第8部 アフリカ ハザード
〜やれやれ、泣けるぜ〜
エジプト1日目 ネイバ港〜カイロから東南東に約360km ダハブの町
フェリー移動は僅かな距離だったこともあり出向してから3時間、時刻にして0時半に到着5分前の館内放送が流される。アラビア語なので何が説明されてるのか理解もしていなかったが、係員の人が「もうすぐ下船だからこっち来い」と案内してくれた。
どうやら数の少ない外国人は先に手続きを済ませる仕組みのようで、自転車一式荷物検査を終えた後に受付すらないポイントにてエジプトアライバルビザを購入し手続きを終える。
しかし一向に職員が私を解放してくれず、出口まで付いてきて「こんな夜中にどうするんだ?」としつこく聞いてくる。仕事というより心配で聞いてくれてるのだと思うのだが、正直「適当にテント張るし自由にさせてくれよ・・・」というのが正直な気持ち。
結果的に今の時間から外に出ても宿泊施設は閉まってるしこのイミグレーションに朝まで待ってろと言われてしまい、誰もいない長椅子に1人横になって迎えた朝。普通にキャンプさせて欲しかったな、ここ蚊が多いし。
適当に朝食を済ませ向かうはシナイ半島のリゾート地、ダハブの町。長期旅行者の間では有名な沈没(長期滞在)スポットとして知られる土地でもある。
海抜0mからひたすら続くヒルクライム。アンマンから休息日を設けておらず走り続けているのに加え、昨夜の激走と寝不足でかなりグロッキーなんだけどな。これで800mまで登るのは流石に大変だ。
半分ほどのポイントで後方からパトカーがやって来て職務質問。普通に受け答えして終わりかと思ったらそのまま自転車のすぐ後ろに付いて動きはじめた。
実はエジプトを走るサイクリストには有名な「警察車両の監視」というのがあり、エジプトを走ってるとこうしてパトカーに追走されるという面白くない制度が存在する。てっきり首都カイロから先の道で実施されてる制度だと思っていたが、早くも見つかってしまったという気持ち。
最初の20kmで頂上へ到達した後は、ひたすら緩やかな斜度で高度を下げて進む私好みの道。警察車両の追走に加え小さな検問が4〜5回あったりと面倒な道ではあるが、チェック自体は「どこの国だ?→日本」「どこへ行くんだ?→ダハブ」の回答で終了する。パスポートの確認すらしない適当っぷりで検問作る必要あるのか?
割と大きな検問を抜けると警察の管轄が切り替わったかパトカーの追走もなくなり、遠くには紅海の海が見え始める。あれがダハブの町か。
屋上に日本食レストランがある7 HEVENというホテルに投宿する。1泊料金が300円以下と格安だが、部屋の設備もそれ相応。なにしろシャワー室の排水が壊れてるしゴミ箱は何日も放置されてたりと悲惨な状況で、最初の30分ずっと修理及び掃除してたぞ宿泊者の私が。
同室に日本人の旅行者がいて久しぶりとなる日本語での会話。なんか調子に乗って私ばっかり好き勝手話してたような気もするが、元来私はそういう奴だった。
とりあえずダハブでしばらく滞在しようと思います。
2019年12月2日(月) 走行距離76km 累計105084km