自転車ときどき世界1周

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 モロッコ2・3日目 タンジェの町

 ようやく休息日。とにかくモロッコ入国して物価下がったら数日何もせずに体を休めよう!と思いながらヨーロッパ後半走ってたくらいには必死だった茶壺さん。

 その反動とまでは言わないが、いやはや身体が動かないのを気にもせず寝まくる。一応9時半からフリーの朝食があると聞いたので、そのタイミングに合わせて屋上のテラスに行ってみたりしつつ。

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 お、意外としっかりしてる

 ほったらかしてたブログのあれこれ更新したりしつつ、小腹も空いたしと町中を少々出歩いてみたり。モロッコの旧市街ことメディナはとにかく迷路のような狭い路地となっているため自転車より徒歩で動き回るのが正解。

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 だってこんな道

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 どう考えても走りづらい

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 注文して食事が出てくるって楽で良いよね

 自転車なければまず声をかけられることのないヨーロッパと違い、モロッコで東洋人が1人フラフラしてるのは格好の鴨。アチコチから声かけられるのは良いんだけどさ、個人的に「ヘイチャイナ!」と言われるのはなんかヤダ。

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 南米でも東アフリカでも経験したことだが

 まだ体重たいので無理せず宿に引きこもり、ダラダラとネットして遊ぶ。日本も合わせると4ヶ月くらい外に出っ放しだったのだしこれくらいはね。

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 夜景が良い感じの町だ


 翌日。モロッコはかなり長逗留を考えているので連絡用SIMカードがあっても良いだろ!の精神で適当に町中を散策し、カード販売してるお店を見つける。

 カード代に5G分の通信量チャージしてもらって70ディルハム(約920円)か。アクティベート(回線の開通作業)なんかは店長のオッちゃんがあっという間にやってくれて僅か5分で使えるように。ここら辺の手間は多分日本の1/10くらいだと思う。

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 私は何も作業してない 

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 ご飯ばかり撮影してる

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 アラブの国だからか猫の数が多い

 声かけてくる輩と適当に話ししてるとそのままお店に連れ込まれ、逃げ出しにくい2階の奥まった席に座らされてひたすら「この絨毯はどう思う?」とアレコレ見せ続けれられる。

 「良いね」とか適当に返事すると、そのまま「じゃあ幾らでどうだ?」となる詐欺と紙一重の悪い商売してるの体験すると「途上国に来たんだなぁ」という気持ちがして感慨深くもある。

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 新市街だとそういうイベントないのだろうか?

 私もそれなりにこういう商法相手にした経験あるから気にならないけどさ、なるほどヨーロッパと対比すると確かにモロッコ人はウザいと思わないではない。

 せっかくなので市場で材料購入し、残ってた米使って炊き込みご飯作って夕食に。実はちょっと前に購入した醤油がすぐ中身漏れてしまう貧弱なフタで、早いとこ使い切ってしまいたかったんだよね。

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 そんな感じで過ごすタンジェの日々

 2022年10月6日(木) 走行距離0km  累計118674km
 2022年10月7日(金) 走行距離0km  累計118674km
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 モロッコ4・5日目 しつこくタンジェの町

 ま〜だ体重たいなぁ・・・と感じる朝の目覚め。あんまり動かない日々が続くと身体は元気になってもテンションの方が落ちてきてしまい、気分を盛り上げる方が大変だったりするので休み過ぎも良くない・・・と思ってるんだけど。

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 そもそも旅行は休みではないのか?

 宿に日本人旅行者がいたためついつい話し込んでしまった午前中。よく考えたら再出発して以来、初めて日本人の長期旅行者と出会ったな。彼曰く4ヶ月で日本人とは4〜5人出会ったとのことで、ようやく海外旅行者の数も増えてきたのかもしれない。

 日本人の海外自転車者にしても私が知ってる範囲で4人(組)ほど海外を走っているし、2人ほど近々出発予定と聞いている。また邦人ワールドサイクリストが増えてくると思うとちょっと嬉しい。

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 とか思いつつ

 落ち着いたのもあるし、そろそろカレーが恋しくなってきたのでスパイス探して町中を練り歩く。モロッコは香辛料で有名な国だとあったし、そもそもタンジェの町に入った時点でそういう匂いが町の至る所で香ったし。

 市場なんかでやっすいスパイス帰るだろうと思っていたが、ターメリックとかコリアンダーみたいな単語が上手く伝わらず、かといって見た目や匂いだけでは私も判断しきれない。

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 お、コーヒー豆取り扱ってる(1種類のみ)お店が

 結局ちょっとお高めっぽいスパイス専門店で購入となってしまい、基本4種のスパイスとカレーで合計120ディルハム(約1580円)となった。多分相当高いヤツ買わされたとは思ってる。まぁこれで7〜8回はカレー作れると思えばそんな高くはない。

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 君がクスクスですね

 まだ疲れが残ってる感じもするので夕食はレストランで済ましそのまま就寝。既に5日連続でビール飲んでないけどまぁイスラム系の国に入る時点でそれは覚悟してた。


 翌日。そろそろ出発しようかな・・・とか思いつつ。一時は5台もあった旅行者の自転車群もいつの間にか私を残し全て消えてしまったし。明日!明日には出発しようと思って延泊の申請をする。

 かといってそんなに町ブラするワケでもない茶壺さん。流石に多少は町の構造覚えて完全迷子になることもなくなったメディナだけど、ちょっと気を抜くと自分がどの方向に進んでいるかも怪しい路地はなかなか大変だ。

 せっかくなので夕食カレー作ろうと食材ちょこちょこ調達し、食堂で軽くふっかけられたり悶着ありつつもお買い物。

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 我が物顔で鎮座してるな

 宿にて随分久しぶりとなるカレーの作成だ。なお「スパイスカレー」と「スパイスを使って作る普通のカレー」は全然別物で、今回作ろうとしてるのは後者の方。カレールーがあればこんな苦労しないのであり、日本ってのはそういうところ本当に優秀だと思いますよ。

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 手間と時間がかかるからさ

 ネット使って調理順序確認しながらだったので問題なく完成だ、あぁ良かった。ここまで時間かけて失敗してたら目も当てられないし。

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 これでビールがあればなぁ

 んなこと言ってるが、別にモロッコは酒類完全販売禁止の国ではない。ただちょっと販売されてる場所が限定的だったりして、わざわざ買いに行くのも億劫だし・・・とかそんな理由。別に走った日でなければそんな毎日ガバガバとビールばっかり飲みませんよ茶壺さんは。

 2022年10月8日(土) 走行距離0km  累計118674km
 2022年10月9日(日) 走行距離0km  累計118674km
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 モロッコ6日目 タンジェの町〜フェスから北に約170km テトゥアンの町

 それではモロッコ本格走行を始めようかと思う。下手に都市部滞在が続くと身体は楽なんだけど、お金バンバン使ってしまうので精神的な焦りはやや大きい。バランスが大事なのだよ。

 無料の朝食だけじゃ足りないのは分かってたので、昨日のカレーを併せて頂きます。何と計算し尽くされた無駄のない計画・・・とか自分でもほれぼれしてしまうけど、ここはモロッコ。スタッフが朝食開始を30分ほどぶっちぎった関係で、走り始めたのは10時半とかになっちった。

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 まぁ誤差だよ誤差

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 しかし思った以上に洗練されるなタンジェ

 個人的にモロッコという国は、アフリカの玄関口且つ観光国としても人気が高いという共通点から、東のエジプトに対をなす存在だと思っていたのだ。西のモロッコで多分似たような感じなんじゃないかと。

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 両方アラブの国だしさ

 どっこいモロッコのレベルの高さはエジプトとは比べ物にならないわ。建物だけじゃなくて道路の路面状態も交通マナーも遥かに格上だ。走っていてもクラックションがほとんど聞こえてこない国ですよモロッコは。

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 こいつぁありがてぇな

 タンジェの町を抜けてN2号線という大きな道路に沿って進む。町抜けたらもう砂の世界かと思ったが、景色的には多少の木々も生えているし家畜の放牧も盛んに行われている。アンダルシアから植林の木々を無くすとこういう光景が広がるのだろうと思わせるな。

 一応ここで「砂漠」という単語を使ってないのは砂漠の定義が「年間降水量が200mm以下の土地」を示すとお勉強したから。なので南極大陸はほとんど砂漠だし、多少の木々が生えていようと砂漠の可能性は捨てきれない。

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 地理は面白い

 350mほどの峠を1本越えて下りきった先がテトゥアンの町。まだ15時だしこのまま先へ進んでも良いのだが、一応の目的地としてるシャウエンの町が「今日中にギリギリ辿り着かない」くらいの距離にあるんだよ。

 明日到着するなら何処で終了しても変わらないかな・・・という消極的な理由で訪れるテトゥアンは世界遺産認定の町らしい。

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 このメディナがそうなんだってさ

 正直言うと、もう最近認定された世界遺産なんて微妙だったりショボいのがほとんどで、当初の「顕著な普遍的価値を保護して残す」なんて理念より、観光客を集めるために付ける箔くらいの存在になってるだろう。

 だから私も最近は世界遺産がどうこうと語ることはほとんどないし、世界遺産であることは私がその地を訪れる理由にはなっていない。そこへ行くかどうかは「ワクワクするか」が1番大切。

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 ロマンが要るんだよ旅行には

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 あと糖分な

 散々迷いまくった上にメディナだと地図も役に立たないわ、調べた安宿は見つからないわ、モロッコ人に連れられて向かった宿で妥協して終了。疲れるな、旧市街は。

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 宿の目の前が王宮らしい

 ビール飲みたいけど酒の販売所が何処かも分からずコーラで我慢。いや汗かいた身体にコーラは最高の飲み物だと思うけどさ、やっぱりアルコールが欲しいようです茶壺さん。

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 これもタジン料理なのかな?

 2022年10月10日(月) 走行距離62km  累計118736km
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 モロッコ7日目 ティトゥアンの町〜フェスから北に約130km シャウエンの町

 ひっさしぶりの個室宿だったけど、シャワートイレに洗面所も外に位置してる部屋だと正直ありがたみは薄いというか。いちいち部屋の外出るのに鍵かけるの面倒くさいんですよ。

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 ベッドも2つは要らないし

 やや曇り模様の天気で走りやすそうな気候。実際外気温22度とか表示されてるので「暑い」なんてことないのだけどさ。海沿いの高い湿度とモロッコの強い日差しがやたら暑さを感じさせる。

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 こっからは山間部の走行だけど

 決して厳しい斜度の坂道じゃないけれど、昨日と違って側道の路面状態が酷くて走りづらい。ちゃんと車道側は新しいアスファルトできれいに舗装し直されてるのにさ、どうして側道だけ手を抜いちゃうのかな?

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 嫌がらせか

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 途上国あるある道路脇にて野菜の販売

 峠1本越えたところでなだらかな下り坂を挟み、もう1度登りきった所がシャウエンの町。こういう「登って下がる」系の道は頂上にたどり着いたときがテンションのピークになりやすい。

 でも今回はその最高のポイントでポツポツ雨が降り始めてしまい、雨+途上国の信頼できない路面+下り坂・・・という無茶苦茶危険なダウンヒルになってしもうた。神経使うし集中力が必要だ。

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 お、シャウエンの町が見えた

 んでこの町。理由は諸説あるようだが町全体が青色で塗られていることで有名。シャウエンといったら青い町、むしろ町が青いことで観光客が集まってくる・・・ならば一層青く塗ろう!という循環ができているのではと疑わせる。

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 そんなシャウエンの町だけど

 流石に「町全体が青色」というのは誇張表現だなこれは。メディナの中が観光客の数も多くそれに準じて青色に塗装している箇所も多いけど、写真マジックで上手く構図を決めないと「一面青色の町」にいるようにはとても見えない。

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 奥の方に塗り残しが

 いや私はシャウエンの町が本当に青一色だったら「昔からここに住んでた人大変だな!」という気持ちでいたので、そんなことなくて本当によかったと思っている人で。

 だって理由はともかく「この町では今後建物外観を青色で統一するように指示が出た!町民は例外なく協力するように!」とか言われたらさ。少なくとも私だったら文句言うし、大量のペンキ代やれ塗装の手間はどうなるの?とか思ってしまう。

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 だから実際の姿を見てみたいと思っていたのだ

 ともあれモロッコでも有数のスーパー観光地となっており、観光客向けのバカ高いレストランが軒を連ねている一方で大衆食堂は何処にあるの?散々歩き回っても市場が何処にあるかも分からないし、自炊するのも大変そうだ。

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 食事してるとやたら猫が寄ってくる

 でも宿の料金お安いのもあり、何日かシャウエンの町見て回ろうかと思います。モロッコではスローペースを崩さないぜ。

 2022年10月11日(火) 走行距離63km  累計118799km
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 モロッコ8・9日目 シャウエンの町

 ヨーロッパでは1度も宿を利用しなかったからか、あんまり円安の影響ってのを実感することは少なかったのだけど、物価の下がったモロッコではガンガン宿を利用している。治安的にも野宿のリスクが上がったし。

 んで都市部や観光地の宿ではネットで情報がゴロゴロ転がっているため利用するワケだが、コロナ前と比べて結構値段が上がっているよう感じるぞ。単純にモロッコの物価が上がったのかもしれないが、気持ちとしては円安はモロッコディルハムにも影響してるのか・・・とか思ってしまう。

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 ユーロは米ドルほど悪くなってなかったんだ

 まぁ円安を理由に旅行をしないという考え方は無かったし、それを理由に長期旅行を避けるタイプは一生長期旅行をやりはしない。なので旅行している私が文句を言うのも筋違いではある。

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 とりあえず町中散策しましょうか

 せっかくなので一眼レフ首から下げてのスタイルで。アフリカなんかでこれやると周囲から声かけられまくること分かってるので、あんまりやりたくないのだが。せっかく写真撮るためにあるような町に来たのだし。

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 何より一眼だと色合いを強く撮ったりできるので

 かべに塗られた青色もペンキの種類や濃淡の違いがあり、薄い青色から濃い青まで多種多様。やっぱり人の手が届く場所までは着色されている割合が多い反面、2階部分などは元の色となっていることが多い。

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 こんな感じで行き止まりは全面青色

 山の斜面に作られた町なので移動は常に上り下りが伴うシャウエンの町。先ほど述べた通り家屋の上部にはペンキが塗られていないため、普通なら写真映えする高い場所からの撮影はシャウエンだと「普通の町並み」として写ってしまう。

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 ほとんど青色の町には見えないでしょ?

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 なので下から見上げたアングルが多い

 一般家屋の玄関ドアが開けっぱなしにされており、内部も青色で塗られているの見かけたりするのだけど、こういうのも何処まで意図してやっているのか知りたいな。

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 こういうのは客寄せだというのがよく分かる

 一通り町中回って満足したので市場を求めてメディナの外へ。別に旧市街の中じゃなくても青色した建物はそここに見つけることができるのだけど、こういうのは視界一面青色に染まってる!っていうインパクトがあってこそだと思うので、まぁ普通の町といって差し支えない雰囲気。

 思ったより近場に野菜もフルーツも売ってたので助かった。モロッコのレストランは量が多い!とかあったけど、そりゃ自転車乗ってない人の話だ。正直全然満足できない量なので、満腹になりたいならば自炊するのが1番良い。

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 少ないよこれじゃあさ

 宿に戻って夕食パスタ。なお私の場合パスタは1袋500gを2回で食べ切るように作ってる。もうちょい多くても良いんだけどさ、買い物するとき余りが出ない方を優先してる感じです。

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 日が落ちる前に食べれた

 そんな感じで明日出発しても良かったが、明後日まで宿の料金払ってしまったので明日はグダグダになりそう。目標9時には起きること!とでもしておきましょう。


 翌日。1日ゆっくりして特にな〜んもせず終了。多分宿の人も「この東洋人ずっとベッドの上かテラスにいるな・・・」とか思っていただろうな。

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 夕食はカレー

 2022年10月12日(水) 走行距離0km  累計118799km
 2022年10月13日(木) 走行距離0km  累計118799km
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 モロッコ10日目 シャウエンの町〜フェスから北西に80km地点 森林

 それではシャウエン出発して先へ進もうと思う。まだモロッコ北部なので安宿がありそうな観光都市や大都市が距離を置かず点在しており、割と気軽に構えている茶壺さん。

 サハラ砂漠も行ってみるつもりだけど、そうすると途中に出てくる町の数が極端に減少するのは目に見えているので。否が応でも走り続けなくてはならないだろうし。

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 その時になったら頑張ろう

 山の中腹に位置してる町なので、シャウエンを抜けたら即下り坂だろうと思っていたが甘かった。むしろ登らされていたりして、正直道を間違えたんじゃないかとドキドキした。

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 似たような景色とかいうな 

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 町の全景はこんな感じだったか

 この撮影ポイントから一気に下り坂。N2号線へと合流したところで坂道は一旦終了し、再び主要道路で南下するルートとなる。

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 実際はほんの数kmだけど

 円形交差点での分かれ道で西へと延びるRN13号線に入る。・・・のは良いんだけどさ、両側に山が聳え立つ間を通る道であり、つまり完全に山間部の上り坂じゃないですかー!結局今日も上り坂ですか?

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 上り坂だったよ!

 すぐ脇に結構大きめの河川があるんだけど完全に干上がっている始末。水が豊富な日本だと「川が干上がる」という景色は珍しいかと思うのだが、赤道に近いような暑い国では川が干上がっているのはむしろ日常。水が流れている時期の方が短いところも多い。

 これの困った点は地図を頼りに河川沿いの野営地を探すと、いざ到着してみたら水が1滴もない!というパターンに遭遇することだ。水浴びできると思ってたのに、なんということでしょう。

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 そもそもアフリカの川は汚すぎて入れないことも多いけど

 まぁアフリカは物価安い関係で宿使いやすいから良いのだ。これをヨーロッパでやられると目も当てられないというか、スペインは割とこのパターンでしんどい思いをした。

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 モロッコは今のところ全て宿泊なので問題なし

 大分内陸へと入ってきたからか、暑くても汗の流れる量が減ってきた。正確には湿度が低くなって汗が早期に蒸発してしまうから「汗をかいたように感じない」だけで、むしろ発汗量自体は増えているのだけど。

 なのでやたらと喉が渇くのであり、休憩に入ったカフェでコーラ1.5ℓを丸々飲み干してもうた。そんなに飲むとお腹が緩くなるのは分かりきってるんだけどさ、飲まずにはいられない。

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 トイレ休憩しつつ進む

 17時となり、そろそろどこで終了するか考えるか・・・というタイミングで森林地帯が出現。これはツイてる!と森を抜けた小さな町で夕食済ませ、逆走して道路から見えない場所まで入り込み本日終了。そしてもちろん周りに水はない。

 しゃーねーので濡れタオル使って全身のベタベタ拭き取りましたとも。もっと完全に砂漠地帯とかになれば身体のベタつきも軽減されるので我慢も効くんだけどさ、まだちょっと気持ち悪い。

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 夕食のタイミングで水もらえて助かった

 ちなみにモロッコは「質を選ばなければ」小さな村でも水が汲める国っぽい。レストランでも無料で冷えた水を出してくれて大変助かっている。とりあえず生水云々を気にするのは自転車乗りではない人です。

 2022年10月14日(金) 走行距離99km  累計118898km
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 モロッコ11日目 森林〜フェスから西に80km地点 キャンプ場

 シャウエンは夜結構冷え込んだけど、昨夜は寝袋使わずでも平気だった。標高下がったのが効いているのかと思われる。500mの差は如何ばかりか。

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 7時過ぎには目が覚めた

 テント泊なので朝食作るのだが、昨日買った米がやたらと不味くて大失敗。私は海外だとジャスミンかバスマティ、この2種類がなかった場合は最低でもロンググレン(長尺米)のタイプを購入するよう努めているのだが、昨日は店員が選んだ米を購入してしまったのだ。そもそも選べるほど種類もなかったし。

 日本方式の炊き方が合わないのかもしれないが、とにかく不味い米というのは恐ろしく残念なお味。個人的に日本政府が米ばかり強く守る政策には疑問を抱く(海外にも美味くて安い米はある)が、こんな米食べさせられるのは勘弁してほしい。

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 文句言っても仕方ない、出発だ

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 途上国名物、人数ばかり多くて誰も働かないの図

 山岳地帯は抜けたようで、ひたすら農地ばかりが波打つように広がる景色に。農地といっても収穫時期が過ぎているのか、刈り取られた草が目立つばかりでポツポツと牛やヤギが放牧されている程度。

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 でもこの半円状のパイプ

 スペインでも度々見かけたけれど、尽くぶっ壊れて水を運ぶ用をなしていなかったのだが、なんとモロッコで始めて現役で活用されているのを見ることが出来た。過去の遺物とばかり思っていたよ。

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 過積載のトラックも増えてきたな

 こういう細々とした点で「なんだかんだ途上国だよなぁ」というのを実感する。都市部こそ結構な発展っぷりを感じさせたモロッコだけど、観光地で外国人料金を設定していたり、やっぱり先進的な国とは言い難いところがある。それは別に悪いことばかりじゃないけどさ。

 地図で見る限り主要道を外れてショートカットができるルートがあるため入ってみることに。道路の半分くらいが崩壊しており実質1車線しかない道なのは良いのだが、相当厳しい上り坂となっており思いの外しんどいな。

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 割とアップダウンの多い国だ

 主要道と合流したポイントで遅めの昼食休憩とし、そのまま10kmちょい進んだところにあるヴォルビリス遺跡へと向かう。調べたところではローマ帝国時代の遺跡とのことで、通り道ついでに見学してみようかね。

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 とか思ってた

 あ、これ思ってたよりずっと面白い。相当大きな町だったようで広大な基礎部分があたり一面に広がっているのは圧巻の一言。ローマ帝国すげぇな。

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 こういう神殿跡みたいなのも良いけれど

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 モザイク画も沢山あるし

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 浴場として使われてたらしい場所も多い

 惜しむらくは7倍の値段でふっかけてくる外国人料金と、自転車止めておいたら「俺がちゃんと見ててやるから金よこせ」とか言ってくるモロッコ人のセコさかな。払いましたよ、そうしないと逆恨みしてそいつが窃盗犯に変貌する可能性あるので。

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 面倒臭い国だな

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 面白い観光地だけに余計そう思う

 1時間ちょい回って満足したので先へ進もうかと。時間も16時過ぎてるし近くの町で終了しようかと寄ってみたが、宿代が軒並み高くて利用できん。すると「ここから10kmくらい先にキャンプ場あるよ」と教えてもらったので、そこへ向かうことに。

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 そこそこ登って

 守備よくキャンプ場チェックイン完了。ただ下調べして来た場所じゃないので食材持ち合わせがないんだよね。近くの町まで買い出しに行かないと・・・と準備してたらスタッフが「1時間後に街へ行くからバイクに乗せてやるよ」と有難いこと言ってくれる。

 どうも助かりますと1時間後に行って更に30分待たされるのはまぁ想像の範疇だけどさ、買い物終えてじゃあ戻ろうか、というタイミングで突然「今から友達の家行くからオマエは歩いて帰ってね」とか言ってくるの勘弁してほしい。途上国モロッコなのである。

 2022年10月15日(土) 走行距離85km  累計118983km
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 モロッコ12日目 キャンプ場〜モロッコ古都 フェスの町

 おそらく利用客私を除いて全員ヨーロッパ系だったキャンプ場。そうだよね、この施設を利用するのは「車両を運転してヨーロッパから海を渡ってくるような人」ばかりだよね。

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 私もそうだよ!と言いたいのです

 残念な味のお米とラーメンで朝食としていたら、スタッフがサービスだよとモロッコ茶を振る舞ってくれるサービスが。へー!良いじゃんキャンプ場でそういうサービス珍しいし好感度上がる。一気にこのキャンプ場イメージが良くなったわ。

 そんな感じで出発

 1つ谷を跨ぐ形で15kmほど南下すると、大都市メクネスの町に到着する。過去にはモロッコの首都として機能していた時代もある由緒正しい町とのこと。昨日頑張ってこの町まで走ってしまうプランもあったのだが、ヴォルビリス遺跡が思いの外面白くて時間使ってしまったので。


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 新市街はまぁ良いとして 

 とりあえず旧市街ことメディナへと足を延ばす。自転車だから「足を回す」とでも表現する方が適切か。

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 ここも旧市街エリア 

 モロッコのメディナも幾つか見学してきたし、そんなに違いがあることはないだろう・・・とか思っていたのは否めない私。しかしびっくりメクネスのメディナは一味違う。

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 このエリアも良かったけど本番は後

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 風の道と呼ばれてるらしい

 こういう両側を高い壁に囲まれてひたすらに延びる直線的な道ってワクワクするよね。後ろから巨大な丸い岩がゴロゴロ転がって逃げる想像とかしちゃう。その時代の映画が好きなのです。

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 内部も観光色が少なくて独特な雰囲気

 単純な雰囲気では1番ドキドキさせるメディナだと思うよメクネスは。そのドキドキってのはRPGで迷宮とかに迷い込んだ感じに近いけど。具体的にいうとゼルダの3D立体迷宮にいる感じ。

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 光の加減がまた素晴らしいんだ

 そんな感じで遊んでいたが、今日のゴール予定はメクネスではない。このまま東へと町を抜けてフェスの町に行こうと思う。なのでちと名残惜しいけどメクネス出発だ。

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 都会を抜けて

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 ここまで来ればあとは似たような景色

 ツイてたのが風の向きで、まさに進行方向と同じ西から東へ吹いている。しかもフェスまではなだらかな下り坂が続く傾斜となっており、オマケにこの区間の道路は側道がしっかりしていて走りやすい。

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 ものすごい楽

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 途中の町でフェスティバルやってた

 観光客も来ないような小さな村だと英語やスペイン語で会話ができず、身振り手振りでの意思疎通に。観光業が強いモロッコとはいえ田舎じゃそんなもんです。

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 20ディラハムで食える分だけ作ってくれ!の結果

 2都市間の距離約70kmで、11時にメクネスを出発したから17時過ぎにはフェス着けるかな〜とか思っていたが、追い風パワーで15時過ぎにはフェス到着。速過ぎてビビった。

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 フェスの宿はメディナの外側にある立地

 観光地での宿探しは前に嫌な思いしたので、今回完全下調べして決め打ち方式での訪問。面白味は少ないけれど、フェスのメディナはモロッコ最大の規模だというし、迷わず安宿に辿り着ける自信が全くなかった。

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 落ち着いたところで夕食でも食べに行こうかね

 しかし日が落ちてからの活気がすごい。宿に戻っても窓の外から聞こえる喧騒はこの国のパワーを感じるようで、ちょっと煩くもありつつ悪くないなと思ってしまう。

 2022年10月16日(日) 走行距離84km  累計119067km
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 モロッコ13日目 フェスの町

 たかだか3日走った程度なのだけど、やたらと疲れた気がするというか普通に疲れてる。目を覚ました後もなかなかベッドから動くこともできずにゴロゴロしており、ようやく活動開始したのは11時を過ぎてから。

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 光の加減かやたら怖い部屋に見えるな

 とりあえずモロッコでも最大級とされるメディナ(旧市街)の見学に行くことにしよう。同じモロッコのメディナでも町ごとに結構特色があり面白いということに気づいたが、普通に考えれば日本の歴史保存地区だって場所によって趣が全然違う。むしろ同じという方があり得ないよなぁ。

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 メディナまで割と遠い

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 広場なんだけどバスの停車場になっておる

 ということで門の前に来たときで既に大汗かいてるし疲れたぞ。10月後半だというのに未だ日中の気温は30度超えてくるモロッコという国は、夏本番だったらどれほどの暑さになっていたのか?ちょっと調べたくない。

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 凄いエネルギー

 メディナ内をメインの道が貫く形で構成してるので、変な小道に入らないようすればそれほど迷いはしないタイプ。ただ迷路ってのは人を迷わす最大の要因はその「規模」こそが重要で、内部の複雑さってのは2の次なのだというのがよく分かる。

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 とにかく広い

 東西の長さが2km近い規模である上、東西南北方向感覚を失わせる曲がりくねった道と立体的な登り降りが合わさってるメディナってのはもう巨大迷路そのものだ。子供心にそういう迷路ってワクワクしたものだけど、いざ体験してみるとなかなか大変。

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 だってモロッコ人が面倒臭いだもん

 フルパッキンの自転車抱えた状態で突入なんて無謀なことしなくて本当に良かったと思いつつ。なんか市場エリアに入ったり謎の人気がない場所を通ったりしていたが、とにかく直線的に進めばメディナを構成してる外側の壁にぶち当たるだろ!とまっすぐ進む。

 果たしてようやく出入口となる門が現れ「やれやれようやく自分の現在地が分かる・・・」と落ち着いて周りを見回してみたら、2時間前に突入した門だった。ぐるぐる回って同じ場所に戻ってきたのか。

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 最初全然気づかなかった

 なめし革の製造エリアが有名だとかあるみたいだけど、もう充分堪能したのでメディナを後にして宿へ戻る。面白い場所だけどこのエリアで生活するのはちょっと嫌だな個人的に。

 宿に戻って伸びてた髪の毛を散髪する。多分モロッコの理髪店は無茶苦茶安いので切りに行っても構わないのだけど、暑かったのでどうせシャワー浴びるなら・・・くらいの気持ちで自分で切った。どうせバリカンなので5分で終わるし。

 そこからネット作業とかしてたのだが、Wi-Fiが弱くて写真のアップロードがどうしてもできず、仕方ないのでもっかい外出。宿の斜め向かいにあるカフェでコーヒー飲みつつMacbookを弄る私。カッコいいじゃん!

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 なるほどこれがカフェで仕事するってヤツか

 周りはアラブのオッちゃんばかりだけど、茶壺さん今すごくオシャンティかもしれない。

 2022年10月17日(月) 走行距離0km  累計119067km
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 モロッコ14日目 フェスの町

 もうフェスの町で観光的な遊びは終えたけれど、この町で行っておくべき場所はもう1つある。それが新市街であり、ここの宿を選択した理由の1つでもある。このHotel Agdirって宿、立地的に旧市街と新市街の丁度中間地点にあるんだよ。

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 なので昨日とは逆方向へ

 荷物を全て外したロシナンテ号で新市街の中心部へ。大した距離走ってもいないのに、本当に同じ町かと錯覚してしまうほど景色が一変して変化するのは面白い。

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 でもこっちに観光客は少なそう

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 完成度イマイチじゃない?

 何を求めているのかってコーヒー豆だ。モロッコはカフェ大国で、田舎の小さな村でも普通にカフェが営業している国なのだが、何処のカフェに入ってもコーヒー豆販売してくれるお店はほとんどない。というか多分かなりの割合で豆使ってコーヒー淹れてないと思う。

 その割に田舎カフェだと本当にコーヒー以外にメニューがないお店多くてさ、コーヒーしか販売してないのにそのコーヒーも適当ってのは酷くないかな!?と茶壺さんは詰め寄りたい。

 そんな中でちゃんとコーヒー豆を取り扱ってるお店を調べ、ようやく見つけたのが新市街にあるこのカフェだったのだ。南米でよく分かってるつもりだったけどさ、途上国で良いコーヒー豆を見つけるのは先進国より遥かに難しい。

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 ところで店名がエジプトの都市名なのは何故?

 首尾良くコーヒー豆入手できたので、そのままショッピングモールに寄り道する。というのもここにはフランス資本のスーパー「カレフール」が入ってるからで、何が言いたいかというとモロッコでアルコールを取り扱ってるスーパーだということ。

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 いやバスマティ米超高いな!(約1020円)

 各種調味料とかを補充しつつ、別の販売エリアでこっそり営業してるアルコールコーナーにてモロッコ産らしいカサブランカビールをゲット。飲むのが楽しみだ。

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 途上国のショッピングモールは楽しい 

 イスラム系の国でアルコールは公共の場所で飲むどころか姿を見せることすらご法度。ワクワクしながら超特急で宿へと戻り、部屋に入って1人になったところで飲むビール。なんか背徳的だな。

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 いや〜何日ぶりだろ

 あ、でもカサブランカビールあんま美味しくなかった。ここまで環境と気分盛り上げておきながら「大したことない」って凄く残念なんだけど、事実だから仕方ない。こりゃ今後モロッコではあんまりビール飲まないかも。

 なんか残念な結果になってしまいそのままふて寝・・・じゃなくて、昨日夜更かしし過ぎて寝不足なのだ。日中1番暑い時間帯に行動すると大変だし。

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 コーヒーだけが楽しみだ 

 ともあれフェスの町も堪能したし、どんどん行きましょか。ここまではモロッコど定番ともいえるルートを走ってきたけれど、明日からあんまり人気じゃない道を走るのでちょっと楽しみだ。

 そういうマイナー道走ってさ「私がこのルートのパイオニアになっちゃるで!」とか勘違いするテンションってのは大切。

 2022年10月18日(火) 走行距離5km  累計119072km
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