自転車ときどき世界1周

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 コソボ2日目 ペーヤの町〜プリシュティナから西に43km地点 道路脇

 草木も眠る丑満時に謎のライトで目を覚ます。というのも同室の婆ちゃんが私に向けてライトを照らしていたからで、曰く「イビキがうるさかったから」とのこと。

 いやいや、マナー違反でうるさいのならともかく生理現象で人の睡眠妨害するとかどうなのよ?それが嫌ならドミトリーじゃなくて個室を利用すべきなのでは?

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 ・・・という気持ちを抱えた朝

 おかげで絶賛寝不足である。何でお金払ってまで寝心地悪い思いをしてるのかサッパリ分からない。せっかくの無料朝食も気持ちよく頂けないではないか。

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 頂きましたが

 このまま走れば首都であるプリシュティナの町には今日中に到着できると思うけど、疲れと寝不足とでガンガン走る気持ちになれん。とりあえずチェックアウトギリギリの時間までゆっくり休ませてもらうことにする。

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 11時過ぎになってようやく出発

 せっかくなのでペーヤの町外れにある教会を見学してみようかと思う。世界遺産云々はどうでもいいけど、イスラム色が強いコソボで残存してるセルビア正教会の建物というのは興味あるし。

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 宿から2kmくらいの距離なので

 東欧における宗教はキリスト教でもギリシャ正教を始めとする東方正教会という印象が強い。カトリック・プロテスタントの2代派閥は学校の授業でも学んだ記憶があるけれど、正教会というのは正直どういった組織なのかとんとイメージが湧かない。

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 これまで訪れた国で散々見てきているけれど

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 壁面に直接描かれてる絵というもの悪くないな

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 この跡地は13世紀に建築された建物の名残とのこと

 やっぱり正教会がどういう組織かは分からないが、訪問して面白かったので問題なし。町中に見えるモスクも悪くないが、イスラム教は偶像崇拝禁止の絡みで素人目に驚くような銅像や絵画といったものが出てこないので。観光的な意味ではキリスト教の方が面白い。

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 そんなことを思いつつペーヤを抜ける

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 おいおいまだ町中だというのに

 昨日の交通状況が郊外出ても続いたらどうしよう・・・と心配したが、町から離れてしまうと片側2車線の道路でありながら交通量はほとんどなくなり走りやすい道となる。私としても、これなら気軽にサイクリングができるというものだ。

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 天気良いけど夕方から大雨らしい

 何にしてもプリティシュナの町へは明日以降の到着を目論んでおり、今日はどのタイミングで終了しても構わない気軽な行程。眠気も強いしどこか良さそうな場所見つけたら、時間を気にせず早々にテント張って走行終了しても構わないと思いつつ。

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 そういう時ってのは大概

 ついつい走りすぎてしまうのが常であり、15時半にはスーパーでの買い物済ませ野営に伴う水も補給完了した茶壺さんは「出来れば屋根の下でテント張りたいな」とか雨対策に気を向けつつの走行。

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 そんな集中してないことが悪かったのか

 気づけば山岳地帯へ突入してしまい、橋の下やれ廃墟はおろか上り坂が続いて普通にテント張る場所すら見つからなくなる始末。これは良くないパターンですよ。

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 どこまで行っても状況変わらず

 2日前にサマータイム制度が終了したこともあり16時半には空が暗くなり始める。時刻17時半と思えば何の疑問もない状況だけど、数字のマジックでやたら早い夕暮れに焦り始めた私。

 結局どうにもならず山の上で道路脇の奥まったポイントにテント張って無理矢理終了とする。屋根はおろか平野のど真ん中に位置するポイントで、雨に降られるのは避けられないけど仕方ない。

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 余計なことはワイン飲んで忘れることにした

 20時より本格的な雨と雷が鳴り響き、ロシナンテ号はずぶ濡れ状態に。私もワインの飲み過ぎなのかやたら喉が乾いて仕方ないので、雨を気にせず今夜は早くに寝てしまうことにする。というか眠気が限界でして。

 2023年10月31日(火) 走行距離39km  累計142771km
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 コソボ3日目 道路脇〜コソボ首都 プリシュティナの町

 昨夜早寝したことが功を奏したか6時前に目を覚ます。とても早起きな気がするけれど、数日前にサマータイムの時期が終了して1時間ほど時差が発生したのはコソボも同じ。つまり感覚的には7時の起床でいつも通りだったりする。

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 太陽光で目を覚ます自然に忠実な生活ではある

 素早く準備して早めに出発するのも悪くないが、昨夜の大雨でテントはずぶ濡れ状態のため太陽光利用しある程度乾燥するのを待ってから移動しようと思う。乾燥させないとテント収納してるバッグ内が酷い状態になってしまうので。

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 結局10時前まで粘って出発した

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 小高い山の上だったので景色が良いな

 多少下り坂を挟んだものの、標高500m前後で安定してるコソボの土地は地平線こそ見えないものの平地が多く自転車にとって走りやすい国だと思う。

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 今の時期は涼しいので特にそう思う

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 途中で寄ったガソスタのトイレが驚くべき豪華さ 

 惜しむらくは首都を前にして交通量が増えてしまい走行にややストレス感じる点だったのだが、これも途中から幹線道路っぽい片側2車線の大きな道へと切り替わり、側道も広々とした道となって素晴らしい。

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 これなら私も文句ないですよ

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 多分あの辺がプリシュティナの町

 1国の首都だけあって町中突入時は交通量の多さにゲンナリしたが、それでも自転車道路が設置されててかなり走りやすいのも確か。なんだかんだ道路は自転車に優しいヨーロッパの国なのだと思ってしまう。

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 ペーヤの町ではコソボどうなるかと気を揉んだけどさ

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 この辺が目抜き通りかな?

 モンテネグロから入国した際には「大部雰囲気変わったなぁ・・・」と思ったりもしたが、首都の雰囲気はまだまだヨーロッパの先進的な感じを受ける。1番気になる違いがちょいちょい出てくる宗教施設が教会ではなくモスクなところか。

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 ヨーロッパ唯一のイスラム教国家らしい

 ちなみに隣国アルバニアもイスラム教徒が多数を占めるのだけど、この国は政府が無神国家の宣言をしてる謎な国であるため区分的にはイスラム教国家とはいえない?ため。

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 でも割と緩いタイプのイスラム教な気がする

 過去にもマレーシアやインドネシアといった「イスラム教だけどそんなに厳しい戒律ないよ」系の国に訪れたけど、コソボはそうした中でも更に緩いと感じるな。アルコールもそこら中で販売されまくってるし。

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 あとイスラム系で親米国家というのが珍しい気が

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 レゴとコソボの関係わからないけど名古屋のレゴランドだって似たような存在だし良いか

 時間に余裕あるので宿へと向かう前に下調べしといた自転車ショップへ向かう。クロアチアで交換したばかりのブレーキワイヤーが早くも切断され始めてる状態で、早急な対処が必要だと判断したため。

 実はペーヤの町でも自転車修理店に寄ってみたのだが、ワイヤー1本に1500円近い値段を吹っかけられてアホらしくなりスルーした一幕がある。コソボでは外国人に対して値段増し増しに請求してくるタイプの国なのかと不安な気持ちでショップに訪れたのだが。

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 無茶苦茶親切で良いお店だった

 タンザニアで交換したリアブレーキも安い中古品で販売してくれたので、併せて交換してしまう。1ヶ月くらい前から直ぐにリアブレーキが伸びてしまいその都度調整し直す状況が続いてたけど、そんな面倒さともこれでおさらばだ。

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 面倒なブレーキ使い続けてた私 

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 気分爽快プリシュティナ

 市内中心部から直ぐ近くに位置する宿は、ボスニアと同じくトルコ人が経営するタイプ。あまり知らないけど東欧の国々は、私が思ってる以上にトルコとの繋がりが強いのかもしれない。

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 とりあえず適当に夕食作って

 このまま走行続ければ明日にでもコソボを抜けてしまうことが出来るけど、この国の人々は自転車旅行者に優しいし私もコソボという国をもうちょい堪能したいのが本音。ということで数日プリシュティナでの日々が続くと思われます。

 2023年11月1日(水) 走行距離53km  累計142824km
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 コソボ4・5日目 プリシュティナの町

 室内に2段ベッドが4組置かれている一般的なドミトリーの寝室なのだけど、同室の宿泊者が割とどうしようもない輩が多く、深夜1時とかに部屋戻ってきてバカみたいな大声で騒ぎまくる。この手の人たちは基本的に「寝ている周囲の人に迷惑」とかそいういう発想がないため、深夜でも平気で騒ぐし電話するし挙げ句に音楽鳴らし始めたりする。

 都市部に安宿は色々あるが、単純に値段が安い施設ほどこういう人の割合が増える傾向にあるため「安けりゃそれが1番」ということにはならない典型例。

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 朝遅くまで寝てるのは気にしないけどさ

 私はといえば7時過ぎには目を覚まし、誰もいないリビングルームでコーヒー飲みつつ観光するため準備を始めるワケで。お互い旅行者だしどちらの旅行スタイルが良いとか意味のないこと論じるつもりは無いけれど、日が登ると活動開始する方が生物として健康的だなとは思う。

 ということで荷物外したロシナンテ号で町郊外にあるベアサンクチュアリへ行ってみようかな。名前の通り多数の熊がいる施設とのことで、実は私の旅行において熊との遭遇回数は割と少ない。

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 距離的には近いけど

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 山を迂回するので20km以上の距離となる

 アラスカナダを走った際に計3度ほど熊との遭遇を経験したが、これは同地域を走るサイクリストからするとかなり少ない回数であり「運が良かったな」と言われる反面、もっと間近で熊の姿を見てみたかった・・・という思いが無いワケではない。

 そういうワケで特にヒグマことグリズリーを直近で見れるこの施設には結構興味があったのだ。

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 片道22kmを走る程度には

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 ということでベアサンクチュアリに到着

 細かい点までは分からなかったがコソボで保護された熊を自然に近い環境で生活させてる動物園に近い施設の模様。合計で20頭近くの熊がエリアに分かれて生息しており、個別に見て回ることができる。

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 他にお客もほとんどおらず気軽に散策

 園内を1周するのに2km弱、それも山中に設けられた施設であるためかなりのアップダウンを伴う道。まぁそういう場所だから熊にとっても住みやすい場所と言えるのかもしれず、私が疲れることは仕方ない。

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 おお、想像してたよりずっと近くに

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 謎にライオンも1頭保護されてる

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 完全に安全が確保されてるから「可愛いなぁ」とか思って見れるけどさ

 アラスカナダではコイツらが同じフィールドで活動していたのかと思うとゾッとする。ブラックベアと違って身体の大きなブラウンベアは、普通に相対したらそれだけで足がすくんで動けなくなりそうな迫力。

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 でもそんな一方で

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 中身にオッさんが入ってるのでは?と思わせるヤツもいる

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 ともあれこんなデカい爪持ってる生き物には勝てないよ

 結構な数の熊が眼前を歩き回っていたりとなかなか面白かった施設。これで入園料2.5€(約400円)というのは良心的な気がするし、私は充分楽しめた。

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 そんで帰りも1時間ちょい走ってプリシュティナへ戻る

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 割と衝撃だった道路看板の1枚 

 市内へ出入りする辺りの交通量と運転マナーが酷く、もう2度とここを走りたくないと思わせる道だったけど町を脱出するのにもう1度この道を通ることになるのが今から嫌だ。

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 ともあれ宿に戻って甘い物で一休み

 夕食は昨日じゃがいも茹でて具材を混ぜ込み下準備しといたタネを使ってコロッケ揚げる。というか昨日の時点で作っても良かったのだけど、パン粉が見つからず迷走したことから翌日持ち越しとなった経緯があったりなかったり。

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 とりあえず満足できる出来でした


 翌日。この日を休息日とする算段としたのは今日の天気が雨だから。実際にはやや天気回復し始め午前中は雨降らずに終わったけれど、その事実とは関係なく私は寝たりネットしたり。

 結構目まぐるしく部屋のゲストは入れ替わるけど、オーナーがトルコ系だからか常に一定数のトルコ人が滞在してる印象で、その人らが主に煩い元凶なんだよね。

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 あまり外へ出ることもなく宿にて過ごしてた1日

 私はキッチンで使った食器や調理器具を洗わず放ったらかしにしてるの大嫌いなんだけど、そんな状態で馬鹿騒ぎとかしてるから私に説教食らうんだよ。まったく。

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 昨日の小麦粉余ってたのでお好み焼きの夕食に

 地味に明日も天気悪いけど、できれば延泊せずに出発してしまいたい。別に居心地が悪い宿ってワケではないんだけどさ、それはそれとして走り出したい気持ちが強いかな。

 2023年11月2日(木) 走行距離44km  累計142868km
 2023年11月3日(金) 走行距離 0km  累計142868km
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 コソボ6日目 プリシュティナの町〜プリシュティナから南に46km地点  ピクニックテーブル脇

 ちゃんと7時に目を覚まして準備始めたのに、外はガッツリ雨降ってるというね。とはいえ宿にいるのでネットが使える茶壺さん。天気予報を確認するとお昼を境に雨は降り止む模様のため、出発はそのタイミングまで待っていようかな。

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 12時直前に雨は止んだので午後だけ走る感じに

 北マケドニアのスコピエまでは距離にして100kmちょい。流石に今日中の到着は厳しくなったので、今日のうちに距離縮めておいて明日の早い時間帯にスコピエ到着を目指したい。さすれば町中の観光してもなお余裕のあるペースで移動できそうだし。

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 むしろ最初からそれを狙っていた節がある

 2日前に通ったルートをなぞる形で中心部から脱出し、そこから先は幹線道路に幅広の側道が出てきたため思ってたよりずっと楽にプリシュティナの町から抜けることができた。コソボはドライバーの運転マナーは決して褒められたものではないけれど、道路自体は割と自転車にも優しい優秀な国。

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 路面がウェットで水跳ねが酷い

 途中で1度自転車やバッグに付いた泥を水で洗い流したけど、多少走ったら元の木阿弥なので気にしても仕方ない。道路乾いてきたかな・・・と思っての措置だったが、その5km先で大雨が降った直後みたいな水浸しの路面が出てきたりと、かなり局地的に雨が降ってる模様。

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 明らかに日本じゃないメーカーが

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 MKでマケドニアという意味なのは分かる

 そういやこの国の現在の名称は「北マケドニア」なのだが、ギリシャから物言いが入って国名が変更されたのほんの数年前のこと。こうした看板の表記が改められるまでには暫く時間がかかるのだろう。

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 基本平坦路か下り坂で楽な道

 休息取った直後及び走行ペースも抑え気味の走行ということもあり、余裕綽々の走行である。15時のタイミングでスーパーにて買い物済ませ、水も補充し早くも野営できる態勢を整えてしまう。

 このまま早々にテント設営しても一向に構わないのだが、プリシュティナの町から南に伸びるルートはなかなか無人地帯が出てこず郊外に入っても商業施設や民家が途切れず現れる。

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 数は多くないのだけども

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 今シーズン初めての雪を見たかも

 そんな場所だとなかなかテント張る踏ん切りはつかないし、私も時間的な余裕があるため「朝日が当たりやすい場所が良い」だとか「午前中の雨で湿ってる草地の上は嫌だ」みたいな我儘出てしまい、なかなか納得する場所を見つけられず。

 ズルズル進み続けて気づけば日没ギリギリとなってしまい、どうして毎回テント張るのが遅くなってしまうのか?ちっとも理由が分からないぞ。

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 結局川沿いの草地にテント張った

 なお本日の日中最高気温は13度。晴れていないと気温上がらないため相当厳しい気温になってきたが、一応川沿いで野宿した時はまだ行水を続けている。今年はどこまで耐えられるかな?

 2023年11月4日(土) 走行距離52km  累計142920km
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