自転車ときどき世界1周

カテゴリ:ヨーロッパ > スロバキア

 オーストリア15日目&スロバキア1日目 マリア・エレントの町〜ブラチスラバから東に19km地点 cierma voda川沿い

 シェンゲン協定圏での滞在も3ヶ月目となる61日目に突入した。過去の滞在でも毎回この辺から焦りまくって地図片手にルートを組み直したりし始めるのだが今回も然り。どうしよう、走ってみたい場所は沢山あるのに時間が全然足りなそう。

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 今年からクロアチアがシェンゲン協定圏の国に加入したのが悪い

 とはいえこれから私が向かうはスロバキア。実はウィーンとスロバキアの首都であるブラチスラバの町は非常に距離が近いことで知られており「世界一距離の近い都市」などと評されたりもしている。

 でも地図好きな茶壺さんとしては、キンシャサ(コンゴ民主共和国)とブラザビル(コンゴ共和国)の距離が10kmも離れておらず、こちらの方が近いじゃねーか!と文句を言ってやりたい。アフリカの首都は都市の定義に当てはまらないとでもいうのか?

 余談だが世界で最も孤立していると評される都市はオーストラリア西部のパース。隣の都市であるアデレードまで2000km以上離れているとのことで、確かにオーストラリアは広かった。

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 似たような名前のオーストリアはそこまで広くない国

 そんなことを考えつつドナウ川沿いを走って進むとばかり思っていたが、何故かマリア・エレントの町より東は川沿いにサイクリングロードが作られておらず、南へ迂回し農地の中にある道を進むことに。素直に川沿いの道作れよ・・・とか思ったけれど。

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 この景色が見れたからまぁ良いか

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 ちょっと内容が把握しづらい看板も

 というかオーストリアの東部地域は風力発電だらけであった。西・北欧の国ではよく見かけたものだけど、こうした何百機ものプロペラが回っている光景は随分久しぶりに見た気がする。

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 まぁ色々理由はあるのだろうけど

 リアディレイラーの調子が悪いのか、ここ数日チェーンとギアとが干渉しペダルを漕ぐとキィキィ異音がする。ちょっと休憩がてら調べていたら声かけられて、それが偶然日本で長期滞在していた方だったり。

 日本語で会話できる気軽さを楽しんでいたが、徐々に話が世界の平和だとかキリスト教の云々という方向へ。別にエホバの証人がどうこう言わないけどさ、初対面の人に価値観押し付けるスタイルのトークは止めてもらいたい。

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 悪い人ではなかったけれども

 思っていたより遠いスロバキアとの国境は、道路脇のサイクリングロードを伝って走り易い道のままに入国できた。非常にありがたいことなのだけど、国境を超えたこと示す国名を記した看板が出てこないのは少々物足りない。

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 どこで入国したのか分かりづらいし

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 多分これが国境沿いの旧イミグレーション 

 素直に自然地形であるドナウ川に国境引けば良いのに・・・とか私は思ってしまうのだが、スロバキア的には決して譲れない部分があったのかもしれない。この周辺、結構広い土地が軍事基地になっていたし、3カ国の国境が近いこともあり、地理的に重要な土地なのかな。

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 ドナウ川越えて首都ブラチスラバへ向かう

 先日訪問したウィーンに比べると、人の数が少なく私好みかもしれない。狭い旧市街のエリアはしっかり活気付いていたが、そこを抜けてしまえば自転車でも気兼ねなく走り回れる感じ。これくらいの方が良いと思います。

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 人多すぎるの苦手なので

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 旧市街エリアで

 フラフラ動き回っていたのは両替所を探してたから。なかなかお店が見つからず変だなぁ・・・と思っていたら、声かけてきた兄ちゃん曰く「そりゃスロバキアの通貨はユーロだからな!」と教えてもらい赤っ恥。というか入国前にそれくらい調べておくべきだろうて。

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 教会とかよりよほど大切だぞ 

 両替えしないと買い物できないと思い込んでたため昼食摂ってないし、人が多くない・雰囲気も悪くない町とはいえ、首都のど真ん中で自転車から目を離しての買い物は躊躇われる。

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 なのでお腹減ったまま観光す

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 世界にはときどき青一色の建物が存在する

 町中を無数の自転車専用道が延びているが、その路面状態は亀裂が入ってたり凸凹だったりすることもしばしば。自転車で走ってる人の数も相当なモノで、自転車人気が高いことは感じられるが、やはりオーストリアと比べると1枚落ちるか。

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 オーストリアに並ぶ水準の国なんて片手で数えるほどしかないぞ

 町から離れた住宅街にあるスーパーで買い物し、遅い昼食タイム。ベンチでもぐもぐやってたら、如何にもな酒臭い浮浪者が寄ってきてウダウダ言ってきた一幕あったので、やっぱり首都で買い物しなかったのは正解だったと思う。

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 安全の保証は難しいから

 ドナウ川は別として、スロバキア入って2本ほど規模の大きな川にぶつかったが、どちらも綺麗で透き通った水とはいえない感じ。とはいえまだまだ日中は汗かく気温が続く。ちょっと水質が気になろうとも、汗まみれで寝る方が嫌なのでしっかり行水決めた茶壺さん。

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 その後に飲むビールが最高なんですわ

 結構面白そうな国の感じがするけれど、如何せん滞在期限が迫っているため短い日数で終えてしまうと思ってる。そういう旅行は主義じゃないのだけどなぁ。

 2023年9月9日(土) 走行距離75km  累計139551km
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 スロバキア2日目 cierma voda川沿い〜ブラチスラバから東北東に94km地点 Bebrava川沿い

 川向こうに家々が立ち並ぶ場所だけど、深夜に何度か大型動物っぽい生き物の足音を確認しており、スロバキアという国は大都市周辺以外は基本田舎なのだと認識した。

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 そういう国の方が自転車的には楽しい

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 そんでもって 

 走り出せば今日も雲1つない青空が広がる天気の元に広がる農地。ここ1週間くらいこんな感じの気候が続いてる気がするが、そうなるとポーランドでの連日悪天候は本当に何だったのか?と不思議に思ってしまう。

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 よっぽど巡り合わせが悪かったか

 バーナーの燃料補給でガソリンスタンドにて給油したのだけど、こんな田舎のガソスタでもFreeWi-Fiが使える事に驚いた。スロバキアって相当レベル高い国なんだな。

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 ネット環境の良し悪しで決めるのもどうかと思うけどさ

 その割に自転車道のレベルは下がったし、郊外ではそうした自転車道が出てくる事も少なくなった。仮にあっても砂利道だらけの未舗装路だったりして旅行用自転車が気軽に使えるタイプではないパターンも多い。

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 ちょっと良い感じの自転車道出てきたと思ったら

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 突如として道が消失したりするし

 結局スロバキアでは交通量の少ない道路の脇走っているのが1番安定してる気がしてきた。サイクリングロードは走り易いし車両によるストレスが無いため良い道だと思うけど、単純に距離を走りたいならば道路脇で走る方がペース速くて良かったりする。

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 ただ旅行で距離を稼ぐ必要ある状況というのは多くない

 今はシェンゲン協定のタイムリミットに追われているのと、今日1日道中で特に行ってみたい場所があるわけでもないためチャキチャキ走れるのは悪くない。

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 結構大きな町である

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 トルナバの教会にてお昼休憩

 そこまで劇的ではないけれど、暑かったのと物価下がった関係でついコーラ2ℓとか購入してもうた。走るのに邪魔だからお昼の間に全部飲み干したのは良いけれど。

 少々後になってトイレに駆け込み暫くの間、動けなくなってしまうマヌケな図。割とこのパターンで痛い目に遭うことは多いのだけど、そうはいってもコーラ買うのを止められない。炭酸抜けるの嫌なので、中身をボトルに移すのも好きになれないし困ったもんだ。

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 お腹の調子も落ち着いたので後半戦

 ド平坦だったスロバキアの土地だけど、ここに来て遠目に山々の姿が見え始めた。まだ標高低い感じでそれほど苦労しないと思っていたが、実際登らされた峠は200mも上がらず頂上到着したし。

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 丘陵地帯ってのが正しい表現か

 こうした土地のほとんどが農地として利用されてる様子で、大量のトウモロコシ畑やシーズン終わって頭を垂れてるひまわり群を抜けていく。

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 外気温と車内の温度で表記分けてるっぽい

 場所によっては側道がないポイントもあるものの、交通量は少ないしほとんどのドライバーは自転車に対して大きく幅を開けて追い越ししてくれるため気にならない。でも稀に自転車の脇ギリギリを猛スピードで走っていく馬鹿がいたりするため油断ならないのも事実。

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 道路脇に展望台があったなら

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 とりあえず登ってみるタイプですよ私は

 かなり良いペースでトポリュチャニの町に到着し、買い物済ませて水補給しても17時過ぎ。ここ最近なかった順調な流れで今日はサクッと終了できそうだ・・・と思ったんだけどなー

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 過去一水汲むの面倒だった水道かもしれん

 町の隣を流れる川には意外と多くの人がいて、なかなか人目につかない場所を見つけられず。そのままズルズルサイクリングロードを進んでしまい、草地の中に入ってはテント張れそうな場所を探し回る。

 刺々しい草で両足ピリピリ痛むなか、結局草地には良いポイントが見つからず橋の下にテント張って終了した。別に橋の下が嫌いなワケじゃない。

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 夕食21時になっちゃったよ

 キャンプ泊していて早寝早起きのスタイルが崩れるのは色々間違ってると思うのだ。というか朝日が眩しくて遅くまで眠ってられない関係で、寝るのが遅くなると睡眠時間が削られ自転車走行に悪影響だし。

 なので今日こそは速く寝るぞ!と決意して、この日記を書き終えたのが22時40分。計画は既に瓦解しており、おやすみなさい。

 2023年9月10日(日) 走行距離102km  累計139653km
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 スロバキア3日目 Bebrava川沿い〜ブラチスラバから東北東に約140km リプニックの町

 数日前から自転車リアディレイラーの調子が悪くてペダル漕ぐとチェーンが擦れる音がして気になっていた。まぁ物価の高いオーストリアでどうこうするよりスロバキアに入国してから考えよう!という事で見ないフリして来た事実。

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 昨日は日曜日だったのでショップは営業しておらず

 できれば今日中に問題解決して気持ちの良い旅行を続けたいところ。そんな気持ちを抱えつつ橋の下から這い出て走り始める茶壺さん。

 下調べしていたスロバキアの無料温泉だとか鍾乳洞が割と距離的に遠くにあり、普段なら数百km程度の寄り道なんて気にもしない私だが、正直今ここで4〜5日余計な時間を費やすと冗談抜きでヨーロッパシェンゲン期限に接触して不法滞在となってしまう可能性が高い。

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 そのため泣く泣くスルーことに

 ぶっちゃけたこと言えばシェンゲン協定も厳格な定めではないし、何処からともなく「シェンゲン滞在超過しても問題無かった」みたいな情報は自然と流れてくる。

 だがまぁ私はそうしたルールを極力遵守していきたい。これは高潔な精神がそうさせるとかではもちろんなくて、これまでに私の自転車旅行を「良い旅行だな」と様々な人が支え、助けてくれたからだ。

 そうした人々に対し私はこの旅行で恥ずべきことは出来ないというか、そうした人達に胸を張っていられる旅行者でありたいと思うようなったので。自転車で世界1周してると表明することは、そういう人達の期待に応える旅行者であることだ。自分勝手で身勝手に旅行するには多くの人に良くして貰いすぎた。

 というところで自転車ショップ発見し、症状を見てもらうことに。ちょっと部品がひん曲がったくらいかと思っていたが、プーリーという部品が使いすぎて変形起こしているらしく部品総取り替えするべきだとのこと。

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 使いすぎて歯も細くなっていたし

 他に調子の悪い場所ないかと聞かれたので、最近後輪がフレて気になってると話したらそちらの整備も合わせて実施してくれた。突然やって来て面倒な作業を頼んでしまい申し訳ない。

 1時間もかからずバッチリ整備してくれて言われた台詞が「料金は要らないよ、良い旅行をな!」ですよ。こんな経験してたらそら「良い旅行」をするため一生懸命になりますよ。

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 ありがとうございました

 整備直後の走行してもストレスの感じない快感はたまらない。すごく良い気分で国道64号線を進み、目指すポイントはボイニツェの町。

 色々訪問を諦めたスロバキアだが、首都のブラチスラバだけ訪れてハイサヨナラでは流石に寂しく適度な距離にあるこのボイニツェ城くらいは行ってみたいと思ったのだ。

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 後半はサイクリングロードも出て来て移動も楽に

 中央ヨーロッパにおける最も美しい城という評価を受けるお城だとか歌われているが、そういう評判はともかく森林地帯の坂に佇む城の姿はなるほど来て良かったと思わせる美しさ。

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 周辺には遊園地だとか動物園とか色々ある

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 お堀がしっかり残されてるの良い

 お城の姿を見に来たので中に入るまではしなかった(高いし)が、お客の数も少なくただ静かに聳え立つボイニツェ城は城内見学するのもアリだったかなとも思う。カメラ持参するだけで入場料と別に追加料金取ってくるスタイルはどうかと思うが。

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 それではスロバキアも出国に向けて移動始めようか

 ここから進路を南に向けて進んんでいく腹積りだが、とりあえずその前にネット&電子機器の充電が急務。出て来たマックに突撃し最低限の商品注文後はとにかくネット使って作業してた。

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 何というかコードだらけだな

 17時半まで粘って充電率は8割強というところ。これ以上呑気にやってると真っ暗の中を走行する危険が出てくるので撤収して買い物&野営地探し。

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 夕日が落ちてくる時間帯の走行は本当に綺麗なんだけど

 そうした写真を撮ってる時は大概焦りまくって必死に野営地探してるパターンなのが悲しい。スロバキアなんかは別に幾らでも野宿できるポイントあるけどさ、これがアフリカだったりすると半泣きよ。

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 夕食遅くなったのは仕方ない

 地図的にはここ最近東へ西へと謎の移動をしている私だが、全体的にはゆっくりと南下しております。明日からは本気の南進が始まるぜ!

 2023年9月11日(月) 走行距離62km  累計139715km
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 スロバキア4日目 リプニックの町い〜ブラチスラバから東に138km  Stiavnica川沿い

 スロバキアという国は1993年(の1月1日)にチェコから分離独立して出来たかなり若い国だといえる。雑に調べた限りでは、スロバキア側での独立機運が高まりソ連崩壊した後のタイミングで独立したらしいが、チェコとは泥沼の紛争となることもなく円満離婚だったらしい。

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 チェコスロバキアという名称に馴染みある方も多かろう

 実際に両国を走ってみて思うのは、洗練されて近代的なチェコに比べて牧歌的で田舎の雰囲気を感じさせるスロバキアという感じ。この緩やかな雰囲気は私個人としてはかなり好き。

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 そんな2ヵ国だけれど

 使用言語は知識がなくてどれほど近しい言葉なのか分からないし、肌の色や顔つきは日本人的にはみんな「白人系」と見えてしまう。このご時世に昔ながらの民族衣装とか見かける機会もほぼなくて、両国が同じ国だったという事実を感じることがない。

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 と思っていたところで

 道路脇の白線なのだが、チェコの白線は何故かやたら太かったことを覚えている。これはあまり他の国で見ないチェコ特有の現象だと思っていたが、ここスロバキアでも全く同様に道路の白線が太いという共通点があった。

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 多分これは自転車乗りだから気付いたポイント

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 その事実は結構嬉しい

 この点だけを示して「自転車乗りは他のスタイルの旅行者より見えるものが多い」・・・なんて恥ずかしいことドヤったりしないし、むしろ道路の白線の違いが見えたところで意味があるとは思えない。

 ただ私の目からじゃ簡単には過去の繋がりを認識できなかったチェコ・スロバキアの両国だけど、こうした小さな点ではあれ、同じ文化の元に国が形成されていたのだな・・・という感覚を覚えることが出来た自転車という乗り物に感謝したい。

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 峠登った私にも感謝したい

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 一旦下って谷底の川を東に向かって進み

 ズボレンというかなり大きな町にてお昼休憩。山間部に広がる巨大な平野に築いた町という雰囲気だけど、この町に限らずスロバキアは土地が有り余っていても集合住宅、平たく言えばマンション系の建物を作っている不思議。

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 やっぱ社会主義時代の影響なのかな?

 後半戦でもう1本峠を越えるルートで南下する。1日に2本も峠越えなんて随分久しぶりで、両足平気かな・・・とか思ったりするが、スロバキア中央部の山脈は標高ほど低い上に斜度も緩やかで自転車に優しい道。

 結局本日登った2つの峠はどちらも標高500mに到達してなかったのでは?と思われる。ワルシャワから休息日入れてないし、今後も滞在日数的に暫くゆっくり休める日は来ないため楽できるルートは正直有難いとも思う。

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 ちょっと物足りないとも思っちゃうが

 ともあれ坂を緩やかに降る感じで走り続け、手頃な場所にあった町で食材購入と水分補給を済ませてしまい、川に並行して延びる道を南下し続ける。

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 周囲も森林で覆われてるし

 どう考えても野宿楽勝だし、ここは日没ギリギリまで距離稼いでしまおうか!とも思ったけど、ここ最近テント張るの遅くなってしまうことが多かったし、今日は早めに終了しとくかと思い直す。

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 夕食も空が明るい時間に食べれた

 作業一通り済ませても時刻は21時過ぎ。こんな早い時間で暇になってしまい、普段私はテント内で何やってたっけ?とか思い始める始末。寝る前の柔軟に30分くらい時間かけろということか。

 2023年9月12日(火) 走行距離95km  累計139810km
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