自転車ときどき世界1周

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 インド1日目 インディラガンジー国際空港〜インド首都 デリーの町

 予定より2時間遅れでインド首都近くに位置するインディラガンジー国際空港へ到着した。機内から降りてインド第1歩を歩き始めた時に「周囲やたらとガスってるな・・・」と感じたのだが、どうもインドの首都は大気汚染が深刻な問題らしく、この景色もその影響なのかもしれん。

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 それはともかく

 入国カードに情報記入しイミグレへ。あんだけeビザ取得時に情報記入したのにまた同じ内容書かせるとかさ、もうほとんど無意味なこの入国カード方式やめてしまえば良いと思ってる。実際住所の欄とか電話番号欄とか空欄で提出したけど何の問題もなかったし。

 自転車が出てくるまで1時間ほど待たされたが無事に荷物を回収して空港前にて組み立て作業に入る。外出てすぐに「タクシー乗らないか」と営業してくるインド人を皮切りに組み立て作業中に色々な人が4〜5回声かけてきた上、最後はセキュリティだかの人が「何でお前は飛行機着陸して3時間経ってるのにここ場所にいるんだ?」とか聞いてくる。目の前の状況見て分からないのか?

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 焦らされて飛行場の写真撮れず 

 追い立てられるように出発したため自転車組み上げた際の写真撮れなかったが仕方ない。午前中の時点で気温が40度突破してるのはどうしようもない。というか洒落にならない。

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 熱中症で倒れる人続出だろこれ

 とりあえず空港のWi-Fiで予約した宿へ向かって移動する。最初こそ飛行場へのアクセス路で車線も多く広くて快適な道だったが市内に入ると無茶苦茶な交通状況と地獄のようなクラックションの嵐。

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 インドに来たんだなぁと思う

 暑さと交通マナーの無さに驚きつつも何とか宿まで到着し、チェックインまで時間があるためとりあえず荷物だけ置かせてもらい身軽になったところで銀行へお金を引き出しに向かう。

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 日中の暑さが凄くて体力消耗激しい

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 こういうの見るとアジアだなぁって思う

 首尾よく現金ゲットできたので宿にチェックインしてとにかくシャワー。一息ついたら寝不足だったことによる眠気が一気に吹き出したため、そのままベッドに倒れ込むようにして昼寝。

 夕方になって消耗品の買い物ついでに夕食摂ろうと近くを歩いてみたが、目の前で交通事故起こして怒鳴り合ってる光景目撃したりと一筋縄では行かなそうな雰囲気がムンムンしている。

 宿に戻ったところで走行中違和感のあったロシナンテ号の後輪をチェックしてみると、新しく交換したタイヤのサイドウォールから一部分コブのような膨らみが。

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 これは以前も経験がある

 いわゆるゴムが一部分のみ劣化している不良品を掴まされたパターンだ。金銭的にも痛いがそれより問題なのは、インドにマラソンプラスを取り扱ってる自転車ショップはほぼ存在しないであろうということ。

 ということで使ってるタイヤを修繕する方法で対応することにした・・・というか、それ以外の方法がないというのが正しいか。

 そこら辺に捨ててあったビーチサンダルを拾ってきて適当な大きさにカットしタイヤの内側からパッチの要領でカバーして補強する。本当は鉄とかアルミ製のプレートみたいなアイテムの方が良いと思うのだけど、21時過ぎてる状況で他に目ぼしいアイテムも見つからなかったので仕方ない。

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 これがダメだったらまた考えるか

 22時過ぎても35度以上の気温で大汗かきながら作業を済ませ、2度目のシャワー浴びてからようやく就寝。とにかく走行始める前に色々準備しなくては・・・と思っているけど大丈夫かこんな調子で?

 2024年5月28日(火) 走行距離21km 累計151227km
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 インド2日目 デリーの町

 割と世界各地を旅行してきたつもりでいたが、それまでの経験と比較してもここまでの暑さはちょっと思い出せないレベルで暑いぞインド。特にここ1週間くらいはニュースでも「過去に例を見ないほどの酷暑」とか書かれてたので、暑さピークの時期にぶち当たった感がある。

 なので最も気温が低くなる早朝に活動したいの山々だけど、朝起きてフリーの朝食頂いたのは8時半過ぎてから。この時点で既に34度なのだけど、どうしたもんやら。

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 インドは恐ろしい

 まだ身体が環境に慣れてないということもあり無理せず午前中はリビングルームで情報収集したりとか。宿泊者の結構な人が外に出ることもなくここで待機してるけれど流石に気持ち分かるよ。外に出るの躊躇うほどの環境だもん。

 とはいえいつまでも引きこもっている訳にもいくまい。意を決してsimカードの契約するため外出する茶壺さん。インドはなかなか難しそうな国なので、基本的にネット接続できる環境を作っておこうと思いまして。

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 値段も安いらしいし

 宿から北東と南西の2ヶ所にインド大手のAirtelという会社のテナントがある模様。ちょっと遠いけど付近にスーパーもある北東方面に足を伸ばしてみることにした。

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 近くに溜め池があったけど

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 この汚い湖で泳ぐとは逞しい

 インドが凄いなぁと思うのはこの酷暑の環境下でも野外で活動してるアクティブな人間が非常に多いこと。中米のエルサルバドルとかオーストラリアの北西部とかも厳しい暑さだったけど、そういう環境だとやっぱり人通りも少ないし多くの人は建物内、悪くても日陰の下に隠れてじっとしてるのが常だったし私もそれが当然だと思ってた。

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 でもインドは違うんだな

 既に45度を超える気温の中で元気にクラックション鳴らしまくって走るリキシャを筆頭に様々な人がこのクソ暑い炎天下の下を歩き回っている事実。ちょっとインド人はタフ過ぎやしませんか?

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 ヘロヘロになって店舗に到着するも

 店員に言われたのは「ここの店舗じゃ手続きできないから別のショップに行ってくれ」という言葉。1番近いショップまで2.5kmだよって言われたけどさ、途中で行き倒れやしないか心配になる。

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 ということで一旦宿へ戻ることに

 宿に戻って休憩し水分補給し改めて出発する。今度は宿から反対方向にあるショップへ向かう感じであり、この辺は昨日走ってるので多少の土地勘があるから大丈夫でしょう。

 んで割と簡単に訪問できたのは良かったが、インドのsimカードはパスポートの他に現地インドの電話番号2人分が必要なので手続きできないわと言われてしまう。何故1店目の店員はそんな大切な情報教えてくれなかったんだ・・・

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 聞かれなかったからなんだろな

 どうにもならず宿に戻りスタッフに事情を話して電話番号教えてもらうとしたのだが、ごちゃごちゃ理由つけられて断られてしまった。私は英語下手なのもあって、初対面の知らない外国人にこういうお願いするのしんどいタイプなんだけどな。

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 頑張るしかないかー

 気持ちとしては明日にでもデリー出発して走行開始と行きたかったがそんな簡単にいきそうもない。まぁインドビザの有効期限は180日あるのだし、焦らずゆっくり行きましょう。もう少し時期が経過すればモンスーンの季節になって暑さも収まってくるらしいので。

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 いやモンスーンだったら雨で走れないのでは?

 2024年5月29日(水) 走行距離0km 累計151227km
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 インド3日目 デリーの町

 明らかに空気が悪いと感じる巨大都市デリー。3日目にしてもう喉の奥にが違和感というかイガイガしており排ガス強すぎるのが原因では!?と思っている。

 昨日丸1日かけてsimカードの入手に失敗してるため延泊申請して再チャレンジ。馬鹿らしいという気持ちがある反面、ここ数日の狂ったような気温も今日を境に落ち着き始めるとのことで、ヤバいタイミングを外して走行できるという意味で正解だったのだ!・・・と思いたい。

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 それでも外出時の気温38度超えてたが

 これで「あ、今日はちょっと凌ぎやすい」と感じる程度に身体は順化してきている模様。ニュースだと昨日デリーの一部で最高気温49.9度を記録したとか出ており本当に意味わからん暑さのインド。

 炎天下を歩いて昨日訪れたAirtelショップへ入店す。言われた通りに2人分の電話番号を持ってきた私に対し店員は「インドのIDが無いと手続きできないわ」とか言い出しおった。面倒臭いから適当なこと言ってるんだろうなぁと思う。そうでなければ昨日宿で出会ったイタリア人サイクリストはどうやってsimカード入手したんだよ!・・・という理屈。

 こうした自分のキャパを超えて対応できないとか調べるの面倒臭い要件を、その場凌ぎの適当なこと言って誤魔化すというのは途上国でよくある光景。私はアフリカで散々このパターン体験してるし「インドという国はその程度」と思ってる節があるのでそこまで怒りはしないのだけど、とはいえ困りはしているぞ。

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 ということで

 インドの電話会社で第2のシェアを持っているVodafoneのショップへ行ってみることにした。個人的に電話会社は何処でも構わないのだが、近くにあるショップがAirtelしかなかったので。直線距離で5kmの距離にあるVodafoneショップまで歩いて行くのは流石にキツい。

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 気温45度だし道路は危ないし

 ということで宿に戻ってロシナンテ号を引っ張り出し日中のデリーを走行する。こんな環境だけどインドは私の他にも多くの地元民が自転車や3輪車使って町中移動しており、自転車自体は割と真っ当な移動方法として認知されてる印象だ。

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 どちらにしてもクラクッション地獄だけど

 例えばジョージアの100倍くらいクラックション鳴らしまくるインドだけど、このレベルになると本来用途ではなくあらゆる事象に対してクラックション鳴らしており、自転車に対してのみ邪魔だからどけ!みたいな車両がいるわけでもない。

 要するに全方面へ自分勝手に無茶苦茶やってるだけであり、私もそれが分かるからかあんまりドライバーとかに対して腹立つことはないのが不思議だ。インド人ドライバーに怒っても無駄だと気持ち割り切れているのかもしれない。

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 ということで暑い中来てみると

 何でAirtelの看板が掲げてあるんだよ・・・。近くの人に聞いてみたところ、ここのVodafoneショップが潰れてその後にAirtelショップが入ったんだ!とのこと。

 もう何もかも忘れて引き返そうとも思ったが、せっかく来たのでとりあえず入店しsimカード契約できないか聞いてみる。すると言われたのが「パスポートとワンタイムパスワードを受け取る電話番号があれば契約できるよ」とのこと。本当にインドは・・・

 昨日電話番号と共にWhatsApp(海外版LINEみたいなアプリ)の連絡先交換していたニコロに協力してもらい、店員が打ち込んでくれたデータを元にして1時間後には契約完了した。上手くいったからこれ以上文句言いませんよ私。

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 あ〜疲れた

 戻った宿の本棚に地球の歩き方があったのでパラパラ読んでみたのだが、デリーの観光特集ページとかあって驚いた。こんな暑くて臭くて汚い町にそんな観光需要があるのかと。酷いこと言うね。

 自転車で来るべきじゃない町ではある

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 食堂普通に水が置かれてるのだけど未だ警戒して飲んでない

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 その割に屋台ジュース飲んでるのだけど 

 昨夜ラダックまでバス使って移動して行ったニコロは実に賢いサイクリストだと思う。私は賢くないので明日よりまずデリー脱出するところからスタートです。

 2024年5月30日(木) 走行距離13km 累計151240km
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 インド4日目 デリーの町〜デリーから北東に約60km パータプールの町

 ということで本日よりインド走行スタート。インドは4〜6月が「暑季」と呼ばれる厳しい暑さの環境にある国で、特に首都デリー近郊は連日45度を超えるどう考えても自転車旅行に適した時期ではない。

 しかし先日もサイクリストであるニコロと会ったようにこの時期にインドを走ろうとする自転車旅行車は割と多い。何故かというとインド北西部に位置するラダック地方のベストシーズンがこれから始まるためだ。というかシーズン外は道路が閉鎖しておりそもそも走ることができない土地だったりする。

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 なのでラダック目指します

 というかインドに来た理由の多くをラダックが占めているのだが、それはまた別の機会に回すとして今は目の前のデリー脱出に集中だ。間違いなく世界でも最悪クラスの交通環境であるこの町を安全確実に走り抜けることが今日の私に課せられた使命。

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 最初の5kmくらいは

 昨日訪問したAirtelのショップへ向かう道と同じルートなので、感覚的にはまだ「買って知ったる範疇」の道。そこを通り抜けていよいよ本格的にデリーの道路を走り抜けていく。

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 写真撮ってる瞬間は

 周囲に車両がいなくなって安全だと思った瞬間の1枚であるためそこまでではないが、道路上にちょっと交差点や三叉路といった変化が加わると誰もが全然遠慮せずクラックション鳴らしながら突っ込んでいき譲らないのであっという間にすし詰め状態になる。

 このクソ暑い環境下で鳴り止まないクラックションを浴びながら交通渋滞に巻き込まれていると、とことんデリーという町が嫌いになってくるな。自転車旅行で訪れたくない町の筆頭だ。

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 でもラダックに1番近い国際空港がここなんだよね

 宿泊していた宿はデリー中心部から南側に位置していたのだが、素直に北上すると1番交通量が多くて大変そうな市内中心部を通過することになってしまうため、東へ逃げて川を渡るようにして進む。

 これはラダックを含めたヒマラヤ山脈はデリーから北東方面に連なっているため「山に近づけば涼しい風が吹いてくるかも」という頭悪そうな理由では断じてない。

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 道路脇に自転車道が出てきたけど酷い

 ただしこの主要道路は高速道みたいなタイプの道で、道路周辺を壁で囲われており走りやすい。何故走りやすいのかといえば道路の構成上「逆走する車両が出て来づらいから」なのだ。

 インドに限らず途上国のドライバーというのは平気で道路を逆走してくる輩がおり、こうした人たちの多くは「道が混んでる」だとか「反対車線に入るのに遠回りするのが嫌」といった自分勝手な理由で走っていると思われる。

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 ところがこうした道路になると

 いくら逆走しても反対車線に入れないし、そもそも停車する場所がないため「出発時反対車線に入った方が近道できる」という状況自体が発生しない。ハード面で交通マナーの悪さを防いでいる形となるワケだ。

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 デリーを抜けるまでこの道で行きますか

 いつの間にか一般道路に合流していたというか、恐らく先ほどの道はバイパス道だったのだと想像する。10kmに渡って乗り口も降り口も出てこず、ひたすら進み続ける道路の存在がこれほどありがたいと思ったことはなかったな。

 とりあえず町を抜けて交通量落ち着いた。ここで昼食休憩としたいとこだが45度近い炎天下を走り続けたのが悪かったのか全く食欲が出てこない。水分ばかり摂っててこれじゃ良くないと思うのだけどズルズルとそのまま走り続ける。

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 午後からはずーっとこの鉄道と並行して延びる道

 長時間自転車に乗り続けてると割とある症状なんだけど「むしろ止まることがストレス」という状況ってのがあって、今まさにそんな感じ。走ってる方が風も受けて多少は涼しさを感じるし、今自転車を降りてしまいテンションが落ちると再始動する労力の方が大きいような気がする。

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 でもいつまでも走り続けてるワケにもいかないんだよなぁ

 というタイミングで道路脇のお店で溶接作業してるオッちゃんたちが。ジョージアからフライトの際ねじ切れてしまったボルトを溶接し固定してもらう。

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 助かりました

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 ここの箇所外せなくなったが仕方ない

 これで自転車降りたこともありエネルギー補給かと思ったが、結果として水分補給だけして走行再開した。コーラ3ℓ近く飲んだらお腹タプタプになって食べる気しなくなったので。

 それと気温高い場所を走ってる間は無理せず早いタイミングで宿を取って涼もう・・・という目論見もあり、お昼の時点で予約した宿まで10km切っていたのも大きい。

 そんで宿に到着したはいいが宿のオヤジから言われたことは「予約なんか知らん。泊まりたいなら1000ルピーだ」という内容。ネット情報と2倍以上差があるんだけどなー

 そもそも予約とった直後から「現地で直接支払い」と記載されてたのに「先に半額支払って部屋を確定させましょう」とか胡散臭いメールが次々きてたんだよね。これは怪しいと思ってキャンセルし別の宿へチェックイン。

 とりあえずシャワー浴びてエアコンの前で1時間ほど休んでから夕食に。1階がレストランになってるタイプの宿で助かった。

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 インドらしくカレーが2種類

 後で調べてみたらインド国内でやたらよく見る「OYO」というフランチャイズのホテルはこの手のネット予約で問題続出してるらしい。何かと面倒な点が多い国だなと思いつつ、今はゆっくり休みましょう。

 2024年5月31日(金) 走行距離83km 累計151323km
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 インド5日目 パータプールの町〜デリーから北北東に約110km ムザッファルナガルの町

 インドの電気系統は複数に分かれているだろうか、エアコンがちょいちょい切れてしまうため結局ファンを全開で回して寝ていた。なまじエアコンが調子良く動いてると今度は寒かったりするので難しい。

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 早朝でも外は30度以上あるしさ

 1階レストランの入口で寝ていたスタッフを起こして玄関開けてもらう。宿の空き部屋たくさんあるのにここの床で寝てるのやっぱりカースト制度が関連してるのだろうか?とか思いつつ出発だ。

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 そういえばまだインドでロシナンテ号の写真撮ってなかった

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 暑いからね、ビニールプールがよく売れそう

 メーラトという大きな町の環状線に位置する場所にいたのだが、このまま町へと入ってしまうと多分酷い交通渋滞に巻き込まれると思うので外環道を走って進む。インドで大都市には極力行きたくないと思ってます。

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 朝食もレストランで食べて

 ついでに洗面所の水でTシャツをびしょ濡れにして水滴が落ちない程度に軽く絞る。こうした濡れた衣服を着ることで多少ながら涼しい状態で走行することができる自転車走行の知恵。

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 15分しないで乾いちゃうのが難点

 国が広くて土地も平坦だからか直線的な道が多い気がするインド。もっと山岳地帯に突入すればこの限りではないのだろうが、郊外に出てしまうとほとんど景色が変わらない道を走ることになってしまう。

 これが普通の交通状況なら別に構わないけどさ。インドで走行してると常に逆走してくるバカとか無茶な追い抜き仕掛けてくるアホ、周りを見ずに突っ込んで混乱を起こさせるボケと様々なドライバーやライダーがいるため常に集中を強いられる。

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 楽しくないぞ

 オマケに一休みした際に後輪タイヤを確認したら、先日補強処理したサイドウォールのすぐ隣に別の瘤が発生していた。しかもこっちの方は重傷でタイヤに傷が入っており近いうちに繊維が切れてしまいそう。

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 非常に不味い

 早急に処置が必要だと判断し、今日は早々に走るのやめて宿に投宿することにしたい。流石にこの気温の中、今ここで作業するのは厳しすぎるし。

 ということで14時ムザッファルナガルの町に着いた時点で宿を探し始める茶壺さん。しかし宿泊拒否食らったり値段が高すぎたりでなかなかチェックインが出来ず。いやまぁ私もエアコン効いた環境で作業したいと選り好みしてるから難航してるのかもしれないが。

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 どうしたもんか

 町を抜けてしまって隣町の宿も一通り見て回った末に、逆走してムザッファルナガルの郊外に位置する近くに何もない変な宿にチェックイン。後で気づいたけど多分ここ連れ込み宿だと思う。

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 ナマステ

 まぁそれは大した問題じゃない。とりあえずシャワー浴びて落ち着いたところで作業開始だ。タイヤの傷が入った部分にチューブ用のパッチを当てて処理し、今日の道中で拾ったタイヤ片をカッターでカットし形を合わせる。

 これに加えてタイヤ本体を針糸使って広がった傷口を縫い込み補強してしまい、最後にタイヤ片を内側にセットして比較的荷重の掛からない前輪タイヤへローテーションさせ作業完了。

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 一応見た目は多少落ち着いた

 こんな不安の残るタイヤでラダックに向かうの怖いんだけど、インドでマラソンプラスが入手できる可能性は限りなく0に近いということは分かる。別のタイヤでも良いので予備タイヤを準備しておこうかと悩み中。

 2024年6月1日(土) 走行距離87km 累計151410km
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 インド6日目 ムザッファルナガルの町〜デリーから北に約160km ソラーナの町

 クーラーが付いたり消えたりを繰り返す上に、室内に蚊がいたようでちっとも眠れなかった。それどころか喉を痛めてしまいクソ暑い真夏のインドで風邪の症状とか馬鹿そのものじゃないか!

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 こりゃ風邪の事実は隠しておこう

 とりあえず出発してすぐ側の食堂で朝食とする。インドでは1.5ℓ規格のペットボトルが全然流通しておらず、今日まで大型ホルダーにボトル収納できず空になっていたのだが。

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 まさかこんな田舎で見つかるとは

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 アジアはこの手の食堂が朝から営業していて良いですね

 おかげで未だにガソリンストーブに燃料も補給していないほど。最初のホステルがキッチン実質使えなかったのと、あまりの暑さで自炊する気力も根こそぎ失ってるのが原因か。

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 日干しレンガを作ってる施設とみた

 9時前の時間帯なら気温も35度に達していない。この環境をして「これは涼しい!これはイケるな!」というテンションだったので大分私もインドの環境に適応してきた気がする。

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 すっかり町の雰囲気は無くなって嬉しい

 しかも周囲を囲むのは水田で作ってる作物は米である。インドという国が14億の人口を支えることが可能なのも米というスーパー作物の影響が大きいのは知ってるが、何なら日本以外世界中のスーパーでバスマティとジャスミンという2大インド米が輸出され存在感を放っている。

 そうした原動力となる水田は恐らくここ以外にもインド各地に広がっているのだろうなぁ・・・とか想像してみたり。

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 突然真っ白な建物が出てきて何かと思うた

 しかしドライバーのマナーは最悪な一方で、実はインドの道路は悪くないことが分かってきた。というかデリーみたいな都市部を除けばむしろ道路状況は相当レベルが高い国だぞインド。

 路面のギャップもほとんどないしある程度大きな道路は片側2車線に加えて車両の横断を防ぐための中央分離帯、そして側道も広くて走りやすいときたもんだ。あまりにも傍若無人なドライバーの姿に霞んでいるが、交通量の少ない田舎を走るにおいてインドという国は悪くなかったりする。

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 アップダウンもほとんど出てこないし

 ただまぁそれは「自転車で走りやすい」というポイントにおける話であって、インドは変化のない直線的な景色がひたすら続くという意味で「走行の楽しさ」という点では低い。この先のラダックが世界有数の山岳路と聞いてるので走行的な面白さはそちらに期待だな。

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 踏切などものともせず通り抜けてくインド人

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 その後の列車も凄まじい人数乗車してて2重に驚いた

 サハーランプルという大きめの町に近づいた辺りで飲み物配布しているグループと遭遇する。道ゆくバイクやリキシャに対してジュースを渡しており、私も一緒に頂くことに。

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 というか無茶苦茶集まってきた

 後で聞いた話だが、どうも気温が非常に高い日にはこうして水分を配布するボランティア事業が行われているのだそう。他の町では見なかったけど、例えばこの州における政策だとか休日限定のイベントの可能性もあるため断言はできず。ただ楽しそうに次から次へとジュース渡してくるインド人との邂逅は楽しかった。

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 その後めちゃくちゃお腹下した

 町を抜けた郊外で再び別グループのジュース配布を見かけたので一杯頂いてたのだが「疲れてるならすぐ側に休憩できる施設があるよ。泊まるのも無料だよ」と言われてホイホイ着いていってもうた。地味に暑さで軽い熱中症の症状出てきて頭痛があったし。

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 なんかそのまま食事も頂いてる

 私のポリシーで出された食べ物を残すことは基本しないのだけど、寝不足&下痢&熱中症のコンボで流石に食べるのキツかった。いや全部食べたんか。

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 ベールフルーツという果物のジュース

 なお紹介された場所はヒンドゥー教の寺院で、一休みして回復した後に施設色々案内してもらってとても面白かった。日・月曜日には女性が集まって神様に歌を捧げるそうで、その光景見れたのは幸運だったと思う。

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 撮影しても大丈夫だよと言われたので

 そのままアミットのバイクに乗って町周辺を案内してもらう。やはり農業が盛んな地域だそうで米の他にもトウモロコシやサトウキビといった作物も盛況に栽培されていたし、マンゴーの気も生い茂っていたのが印象的。

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 ちなみにアミットの家畜小屋見学中に

 道路脇で多々見かけた蟻塚のような存在の正体が明らかになった。これは牛の糞を固めて山にして保存してるのだそうで、竈門など火を焚く際に燃料として使うのだとのこと。

 ヒマラヤなんかの山岳民族が牛の糞を燃料として使うといった話は聞いたことあるが、この地域でも同様の処理をしているのかと感心した。

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 こういうヤツね

 ド田舎に変な外国人が来てると噂が広がるのは早い。日が沈む頃には大勢の子供たちが集まってきており、また半端に英語できる子がいるもんだから永遠質問が終わらない。

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 プールに連れてってあげるよと

 言われて外に駆り出されたのだが、先ほどアミットにバイクで案内してもらった道と全く同じ。オマケにプールは時間外で門が閉まってたし、何ならこの辺りで喉の調子が悪くなってきて咳ばかりしていた茶壺さん。

 お寺に戻って夕食に加えて薬まで頂いてしまい本当に申し訳ない限り。割と聞き分けが良いというか、私が夕食済ませたタイミングで測ったように子供たち引き上げていったのが印象的。体調万全だったらもうちょいしっかり相手してあげられたんだけど申し訳ない。

 とりあえず今日は停電することもないだろうし、身体を冷やしすぎることないようちゃんと調節して休もうと思います。

 2024年6月2日(日) 走行距離70km 累計151480km
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 インド7日目 ソラーナの町〜デリーから北に約200km アンバラの町

 電源が切れる心配のないクーラー効いた部屋のなんと快適なことよ。恐らくだがインドの安宿では電気代節約のためかクーラー関係の主電源切ってる疑惑があるんだよね。だからこうした施設の方がよっぽど心地よく眠れるという現象が起きる。

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 早く涼しい山に行きたい

 7時前からアミットが来てくれチャイから朝食まで色々世話を焼いてくれる。彼自身の仕事もあるというのに本当にありがたい限りで、私はアミットと会えたことでインド人に対する印象が大きく変わったと感じている。

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 本当にお世話になりました

 デリーでは再び観測史上最高気温を更新して50℃の大台に乗ったとか聞いたけど、正直ここ数日は午前中くらいまでは割と適応できる程度の気温になってきたように思う。私の体が慣れてきたというのもあるだろうが、今日の最高気温43℃とのことで単純に温度が下がったことも大きい。

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 インドも都市部を離れると気温は下がるのか

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 インドの過積載トラック

 この車両を見た感想としては「インドという国は割としっかりしてる」というか、伝え聞いてた話よりずっと常識もあるし無茶苦茶な面も少ないということ。適当な国はこういう積載状況とか全く考慮せず狂ったような積み方するし、なんならそれで交通事故引き起こすし。

 まぁね、インドには悪鬼悪辣が巣食う騙し騙され弱肉強食の無法地帯なノリを想像していた所があって、一部交通状況なんかは頷ける部分もあるが例えばアフリカのへっぽこな国と比べてインドは全体的に「ちゃんとしてる!」と思うことが多い。

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 交通状況じゃなくてインフラとか人々の行動とかが

 もっとテンション上がると突如踊り出すくらいの奇行を覚悟していたのだが、外国人に対してちょいちょいふっかけてやろうとする輩がいる程度。むしろ困っていれば普通に助けてくれるし宿で私を泊められない際にオーナーが「ゴメンな」と言ってたのが印象的。

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 インド映画はリアルじゃなかったのか

 なお途上国において謝ることができる人間というのはそれだけで貴重だし、自身の裁量超えてる事柄をもって外国人にSorryと言える人は途上国だと滅多にお目にかかれない。日本を基準にするとそりゃサービスの対応が酷いとか文句も色々出てくるだろうが、個人的な感想としてインドは優秀よ。

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 午後からは30分に1度くらいのペースで休憩挟む

 ガソスタにも冷却された水が出るウォーターサーバーがあったりして、最初の1〜2日目は警戒して避けてたのだが今はもうガブガブよ。夏のインド自転車旅行で生水がどうとか言ってられない。

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 そんな感じでアンバラの町へ

 宿は何処にでもあるのだが、インドでは外国人が宿泊できない宿がある。これはどうも外国人を泊める場合には個人情報等の各種記録を記帳して然るべき施設に提出する必要があるためのようで、この作業を実施しないとか許可の降りてない宿では門前払いされる。

 いや門前払いならむしろ良い方で、大抵の場合はヒンドゥー語を相手にアレコレ伝わらない意思疎通を繰り返した末「外国人は無理だ」とか言われてしまうことの方が多い。今回は宿を7〜8軒回ってようやくチェックインできた。

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 近くに酒屋があったのでインド初ビール

 日中凄まじい暑さだった割にあまり美味しくなかったな・・・というのが正直な感想。値段も日本並みに高いしインドでビール飲むことは少なそうな予感がしてきた。

 すぐ近くの屋台でビール代金の1/4というカレーを食べたが満足感はむしろこっちの方があったかも。そもそもインドのキングフィッシャーってビールはアルコール度数が高くてあまり好きな銘柄じゃないのです。

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 凄い場所で休憩してるな

 ここまで連日エアコン付きの部屋で快適な環境を求めてたけど、そろそろ最低気温も下がってきたし本日はエアコン無しの部屋。ゆっくりとこの環境へ身体を慣らしていくべきだと思っているので。最も明日から山岳エリア入って気温下がる予定なのだけど。

 2024年6月3日(月) 走行距離85km 累計151565km
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 インド8日目 アンバラの町〜デリーから北に約230km パンチクラーの町

 身体が疲労困憊だというのを感じる8時半起床。道自体は楽なのだけど、猛烈な高温と疲れた身体にインドのスパイシーな料理で体調不良まで併発してる感じ。まぁインドに来る時点で遅かれ早かれ下痢には悩まされるだろうと思っていたが。

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 急いで出発準備する

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 この一角はホテルだらけだった

 ここ数日は比較的マシだった午前中の走行だけど、今日は明らかに走ってるのがキツい。下痢してることで脱水症状となっており、にも関わらず強烈な暑さであるため消耗が激しいのだろう。

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 何度もガソスタでトイレ&水分補給の休憩繰り返す

 予定では4〜50kmほど走ったチャンディーガルという町へ午前中で到着して、午後からはヒルクライム開始するつもりだったのだけど、その手前にあるパンチクラーという町へ到着した時点で限界ギリギリという有り様。

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 これはマズい 

 もう今日はこれ以上走れん!ということで周辺のホテルに入って宿探し始めることにした。インドで焦っても仕方なかろうて。

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 日陰を走っててもギリギリの感覚 

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 お疲れモードなのだし 

 1軒目のホテルで値段聞いたら「ちょっと待ってて」と言われて30分くらい放置される。普段なら「何やってんだよインド人は!」くらいの文句言ってる気がするが、この時ばかりは冷房の効いた受付でソファに座れることが有り難く、彼らの仕事が遅いのを良いことに休憩モードとなっていた。スタッフから水やチャイも振る舞ってもらえて天国かここは?

 結果的に2軒目のホテルにチェックイン。荷物運び込んでシャワー浴びたらそのままベッドに倒れ込みあっという間に寝入ってしまった。

 18時過ぎのタイミングで目を覚まし、まだ頭が少々痛むものの体調大分マシになったので夕食食べに外へ出る。フラフラで食欲なくてお昼は食べてないため流石にお腹空いた。

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 上手いタイミングで予備のチューブも買えたし

 なかなかできなかった細々としたタスクを片しつつ夕食済ませて宿に戻る。相当寝てる筈なのだけど、今日はまだまだ眠れる気がする程度にゃ宿の環境が良い。今まで利用したホテルと比べて値段も特に違いは無いんだけどな。

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 明日こそは涼しい山の上に行こう

 2024年6月4日(火) 走行距離42km 累計151607km
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 インド9日目 パンチクラーの町〜デリーから北に254km地点 pankajホテル

 やっぱり良い環境でしっかり休むと体調全然違うわ。昨日の時点では今後を心配するほど体調悪かったけれど、下痢も含めてバッチリ持ち直した感じ。

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 連日40℃超える気温で疲れ切ってたんだな

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 色々気にかけてくれたオーナー

 写真撮影してボトルに水も満タン補給してもらい出発する。最近は割とその辺の水でも平気で飲むこともあるものの、やっぱりウォーターサーバーから汲んだ水のほうが信用できるし単純に味も良い。

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 それではいよいよ山岳エリアへ 

 正直「山を登る」ということをこれほど待ち望んだことはない。今はとにかく標高を上げることで気温が下がってくれることをひたすら願っている状態。

 数日前から近くに山脈が見えてもおかしくない場所を走っていたはずだが、一向に山の姿を望むことはできずここまで来てしまい、今なお山は姿を現さないというのはどうしたものか。

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 インド来てから空は常に靄が掛かってるので

 これは大気汚染が原因なのか、夏場の高すぎる気温が影響してるのか不明だが、太陽光は遮らないくせに景色ばかりが悪くなるという残念な現象だ。せっかく美しい山岳地帯に入るのに視界不良じゃ魅力も半減だぞ全く。

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 本格的に登り始める前に朝食をば

 しかしこのタイミングで前輪がパンクする。先日の裂け目が開いたか・・・とビクビクしながら調べたが、チューブは該当箇所と微妙にズレた位置で穴が空いてたので「原因は別だな!ヨシ!」ということで無理やり納得した。

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 ここまで来てタイヤダメになったのでヒッチハイクは悲しすぎるし

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 屋台で仕事を手伝っていた子供たち

 私がパンク修理始めると興味津々で覗き込んでいたのだが、何やっているのか直ぐに心得たようでタイヤのキャップを渡してくれたりと勘が良くて賢い子供だったのが印象深い。

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 改めましてヒルクライム開始

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 ようやく周囲の山々もはっきり見えるようになってきた

 斜度はそれほど厳しくなく道路も片側2車線と大きいため割と登りやすい。何より本格的に上り坂入ってから3輪タクシーのリキシャがいなくなった点が大きいと思う。

 インドで最も傍若無人な走行をするのがこのオートリキシャであり、小型の車両並みの大きさを持ちながらバイクのように無理矢理狭いスペースへ入り込んでくる存在。コイツがいないだけで走行ストレス大分違う。

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 恐らくこのゲートから向こうは禁止区間なのだろう

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 トマトケチャップが完璧な味わいってむしろ残念感ある

 上り坂なので通常走行より負荷がかかって大量発汗するのは当たり前なのだが、不思議とここ数日で1番楽な気がしないでもない。こりゃ早くも標高上がったことで気温下がっているのが影響してるのか。

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 1000mを越えたくらいで

 ハッキリと周囲の気温を涼しいと感じるようになった。これまでずっと体温よりも高い気温の中を走ってたので、日差しや空気が肌にピリピリするような痛みがあったし風を受けてもムワッと気持ち悪かった。

 それがここに来て吹き抜ける風が最高に気持ち良いものへと変わったのであり、しんどいはずの上り坂が今は無茶苦茶幸せな気分。

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 山の中でも結構栄えてるインド

 このままイケイケのテンションで行ってやるぜ!と息巻いていたのだが、夕方になったタイミングでまさかの雨が降ってきた。しかも雹まで混じる大雨ときたもんだ。

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 正直ちょっと寒い

 インドは一応6月から雨季に入るため不思議という程ではないのかもしれないが、よりによって私が山登って気温改善した日に雨降らさなくても良いだろう!と文句は言いたい。むしろ山だから雨降ったのかもしれんが。

 涼しくなったので野宿で良いなと思っていたが、雨のせいでロシナンテ号グチョグチョにされてしまったし、そもそもこの道山の斜面を切り崩して作った道なので全然テント張るようなスペースが出てこねぇ。

 雨脚落ち着いたタイミングでバログという町まで移動し安宿探すかな・・・と思っていたが、そこまで行かずともホテル途中に出てきたのでチェックイン。直ぐに自転車水洗いして付着した泥と砂を落とす。

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 ここからが本番だから調子整えなくては

 崖に張り付くように3〜4軒のレストラン兼ホテルが連なっているのだが、すぐ近くに酒屋があったりするのが不思議だな。インドはライセンス無いと酒販売できない国で、都市部でもなかなか姿を見かけないのにこんな僻地で商売してるとは。

 でもビールは下界より2割近く値段上がってたので購入せず。もう私はインドの多くをコーラと共にやっていく覚悟を決めてるので寂しくなんかない。

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 結構登った1610m

 2024年6月5日(水) 走行距離55km 累計151662km
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 インド10日目 pankajホテル〜デリーから北に約280km シムラーの町

 エアコンなんか無くても快適そのものだった夜。標高上がったためか蚊も姿を消したし最高ですよ。私のインド自転車旅行はここからが本番だぜ。

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 今までは・・・ウォームアップ?

 崖に飛び出るように建築されてる宿は最上階が受付となっており、各部屋へは階段を降りていく仕組み。このため朝から自転車一式階段登っての荷物運びとなってしまい疲れたが、普通に考えたら走り終えてヘロヘロの時より朝の元気な状態で負荷強い運動の方が楽である。

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 文句言うなってことですね

 天気もスッキリ青空となり自転車走らせるにおいて素晴らしい環境だ。何しろここでの最高気温はデリーでの最低気温より低いんだぜ。灼熱のインドは遥か彼方だ。

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 朝食摂ってたら学生の子たちが山登って登校してた

 私も形は違えど山を登って行かねばならぬ。ラダックの平均標高は3500mくらいと聞いたけど、まだこの辺はヒマラヤ山系でも麓に位置する標高の低い土地。まだまだ本格的な峠はこれからだったりする。

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 その割には下り坂だな

 バログの町からソランの町へ。地図で見る限りこの周辺における中心都市のようだが下り坂で一気に駆け抜けてしまう。というか山の中腹にある僅かな土地に町を築いてるので、両都市とも地形に沿って細長くなっており実質1つの町みたいな感じ。

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 町の中心部ってのがあまりハッキリしない

 ソランを抜けるとカーブを繰り返しながら上り坂が続く道が戻ってくる。決して山の稜線にまで登ることはなく、常に山頂を眺めつつ山の中腹をキープしているのが不思議な気もする。

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 というのも

 これまでの経験上、山道ってのは基本的に川が流れるような谷間に沿って道を延ばし川が無くなるほど登ってきた場合は山の稜線やその脇に沿って道路は造られている。それが最も斜度が緩やかであり建築側の立場としても都合が良いのだと想像できる。

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 ところがインドはずっとこんな道

 ヒマラヤ山系だから雪解け水が流れる川があるだろうし、川に近い方がこの土地に生活する住民も何かと便利なはずなんだけど。インドの道路がどういう基準で造られてるのか気になるような。

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 とりあえずフレッシュなビール飲みたいぜ

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 お昼休憩中

 これまでインドでは食欲出なくてお昼は軽く済ませたり水分だけ補給して終わらせることが多かったが、完全に暑さでヤられて食欲不振になっていたっぽい。45℃とかの炎天下で元気に食べまくれるほど私は強い身体じゃなかったわ。

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 オーストラリアでもそこまで暑くなかったし

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 景色がダイナミックになってきたような

 すぐ脇は遥か下まで切り立った崖となっているのだが、そんな場所にもポツポツと人家が点在してるのが凄い。そんなしっかりとした道があるように思えないのだが、あそこに住んでる人はどうやって生活しているのか。

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 とりあえず目標としていたシムラーの町が見えた

 ここを目標地点にしてたのはデリーで会ったニコロがバス使って移動先の町だったため。バスなら1日で移動できる距離に1週間かかってしもうた。まぁこれが自転車旅行だしその間こそが楽しいんだけど。

 町の手前で坂がキツくなり交通量は増えてオマケに道幅も狭くなると最悪の状況に。クラックション鳴らしまくる車に挟まれて渋滞する道を何とかクリア。ようやくシムラーの町に突入したものの、予約した宿が強烈な下り坂の途中にある立地で今から出発が怖い。

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 その代わり景観は抜群

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 広島風お好み焼きみたいで美味しかった夕食100ルピー(約190円)

 とりあえず明日は1日休んでゆっくり観光でもしようかな。急斜度の坂で構成されてる町なので歩き回るだけでも疲れそうなのが問題だけど。

 2024年6月6日(木) 走行距離62km 累計151724km
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