自転車ときどき世界1周

カテゴリ:ヨーロッパ > スペイン


 フランス35日目&アンドラ・スペイン1日目 レストエリア〜マドリードから東北東に約470km オルガニャの町

 流石に標高1200mを越えると冷え込みがキツい。しかも山の谷間に位置してる場所なので朝になっても日が当たらず水底気温は5度前後か。さしもの私も出発時に上着を着て走り出したのであり、再出発してから初の上着着て走行だな。

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 すぐ暑くなると思うけど

 昨日に引き続きピレネー山脈の上り坂である。最もピレネー山脈というのはフランス・スペイン国境に連なる広大な山々を指し示すので、ちゃんと峠の名称を言うならデンバリラ峠へのチャレンジ中というのが正しい。

 これはそのままアンドラ公国への突入ルートを示していて、私の妹なんか名前すら知らなかったヨーロッパの小国を巡るルートとなる。

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 ツールでもステージになった峠らしいですよ

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 なるほど絵になる景色だ

 つづら折れの坂道を登っていくが、それほど斜度がキツくないため無理のないヒルクライムだといえる。ヨーロッパの峠は割と洒落にならない斜度で自転車乗りを殺しに来る坂が多いため、こういう良心的な坂道は有難い限り。

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 1番キツい場所で7〜8%くらいかな

 ただしこの山は標高が違う。先般登ったモンヴァントゥは約1900mだったしシャモニーに通じる峠も1500mとかそんなモン。しかし今回は2400m超となかなかの高さを誇る峠でワクワクさせるじゃないですか。


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 お、イミグレーションが見えた

 そうなのだ。アンドラは西欧に位置しながらシェンゲン協定に加盟してない国のため、国境にイミグレーションが存在している。といっても入国審査は行わず、税関調査のみ実施しているとのことで、私もノーチェックで入国できたのだが。

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 アンドラ到着

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 すっげえ観光の町 

 国境の時点で2000mオーバーとはなかなか気合いの入った山岳國だと太鼓判を押したくなる。とりあえずこのパス・ダ・ラ・カサの町で一休みして、残りの400mアップと行こうじゃないか。

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 アンドラ入ってから自転車道が出来て安心

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 よくまぁこんな道上がってきたよ

 2400mちょいでようやく山頂到着だ。ピレネーを存分に楽しませてくれたと思うと私も心底感謝の気持ちなのであり、もう2度と体験したくねぇって感情とまた登りたいって気持ちとがせめぎ合っている。

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 お疲れ様でしたー

 まだアンドラ4kmしか走ってないけどここから先は消化試合みたいなもん。ひたすら下り坂を走り続けてピレネー山脈抜ける頃にはアンドラも脱出する算段である。

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 しかし良いよね山岳國って

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 何処を切り取っても絵になるし

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 でもここに住むのは大変だろうな

 小国によくあるパターンで、アンドラもまた国全体が免税の買い物天国の国。多摩市の約半分しか人口いない国の割にどおりで小さい町でもやたらとショッピングモールやデパートが多い訳だ。

 あんまり自転車旅行車には旨味のないことが多い免税国だが、ヨーロッパ諸国は消費税だけでも相当な数字を付けるためアンドラ公国の存在意義は大きい。私も自転車ショップで交換用のパーツを買おうと画策していたのだが。

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 何だよ営業してねーじゃん!

 そうだった。スペイン圏に入るということは悪名高いシエスタ制度が復活することを意味していたのだ。シエスタ=昼寝の示す通り、日中の暑くなる時間帯に営業休止するスペイン系列での制度。こいつのお陰でどんだけ中南米で苦労させられたことか。

 文句は幾らでも出てくるのだが仕方ないので国境の町まで移動し16時の営業再開と同時にチェーンとかチューブといった消耗品をあれこれ購入。まぁ1日の生活費分くらいは得したかなと思われる。

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 店員さんが親切だった

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 そんな感じでアンドラ終了

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 それではスペインよろしくお願いします

 スペイン入ってもまだ標高貯金が900mほど残っているので暫く楽できる計算。入国時点で17時
過ぎていたけれど、降り貴重の道というのもありガンガン距離走りまくり。結局19時前まで走ってもうた。

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 いやぁ良い景色のポイントが多かった

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 やっぱり山の谷間ってのは走り甲斐がある

 免税アンドラにてちゃっかりビールも大量購入しており今夜はビール三昧だ。ピレネーも超えてヨーロッパの主要山岳路もこれで走り納めともいえる。これは自分にご褒美ビールしなくては!

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 全部別の種類で6本買いました

 さていよいよスペインか。中南米で活躍したスペイン語だが、ちゃんと今でも使えるかな?すっかり忘れてやしないか、それが問題だ。

 2022年9月19日(月) 走行距離94km  累計117205km
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 スペイン2日目 オルガニャの町〜マドリードから東北東に391km地点 セグレ川沿い

 当初予定では9月の頭くらいにスペイン入国して、この国ゆっくり色々回ってみようとか思い描いていた。それが何を間違ったのか、もう9月も残り10日しかないでござる。これはスペイン激走の予感。

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 どうしてこうなった

 予定がどんどん遅延するのは長期旅行あるあるなのだけど、ヨーロッパの場合は滞在期限が定められているためそんな呑気なこと言ってられないのが問題で。南米みたいに気付いたら2年近く経過していた・・・とかそういう旅行は出来ません。

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 南米ものんびりしてた記憶は無いんだけど

 ピレネー主要山岳地帯は抜けたと思われるが、それでもまだ600mと高尾山を越える標高を誇る場所に位置している。必然ダウンヒルがメインの走行となるので走る分には楽ができて大変よろしい。

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 景色も良いし

 しかし山々が連なる地域から抜けていくというのは下り坂のみでは成り立たない。いや個人的には川沿いに道作れば「海までずっと下り坂」が実現できると思うのだけど、現実には山岳地帯を抜けるために登り返しの道もある。

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 登ったり下ったりしつつ

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 ジャンプの記録で「レコード」か?

 40kmほど走った小さな町で一休憩とし、このタイミングで昨日アンドラで購入した新しいチェーンに交換作業をしてしまう。少なくともヨーロッパでは2000kmくらいを目安にチェーンは交換していこうと思っているので。

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 そういや交換した写真も撮ってねーな

 というかこの辺から気温も30度に迫る暑さとなり、周囲の地形も土と草木が生えない小さな山が連なる「暑い国あるある」の景色へと変わっていった。やっぱりスペイン語の国だと景色はメキシコみたいな風景となるのが定めなのか?

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 小規模なアップダウンが続く

 ようやく出てきたカレフールのスーパーに入って一息着いたけどさ、カレフールってフランス系のスーパーなんだよね。どうせスペインに入ったのならスペインのお店なり商店で補給したいというのが本音なんだけど。

 ちなみにフランスではLidlとかAldiといった、ドイツ系のスーパーはほとんど利用しなかった茶壺さん。フランスではSuperUってのが1番お気に入りでした。

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 各国のスーパーばっかり詳しくなる自転車旅行

 レリダという大きな町の手前で本日終了しようと周囲確認しながら走っていたが、上手いこと川沿いへと延びる道があり人気の無いポイントで終了することができた。やたら蚊と小さな羽虫が多くてうんざりだけど、こういう時のための蚊取り線香ですよやってやるです。

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 物価も下がって肉が美味い

 手持ちの現金が底を着いたので明日にでもATMでお金降ろさなくてはなのだが。残りの滞在日数を換算して幾らほどのキャッシュが必要だろうか?なお再出発から今までに降ろした現金はジャスト1000€である。

 2022年9月20日(火) 走行距離100km  累計117305km
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 スペイン3日目 セグレ川沿い〜マドリードから東北東に320km地点 エブロ川沿い

 灼熱だとか情熱という言葉が頭に思い浮かぶスペインであるが、流石に9月も後半の夜は肌寒い。ヨーロッパ走るにおいて、多くの人が「スペインは真夏に走ると危ないぞ」と忠告してくれたのだが、そう考えると9月こそがスペイン自転車旅行のベストシーズンなのかもしれない。

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 ブエルタ・ア・エスパニョーロも9月開催だし

 嬉しいのが太陽上がると「寒い」というより「日差しが心地良い」という感触に変わること。気温こそ昼時には30度近くまで上昇するが、湿度の低さも相まって自転車で走るには最高のコンディションだと思う。

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 最高の気分でレリダの町へ

 スペイン最初の大都市であるが、別にそんな大きな町へと寄り道したくはない。手持ちの現金が尽きたのが1つ、コーヒー豆が無くなりそうで補充したいのが1つ。この2点によりレリダでのタスクが発生したといえる。

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 上の建物は古城で良いんだよね?

 先進国でATM見つけるのは大した苦労も無かったが、コーヒー豆に関しては難航を極める。ドイツやフランスと違ってスペインのカフェは夜のバーが主体なのか、コーヒー豆を扱ってるような専門のお店が全然ないんだこれが。

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 やたら色んなお店があるクセに

 1時間以上かけてようやくコーヒー豆専門店を見つけ出し、私としてもようやく一息つけたという気持ち。

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 今回の豆はどんな味か楽しみ

 既にお昼も近いのだが、とにかくレリダの町を脱出してから先のことは考えたい。大都市ってのはなんか気疲れしてしまうからさ、茶壺さん的には中規模以下の町をお願いしたいのです。

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 そんな町だとフルーツだって貰えちゃう

 やや南西に向けて進路を取ったのはセグレ川の近くを走ればアップダウンも少なく気持ちの良い道をを走れるのでは?と思ったから。これはある意味正しくて、この川沿いに到着するまではフラットな道だった。

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 でも川沿いのサイクリングロードなんか無いんだな〜

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 そりゃあ釣りポイントも賑わうだろうて 

 ということで規模の大きな川あるあるのダム施設が出てくるパターンに。こうすると道路は川沿いから離れてしまうのが常で、おいおいこの一帯はひたすら山々が連なるポイントなんだけどなぁ。

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 ちくしょう上り坂だよ

 割とマイナー道路だからか交通量がほとんどないのが救い。私1人でノタノタ走っても全然気にならないだけでも有り難いと思うべきか。シエスタで誰も運転したがらないのかもしれん。

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 これ7月とかだったら地獄だろうな

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 40kmアップダウンばかりで補給ポイントほぼ無しだったし

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 ポルトガル→アルプス

 そういえば久しぶりに他の自転車旅行者と話して写真撮ったけど、西欧は自転車旅行者無数にいたからさ。一々すれ違った程度で話たりしないというだけ。だってドイツとか下手すりゃ1日50組くらい自転車旅行者とすれ違うんだぜ。多分この夏における日本走った自転車旅行者総数より多くのフルパッキンサイクリスト見てるぞ私は。

 小高い丘の上に位置するカスペの町で食材補給。物価下がった関係で、スーパーにおける食材選択肢が増えて買い物が楽しいぞ。ビールだって1€以下で色々好きなのが選べる喜び。

 そのままエブロ川の河川敷へと移動してテント設営し本日終了。ずいぶん広大な敷地の河川敷だなぁ・・・とか思ってたけど、ヤギとか羊を放牧させてるとは思わなんだ。久しぶりに牧羊犬が働いてる姿を見れてなんか得した気分。

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 ってことは明日朝またここを通るのかな?

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 ビール1リットル瓶が売られてたので、つい

 テントから見えるカスペの夜景と星空が綺麗な夜である。

 2022年9月21日(水) 走行距離99km  累計117404km
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 スペイン4日目 エブロ川沿い〜マドリードから東北東に約270km サラゴサの町

 このエブロ川って貯水庫みたいな雰囲気なのだけど、今夏の小雨を反映してか水量が少ないこと。昨日も川に水浴びしようとしたけど遠すぎて途中で引き返したくらい水量が少ない。なお水浴びはテント脇から流れてた湧き水で行った。

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 むしろそれに気づいたからこそのポジション

 ここから西にあるマドリードへは、大まかに南下して進むルートと北上して進むルートの2パターンがある。どっちを選んでも良かったのだが、連日の野宿続きでPC関連の電池容量がもう無いのとブログの予約記事ストックも底をついた関係で大都市サラゴサへ向かう北上ルートを走ることにした。ロマンのない選択だと思うけど、まぁそういうこともある。

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 別に南ルートが面白い道かは分からないし

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 お、ここも巡礼の道らしい 

 2ヶ月半前にヨーロッパ入国した時は、ちょいちょい図書館やファストフード店を活用して充電とかネット作業してたのだが、今はなにしろ滞在期限がヤバイ。キャンプ場のWi-Fi使って走り終えた後に作業するという方式で時間節約している。お金はこっちの方がたくさん使うので一長一短だな。

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 しかしスペインはさ

 何というかピレネー山脈越えただけでこうも景色が変わるものかと驚いている。国境なんて人が勝手に引いた見えない線でしか無いはずなのに、スペイン入って完全に「暑い国の風景」が広がっていると不思議な気持ち。

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 荒涼とした土地に岩盤とかメキシコやオーストラリアを思い出すな

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 お昼休憩ポイント

 やっぱフランスは気合入れて土地をひたすら農地に転用してるのが大きいのだろうか?スペインでも大規模農園とか結構見かけるんだけど、個人の農家が畑を耕しているフランスと違ってスペインは会社主体の農場なんだよね。

 結果、人の過疎区域ではこうした風景が目立つ。そう考えるとスペインの人口って5000万人弱らしいけど、6000万人のフランスと比べて都市部への一極集中が激しいとかあるのかな?私、気になります。

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 そんなこと考えたりしつつ走る

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 何も考えてないことも多いが

 州都でもあるサラゴサの町が近づくにつれて道中に出てくる町のレベルが明らかに上がっていくのが面白い。煉瓦造りの家だったのが、どんどん近代的な家々へと変わっていくのは早回しでスペインの建築歴史を見ているかのよう。

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 そしてどんどん交通量が増える

 サラゴサ到着した時にはもうストレスマックスですよ!スペインは広い側道が完備されてることもあって、完全に町より郊外が走りやすい国だからさ。都会に入るときほど嫌なことはない。

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 しかも町が近代的すぎてあんま面白くない

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 軽く中心部まで行ってすぐ脱出

 町外れギリギリの場所にあるキャンプ場にチェックイン。テント設営してシャワー浴びたらとにかく充電&ネットの体制に入りますよ。このために13€も支払ったんですよ私はよ。

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 夕食はともかくネットネット

 現代の旅行者特有の情報やれネットに振り回される状況を良しとは思ってないんだけどさ、それでも限られた日数でこんだけ色々ヨーロッパを回れてるのはネット情報の恩恵に預かっているからでもあるんだよね。難しいところだ。

 2022年9月22日(木) 走行距離109km  累計117513km
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 スペイン5日目 サラゴサの町〜マドリードから東北東に209km地点 巡礼の道休息地

 昨夜いつまでもPC弄っていたのは滞在期限が迫るなか、どうにかして廻りたいルートを経由しつつヨーロッパを脱出できないか・・・という無理難題を達成しようと試みていたから。

 結論として「毎日150km以上休まず走り続けなければ無理!」ということが分かった。理解はしたけどさ、そんなの無理というか既に1週間以上連続走行していてむしろ休息日が欲しいレベルの私に何という仕打ち・・・

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 なのでプラン変更しようかと

 とりあえず当初目標だったスペイン首都のマドリードは目指さずスルー。このまま南下する方針を取りたいと思います。でもお題目の起点にしてる町はマドリードのままだけど。まぁそのうち訪れるよきっと。

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 こんなこと調べてるうちに11時近く

 まぁとにかく出発だ。ヨーロッパの滞在リミットまで残り2週間を切っているのであり、どんな計画建てようとも「のんびり」するプランは存在しない。

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 まーた荒野に逆戻りだ

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 スペインはかなり自転車乗りに親切な国の印象

 このN211号線もまるで高速道路のような造りでありながら、側道の幅がしっかり取られており自転車的には非常に走りやすい道。すぐ脇を高速道路が通っていることもあって交通量は少ないし、そりゃあサイクリストとすれ違う回数も増える。

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 多分2〜30組みはすれ違った

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 直訳すると「おっきなワイン」

 低地に位置してたサラゴサの町だが、どうやらスペインは内陸向かうと標高が上がっていく模様。緩やかな坂が続くのでそれほど大変ではないが、気づけば標高700m近くまで登っており、しかもこの先本格的な上り坂がみえるのだけど。

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 ただ今日は追い風なので大部楽ちん

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 約950mでフィニッシュか

 昨日調べ物で遅くなってしまい、夕食も摂らずの遅い就寝だったことが響いているのか、謎に腰が張っている。走り続けてると鈍痛に変わって困るので、ちょいちょい休憩を入れてストレッチ挟んだりしてる。

 それだけでも大変なのに、山上に出たことで風向き変わったのか強烈な向かい風が吹いてくる始末。あんまり風を防ぐような遮蔽物もないのでひたすら風と喧嘩しながらの走行に。

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 メジャーになれないマイナーの町

 やったら苦労してダロカの町に到着する。ようやく落ち着いて買い物できると思ったら、この町中心部が石畳のタイプの町だったよ。歴史ある町なのか知らないが、疲れた体に勘弁して欲しい。

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 アスファルト敷けばいいと思うよ

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 そんなに水要らないぞ 

 割合大きな町だったので安全を期して町から少々離れた場所にテント張ろうと移動する。すると川沿いに自転車道があるのであり、それどころか自転車旅行車まで出てくる始末。

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 スペイン周遊

 どうやらここも巡礼の道の1つとして活用されてるルートらしく、そういう道には巡礼者の助けとなる給水場だったり休息地がちょいちょい出てくる幸せ。ということで本日の野営地は素晴らしい場所でテント張れることとなりました。

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 今日はしっかり食べるぞい

 巡礼してなくてもこんだけお世話になってると、やっぱりサンティアゴ・デ・コンポステーラの町行ってみようかな?という気持ちにさせる。その前にまずヨーロッパのオーバーステイ危険を気にしなさい。

 2022年9月23日(金) 走行距離93km  累計117606km
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 スペイン6日目 巡礼の道休息地〜マドリードから東に218km地点 トゥリア川沿い

 身体だっるぅ〜。その感覚が1番よく分かるのって寝起きのタイミングだと思うんだよね。基本的に旅行の最中は目覚ましは使わず、日の出と共に起きる生活を続けているんだけど、明らかに動き出す時間が遅くなっている最近。

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 目が覚めても身体が動かないんですよ

 とはいえ何時迄もここにいる訳にもいかない。昨日であったオッちゃんが「明日はここで結婚式があるんだぜ!」と言ってたのは間違いないようで、9時過ぎには業者っぽい人たちが飾り付けの作業をしにやって来たし。

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 邪魔にならないうちに退散します

 有難いのが今日も追い風が吹いているという事実。昨日と違い標高高い場所スタートなので、上り坂の苦労はないし、進路は大まかに南南西に一直線のため、変に曲がって風と喧嘩する可能性も少ない。今日は楽して走れる1日ということにしよう。

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 むしろ楽しないとそろそろ動けなくなるぞ

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 しっかしスペインはそこら中に休憩スポットあるな

 雲が多くて日差しも弱く、ともすれば肌寒さを感じるほど。それくらいの気温が自転車的には1番良いコンディションだと思っているので、本当に今日は抜群の日なのかもしれん。

 30kmほど走ったところにある小さな町で、昨日終了直前に出会ったサイクリストの姿を発見。休んでいたので「お疲れさ〜ん(意訳)」と声をかけたら、折角だし一緒にカフェで一杯やろう!とお誘い受けるとは思わなんだ。

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 スペインはコーヒーイタリアスタイルが多いらしい

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 バルってこんな雰囲気なのか 

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 トスターダというスペイン伝統の朝食

 スペインのバルに入るの始めてだけど、これすっごく雰囲気良いな!この先のルートからスペインにおけるおすすめポイントやアレコレ教わったりしてすっごく楽しいぞ!こういうのが旅行に色合いを付けるんだよね!とか奢ってもらった人は言う。

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 ありがとうございました

 お礼言って走行再開。いくら生ハム挟んだトスターダ食べたとはいえお腹が減るので昼食休憩挟んだり。なんだかんだスペインは適度な距離に町があるので補給がしやすい良い国だ。

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 お昼はバス停っぽいポイントで

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 ひたすら地平線へ向かう道が続く

 スペインに入ってから久しぶりに陽炎を見たし、今日もひたすら逃げ水を追いかける走行が続いたりと暑い国特有の気性が見え隠れ。やっぱり日中になると30度近くまで気温も上がるし、ここは灼熱の国、スペインなんだよね。

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 ひたすら走り続けてテルエルの町へ

 こんだけ広大な高原があるのにもかかわらず山に沿った斜面に作られたテルエルの町。旅行者的には建物が立体的に出て来て迫力あるし面白いけどさ、町中走るとアップダウンばかりで大変でしょう?

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 どうなのよ?

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 でもこの階段は流石の一言

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 折角なので上からも撮ってみたり

 古今東西立体的な作りとなってる町は多々見てきたけれど、その多くが地形条件に「合わせて」
町を作っているんだよね。特に意味もなく山の頂上に修道院立てたりしまくってるスペインはアホだなぁと思ってたけど、個人的にそういうの大好きだからもっとやれ。

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 謎に高台を繋ぐ橋(2本)とか素晴らしい

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 私は通過した後戻って下へ降りた人

 テルエルちょっと過ぎたポイントで終了しようと考えていたが、意外とこの辺農地が多くて身を隠せそうなポイント見つけるのに手間取ってしまう。最終的に川沿いの未舗装サイクリングロードからちょっと外れた場所にテント張って終了。お疲れ様でした。

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 明日がスペイン初の日曜日なので

 用心して2日分の食料を買い込んでおいた。昼に聞いた限りで大きな町以外は基本スーパー営業してないらしいし正解だと思う。そういうことなら明日はのんびり活動にしようかなと思うんだけど。

 2022年9月24日(土) 走行距離107km  累計117713km
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 スペイン7日目 トゥリア川沿い〜マドリードから東に約210 km ランデテの町

 やっぱりスペインも日曜日は小売店が完全休業する国である。それを見越して昨日の時点で2日分の食材を購入してはいるのだが、ここはヨーロッパの慣習に倣って日曜日くらいは極力ゆっくりする方針で活動したい。

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 というか少し休まないと身体が限界

 そんな感じで9時過ぎの起床、荷物まとめて走り始めたのも11時前という感じ。これに加えて本日は緩やかな下り坂が続く行程となっており、のんびりしつつも移動できる日となっている。ハズ。

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 天気も曇り空で気温も低い

 というか標高900mくらいあるのでむしろ肌寒い。スペインの内陸部は割と標高1000m近い高原地帯が多いようで、真夏の時期はともかく秋口の今だと天気と時間帯によってはかなり冷え込むようである。

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 日が出ると暑いんだけどさ

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 しかし面白い地形が続くな

 ゆっくりと坂を下っていくので自転車的には非常に楽ができる道。そろそろこの高山地帯も終了して平野部に突入するのかな?とか考え始めたアムデスの町。ここを境に一気に上り坂へと切り替わってしまい、しかも斜度厳し目な上に距離まで長いときたもんだ。

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 どうなってんだよ

 今日は楽できるルートじゃなかったんかい!と誰にツッコミを入れることも出来ず、結局スタート地点より標高高い1150m近くまで登流ことになろうとは。大汗かいちまったじゃねーか。

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 今日は楽できる日なのでは?

 そのまま高原地帯を走ってランデテの町へと到着する。予定ではこの町で水補給したら終了しようと考えていたため、とりあえず水道探して町をフラフラ彷徨う感じに。

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 そしたら「頑張れよ!」と軽食頂いてしまった

 本当ゴメンなさい。もう今日は頑張るつもり微塵もないけどしっかり食べ終え水も補充して町郊外へと向かう。町中央に流れていた川沿いでキャンプできる場所あるだろう・・・と川沿いを探して走るのだが、途中で泥地帯にハマってしまい自転車ドロドロにされたのは計算外。

 慌てて町に戻り、さっき補充した水道の水使って大清掃が始まるとは思いもよらなんだ。あらかた泥を落としたところで今度は川の対岸を下って野営場所を探す。茶壺さん諦めまへんで。

 首尾良くテント張る場所見つけて一息ついたは良いのだが、既に17時前でいつもとそれほど変わらぬ終了時間になってしもうた。まぁそんなものか。

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 それでも普段よりだいぶ早い夕食に

 最近マットがヘタってきたのかクッション性が落ちて、眠りが浅い気がする今日この頃。果てさて今夜はぐっすり眠れるかどうか?そこんところが問題だ。

 2022年9月25日(日) 走行距離65km  累計117778km
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 スペイン8日目 ランデテの町〜マドリードから東南東に約235km ビリャトヤの町

 昨日の日記末尾から拾うならば「ぐっすり眠れ過ぎてまいったぜ」という感じ。別に起きるのが遅かった訳ではなくて、本当に寝心地の良い場所だったのだ。そんなワケで気分良く出発準備していたらテントを畳むタイミングでポツポツと雨が。

 テント内に逃げ込むか、荷物を撤収して急いで出発するか、難しいタイミングだったが後者を選択。大急ぎで荷物をまとめて雨をしのげる場所まで移動する。

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 ガソスタがあって助かった

 軒下へ逃げ込んだ5分後には大雨に。運が良かったといえるのだが、ここは敢えて「私の感が冴えていた」ということにしたい。長期旅行をしてると「如何にして雨を避けるか」というのは重要なスキルで、今までの経験が上手いこと味方してくれたのだと思いたい。

 物の30分で天気は回復したため、改めて出発である。丸2日ほどネットに触れてないため天気予報がどうなってるのか予想もつかないが、かといってあのまま止まり続けていても仕方ない。自転車旅行は度胸と勢いだ。

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 路面が多少濡れている

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 風力発電で追い風だと気づいたり

 1時間ほどは調子よく走れたが、再びどす黒い色した雨雲が。これはヤバい早いとこ雨をしのげる場所へ逃げなくては!と思っているとタイイング良く出てくる村。スペインの田舎なんて下手すりゃ2〜30km人家の1軒も出てこないこと珍しくないのであり、これはツイてる!

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 大きめの屋根があったことも幸いした

 どうにもならないのでお昼休憩でパスタ作る。こんな調子じゃ今日はほとんど走れないかもしれないぞ、あんまり時間的余裕ないのに・・・とか思いつつの昼食だったが僅か1時間で空は一面青空に。

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 スペインの天気は分からんなぁ

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 爽快な姿のオブジェだけど1時間前は土砂降りだった

 お腹も膨れて調子よく走りウティエルの町へ。地味に日曜を挟んで2日ぶりのスーパーであり、有り体に言えば「今日ここまで来れないと食料的にマズかった」といえるため一安心。いやまぁ米くらいあるけどさ、それじゃあ寂しいじゃん?

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 ちょっと町中散策して

 FreeWi-Fi見つけ出してネットしたり。スペインって国は中南米諸国の元支配国家だし、町の造りとか似てると思っていたんだけどさ。中南米と違って町の中央にパルケ&カテドラル(大聖堂)セットがないトコ多いんだよ。

 このパルケこと中央広場に大概FreeWi-Fi飛んでるってのがスペイン方式のお約束だったのにさ。何が悲しくて銀行のWi-Fi拾ってスマホ弄っているのだ私はよ。

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 おかげで助かりましたが

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 ひたすらブドウ畑の中を進む

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 トラクターが通り過ぎるとブドウの香りが凄い

 標高一気に300mほど下げた渓谷に位置する小さな町にて本日終了しようと青写真を描いてた私。予想通り人口300人にも満たない村で、川沿いにキャンプ可能な良い感じの休憩所まで完備している。

 これは良かった助かった、と胸を撫で下ろしたタイミングで本日3度目の正直ならぬ雨が来る。1日走り終えて疲れたタイミングでテント張るのだからさ、そんなチャキチャキ動くワケ無いのだけれど、今日ばかりは怒涛の勢いでテント設営し雨が本降りになる一歩前に何とかエスケープ。

 雨に始まり雨に終わった1日となったのだが、いずれも1時間とかからず降り止んだな。スペインの雨ってのはそういうモノなのか?

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 テーブルあったし標高下がって暖かいのでテーブルで夕食

 ところで「如何にして雨を避けるかのスキル」だっけ?そんなもん運に決まってるだろうが!と、今日の経験を糧に私は声を大にしてお伝えしたい。そんな感じ。

 2022年9月26日(月) 走行距離86km  累計117864km
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 スペイン9日目 ビリャトヤの町〜マドリードから南東に219km地点 サイクリングロード沿い

 寒い場所で川沿いだとよくあるのだけど、朝靄が激しくて天気悪いと勘違いしそうになる朝だった。だって辺り一面真っ白でガスってるんだぜ?

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 幻想的でしょ?

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 落ち着けばこんなもんだけど

 なおこいつの問題は天気を勘違いしそうになるとかそんなことではなくて、テントが夜露でビッショビショにされるという点。そうなると乾かすのに余計な手間かかるから出発が遅くなるんだよね。

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 ようやく出発したの10時前ですよ

 谷底でのキャンプだったので初手から上り坂。でも朝一ってのは私も体力回復してる状態なのであり、多少の坂道(300mアップ)なら問題にならないぜガハハハ。というか何時までスペインの高原地帯は続くのですか?

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 飽きるまでだよ

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 そっち渡っても良かったな 

 スタートして僅か20kmの町で昼食購入してるのだけど、最初の上り坂に1時間そこから町までもう1時間でちゃんと12時前になってるじゃないか!朝が遅いとこんなもんだよね。

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 地平線ばっか

 言い訳しとくとさ、9月も後半になるとヨーロッパも日照時間はかなり短くなっていて、しかしサマータイムという制度が未だ帰属されているワケよ。なので日没は20時とか遅いんだけど。

 つまり朝の7時ってまだ空は真っ暗な状態ということで、正直活動するには早すぎる時間帯だといえるのだ。今朝だって私が動き出した時に隣のキャンピングカーは微動だにせず熟睡中だったっぽい。寝坊してるワケじゃないぞ。

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 風でひん曲がっちゃった?

 連日吹き続ける風の強さにはもう言及する気にもなれないが、何とか走り続けられるのは逆風ではなく横っ風だから。これだとフラつきはしても極端にペース落とされることはないので頑張れる。

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 そんな感じでアンバセテの町に

 久しぶりの大都市なのだが、町の突入からして自転車の侵入を惑わせる酷い造り。高速道路ばっかり直線的に入れる道路構造なんてぶっこわしてしまえ!と思うくらいには大変な思いして町中へ。

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 でもなぁ

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 正直スペインの都市はあんまり面白くない

 何というか町並みが近代的すぎるのだ。そりゃ住み良いかもしれないけどさ、コンクリ造りの高層マンションが立ち並ぶ都会なんて旅行者としては興味がない。むしろ東京のコンクリートジャングルを思い出すのでやめて欲しいというのが勝手な感想なのだ。

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 他の西欧諸国はもうちょっと趣が違ったんだけどな

 ぐちぐち言っても仕方ない。私がやりたかったことはスーパーで食材を補充してこの先のルートを考えること。そういう意味でネットを拾いやすい近代都市に何の不満があるというのか。

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 スペイン初のサイクリングロードで町を抜ける

 そのまま10kmほど道沿いに進み、当てにしていた水場が干からびてるのを確認したところでやる気無くして近くの植林地帯に自転車突っ込み本日終了。久しぶりに身体洗えないでフィニッシュだな。

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 まぁそういう日もある

 昼間あれだけ吹きまくってた風が夜になるとピタリと収まるの納得いかないんだけど。割と世界各国どこでも似たようなイメージで、夜になると風が吹かない地理的な要因とかあるのだろうか?それが分かったとして対処の仕様もないけれど。

 2022年9月27日(火) 走行距離91km  累計117955km
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 スペイン10日目 サイクリングロード沿い〜マドリードから南南東に234km地点 廃道脇

 西欧における面積大きな国というとドイツ・フランスと並んでスペインが思い浮かぶのだけど、前者2カ国は全体的に平坦な地形が多くて距離稼ぎやすかった関係でか「大きな国だな」と感じることは少なかった。

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 ところがスペイン

 この10日間ほとんど標高の高い場所ばかり走らされており、アップダウンの繰り返しからどうしても1日に走れる距離が減る。必然的に同じ時間走っても地図上での移動距離が少なくて「スペイン走っても走っても全然先に進まない。でっかい国だわ・・・」と思ってしまう。

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 錯覚とはこうして起こるのですね

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 いや景色も広さを感じさせるな

 珍しく真っ暗な7時に目を覚ましたので出発も早かった。これの何が嬉しいって連日吹き狂っている西風が朝だと風力弱いこと。このチャンスを逃す手はないぞ!

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 1時間くらいで強風になっちゃったけど

 しかしこのバラソテの町まで来たことが大切なのだ。というのもバラソテより向こう側は左右に小さなな山の間を抜けて進む道。つまり地形的に風の影響を受けづらいポイントとなるのだ。

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 昨日地図見ててそんな地形だと思ってたんだよ

 高原地帯と異なり森林と植林とで防風林の役割も果たしてくれる地形となっており、道路が南方向へとカーブするまでこの環境が続く。つまり正面からの風を受けなくなったタイミングで高原地帯へと戻ったワケだ。

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 何時の間にかまた標高1000m超えてたよ

 何とか正面から強風を受けることなくやり過ごす形で進むのは良いが、この辺ど田舎なのでしっかりしたスーパーのあるポイントが少ない。少ないだけならまだしもシエスタで14時から一時閉店してしまうため、呑気にしてると食材買えない可能性も出てくるのであり、今日順調に走れて本当に良かった。

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 この町では既にお店は閉店してたし

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 いよいよアンダルシアに突入!

 アンダルシアと聞くと個人的には「那須アンダルシアの夏」という自転車映画が思い浮かぶ。話はブエルタ・ア・エスパニョーロという自転車大会の時期なので、まさに9月の話だしさ。これは那須のアヒージョ漬けでも食べたくなるな。

 それより私が欲しているのは身体を洗えそうな川なのだけど、昨日に続いて今日も当てにしていた川が干上がってるのか見つからず。割とスペインは何処でも水が豊富にあるのにさ、川に関しては干上がっている場所が多いよね。

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 仕方ないので今日も水無しの高台にて終了

 廃道の脇にあった広場は周囲に木々がなく、最初は「風吹かれまくりで嫌だなぁ」とか思ってたけど、夜になると風止むから問題なかった。空一面の星を見るのは割と久しぶりかもしれない。

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 そんなことより飯とビールが美味い

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 オマケのもう1枚 

 2022年9月28日(水) 走行距離108km  累計118063km
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