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 ナミビア31日目&南アフリカ1日目 noodoewerの町〜ケープタウンから北に約520km スティンコフの町

 南北アフリカ縦断というのは大陸縦・横断系のサイクリストにとって非常に人気のあるルートであり、カイロtoケープ(タウン)という言葉はこの土地を走っている自転車旅行者の間でよく聞く単語である。

 私もコロナで一時帰国を挟んだ身とはいえ、カイロからここまでの道を自転車で自走してきた1人だ。そうした人間にとって南アフリカへの入国というのは万感たる想いがあるのは間違いない。

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 この土地の人は洗濯物に「脱水」という概念が無いっぽい

 キャンプ場の敷地から既に姿が見えていたイミグレーションに向かって進むこと僅か2km。1ヶ月を超える滞在となったナミビアを後にしていよいよアフリカ南端に位置する国、南アフリカへと突入することとなる。

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 出国はアッサリ終了したナミビアイミグレ

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 オレンジ川に掛かっている橋が国境だ

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 特に看板等は設置されていない

 ザンビア以降の日本人はビザが必要ない国の入国審査は、どの国も計10分以内の短時間で手続きを済ませた楽な国境だったけど南アフリカのイミグレーションはそれに輪をかけて簡単というか適当だった。審査官に聞かれた質問は「どんだけ滞在するの?」の一言のみ。

 人里離れた場所に位置する国境だからかタクシーの運転手やれ両替商の姿が全く見えず、自転車旅行者にしてみれば手続きに自転車から離れることに対して不安が少ないのでありがたい限り。

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 それでは南アフリカいきましょー

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 もうケープタウンまで700km切ってるのか

 標高300mを切っていたオレンジ川沿いの低地だが、川を渡ってしまうと再び高い場所まで登り返すようである。今の時期だと無理して標高上げなくても十分涼しいのでリメットは薄いのだが、夏の時期ならこれは大変ありがたいのだろうと想像する。

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 緩やかな斜度で長い距離を登っていくスタイル

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 この辺ハエが多くて難儀した

 ある程度坂を登って山岳地帯を抜けるとナミビアと変わらぬ荒凉とした景色にまっすぐ延びる道を進むようになる。相変わらず人工物はほとんど姿を見せず、南アフリカ入ってからは動物の姿も消えてしまった。

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 ひたすら淡々と進む

 ちょいちょいレストエリアが出てくるものの、ピクニックテーブルに屋根付きのタイプの立派な場所もあれば道路脇にゴミ箱が置かれているだけの物もある。とりあえずお昼休憩したポイントは椅子もテーブルもないレストエリアだったので、石に腰掛ける形で補給食摂ってたし。

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 ボツワナ・ナミビアから看板の絵は変化した

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 景色に関しては特に変化を感じなかったが

 走り続けること約60km。そろそろ実質的に最初の町となるスティンコフの町が近づいてきた辺りで景色に変化が出始める。

 というのも岩石か砂地が主だった土地に植物の割合が増え始め、地面の色が緑へと様変わりしてきたのだ。そうした土地になってようやく町が出て来るということは、南アフリカ的にナミビア国境付近の砂漠地帯はそれほど重要ではない扱いなのかもしれん。

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 人の住む場所も農村部も他に沢山候補があるという意味で

 入国前に無茶苦茶たくさんの人から「南アフリカは危険だぞ、治安が悪いぞ」と言われてたので最初の町であるスティンコフ突入時はかなり緊張感を持っていた。

 けどその割に町の雰囲気は緩やかだし立ち並ぶ家々の防犯状況も厳重な感じを受けない。とりあえず町唯一の宿泊施設っぽい宿にチェックインし、自転車置いてスーパーへ買い物しに向かう。

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 スーパー訪れることがどれだけ楽しみだったか

 生鮮食品を中心にナミビアよりは物価も下がり品揃えは増えた模様の南アフリカ。これは結構楽しくやっていけそうだとワクワクするのを禁じ得ない。

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 とりあえず購入したケーキとコーヒー楽しみつつ

 キッチンも使えるので夕食にスパイスカレー作ってビールと一緒に楽しむ。こういうのがやりたかったんだよ!と私は声を大にして言いたい。

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 南アフリカやっていけそうな気がしてきた!

 というかナミビア国境で滞在せずにここまで来れば良かったな。そう思える程に安価でホスピタリティに溢れた宿であり、そういうワケで明日もう1泊しちゃります。

 2023年6月23日(金) 走行距離75km  累計134531km
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 南アフリカ2・3日目 スティンコフの町〜ケープタウンから北に約420km カミエスクルーンの町

 南アフリカ入って2日目だが、150ランドの料金(約1150円)でこのレベルの宿に宿泊できることは無いような気がしてる。ということで1日じっくり休んで堪能してから南アフリカ走ろうかな。

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 部屋に電気ケトルが置かれてて驚いた

 特に何もするつもりは無いけれど、とりあえずフリース等の厚物衣類を洗濯しておきネットで航空券の予約を済ませておいた。一昨日済ませる筈だった作業の遅延がここでようやく解消された形となる。

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 夕食は肉とカボチャのスープ

 本当に丸1日ほとんど動くこともせず寝てばかりいた気がするが、それだけナミビア未舗装の疲れは身体に深く残っていたのだ・・・ということで1つ。


 翌日。実に親切なオーナーが色々世話焼いてくれた宿を出発する。ちなみに自転車旅行者の人気宿となっているらしく、割と高い頻度で大陸縦断系のサイクリストが泊まりに来るらしい。

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 私もそんな1人だったワケだ

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 外見からだと普通の民家に見えるし

 南北に延びる国道7号線に戻ってひたすら幹線道路を進む。まだこの辺は過疎地域という感じでルートも実質これ1本だけだし道中に出てくる町も数少ない。南アフリカってもっと都会というかアフリカの他国みたいに「人が出てこない土地がほぼない」みたいなイメージを持っていたので意外である。今のところ完全にナミビアの延長戦って感じ。

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 ナミビアからケープタウンまで続く道か

 ただし車両の数はすごく増えた感じで、その半分以上が観光用のキャンピングカーというのが面白い。方角的にこれからナミビアに観光へ向かうのだろうが、そんなに人気なんだなあの未舗装地帯。

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 私がいうのもなんだけど

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 あとこの道アップダウンがすごく多い

 大小様々なアップダウンが形を変えつつ途切れず出てくるイメージで、休み明けだからまだ頑張れるけど疲れた状態でこの道走るとか考えたくもない。今日の後半には割と太ももパンパンになってたぞ。

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 その分下り坂はダイナミックで楽しいけど

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 自転車注意の看板(だと思う)とか久しぶりに見たな

 50kmほどでやや大き目の町スプリングボックに到着する。山を挟んで南北に町が分かれている面白い造りをした町で、スーパーを始めとした商業施設は南側に位置している模様。

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 ということは北に住む人は買い物に毎回この山越えるのか

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 どうせ車だから関係ないのかもしれんが

 サクッと昼食だけ済ませて走行再開したのは今のうちに距離稼いで次の町へ到着しておきたかったから。別に途中で野宿でも全然構わないのだけど、今日・明日の2日間で距離走って下調べしといた安宿まで走り切りたい。

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 何故なら明後日から雨が降るため

 ちなみに南アフリカはかなり広い国のため、場所によって雨季・乾季の時期も違うのだけどケープタウン周辺だと冬の今の時期が雨季なのだそう。真冬に雨季とか思いっきし地中海性気候じゃん!と思ったら、本当に区分も地中海性気候らしい。

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 ということでこの辺でもそこそこ雨が降る

 むしろ橋を通過する際に水が流れている小川とか出てきたりしてビックリした。水不足が問題となっている国ばかりを通ってきたが、そうした国では尽く川の水は干からびているのが常だったので。

 ましてや大河でもない幅1m以下の小川に水が流れているとは。水道水も飲んで全く問題ない国だしやっぱ他のアフリカ諸国とは一線を画すレベルの高さな気がしてきた南アフリカ。

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 レストエリアもやたら立派だし

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 下り坂なのでローギアに入れろ の看板

 100km近く走ってから本日最大の峠が出てくるとか嫌らしい。左右どっちを見ても遥か彼方まで山々が連なっているので「もっと楽な場所に道路造れよ!」と文句も言えない感じ。

 なんなら山を削ってアップダウンを減らすよう努めている感じで南アフリカは割としっかりした道路の国だと思ってる。側道キッチリあるしさ。

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 ようやく町の姿が見えた

 小さな町だし日曜日の17時過ぎてるタイミングだったので、唯一の商店は既に営業終了していた。これは予想してたのでお昼のタイミングで食料購入してたから大丈夫だけど、リカーショップも閉鎖してたため本日ビール無しが確定した。無念である。

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 肉食べれたし良いか

 22時になると電気がシャットダウンされるキャンプ場だそうで、まぁそれくらいの時間に私は寝てしまうから問題ない。無いけど翌日の昼12時まで電気なしが続くって相当だな。南アフリカという国は色々問題あって電力事情がすこぶる悪いと聞いてたが、その一旦を垣間見た気がする。

 2023年6月24日(土) 走行距離  0km  累計134531km
 2023年6月25日(日) 走行距離121km  累計134652km
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 南アフリカ4日目 カミエスクルーンの町の町〜ケープタウンから北に約320km ビターフォンテインの町

 地面が固くちょいちょい夜中に目を覚ましたキャンプ場だが、そもそもコンクリートスペースの上にテント設営してたので仕方がない。駐車場ポイントも芝生じゃないのでどっこいだと思うけど。

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 軒下と風に当たらないことを優先した結果

 首尾良く準備済ませていたが、何の気なしに自転車のタイヤを摘んでみたら見事にパンクしていることが発覚する。昨日の終盤なんだか違和感あった気がしたのはこれが原因か。

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 ということでパンク修理してから出発

 修理作業のおかげで大分遅い時間の出発となってしまったが、本当に大変なのは走り始めてからである。昨日にも増してアップダウンが連続する道で南アフリカは楽させてくれない。

 オマケにキャンプ場の水は上水では無いらしく、今朝の時点で手持ちの水を使い切ってしまったため次の町まで水分補給ができない状態。

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 寒いからそんなに水飲まないけどさぁ

 やっとこ坂の頂上まで登り切ると下りを挟んで同じような高さまで登り返す道が見える意地悪さ。これが1日に何回も何十回も続けてくると体力よりも気力がキツい。

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 かと思うと山の中で大下りがあったり

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 全体的には標高下がってるというのが信じられない

 今日もほぼ50kmのポイントに町が出てくるので昼食はスーパーで購入して済まそうと思う。しかしここガリエスの町も小規模でありながらスーパーの入り口付近に浮浪者がウヨウヨいる始末。

 先日のスプリングボックみたいにガードマンがいるワケでもなく、自転車から目を離した隙に何を盗まれるか分かったものでは無い雰囲気。

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 小さな町なんだけどな

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 やっぱ南アフリカ治安が気になる 

 結局道路の向かい側にある会社の敷地に自転車置かせてもらい、お昼休み中の従業員にお願いして自転車見ててもらうことにて対処した。治安に不安を抱える国でスーパーばかりだと面倒くさいことが多いな。

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 午後になっても相変わらずの道

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 マークは左から警察・救急・消防だと思う

 今夜から雨が降るとのことで、ビターフォンテインの町まで走り切ってしまいたく午後も気合入れて走っていたが、残り10kmを残したところで遂に両足に力が入らなくなる。お腹が減り過ぎてハンガーノック手前の状態だ。

 丁度良いタイミングで出てきたレストエリアで何か補給するかと思ったら、居合わせたドライバーの方からKFC頂いた。ケンタッキー食べたの何年ぶりだろ?

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 美味しかったです

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 17時半にようやく町が見える場所まで来た

 しかしここで終わらなかったのが本日。調べておいた安宿にオーナーが居らず、周辺住民に聞いてみたら「奴はどうしようもない飲んだくれで、どうなっているのか分からない」とのこと。マジか。

 ちょっと町を離れれば野宿はできそうな気もするが、そもそも今夜雨に降られるのが嫌でここまで走ってきたのだ私は。仕方ないので別のホテルへ行ってみたら1泊250ランド(約2300円)とのこと。

 交渉して少々値下げしてもらったけれど、こりゃ連泊するには少々高い。明日に雨降ってたとしても先へ進むしかなさそうだ。まいったね。

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 でもバスタブ使ってお風呂入れたから文句はない

 2023年6月26日(月) 走行距離117km  累計134769km
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 南アフリカ5日目 ビターフォンテインの町〜ケープタウンから北に約310km ヌウェルスの町

 案の定深夜から凄まじい轟音を響かせる雨が降っていた。実は宿代が高いから「野宿にするかどうしようか・・・」と悩んだりもしたのだが、下手なことしなくて本当に良かったと思っている。

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 自転車も室内置かせてもらえて濡れずに安心

 昨夜からひたすら天気予報とにらめっこして「12時前後の数時間は雨が止んでる可能性高い」と踏んでおり、このタイミングを逃さず走行することに。

 ちなみにこのビターフォンテインの町、Googleマップで下調べしたところではスーパーが存在していたのだが、そんな建物は存在しておらずギリギリパン屋に併設された商店があるのみだった。つまり自炊を主とする旅行者としては、そんな何日も滞在できるような土地ではない。

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 掛け布団が中国っぽい

 9時過ぎには一応雨は止んだが、キッチリ降り止んだ状態であることを確認したくて30分ほど待機し安全確認してから出発する。どうせ隣町まで1時間の距離を移動するだけであり、慌てることもない。

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 恐る恐る走り出す

 念のためにレインウェアを着て対策していたのだが、南アフリカで衣類を着込むとアップダウンの連続で身体が熱を発するため無茶苦茶蒸れる。雨が降ってない状況でこんな服着てらんないぞ。

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 いやまぁ脱がないけど

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 ちくしょう晴れて日が差して来た

 上り坂の途中でサングラスが曇ってしまう症状は自転車やってるとよくあることだけど、これは高負荷の運動による体温上昇で身体が熱を持ってる状態となり起きる症状だと思ってる。汗かいたくらいじゃ追い付かないってこと。

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 あっつい

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 雨降った直後だからか川の水量が凄い

 スタート直後は乾いてた路面も南へ進むにつれてウェットな状態となり、雲は北から南へと流れていったのかな?と想像する。少なくとも今日の風向きは強く背中から押してくる北からの風。ちょっとしか走らない日に限って追い風だよ。

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 ということでヌウェルスの町が見えた

 ということでここのキャンプ場にて本日終了。宿泊費も落ち着いたし近くに商店もある。ついでにWi-Fiもあるので退屈することもない。雨宿り滞在するための条件はクリアされた。

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 雨が降り出す前に買い物しとく

 とはいえここの商店も品揃えは非常に悪い。都市から60kmちょいしか離れてないし、道中は完璧な幹線道路が敷かれてることを考えると、流通事情的にはもうちょいしっかりしたラインナップでも良いと思うのだが。

 謎に売られていたスプリングボックの肉を抱えてキャンプ場へ戻り、肉を解凍させつつテント設営してたのだが、ここでフライシートのファスナーが根本から折れてしまった。使い過ぎで限界がきたか。

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 そろそろ雨降って来そうなのに

 こういう場合を考えて入口2箇所のタイプを使っているので、まだ当面はテントを使い続けることが可能。とりあえず入口閉じてないと雨が降り込んでしまうので針糸使って縫い込んでしまうことにした。

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 これでよし

 この10分後には雨が降り始めたので正に間一髪という感じ。屋根のあるキッチンエリアに避難してコーヒー飲みつつネットしてこの先のルートを考えたりしてた。

 ケープタウンはこのまま道沿いに進めば辿り着くが、別に南アフリカはケープタウンだけが観光地ではない。

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 スプリングボックの肉、お味はなかなかだが固い

 時間が遅くなるにつれてどんどん雨脚が強くなっており、テントが浸水しないか割と不安に思っている。最悪の場合はキッチンエリアに避難して寝ることになるやもしれない。

 2023年6月27日(火) 走行距離17km  累計134786km
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 南アフリカ6日目 ヌウェルスの町〜ケープタウンから北に234km地点 ナマバイクキャンプ場

 何とか雨をやり過ごして迎えた朝。3日前の天気予報では昨日から3日間に渡ってずっと雨が降り続けるという予報だったが、朝になってみれば雨は降ってないし暫くは曇り空が続くらしい。

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 ならば止まっている理由もなし

 安くてかなり居心地の良いキャンプ場だったが、先に進めるのならば進みたい。基本的に自分の意思ではなく停滞するのは好きじゃないのだ。

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 あと商店のラインナップが貧弱なのでお腹空くし

 空一面に雲が覆っている天気だけれど、感覚としては徐々に青空へと回復していく雰囲気なのであまり心配していない。むしろ未明まで降ってた雨で道路が若干濡れていることの方が気になるな。

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 水が跳ねると自転車汚れるからさ

 ひたすらアップダウンが続く道だったが、ここに来てようやく高台エリアが終了したようで標高100mを切るまで下がった。つまり道路も下り坂が多かったワケでかなり楽できた午前中。

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 スタート地点が標高400mちょいだったかな

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 こんな場所にレストランあったけど案の定潰れてた

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 この川渡る際に海抜ほぼ0mまで降りてきた

 別に標高下がってもアップダウンが無くなるわけじゃないのだが、とはいえ山岳地帯でなければ平野の割合が増える関係でアップダウンも落ち着き自転車は楽できる。そんな単純な土地ばかりじゃないのだが、まぁ全体的な傾向として。

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 でもまた山が見えるのな

 午前中だけで70km近くを走ってバンラインストルプの町へ。今までは上り坂が多すぎて午前中のみじゃそんなに距離走れなかったが、道路状況次第じゃこんなにもハイペースで移動できるのか!と私自身が驚いてしまう。

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 こんな感じで店の中からも自転車が確認できるポジションに置いてる

 この町も大きめの川に隣接した位置にある町であり、お昼休憩後は川を越えて上り坂からのスタートに。日本じゃあんまり感じないが、川を越える道というのは基本的に谷を下って登る構成なので。

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 デカい山のようでそうでもない

 ただこの辺に出てくる山はほとんどが頂上が平らなテーブルマウンテン。南アフリカのテーブルマウンテンとはケープタウンに隣接する山の名称にも思えるが、それと同時に台形状の山の形を指しても使われる。

 そしてナミビアから南アフリカにかけて出てくる山のほとんどはテーブルマウンテンだったりする。

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 あ、こりゃヤバい雨降ってるぞ

 実は天気予報でも14時頃になると再び雨が降り始めるとなっていたのだ。それまでに走って移動もするし運が良ければ避けられるかも・・・とか楽観視してたけど、そんな上手いこといかなかった。

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 場所によってはガッツリ雨

 ただ空一面に雨雲が広がるような状況ではなく、数km移動すれば雨も降り止み青空が見えることすらある不安定な今日の天気。狙ってたキャンプ場まで降られないことを祈って進む。

 キャンプ場の手前にあるクラヴェールという町のスーパーで買い物したのだが、寄り道していた間に雨雲追いつかれたのか、お店を出たら雨が降っていた。ついに来たか・・・という感じ。

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 残り5〜6kmの距離なんだけどな

 でも私を追いかけてきた雲が雨を降らしているのなら、ちょっと進めば雲から外れて逃げ切れるかもしれない!・・・という穴ガバガバな考えの元に全力疾走してみたら、本当に雨雲抜けてしまったのはビックリだ。

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 よかったよかったキャンプ場到着

 名前がバイクキャンプと銘打ってることもあり、是非とも訪れてみたかったキャンプ場。想像していた通り自転車にも非常にフレンドリーな施設であり、しかも南アフリカ最安値を更新するほど安価。

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 でもWi-Fi速いし設備はしっかりしてる

 当初の天気予報では明日も雨が降り続ける予定だったが、そうだとしてもこのキャンプ場ならもう1日どころか4〜5日滞在することに何の抵抗もない程度には居心地が良い。そんなにゆっくりしてたら飛行機乗り遅れちゃうのでやらないけど。

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 実は夕食に加えてケーキも買ってる

 とはいえ連泊するならこういう場所だよな!とか思ってる。なので気持ちとしては明日の天気は雨降って「仕方ない!じゃあ連泊で!」というパターンにならないかと期待してもいる。なお晴れたら走ります。

 2023年6月28日(水) 走行距離102km  累計134888km
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 南アフリカ7・8日目 ナマバイクキャンプ場〜ケープタウンから北北東に約160km シトラスダルの町

 目を覚ましたところ雨だった。よっしゃ!・・・じゃなくて、雨なら仕方ないから連泊とする。全くもってどうしようもないのです。

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 テントと自転車は屋根の下なので問題なし

 昼過ぎのタイミングで雨も降り止み町まで食材買い出しに出かけようかと思ったが、オーナーが買い物ついでに車に乗せてやるよ!と助け舟出してくれたので甘えることにする。

 道中南アフリカの話を色々聞かせてもらったが、聴けば聴くほどこの国の犯罪発生率が高い理由に納得いく気がしてならない。国民全体の55%が仕事をしておらず貧困に喘いでいると聞き、だからどの町行っても銀行とスーパーの周辺に浮浪者が山ほどいるのか!と納得して暗い気持ちになったり。

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 ま〜たケーキ買っちゃったよ

 私の母がこれ知ったら「そんなに甘い物ばかり食べてばかりで糖尿病になるわよ!」とか怒りそうな気がするが、普通の人の10倍くらい運動してるのでエネルギー換算だとトントンなのだと反論したい。むしろ体重は落ちる一方なのでマイナスだぞ。

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 夕食はシチューとした


 翌日。何だかんだ昨日は1日中雨が降ったり止んだりの繰り返しだったが、天気予報を見る限り今日からは晴れの日が続く南アフリカが戻ってくる。これでまた楽しくサイクリングが出来そうで何より。

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 とか言ってるけど早朝は雨降ってた

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 どうもお世話になりました

 料金安いし設備は良いしオーナー夫婦も非常に親切とあって文句の付け所ないキャンプ場だった。南アフリカの宿泊施設は何処もレベルが高い割に料金も安くて素晴らしいなと思っているけど、その中でも1・2を争うほどだと思うな。

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 このオリファンツ川を渡って

 川の左岸側を並行するよう延びる道を遡上していく。川沿いとなったので激しいアップダウンも落ち着くのではないかと思ったが、最初のポイントで100m登らされた時点で甘い考えだと悟った。

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 今日も南アフリカだわ

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 とか言ってるけどこれまでの道より大分マシ

 もう1つ変化を感じたのが、何だかんだ荒野っぽい景色が広がっていた土地が完全に緑あふれる景色に切り替わったこと。

 川の側を走っているからこの周辺だけピンポイントで緑化されてる可能性も否めないが、明らかに広がる景色が水の豊富な国で見られる光景だ。

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 緑で覆われた山とその麓を流れる川と

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 ダムなんてアフリカで見たのエチオピアまで遡るのでは?

 今日も50km地点に出てきたクランウィリアムという町に寄り道して昼食ゲットしたのだが、メインストリートに凄まじい数の人が溢れており驚いた。誰も彼も所在なさげに突っ立っているのだが、やっぱりこれほとんどの人が浮浪者なのかな?

 自転車見ててくれたお店の人とちょっと話したのだが「この町は治安悪くないよ、ケープタウンと違って安全さ」とか言ってたけども。クランウィリアムの町ですらカメラを取り出すことも躊躇したというのにケープタウンはどんだけ修羅の世界なのだろうか。

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 風が吹いておらず湖が鏡面状態に

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 パッと見の景色はヨーロッパみたい

 後半はほとんどアップダウンもなくなり余裕の走行でシトラスダルの町へと向かう交差点を曲がる。ここからほんの2〜3km走れば町へと到着するのだが、丸1日ずっと隣を流れていたオリファンツ川を渡る橋が工事中で渋滞していた。

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 工事にしては規模が大きいような・・・

 とか一瞬思ったのだが、この川に隣接するようにあるキャンプ場に来てみたら衝撃の事実を聞かされる。

 曰く「数日前に川が決壊して大量の水が敷地内に流れ込んだんだ。今日になってようやく水は引いたけど、地面はまだぬかるんでるし電源設備も一部漏水しててホットシャワーも使えないよ」とのこと。

 大量に宿泊してたらしいキャンピングカーのお客も全員避難してしまい、状況回復するまで閉鎖しようか・・・というタイミングで私がフラフラ来訪したらしい。

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 なるほど地面は何処もぬかるんでる

 とはいえ自転車旅行者なんてのはもっと劣悪な環境でテント泊を何度も繰り返してきた輩。日が落ちてきた南アフリカの町で今から野営場所を探す方がリスク高いと判断し、素直に宿泊することにした。

 適当に乾いたポイント見つけてテント張ろうとしたのだが、むしろオーナーの方が心配してくれキッチン棟の建物内にスペース作ってテント張らせてくれた。

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 それどころか色々食材頂いてしまい

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 結局夕食まで作ってもらった

 料金も割り引いてくれたというのにこの待遇。南アフリカの宿泊施設は何処も素晴らしい思い出で溢れている。

 2023年6月29日(木) 走行距離  0km  累計134888km
 2023年6月30日(金) 走行距離111km  累計134999km
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 南アフリカ9日目 シトラスダルの町〜ケープタウンから北東に95km地点 BIKE FORGEキャンプ場

 ケープタウンに近づいてきたこともあり、冬なのに雨が多い気候であるため湿度も高い。そういった状態で迎える朝というのは霧が発生してテントも何もかもびしょびしょにされるのが困り物。

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 室内だったのでこれがなくて本当に助かった

 テントを始めとする各種荷物を乾かすなり水分拭き取るなりの作業がないだけで非常にありがたい。気持ち良く準備済ませて出発する。

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 川から霧が発生してるんだよね

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 改めて川を見ると決壊の痕跡がすごいことに

 確かに一昨日まで3日連続して雨が降り続いていたが、そこまで記録的な豪雨だったイメージは無いのだが。むしろ断続的に弱々しい雨が降るので走るに走れなくて「ハッキリして欲しいそ!」くらいに思っていたのだが。

 とすると堤防決壊の原因は他にあって、雨が降ったことが最期の一撃となったと考える方がしっくりくるな。

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 んなこと考えながら橋を渡って

 そのまま峠を越える道へと入っていく。これがそこそこ登らせる峠だったので、昨日キャンプ場が多少水没してようがシャワー使えなかろうが無理して泊まった理由だ。日が落ちるタイミングでヒルクライムは良くない。

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 おお、凄いな

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 見事に川の周辺だけ雲が展開してる

 まるで巨大な大蛇がのたうっているようなダイナミックな光景で、思わず何度も立ち止まっては写真撮っていた。とはいえこの現象は上手いこと気温と湿度がタイミング良く重なった状況で発生している。山頂にたどり着く前には霧散して消えてしまった。

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 不思議な光景だった

 頂上から反対側へ一気に駆け下りる。斜度が急で放っておくと際限なくスピードが増していくため無理せずブレーキかけて速度調整しながら下りていく。南アフリカの道路は地味にギャップが多くて高速で走るの怖いのだ。

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 それでも50km/hくらい出てたが

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 山の向こうはだだっ広い平野だった

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 んでここから

 国道7号線ではなくやや小さな道路を選んで進んで行こうと思う。ケープタウンに最短で向かいたいのであればひたすら7号線を走れば良いのだが、私は普通に寄り道するので。

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 巨大な農地が広がる中にある道

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 農薬か何かを散布してた

 今日も55km地点に町があるのは確認済みだったが、最初の峠で時間かかっているため13時過ぎにスーパー到着した。土曜日なのと今日は次に出てくる町までたどり着けるか怪しいため、ここで夕食の材料も合わせて購入してしまう。

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 そんでもって町を抜けてから食べようかな

 南アフリカの幹線道路は10kmも走れば1つくらいレストエリアが現れるのだけど、ローカル道路にその法則は通用しないみたい。結局道路看板に自転車立てかけて道路脇にてお昼休憩。

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 でもこういう小さい道は交通量少なくて気持ちいい

 ゴウダという町を抜けて突き当たりのT字路を左折すると、恐らく今日最初に登った峠と同じ山脈を登り返すように山へと道路が延びている。あの峠を1日で2回登るのは流石に疲れるんだけどな・・・

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 とか思ってたけど

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 割と谷間を縫うような道で

 楽々クリアし谷へと戻ってきた。同じ山脈でも走るルート次第で大変な時もあれば楽できることもある。ただし地図見てるだけじゃそれは分からないものであり、やっぱり実際走ってみることが大切だよね。

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 さてそろそろ終了ポイント見つけたいのだが

 珍しく姿を隠せそうな木々が出てくるものの、南アフリカって道路脇をガチガチにフェンスで固めているためこうしたスポットに突入し野宿することが難しい国。ただでさえ農地と平野が多くてテント張れそうなポイント少ないのに。

 そんなタイミングで「BIKE FORGE」と書かれた看板が。ビールの絵も描いてあったので最低でも宿泊施設が併設されると踏んで森林の中に引かれた道へ突入する。

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 博物館を兼ねたカフェバーだった

 読み通りキャンプ場を併設しており、オマケに料金100ランド(約770円)とまたも最安値を更新した。スタッフも親切でわざわざ電源確保にコードリール出してくれて申し訳ない。

 とりあえずシャワー浴びてネット接続しようとするもルーターが不具合起こしてるのかWi-Fi繋がらない。とりあえずビール飲みながら聞いてみるか・・・とお店に回ってみたら、18時で終了していた模様。マジかよ。

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 ビール飲めないじゃん

 計算違いがあったものの、まぁそこまで気にすることでもない。それよりアフリカもここまで南下してくると夜の冷え込みが厳しくなるのだが、もうテントが色々と限界でファスナーがまともに動かない始末。

 このため電源コードをテント内へ入れて作業すると、チャック全開の入口大びらき状態となってしまい冷たい風がバンバン吹き込んでくる。どうしたもんやら。

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 はよ新しいテント買おう

 2023年7月1日(土) 走行距離107km  累計135106km
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 南アフリカ10日目 BIKE FORGEキャンプ場〜ケープタウンから東に147km地点 廃墟裏

 想像してたがもの凄い水滴がテントに付着しビショビショだった朝。アフリカはずっと乾燥した土地が続いてたので忘れていたが、テント泊だとこうした問題に対処しつつ旅行をする必要があったのだ。

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 とりあえず日向にテント置いたりしつつ

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 オーナーからカプチーノ頂いた

 出発準備してる間に続々とバイクがお店に集まってきて、私が出発する頃には総数30台以上になっていただろうか?

 昨日は「こんな山奥でお店営業して経営成り立つのかな・・・」とか失礼なこと想像したが、どうやらバイク乗りにとってここは人気スポットの模様。

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 木々の中を抜けて

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 快晴の渓谷を走り出す

 流石にここまで来ると内陸部というより海岸線が近い土地で、標高も高くなければアップダウンも落ち着いてきた。景色的には高い山脈が連なっているものの、恐らくは高尾山にも満たない小規模な山々であることが見受けられる。

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 ウォルセレイという町を抜けて南下する

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 町にある教会の形が面白い

 どうやら農園でもブドウ栽培というかワインの製造区域に入ったようで、どちらを見てもブドウ農園とワイン販売を示す看板ばかりが出てくる。南アフリカはワインで有名な国の1つだが、この辺がワイン生産地として名高い土地だったらしい。

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 せっかくなら寄り道したいけど

 残念なことに今日は日曜日でほとんどの商業施設が休みとなっている。こういう観光客向けの施設はむしろ日曜こそが書き入れ時だと思うのだけど、営業時間を見ると「日曜休日」と記されてることがほとんど。お仕事的には健全だといえる。

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 50kmほど走ってウースターの町

 テント乾かしたりでスタートが遅かったため13時頃の到着となってしまい、やたらとお腹が空いた状況でお昼休み。ティラミスのケーキが20ランド(約150円)で迷わず購入しているのだが、アフリカ南部に入ってからケーキを買うことがやたら増えた気がする。

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 食事終えたら町に用は無いので

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 早々に郊外へ向かう

 なおこのウースターの町を抜ける途中に明らかなスラム街が出てきて、南アフリカもそうした区域は栄えてる南部に集中してるのだな・・・と実感した。ちなみにこのウースターは私が今まで通過してきた町の中で(多分)南アフリカ最大の都市。

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 家畜を放牧しているの南アフリカじゃ珍しい

 地味に南アフリカ走行日は毎回100kmを越える距離走っており、もうちょい緩やかに走りたいということで、本日100km弱のポイントにあるロバートソンの町にて終了としたい。

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 逆光で見えにくいけど峠の頂上

 下調べしていた安宿行く前にビールと地元のワインも購入し準備万端。17時前の完璧なタイミングで宿に訪問したのだが「満員だから無理」と従業員はインターホン越しに繰り返すだけだった。

 恐らくだがこの宿は客を選ぶというか訪問者を選別してる系の施設であり、要するに人種差別があるのだと思われる。というのも私はテント泊での宿泊だと伝えたワケだが、庭にテントは1張りもなかったため。まぁ南アフリカでなくともこういう宿泊施設は稀にある。

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 やってらんないけど仕方ない

 他に安宿無いっぽいのでロバートソンの町を抜けR317号という道を進むことに。このルートのどこかで野宿できればそれでいいや!とか思っていたが、どれだけ走っても周辺にはフェンスが張られており全くテントを張る隙がない。

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 どんどん日が落ちてきて焦る

 いよいよ真っ暗になろうかというタイミングで廃墟が出てきたため、道路から見て建物向こう側にテント設営して何とか走行終了となった。

 改めてここから夕食作ることになるのだが、今夜は満月で月明かりが強いため割と苦労なく作業できたのはラッキー。

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 購入したワインがやたら美味かった

 南アフリカでの野宿はなるべく避けるよう行動してたのだけど、こういう予期せぬ状況に遭遇することも含めて自転車旅行なのだと思う。柔軟な対応が求められるようです。

 2023年7月2日(日) 走行距離122km  累計135228km
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 南アフリカ11日目 廃墟裏〜ケープタウンから東南東に167km地点 レストエリア裏

 人が来ることはまず無い場所にテント張ってたので不安はなかったが、それでもしっかり眠れなかったのは単純に地面がゴツゴツしてたから。到着が遅かったこともあり整地作業もしっかりできなかったし。

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 そしてもの凄い霧

 2日続けてテントがびしょ濡れのままバッグ内に収納するのは気が引けるけど、9時半の時点で霧が晴れる気配を一向に見せないので仕方なくパッキングして出発。お昼休憩中に天日干しするか。

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 100m先が見えない恐怖

 私の視界が悪いことよりドライバーが自転車を視認するのが難しいことが問題で、そんな状況の時ばっかり道路に側道がないローカル道走ってるし。いくら交通量少ないとはいえ気が気でない。

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 お、晴れてきたかな・・・

 と思ったのだが、お昼の食材を買いにボニーベールという町へ寄り道する。んでこの町がデカい川に沿う形で存在しており、ようやく霧を抜けたと思いきや再び霧の町中へ突入してもうた。

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 近代的なのでホラーゲーム感はない

 食材持って再びR317号を南下するルートに戻る。ここで川沿いの道から離れて山々を突っ切る形でまっすぐ南へ向かって進んでいく。いよいよアフリカも最後の南進する道である。

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 一瞬だけN2号という道路に合流したり

 いつまで経っても青空が出てこないため、テント干すにはイマイチだがお昼休憩に。レストエリアも出てこないため南アフリカでは珍しく道端に自転車置いての昼食タイム。

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 その2〜30分で一気に天気よくなった

 テントも乾いて一安心。午前中は寒さで割と震えながら走ることも多かったけど、太陽から日が差し込むとTシャツ1枚くらいが運動するには丁度いい塩梅となる。

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 寒けりゃ上着着ろって話なんだけどね

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 いよいよケープアガラスの表記した看板が出てくるように

 後半は見渡す限り牧草?が広がる何とも景色の良い土地に。羊が放牧されてるの見たのは南アフリカじゃ初めてかもしれない。

 しつこくアップダウンが続く道ではあるけれど、1本1本の峠はどんどん標高が小さくなり海に向かって近づいていることを感じさせる。

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 ブレダスドルプラスの町が見えた

 今日はこの町にて終了し、明日余裕を持ってアガラス岬到着だな!・・・とか思ってたのだが、ここのキャンプ場が管理人もおらず電話連絡(してもらった)にも応対しないときた。

 出入口も全開放されてて施設利用者じゃないぽい人も出入りしてるしロクな場所に思えない。なんだか南アフリカ南部に来てから宿泊施設との折り合いが悪い気がしてならないぞ。

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 どうにもならなそうで泊まるの辞めた

 町を抜けて数km走ったポイントに木々で囲まれたレストエリアがあったけど、流石に南アフリカでそんな姿丸見えのポイントにテント張るつもりはない。

 ただここのフェンスが一部壊されており、奥へと入り込めるようなっているのを発見した私は冴えてると思う。レストエリアからも姿が見えない安心できる場所まで入り込み、ようやく本日終了となった。

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 2日連続で遅くなってしまった

 こういうスタイルの旅行なので予期せぬ出来事や突発的なアクシデントは付き物だけど、特にこの国では「安全」に対して妥協はしないよう努めてるつもり。いやそれを言ったら野宿という行為自体が安全じゃないといえるのだけど。

 2023年7月3日(月) 走行距離104km  累計135332km
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 南アフリカ12日目 レストエリア裏〜ケープタウンから東南東に約170km アフリカ最南端 アガラス岬

 地面は柔らかく、落ち葉が堆積しておりテントも濡れずと素晴らしい野営地だった。難を言えば夜中にヒヒの声が響いてた事くらいか。

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 テントが乾いてると出発も早い

 アフリカは色々あって1つの大陸に計3度も出入りしているためワケ分からなくなったりもするが、基本的には北から南へと縦断することを念頭にここまで走ってきた。

 そういう意味で大陸の「端っこ」へ到着するというのは大きな節目であり、気持ち的にもアフリカを走りきった!ということで一区切りとなる。そんなポイントがアガラス岬だ。

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 それでは行きましょう

 よくアフリカの最南端は「喜望峰」だと思われているイメージだが、彼方は歴史的に意義ある岬であっても地理的には特別意味はない。無理矢理アフリカ大陸の「最南西端」なんて表現をしているが、南西端って何だよ・・・と私個人は思ってる。

 ということで「最南端」アガラス岬に訪れることは、アフリカ大陸縦断を目論みてた私としてはとても大切というか「中途半端にゃ済ませないぞ」という気持ちもあった。

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 もうアップダウンも無くなり直線がひたすら延びる

 アガラス岬は野営場所から40kmを切る距離だったこともあり、走行ペースも無理なくゆったりと進む。大体砂漠かサバンナだったアフリカという土地の最後に一面草原が広がる景色と気持ちの良い青空が迎えてくれるなんて思ってもみなかった。

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 岬に隣接するストルイス・ベイの町が見えた

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 僻地にある小さな観光地かと思いきや

 結構規模の大きいしっかりした町で驚いた。この町へのアクセス路も今走ってるR319号の1本だけだし、見た限りで主だった港があるワケでもない。

 ほとんどの観光客は喜望峰及びケープタウンへ流れると思うので、立地的にストルイス・ベイがそんなに発展するとは思えないのだが。

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 高級住宅が丘の上に立ち並ぶ

 半島をぐるっと回るようにして荒れた海を横目にしつつ白い灯台が見えてきた。おそらくはあの周辺が大陸最南端のポイントとなるのだろう。

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 国立公園に指定されてたけど

 特に入場料が必要でもなく灯台の横を抜けてゆっくりと先へ。駐車場から少々歩くといよいよお目当てとなるモニュメントが見えてきた。

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 到着 

 手前に引かれるラインがそのままインド洋と大西洋を区分している。そうなのだ、ここで2つの大洋は切り替わっているのだ。

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 エジプトからここまで随分かかったな

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 でも無事に到着できたから良いか

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 なんか色々書かれてるので撮影しとこうの精神

 ちなみにこの記念碑の反対側には巨大なアフリカ大陸の形をしたモニュメントが。立体的なタイプで所々山脈や主要な山が飛び出ているが、その多くに私は自転車と自らの足で登ったのだと思うと割と誇らしい気持ち。

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 登ってない山もたくさんあるけどさ

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 ついでに灯台にもちょっと寄り道してみたり

 今日が強い南風吹いてるためか、恒常的に波が荒いのかは分からないが、現在でも観光ポイントというより船に対して場所を示す本来の役割を感じさせる無骨な作り。なのに展望エリアまで入場料支払えば登れちゃうのが笑いどころか。

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 その近くにある洞窟は

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 灯台を建築する際の宿泊施設や波が荒れた際の避難場所だったらしい

 ということで無事アフリカ縦断を済ませたのだが、オマケというか飛行場まで移動する関係でもうちょっとだけアフリカ編は続く。清々しい気持ちで最南端を後にして向かうは町中にある一角。

 というのもナミビアの未舗装地帯でお世話になったミアのご両親がここストルイス・ベイに住んでおり、私の走行予定でアガラス岬へいくつもりと話したところ「それならウチの両親家に寄って行きなさい」と言われてたので。

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 想像はしてたけど無茶苦茶立派なお家だわ

 迎えてくれたシャーロットはこちらが恐縮してしまうほど歓迎してくれありがたい限り。コーヒー・紅茶に自家製のビスケットを頂きながら昼食もご一緒することに。

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 洗濯機も使わせてもらった

 窓のテラスから広がる海をバックに暖炉に火をつけて、シャーロットの友人たちに旅行の話をしたり、一緒にメキシカントレインというゲームをして遊んだり。

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 ドミノとはちょっと違うゲームらしい 

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 家の中の暖炉ってロマンだよね

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 ここまで走ってきてよかった

 別に今日がアフリカ最終日ではないけれど、こうして区切りとなる場所に到着できたことと、そうした日に素晴らしい出会いができたこと。それで何というか「色々あったけどアフリカ終わったんだな・・・」という気持ちになった。スッキリしたということか。

 2023年7月4日(火) 走行距離44km  累計135376km
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