自転車ときどき世界1周

カテゴリ:中東 > イラン

 イラン2日目 ハバシェ ソフラの町〜テヘランから西北西に約650km ホイの町

 大部屋に布団を敷いて皆さんと同じ一緒に寝る(女性は別部屋)というのは修学旅行感あってなかなか良いものだ。私は消防時代にこのスタイル散々経験してるので、それほど特別なことではないけどそれでも。

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 すごく私物が少ない印象の家

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 一緒に朝食を摂った際にお願いして撮らせてもらった1枚

 マシュドたちの仕事に合わせて私も出発する。「良かったらもう1泊くらい泊まっていきなよ」とお誘い受けたのだけど、今日は今日で予定があるため謹んでご遠慮させてもらった。というか私がいるとお母さんとか忙しくて落ち着けないだろうし。

 まだ標高2000mある土地なのだが、イランに入って気温が上昇したように感じる。少なくとも今朝はTシャツの下にアンダーウェア着ないで走ってたけど、特に寒いと感じることはなかったな。

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 山の谷間に延びる道を下っていく

 かなり直線的な道でありつつも、斜度が緩やかで自転車的には距離を稼ぎやすい道。午前中の時点で最初の大都市ホイの町まで一気に駆け抜けてることができそうでホッとしている。なにせ現在の私は一文無しでマトモに昼食すら食べれない状況。

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 イランリアルの入手が急がれる

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 ヴァンから伸びてる鉄道はイラン側にもあるようで

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 標高1200mくらいまで下がってきたかな

 ちょっとしたツテでここホイの町に住むエファンという人物とアポが取れた。彼はイランを旅行する外国人に対して情報交換できるグループを開いており、他にもイラン初心者のためにSIMカードの契約や両替といったアレコレを手伝ってくれるとのこと。

 彼の叔父さんが経営するケバブ屋に到着し、お金もないのに後払いということで昼食してる茶壺さん。いやだってお腹が減って仕方なかった。

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 それにエファンが立て替えてくれるって言ったから

 ともあれ無事にエファンと合流できて一安心。彼の案内でSIMカード取り扱ってるショップに向かい、契約を済ませたのだが1ヶ月20Gのパケットで2〜3ドルって言われたのだがちょっと安すぎやしませんか?

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 この辺イランは面倒で

 公定レートと実勢レートの開きが10倍以上ある点と、イランの実勢レートを確認できるネットのページが規制がかかっており普通に見ることはできないのだ。つまり実際にどの程度の料金であるのかレート確認して調べることが難しい。

 ネットが使えるようになったので早速レートを調べてみようとVPN起動したけれど、わざわざ事前にセッティングしたVPNは全く動きやしないと来たもんだ。イランのネット事情はコロコロ変わるらしいので、ちょっと前に使えたVPNが今じゃ全く使えないというパターンはままあるらしいが。

 とりあえず現金の両替したいところだが、エファン曰く今の時間(15時)は店舗が閉まってるから駄目だ。17時以降にならないと両替できないね。と言われてしまい、仕方ないのでホイの町に1泊することに。

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 宿はエファンが安い場所教えてくれた

 改めて17時半にエファンと連絡取り合い両替大作戦の開始。なおVPNは地元民がよく使ってるものを教えてもらい解決した。

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 まだお金ないのに平気で食べてる屋台飯

 ホイはそんな旅行者が多く訪れるような町ではないこともあってか両替所自体がほとんど存在しないのだそう。それで連れてかれたのがしない中央近くにあるデパートだった。この中に両替所があるとのことだけど・・・

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 この外見じゃ普通は全く見つけられないぞ

 しかも店員が現金を調達してくると出かけて1時間以上待たされる。実は私の他にスペイン人夫婦の旅行者もエファンに連れられて一緒してたのだけど、それでも両替する金額は5万円ちょっとだぞ。どんだけ現金枯渇してんだよと思ってしまう。

 100ドル紙幣が600万近い紙幣の束に化けたのであり、これを1枚1枚数が合ってるか確認するだけでも一苦労。イランの1番大きい紙幣が10万リアルなんだけど、半分以上を1万リアル紙幣で持ってこられたので。

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 この200万リアルで大体5380円

 両替終えてエファンからイランのオススメポイントとか教わってたら22時過ぎてしもうた。それでも町中は多くの店が営業してたし人通りも普通にあるあたり本当にイラン人は夜型なんだな。

 宿でエファンに立て替えてもらったお金を支払ったのだが100万の札束を渡すことになったのは、なんというか精神に悪い。無茶苦茶大金を使っているような錯覚があるので。

 とにかくこれでイラン旅行するための準備が整った。明日から本格的にイラン走行が始まると思います。

 2024年3月6日(水) 走行距離58km  累計147372km
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 イラン3日目 ホイの町〜テヘランから西北西に約600km コシュクサレーの町

 ベッドシーツに小さい穴が複数空いてたので、ベッドバグの可能性を考慮し寝袋使った夜。ときどきこうした対応する宿はあるのだけど、場合によっては寝袋にバグが付着し大惨事になるのでは?という想像もしてしまう。

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 今までそうなったことは無いけども

 エファンが世話したツーリストに書いてもらってるというノートがあるそうで、私にも一筆お願いしたいとのこと。ということで出発準備を済ませてエファンがやって来るのを待ちつつ朝コーヒー。

 8時過ぎに来る予定のエファンが来たのは9時過ぎだった。ノート記帳に加えて出発前に動画撮影も行ったりと恥ずかしい。改めてエファンにお礼言ってそれではイラン走行始めましょうか。

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 意外にも交通状況悪くないイラン

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 自転車の需要もある国なのか

 決して交通マナーが良いという訳では無いのだが、トルコで感じてたようなドライバーに対して腹を立てるようなことは非常に少ない。なんとなく感じたのはイランのドライバーは交通マナーは悪くとも自分勝手な運転をするのでなく、譲り合いの精神があるからなのかと思ったな。

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 郊外に出て走りやすくなったと思いきや

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 すぐ側で営業していた屋台のオッちゃんたちに招かれる

 チャイと蒸したジャガイモ頂きながら談笑してる時間が楽しいね。あと数日も経てばラマダン月が始まってしまい、日中こうした飲食する機会も無くなるだろうから貴重な機会になるのだろう。

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 少々天気の悪いコンディション

 暖かくなったので7部丈のズボンに切り替えたが特に寒さは感じない。イスラム教の服装レギュレーション(足が見える服装は禁止)的にもこれくらいなら許容範囲さと言われたので、イラン走行中はこのスタイルで走ることになると思う。

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 それはそれとして小雨が

 ちょいちょい降って来るのが困り物。あんまり雨足強くなると軒下避難して休むから良いが、それより路面が濡れて泥水が跳ね飛ぶ状況になるのが嫌だ。

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 優雅な放牧って感じ

 30kmほど走って三叉路を右に曲がり南東方向へと進む。今日は南からの風が吹いてたので、このカーブより先は基本向い風と喧嘩するようにして走ることになる。雨に風にとなかなか楽させてくれないな。

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 昼夜で速度制限が違うのは良い試みだと思う

 目安にしていた食堂は潰れていたようで、そのまま走り続けて小さな集落の商店にてお昼休憩とする。多分村で唯一の商店なのだろうお店はどこからともなく子供たちが集まってきて、最終的に10人以上が私の言動を興味津々に見つめている。田舎ってのはこれが疲れる。

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 主要な看板には英語の表記もあるから助かるわ

 午後も時間が経つほど雨が降る割合が増えていく。天気予報を確認しても雨は夜まで断続的に降り続くみたいであり、こりゃ食材ゲットしたら早々に終了した方が正解だな。

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 と、雨宿り中にみかんを貰いつつ

 ちなみにここで休んでる最中やって来たイラン人が「トルコで仕事した報酬の100ドル札が何処でも両替できないんだけどさ、オマエの100ドル札と交換してくれよ!」と言ってきた一幕が。

 いや両替できないなら偽札なんじゃないの?そんな曰くつきのお札を初対面の外国人に交換してくれと言って来るとは。良くも悪くもイランは向こうからイベントが飛び込んでくる国だと思う。

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 これ相当危険な遊具だと思うのだが

 何とかコシュクサレーの町まで到着し、近にあったガソスタ裏手の廃墟にテント張らせてもらえないか聞いてみたら、施設離れの部屋をあてがってもらえた。モスク関係の礼拝所ではないと思うが何の用途で使う部屋かは不明。

 一旦町に戻って食材を買い物してくるよと伝えたら、オーナーが車出して買い物付き合ってくれた。町中回ってる途中で雨が本降りになってしまったので本当に助かりました。

 夕食は廃墟の軒下で作ってたのだが「そんな場所じゃ寒いだろ、こっち来い!」と事務室に連れてかれ夕食頂くことに。イラン人のホスピタリティは凄まじい。

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 どうもありがとうございます

 自転車は見えない裏手の廃墟に置かせてもらい、荷物一式は部屋に置かせてもらう。気温上がったとはいえ深夜はまだ冷え込む土地であり、暖かな夜を過ごせることは嬉しい限りです。

 2024年3月7日(木) 走行距離81km  累計147453km
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 イラン4日目 コシュクサレーの町〜テヘランから西北西に約520km タブリーズの町

 何の施設かと思っていたが、やはりイスラム教の礼拝所であった模様。イランってイスラム教の中でも特に戒律厳しいイメージあったけど、その割に外国人を招き入れて寝かせたり、どころか作業員の仮眠室として使われたりと案外フレキシブルな感じ。

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 女性のヒジャブとかも前髪が出ており比較的自由

 朝食普通に作って食べたのだが、オーナーが「親父が朝食持ってくるから一緒に食べようぜ!」とお誘いしてくるため、誘われたら断れないマンの私は朝から栄養盛り沢山。

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 本当にありがたい限りです

 出発前に大量のナンを頂き、まだ一昨日貰ったパンも消費しきれてないのに次々食材が増えていく。何と幸せな悩みだろうかナンだけに。

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 オチ付けたところで出発

 ここから1本峠を越えた先にあるのがイラン人口第4位であるタブリーズの町。とりあえずこの町にたどり着くのが本日の目標という感じ。

 緩やかな上り坂を進むこと10kmちょい。マランドという町を迂回するように南へ曲がると前方には山々と合わせて凄まじい雨雲が。

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 これは不味いんじゃないだろうか

 間も無く降り始めたのは雨じゃなくて雪だった。直接服に染み込まないからまだマシだな!とか言ってる余裕も無くて、何とかガソスタに逃げ込み難を逃れて一休み。

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 そんでチャイを頂く

 雪が降り止んだので再出発したのだが、これが考え甘かった。山頂までもう3〜4kmというところで先の雨雲に追い付いてしまったのか、先ほどとは比較にならないほどの大雪が。割と全身真っ白になりつつ半泣きの状態で軒下探すことになろうとは。

 一応商店の脇に避難出来たのだが、ここでも店員さんに声かけられて中に入れてもらう。濡れた服をストーブで乾かしながら頂くチャイはより一層美味しく感じる気が。

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 本当にどうもありがとうございます 

 流石に今度は中途半端なことはせず、しっかり天候の回復を待つことに。私の気持ちとしてはかなり焦っていたのだが「私はこの山を知っている。今無理に出発してもすぐ雨に降られるよ」と言われたので気持ち切り替えることに。

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 そんでキッチン使わせてもらい昼食作ってた

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 お昼済ました頃にはこの天気に

 「別に泊まっていっても構わないよ」とまで言ってもらいイラン人の親切さに今日も助けられてばかり。申し出は嬉しいけれど私は先へ進もうと思います。

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 サクッと山頂到達し

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 タブリーズまで一気に進むぜ!

 緩やかな下り坂と直線的な道。イランという国は自転車乗りが喜びそうな道造るのが上手いと思う。途中から雨雲に追いついてしまったのか、軽い雨が降ったり路面が濡れてる場面もあったりして自転車滅茶苦茶に汚れてしまったけど仕方ない。

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 これを見越してレインウェア着たのだし

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 ようやくタブリーズの町が見えてきた

 今までの町とは比べ物にならない規模と交通量。まだ町周辺の環状線道路にいるのだが、この時点で凄まじい車の数に早くも嫌になりそうだ。

 しかも動けなかった時間が長いため日没までの時間も押してる状況。どうしても焦ってしまう状況で、こういう時に事故は起きてしまうのだと自分に言い聞かせて進む。

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 意外と公園が大きくて設備も立派

 中心部が近づくと道路のインフラに対し明らかに多すぎる車両の数で凄まじいことに。昨日ちょっとイランドライバーを褒めたけど、基本的に彼らは交通ルール適当だし逆走もすれば無茶な運転もする人たちだ。

 しかもタブリーズ中心部は無駄に一方通行の道路が多くて走りづらい。せっかく車線が複数あるのに道の半分以上が駐停車する車両で埋まっており、実質的に1車線しかないことも多いのは途上国ではよく見る光景とはいえさ。本当馬鹿なんじゃないかと思う。

 18時半になってようやく目的地としていた市内の無料キャンプ場に到着する。エファンに教えてもらったキャンプ設備もしっかりしてるわ守衛も常駐している素晴らしいポイントだ。

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 これはありがたいことですな

 と思っていたら今日はイランの祝日だそうでキャンプ場も利用不可能と言われてしもうた。これは完全に計算違いなのであり、今から別の宿泊地を探すのかよ・・・と思うと流石に落ち込む。

 ところでキャンプ場の場所を探しる途中で地元のアミンという人が声かけてくれ助けてくれたのだが、もう遅いし良ければ自分の家に1泊していけば良いと提案してくれた。さっき会ったばかりだというのになんと親切な。

 ということでアミンの自宅にお邪魔する。バッグも自転車も泥砂だらけであり、入る前にバッグに関しては完全水洗いして汚れを落としましたとも。

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 イラン軍隊時代の支給品らしい飯盒

 アミンは結構なインテリ層の人間で、非常に聞き取りやすい英語を話すのみならず研究所の職員として働く傍ら現在も大学に籍を置いて学生を続けているらしい。学生11年目とのこと。

 そういう人が現在のイラン政府に対しどういう風に考えているかから日本の政治や宗教観まで。正直これらの話を出来たことが泊めてもらったことより嬉しかったまである。

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 一緒にご飯食べつつ

 かなり盛り上がって床についたの0時回ってた。なんだかんだイランではまだ1度もキャンプ泊してないのな。

 2024年3月8日(金) 走行距離99km  累計147552km
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 イラン5・6日目 タブリーズの町

 イランは建物の規模に対して部屋が大きい造りのようで、その代わり部屋数自体は少ないというのがあるっぽい。このためアミンとは同じ部屋で寝ていたのであり、つまり彼が起きれば必然的に私も目を覚ます。

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 物音するからね

 おかげで昨夜遅かった割に早起きして、彼の出勤時間に合わせて準備終えることができた。

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 朝食も頂いてるの図

 とりあえずタブリーズの観光しようと思うけど、この町をフルパッキンの自転車でウロウロ走り回るなんて愚の骨頂。アミンに安宿が集中するエリアも教えてもらったし下調べしといた宿もある。とにかくそこへチェックインして自転車置いてからだ。

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 途中まで先導してもらった

 教えてもらった安宿は1泊500円と、物価上昇の激しい昨今なかなかお目にかかれない低価格でWi-Fiも完備と良い宿だったが、部屋に自転車置けるスペースがほぼ無い状況でスルーした。頑張ればいけたけど、汚れまくってるロシナンテ号の整備は大掛かりな作業になりそうだったので。

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 もう一方の外国人向けホステルにした

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 中庭広くてツリーハウスまである私好みの宿だ

 10時前だったが問題なくチェックインさせてくれ助かった。一息ついたら眠くなってきたため「ここで横になっては駄目だ!」と奮起し荷物まとめて観光へ向かうことに。

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 アメリカと敵対関係だからね、マックは無いよね

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 かなりレベル高いアウトドアショップがあって驚いた

 タブリーズはイランの中でも特に古い歴史を持つ町であり、立地的な関係から住民は隣国のアゼルバイジャン系が多い。ちなみに昨日お世話になったアミンもアゼルバイジャン系とのこと。そんな町だが地震が多い土地でもあるため遺跡関連はそれほど残されていないらしい。

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 この城塞跡くらいか

 しかしタブリーズには中東で最大のバザールこと市場がある。これが世界最古のバザールとも評されてるようで、その規模・歴史共に他では見れない唯一無二の存在として異彩を放っている。

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 その前に青のモスクを見学したり

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 市庁舎の博物館エリアへ行ってみたりした 

 正直この辺はサクッと済ませても良かったのだが、市庁舎内のカーペット展示室が思いの外迫力あって楽しかった。そうでしたイランといえば旧名ペルシャ、つまりペルシャ絨毯の本場である。

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 シルクの物は滅茶苦茶高いと聞くけど

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 この大きさの絨毯だと幾らになるのやら

 そんな感じで色々歩き回ってみたが、そろそろメインであるバザール行ってみようかな。実は昨日もすぐ側を走っているのだけど、その時は焦ってたのと人も車も数が多すぎて呑気に周りを眺めてる余裕がなかったのだ。

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 つまりバザール周辺は大変な人混みのエリア

 市場の周辺まで露天商が風呂敷広げて野菜から玩具まで様々な物を売っている。地下にも市場が広がっており、平家の建物ながら部分的には2層構造になっている模様。

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 とりあえず突入してみる

 さっぱり興味のない貴金属や宝石を取り扱うエリアに混じってシルク布を売ってる店が。こういう場所で女性はヒジャブを買うのだろうか?それとも観光地であるこの市場では地元民はあまり買い物には来ないのか。外と違って人通りも少なく落ち着くな。

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 結構客引きがいる

 バザールはその全てが1つの大きな建物で覆われてるのでは無いようで、歩いてるとときどき中庭みたいな広場に出たりする。そこには商売人の姿もなく、休息して休んでる人や何処から入り込んだのか野良猫が呑気に昼寝をしていたり。

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 場所によって人口密度が全然違う

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 この辺がペルシャ絨毯のエリアか

 意外にも観光地で声かけられる際「日本人か?」と最初に聞かれることが多い。これは何処にでも団体で現れ我が道を行く中国人観光客が多すぎるが故のことだけど、まだ中国人にはタブリーズのバザールは見つかってないのか、そもそも彼らは市場に興味が無いのかもしれない。自国内に似たようなごちゃごちゃ市場沢山ある国だしな。

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 むしろこの市場は整然としてるイメージだが

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 出入り口の1つがモスクだった

 宿に戻る前にスパイス店にてカレー関連のスパイスを一揃い購入する。スパイストルコで買ってしまおうと思ってたのだが、あの国飯が美味しくてあんまり自炊の欲求が沸かず、結局イランでゲットすることになりました。

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 何でそんなに和歌山市?

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 久しぶりのスパイスカレー

 これはある意味イランの食事がトルコと比較して美味しくないとも読み取れるのだが、そんな曲解せずともイランの外食レベルが低いとハッキリ言える。中米諸国に迫る勢いでレパートリーが少なくてすぐ飽きそうな予感がひしひしと。


 翌日。かなり疲れていたにも関わらず昨日ガンガン観光したのは今日の天気が1日ずっと雨模様となっていたから。なので本日は休息日として休みつつ、自転車整備をしようと思っていたのだ。

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 非常に居心地の良い宿なのでのんびりできる

 朝食頂いた後もゆっくりして、11時になったところでロシナンテ号の整備開始。一昨日の雨中走行の影響で隅々まで砂やれ泥が付着しており、これは気合入れて掃除せねば!なのである

 結局5時間かかってようやく作業を終えた。なんかひたすら整備してただけの1日だった気もするがそんなもんだ。そして天気は終始晴れていたという。

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 どうしてこうなった

 ところで明日からラマダン月が始まる。簡単に言えば日中は食事が出来なくなる・・・という特に自転車旅行者には厳しいイベントなのだが、果たしてこの1ヶ月私はやっていけるのだろうか不安でいっぱいだ。

 2024年3月 9日(土) 走行距離9km  累計147561km
 2024年3月10日(日) 走行距離0km  累計147561km
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 イラン7日目 タブリーズの町〜テヘランから西北西に約430km カラ チマンの町

 イスラム教には様々な戒律が存在しそれは時に異教徒の旅行者を苦しめる要因にもなる。酒が飲めないだとか豚肉食べれないとかさ。

 それに匹敵するほど大きなイベントとなるのがラマダンだ。イスラム暦の第9月に当たるラマダン月(太陰暦なので毎年10日ほどズレる)は日の出から日没までの間、一切の飲食をせず断食しなくてはならないというルール。

 もちろん他宗教の人間にそれを強制するルールは無いのだが、イランというイスラム教が国教と定められてる国では少なからず影響出ることは必死。これからの1ヶ月をどうやって乗り切るかがイラン滞在における最重要課題となるやもしれん。

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 とまぁそんな気持ちです

 なお主に外国人相手にしてる宿だけあって朝食は普通に出てきた。オーナーの話では都会ならそういった外国人を相手に商売しているお店も多く、普通にレストランも営業してるしスーパーといった食料品を扱うお店も開いてるとのこと。

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 外国人が来ないような田舎でも同じだと良いけど

 ともあれオーナーにお礼言って居心地良かった宿を出発す。食事問題の前にまずここタブリーズの町を無事に脱出することに集中しなくては。

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 アホみたいに車が多いのだから

 進路は東へ取りたいところだが、一旦真っすぐ南へ向かい主要道路に乗ってから先へ進む方が良いと判断。町を抜ける前からもう上り坂が始まってしまい、ただでさえ交通量の多さでペース悪いのだが仕方ない。

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 とりあえずここからだ

 このE2という道路は恐らく高速道だと思うのだけど、特に問題なく自転車進入できたし警察の脇を通っても怒られるどころが朗らかに手を振られる始末。特に自転車走行構わないのか、途上国よくあるルールが適当すぎてなし崩し的になっているのか判断に困る。

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 ただ1つだけ言えるのは

 どちらにしても高速道路の走行は自転車的に面白くはないということ。そりゃ交差点も信号機もない道で走行ペースは上がるけど、周囲をフェンス囲われ地元民と相対する事もない隔絶された道はせっかく異国を走っているのに情緒に欠ける。

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 という事で郊外出たら早々に離脱

 イランみたいなちょっと立ち止まってるだけでしょっちゅう声かけられる国は、時にうざいとか面倒臭いと思ってしまう事もあるけれど、やっぱり交流してナンボでしょ!と感じてしまう。

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 食堂っぽいお店が開いてたので

 とりあえず営業してるのか突撃してみたら、何と普通に注文できた。既にタブリーズから30km以上離れた田舎町であり、一般的な旅行者がこのレストランを利用するとは考えづらい。つまりラマダン中でも食事問題それほど気にしなくて大丈夫な気がしてきた。

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 良い天気の中、上り坂が続く

 地味に標高2000m越えてるのだが、3月入って暖かくなったのか地理的にこの辺は冷え込みが弱いのか。トルコであれほど猛威を振るった寒波は影を潜めてきた模様。

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 もう七分丈ズボンで問題ないか

 山頂越えるも勢いよく下り坂に入るわけでないのがイラン。緩やかに下り坂が続く感じで道は続き、ボスターナーバードという町にて下げ止まってしまう。まだ1800m以上あるのにどうしたものかと思いつつ買い物してると「これ良かったら食べてくれ!」と商品のデーツを頂いたり。

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 懐かしいなデーツ

 ボスターナーバードから10kmほど走ったところで2度目の山頂。既に80km以上走っているがここからは本当に下り坂が続くようなので、走れば走るほど標高下がって夜の冷え込みを抑えることができる理屈。

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 という事でほとんどペダル踏まずに進めるだけ進もうか

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 非常に快適な道が続く

 18時前の時点でカラ チマンの町までたどり着き、そろそろテント張れる場所を見つけようかと思いつつ。別に町の外に幾らでも姿隠せるポイントあるのだけど、複数の人から「この辺は野生の狼が出るから絶対野宿するな!」と言われて怖くなったので。

 その辺の人にテント張れる場所がないか聞いてみたら、皆さん親切で色々な所に連絡し探してくれる。親切が故に良い場所が見つからなくて「じゃあ自分で他の場所当たってみるよ」と言っても「お前は大事なゲストだからこのまま放って置くわけにはいかん」と離してくれない。

 結局最後は警察の人がガソスタ店員に話をつける形で敷地内の礼拝室に1泊させてもらうこととなった。長時間に渡って迷惑かけてしまい申し訳ない。

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 夕食もガス貸してもらえ楽できた

 ちなみにイラン入国してから今のところ全日イラン人から「Welcome to IRAN」という言葉を貰っている。これほどホスピタリティに溢れた国はそうそうない。

 2024年3月11日(月) 走行距離114km  累計147675km
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 イラン8日目 カラ チマンの町〜テヘランから西北西に約350km ラジェイアンの町

 最近暖かくなってきたと思ったが、深夜の冷え込みはまだまだ厳しい山の中。よく考えなくても標高1800mあれば3月は寒いのだ。

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 室内で本当助かった

 なお私が起きるまでに計4人が礼拝でこの部屋を利用した。皆さん私がいても問題にせず「良かったな無事眠れて」といった反応返してくれたが、こちらとしては驚かせてしまって申し訳ない。

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 お礼言って9時出発

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 日光当たると割と暖かい

 昨日に続いて緩やかな下り坂が続く。本当に緩い斜度でペダル漕がず自由落下に任せると地面との摩擦が勝って停車してしまう程度。なので楽ではあれど走ってる感はある。

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 冷たい空気が気持ちいい

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 基本的に渓谷で川の隣を進む道

 その川は山頂の分水嶺からずっと横目に姿が見えており、最初は小川と称するのもどうかと感じる小ささだったが、下流へ進むにつれて徐々に大きくなっていくのを見るのがちょっと嬉しい。成長を愛でる喜びか。

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 崖は多いけど登り返しが出てくることはなく

 本当に一定の斜度が続く感じで60km走りミヤネの町に到着してしまった。このルートはタブリーズでアミンからオススメされたのだが、彼曰く「ずっと下り坂の道だよ」という言葉は実に正しかったのだと知る。

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 思ってたより大きなミヤネ

 空いてる食堂を探しても良かったが、方々から頂いたナンとかフルーツがあるためお昼は公園で済ますことに。ラマダン期間中なのが影響してか、やっぱり営業してるレストランが少ない気もするし。

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 突然どうした?

 ミヤネのちょっと先に町があり、そこで食材調達するつもりでいたのだがこれが失敗だった。商店のラインナップに肉や野菜といった生鮮食品が一切なく、結局食材買うことなくスルーとなった。まぁ何とかなるよ。

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 次の大きな町は100km以上先だけど

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 有名なクライミングスポットらしい

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 いい感じに歴史的な橋が崩壊してる

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 思わず写真撮っちゃうよね 

 標高も1000mを割り周辺ではこのあたりが最下部らしい。下り坂も上りへと切り替わったのだけど、やっぱり超緩やかな坂なのでパッとみた程度じゃ違いを認識できない程。

 でもペダルは確実に重たくなった

 ラジェイアンという小さな町が出てきたので、食堂の1つくらいあるだろうと入ってみる。日没が近いからレストラン閉まってたとしても営業始める頃合いだし。

 辺鄙な場所にある小さな村なのでメイン通りに入るとたちまち人に囲まれる。とりあえず水の場所聞いて、テント張れる場所ないか聞いて、最後に食堂の場所を聞こうとする前には地元のカルダシャリの家に泊めてもらえることになっていた。

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 どうもありがとうございます

 突然お邪魔することになって1人分増えた夕食の手配とか奥さんにも色々迷惑かかってると思うが、皆さん本当に親切で「よく来てくれた」と言うんだよ。申し訳なくて、でも嬉しい。

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 ところでこの1枚だが

 イスラム教の新年を目前に控えて夜になると爆竹を鳴らしまくるのがイランの光景らしい。子供のアリ君が喜びながら目の前で爆竹鳴らしてたけど、想像してたより遥かに大きな音でびっくりした。

 イランにいると毎日チャイを飲む機会があって嬉しいのだが、その都度角砂糖を入れてると糖分凄いことになりそうで、最近はストレートで飲むことが多い。そうすると「どうして砂糖を入れないんだ?」と言われてしまうのがイランなんだけど。

 2024年3月12日(火) 走行距離117km  累計147792km
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 イラン9日目 ラジェイアンの町〜テヘランから西北西に約280km ザンジャーンの町

 起きた時にはカルダシャリを除いて誰の姿も無かった。昨夜は奥さんに娘夫婦、その子供まで大勢いたのだが、私が寝入った後に別宅へ移動したのか早朝から仕事や学校に言ってしまったということになる。

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 恐らく前者が正解

 というのもその別宅ガレージに自転車一式置かせてもらっていたのだが、出発準備するため町中を歩いてる最中にほとんど人が活動してる雰囲気を感じなかったから。まだ空気が動いていない静けさの中にあったというか。

 そんな中で荷物をまとめて出発する。標高下がって気温も上がったとはいえ流石に8時代だとまだ寒い。それでも氷点下まで下がらなくなったのでいっときの寒さに比べりゃ余裕だども。

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 ラジェイアンも小さな村なのが分かる

 なお今日は再び上り坂が続く日。イランの山はとにかく緩やかな斜度でゆっくり登らせていくスタイルのため、走ってて大変とか疲れるということは少ないが、その代わり100km以上ずっと上り坂みたいな道が普通に出てくる。

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 私はそういう道の方が好きかもしれない

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 犬襲来の図

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 1日半ぶりにE2号線とぶつかる

 この先はこのE2号線と並行して進んでいくことになるようだが、特別今走ってるE32号線に不満もないのでこのまま進む。というかわざわざ高速道路を走る理由がない。

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 昼前には上着脱ごうかと思うほど暖かくなった

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 50kmほどのポイントにレストランが

 この食堂はラマダン中でも営業してるどころか長距離トラックの運転手で大賑わいしており、みんな普通に食事してるのな。断食とは一体何なのか?・・・と他宗教の私がどうこういうのは違うか。

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 ?

 ほとんどカーブがなく景色の変化も乏しい道だが遠目に雪山、すぐ側には耕作地で働く人々と牧歌的で満足度は高い道だ。いつの間にか標高も上がってきており、苦労しないで登るとなんか得した気分になる。

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 かなり大きな町のザンジャーンへ突入す

 まだ16時だしここで買い物だけ済ませて郊外抜けたら野宿しようと思う。イランの宿はそんなに値段高くないけれど、ATMが利用できない国なので残金使い果たすと洒落にならん・・・という思いが私に贅沢をさせてくれない。

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 じゃあ最初の持ち込み金をもっと増やしとけよって話

 適当に見つけたスーパー入って買い物してたのだが、隣の車修理の店長が私を見つけて大喜び。「俺の知り合いに自転車乗りがいるからちょっと話してみろ」と半ば強引に電話渡されて私はどうすりゃ良いんだか。

 応答四苦八苦している内に何故だか向こう方の家に泊めてもらう流れとなっており、彼がやって来るまでお店で待つことに。正直2時間も待ってるくらいなら先へ進んでも良かったのだが、この流れに逆らって意見言えるほど私は厚顔無恥ではなかった。

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 チャイ飲みながら待つこと2時間

 やって来たのは電話と全然別の人であり、もっと言うなら修理屋のオッちゃんとは面識すらない人というね。すげーなイランの繋がりどうなってんだ?

 でもそんな彼にホイホイついて行く私も良い性格してるとは思う。そんなハサンは何と以前に日本へ仕事で行ったことがある(27年前)そうで、今でも多少の日本語を話せるという面白さ。

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 夕食も出してもらってしもうた

 町中の家に自転車は置かせてもらい、郊外の畑に隣接する別宅へ行ったのはむしろ突然現れた得体の知れない旅行者から家族を守るためなんだろな。私が逆の立場で知らない奴の場所へ行って、知らない外国人を拾って泊めてやってくれ・・・とか言われたらそりゃ警戒するもん。

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 良いよね、別宅 

 そんな奴にも心底親切にしてくれるイラン人。日本の綱島という場所で「ハクイシャ」というリネンを洗濯してホテルオークラに配送する会社で働いてたそうです。縁があったらハサンは日本で働いたことをとても良く思っていたよと伝えたいものだ。そんな感じ。

 2024年3月13日(水) 走行距離92km  累計147884km
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 イラン10日目 ザンジャーンの町〜テヘランから西に約200km アブハルの町

 深夜もハサンがストーブに薪を追加してくれたので一晩中暖かく眠ることができた。呑気に寝続けてたゲストが1人いたようで、まったくとんでもない話である。

 一緒に朝食頂きまして

 ハサンの車でザンジャーンの町へ戻る。後でこの道を自転車で走ることになるため、マヌケなことしてるという気持ちがない訳ではない。まぁ道の予習したと思えば良いか。

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 ガレージに旅行用自転車がある

 出発の準備してお世話になったハサンにお礼言ったのだが、彼が「もう会うことはないかもしれないけれど、私の心の中でずっとあなたの安全を祈ってるよ」と言ってくれジンと来てしまった。朝から泣かせないで下さい。

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 どうもありがとう

 ザンジャーンの町を抜けて郊外に出る。昨日の道と比べて側道も広いし路面状況も良いのだが、風が前方からの向かい風になっているため今日の方が断然キツい。何しろ風を遮るような遮蔽物が一切ない直線的な道だ。風の影響をこれ以上ないほど受け続ける羽目になる。

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 昨日までは追い風だったから

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 昨夜利用したレストランにて

 英語の達者な店員がおり「良かったらまた明日寄ってくれよな」と言ってたので挨拶した結果2度目の朝食頂いてる訳で。まさかとは思うがラマダン入ってからの方が食事回数増えたりしてないよな?

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 ひたすら風と喧嘩しつつ

 40kmほど走ったポイントで少々寄り道する。この先にあるソルターニイェという町にある歴史的なモスクが素晴らしいので是非見に行くべきだと太鼓判押されてたので。

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 片道5kmくらいかな

 偶像崇拝禁止のイスラム教は基本的に絵画や銅像といった物が存在せず宗教施設はシンプルである。その代わり壁に掘られた幾何学模様が広がっておりこれが独特の美しさを形成してるのだが、ここのモスクは特に古い時代からそうした紋様が残されているのを拝むことができる。

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 見えてきた 

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 物凄い修復工事してるっぽい

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 内部もすごいな 

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 ここはカタコンベと書かれてたので地下墓地だと思う

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 イラン国内における各宗教施設の説明とかあった

 疲れもあるのでソルターニイェの町で終了しても良かったけれど、タブリーズの町で連絡先交換していたスペイン人から「日本に滞在したことあるイラン人が会いたいって言ってるから連絡してみて!」とメッセージ頂いており、その人に「多分今日到着する」って連絡しちゃったので行くしかない。自分の都合で勝手に約束破るような輩になりたくないし。

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 疲れてるけど行っちゃるわい! 

 幸いなことに途中で峠のピークを迎えたようで僅かながら下り坂の道になったし、風向きも少しだけ角度を変えたようで横から吹き付けることが増えた。これだけでも疲労度合いは随分違う。

 ということでアブハルの町で連絡し無事ムハンマドと会えました。昨日お世話になったハサンは日本滞在1年ということでかなり日本語忘れてたけど、ムハンマドは7年ほど滞在してたこともあり今でもかなり上手に日本語話せるため意思疎通が楽である。

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 夕食は郊外の別宅でケバブBBQ

 どうもイランには娯楽が少ないことが影響してかこうした町の外に庭園やガーデンと呼ばれる別邸を持つ人が少なくないらしい。夏場はこうした家でプール入って遊んだり親戚一堂が集合してワイワイやるとのこと。

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 お腹いっぱいになるまで食べまくった

 イランはレストランだと種類も少なくて色の満足度低い国だと思ったが、家庭料理は非常に美味しい物がたくさんあるように感じる。もっとこうした料理をメニューに出せば良いのに・・・とか思いつつ。

 23時ごろ家へ戻り、疲れ果てていたのかほとんど何もできずに倒れるようにして就寝。ベッドに横になった後の記憶がほぼないほどあっという間でした。

 2024年3月14日(木) 走行距離107km  累計147991km
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 イラン11日目 アブハルの町

 お世話になってるカラフィーから「今日は休日だし一緒にパーティしよう」とお誘い受けたので、しばらくアブハル滞在させてもらうことにした。かなり疲れも溜まっていたので大変ありがたい。

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 家中暖房ガンガン焚いてるので暑いくらい

 時間あるので汚れた冬物衣類一式を洗濯させてもらい、私自身も伸びてきた髪の毛を散髪することに。イランは物価安い国なので何処か床屋に行っても良かったが、イスラム教の祝日である金曜日は営業してないお店も多いとのこと。

 それに加えてカラフィーがバリカン持ってるし切ってあげるよ!と言ってくれたのでお願いすることにした。正直面白そうだったというのはある。

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 でも流石に室内にカーペット敷いて散髪するとは思わなんだ

 せっかくのペルシャ絨毯に髪の毛飛び散りまくりで良くないんじゃと思ってしまうが、イランのご家庭では何処でも絨毯敷いてるけどその扱い自体は雑というか汚れを気にしてないので良いのかもしれない。

 諸々の作業を済ませてお昼前。家族と一緒に昨日も訪れたガーデンハウスへと向かう。聞いたところではイランは町中に娯楽施設が少ないため、休日になるとこうして郊外の家に親戚一堂集まって食事したりするのは良くある光景らしい。でもそれお金持ちのご家庭にのみ適応される話なんだろな。

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 子供たちはバイク乗ってはしゃいでた

 私も少々乗せてもらったが、自転車に慣れすぎた身としてはバイクはパワーが出過ぎて何か怖い。ちょっと右手ひねるだけで人が制御できる以上の出力を発揮する乗り物って凄いよな。

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 なるほどコレが夏期に利用するというプールか

 カラフィーの家族や親戚一同結構な人が集まっており、男たちは家屋の設備増設作業、女たちは食事の準備と動き回っている。これがイランの休日風景だとしたら、なかなか良いものだなと思う。

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 昼食は14時ごろ

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 午後は結構雨が降ってた

 私はといえば作業を少々手伝ったものの、その多くを食べたりストーブの近くでヌクヌクしたりと良い身分である。むしろ手持ち無沙汰なので何か手伝おうかと声かけるのだが「良いよゆっくりしていなさい」と返されてしまうので仕方ない。

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 ということで2階に行ってみたら

 なんということでしょうか炬燵が存在するなんて。イランで炬燵は割とポピュラーな存在だと言われたけれど本当か?そんなイメージ全然無かったし、今までのご家庭では全く見たことなかったけど。 

 とりあえず炬燵に入り込んで数時間。目を覚ませば夕食がだなんて贅沢の限りを尽くすイランの休日を満喫しております。

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 本当にお世話になりました

 食後解散したのは21時ごろ。家に戻ってもすぐに寝るかといえばそうではなく、チャイを頂きつつ雑談が続く。そしてどうやら明日は雨の模様であり、カラフィーの家にもうしばらく厄介になりそうだ。

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 美味しかった 

 2024年3月15日(金) 走行距離0km  累計147991km
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 イラン12日目 アブハルの町

 一応朝7時に起きて天気確認したが今にも雨が降りそうな状況なので、もう1泊させてもらうことにした。弁解しとくとカラフィーからは「もっとゆっくりしていけ」と言われており「じゃあ翌朝の天気が雨っぽかったらもう1泊だけお願いします」と話していたのだ。決してダラダラ居ついてやろうとか思ってない。

 思ってないけどそこから10時過ぎまで2度寝していた茶壺さん。というかカラフィーは首都のテヘランに用事があるとのことで出発してしまったのであり、私は彼の奥さんや子供たちと一緒に家に残る形だったので。

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 ところがどっこい

 お昼前にカラフィーの兄弟であるアフマッドが訪ねてきた。実は一昨日の夕食時にも会っているのだけど、どうやらカラフィーが私の面倒を見てくれるよう連絡していたらしい。彼の家はここから数件離れた場所に建っており、そちらに招待されてお昼を頂くことに。

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 家の雰囲気ちょっと西洋風な気が

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 幼い子供2人が元気いっぱいで動き回る

 家の地下に卓球台があるとのことで、お兄ちゃんとひと勝負することに。流石に6歳児相手なので程々に手加減したけど、思ったよりもずっと達者に玉を打ち返してくるので驚いた。

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 運動神経いいんだな

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 イランの掛け算は一見難しく思ってしまう

 午後からプールに行こうと言われてたので、そのつもりで水着一式準備したのだが一向に出発する様子がない。こりゃ誘ったの忘れちゃったかな、まぁこのままのんびり過ごすのも一興か・・・とか思っていたら18時半になって「それじゃあ行こうか!」と言われて驚いた。このタイミングで出発するんかい!

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 そうだった、イラン人は夜型なのだ

 車で郊外にある屋内プールへ向かう。非常に立派な施設で大人用のプールは水深3.6mと異様に深い。ジャグジーやサウナ施設も2種類あったりと、ある種の銭湯みたいな施設なのだがイスラム教の国だけあって利用者は男性のみ。

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 ここまでは撮影させてくれた 

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 そもそも女性は施設が利用できないみたい

 オッさんだらけの水泳施設を満喫し、帰り途中に寄ったカフェでアフマッドの奥さんや親戚の女性陣と合流する。やっぱり彼女らは男どもが泳いでる間、どこかで待っていたのだろうか?

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 イランは割と女性も写真撮らせてくれるのが嬉しい

 アフマッドの家に戻ったの22時過ぎなんだけど、ここから夕食始まるのが不思議である。散々「ウチに泊まっていけば良い」と言われたのだが、100mも歩かずカラフィーの家だし荷物も全てそちらに置いている。

 せっかくだけどとお断りして家に戻ったのだが、普通にアフマッドと子供2人はついて来た。それがアリなら私がアフマッドの家に無理して泊まる理由なかったのでは?

 ここら辺の感覚違いというか、すれ違いというのは難しい。イラン人はホスピタリティに溢れた人々だと私も思っているが、彼らの考える親切は時に過干渉とも感じてしまうほどに世話を焼こうとする。そんな外国人旅行者を放っておけないのがイランの人々なのだろう。

 2024年3月16日(土) 走行距離0km  累計147991km
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