モンテネグロ2日目 川沿い〜ポドゴリツァから西に約30km ツェティニェの町
川沿いの草地で「そうだろうな」とは思ってたけど朝露でテントびしょびしょの中で起床。珍しく木々の中じゃない広場で野営したため、朝食作ってる途中から朝日が差し込みテント乾き始めたのが助かった。
クロアチアを抜けたので滞在期限的には急ぐ理由もないのだが、明日の天気が大雨らしく何処か安宿に泊まる感じで終了したい。これが西欧ならば「そんなの知るか!橋の下にでもテント張るわ!」となるのだが、物価下がった東欧でそこまで必死になるつもりはない。
国名モンテネグロ(黒い山)の割に、最も観光客で賑わうのはこうしたアドリア海沿岸の町だそうで、特にこのヘルツェグ・ノビからコトルの町までがモンテネグロにおける一大観光エリアらしい。
ちょっと覗いてみたのはいいが、海沿いに位置する起伏ある土地の旧市街・・・という昨日のドゥブロブニグと全く同じ構成した立地のため、やっぱり自転車じゃ走りづらい。
早々に町を抜けてそのまま海岸線を東へと進む。この周辺は湾が入り組んだ形をしており、その湾岸線に沿って回ると4〜50kmの距離だけど、湾の入口に狭まってる箇所が存在し(チョークポイントみたいなもん)ここから対岸までをフェリーが就航している。
しかもこのフェリー、自転車は料金無料というサービスの良さ。船も複数隻が常時運行しており短い間隔で運行されてるし、距離にして1km程度の渡し船というには随分力が入ってると思う。
ショートカット後にモンテネグロで1番美しい都市だと言われたコトルの町へ行ってみることに。この国で海岸線から北部へ向かうルートは幾つかあるが、どの道を選んでも峠を越える必要がある(車両は他にトンネル通る道がある)ため、それなら1番面白そうな峠を越えたいと思ってまして。
中央線すらない狭い道だが、どう頑張っても道の拡張は現実的でない地形だし交通量が非常に少なく問題ではない。ポツポツと出てくる家屋の正面には石で囲われた小さな船着場があり、そこに船外機つけた小舟が止まってたりするのは大変よろしい。
モンテネグロで1番と評される場所なので当然観光客向けの安宿も充実してるのだけど、実はモンテネグロでアドリア海に面した町は物価が高いのだ。特にこのコトルは宿泊施設も他の1.5倍とかするリゾート地のため、ここで天候回復を待ってゆるりと過ごす訳にはいかなかった。
それはともかくコトルの旧市街にはやたら猫が多く愛猫家には堪らない町。土産物のグッズにも猫をあしらっている物が多く、何でこれほど猫が多いのか理由を知りたいところ。
堪能したところでヒルクライムのスタートだ。山というのは大概近くにつれて裾野の標高も上がっていくため峠越えで海抜0mスタートというのは割と珍しい。山頂の標高がそのまま獲得標高になると思うと悪くはないか?
元々は首都へと続く道の旧道であったらしく、しかし山の表面を何度も180度ターンして登ってく坂道は現代になってもなお人気があるようで地元のサイクリストの姿も見かけたり。
道幅は狭いが斜度が緩やかなため走っていても割と余裕がある。ときどき大型バスとか脇を通過するので道端に止まることになるが、それさえなければフルパッキンのバイクでも足つかずに山頂まで上り切れる程度の難易度。
上り続けて2時間半、そろそろ気温が下がって気になり始めたところでようやく山の向こう側へと抜ける道が見えた。大体1000mのアップだったけど、走っててずっと楽しかった良い峠だと思いますよ私は。
・・・と思ったら、ここから少々下って最後に200mの登り返しが待っていた。こういうパターンテンションが落ちてしまうから数字以上に疲れるので好きじゃないんだけど。
流石に疲れ切っての登頂だったため、今回は最高ポイントがトンネルだったことに文句言わない。本格的に下り坂が始まる前に上着羽織って準備済ませてからツェティニェの町までダウンヒル。
事前に予約しといた安宿は、場所を見つけづらいのはまだしも管理人が常駐してないタイプで苦労した。
入口に「WhatsApp(海外におけるLINEみたいなアプリ)の電話番号はコレ!」みたいな表記されてても、まずネットが無いから電話できないし、何なら私はWhatsAppのアプリを入れてないぞ。
それでも何とか連絡とって無事チェックインしたの18時半。3日連続で坂の多いハードな走行もあって疲れ果ててしまい、もう夕食は適当な感じで済ませることにした。今日誕生日なので割とちゃんとした食事にしようとか思ってたんだけど。
なお今回が海外旅行中における7度目の誕生日となる。一応私の自転車世界1周も後半戦なので次回こうして異国の土地で誕生日を迎えるかはちょっと分からない。そう思うと本旅行最後かもしれない貴重な誕生日なのだけど。まぁ良いや多分最後じゃないだろうし。
2023年10月24日(火) 走行距離76km 累計142456km