2025年12月17日〜12月27日
走行日数11日間
累計走行距離717km(183943km〜184660km)
◎道路
本文中何度も書いてるが、韓国の出入口2大拠点である仁川と釜山を結ぶ韓国縦断自転車道があり、韓国で自転車旅行するならこの道を利用すると車両に邪魔されることもなく、信号でのストップもごく僅かで大変快適な走行をすることができる。この自転車道路は他にも幾つかルートが設定されており、例えば南の済州島1周自転車道とかも人気高いらしい。なお車両は右側走行。
んでこの自転車道を利用している分には快適なのだけど、この自転車道を外れて一般道路を走行しようとすると日本とどっこいどころかそれ以下と言えるレベル。幹線道路でもないと道路上に側道が存在しない道が多く、特に町中で自転車は車道じゃなくて歩道を走るようインフラ構築されている。でも日本と同じく歩道には段差があって自転車を走らせるのに邪魔となるし、歩行者の数が多い上に自転車走行レーンでもお構いなしで歩き回る人が多いのでとにかくストレスが溜まる。なので自転車道を外れてしまうと途端に走りにくくなる環境だというのは心に留めておいた方がいいと思う。
素直に縦断自転車を走る場合は500m強の峠を1本越える程度で他に大きな峠も存在せず楽しく走れる道ではあるが、山中を進んだりする道でどうしても既存の道路に合流のためだったりで無茶な斜度を登る道が一部存在する。それ以外だと川に沿う形で自転車道は続いているため、川が蛇行している地形の影響をモロに受ける。このため単純な国土の縦断では400km程度の距離となるのだが、自転車道の総距離は633kmに及び地図で確認した感覚以上に距離を走る必要があるため注意が必要。
◎治安
非常に良い。自転車道脇にある丸見えの東屋でテント張ってても「まず大丈夫だろう」と感じさせる雰囲気があった(やってないが)ほど。一部の都市に人口集中していて国内の大部分が田舎であるという点も大きいと感じさせる。
言い換えるとソウルや釜山といった大都市では一部雰囲気の悪いエリアもあったし、浮浪者の溜まり場となっているダンボールハウスが連なっている場所には幾つものキャリーバッグが置かれており、素直に考えるなら旅行者の品物を盗難したのでは?と思うので、そういう事例もままありそう。
忘れちゃならないのが北緯38度線ラインこと北朝鮮の存在で、扱いとしては現在でも戦争が継続中とされている点。実際のところ国境線付近はそこそこ観光地化されてると聞くし、直接的には危険となることは無いと思うがまぁ一応。
◎ビザ・出入国
日本人の場合はノービザで90日間までの滞在が可能な国である。そのこと自体は非常に有難いし、東アジアの隣国である特権なのか入国審査でも有人の係員対応ではなく自動ゲートを通過して審査が行われたりした。そんでもって出国時に「パスポートにスタンプが押されていない」と言われて一悶着あったのであり、個人的にはそんな間抜けなこととなるなら外国人は全てスタンプ押させろよと思うたが。
あと出国時の荷物審査がやたら厳しく(フェリー乗船だったからかもしれない)、調理用の包丁を没収されそうになったのは焦った。友人から頂いたずっと旅行を共にしていた大切な相棒なんですと丁寧に説明して何とか係員預かりの形で許してもらえたが、最後の最後でロストするところだったので本当に参ったね。
◎交通事情
自転車道を走ってる限りは車両と交錯する機会が非常に少ないためそもそも交通状況を気にすることが少ない。なので空港周辺や都会の一部といった地域のみの感想となるのだが、運転マナー自体はかなり悪い。クラックションを鳴らすような国民性ではないのだが、特に大型バスは自転車に恨みでもあるのかというような荒っぽい運転をするし、自転車を追い越した直後にブレーキかけて右折(日本でいう所の左折)するとか洒落にならない危険運転に複数回遭遇している。
総じてルールはしっかり守るけど、運転自体は非常に荒いし自転車等の軽車両に対する配慮した運転などは期待しては駄目というのが私の感想かな。なので韓国自転車旅行においては自転車道以外の道を走ると相当しんどいだろうことが想像できる。やはり素直に自転車道を走るのが正解か。
◎特徴
北朝鮮とは戦争を継続している訳ではなく「休戦」という扱いらしいが、まぁ北はあんな調子の国であるため韓国側も相応の対応をしている。兵役の義務みたいな制度は分かりやすい影響だが、旅行者的にはGoogleマップの経路サービスが利用できない・・・というのが直接的に影響を受けるポイントだと思う。
これについて韓国側は北朝鮮との緊張関係が続いているため詳細な地図データの国外持ち出しを制限しているから・・・というのが理由らしい。結果的に旅行者にとっては地図による経路確認ができないという結果なので大変迷惑である。
このため韓国で地図アプリを利用する際は「NAVER Map」又は「Kakao Map」という韓国製地図アプリどちらかを利用する人が多い。でも前者は経路サービスで獲得標高を出してくれないし、後者は言語が基本韓国語のみで使いにくい・・・とそれぞれ若干の問題を抱えている。他の手段としてオフラインマップを活用する場合は韓国の規制に該当しないらしく普通に活用することが可能。ただし私が利用しているMaps.Meなんかは韓国内のデータ量が少なくて、施設とか諸々の建築物を調べるには不向きで使い辛いところがある。
◎気候
いやぁ日本と距離近い国だしそこまで気候変わらないだと思っていたのであり、この寒さには苦労した。12月の韓国はー10℃以下まで気温下がる日もあったりと相当な冷え込みを見せる国であり、特に北部のソウル周辺は寒い地域のようで、私が韓国滞在していた時期にー18℃を記録したとニュースで出ており戦慄したことがある。
また寒さに拍車をかけるようにこの時期は北・西からの風が吹き付ける日が多く、そこまで強い風力ではないものの自転車道は田舎の川沿いを走る地形が多かったことから風を遮る遮蔽物が存在せず数字以上に風を受けて翻弄されることが多かったように思う。
なおこれだけ寒い割に何度か天候悪くて雨には降られたが雪に降られることはなかった。クリスマスイブも韓国で過ごした訳だが、雨は夜更けすぎに雪へと変わらないというヤツだ。でもサイレントナイトではあったな。雪は降らなかったけど雨でも低気温で水溜りが凍ってしまい、しかも日中でも全然溶けないため日陰とか一部の道が非常に危険となるので気は抜けない。雪が降ったらそれはそれでアイスバーンの危険が残るためどちらにしても油断できないのだが。
◎言語
韓国語。東アジア圏において中国語の影響から完全脱却し、ほぼ0ベースで作り上げた言語であるため言語的な価値とかはともかく旅行者としては勉強してないと全く読むことも発音することもできない。
韓国人自体は英語話者がそこそこいるのと外国人慣れしてる人が多く、コミュニケーション自体はそこまで苦労すること無かったのだけど、看板とかにも英語が併記して使われてるといったことが非常に少なく、特に自転車道におけるルートや方向指示看板においては壊滅的なレベルで韓国語オンリー。私の場合は韓国縦断自転車道路のロゴマーク記号を記憶して「このマークが描かれているから正解の道はこっち!」みたいな原始的な方法で情報拾っていた程だ。
◎宿(野宿)・Wi-Fi
ソウルや釜山といった大都市さえ離れてしまえば人口過疎地域が続くので野宿の場所探しで困ることは少ない。自転車道沿いにはレストエリアとして東屋が設置されてる場所も多いし自転車旅行者を対象にしたゲストハウスもちょいちょい見かけるため、どんなスタイルで旅行してても対応できるのが嬉しいところ。
なお都市部の宿代は安いところで2000円を切る所もあったが、田舎の場合は競争原理が働かないのかそこまで安い宿はなかったように思う。
ネット環境に関しては流石の先進国といった感じで、都市部でなくとも市内FreeWi-Fiとかを簡単に見つけられる具合ではあるのだが、台湾と違ってセブンやファミマといったチェーン展開してるコンビニにWi-Fiが飛んでないため「ここなら確実にネットができる!」と確証を持てる感じではない。確かemart24ってコンビニではWi-Fi使えたけど全店で同じサービスしてるかは怪しい感じある。素直に公共施設とか駅舎を利用するのが正解かな。
◎動物
クソ寒い時期だったので山中とかでも昆虫とかの微小生物を見ることはほぼ無かった。犬も吠えて来るようなことはほとんど無いし動物絡みで危険を感じるようなことはまず無い。
ただ田舎の野山にはコラニ(若しくはキバノロ)という角が生えてない鹿みたいな生き物が数多く生息している。体長1mくらいあって相当な速度でテントの側を駆け回ったりするため結構ビビるし下手にテントに衝突されたら大惨事になること間違いなしなので意外と怖い存在だ。
それ以外では1回くらい綱で連れられt牛の姿を見たくらいであまり動物の印象ないかな。
◎自転車店
基本的にスポーツ自転車で構成されてる国であるためか、自転車ショップもスポーツバイクを取り扱ってるショップしか見た記憶がない。都市部でなくとも縦断自転車道を走るサイクリストに対応する形で自転車道沿いには多くのショップがある(特に北部)ため問題となるようなことはほとんどない。ただし自転車道沿いのショップはレンタル業が主だったり、ウェアとかオシャレアイテムの販売ばかりに注力しており自転車そのものの知識やレベルに関しては疑問符が付くショップもあった。
そもそも国土が小さかったのと日本が目前に迫っている関係で「ショップを利用する」という機会そのものが無かったこともあり、商品ラインナップとか値段に関してはあまり真剣にチェックしてなかった(お店自体は幾つか訪問した、趣味なので)ため、それほど言えることが無かったりする。
◎物価・食事
バチクソに高くてビックリした。日本なぞより遥かに物価高い国で、アジア圏全体で比べても韓国より物価高い国は存在しないのでは?と思うほど。少なくとも私が訪れた当時のシンガポールより高い。
ただ品目等によって結構波があるというのはあって、案外一般食堂の価格はそこまででもなく10000ウォン(約1090円)以下でも食事できる場所そこそこある。
アルコール関係も税率が低いのだろうかかなり良心的な値段設定となっており、ビールに関してはロング缶で150円くらいの物もあるしその価格帯でマッコリとかも楽しめる。
だがコーラが500円超の世界だし、キムチとか本場だから安かろうと思ってたら400g容器で1000円以上するのがザラ。帰国して再確認したけど日本はその半額以下だったぞどうなってんだ?
ただし食事のレベルに関しては非常に高く、外が寒すぎて呑気に自炊してる余裕がなかったという面もあり結構外食も利用していた。定食系のメニューにはほぼ必ずキムチを始めとした付け合わせの小皿とスープが並ぶというのが定番で、ご飯とこうした付け合わせはお代わり無料方式多いのが嬉しい。
ただキムチ以外の食べ物も辛い物が多いし発酵食品が多くて苦手な人はそこそこ居るかと思う。特にスープ系の料理は唐辛子をバンバンに入れた激辛メニューも多く、実は韓国滞在中はトイレで用を足す際刺激物が排出されてしんどい・・・ということが多かった。
◎総括
最後の海外となった韓国。当初この国には訪問する予定なくて、台湾からそのまま沖縄へとフェリーで帰国するつもりだったのだけど、結果的にこうしてこの国を走れたことを今は良かったなと思っている。いやフェリーの就航予定遅延に関しては最悪だと思っているけどさ。
季節的に寒さが厳しくはあったけど、ハードな山もなく快適な自転車道路をのんびりと走ることは改めて「自転車で走ることの楽しさ」というものを実感させてくれたように思う。こうして地道にペダルを踏み続けて私は世界中を走り回ってきたのだなという気持ちと共に、国内を端から端まで自転車道使って走り日本海を眺めて終える・・・というシチュエーションは自転車世界1周行における最後の国として訪問するのに満点の土地であると表現して良いと思う。
もちろん海外自転車旅行の経験がない最初の国に選ぶのも良い選択だと太鼓判を押せる国ではあるが、やはり私は日本人なら韓国を最後の訪問国とするのをオススメしたい。