ナミビア31日目&南アフリカ1日目 noodoewerの町〜ケープタウンから北に約520km スティンコフの町
南北アフリカ縦断というのは大陸縦・横断系のサイクリストにとって非常に人気のあるルートであり、カイロtoケープ(タウン)という言葉はこの土地を走っている自転車旅行者の間でよく聞く単語である。
私もコロナで一時帰国を挟んだ身とはいえ、カイロからここまでの道を自転車で自走してきた1人だ。そうした人間にとって南アフリカへの入国というのは万感たる想いがあるのは間違いない。
キャンプ場の敷地から既に姿が見えていたイミグレーションに向かって進むこと僅か2km。1ヶ月を超える滞在となったナミビアを後にしていよいよアフリカ南端に位置する国、南アフリカへと突入することとなる。
ザンビア以降の日本人はビザが必要ない国の入国審査は、どの国も計10分以内の短時間で手続きを済ませた楽な国境だったけど南アフリカのイミグレーションはそれに輪をかけて簡単というか適当だった。審査官に聞かれた質問は「どんだけ滞在するの?」の一言のみ。
人里離れた場所に位置する国境だからかタクシーの運転手やれ両替商の姿が全く見えず、自転車旅行者にしてみれば手続きに自転車から離れることに対して不安が少ないのでありがたい限り。
標高300mを切っていたオレンジ川沿いの低地だが、川を渡ってしまうと再び高い場所まで登り返すようである。今の時期だと無理して標高上げなくても十分涼しいのでリメットは薄いのだが、夏の時期ならこれは大変ありがたいのだろうと想像する。
ある程度坂を登って山岳地帯を抜けるとナミビアと変わらぬ荒凉とした景色にまっすぐ延びる道を進むようになる。相変わらず人工物はほとんど姿を見せず、南アフリカ入ってからは動物の姿も消えてしまった。
ちょいちょいレストエリアが出てくるものの、ピクニックテーブルに屋根付きのタイプの立派な場所もあれば道路脇にゴミ箱が置かれているだけの物もある。とりあえずお昼休憩したポイントは椅子もテーブルもないレストエリアだったので、石に腰掛ける形で補給食摂ってたし。
走り続けること約60km。そろそろ実質的に最初の町となるスティンコフの町が近づいてきた辺りで景色に変化が出始める。
というのも岩石か砂地が主だった土地に植物の割合が増え始め、地面の色が緑へと様変わりしてきたのだ。そうした土地になってようやく町が出て来るということは、南アフリカ的にナミビア国境付近の砂漠地帯はそれほど重要ではない扱いなのかもしれん。
入国前に無茶苦茶たくさんの人から「南アフリカは危険だぞ、治安が悪いぞ」と言われてたので最初の町であるスティンコフ突入時はかなり緊張感を持っていた。
けどその割に町の雰囲気は緩やかだし立ち並ぶ家々の防犯状況も厳重な感じを受けない。とりあえず町唯一の宿泊施設っぽい宿にチェックインし、自転車置いてスーパーへ買い物しに向かう。
生鮮食品を中心にナミビアよりは物価も下がり品揃えは増えた模様の南アフリカ。これは結構楽しくやっていけそうだとワクワクするのを禁じ得ない。
キッチンも使えるので夕食にスパイスカレー作ってビールと一緒に楽しむ。こういうのがやりたかったんだよ!と私は声を大にして言いたい。
というかナミビア国境で滞在せずにここまで来れば良かったな。そう思える程に安価でホスピタリティに溢れた宿であり、そういうワケで明日もう1泊しちゃります。
2023年6月23日(金) 走行距離75km 累計134531km