自転車ときどき世界1周

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 ボスニア2日目 イミグレーション付近の森〜サラエボから西北西に175km地点 滝の脇

 シェンゲン協定圏を抜けた時は毎回そうなのだが、期限に間に合わせるため休みも入れず必死に走り続けた反動で数日動けない状況だった。でも今回ボスニアではそうしてダレることもなく、まだ走ります。

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 ここ山の中で何もないから

 そうはいっても気持ちの張り具合いというかテンションが違う。朝になっても寝袋の中でヌクヌク過ごしていたし、出発前にブレーキの調整に30分とかかけてしまい動き出したの10時過ぎてからだけど、それが全然気にならない心の余裕がある。

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 これは結構大事なことだと思うのですよ

 とりあえず昨日から引き続き峠道を登っていく。クロアチアからボスニアへ抜けるルートは幾つか調べてみたけれど、どれも800mを越えるそこそこの峠を通る道ばかりであり、当然ここもガッツリ登らされる。むしろ1000m弱まで上がるので他のルートより若干大変かもしれぬ。

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 ここだけ謎に国境線が山の手前に位置していたので

 おかげで昨日のうちにボスニア入国することが出来たので文句はない。とりあえずこの山を越えねばマトモな集落も出てこないため、いつまでもテントの中で惰眠を貪ってるワケにはいかなんだ。

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 そこまで暑くないのが救い

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 結局午前中いっぱいかかって頂上へ

 多少下り返した場所に町が出てきたものの、他国から道を進んで最初に到着する町なのに両替所の1つもないとはどういうことか。これが途上国だったら国境付近に両替商がいてその役割を果たしてくれるのだが、んなもんヨーロッパには存在しない。

 つまり町まで来たのに食料の1つも買えないまま私は先へと進むこととなった次第。いやまぁカード使えばその限りではないのだけどさ、自転車は田舎を走る旅行だし基本的にはどんな僻地でも使える現金を確保して行動したい。

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 昼食は一昨日泊めてもらったズビッチから食料色々頂いてるので大丈夫

 山を越えてしまえば標高安定するのかと思ったMー14.2号線(というかこの道路名は何なのだ)。実際20kmほどは平坦な道が続いていたものの、周囲を見れば山に囲まれた土地であることは明らかなので、まぁ登るだろうな・・・とは思っていたけど。

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 一応自転車用の標識もあるっちゃある

 今度はしっかり1000mオーバーのより高い峠であり、こりゃボスニア走るの相当大変かもしれないと今になって思い始めた。何しろこの後の下り坂で500mまで下がっちゃうんだぜ?

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 私はお疲れモードなんだけどなぁ

 とりあえず谷底に位置するドルヴァルの町にて一休み。結局現金は銀行にて両替し、恐らく町唯一のスーパーで食材購入することはできた。地図で見る限り結構規模大きめの町だと思うのだけど、ボスニアってのはこんな感じなのか?

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 こんな感じ=田舎国

 でも近くのガソスタでFreeWi-Fi飛んでる辺りがなんだかんだヨーロッパ。この町抜けると再び1000mを超える峠道へと突入となり、流石に今日は勘弁願いたいと地図を見ながら周囲を調べてみる。

 すると町から西に非常に綺麗な滝&湖があるらしく、そこを見学して終了しようかなと思う。水場があるなら身体も洗えるしビールだって冷やせるし。

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 ということでローカル道を伝って進む

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 廃墟なのか判断が難しいホテルの奥がそのエリア

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 おお 

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 これは思った以上に良い感じだ

 遊歩道のコースとなっていて上までぐるりと回ることができるけど、水は崖の上から落ちてくるワケでもなく、洞窟というか岩場の奥から流れ出てくる不思議な地形。その色合いも雪解け水みたいに青味を帯びていて神秘的だ。

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 泳いでみたけど10秒と保たないくらい冷たい

 人も来ないしピクニックエリアはあるしで、結局ここにテント張って滝の流れる音を聞きながらキャンプすることにした。多分明日はテント水滴だらけの気がするけど、そこは今気にする所じゃない。

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 標高上がったので夜はかなり冷え込む

 ところでボスニア実質初日だけど、早くもこの国が好きになっている。なんというか道ゆく人たちが朗らかに挨拶してくれるし、ちょっと話したら拙い英語で一生懸命伝えてくれる感じがとても良い。この雰囲気はヨーロッパじゃなかなか味わえないですよ。

 2023年9月28日(木) 走行距離53km  累計141037km
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 ボスニア3日目 滝の脇〜サラエボから西北西に約150km Velecevoの町

 思った通りフライシートがビショビショな上に、崖に囲まれた地形で朝日が差し込まずやたらと寒い。こうなるだろうと思っていたけどこうなって欲しくなかった。

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 なんとワガママな

 ただ本当に素晴らしい景色の場所で、そこが公共交通機関も通ってないような場所だったとしても、気軽にアクセスできることが自転車旅行の強みの1つだと思っているため文句はない。

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 テントはビショビショだけどさ!

 5kmほど昨日走った道を逆走する形で幹線道路まで戻り、昨日Wi-Fi使わせてもらったガソスタで今日も朝からネットしたり。今日のルートを確認しておきたかったので。

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 何しろガソスタ超えたら即峠道

 ただボスニアの坂道は一定の斜度が続き、そこまで無茶な上り坂にならない印象だ。このため一度登りのペースとギア配分を掴んでしまえば、それ以後はひたすら同じペースで淡々と登っていける自転車に優しい峠道とも言える。

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 人間は疲れるという点を考慮に入れなければ、かな

 結局今日も午前中を通り越して、13時過ぎまでひたすら峠を登るのみで終わってしもうた。ネットで遊んでた時間が長くて、ヒルクライム開始が11時とかだったため、登ってる時間は昨日とほとんど変わらないのだけれども。

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 これ山頂の標高示す看板なのか

 下り坂へと切り替わってしまえば後は放っておいても先へ進むのが自転車。実際には下りの方が事故確率上がるし集中力全開で望まねばならず、気を抜けるような状況ではないのだがそういう意味でもボスニアは優秀。

 というのも坂道の途中で急角度のカーブだとか、ギャップの多い路面といった危険要素が少なく無理のないダウンヒルが楽しめる道が造られているため。簡単に言えば「ノンブレーキで最後まで降り切れる坂道」となっており、非常に走りやすい。

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 坂終わると出てくる町で

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 思い切り糖分全開のお昼休憩とする

 こんなアホみたいに砂糖取ったけど、午後からの道はそこまで厳しくない峠なんだよね。もう峠があることは織り込み済みで、その難易度で判断するのがボスニア走行だと把握した。

 そういえばクロアチアから恒常的に吹いてる北東からの風だけど、一応ボスニア入国後も変わらず吹き続けてはいる。ただここまでアップダウンばかりの道になると、ただでさえ山と木々で風が遮られてしまうのに、超鈍足か趙俊足での走行が増えて風の影響を感じること自体が少ないので。

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 正直存在を忘れてしまう

 2本目の峠は本当にアッサリ到着した感じだが、それはここの標高自体が高いから。ここから始まる下り坂にて一気に標高100m代まで下がっていくのであり、つまり明日の峠が大変になるワケだ。

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 まぁボスニアでは仕方ない

 谷底に位置するクリュチは地形的に坂ばかりの町だけど、今まで訪れた町では最も大きな規模かもしれない。やはり標高の低い土地に人口は集中するものなのか。

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 逆タイプのボリビアみたいな国もあるけど

 谷底ということは、そこを流れる川があるのが常。町を抜けて少々進んだところでテント張ろうと思いきや、農地と公園が続いてテント張れそうな場所が見つからず隣町まで来てもうた。

 見るからにど田舎だし何処にテント張っても問題なかろうが、多分明日も寝坊すると思うので、そんな時間になっても目立たない場所にキャンプしたい。シェンゲン協定の外に出た私に急ぐ理由はないのだし。

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 日が暮れる前にテント張れれば良し

 ・・・くらいの適当な気持ちが不味かったか。川辺の環境があまりに良すぎて軒並み公園だったり飛び込み台やれ釣りポイントとして整備されており、テントを張る隙がない。

 結局人気のない場所を見つけ出したの日没ギリギリのタイミングで、時間的な制限がなくても遅くなる時はある。

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 21時前にようやく夕食となった

 明日には大都市到着する予定なので、そこで休息日としたいと思ってる。丸1日走行しなかった日はポーランドのワルシャワ以来なので1ヶ月ちょいということになるか。いや本当に毎日よく走ったわヨーロッパ。

 2023年9月29日(金) 走行距離78km  累計141115km
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 ボスニア4日目 Velecevoの町〜サラエボから北西に約140km バニャ・ルカの町

 ボスニアの正式名称が「ボスニア・ヘルツェゴビナ」というのは多くの人が知っているかと思われるが、このボスニアともう1つ「スルプスカ共和国」という2つの主体から構成されてる連邦国家でもあることはあまり知られていない。

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 少なくとも私は知らなかった人

 ここら辺をちょい深掘りすると、異なる3つの民族がユーゴスラビアからの独立後それぞれ方向性の違いで争って、ボスニア紛争を経た後にボスニア・ヘルツェゴビナ連邦とスルプスカ共和国というお互い独立した国が連合する形で今のボスニアとなっている。

 この内戦が相当酷いものだったらしく、カンボジア・ルワンダ等と同様に第二次大戦後でジェノサイド(大量虐殺)があったと認定を受けている数少ない国。

 実際今でも廃墟の壁に銃弾の跡らしきものが散見されるし、ボスニアの歴史を知らなくともこの国の名を聞くと暗いイメージが湧くという人は多い。

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 まぁそれはともかく

 現在では2つの国家が同等の力を持って1つの国となっているワケだ。それを強く感じるのが道路標識に代表される看板で、ボスニアでは必ずラテン文字(アルファベット)とキリル文字の2種類が併記されている。

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 こんな感じ

 3つの民族がそれぞれ違う言葉使うので、本来なら3種類の言語載せるべきなのでは?とも思うけど、どうもボスニア語というのはラテン文字とキリル文字の両方を使用するダブルヘッダーな言語らしく、こうなっているのだろう。

 前置き長くなったが、そうしたボスニアの歴史を知った私としては、今まで走ってきたボスニア領だけでなくスルプスカ領の土地もまた走って体験してみたい。ということでスルプスカ共和国首都であるバニャ・ルカの町が本日の目的地。

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 いってみよー

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 出発して直ぐにスルプスカへようこその看板が

 いやまぁここを通過したからといってそんな直ぐ雰囲気変わる訳でもなく。むしろこの時スタートして僅か300mでもう上り坂が始まったことにガッカリしていた気持ちでいっぱい。

 とりあえずここの峠を越えれば今日は以後上り坂が無い予定。つまりここで体力使い果たしても構わないのであり、よっしゃ全力でやっちゃるぜ!とギアを比最低に設定し、時速6kmでノタノタ進む。

 途中から幹線道路を外れてR411号線に入ったのだが、最初こそ厳しい斜度の登りで大変な道選んでしもうたと思ったものの、頂上過ぎると周辺の木々がなくなり素晴らしい景色が広がる最高の道に。

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 これはたまらん

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 この国ハイライトの1つになるだろうな

 展望良くて気持ちよさにかまけてしまったか、お昼休憩することもないまま走り続けて14時過ぎ。流石にお腹減って動けなくなりそうだったため、出てきた商店でコーラ買って一休み。ついでに朝水滴だらけだったテントを広げて天日干し。

 んなことやってるアジア系の人が珍しいのか休み中にちょいちょい声かけられる。向こうも英語喋れないのでほぼ身振り手振りのコミュニケーションなのだが、気づいた時には飲み物2度も頂いてしまい、お腹タプタプの状態で走行再開に。

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 すごく気のいいオッちゃん達でした

 最後の10kmで一気に下った山の麓がバニャ・ルカの町。とにかくゆっくり休みたいので中心部からは離れた場所にある宿を目安にして探してみる。

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 町中は落ち着いたら見に来ましょうか

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 というかこの町でボスニア始めて自転車乗り見たな

 そこそこ自転車用のレーンもあったりして驚いたというか、もうクロアチアから先はそういう存在が出てこないものと覚悟してたので。自転車にフレンドリーな国のエリアは終わったのだと。

 一応安宿の場所は幾つかピックアップしてたので何とか見つけたものの、あまりに目立たぬホステルで1度は通り過ぎてしまったLarisa Hostelだけど、ここ設備は良いし他のお客も少なく部屋1人で使えるしと文句なし。

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 見つけるのだけが難しい

 目の前走る道路の向こう側に両替できるガソスタもあるし、大型のスーパーまで鎮座しており動き回らず休むのにはもってこいの環境。早速ビール買ってきて一杯やりましょう。

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 シェンゲン脱出おめでとう!

 気が抜けてしまったのか、以後何もやる気になれずベッドの上でウトウトしながらひたすらネット。色々やらなきゃいけない事柄ある気がするけど、それは今日じゃない。

 2023年9月30日(土) 走行距離71km  累計141186km
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 ボスニア5・6日目 バニャ・ルカの町

 休息日。そんな無茶した走行したつもりないけど両足筋肉痛だし全身重たくて動きたくないし、そもそも今日は日曜日。町中行っても多くのお店も閉まってるだろう。ここはゆっくり休むが得策。

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 Wi-Fiも速くて動画もサクサク

 一応午後に伸びまくってた髪の毛切って、スーパーで買い物くらいは行った。そんでケーキ食べつつコーヒー飲んで、夕食作りながら早くもビール飲んでいましたよ私。良い休日だ。

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 なお夕食は豚カツ


 翌日。月曜になったことで小売店も営業してるだろうし、町の観光ついでに自転車ショップへ行こうかな。クロアチア脱出する日にブレーキシューが摩耗してることに気づいたが、予備を切らしていた上にボスニアは自転車ショップ少なかった関係で購入できずにいたため。

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 とりあえず市内へ向かって移動

 宿が町の中心部から5km近く離れてる立地だけど、これくらいの距離は自転車なら疲れず気楽に移動できる距離。山だらけのボスニアも流石に町中は平坦だし、それなりに自転車道が整備されているので走りやすい。

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 やっぱ自転車だよね

 2店目の店がしっかりした品揃えしてて無事ブレーキシュー購入し、その場で交換作業も済ます。私は海外で自転車ショップあるとついつい商品ラインナップ見学しちゃう人だけど、このショップやたらシュワルベタイヤが充実していて普通にマラソンプラスも販売しており驚いた。

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 4年前に東欧でマラプラ見つけられず苦労したのに

 当時ブルガリアで散々ショップを探し回った結果「東欧諸国じゃマラプラ売ってないんだチクショウ!」とか思ったけれど、あるところには普通にあるのが悩ましい。マラソンプラス取扱いショップの世界地図作れば、極一部のサイクリストはそれバイブルのように大切に扱うんだけどな。

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 シュワルベ公式サイトも割と当てにならんのです

 ともあれ作業を終えてもダウンタウンへは向かわず南下する。そのまま2日前に通ったブルバス川沿いの道へと入り、目指す場所は川のほとり。

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 そう、露天風呂!

 昨日かっこいい事言ったけど、バニャ・ルカに来た目的の半分くらいは温泉にある。しかもこの温泉、町から程近い立地な上に入場無料で温泉水がそのまま川に流れ込む地形のため、暑い時期でも季節を問わず楽しめる。

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 最高じゃないか

 という事でウッキウキで水着に着替えて入浴す。褒めまくった温泉だけど1つ問題なのは水温がかなり低い事で、多分30度そこそこしかなく温いにも程がある。夏でも平気と書いたけど、これむしろ冬だと寒すぎて温泉入れない気がするな。

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 どうやら地元民の社交場となってるようで

 私もウトウトしながら2時間近く浸かっていたが、多くの人がそれ以上に渡ってずっと入浴しっぱなし。そんなに大きな温泉ではないので下手に日曜来てたら満員で入れなかった恐れがある。

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 実に気持ちよかった

 サッパリして帰り道の途中でバニャ・ルカの町を眺めつつ。ヨーロッパはアルバニアを除いて全てキリスト教国だと思っていたが、地味にここボスニアはイスラム教が強いようで移民じゃない人でも結構な割合でムスリムの人を見かける。

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 だからか立派なモスクがあった

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 もちろん教会も

 買い物済ませて宿へと戻り、今日もビール飲みつつ夕食作る。キッチンも独り占めして使えるので料理するのも気分が良いわ。

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 久しぶりにコロッケにしてみた

 これでもか!と大量に作った料理食べつつビール飲むことの何と幸せなことか。やっぱり旅行は滞在期限に追われることなく適度にビールと休みを摂取しなけりゃならんのだ。健康にならないぞ。

 2023年10月1日(日) 走行距離 0km  累計141186km
 2023年10月2日(月) 走行距離22km  累計141208km
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 ボスニア7日目 バニャ・ルカの町〜サラエボから北北西に130km地点 教会脇

 睡眠の質という意味では間違いなくベッドで寝た方が良いのだけど、こと睡眠時間を求めるならばテント泊の方がよほど良い。下手にネット環境があると何時までも夜更かししてしまう環境は怖いですよ。

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 なお昨夜は1時に就寝

 私の意思弱すぎるのが悪いという意見はもっともだけど、この点を説教できるほどネット環境に触れず生活してる人は現代日本でほとんどおるまい。これは現代人あるあるの悩みなのだ。

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 とか何とかのたまいつつ

 中2日の休みを入れた割に絶賛寝不足でバニャ・ルカの町を出発する。とはいえ身体は充分に休息を取ったため、踏み込むペダルの軽いこと。

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 お、キャンプ場かな? 

 ボスニアは国内全域山岳地帯の国だと思っていたが、どうやらバニャ・ルカより北側には山脈が存在せず平野が広がっている模様。この町はボスニア国内でも相当北側に位置しているので、実際のところ「ボスニアが山だらけの国」という表現事態は間違っていないのだけど。

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 少なくともここから暫くは平坦な道が続く

 疲れ取れたとはいえそりゃ私だって山登るより平坦で楽できる道を走りたい。そればかりじゃ飽きるからときどき山にも登るけど、基本的に楽できるならば楽したい旅行者ですよ茶壺さんは。

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 こんな感じでサクサク進む道も必要でしょう

 意外と郊外まで交通量が多かったバニャ・ルカだけど、途中から東へ抜ける道路が高速道となってしまい自転車はローカル道へ弾かれる始末。回り道な上にアップダウンも出てくるルートなのだけど、車両の数は劇的に減ったので悪くはない。

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 そういう道の方が走ってて楽しいから

 でもそんな道だとなかなかスーパーのある町にぶつからない。ようやく出てきた小さな商店でパンと飲み物だけ購入し、パンに昨日のコロッケ挟んでお昼とする。こういうこと出来るのは宿泊の強みだよね。

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 ほとんどクロアチアとの国境付近まで来てしもうた

 もっと直線的に進む道もあったけど、せっかく楽な平坦路を楽しんでるので川沿いのアップダウンが少ない道を進んでデルヴェンタの町へ。この時点で16時とかだけど、かなり眠気が強いので今日は無理せずこの近くで早めの終了しようかな。

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 とか思っていたのです

 町を貫く形で流れる川があるため、郊外まで抜けてから川沿いにテント張ろうと未舗装路突入したら、これが大失敗。

 地面が粘土質の土で途中から自転車に泥が付着しマトモに移動出来なくなる程に。川まで僅か1km強の距離の予定が、余りに酷い道で到達前に引き返す羽目になろうとは。

 ロシナンテ号泥だらけでマトモに乗車も出来ないレベルとなってしまい、偶然見つけた洗車場の水道お借りして水洗いすることになろうとは。

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 でもここで休憩してた人たちから飲み物色々頂いた

 そのまま話し込んでしまい、改めて動き出したの18時半。もう太陽が地平線へと沈みかけている状況で、早い時間の終了とは何だったのか?

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 まぁ焦ってはいない

 洗車場で簡単に水浴び済ましており、もはや水場での野営を考えてないため、いざとなればあっという間にテント張って終了できると思っているので。

 ある程度進んだところで墓地に教会が付随してる敷地が出てきたので、ここの森林にテント張らせてもらい本日終了。テント張り終えた時点で完全に日が沈んでいたが、時間的には19時ちょい。大分日の出てる時間も短くなった。

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 とりあえず今日は早く寝ましょうか

 不思議なもので、夜遅くなってからむしろ目が冴えてきたのであり眠くない。アレかな、洗車場で頂いたコーヒーが効き始めたのかもしれないボスニアの夜。

 2023年10月3日(火) 走行距離94km  累計141302km
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 ボスニア8日目 教会脇〜サラエボから北北東に約120km ブルチコの町

 ボスニアという国がボスニア・ヘルツェゴビナ連邦及びスルプスカ共和国という2つの主体から構成されてることは以前述べたとおり。だけどこの国境というべきか境界線は、国の東西で分けるような単純な形ではなくかなり入り組んだ形をしている。

 アフリカもそうだけど民族という単位である以上、同じ地区に異なる民族が混ざり合って生活していた状況で、無理矢理ラインを敷いてもそれで気持ちよく区分けできる筈がないのだ。

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 7時半まで爆睡してた朝

 そんなワケでボスニアとスルプスカに敷かれている境界線はかなり独特な形をしており、無理やり表現すれば、国内における北部と東部が主にスルプスカ。Lの形を180度回転したような感じといえる。

 土地の面積だけでいえばボスニア側の方が随分大きいように思えるが、幾らか走ってみたところ居住可能な平野の割合はスルプスカの方が大分多いので、意外と釣り合いが取れているように思える。

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 この道も多少登るが全然高い山ではない

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 ちょっと景色が良いなと・・・と思う程度 

 うまく出来てるなぁ・・・とか思うのだけど、そんな平坦な土地であるためか交通量が増えたことが少々気になる。今までほとんど車両が走っておらず、気軽な走行出来たボスニアだけど、スルプスカでは少々気をつけてないと結構無茶な抜き方してくる車両もいる。

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 道路事態はそこまで広くないし

 幹線道路だったこともあるのだろうが、午前中走っただけでメインの道を走るのが嫌になりお昼休憩挟んで後半戦は狭いローカル道路を繋いで進んで行こうか思う。

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 国や地域によって走るルートも色々考えるワケで

 こういう小さな道ってエグい斜度の坂道だったり、全然路面が補修されておらずボロボロの道路が続いてたりすることも多いのだけど、今回走ったルートはそういった問題もなくすこぶる快適に走行できた。

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 景色も田舎の風景で気持ち良い

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 やたら立派に組まれてるけど、バケツ引っ掛けてるだけかい!

 壁に弾痕が目に付く空き家と立派な家屋が混ざり合って出てくるボスニア独特の不思議糸も感じる景色。内戦中に他民族が住んでる家屋を攻撃したことによる結果らしく、そういうの知ってしまうとこの国にやたら空き家が多いことが戦闘の酷さを物語っているようで悲しくなる。

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 ちょこちょこ未舗装が混じったりしたものの

 ローカル道を通り抜けてブルチコの町に突入す。このブルチコというエリアは独立した行政区としてボスニアにもスルプスカにも属さない特殊な土地。

 というのも内戦が終わってボスニアとスルプスカのエリアを決める際、どちらもこの土地の領有権を主張して譲らず、どうにもならないために1つの独立した行政区として取り置くことにした土地。

 ボスニア紛争から約30年が経つワケだが、まだこうしたプルチコという町が残っているように、この国における争いの禍根は無くなってはいないことを思わせる。旅行者がサラッと見る限りでは今まで走ってきたボスニアの町並みと何ら違いは見えないが、そうした特殊な立場に置かれたブルチコを見ることができたのは良かったと思う。

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 とりあえずそのブルチコで水補給

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 町北部を流れるサバ川はクロアチアとの国境にもなっている

 その川沿いでテント張れる場所を探したのだが、なかなか姿を隠せるような場所が見つからない。結局ブルチコの町から大分離れた場所で森林見つけ、ようやくテント張ることができた。表題の場所は一応ブルチコの町ということにしておこう。

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 今日も18時半と遅い終了になってしもうた

 日中の気温も20度そこそこまで下がってきたため、そこまで汗かかないし無理に川沿いでテント張らずとも大丈夫ではあるのだが、川に入れる環境あるなら基本行水しますよ私は。綺麗好きなので。

 2023年10月4日(水) 走行距離92km  累計141394km
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 セルビア8日目&ボスニア10日目 Kamisina川沿い〜サラエボから東南東に約50km ゴラジュテの町

 野営地は砂利の上だったためテントの結露は無いと踏んでいたが、朝起きたらフライシート全面水滴まみれであった。何年旅行やってもテントが濡れる原因というのは分からんものだ。

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 日光で乾かしてたら出発10時前に

 とはいえ慌てて走るワケでもなく。スタートして僅か3kmでイミグレーションが出てくる程にはボスニア国境付近にいた。ここの国境を車両以外の方法で越える人はほとんどいないようで、自転車である私も車両のレーンに並んで出国審査を受ける模様。

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 小さい国境ってのはそんなもん

 出国審査だというのに細かい質問が続いたセルビアだけど、無事にスタンプ押してもらいそのままボスニア側のイミグレーションへと移動する。なお本日スタート地点からここまでずっと下り坂が続いてるので、未だマトモにペダルを踏んでいない。

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 それではご機嫌ようセルビア 

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 ボスニア戻りました

 セルビアでも渓谷を走っていたのだが、ボスニア入国してから左右に聳え立つ山々がより大きくなったように思う。簡単にいえば「ダイナミックな道」になった感じで、写真撮るのが実に楽しい。

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 やっぱりボスニアは山の国だと思う

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 日向と日陰の温度差がすごい

 そのまま20kmほど山間の道を進み、平野に出た場所がビシェグラードの町。ここはU字に曲がった川の内陸部分に教会が建っている風光明媚な場所としてオススメされていた土地で、はるばる山の中を走って国境越えしたのも、この町に来てみたいからというのが理由の1つ。

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 ということで訪問してみた

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 想像してたよりずっと荘厳な雰囲気だ

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 川の向こう側からも1枚

 やたら立派な橋の脇にてお昼休憩したのだが、どうもこの橋は世界遺産認定されてる名所の建築物だったらしい。近くの看板にUNESCOとか表記があったので、一瞬気にはしたのだけども。

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 かなり後になってからその事実を知った私

 んなことより私の走行ルートのが問題で、再び渓谷の底にあるドリナ川の脇を伝っていくのだが、この辺の山があまりに険しいためか道路にトンネルがポツポツ出始めた。

 トンネルという存在は日本が段違いに数多く、海外においてそれほどお目にかかることのないモノである。

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 1000km走ってトンネル0なんてザラ

 ところがこの道路は驚きのトンネル率で、長短あれども30を越える数のトンネルが出てくる。問題なのはそのほとんどに電灯の設置が半分もなされていない、下手すりゃ電灯など一切ないトンネルが多いことだ。長さ次第で外の光が届かず真っ暗になる場所もあるというのに!

 路面のギャップ拾って転倒するのも怖いし、そんな状況で後方から車両が迫ってくるのはもっと怖い。自転車のライトで解決するような問題じゃ無いと思うのだけど。

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 走行ストレスが凄まじい

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 それさえなければ景色良くて素晴らしい道なのになぁ

 神経すり減らしながらも走り続けてゴラジュデの町に到着する。ここからは川を離れて山岳ルートへ突入する予定であり、疲れはしても怖い思いをすることのない道になるため胸を撫で下ろす。

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 なのだけど

 その山も標高1200m越えで900m近く登っていく計算となる。ここで下手にヒルクライム始めると途中で日が暮れてしまうの間違いないため、本日はゴラジュデにて終了しようかと思う。

 買い物済ませて川の反対岸へと渡り、テント張れそうな場所を探して回る。とりあえず川沿いの水浴びできるような場所がいいな・・・と畑の間にある道を進んでいたら「セニョールその先には川しかないよ!」と呼び止められてしまったり。

 うん、その川で身体を洗おうかと思いまして・・・と話した私がよほど哀れに見えたのか不明だが「そういうことならウチに泊まっていきなさい」と言ってくれるボスニアの人の暖かさよ。

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 なお娘さんに通訳してもらうまでほぼジェスチャー

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 自宅でパンを焼くって良いな

 ボスニア料理にボスニア酒であるラキアを頂きつつ、ボスニアの音楽を家族みんなで歌って歓迎してくれる至福の時間。本当になんとお礼を言ったら良いのやら。

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 心からありがとうと

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 心もお腹もいっぱいでした

 2度目のボスニアは幸せいっぱいのスタートとなった。

 2023年10月12日(木) 走行距離67km  累計141946km
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 ボスニア11日目 ゴラジュテの町~サラエボから東南東に約20km パレの町


 お世話になってるオルカさん宅の朝は早く、お母さん5時半には目を覚まして朝食の準備を始めていた。昨日0時過ぎまで騒いでいた私たちだが、これは無理させてしまったのではないかと反省しつつ。


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 ボスニアのコーヒーは豆を一緒に煮立たせるトルコ方式


 子供達の学校は車で送っていくそうで、それに合わせて私も出発させてもらう。時間にして8時と言ったところだが、外は無茶苦茶寒いし空一面を雲が覆ってて雨降らないかと不安になるレベル。


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 本当にお世話になりました

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 お花を頂いた経験は少ないけど嬉しいものですね 


 天気予報では朝からずっと晴れだったのに!と思いつつゴラジュデの町中心部で再度情報確認してみたが、天気は変わらず晴天らしい。


 つまりこの状況は谷に位置するゴラジュデに雲がかかり、局地的に天気が悪くなっているとかそういう理由だと思われる。ならば走って移動すれば天気も回復するはずで、坂登って身体動かし身体も温めようじゃありませんか!


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 ということでヒルクライム開始


 地図ではつづら折れの連続でもの凄い急登を予想していたが、思ったよりも緩やかで走りやすいと思えるレベル。そういやボスニアは傾斜が緩くて自転車に優しい系の坂をお出ししてくる国だった。


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 眼下にゴラジュデ


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 本格的に雲の中に入った感じがある


 斜度は緩いが、それはつまりなかなか標高を稼いでいないということでもある。雲を抜けて目指す頂きが見えたにも関わらず、上りはまだまだ続くしどこが頂上ポイントなのかもイマイチ分からず「今回の坂は精神力が大切なタイプだったか・・・」とか思い始めた。


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 上り坂にタイプがあるんかい!


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 雲の上と下とで明らかに天気が違う


 稜線に出てからあまりにも景色が良いもんで、途中で出てきた水場とピクニックテーブルのあるエリアでのんびりお昼休憩することに。こんな天気で必死に走ってる場合か。


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 この環境を満喫しないのは嘘でしょ


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 お昼ポイントからもう3km先にてやっとこ頂上


 なんだかんだ文句も言うけどやっぱり峠は良いもんだ。こうして登った時の達成感と気持ちよさが私を包んでくれるから。でもまぁ山迂回できるルートがあるならそっちを走っても良いとは思う。


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 今回はどのルート走っても峠越えだったのです


 180度ターンを繰り返す道を下って別の山脈との谷間に出たところが道路の交差点。基本的にボスニア山岳地帯は渓谷に沿う形で道主要路が作られていると考えれば良いのかも。


 この道路伝ってそのまま進めば首都サラエボに到着するのだが、まぁ急いでないし日曜日から天気崩れる予報なので、その前日にサラエボ入りして休息とりたい。晴れてる日に休むのなんか悔しいので。


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 ということで適当にテント張ろうと思ったのだが


 微妙に峠道となっており、周囲の森林地帯が傾斜キツかったり民家の敷地だったりとなかなか適した野営地が出てこない。優柔不断なままに峠の頂上まで来てしまい、トンネル越えて下り坂が始まってしまう。


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 ならばパレの町まで進んでしまおう


 その方が標高低くて夜間の冷え込みも和らぐだろう・・・という考えからなのだけど、町に近づけばその分野宿に適したテント張れそうな場所が減る・・・という算段はしていない。


 そんで思ったより都会な雰囲気のパレの町を見てUターン決め逆走始める茶壺さん。大丈夫、日没まで慌てるような時間じゃない。


 すると道路の脇にて仕事していたオッちゃん達から「何か困っているのか?」と声がかかる。というかボスニアは自転車旅行者を放っておかない国だよな。

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 あれよあれよという間に 


 テント張る場所探してると話すとオレらの職場敷地を使えば良いさ!ということに。大変ありがとうございます、助かりますとテント設営後改めてお礼しに行ったらいつの間にか一緒になってラキア飲んでた。


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 アルコール度数40%とかある酒なんだけど


 空きっ腹にラキアポンポン流し込んだこともあり、かろうじて夕食済ました時点で完全ノックアウト。「ラキアを飲めばあっという間にグッスリ快眠だ!」という言葉は正しかったと知る。


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 いやまぁそらそうだ


 2023年10月13日(金) 走行距離65km  累計142011km

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 ボスニア12日目 パレの町〜ボスニア首都 サラエボの町

 ラキアパワーでバッチリ寝坊した朝。今日は目と鼻の先にあるサラエボまで走って終了する予定のため、どれだけ遅い出発になっても問題ないという気楽さも相まって寝袋から出ずにヌクヌクしてた。

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 あと日当たりがいいので濡れたフライシート乾くの待ってた

 なお昨日お世話になったオッちゃんの1人、ネノが「出発前に一緒にコーヒーを飲もう」と誘ってくれていたのだが、9時にはわざわざ迎えに来てくれたためここから大急ぎで出発準備終えて彼の家へと向かう。

 ボスニアコーヒー頂きながら色々話をしたのだが、ボスニアの人は友人に対して「夜はラキアで歓迎して、朝はボスニアコーヒーを振る舞うんだ」と語っていたのが印象的。確かに昨日も一昨日もそうだった。

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 どうもありがとうございました

 サラエボに近づくと交通雨量増えて危険だから十分注意しろよ!という言葉の通り、パレの町を越えたあたりでどんどん車両が増え始めた。

 町が近づいても急峻な山々という地形に変化が訪れる兆しはなく、切り立った崖のような場所に作られた狭い道が続く一方で車両の数だけ増えてる状況のため、簡単に言えば「怖い」

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 頼むから無茶な追い抜き辞めてくれ

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 もっと余裕を持った走行しようぜ本当に

 オマケにここでもトンネルが頻繁に出現してくるわ、首都近郊のトンネルだけどやっぱり電灯ついてないことが多いわとボスニアインフラの脆弱さを感じずにはいられない。今までは地方で交通量も少ない道だったから良かったけどさ、せめてサラエボ周辺くらいしっかり対応しようよ。

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 とか文句言ってるウチにサラエボ到着

 スルプスカ共和国の首都バニャ・ルカと違ってサラエボは山地の谷間に作られた狭い土地である模様。必然的に建物も背の高いビルが増えるし道路の数が減って幅員が狭まり、でも交通量は増えるという都市部あるある自転車で走りづらい環境に。

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 時間もあるし観光しつつゆっくり進む

 宿へ向かう途中で出てきたラテン橋。教科書に乗ってるレベルで有名な第一次世界大戦のきっかけとなったオーストリア皇太子夫妻暗殺の現場となった場所であり、さぞや観光客でごった返しているであろうと思いきや、地元民の足としてまばらに人通りがある程度。側に小さな事件の概要を示した看板があるのみだった。

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 すぐ側の博物館にある当時の車(レプリカ)は大賑わいだった

 ともあれ本でしか見たことのない場所にこうして自分が立っているということは不思議な気持ちだ。世界はちゃんとつながっているというか、様々な歴史が積み重なって今があるのだなと実感するというか。

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 戦争で失われた方を追悼する炎もある

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 私は記憶ないけどオリンピックの開催地でもあるんだよね

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 とかまぁぐるぐる回って

 14時に予約していた宿へチェックイン。この円安&物価高のご時世でありながら1泊12マルク(約970円)と1000円切る値段で泊めてくれる良心的な宿なのだけど、ビルの4階にあるため荷物上げるのがやや大変。

 とりあえず買い物してビール飲みつつゆっくりしようと思っていたが、他のお客に日本人サイクリストがいて話盛り上がってしまい、気づけば時間は午前様。なお旅行再開してから初めての日本人サイクリストでした。

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 いるところにはいるもんだ

 2023年10月14日(土) 走行距離26km  累計142037km
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 ボスニア13・14日目 サラエボの町

 休息日。オーナーがトルコ人のためか利用客にやたらトルコ人が多い宿である。その内1人が日本好きで、過去に何度か日本を旅行したこともあるとのこと。

 ちょっと面白かったのが日本語のヒアリングはかなり高いレベルで出来る一方、発音に関してはあまり得意でないそうだ。その理由はアニメ見て日本語覚えたかららしい。

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 私も洋画見続ければ英語上達できるのかな

 外は1日雨続きであったため、特に町歩きをするでもなくのんびり過ごす。コーヒー豆切らしてしまい食材買いに行くタイミングで調べてたお店の豆買ったのだけど、3500円くらいする相当高級な奴買ってしもうた。お洒落カフェすぎて値段が書かれていなかったので。

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 とりあえず美味しいコーヒーであることを祈りたい


 翌日。朝イチで淹れたコーヒーが美味しかったので満足しつつ、午前中に放ってたPC作業や情報収集行い午後からサラエボの町を散策す。

 既に最も興味があったラテン橋は見学したので特に目的地決めることはなく市内をぶらぶら散策する形で歩いてみることに。

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 サラエボで現存してる最古の建築物だとか

 ボスニアに住む民族が3つに分かれているというのは以前語ったが、サラエボはボスニア系民族のボシュニャク人が多数を占める町。そんで彼らはイスラム教を信仰している人が多いため、サラエボ市内は必然的にイスラムの文化や建物が多くなる。

 ヨーロッパの歴史的な建物や街並みにこうした文化が加わって、サラエボ市内はあまり他の欧州諸国で見た覚えがない独特な町並みが形成されており興味深い。

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 日本の観光地とも似てる気がする

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 所々にモスクの姿がある一方で

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 教会の姿も散見される(いや写真はモスクだけど)

 ボスニアは人口比だとイスラム教徒が最大数ではなくキリスト教国という扱いなのだが、首都であり最大都市であるサラエボがかなりイスラム色強いので受ける実感としてはイスラム系の国という感覚が割とある。

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 ちなみにスルプスカはセルビア系が多いのでキリスト教国(正教)の景色

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 鳩に塗れるこの広場が中心地っぽい

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 普通の水飲み場だと思うけど人の数凄かった

 昨日の雨が転機だったのか、今日は晴天だけど気温が低く本格的な冬の到来を感じさせる。ちなみに深夜の気温は0度まで落ち込んだらしい。

 自転車旅行者のサク君と一緒に夕食で天ぷら作りましょうと約束しており、宿の客で日本好きのトルコ人の分も合わせて天ぷら揚げまくり。

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 よくまぁこんだけ作ったな

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 トルコ人のお客と一緒に飲んだ酒がまた強烈で 

 ビールとラキアを飲みつつ自転車旅行談議で話が盛り上がるのは私も非常に嬉しいことでして。気づいた時には深夜3時となっており、彼明日出発なんだけど悪いことしてしまったなと反省してます、本当です。

 2023年10月15日(日) 走行距離0km  累計142037km
 2023年10月16日(月) 走行距離0km  累計142037km
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