見かけた。
 あとザンビア人から「首都や大都市は治安が悪いから気をつけろ!」と複数回聞かされており、これがザンビアにおける治安のイメージをより悪く感じさせる原因になっている気がしないでもない。
 感覚的には東アフリカだとケニア・エチオピアよりは安全で、タンザニアとどっこい程度の印象かな。

◎ビザ・出入国
 割と最近の2022年11月にビザが必要なくなり日本人はノービザ入国が出来るようになった国である。それ以前は50米ドルを支払ってアライバルビザでの取得が一般的だった。
 ということで面倒な手続きも何も必要なく、イミグレーションでも入国審査済ませたらそのままパスポートにスタンプ押されて返してくれる。ただし滞在期間は最長30日っぽいため、タンザニアからの入国でザンビアまるっと横断してボツワナやナミビアへ抜けるルートの場合、のんびり進むと後半滞在期限に追われる可能性があるかもしれない。

◎交通事情
 アフリカという点を考慮に入れればだが、そこまで腹を立てるほど無茶苦茶な運転してくる輩は多くない。というか全体的に道路幅が広いので多少の荒い運転は相殺されてしまうだけかも。
 ヤバいのは大型バスで、基本的にアクセルを抜いて減速だとかブレーキを使うという行為をしない呪いでも掛けられてるのかと疑いたくなるほど常にエンジン全開でぶっ飛ばしており、対向車がいようがお構いなし。そんな運転なので自転車に対しては「どかなきゃ轢き殺す」レベルの運転するクソが多かったな。
 不思議なのがザンビアでは自転車が道路の反対車線を走る輩の割合が特に多い国で、体感4割くらいの自転車乗りが右側車線を走ってこちらの真正面から迫ってくる。流石に道路交通違反だと理解してはいるのか、向こうが勝手に道を譲るよう避けてくれるけどさ。それなら素直に最初からキープレフトで走りなさいよとは思う。
 大都市レベルの町には信号機が設置されてたりラウンドアバウトが置かれているが、あんまり交通ルールを守らない車両もいるためこのテのポイントでは十分な注意を払う必要がある。
 あと途上国のドライバーらしく、路肩に停まる際やそこから発進する時に後方確認はほぼしてないし、自転車が迫ってきてても無視して動き出す傾向がある。バンタイプのバスなんかは所構わずその辺の人を乗せたり下ろしたり繰り返すので、町から離れた場所でもコイツが近くにいる時は気が抜けない。

◎特徴
 北から南下してくるとザンビアからブラックアフリカの国というより、白人パワー(南アフリカ)の影響力が強くなった国に変わったと感じさせる。具体的には貧しくて汚くて煩くてパワフルだったのが、割と行儀良くなり外国資本による巨大な国際企業が増えた。
 歴史的にローデシアとして南アフリカ下にあったことは、今でも強く影響があるのだということが想像できる。まぁ旅行者としては先進的なスーパーだとか増えるので、恩恵を受ける点の方が多いのではないかと想像する。

◎気候
 4月の後半からの入国だったがちょうど雨季の終了と同時のタイミングだった模様。おかげでテント泊が増えたザンビアだけど1度も雨に降られることなくこの国を走ることができた。なお一般的に言われてるザンビアの雨季は2〜4月まで。
 標高が安定して高いこともあり、日中の気温も30度に届くことはほとんどなかったし、夜間の冷え込みにあっても10度を下回るほどではなく実に快適に過ごせた。その割に日記本文で「暑いアツイ」のたもうてるが標高の恩恵を受けての過ごしやすさなので、川を渡る等で標高下げると途端に厳しい暑さに襲われる。多くの宿が水シャワーのみだったけど、夜中になってから浴びると少々気合が必要かな?というイメージ。
 あと恒常的に南東からの風が吹き続けていたため、基本追い風で進路に寄っては横からの風に吹かれることもあったかな。アフリカを北上するルートだったらザンビアは少々風で苦労するかと思われる。

◎言語
 ニャンジャ語というのが現地で最も一般的に使われてる言語らしい。とはいえマラウイ並みかそれ以上に英語を解する人がいるため意思疎通は容易である。看板に表示されてる言語もまず英語が出てくるし、久々に見かけた本屋の使用文字も英語で統一されていた。なのでよっぽど奥まった村にでも行かない限りは英語が通じると思って間違いない。
 ただ発音に若干の癖があり、特に20と30の発音が聞き分けしづらいというのが私の感想。丁度この価格帯が1食の値段に相当するのだが、しっかり確認しておかないと料金支払いの段階になって「30クワチャだ」「いや20クワチャと言っただろ!」みたいな感じで揉めることになるので要注意。ちなみに私は複数回揉めたんだけど、2度目以降は指先で数字作って確認までしたのにこうなった。ザンビア人が外国人相手にする際における詐欺の常套手段だったり・・・というのは流石に穿ち過ぎな見方だと思うけど。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 それまでと比べて結構値上がりしたものの、田舎なら探せば1000円以内で宿泊できる宿が見つかることもあるレベル。私が泊まった宿は70〜130クワチャ(約520〜970円)くらいだったが、都会ではドミトリーの部屋でもこれでは宿泊出来ない。
 その代わりなのか、敷地内にテントを張らせてもらい建物の設備は利用できるという半キャンプ方式を採用している宿が割とあり、このスタイルならば多少は金額が抑えられる。
 なお値段は上がったが宿の質はマラウイと大差ない・・・というのが正直なところで、夜遅くまで爆音鳴らしてるのも同様。
 それまでのアフリカ諸国に比べてかなり人のいない区間も出てきたため、ある程度町から離れればテント張って野営出来そうなポイントもチラホラあったように思う。私の場合はやや怖かったので人様にお願いして敷地内にテント張らせてもらう方式で凌いだけども。
 Wi-Fi事情に関しては多少改善した印象で、チョベ・ルサカ・リビングストンの3都市ではいずれも宿泊施設でWi-Fiを利用できた。速度もかなり速くて驚いた反面、調子が悪いとすぐに繋がらなくなる不安定さが気になる。私は3箇所全てでWi-Fiがまともに繋がらずネット接続できない状況に陥った。数時間で復旧したこともあれば、チパタみたく出発日まで直らなかったこともある。

◎動物
 ザンビア紙幣にはバッファローとか色んな動物の絵が描かれてるけど、見たのはいつもの牛・ヤギを中心とした家畜ばかり。路上で蛇を見る回数が多かったのが1番大きな違いかもしれない。
 死んでるハリモグラとかもいたので、運さえ良ければサファリに行かずとも割と面白そうな動物に遭遇できる可能性はあるのだろう。なお全国的に蚊の数が多くて対処に苦労した国でもある。
 印象的だったのはルサカの宿でスタッフがキッチン脇にて鶏を絞めて羽をもいでる光景を見れたこと。実に手際よく鶏がチキンへと姿を変えていくのだが、ザンビアではこうしたフェレッシュなチキンを楽しめる機会があるかもしれない。
 なお犬は姿を見た記憶もないレベル。東部アフリカでは犬を飼うという行為自体が珍しいのかもしれない。

◎自転車店
 これはタンザニア・マラウイと比べて大分改善されたと思う。恐らくザンビア国内に展開しているバッファローバイシクルというショップの他にも店舗型である程度しっかりした部品を扱っていそうな雰囲気のショップをチラホラ見かけた。
 取り扱っている自転車の多くはシティサイクル主体の物が多かったけど、それなりにSIMANOのパーツを取り付けたスポーツ用の自転車使ってる人が増えたので、トラブル発生時にもザンビアなら何とか国内で対応できる可能性が出てきたといえる。
 あと首都のルサカでは本格的なロードに乗ってるサイクリストを複数回見かけたので、恐らくは市内の何処かにちゃんとしたプロショップの1軒くらいあると思われる。私はザンビア国内で特にトラブル起きなかったのでショップ自体全然見て回ることをせず、これ以上のことは言えないかな。

◎物価・食事
 マラウイと同様にメインの肉と葉物の野菜、そしてシマ。ひたすらこのパターンが続くのだが、ザンビアは国土が広いため、1〜2日走ればそれなりに規模の大きな町で、他の食事やれスーパーで何か買い物して凌ぐということが難しくなっているのが最大の問題。
 特にグレートイーストロードは食堂のある集落の間隔も長く、市場の野菜はトマトか芋しか売ってないというパターンが頻出するため、どう足掻いてもシマを食べていく必要に駆られる。なお料金は15〜40クワチャまであったが、大体牛肉なら20クワチャ(約150円)、鶏肉なら30クワチャ(約230円)くらいが相場。
 シマ自体は別に不味くないし、むしろなかなかイケる味だと思うのだが自炊しなければ毎日3食ずっとシマが続くことによる飽きが最大の敵。あとスプーンとかフォークは出てこないので毎回素手で食べることになり、熱々のシマは最初とても握れないほどで食べ方の相性悪いと思うのだけどな。
 ザンビアで褒められるのはビールの方で、750mlの大瓶が取り扱われるようになり地域によって値段差あるものの値段が18〜25クワチャ(約130〜180円)と非常にお買い得。私はモシというビールを好んで飲んでたけど、マラウイから続投してるカステルビールやブラックラベルという種類もあり、それぞれかなり味が違うので選ぶ楽しさもある。なお缶ビールも一部で販売してるが総じて料金割高となっているためザンビアでは1度も缶ビール買うことはなかった。ビンは1本2クワチャでキャッシュバックされる方式で、商店等で持ち帰る場合は空き瓶なければ店によって料金2クワチャ上乗せされる。
 ちなみにザンビアは都市部なら豚肉が販売されてて、アフリカではかなり珍しいと思ったのだけど。流石に料金は割高の傾向で牛肉よりも高いことが多かった。というか肉の中で牛が1番安い。
 野菜は都会のスーパーですらほとんど選べないレベル。謎にトマトだけは全国どこでも扱っているが、他にどこでも見かけたのはバナナくらい。期待しない方が正解。

◎総括
 国土が広くて単調な道が続く上に、道中の補給箇所少ない、食事がシマしかない、やや宿泊施設の値段が高いと自転車旅行する上でザンビアはやや難易度の高い国だと感じた。
 ただそれまでのブラックアフリカ諸国でほとんど無かった「人様からの親切を受ける」回数が爆増したのもこの国から。外国人見つける=金をくれ!・・・という思考がハッキリしすぎてるアフリカの人々に辟易することは多々あったが、異国の人間が旅行していることを喜び肯定してくれる地元民にたくさん会えたと感じたのはとても嬉しい。ウェルカムトゥザンビア(自国名)!って言われたの、東アフリカ圏で始めてなんじゃないかな?
 ビザも撤廃されて入国のハードルも下がったこともあるし、アフリカ随一の観光地であるヴィクトリアの滝も保有しており、なんだかんだアフリカにおいて旅行しやすい国だしな。英語がほぼ完璧に通じるのだし。
 東アフリカというとケニアやタンザニアといった国が有名で、ザンビアってどの辺に位置してる国なの?・・・という印象を持つ人も少ないかと想像するが、それらの国より先進的かつ独特の魅力を持ち合わせるこの国は、訪問するだけの魅力を持っていますよ。
    mixiチェック


 2023年4月6日〜4月22日
 走行日数17日間
 累計走行距離931km(129049km〜129980km)

◎道路
 基本的に幹線道路以外で舗装されてるような道はほぼない。その幹線道路ですらボコボコの穴だらけだったり陥没してたり未舗装路が混じっていたりする始末。恐らく他国のODAなり援助に頼っている割合が相当高く、自国で道路を補修するだけの技術も予算も足りていないことが想像できる。なお日本と同じく車両は左側走行。
 道路の幅も中央線が引かれていないほどの狭隘路が頻繁に登場するのだが、そういう道が物流を担う主要道路であるため平気で大型トラックやバスが通行するのが非常に恐ろしい。
 場所によっては流星群でも落ちたのか?と思うほど穴だらけな道もある一方で、しっかりと側道が敷かれた走りやすい道も出てくるのが不思議といえば不思議である。一応道路を作ったは良いが、補修する予算が無いため交通量の多い道ほど老朽化が早くボコボコになる一方、そもそもの車両数が非常に少ないため田舎の道は綺麗な路面が残されたままである・・・と考えれば筋は通るのか?

◎治安
 アフリカではかなり治安良い方じゃないかと感じた。首都のリロングウェにはダウンタウンの建物や銀行関連みたいな施設でガードマンが居たりはするが、なんとも暇そうにしており牧歌的な雰囲気すら感じたぞ私は。
 外国人が町中にいるだけで何度も物乞いにお金をせがまれたり行商人から営業を受けたりはあるものの、全体的な雰囲気として嫌な感じはしないし特別怖さも感じない。
 ただしマラウイで宿泊した全ての宿で窓に鉄格子が張られていたので盗難とか不法侵入的な意味での問題はそこそこ多いのことが予感される。もっともアフリカの国において宿での窓に鉄格子はデフォルトなので、そこまで気にするほどでもないかもしれぬが。

◎ビザ・出入国
 これが大誤算で、危うくマラウイ入国が立ち消えるかもしれなかった。というのも2023年4月の時点で陸路によるアライバルビザは発給が廃止されており、要するに現在では「国境その場でお金を出せばビザを発給してくれる」という状況には無いということだ。
 ただし大使館等のHPを見る限り、アライバルビザ自体は廃止されてないっぽいので空路における国際飛行場での発給は実施されているのかもしれない。聞いた限りでは空港でもアライバルビザは発給してないと言われたけど、アメリカ人の体験談なので日本人も同様かは分からない。陸路国境においても直接訪れたわけではないので他の国境状況までハッキリしたことは言えないが、タンザニアとの境にあるソングウェ国境はマラウイの主要国境の1つとして機能しており、この国境だけアライバルビザが廃止されたとは考えづらい。
 以上のことから現状でマラウイに入国する場合はeビザにおける事前準備しといた方が無難。私はイミグレーションで慌ててeビザの申請を行った人で、記入欄の宿泊先予定は適当な画像を貼り付けたし電話番号も同様。というか焦っていたのもあり質問内容すらまともに翻訳せず適当に回答した箇所も多い。なおビザ代金は52ドルである。カード決済なので貴重な米ドルをここで消費しないことだけがeビザに変わったことにおける唯一のメリットかな。ちなみに滞在期間は90日貰える。
 とりあえずマラウイ側としては外貨さえ手に入れば良いらしく、そんなザル申請でも3〜4時間後には政府からeビザが発給されて無事に入国することができた。なおビザはスマホの画面で表示させるだけでは不十分で、必ず紙に印刷した状態で提出する必要がある。何のためのeビザなんだ・・・

◎交通事情
 それほどマナーの良い運転してる訳では無いのだが、都市部を除くとそもそもの交通量が非常に少ない国なのでそこまで気にならないというのは確かにある。
 ボコボコの穴を避けるために逆側に車両がいようと平気で反対車線に迫り出してくる問題はあるが、基本的には自転車を追い越す時もちゃんと幅を開けて抜いていってくれるし狭い道で100kmオーバーのイカれた速度を出すような無茶はしない。お前のことだぞタンザニア。
 1つ例を挙げるとタンザニアでは自転車が接近すると歩行者がわざわざ側道から出て草で茫々の荒地まで避難した上で立ち止まるのがデフォルトだったのだが、マラウイの人々は当然そんな大仰な回避行動は取らない。これはタンザニアの歩行者が「車両をしっかり避けないとアイツらそのまま轢きかねない」と思っているからだと想像する。そういう意味でマラウイの運転は多少マイルドだと言えなくもない。
 常にクラックション鳴らしまくっているネジが外れたアホドライバーも一定数いるが、やはり数は正義というかやばい運転する車の総数が少ないのでそれほど気になることがないというのが結論だ。
 ちなみに首都のリロングウェ以外で信号機を1度も見かけることがなかったし、唯一見かけた信号機も電気が通っておらず点灯していなかった。正直そんなのなくても特に困ることのない交通社会となっている。

◎特徴
 内陸国でありながら巨大な淡水湖であるマラウイ湖が国に隣接しているため漁業が盛んだし、水上交通として大型フェリーも運行されている。アフリカ全体でも3番目の規模を誇る大きさの湖で、特に透明度が高く生物の種類が多様であるため一部で「湖におけるガラパゴス」といった呼ばれ方もされてるとか。アイスランドから続く大地溝帯に位置する湖でもあり、地理的にもこのマラウイ湖より東西でプレートの動きが異なっていることになる。何万年後かにはこのラインを境にしてアフリカ大陸が分割される訳だ。
 実際に湖畔を走ってみた限りでは地元民の生活を支える湖として炊事・洗濯・風呂の代わりと生活に密着した使われ方をしており、まぁビクトリア湖でもよく見たアフリカの光景だ。自然環境の保護とかそういった意識は限りなく0に近いが、それをどうこう言うのも違う気がするし。
 雨季でなければフェリーで湖南部に位置するモンキーベイまで移動するのは悪くないプランだと思っている。自転車の保管場所が甲板になりそうだったので避けたのだけど「アフリカの巨大湖を船旅する」というのは個人的になかなか魅力を感じるので、サイクリストのレポートを是非読んで見たいところ。

◎気候
 訪問した時期がちょうど雨季の終わりだったらしく、特に前半は夕方から深夜にかけて大雨が降るというパターンが続いた。走行中にやたら沢山のマラウイ湖に流入する河川を見かけたものだが、恐らくこれは雨が降った直後にのみ現れる一時的な川であり、ある程度雨が降らずに日数が経過すると水が消失してしまうタイプの川だと思われる。
 基本的にマラウイ湖畔は標高500m程で高温多湿、そこから離れると5〜600mほどの坂を登り1100mくらいで安定する土地が多い。この標高高い場所は湿度もやや低いし日中における気温も25度とかその程度なので割と快適な気候であるといえる。ただし直射日光が強烈なので気温以上に暑さを感じることは多いと思われる。
 聞いたところでは大体4月20日を境に乾季へと移行するようで、実際その日が近くにつれて雨に降られる割合はどんどん減っていったように感じる。
 それと標高高い場所では割と南東風が吹いている。この風はアフリカ大陸の西部まで安定して吹き続けているらしく、リロングウェから西進するサイクリストには少なからず助けとなってくれると思う。

◎言語
 独自の言語でチェワ語というのが使われているが、実は英語も主要言語であるため話者が非常に多くて旅行者的には楽である。子供からは相変わらず「ムズング(外国人)」と呼ばれたけれど、これはスワヒリ語なので気になっていた。どうやら両語はかなり近い言語であるらしく似たような単語も多いらしい。なお「アズング」というのがチェワ語における外国人。感覚としては南部に進むほど「アズング」率が上がっていったので、いつの間にかスワヒリと混ざり合う地域からチェワ語圏へと入ったのだと想像できる。
 とりあえずケニア・タンザニアより英語話者の割合は確実に多いと感じたのであり、普通の日本人であれば英語が通じるマラウイは割と意思疎通が図りやすい国になるのではないかと。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 まぁまぁ安いが設備の質はタンザニアと比べてかなり落ちた。ベッドの縦長が短くて足が飛び出る仕様はそのまま残っているが。扇風機は標高の低いマラウイ湖畔の宿では設置されてることが多いものの、宿によっては料金の高い部屋にしか無かったり、扇風機自体に使用料を設けていることもある。1泊は500〜1000円位が相場と思っておけば大丈夫。安いところで3000クワチャ(約400円)の宿にも泊まったが、そこで左足を謎の虫に刺されてボコボコにされてしまった。10日以上経過した今でもまだ完治してない。どう考えてもツーリスト系の宿では無かったことを考えると、運次第で南京虫等の似たような虫に刺される可能性がある。
 なおバーが併設してるor近くに飲み屋がある宿の場合、爆音の音楽が深夜3時とか運が悪けりゃ24時間鳴り続けるため注意が必要。騒音に配慮なんて考え方はマラウイに存在しない。
 なおマラウイでWi-Fiのある宿には1度も宿泊することがなかった。都市部の宿ですらWi-Fi設置しているのは高級系ホテルかバックパッカー系の宿のみで、しかも後者はコロナ禍での観光客減少に伴い結構な数が閉鎖してたりする。
 ということで国土がそれほど大きくない国だけど、マラウイでネット使いたいなら素直にSIMカードを購入しておく方が正解。マラウイのSIM会社は確認した限り2社存在し、私はAirtelという会社を利用した。バウチャーを購入し、その残高を利用してネットの利用プランを選ぶ方式。残った残高は買い物にも利用できるらしく無駄がない。速度はそこそこ、タンザニアでは何故か出来なかったテザリングもバッチリ利用できたのであり、全然普及してないWi-Fi探して右往左往するよりSIMカード買っておけ!・・・というのが私の感想だ。

◎動物
 アフリカだけど山々に囲われてるマラウイでは周辺国と比べてサファリ人気は低いというか、サファリを楽しみたいならケニアかタンザニア!というのが一般的な感覚らしい。実際にはマラウイにも複数の大型動物が生息する国立公園があるものの、マラウイ湖畔の近くにそうした場所はなく従って野生動物を見る機会もまずない。というかむしろマラウイ湖の水生動物こそ独自の生態系を抱える場所として一部のダイバーにとって非常に人気が高い。一昔前までは世界で最も安くライセンスが取得できる場所とも言われていた。私もプロダイバーだった人だが、個人的に生物より地形が好きなタイプなのであまり食指が動かず、マラウイ湖ダイビングをやろうとは考えなかったな。
 あとはいつもの牛・ヤギがそこら中に出てくる感じ。豚を飼育してる人も見たけどマラウイで豚肉が出てきたことは無かったし、多分相当レアだったのではないかと思われる。他に野生動物だと何故かヒルクライムの途中にヒヒを見ることが多い。
 東アフリカ全般に言えるが犬は大人しく、蚊は夜になると活発に活動する傾向あり。マラリア危険地帯の只中なので要注意なのは変わらず。
 ちなみにマラウイ湖で泳ぎたい人は、とりあえず吸血住虫の存在を調べて頭に入れておいた方が良いとは思う。泳いでる人がいない訳ではないが、私はコイツの存在が怖くて「ちょっと気軽に湖へ・・・」という気持ちでは入水できなかった。

◎自転車店
 日本からタンザニアへ中古自転車が大量に流れてきてる関係で、陸路伝いにマラウイにも大量の日本製自転車が。そのためシティサイクル関係の部品は割と充実している。中規模都市でも自転車ショップを覗いてみると大量のチューブとかパーツが取り揃えられている一方で、やはりというかスポーツ用バイクのパーツはほとんど扱われていない。
 かなり小規模な集落でも自転車をひっくり返して分解している光景を何度も目撃しており、青空自転車修理店自体は相当な数が営業している印象。とはいえ使用工具が私の手持ち工具より種類が少なかったりするレベルであり、修理できる内容はお察しレベル。仮に彼らがパンク修理やブレーキシューの交換ができたとして、その程度の作業を自己対応出来ない自転車旅行者はアフリカ走る前にもっと自転車知識と経験積んでおけ。というのが私の意見。
 正直アフリカでマラウイまで南下して来たのであれば、何かトラブル発生しても騙し騙しナミビアなり南アフリカまで移動してしまうというのが最善の策では無いかというのが私の感想。少なくともマラウイで出来る自転車の修繕や解決というのはある程度限られる気がしてならない。

◎物価・食事
 単純な野菜や米、トウモロコシといった製品の自給率は高いらしくお値段も非常に安い反面、ある程度製造に技術を要するような製品は非常に高い。簡単にいえばマラウイではチョコやスナック類のお菓子等は一部の商品を除き総じて高い。コーラみたいな飲料水もタンザニアよ値上がりしてるし、リロングウェ以外では500mlより大きなタイプのペットボトルは滅多に見かけない。
 ちなみにビールは300mlの瓶タイプが主流であるため、商店で購入した場合はその場で飲み干すなりして返却しないと瓶の料金が追加されて高く付く。国内のビールは主に3種類あり、1本800クワチャ(約105円)だが、バーによっては1000クワチャと少々高くなる場合も。私はカステルというビールばかり飲んでいた。
 食堂はある程度の規模の町なら1つくらいはレストランがあるし、仮に無くてもそこら中でポテトとか肉を焼いた屋台が営業している。マラウイもメニューは超ワンパターンで主食にシマ、運が良ければ米があり、鶏肉・牛肉・ヤギ肉・場所によってはチャンボ等の魚が付け合わせとして選べる感じ。なお肉の種類によって値段が変わるが、基本的に1番安いのは牛肉である。シマと米でも料金が違なり米の方が500クワチャくらい高い。
 とはいえ総じて値段は1000〜3000クワチャ(約130〜400円)くらいに収まる。嬉しかったのが暑い地域だと水差しを冷凍庫に保管してくれる食堂があり、キンキンに冷えた水を飲むことができたこと。
 ある程度の規模の町ならスーパーマーケットが登場するのだが、良し悪しの前に商品のラインナップが非常に少なく選ぶ楽しみに欠ける。野菜コーナーとか覗いても取り扱ってる種類の乏しさにガッカリする感じで、マラウイでは自炊ですら食を楽しむのは難しいということだ。

◎総括
 アフリカでもここまで色々な点で貧しさや乏しさを感じたのはスーダン・モーリタニアくらいだと思う。この2カ国はサハラ砂漠ど真ん中という地理的な厳しさが国の発展を阻害してることが感じられたが、自然と湖に支えられたマラウイで何が大きな貧困の原因なのかは最後まで分からなかった。
 ただ滞在して思ったのはマラウイに住む人たちの多くが緩やかで外国人に対しても親切であり、そういう意味での豊かさを感じることは多い。
 大人も子供も「ギブミーマネー」と自転車走らせてると1日に100回以上聞かされて、最初は印象の悪い国なのだけど、色々勝手が分からずに困っているとき声かけて助けてくれた多くのマラウイ人で「金くれ」と言ってきた人はいない。
 入国時にビザ関係で手間取って「もうマラウイ走らなくても良いかなぁ・・・」くらいに思ったけれど、結果的に私はマラウイという国を走れて楽しかったし入国できて良かったと思ってる。
    mixiチェック

 2023年3月8日〜4月6日
 走行日数30日間
 累計走行距離1614km(127435km〜129049km)

◎道路
 道路脇の側道幅が大きく取られており自転車走行においても安心感がある点が素晴らしい。内陸部では普通に2000mを超えるような高所もある一方で最大都市のダル・エス・サラームが港湾都市として海沿いに位置している起伏の大きな国であるが、全体的に激しい斜度のアップダウンがあるというよりは緩やかな坂が連なって構成されている。なお日本と同じく車両は左側走行。
 一応は自転車での走行が走り易い国であるといえるが、交通量の多い道路だと側道がボロボロになっておりマトモに走れない区間があったりするので注意が必要。これが人気の高いミクミ国立公園内やその周辺で多く、路面が気になっておちおち周囲を確認できないという問題が。せっかく野生動物が生息する場所なのにさ、タンザニアは分かっていないと思う。

◎治安
 都市部の商店とかだとケニアと同じく鉄格子で仕切りを分けてるほど厳重な警戒してるし、ちょっとお高そうな建物敷地には塀の上に電流を流したりしてるのでやっぱり治安悪いんだろうな・・・と思ってしまう。
 しかしそれとは別に私個人が受けた印象ではタンザニアは割と人の雰囲気が緩やかであり、アフリカ諸国では比較的治安状況がマシなように思えた気がする。
 それでも宿の情報を調べてると頻繁に「空き巣に入られた」等の報告を上げてる人がおり、タンザニアの宿における窓は必ず鉄格子が付いてるけれど、それでも私は必ず窓に鍵掛けていたし自転車等の荷物も窓際に置かないよう心がけていた。
 首都のダルエスサラームに関しては東アフリカにおける3大凶悪都市なんて話を聞くが、私は行ってないのでよく知らん。とりあえず自転車でタンザニアを南北縦断するルートの場合、無理してダルエスサラームへ向かわなくとも走行ルートは色々ある。

◎ビザ・出入国
 入国にはビザが必要な国ではあるが、アライバルビザが国境で発給されるため事前に必要なのは50米ドルのみ。なお新札しか受け付けてくれないのは他のアフリカ諸国と同様なので注意されたい。
 あと本旅行を始めて以来、遂にここで黄熱病摂取証明書、通称イエローカードの掲示を求められた。求められたけど畳んだ紙を開きもせずに一瞥しただけで「はいOKね」と言われたのはなんか悔しい。
 ビザは係員から手続きの用紙をもらい、同建物内にある銀行にて米ドルと一緒に渡せば領収書くれるため、それを持ち帰って渡せばOK。完全にお使いイベントという感じ。ちなみにケニアと同じく入国・出国時には両手の指10本分の指紋を機械でスキャンされる。別に問題あるわけじゃ無いけどこういう手続きは嫌なイメージ受けるし、タンザニアの治安が悪い(外国人が何かしらのトラブルに巻き込まれることが多い)のだろうなぁ・・・と感じさせる。
 なお他国のようにビザシールが貼られるといったことはなく、スタンプの押印がビザという扱いらしくて「まさかビザシール貼り忘れてるんじゃ・・・」という不安が付き纏う。問題なかったけど。

◎交通事情
 これは酷い、酷すぎる。なまじ道路状況が良好であり軽車両が側道にエスケープできるからと大型車両が完全に我が物顔で無茶苦茶な運転をしている状況。すぐ脇を全く原則せずに100km近い速度で当然のように運転するし、追い越しで車間距離を開けるとかそういった配慮が一切感じられない。反対車線に自転車がいようと全く関係なく追い越しを仕掛けてくる上、それがこちらの側道まではみ出している状態で迫ってくるので下手すりゃ正面衝突だ。特に大型バスはクラックションを鳴らせば全て解決すると思ってるクソボケ運転であり、こんな運転するタンザニア人に車を持たせるなんて100年早いというのがこちらの感想。
 この評価でダル・エス・サラームを走っていないのだから恐ろしいというか、まず間違いなく首都の交通状況は輪をかけて酷いことが想像できる。
 ケニアと比較して車両の数自体が少ないため、主要道路を走らなければ車両に遭遇する割合自体が低いためストレスの少ない走行が可能であり、タンザニアで楽しく走りたいなら真面目にマイナー道路を選択する価値があると思う。

◎特徴
 アフリカ大陸最高峰のキリマンジャロを抱える国である。歴史的にはケニアとの国境線上にあったらしく、当時植民地支配していたドイツが測量の結果アフリカ大陸最高峰ということが判明したためケニアを支配していたイギリス側に打診して国境線を引き直したとか。よくあのイギリスがそれを認めたな・・・みたいなこと思ってしまうエピソードがあるらしい。
 ともあれ特別な登山技術を持たなくても登れるアフリカ最高峰ということで登山者人気の高い山であり、それを良しとしてか猛烈な高額ツアーでないと登れないルールを作っている辺りが本当嫌らしい。年々キリマンジャロ国立公園の入場料は増加しており、今後も登山料金が上がることはあっても値下がりする可能性はほぼ無いのであり、南極ツアーと同じく一昔前と違って「せっかくタンザニアに来たから」なんて理由ではチャレンジするのが躊躇されるレベルとなっていると感じる。詳しくはキリマンジャロ登山についてを参照のこと。

◎気候
 3〜5月がタンザニアにおける雨季らしく、特に5月は降雨量が多くて1日中雨が降り続けることもある・・・といった話を聞いてたため、かなり不安を持ってタンザニアを走ることとなったのだが結論から言えば3〜4月ならそこまで心配せずとも大丈夫。想像通り雨季といっても午後の一定時間帯に雨を降らせておしまいというパターンがほとんどで、1月近く滞在して丸1日雨に降られた日はなかったんじゃないかな。
 自転車的にはむしろ東海岸から吹く風の方が問題で、この風は全体的に北寄りに向かって吹く関係でルート的に南進するサイクリストはモシの町以降で正面から風を受け続けることが多い。
 赤道に程近い国なので基本的に季節関係なく暑いのだが、内陸部は標高が高くて割と涼しい一方で東部の沿岸地域は湿度の高さも相まって非常に不快指数の高い暑さが待ち受ける。暑い場所だと宿に扇風機が無くては夜中寝るのに難儀するレベル。

◎言語
 国の国語はスワヒリ語で日記中にも述べたが、各部族で異なる言語を統一するために選ばれたという歴史がある。つまり部族同士では独自の言語で会話しているということでもある。
 かなり高い割合で英語が通じるため、田舎の食堂や宿であろうが数人いればそのうち1人くらいは英語が話せる人がいて通訳してくれるので非常に楽である。尋ねる内容は定型なのでその程度なら正直どうにでもなるのだが。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 料金の安さに対して宿のレベルが非常に高いというコストパフォーマンスに優れたタンザニア。この値段でこれほどのレベルはベトナム・エチオピアくらいしか記憶にない。
 ただし全肯定できるかというとそんな事はなく、特にタンザニア宿はベッドの形が悪いのか縦幅が短くて普通に寝ると足が飛び出してしまう謎仕様だったりする。仕方ないので対角線上に沿って斜めに寝る事で対応していた。
 マラリア罹患率が非常に高い国だけあって標高の高い土地にある宿以外は全て蚊帳が設置されているが、蚊帳の質はピンキリで酷い物だとそこら中が穴だらけで蚊の侵入を防ぐという役割を全く担っていない物も散見される。
 料金は最低で5000シリング(約280円)という宿もあったが、基本的には1〜2万シリング(560〜1120円)くらいと思っておけば良い。観光地や都市部だと全体的に値段が上がる傾向にある。その代わりWi-Fiの設置率も正比例して高くなっていくので一長一短というところか。
 ネットに関してはかなりWi-Fi設置率が低く、都市部や観光地のややお高めの宿でもないとネット利用ができる事はほぼ無い。反面速度自体は満足できることが多く、モシのホステル以外で速度不足に悩まされる事はなかった。これはアフリカではかなり驚きの結果と言える。
 なお初日からネット環境には悩まされる&タンザニアは1月近い滞在をするだろうと踏んでいたので初日にsimカードを契約していた。会社はVodaComという所でsimカード購入にアクティベート手続き・データチャージ全て含めて2500円の30日で18.5G使用可能というプラン。多分少々ボラれてるけど。
 よほどの田舎でもない限りは電波が立たないという事もなく便利に使えたのであり、タンザニアでsimカード購入する意義は大いにあると思う。

◎動物
 ミクミ国立公園というサファリに使われるエリアが幹線道路として通っているため、そのポイントでは冗談でなく肉食動物との遭遇危険がある。何しろライオンも生息してるらしい。
 とはいえ国道1号線で交通量の多い道であるため普通に考えて襲われるような危険性はほぼ無いと考えて良いと思う。むしろライオン見れたら相当ラッキーだと聞くし、そこを心配する必要はない。
 それ以外だと牛飼いが群れをコントロールしてる場面には最低でも1日1回くらいは出会う。ヤギやロバといった動物もそこそこいるが、タンザニアにおける大型動物は圧倒的に牛のイメージだ。
 あとこの国はアフリカ内でも特にマラリア罹患者の多い国として知られており、日が沈むと宿内に何処からともなくマラリア原虫を媒介するハマダラ蚊が現れるので要注意。

◎自転車店
 スポーツバイクの修理を期待しちゃダメ。日本から大量に輸送されたシティサイクル(ママチャリ)が使われているのも関係してか、自転車の乗車率はかなり高いし、そうした需要に応えて青空自転車修理店は結構ある。
 でも使用しているパーツが規格違いなのでチューブの1本ですら見つかるかは怪しいというのが私の感想だ。タンザニアを走るのであれば消耗品は自分で携行すべきだし、運悪くトラブルに遭ったのならば症状が軽ければケニア、ある程度専門的なパーツが必要ならもうナミビアか南アフリカまで移動することを覚悟すべきと考える。
 ただ今回Vブレーキが破損した際、マカンバコという中規模の町で代替え部品が何処からともなく出て来た事例もあるため、必死になって対応すれば案外埋もれている交換部品とかあるのかもしれないと思うようになった。

◎物価・食事
 スーパーワンパターンのメニューで米(又はウガリ)・ぶつ切り肉・葉野菜の炒め物・煮豆を1つのプレートに乗せて出てくるのがタンザニア料理の基本にしてほぼ全て。シチューみたいなスープやパスタも何度か食べたけど、小さな町であればあるほど米・肉・葉・豆のスタイルが増えていく。
 一応肉の替わりに魚を使用するパターンもあるが、その調理方法は油で丸揚げした物ばかりのため、それほど美味しかった記憶がない。
 救いなのは味自体が悪くなく、日本人的には米食が何日続いた所でしんどさを感じにくい点であろう。米は塩と油で下味をつけており豆や肉汁と絡めて食すると実に美味い。量に関しても1食で2合とか3合分くらいドカ盛りしてくる傾向があるため、サイクリストでも「物足りない」とまではならないのが嬉しい。
 他にはケニアと同じく飲み屋では必ずフライドポテトと焼き鳥(串)が売られているが、ケニアのチップスマヤイというのが濃厚なソースをかけて食べる方式だったのに対し、タンザニアのチップスマヤイはポテトを玉子と一緒に閉じてオムレツ風にする料理である。
 全体的に物価がすこぶる安い国で、こうした食堂での1食が基本2〜3000シリング(110〜160円)程度だし、ビールも観光地意外なら500mlの大瓶が種類を問わず1本2000シリング(約110円)である。私はキリマンジャロ・セレンゲッティ・サファリの3種類のビールを好んで飲んでいたが、もう2種類ほどタンザニア産のビール自体はある。
 暑い国だったので炭酸ジュースもよく飲んだが、種類を問わず350mlの瓶は6〜700シリング(約34円)、500mlペットボトルは容量20%増量されており1000〜1200シリング(約56円)である。全体的に南部の方が物価安いしボッタクリしてくる人も少ないイメージ。
 販売されてる野菜の種類も少ないのだがその値段はどれも格安であり、アボカドが1個500シリング(約30円)で売られているため私は朝食を自炊するときはいつもアボカド醤油ご飯を作っていた。なおタンザニアの朝食メニューはチャパティ又はドーナツに生姜入りチャイというのが定番。

◎総括
 これぞイメージしていた「THE アフリカ」という世界を走行できたのが嬉しい反面、現地の人間の面倒くささにゲンナリしてしまうことも多く、車両の酷い運転もあってタフさが求められる国だったと思う。
 とはいえすこぶる物価が安い上に宿の質が良いため、他国と同じような予算で大分楽な旅行ができるのも間違いない。ということでタンザニアでの自転車旅行を楽しむコツは「慌てず怒らず緩やかに」ということなんだろな。私の場合は南部地域に入ったくらいからこの国の人との付き合い方を掴んだ感じで、それ以後はあまりストレスを感じることもなく改めてタンザニアという国を楽しむことができたと思ってる。
 アフリカ大陸で大型の野生動物と邂逅できる道路は幾つかあるけれど、ミクミ国立公園はそうした中で進路的にも最も訪問しやすい場所だと思うし、行けば何かしらの大型動物を見ることはできると思う。ケニアやボツワナのそうした道が僻地・過疎区域だったり未舗装を含む走りづらいルートであることを考えると、タンザニアでの自転車サファリは(道路状況さえ良くなってくれれば)オススメですよと私は言いたい。
    mixiチェック

 2022年10月5日〜12月23日  2023年1月4日〜1月28日
 走行日数105日間
 累計走行距離5173km(1回目4048km・2回目1125km)
(118671km〜122719km・123456km〜124581km)

◎道路
 かなりレベルが高いと感じた。大都市の市内・その周辺道路には自転車レーンが設置されていることも多く、交通量が多い場所でもそれなりに安心感のある走行できるし、郊外ではそもそも交通量が少ないのでそこまで危険を感じることがない。他のアフリカ諸国に見せてやりたいな。
 中央部に複数の山脈があるため海岸線以外のルートは大抵山道となるのだが、無茶な急斜度で昇らせてくることはほぼなく、またよっぽどマイナーな道でもなければキチンとアスファルトが敷かれているのもポイント高い。ただし場所によっては標高2500m越えてくる箇所すらあり、冬の時期だと場合によっては積雪の可能性を考慮して走らなくてはならないので要注意。
 ここら辺の山岳ルートはヨーロピアンの人気が高く、サイクリスト意外にもライダーやオフロード車が様々なルートを走り回っている関係か、かなり僻地でも宿泊できる施設が整っていることが多く補給の心配も少ないのが嬉しいところ。総じて自転車で走りやすい国である。なお右側走行。
 西サハラ地域はゲルミンからダフラまでの道を片側2車線に拡張しようと大規模工事が行われていたが、現在では3〜4割くらい工事完了している感じかな。この区間、そこそこ大型車両の交通量がある道なので、自転車的にも早く竣工して欲しいところ。数年後のサイクリスト情報が待たれる。

◎治安
 アフリカという大陸で鑑みれば無茶苦茶良い方だといえる。とはいえモロッコは決して気を抜けるレベルの国ではないし、近くに集落のない荒野とかでも割と人が住んでいたりするので明るいうちからテント張るのはかなりリスクがある。野宿していて追剥ぎにあったという話も聞いた。
 かといって観光地みたいな都市部だとひったくりや盗難といった軽犯罪が横行しており、人通りの多い場所でスマホ見ながら歩き回ることとかはやめた方が良い。
 ちなみに私はティトアンの町で宿に荷物をあげる際、一度に全ての荷物を持ち上げられない関係で3度に分けて部屋へと持ち込むのだが、宿まで案内したジジイがこの隙を突いて自転車に付けてた腕時計を盗んでいった。そういうことがあったので、盗難に関して私はモロッコのイメージがすこぶる悪い。

◎ビザ・出入国
 2020年から西サハラ地域を巡っての戦闘が起きた(再開した)関係だと思うのだが、入国審査はすんなりスタンプ押された割に荷物のチェックが尋常じゃないほど厳しかった。別に何を探られても痛くないし・・・とか思っていたら、自転車に付けてる看板に描かれた世界地図見て「ここ(西サハラ)がモロッコと色が違うのはおかしい!西サハラはモロッコ領だ!」と言われ没収されそうになった。結局マジックでモロッコの土地を全部単色で塗り潰したら許してくれたが、この点かなり神経質になっている模様。貰ったフランスの地図とかも全部広げてモロッコが描かれてないか確認してたし。地図関係を持ってる人は気にした方が良いと思う。

◎交通事情
 これがアフリカにしては驚くほどマナー良くて驚いた。基本的に信号も交通ルールもちゃんと守るし無茶苦茶な王腰をかけてくるようなドライバーもそんなに多くない。何よりモロッコドライバーはクラックションを鳴らしまくったりなど(あんまり)しない。マジか?ここ本当にアフリカか?と疑ってしまう。クソドライバーはそりゃいるけれど。
 基本的に大都市及び沿岸部に交通量が集中しているので、多少内陸へ入ってしまえば良質な路面も相まって非常に走りやすい環境だといえる。自転車追い抜く時も大きく反対車線まで避けてくれるし、この国では渋滞が起きて無茶苦茶になってる光景も見た記憶がない。ただしマラケシュだけはクラクッション鳴りまくりでクソマナーだったイメージ。
 多くの町の出入口となる場所には警察が陣取って検問を実施しているが、自転車はよっぽど過疎ってる町か西サハラ地域でない限り基本スルーされるので問題なし。

◎特徴
 南部の西サハラと呼ばれる地域で領土問題を抱えている。内情や経緯に関しては日記で少々語ったので省略するとして、この問題のため西サハラ地域ではやたらと検問が多いし、他地域ではほぼスルーされる自転車も逐一止められて身元確認させられる。沿岸部は軍隊の詰所が一定の間隔で並んで監視網を敷いていたり物々しい雰囲気をそこはかとなく感じる。
 モロッコ人はこの問題をかなりナーバスに捉えており、冗談でも西サハラを指して「ここはモロッコじゃない」とか言わない方が賢明だ。その一方でここの現地民(サラウィーと呼ばれる人たち)は「西サハラはモロッコではない!」と強烈に意識して生活しており、やっぱりモロッコの侵略行為云々と気軽に聞くのは憚られる雰囲気。
 モロッコを走るのであればこの問題はあまりつつかずにしておき、なぁなぁの態度でやり過ごすのが正解・・・というのが旅行者としての私の意見だ。

◎気候
 北部は見事な地中海性気候の土地で、オリーブ畑ばかりが立ち並ぶ夏は小雨で冬によく雨が降る。とはいっても冬の時期でもそこまで雨は激しくなかったし、私の滞在中に雨降られたことは1度あったかどうか・・・というレベル。
 中央のアトラス山脈周辺には冠雪があるため、暖かい国だからとあんまり真冬に無茶な山岳ルートを選ぶと場合によっては雪上走行の可能性がある。雪がなかったとしても普通に氷点下の寒さとなる場所は無数にあるため砂漠のイメージだからと冬用装備を疎かにしてると痛い目にあう。
 アトラス山脈を越えて南に入るとサハラ砂漠が広がりある意味天候は安定する。この地域では年中北(北西風が多いとか)からの風が吹き続けるとされてるが、実走した限りだと風力・風向は安定しないし東から風が吹く日が多かった印象だ。西サハラを南下する場合は追い風を過信せず「良い追い風が吹いたら走る距離伸ばそう」くらいの気持ちでルート計画すると無理なく回れると思う。

◎言語
 アラビア語が主要言語である一方、フランス語もよく通じる。沿岸地域に限れば地理的に近いスペイン語もそれなりに。内陸部に入るとベルベル語(彼らの弁では「アマジィク語」)話者も多い。ただし数字に関しては我々が慣れ親しむアラビア数字表記であるため、金銭的な面で何が書かれているか分からず困る・・・ということはない。
 英語に関しては都市部と観光地ならおおよそ大丈夫だが、田舎だと通じたら相当ラッキーくらいに思っておいた方が良い。そもそも道路標識を始めとした看板の文字すら、基本がアラビア語でサブの文字すらフランス語という世界だ。外国人的にはまだアルファベットであるフランス語の方が取っつきやすいものの、発音がよく分からず正しい読み方が不明だったりすることも多い。
 なおモロッコの地名はGoogleマップに表記されてる物を採用しているが、これも現地読みと比較すると全然違うことが多いらしく、仮に町の名前が変だとしたら私の不勉強によるものです。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 これはかなりレベル高い。辺鄙な土地にある宿でもWi-Fi完備されてることが多く、宿それ自体に「値段と見合わない」と感じることはまず無かった。むしろ観光地を外れるとそれなりの規模である町にも関わらず宿が1件もない・・・ということがままあり、こっちの問題の方が大きい。
 観光地やある程度大きな町の宿なら朝食付いてくることが多いが、むしろ割高なので「朝食いらないからもっと安くできないかな?」とお願いしたら値下げしてくれる宿が多かった印象。色々な宿に泊まったけど、私の場合は50〜120ディラハム(630円〜1500円)の料金幅で大体納まった。150ディラハム(1900円)とかの宿も沢山あるけど利用しなかっただけともいえる。
 スペインから距離の近い北西部の大都市ほど料金高くなる傾向にあり、タンジェでは最低レベルのホステルドミトリーで1泊1500円とかするのだが、南部の町だと半額の料金で個室とかザラにある。ただしWi-Fi速度に関しては都会のホステルの方が総じて速い。あと部屋までWi-Fiの電波が届かず受付周辺でしかネットができない「ちょっと足りない」系の宿は多い。最もモロッコはカフェが乱立しており値段も安くWi-Fi速度が大変優秀なので、しっかりネット利用したいなら幾らでも方法はある。
 あと長期滞在になりそうだったためSIMカードを購入した国だが、西サハラの砂漠内ですら多くの場所で使えたし速度も速い。SIMカード自体の料金は250円でチャージ1ヶ月分(容量5G)が630円ほどと大変お買い得な内容であり、大手3社の料金は何処も変わりないらしいので適当に使ってみるのも良いと思う。恐らくモロッコテレコムという会社が1番広域をカバーしている。
 ちなみに野宿に関してだが西サハラを除いてこれが難しい。というのも「まず周辺誰も住んでいないだろう」という土地でも何処からともなく人が現れることが多く、しかも全体的に荒野が多く安心して身を隠せる場所というのが見つかりにくい。デーツやオリーブの木は人が管理してる畑にあることが多いし。
 中央を縦断するコースならば割とキャンプ場が多いので、宿が見つからず野宿もイマイチというなら利用するのは良いと思う。先進国の人間を対象としてる(キャンピングカー相手)のでキッチン設備こそ無いが、安い料金でWi-Fiを始めとした各種設備を宿より安い料金で利用できることも多い。

◎動物
 ロバ・ヤギ・ラクダの3大家畜はよく見る。家畜だけでなく逃げ出す等で野生化した個体も数多くいるそうで、特にロバはモロッコ国内で使役動物として様々な場面で存在感を発揮している。ちょっと裕福な家庭だとロバに変わって馬で荷物運びさせたりしているようだが、モロッコの主役は断然ロバだといえよう。
 危険な動物はほぼ出てこないが、サハラ砂漠に本格突入すると砂蛇が潜むようになるため、あんまり変な場所でテント張るのはオススメはしない。私は直接姿を見てないのだが、ペアランしたサイクリストが休憩中に盛り上がった砂を指して「コレは蛇だから近づくな!」と教えてくれた一幕が。
 例によって田舎地域だと犬に追いかけられることがある。イスラム圏なので犬の個体数自体が少ない印象だが(逆に猫はやたらと多い)、田舎のポツンと一軒家みたいな建物横を通ると放し飼いされた犬が無然と追いかけてくることあるため要注意。
 あと南部の砂漠地帯へ入れば入るほどハエの数は増えていく。アフリカのハエは刺してくる種類がいるのか、ときどきチクリと痛みがあるハエに当たることがあってそれが厄介。なお蚊に関してはほとんど苦労させられることはなかった。何度か叩き潰したので全くいない訳ではないが、宿の窓が全開でも不思議なくらい蚊が入ってくることは少なかったように思う。

◎自転車店
 それなりの規模の町ならバイクと合わせて自転車の修理家業をしている店は必ずある。ただしこの手のお店は看板も掲げていないし日中は営業もしておらず夕方頃になると営業してることが多かった。
 パーツとかも謎メーカーなのはまだしも規格もロクに合っちゃいないので、基本的にはスポーツ自転車が壊れたからといって持ち込んでも修理できる見込みは薄い。そりゃ基本的なパンク修理とかは出来るっぽかったけど。
 本格的なプロショップは沿岸部の大都市に散見される程度であり、それでもアフリカということを考えればこれは素晴らしい。ただしアフリカ南下を考えているならスペインで十分に事前準備と予備パーツは揃えておくべきだと私は考える。
 フェス周辺では最新ロードに乗ったチームにも合ったので、そういう層に対応したショップもあると思うのだけど、まずそうしたショップを見つけることが大変だと思う。

◎物価・食事
 基本的に安いのだけど、都市部や観光地では完全に外国人料金として食事のメニュー運用されてるお店も多く、そういう所では日本より高い。想定してる相手がヨーロピアンだろうから、彼らにしてみりゃ割安なのかもしれないが。
 サンドイッチみたいなファストフード系なら20〜30ディラハム(約260〜390円)くらいが相場。ローカル食堂だと5〜15ディラハムくらいで食べることも可能だが、モロッコ料理として有名なタジンやクスクスは、ローカルなお店だとメニューにないことも多いので注意。
 ローカル食堂でなければメニューを持っているお店が多く、値段が一目瞭然で把握できるしぼったくられる心配ないのはアラブの国なので重要ポイント。概してそういうお店は全体的にお値段高めではあるのだが。
 アフリカでは他国を圧倒するレベルで食事が美味しく、特に先に挙げたタジンは大量の野菜を豊富に摂取できる上に繰り返し食べても飽きが来にくいハイレベル料理。観光客相手のお店だと一気に料金2〜3倍に跳ね上がるのが玉に瑕だが、普通の食堂では好んでよく食べていた。
 その他に国民食とも言えるのが、ナツメヤシの実を甘く味付けしたデーツと呼ばれる実。保存が良くききエネルギー源になるのでモロッコでの補給食に活用するのも良いと思う。私は1Kg5ディラハムで買えてしまうみかんばかり食べてたけど。
 そのほかの食材では炭水化物系が輸入に頼っているのか値段が高い気がする。特にお米に関してはヨーロッパで購入するより倍近い値段となってしまうため、仕方なくモロッコ産?なのか謎の米を買ったりもしたけどそういうコメは総じて不味い。1番マシなのはバラ売りしてる白色でロングタイプの米を購入するパターン。茶色のタイプとかショートグレンのタイプは日本の米の炊き方すると本当に不味いので要注意。
 なおイスラムの国であるためアルコールの類は販売所が限られており、1番安くて簡単なのは大都市にある外資系スーパー(カルフールとか)のアルコールエリアで購入すること。それ以外には観光地ならバーに行くのもアリだし、ちょっとお高い外国人向けのホテルやキャンプ場なら飲み物メニューにアルコールがある。なおモロッコ産のカサブランカビールは正直微妙な味だった。モロッコワインは美味しかった。
 余談だが、地方の田舎に行くと食堂でもスプーン等の食器は出てこずイスラム方式である手掴みで食事する機会が増える。必ず付け合わせにパンが出るのだが、これを上手に利用して指を汚さず食事するのがモロッコ方式。私はモロッコも終盤くらいになってようやくこのスタイルで普通に指を汚さず食事できるようになった。

◎総括
 まさか100日を超えるとは思いもしなかったモロッコだが、長い期間滞在しても気にならないほど様々な魅力に溢れた国であることは間違いない事実。国自体が問題を抱えていると言えるし、大都市だとちょっと面倒くさい人が多買ったりで、文句なく旅行にオススメだよ!と言い難い部分はあるけれど、私はすごく大勢のモロッコ人に良くしてもらったし、良し悪し色々含めてのこの国が面白いと思う。アフリカ大陸における他国と比べれば、抜群にクセが少なく過ごしやすい国であるというのも事実。特にヨーロッパから気軽に渡航できる立地という点もあり、ビザ要らずなモロッコで90日間の滞在日数が確保されているあたり、私でなくともシェンゲン協定の再入国待ちでこの国に長逗留する人も少なくないことが予想される。しかしそれだけの理由で入ったとしても、きっとモロッコの奥深い魅力に驚き思わず想定以上に長期滞在してしまう・・・きっと、そんな人は大勢いるのだろう。
    mixiチェック


 2022年12月23日〜2023年1月4日
 走行日数12日間
 累計走行距離737km(122719km〜123456km)

◎道路
 所々ガタガタだったりするけれど私が走った道nには未舗装路がなかったし、むしろ田舎地域の路面は素晴らしい状態に保たれて最高の走り心地だった場所も多かった。恐らく近年に造られたばかりの道路なのだと想像できる。道路脇の看板で日本の国旗が見えたので、ODAとかで日本が協力してるのかもしれない。
 どちらかというと都市部の方が問題となることが多く、首都のヌアクショットですら片側2車線あるきっちりしたアスファルト道路は稀。狭い1車線な上に側道が砂地だったりするため悲惨な交通状況と相まって非常に走りにくい。しかも交通量が多いためかボコボコに穴空いてたり傷んでいる路面も多い。車だったけどヌアクショット〜ヌアディブ間の道も路面の良い場所と悪い場所の差が激しく、極端だなと思うことが多かった。なお車両は右側通行。
 国内全体として標高の高い場所はほとんどなく、内陸に一部背の低い山々が連なっている程度。ズエラットの周辺に国内最高標高ポイントがあるらしいが、その辺の標高が500mとかだったので多分大したことない。

◎治安
 町中とかでもそんな悪い雰囲気は感じない。とにかく貧しい人が多くしょっちゅう物乞いに絡まれたりはするものの、攻撃的な視線や雰囲気を感じることは終ぞ起きなかった。
 とはいえ町の出入口には必ず警察か軍隊、若しくはその両方が検問を構えて常駐しておりモロッコと違って自転車旅行者でも100%止めさせられてパスポートチェックを受ける。
 面倒なのがモーリタニアはこの際必ずパスポートのコピーを求める(「フィッシュ」という言い方をしてくる)のであり、これに毎回付き合っているとモーリタニア縦断するだけでコピー用紙を10枚以上準備しておかなくてはならない。
 私はアホらしいので「いや持ってないしパスポート見せれば良いでしょ」という対応していた人なのだが、なんと最初から最後までそれで問題にはならなかった。どうやら後で外国人の情報を確認する際にコピー用紙があった方が手間要らず・・・ということであるらしく、それがないとスマホで写真撮影したり紙にデータを記入するのが面倒くさいからみたい。モーリタニアってのはそんなレベルの国なのです。

◎ビザ・出入国
 西アフリカの国らしく入国にはビザが必要である。ただし国境その場で取得できるアライバルビザであるため事前に準備するものは料金の55ユーロのみで構わない。ポイントはアフリカ諸国におけるビザ料金は米ドル支払いが主流であるのに対し、地理的に近いためかモーリタニアビザはユーロ払いしか認めていない点。うっかり米ドルしか持っていないと困るけど、まぁ国境にいる両替商のレートはそんなに悪くないので対処できます。実際一緒に入国したペアランしたフランス人のサイクリストはモロッコディラハムしか持っておらず、国境で慌てて両替してたし。
 モロッコとの国境は両国間の仲が良好ではないことを反映してか、手続き以外にもやたらと検問でのパスポートチェックが多かったり緩衝地帯の道路が崩壊し未舗装路となっていたりする。2020年にここでドンパチが発生して一時期国境閉鎖されたりもしたが、2022年12月現在は通常通りに国境開放され通過可能となっている。
 セネガルとの国境に関しても賄賂の請求だとかロクな話を聞かないが、そっちは行かなかったので真偽のほどは知らん。

◎交通事情
 町中の交通マナーの酷さは相当なレベル。常に何処かでクラックションが鳴っているし、信号機は赤でも平気で突っ込む車両が半数くらい居るため、下手に赤信号で停車してると脇から結構なスピードで車がぶち抜いてきたりとかえって危険なことも多い。
 アスファルトの幅が狭いため側道に逃げたいところだが、そこが砂地となっていると自転車が沈み込んでしまい転倒する危険もあるので市内の運転難易度が相当高い。ヌアディブ・ヌアクショットの2都市は極力自転車での走行をしたくないと思った。
 これが郊外になると割と緩やかになるというか、単純に車両の数が少ないので危険度が低いだけなのかもしれないが、ともかくそこまでストレスを感じる事なくなるのが救い。
 でも最終日にバス乗ったら酷い荒くれ運転&クラックション鳴らしまくりで爆走してた上に、路面状況の悪い道でもほとんど減速せず突っ込む無茶を繰り返してたので、本当に車両数が少ないから目立っていないだけかも知れない。
 それを示すようにモーリタニアでは路上でパンクしたタイヤの交換作業とかしてる車両がやたら多かったのだけど、これは荒い路面で無茶な飛ばし方をしてることが大きな原因の1つであると思う。

◎特徴
 1、人種でいうとアラブとブラックが混じり合っている感じの国。南部にいくほど黒人の割合が増える感じでヌアクショットでは黒人が7割くらいのイメージ。この辺は東アフリカのスーダンとよく似てると思ったな。ちなみに漁業で日本へのタコ輸出割合がNo.1の国なのだが、これの基礎を築いたのが日本人の援助によるものらしい。その関係でかアフリカの中で対日感情が非常に良い国とされており、実際私も「日本人だ」と話すと喜ばれることが多かった。
 2、国土のほぼ全てを砂漠に覆われている砂の国。これに北東貿易風による恒常的な風が吹き続ける関係で常に砂が舞い散っている。宿が高いこともあってテント泊の割合が増える国だが、きちんと対策しないとチャックのある製品は砂が入り込んで動かなくなる原因になるし、電子機器やバーナー等も隙間に砂が混入して故障の要因となる。私もウィスパーのゴムパッキンが砂により隙間できてしまい、ポンピング中にガソリンが吹き出したことがあったのでマメなメンテナンスを心がけた方が良い。

◎気候
 完全に砂漠の世界である。といっても天気は晴天というより砂が舞って空は白っぽい色してるが。ヌアクショットより南に進むと砂漠が終わって緑化してくるらしく、また別の雰囲気になるのかもしれない。
 真冬でも平気で30度を越えてくる気温と強烈な直射日光、加えて北東から吹きまくる風が自転車で走る難易度を上げていることは間違いない。この風を上手く捉えることができれば1日150kmとかでも余裕で走行することが可能な土地なのは間違いないが、あんまり期待しすぎると痛い目を見る。というのも南下するなら基本追い風になる風向きなのに、モーリタニアの風は安定しておらず、場合によっては真東だったり西から吹いたりすることもあるため。アタールでは雷に雨まで降られた大嵐も体験したし、砂漠だからといって全く天候に変化がないワケではない様子。ちなみに嵐の時の風速は40km/hとか表記されてた。

◎言語
 引き続きアラビア語圏でありながら植民地支配下であった歴史上の関係でフランス語も主言語となっている。スペイン語に関してはほぼ通じることが無くなった反面、田舎でも英語の通用率は若干上がったような気がしないでもない。
 あと同じアラビア語といってもかなり地域差があるようで、せっかくモロッコで覚えたいくつかの単語が全然通じなかったりすることもしばしば。そもそも現地の部族がそれぞれ独自の言葉を使っている(しかもそれが公用語)ため、アラビア語1本では難しいのかもしれない。

◎宿(野宿)・Wi-Fi
 ヌアクショットを除いて何処もクソ高い。しかも高い料金に見合った設備や内装してる訳じゃなくて最低レベルのサービスでありつつ先進国並みの料金を取ってくる。私は運良く町での宿利用を回避したり特別料金で泊めてもらった人なのだが、普通に宿泊しようとすると最低レベルの宿でも1泊3000円くらいを目安にする必要がある。ヌアクショットならもうちょい安いかな。
 Wi-Fiもマトモに普及してる場所は限られているし、1度ネット作業したくてカフェ利用したが写真のアップロードすら出来ずに敗退するレベル。この国ではSIMカードを購入するメリットが十分にあると思う。私は適当な会社を選んだが、料金設定に関しては何処も一律らしくカードの購入とアクティベート作業をやってもらって100ウギア(約360円)だった。データチャージでもう100ウギア支払い2.5G分を取得したが、このデータ使用期限が1週間と短くて最終日はネット利用できず。なお速度はWi-Fiよりスマホの方がずっと速くて都市部なら回線も安定もしていた。
 ちなみにこの国でブログのアップロードができたのは、唯一アタールの欧米人が経営しているキャンプ場のみ。ブログが途切れないで投稿が続いたのは単に運が良かっただけ。
 そんで野宿に関してだが、砂漠の厳しい環境下では人間も寄り集まって暮らすのだろうか、モロッコと比較すると郊外で人を見ることが減り野宿自体は楽になったといえる。場所によっては地平線までアップダウンがなくテントが道路から丸見えだったりするので躊躇いがあるものの、それなりに姿を隠せる障害物やれ傾斜は出てくるのであまり心配しなくても大丈夫。ただし砂地でキャンプ泊となるので夜間に強い風が吹くと悲惨なことになるため天気予報は要チェック。

◎動物
 町中にヤギの姿が目立つようになった。首都だろうと何処だろうとゴミが溜まってる場所で餌を探している姿が哀愁を誘う。モロッコと同様にロバやラクダの姿も見かけるが、その数はグッと減って生き物が生息するの難しい砂漠という土地であることを感じさせる。
 町中における蚊の数が増えた感じで、特にヌアクショット以南はマラリアを発症する危険が高くなる地域となってくるため、多くの旅行者はヌアクショットで抗マラリア薬を購入するらしい。私はヌアクショットで北部にUターンしたのでそこら辺あんまりチェックしてないが。
 他にモーリタニアに入っていよいよハエの存在が鬱陶しくなり始めた。走行中はそこまでではないが、自転車を止めると何処からともなく現れてまとわりついてくるのでウザい。場所によってはオーストラリアのハエの3割近くになる・・・という表現で分かる人は少ないだろうけど。周囲に2〜30匹くらい飛び回ってるイメージです。

◎自転車店
 期待しちゃ駄目。ヌアディブやヌアクショットでは自転車を修理するお店も見つけたけれど、いずれも専門店ではなくボロっちぃ2輪車の修理店といった様相で、とてもじゃないが交換パーツを取り扱っているようには見えない。
 この国を走っていると砂でどんどん消耗品パーツが磨耗してくるのが分かるので、もうアフリカ突入前に十分な事前準備をしておくべし!・・・というのが最善だと考える。
 偶然ペアランしたロブのスポーク折れを修理する機会があったけど、彼は西サハラでスポーク折れてからずっとスプロケット外しの工具を探し続けて見つけることができなかったと言っていた。偶然他の自転車旅行車を見つけてそいつが修理工具を持っている可能性の方がまだ高い。モーリタニアの自転車店レベルはその程度と捉えておく方が良いと思う。

◎物価・食事
 物の値段に関しては全体的にモロッコより高いクセに品質は低い。国力が圧倒的に低いことで自国における生産品というのが少なく輸入に頼る割合が大きいため「ロークオリティ・ハイコスト」という途上国でも最底辺の国でのみ発生する現象が起きている。ちょっと気にしてみるとコーラ等の飲み物ですら明らかにモロッコから持ち込んだっぽい物で溢れており、こうした点が西アフリカを旅行するのが難しいとされる理由の一翼を担っているのだと思う。フルーツですらモロッコ比較で倍近い料金の物もある。
 ただそうした品物ではなく「食堂での食事」という一点に限定すると安くて量が多い自転車的には満足度が高い国に。特に米をメインとしたメニューが複数あるのが日本人的には嬉しいところで、1食の値段も150円とかからある。だが砂漠という土地柄なのか食事に水が添えられることはあったりなかったりだし、飲み物の値段は全体的にかなり高めでコーラ1ℓが180円くらいする。
 フランス植民地だった関係で午前中に町を歩けば何処でも行商人がフランスパン10ウギア(約35円)とかで売ってるし、普通に中身はもっちりして美味い。このパンを活用したサンドイッチも多く、私はこれをアルミホイルに包んでもらい走行中のお昼ご飯としてよく食べていた。
 チェーン展開してるようなタイプじゃないローカルレストランは営業時間帯が遅いというか、19時とか20時になってから開店する場合が多く、お昼や午前中は閉まっていることもしばしば。なので小さな町だと自炊しなけりゃ前述のサンドイッチしか食べる物がなくて困ってしまう可能性が。商店の品揃えも非常に悪く、特に袋麺が見つけられなかったのは苦労した。なんか思い返してみると食でも結構大変な思いしてるなモーリタニア。

◎総括
 結構散々な言い方をしているのだが、全体を通してみると私は割とこの国が好きだったりする。なんというか厳しい砂ばかりの世界でも結構楽しそうに生活していたり、気持ちの良い対応をしてくれる人に数多く出会えたことが大きいのだと思う。
 人様にモーリタニアの旅行をオススメするかと問われれば「それはないな」と回答してしまう反面、自分自身がモーリタニアを再訪してみたいか?と問われれば「そういう気持ちはある」と答えてしまいそう。他の人には分からなくても、私はこの国の良さをわかってあげられるから!・・・ってダメ人間に貢ぐ人みたいな台詞だな。
 ただしこの国を自転車で走る人は自分である程度トラブルに自己対応できることが最低条件として求められる。修理だけじゃなくて走行計画や一般道路での補給の難しさもかなり高難易度の国なので、初の自転車旅行で西アフリカスタート!というのは止めましょう。そんな奴そうそういないと思うけど。
    mixiチェック


 2020年3月13日~6月16日

 走行日数97(実質13)日間

 累計走行距離768km(111384km~112152km)


◎道路

 ケニアとよく似てる路面状況で、町が近づくと連続した段差があるのも町中でも基本側道が確保されてる点も同じ。傾向としては段差の数が多いケニア、路面の質が悪く所々でアスファルトが剥がれてるウガンダというイメージ。ちなみに車両が左側走行というのもケニアと同じだ。

 国全体的な標高はほとんど変わらないのに、その多くが100mに満たない小規模の坂で構成されている自転車乗りから苦情が出そうな道。首都のカンパラですら所々に小さな丘が点在してる坂の町で、酷い交通マナーと合わさって極力自転車で走りたくない都市の1つであると感じた。

 側道とメイン道は小さな段差で区切られているのだが、側道の路面状況が悪く水溜まりなり未舗装なりを避けるためにメイン道へ逃げることが多々あり、この段差で横滑りしないか気を遣う。ちなみにウガンダ国内で2回ほど横滑りでの転倒をしている。どちらも雨上がりのスリップしやすい状況でやらかしており、そうはいっても雨季のウガンダでドライの路面ばかりを走れる環境ではなかったので。

 総合的には「まぁ悪くない道」だし主要道路に関してはキッチリ舗装もされている。それでもウガンダの走行で悪いイメージ絶えないのは、とにかく彼らの交通マナーが悪いからなんだよね。


◎治安

 そこそこ良い方だと思う。コロナウイルスで大騒ぎしてる時期なので、そこら中で「コロナ!」等々呼ばれることはしょっちゅうあるが、それ以上の直接的な行動をしてきた輩はいなかった。エチオピアやケニアでは結構そうした嫌がらせをしてくるクソがいたので。

 ケニアから来た身としては個人商店の鉄格子も無くなったし、カンパラ以外の町では町中における高い塀だとか有刺鉄線の割合も減って大分落ち着いた雰囲気になったと思う。

 そうはいっても銀行や大型商業施設には必ずガードマンがいるし、田舎の宿でも窓は鉄格子嵌められてることがほとんどだったのであり、夜中気軽に都市部の町を歩けるかというと私はそうは思わない。

 カンパラでは宿が高級住宅街地区にあったので警戒が厳重だったし、その近くのスラム街は日中でも中に入っていくの躊躇わさせる雰囲気を放っていた。だから正確には「アフリカでは」そこそこ良い治安。


◎ビザ・出入国

 東アフリカ3ヶ国ビザ(ケニア・ウガンダ・ルワンダ)を取得してたのでイミグレでの手続きは至って簡単。ただ3ヶ国ビザの滞在期限は取得日から最長で3ヶ月間滞在できるのだとばかり思っていたが、普通に滞在予定期間を聞かれて申告したら「じゃあ1ヶ月あれば十分だね」と滞在期限を1ヶ月にされてしまった。余裕ある滞在期間を回答したため問題にならなかったが、ビザ期限と滞在期限が同一でないと知ってないと落とし穴にハマるかもしれん。

 なおコロナウイルスによる国境閉鎖のため思いきりオーバーステイしてしまったが、緊急事態だったため出国時のイミグレーションで問題となることはなかった。


◎交通事情

 これが酷かった。交通マナーの悪い国はそれに反比例して運転技術は高いという相関関係があると思っていたが、ウガンダはマナー最悪な上に下手クソ運転手が多くてどうしようもない。交通量の少ない田舎ではそれも大きな問題にならないけれど、カンパラ周辺の交通状況は最低最悪の地獄絵図。自分の車幅感覚も把握出来てないクセに、狭い隙間に突っ込んでくるバイクが多くて結果接触しまくるし、多少ぶち当たったくらいじゃ完全無視でそのまま走り去ってしまう身勝手っぷり。

 大型交差点で警察が交通整理していても、その目の前を平気で指示無視して通過していくバイクが何台もいる。こんな状況なので、カンパラ市内にある円形交差点とか渋滞緩和で作られたハズの道も誰しも身勝手に突っ込んで身動き取れなくなってしまい、かえって渋滞の原因となってる始末。ウガンダ人に動力付きの乗り物与えるのは100年早いと思う。とりあえずバイクが歩道を走んな。

 というか車やバイクだけじゃなくて歩行者も全然周囲を見ずに道路飛び出したり平気でする国民なので、もうこれはウガンダ人そのものが交通社会に適応できない国民なのではないかとすら思った。平気で逆走しまくるし、反対車線の車両を見もせず飛び出てくるアホドライバー多すぎで、せめて基本的な交通ルールも守れないウガンダ人が国外に出ない事を切に願うばかり。


◎特徴

 特徴とはちょっと違うけど。ウガンダでコロナ旋風に巻き込まれたのだが、ウガンダにおける対応は基本的に「他のアフリカ諸国の政策に追従する」といったものであった。アフリカ諸国は独立後もその多くが独裁政権だったことが影響してるのか、国の対応がやたら早いし通達出てから施行までの期間が1日もない。一般人に国境閉鎖の通知連絡入ったのが夜7時だったらしいけど、そこに記されてた閉鎖の日時が「翌日の0時から」って時点で私のウガンダ脱出不能は確定していたワケだ。

 医療制度が脆弱なので水際で対処しないと如何しようも無いというのはわかるけど、外出禁止令を出して期間中に外を出歩いてたら逮捕というのは現代の日本じゃ考えられない強権発動してるよなと思う。


◎気候

 国土の大部分が標高1200mくらいの高原地帯に位置しているため、気候的には割と過ごしやすいと思う。走行時期の3月は雨季に当たるシーズンだったが、丸1日ずっと雨に降られ続けるということはなかったし、雨が降るときはスコールで短時間に大量の雨を降らせるパターンが多いため、案外走行予定を崩されるということはなかった。

 南や東から風が吹いてることが多く、雲も決まって東から西へと流れていった。聞いたところではヴィクトリア湖で発生した雲が風に流されウガンダに雨を降らせるため、この国は緑が豊富なのだとか。


◎言語

 話されてる言葉はガンダ語が主だが、公用語とされてるのは英語だと思う。これは看板やニュースで表されてる言語が全て英語で統一されているケニアと同様であることからの判断。このため国民の多くが英語を解するので言語的な苦労は非常に少なくて済む。国や国民のアイデンティティや独立性とかは置いといて、とりあえず日本人旅行者的には英語が主言語の国が楽なの間違いないし。

 ちなみにこのガンダ語、スワヒリ語と非常に近い言語らしく私は教えてもらうまでこのガンダ語をスワヒリ語だと思っていた。実際ウガンダにはスワヒリ語を話す人も一定数いるらしく、どっちにしてもよく分からん私はケニアで覚えたスワヒリ語の数単語から「ウガンダはスワヒリ語だな」と判断していた。無教養はこういう時に恥をかく。


◎宿(野宿)・Wi-Fi

 1000円以下で泊まれる安宿でもかなり設備は良い感じ。少なくともシャワー設備が壊れてる宿は1つも無かった程度にはしっかりしている。ただしWi-Fiは都市や観光地でもないと期待出来ないし、あってもルーターが壊れてて使えないということが3回ほどあった。

 地方の宿はその多くが食堂かバーと合わせて営業されてることが多く、バーの場合は深夜になっても大音量で音楽流す傾向あるので注意が必要。外に出なくても飲めるってのは楽で良いんだけどさ。

 割と小さい町でも宿泊施設あるし、主要道路を走行してる分には「丸1日走っても宿のある町に辿り着けない」という心配はよほど変なルートでない限り必要ない。

 どの宿を利用しても基本的に蚊帳は付いており、部屋によっては無かったこともあるがスタッフに言ったら用意してくれたり部屋を変えさせてくれた。このことからウガンダにおいて就寝時蚊に悩まされることはそれほどこ苦慮しなくとも良い。まぁ蚊帳に所々穴が空いてるのはご愛嬌。

 基本的に中規模都市や観光地ならネットカフェや普通のカフェでWi-Fi利用できる。前者の利用料金は30分で30円とかその程度なので気軽に利用できるのが良い点。通信会社でケニアでも扱いが見られた「Air Tel」というのがあったので、3カ国ビザ利用者でsimカード欲しい人には便利なのかもしれない。


◎動物

 そりゃ行くところ行けば会えるんだろうけど、私が走行した幹線道路ルートじゃ近くに国立公園もないし、アフリカどこにでもいる牛とかヤギみたいな家畜動物しか見ることはない。

 一応世界でも貴重なゴリラが生息する国として有名で、ウガンダの5万シリング紙幣に印刷されてる動物もゴリラだったりする。なおゴリラツアーは無茶苦茶高額で10万円以上するのが普通だとか聞いた。

 この他問題となるところでマラリア危険地域の只中という点が挙げられる。特にヴィクトリア湖周辺は湿地帯となっている土地が多く、蚊の数も多いし実際この周辺はマラリア罹患率も高い。宿で蚊帳の設置率が高かったのもこうした点が関係してると思われる。


◎自転車店

 これは期待しちゃ駄目。地方の主要都市でもショップ自体はそれなりにあるけど、多分スポーツ用自転車に対応できる部品を取り扱ってる店は存在しないです。というか首都のカンパラにある自転車街ですらそれと同レベルで、私が訪れた郊外にある「Ultimate Cycling」は多分ウガンダで唯一のちゃんとしたスポーツバイク関連用品を取り扱いしてる店。でもお店の規模は小さいし、バイクツアーがメインのショップなので期待して向かうとガッカリすると思う。

 そもそもロッドブレーキタイプが自転車総数の半分近くを占めてるような国なので、ウガンダで自転車の部品や修理を考えること自体に無理があるくらいに思っておいた方が良い。素直にケニアのナイロビで対策するべきだと思う。


◎物価・食事

 今まで走ってきたアフリカの国はどこも似た傾向あったけど、基本的には首都だけ猛烈に物価が高くなる傾向にある。特に個人商店系の店は都市部や観光地だと倍近い料金とってくるので注意が必要。まぁカンパラでも市場に行けば安い料金で物買えるし、ウガンダの大型スーパーは料金表示されてるので安心して買い物できるかな。

 田舎ではメニューが米・スイートポテト・ウガリの3種が乗ったプレートに肉入りスープというメニューが定番で、スープの具材を牛かヤギか魚で選べる程度しか選択肢がなく変化に乏しい。ちょっと大きな町だと屋台で牛や豚の串刺しがあったりする他、名前がやたら高級感あるチャパティに玉子とトマトを包んだロレックス(約30円)とかもあるっちゃある。

 コロナの絡みで2度目のカンパラ滞在中はずっと自炊してたけど、基本的に自炊するより外で食事した方が安く済むのが悲しい。大体朝食で100円強、それ以外でも1食200円せず食べられるのに対し、食材購入して自炊すると1食200円強くらいだったイメージ。手間かけて高いってそりゃないよ。

 野菜とか自国生産品を中心に買い物すれば非常に安く済む反面、割と肉類の値段が高いし海外からの輸入品とかは日本で買うのと変わらないお値段となる。ウガンダでも無数のヤギや牛を見てるけど、あんまり肉牛は生産されてないのだろうか?1つ嬉しいのはウガンダだと豚肉が比較的容易に手に入るという点か。割とモスク見かけるんだけど、イスラム教の影響力はウガンダでやや小さいのかもしれない。

 なおビールは大瓶1本が80~100円弱といったところ。ビンの料金が加算される後進国あるあるパターンは良いとして、普通にビンだけ返却してもお金を返してくれることがない(新しいビール購入と合わせると瓶代引いてくれる)のがちょっと。このため実質的な料金は1割増しくらいの感じ。なおバーで飲む場合はビンを回収されるのでこの料金がかかることはない。でもバーのビールは大抵値段が高いので、この旨味を享受できたのはせいぜい1度くらいだった気がする。


◎総括

 コロナという特大イベントぶち込まれ、差別も嫌がらせも受けた私としてはウガンダにそれほど良いイメージを抱けなかったというのはある。そもそも滞在中の大部分をロックダウンの関係でホステル敷地内で過ごしてたのだけど。

 かなり急ぎ足で国境の町まで移動してしまったのだけど、何もなかったらもう少し自由なルートプランニングしてみたかったという思いがあり、一時帰国という結果もあって中途半端な結果になってしまったと思ってる。アフリカ大陸3番目の標高であるルウェンゾリ山とか見てみたかったのだ。

 とはいえアフリカから再出発するとしてもウガンダからというのは多分無いのだろうな・・・という意識はある。この総括は私の中で「自転車旅行中にこの国の再訪はもうない」と思ったら作成するというマイルールがあり(例外有)、ウガンダには多分もう訪れないだろうというある種の決意表明だ。自転車一式持ち帰ってきたこともあるし、再出発は時期と季節をみて考えたいと思います。

    mixiチェック

↑このページのトップヘ