自転車ときどき世界1周

カテゴリ:アジア2 > カザフスタン

 カザフスタン1日目 クリーク港〜カスピ海拠点の町 アクタウの町

 日付変わって0時半。船内へ拡声器による(多分)「着岸しました。乗客は下船準備を始めて下さい」という内容の放送が流れる。というかこの船スピーカー付いてたんか!今始めて使われてるとこ見たぞ。

 半分寝てたが荷物をまとめて移動する準備に取り掛かる。どうせ大量のトラックが排出されないと狭すぎて自転車外に出せないし、今までの状況を鑑みても1時間くらい待たされるのは間違いない。ゆっくりいきましょうか。

 部屋は清掃始めたのでロビーで待機し午前2時。ようやく旅行者組に下船許可が降りたようで係員の後を追う形で我々も下船開始。いや本当に長かったな。

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 こんな時間ではあるけど

 そのまま案内される形でイミグレーションへ向かう。ここでも30分くらい待たされたのだけど、施設内にFreeWi-Fi飛んでいたので好都合ではあった。アクタウの宿とか調べときたいし。

 手続き済まして他の人たちはタクシー呼んで移動する中、私は1人自転車乗って敷地出口へと向かう。ゲートが閉じられてたので寝こけてた係員を窓叩いて起こし、荷物検査やってようやくクリーク港出たの3時半とかになっていた。

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 施設離れると真っ暗

 もうこのまま走行開始するのも有りかもしれないが、今はハイで眠くなくても明るくなってから入国初日で何も分からない国を猛烈に眠くなった状態で走行するのは怖い。ということで数km走ったところの野原にテント張って朝まで仮眠する。

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 8時まで寝てしもうた

 僅かに残ってたキャベツとラーメンで朝食作りとりあえずカザフスタン本格走行スタートだ。このまま先へ進むという選択肢もあるっちゃあるが、一旦カザフスタン側のカスピ海フェリー拠点となる町アクタウに移動して落ち着きたい。そこまで100kmあるんだけどさ。

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 とりあえず20kmちょっと走って

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 クリークの町に寄り道する

 ここで現金引き出して食料補給しておかねばアクタウまで辿り着けなそうなので。カザフスタンって世界最大の内陸国で世界第9位の国土面積を誇りながらその人口は約2000万人。要するに国内スッカスカなため町と町との間にほとんど何もないみたいで。

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 日本人としては羨ましい限り

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 あまり知らなかったけどこの国もイスラム教が多数派らしい

 旧ソ連から独立した系の国だしキリスト正教会系かとばかり思っていたのだが。アゼルバイジャンもそうだったけど、緯度が高い国ってイスラム教との相性が悪いからあまりイメージにないんだよね。

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 食事済ませたので改めてアクタウへ向かう

 幸いなことに南から強い追い風が吹いており、周囲360度風を遮る遮蔽物がない地形のため滅茶苦茶速いペースで移動している。これ風向き変わって向かい風だと地獄の環境になるけど今後大丈夫かな?

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 その時考えることにしたい

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 後半から晴れて素晴らしい景色に

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 馬かと思ったらラクダ

 途中休憩エリアで1度休んだのみで3時間爆走続け一気にアクタウの町へ到着する。何せクリークの町を抜けた途端、道路看板で「ガソスタこの先70km」とか出てきたのであり、つまり「70km先のアクタウまで他に何もありません」と言っているも同じ。

 これ内陸部とかなら分かるけどさ、海のないカザフスタンにおける唯一海運貿易が可能なカスピ海沿岸の話だよ?そんな重要エリアでこの過疎っぷりはなかなかレベル高いな。

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 アクタウ郊外の工場エリアを通り抜け

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 15時には町の中心部に到着した

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 思ってたよりずっと大都会 

 既に宿の予約済ませているので余裕もある。夜でほとんど見れなかったカスピ海の護岸を見てからホステル向かうことにしようと町西部の海岸線へ行ってみることに。

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 本当海みたいだよな

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 でも水の塩分濃度はかなり薄かった

 町中の道路は側道がなく、そのクセ歩道は段差ばかりで自転車が走るように造られていない。僅か5km程度の移動だったにも関わらず非常にストレス溜まったな・・・と思いながら宿に向かう。

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 土地余ってるのだし道路を広げてくれよ 

 町外れにある一軒家タイプのホステルだけど、部屋数多いし綺麗に掃除が行き届いててゲストはほとんどいないという素晴らしい環境。値段も手頃だしキッチンも広い。ドミトリーだけど室内私1人なので実質個室状態でこれは当たりの宿引いたなと思いつつ。

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 スーパーに買い出し行って夕食作って

 カザフスタンの情報色々調べなくちゃと思ってたけど、眠すぎて限界となってしまい途中でダウン。そういえば休んだ時にチラッと時計見たら4時回っていたんだよね。変な時間にフェリー到着すると、後になってしわ寄せが来るワケだ。

 2025年4月23日(水) 走行距離114km 累計167760km
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 カザフスタン2・3日目 アクタウの町〜アクタウから東に72km地点 平野

 船でゴロゴロしてた割に疲れてるので休息日。もしかすると自走しない乗り物でも移動って疲れるのかもしれないぞ。

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 なんてこった大発見じゃん

 ともあれ思った以上に疲労を感じて1日宿の中で大人しくしてることにした。幸いにしてここのホステルWi-Fi速度が非常に速く、録画していた動画データをクラウド上にアップロードするのに申し分ない環境だ。伸びてきてた髪を散髪しつつ同時にネットの作業をアレコレと。

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 キッチンも広くて快適 

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 同じ宿に泊まってたサイクリスト

 18時のタイミングで食材の買い出しに出た以外はずっと室内で過ごしてたな。部屋が大きく綺麗で快適だったという点が大きいのだけど、やっぱり室内に他の客が居ないというのが決め手か。バクーでは2回とも近くで寝てるゲストが常識ないアホで迷惑被っていたからさ。

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 カザフスタンも豚肉は売ってないので鶏肉の夕食


 翌日。起き抜けに身体のダルさから「もう1泊してぇ・・・」という気持ちが出てきたが、こういう時楽な方向へ舵を切る行為は後になって自分にガッカリすること知ってるので無理矢理気合入れて活動開始。カザフスタンの道が私を待っているのだ!

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 待ってない

 相変わらず道路が狭くて走りにくいアクタウの町だが、我慢して10kmも進めば郊外に出て何とかなるさと思いつつ。自転車道とか作るクセにその道が段差だらけでマトモに自転車走らせる気ないだろ!という構成のため怒ってますよ茶壺さん。

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 バス停が立派ということは冬季の寒さが厳しいのか?

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 ようやく郊外に出て走りやすくなった

 とりあえず日本へ向けて北東方向に進路を取りたいのだが、道路が東→北と直角に回り道するよう延びている。これが斜めに通じていれば√2=1.41で済むのにな・・・とかそんなこと考えてたけど理屈あってるよね?

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 昔から理数系のが点数良かったタイプ

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 というか英語を筆頭に記憶系の教科は壊滅的に悪かった私の成績

 海外旅行してる今でも英語が苦手だなと思ってるし、何ならあまり英会話に興味がないのだと思う。長期で海外旅行してる人はその動機が「異国の人と会って話すこと」というタイプが結構いるが、私は「人」というのを旅行の主軸にしていない。私の旅行動機は完全に「知らない世界を自転車で走る」という点にあるので。

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 いや人様との出会いはとても嬉しいし楽しいことだと思ってるけどね

 その点に関して私は受け身の姿勢なのだ。誰かと話すためにあまり積極的にならないし、何処の土地を目指すにしても「その土地の人に会ってみたい」というより「走ってればその土地の人と出会うでしょ、人はどこにでも住んでるし」みたいな感覚。

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 こういう性格だから英語が上達しないのではないかと思ってる

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 真っ平な道が続いてたのだが

 200mほどの上り坂が登場して一気に汗まみれ。それほど気温高くない環境だけど、やっぱ負荷がかかると汗ばむ程度にゃ自転車という乗り物は運動強度あるんだよな。

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 フランス→キルギス

 そういえば今年はサウジアラビアで1度自転車旅行者と出会ったのみで、他のサイクリストに全然遭遇せずここまで来たな。インドやアラビア半島、アゼルバイジャンといった国は自転車旅行の需要が少ない土地だったけど、ここ中央アジアは大陸横断ルートとしてサイクリストに人気の土地。

 彼らも私と同じルートで進んでいく予定だそうで、そのうち何処かでまた逢えそうな気がしてる。他の人と会って話をするのは旅行の主軸じゃないだけで楽しいし再会できたら嬉しいなと思っているのですよ。

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 カザフスタンも石油を始めとした資源大国

 ちなみにガソスタのレギュラー1ℓ210テンゲ(約60円)くらいでサウジアラビアより安い。イランほど安価じゃないにしても日本人的には驚くほどの低価格だ。というか日本のガソリンって今1ℓどのくらいなんだろ?

 85kmほど東に走った所で進路を北に切り替える。その先にあったジェティバイという町で食材購入し、とりあえずテントは町の外で設営しようかな・・・と町を抜けたんだけど。

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 あ、これ道路から見えない場所がないヤツだ

 地平線が続く景色なのは分かっちゃいたけど、追い風だったので楽して進んでる内に何か良い場所見つかるでしょ!という甘い考えでいたのも事実。結局10km走った所で凹地になってるエリアを発見しテント張れたので問題なし。

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 21時でも明るい4月のカザフスタン

 太陽が沈んでようやく涼しくなってきた・・・というか普通に寒いな。中央アジアって海から最も遠い距離にある地域なんだけど、それってつまり寒暖の気温差が激しいことを指しているのであり、風邪ひかないよう気をつけます。

 2025年4月24日(木) 走行距離  2km 累計167762km
 2025年4月25日(金) 走行距離110km 累計167872km
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 カザフスタン4日目 平野〜アクタウから東北東に約120km ザルミッシュの町

 昨日の予報だと結構な北西風が襲ってくるとあったが朝になってもほぼ無風。移動したからか予報が外れたのか知らんがラッキーだ。

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 と思っていたのです

 実際のところ窪地が上手い具合に風を遮ってくれてただけで、道路に戻ると風吹きまくりの状態で走行開始と相成った。そんな上手いこと自転車旅行は進まないのが世の理か。

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 でもドライバーから飲み物頂いて嬉しい

 カザフスタンは下手なアラビア半島よりよっぽど水が少ない土地のようで、人のいる場所でなくともモスクに行けば水が確保できた国と違って水の入手が難しい印象だ。緯度が高くて気温低めだから良いものの、これで暑かったら自転車旅行するの相当大変な国だったと思われる。

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 オーストラリアレベルに

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 何で寄り集まってんすか?

 向かい風に翻弄されて速度出ないままスローペースが続く。次の大きな町まで距離逆算しながら食料運んでるのでペースダウンはそのまま走行時間が反比例して延びていくこととなるので勘弁してほしい。まぁ今日は全然余裕な距離に町あるので問題ないが、その先は200km超無補給っぽいんだよね。

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 こんな感じで小さくてもカフェがあれば良いのだけど

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 何気にWi-Fiも使えて小さな村にしては設備が良い

 というか20kmそこそこでお昼休憩になっちゃったよ。どうしようもない程の爆風ってワケでもないと思うのだが、地味に上り坂も混ざっているのでペースが上がらないのかもしれぬ。

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 だというのに面白そうな洞窟見つけて寄り道する茶壺さん

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 多数の車両が停まってた理由はこれを見学するためか

 見終わってサクッと出発しようとしたのだが、近くでピクニックしていた人たちに「チャイ飲んでいきなよ」と呼び止められて、そのまま飲み食い始めてしもうた。誘われたら断れない体質なので。

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 ほぼ英語は通じないけど結構コミュニケーション取れる

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 ちなみにカザフスタンのチャイだけど

 見た目はミルクティーっぽい感じなのに番茶に近い飲み味で驚いた。トルコやイラン、アゼルバイジャンのチャイとは全く異なりカスピ海を境に文化が大きく変化したことを感じさせる。

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 どうもありがとう!

 お腹が膨れたからか午後になって風が弱まったのか、ここから大分盛り返してシェッピの町へ。盛り返したというか坂の上まで来たので最後一気に下って行けたからそう思うだけの気もするな。

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 こうやって町が見えた瞬間が1番嬉しい

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 何気に自転車道があったので利用しつつ

 中心部のスーパーで丸2日分の食材を購入しておく。このシェッピから先は本当に補給に苦労するっぽいルートみたいなので。何ならここで1泊して明日出発時に食材買い揃えるようにすれば無駄なく走行できるのだけど。

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 もうちょい25kmほど進みたいのは

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 進路が変わって追い風になったのが1つ

 もう1つはザルミッシュという小さな村があるからだ。調べた限りスーパーもないような規模みたいだが、トラックドライバーの休憩所として道路沿いに幾つかのカフェがあるらしい。そういう系の施設のためか此処シャワー室があるらしい。

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 お、見えた

 料金500テンゲ(約140円)で時間制限なしのご利用。これでカフェのWi-Fiも使わせてもらえたし、なんかカザフスタンは田舎でもサービスがしっかりしてる印象あるな。

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 全身ベットベトだったので嬉しい

 サッパリしたので町外れまで移動してテント張る。別に町中でキャンプしても大丈夫そうな雰囲気だけど、多分深夜でも関係なくトラックが発着繰り返すだろうと予想。人の居る場所から離れて静かに休みたいじゃないですか。

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 今日は風に逆らって疲れてるので尚更

 明日は向かい風ではないようだけど、今度は雨が降るっぽいのよね。初日みたく抜群の環境で走り続けることができたの運が良かったんだな。カザフスタンは一筋縄じゃあいかない様子。

 2025年4月26日(土) 走行距離89km 累計167961km
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 カザフスタン5日目 ザルミッシュの町〜アクタウから東北東に206km地点 レストエリア

 朝から雨の予報だったが目を覚ました時点ではまだ小康状態といったところ。雨降ってる中でテント収納しなくて良さそうなのであり、これは大変ありがたいと準備する。

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 普通にコーヒーも朝飯も食べてからね

 とりあえず昨日のカフェに戻ってもっかいここのWi-Fi使って天気確認してから出発しようと思ったのだが、このタイミングで雨降り出してしまい天気予報確認するまでもなかったな。

 お店の中に避難して降り止むのを待っていたら、テーブルの向かい側に座った人から大量にご馳走してもらう。そんなことあるのか!?と思ってしまうが、自転車旅行してるとこういうことは稀によくある。

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 色々頂いてしまい感謝

 10時のタイミングで雨は降り止んだようで一安心。昨日の時点で精々午前中のみの雨っぽかったが、結果的には1時間しか降らなかったワケだ。そもそもこの辺砂漠なので、そんな大量に雨降るとは思ってなかったのだけれども。

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 それでは出発

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 もう青空広がってきたし

 多少の上り坂の後で一気に海抜0mまで大下り。カザフスタン西部って私が思っていたよりずっと標高低い土地なんだなぁと思ってしまう。ほら、内陸部って標高高い土地のイメージあったから。

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 カスピ海とかアラル海近いのだから当然ではある

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 200kmちょい何もないっぽいな

 最下部まで降りた場所にあったバス停でお昼休憩。何でそんな場所にバス停が!?と思われるかもだが、ここには道路と並行して走ってる鉄道の駅舎があり小さな集落も存在してるのでそのためかと。じゃあ何でそんな場所に駅舎があるの?と問われたならば「知らないよ」と答えてしまう茶壺さん。

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 2色カラー

 ここから再び200m一気に登る。急斜度の坂は大変なので勘弁願いたいところだが、この上り坂に差し掛かる頃から横から吹いてた風が向きを変えて追い風に変わった。朝の天気予報で分かっちゃいたことだけど、上手いこと坂の手前で風向き変化したのは僥倖だった。

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 おかげで思った以上に楽して登れた

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 ドライバーから水とか色々頂く

 というかカザフスタンの人はホスピタリティすごいな。何気に1日1回くらいのペースで何かしら助けてもらってる気がするのだが。やっぱり国民が親切な国というのは走ってる側としても楽しいよ。

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 しかし地平線ばかり続く道だ

 結局今日の風は朝からゆっくりと向きを変えて最終的に180度逆方向から吹き付けるようになっていた。つまりこの道逆走してても同じように楽できる区間とそうでない区間があったワケか。

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 ちょうど良い距離にあるカフェ兼ホテルにて本日終了

 別に宿には泊まらないが、コーラ飲みつつ水補給させてもらえたので大満足。一息ついて近くにテント張れそうな場所を探すが、さっきまで私を助けてくれた追い風が無茶苦茶に襲いかかってくる始末。風強すぎてテント張る場所がない。

 流石に宿泊施設へ「泊まらないけどテント張らして!」ともお願いできず、かといって他の建物はどれも微妙だったり家主の姿が無かったり。結局どこも納得いかずに少々離れた場所にある崩壊した囲いを利用することにした。できれば囲いの内側に設営したかったけど、中はゴミとか散乱してて利用できる状況でなかったため風下に無理矢理設置。

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 風も困るが地面が凸凹なのが嫌だ

 こりゃ今夜はグッスリ安眠できなさそうな気もするな。縦長の溝みたいな半円スペースに身体をはめ込むように沈み込ませての就寝だ。寝返りうてねぇ。

 2025年4月27日(日) 走行距離107km 累計168068km
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 カザフスタン6日目 レストエリア〜アクタウから東北東に約300km トレプの町

 一晩中強風続いて酷い目にあった。それでも普通に眠れたのであり「どんな環境でも眠ることができる」というのは自転車旅行に必要な能力なのだろうきっと。私もいつの間にか逞しくなったものだ。

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 デリケートな茶壺さんだったのに

 出る前にカフェで風の状態確認したけど1日ずっと北北西からの強風が続く模様。進路が北東なので完全に向かい風というワケではないものの、相当厳しい走行が予想されるためか気持ちが奮い立たず出発マゴついてしまい9時半に。

 とりあえずガソスタで調理用ボトルにガソリン補給しようとしたら、ガソリンではなく(多分)天然ガスを注入していた。見た感じ普通の一般乗用車に見えたけど、カザフスタンでは天然ガスで走る車が多いのだろうか?なおガソリンはオーナーのバイクから分けてもらう形で何とか補給。

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 昨日はかなり暑かったのだが

 ガソスタで7部丈パンツに履き替える程度にゃ寒い。というか北からの風が冷たくて気温以上に体感温度が低いのだろう。最も今日の気温15度とか表記されてたような気がするので数字の上でも寒いが。

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 ずっと隣を線路が続いてる

 しかしこれビックリするほど景色変わらないな。昨日みたいな気持ちの良い追い風だと地平線が続く景色は最高に気持ち良いのだが、今日みたいに強風に晒される環境では「どこまで進んでも状況変わらないぞこれ・・・」という絶望的な気持ちになる。

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 割り切ってひた走るしかないなぁ

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 何に電気使ってるの?

 30kmのバス停で昼食済まし、ゆっくり休むこともなく即座に走行再開。予想以上にペースが遅いのだが、明日までにベイノイの町へ辿り着かねば食料厳しい。となるとスローペースは走行時間を増やすことで相殺する必要があり、本当に何やってたんだ朝の私は。

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 そんな遠いレストエリア使えないよ

 何とか100km走った所に出てきた三叉路は、駅舎へと向かう分かれ道の様子。実は朝のタイミングでこの駅近くに1軒宿があるのを発見し、ふと調べてみたら利用客が尽く自転車旅行者ばかり。まぁ立地的に自転車旅行者くらいしか来ないのだろうけど。

 こういうタイプの宿は間違いなく面白い!と私の勘が言っており、わざわざ片道4kmの未舗装路を走り抜けて小さなトレプの町へ到着した。

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 いや未舗装よりも向かい風がキツい 

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 いや思ったより規模大きな町だな

 宿というより民家の離れを宿泊施設に転用したような施設は家族で経営しており、非常にホスピタリティが高い。というかウェルカムティーでチャイどころかパンと目玉焼き(4ケ入り)まで付いてきて普通の人ならこれだけで1食分の量頂いてるぞ。

 疲れきっていたのでシャワー浴びて休みたいが、確認した限り子供が9人もいるため大騒ぎどころの話ではない。元気があって大変良きかなと思うのだけど、今日は割と全力使い切る勢いで頑張ったので相手をするだけの余裕がないのです。

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 なお夕・朝食付いて7000テンゲ(約1950円)

 大都会アクタウの安ホステルが相場3〜5000テンゲだったこと思うと利益出てるのかな?と不思議に思ってしまうレベル。カザフスタンの砂漠における村での生活が垣間見れることもありとてもオススメできる宿だと思う。

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 まぁ自転車旅行者でもないと来ないだろうけど

 2025年4月28日(月) 走行距離105km 累計168173km
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 カザフスタン7日目 トレプの町〜アクタウから東北東に約370km ベイノイの町

 とても居心地の良い宿でもう1泊くらいゆっくりしていきたいのだが、残念ながら手持ちの現金足りないため出発せざるを得ない。カザフスタンにおけるキャッシュレス制度の普及率は結構高いと思うのだが、途上国におけるマジの田舎ってのは現代でも現金しか選択肢無い状況は多い。

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 現金大事よって話

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 家畜の馬とか見せてもらったりしつつ

 カザフスタン走ってると近くで監視してる訳でもない自由に放牧された馬とかラクダを多数見かけるのだけど、どういう理屈で戻ってくるのか不思議である。こんな感じで水場が他にないとかの理由があれば納得できるのだけど、カザフ自体はそこそこ池とかも多く枷を外しても自由に生きていけそうな環境に思えるのだが。

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 家畜は自由を求めないから家畜なのかもしれない

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 ということで9時過ぎ出発

 再び4kmの未舗装路を走って幹線道路まで戻りベイノイの町を目指す。この地域にある唯一の「都会」と呼べる規模の人口5桁を誇るであろう町であり、カザフスタンの更に内陸部とウズベキスタンとの分岐点にもなっている重要な地。

 というかカザフスタン西部におけるウズベキスタンとの陸路国境はこのベイノイからのルートしか存在せず、これを逃すとカザフ中央部シムケントまで移動せねばならない。そこまでの距離は軽く2000kmを超えるため、滞在日数が30日間のカザフスタンでは実質ここからウズベキスタンへ向かう以外のルート選択はないに等しい(自走の場合)。

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 のだけれど

 実は昨日ドライバーから「今ウズベキスタンへの国境は閉まってて使えないよ」というド級の内容を教えられて無茶苦茶焦っていたりする。昨夜宿のオーナーに確認しても同じこと言ってたし、Googleマップでイミグレーションが「臨時休業」とか表記されてたので間違い無い模様。

 とはいえここで引き返してもカスピ海フェリーは一方通行だし南のトルクメニスタンはビザ取得が非常に難しい。北のロシアは「現時点で戦争を行なっている国へ入国しない」という私の旅行方針に反するので入国するつもりはない。・・・あれ?これって詰んでる?

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 いやいや詰んでないと思うよ流石に

 一応回避方法というか国境の閉鎖理由はカザフスタンの劣悪な道路を修繕するため大規模工事しているためなのだそう。つまり道路が通れないから国境も閉鎖しているだけ。そしてこの道路にはアクタウからずっと並走してきた線路がある。

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 つまり列車を利用して国境通過することが可能なのだ

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 カザフスタンの牛は夜中に発光する疑惑 

 不安なのは自転車を積載できるかどうかという点だけど、こればかりは実際に訪問してみて確認するより他に方法がない。少なくともこの路線を自転車積み込んで移動したという日本人サイクリストはいないので。だって道路走れるのに列車使わないでしょ普通の自転車乗りは。

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 すっごい不安を抱えながらベイノイの町へと向かう

 昨日と違って風力は弱かったのだが、ほぼ真正面からの向かい風が吹き続けてたので疲労感はかなりのもの。まる2日続けて激走したせいか後半は足ガクガクだったし尻も痛くて満身創痍といった感じ。本当にカザフスタンは風向き次第で難易度激変する国だ。

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 何とか無事に町へたどり着きまして

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 そのまま市内を通って駅舎へ向かう

 想像してた通り駅員は誰1人英語が話せずかなり苦労したが、自転車の積み込みは問題ないようで追加料金等もかからないらしい。とりあえず今日の便は無理らしく翌日16時半出発のチケットを購入する。カード使えなかったので現金引き出して。

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 明日15時までに来るようにとのこと

 何とかなりそうでホッとした。そのまま適当に野宿しても良いが疲れきってるのもあって安かったら宿泊しようかな・・・と町中フラフラ走り回ってたら「HOSTEL」の表記見つけて1000円そこそこだったので投宿することに。

 そこからスーパーで食材購入しつつ調理始めたら時刻は21時になっていた。もっともカザフスタンではこれくらいの時間に夕食とするのが一般的らしく、他のお客たちと一緒になりケスペと呼ばれるスープと共にウォッカ頂いたりと楽しい時間に。

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 勿論他に自分用の食事も 

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 どうもご馳走様でした

 食べ過ぎか疲労か酒の飲み過ぎか、部屋戻って横になったら日記書く気力もないまま寝てしまい本日終了。このブログも翌日朝になって書いてたりします。

 2025年4月29日(火) 走行距離106km 累計168279km
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 カザフスタン8日目&ウズベキスタン1日目 ベイノイの町〜ウズベキスタン国境

 急遽列車による移動となってしまい不服かといえばそうでもない。気持ちとしては「とにかく無事ウズベキスタンへ入国出来そうだ」という喜びの方が大きい感じ。自走できない悔しさそりゃあるけどさ。

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 疲れ切ってるというのも影響してそう

 ちなみに列車のチケットは約400km先にあるクングラードの町までを購入している。最初は国境さえ越えたら後は自走すれば良いし!・・・と思い国境付近にあるカラカルパクスタンという駅で下車したい旨伝えたのだが「チケットはクングラードかヌクス行きのどちらかだよ(意訳)」と言われてしまい選べなかったのがある。

 カザフ語かロシア語ができればまた違った結果になったかもしれないが、私の力じゃこれが精一杯だったので仕方ない。とりあえず途中の駅で下車できないってのは面倒くさい外国人相手の方便だったと私は睨んでいる。

 そんな感じで14時まで宿にて休み、お昼も済ませてから移動開始。そこそこ長時間の移動になりそうなので列車内で食べる軽食でも買っておきたいが、昨日ビール購入した時点で残金0なので手持ちの食材で乗り切るより他にない。

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 流石にカスピ海フェリーよりは短いでしょ

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 時間あったので駅前の市場エリアに行ってみたり

 15時に来いとは言われたものの、どうせ時刻表の通りに動くことないんでしょ・・・と侮っていた茶壺さん。そもそもチケットに表記されてた出発時刻は16時27分とあり、事前に駅舎で荷物の審査とか手続きあるから早めに呼びつけたのだろうと思ってました。

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 まさかの15時ピタリに列車到着

 最後尾12両目の更に1番後方から乗り込み、自転車はその乗り込み口エリアに置かせてもらえるとのこと。本当に荷物の追加料金無かったのであり、やるなぁカザフスタンの列車。

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 驚いたことに

 形態は寝台列車でコンパートメント丸々1区画専有して使用できた。というのも利用客の数が非常に少ないためだと思うが、これは楽しい旅行となりそうな気がしてきたぞ。

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 ちょうど1年くらい前にイランで寝台列車乗ったんだよな

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 でもこのタイプの列車で国境を越えるのは初めて

 出発する前に軍服着た人たちが乗り込んできて乗客の出国審査を始める。イミグレーションの建物があるわけじゃなくて列車内で手続きするとは面白い。ただ待たされてる間に暇してるっぽい兵士がネチネチ絡んできて本当面倒臭かったけど。

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 定刻通り出発する

 動き出してしまえば速いもので80kmほど先の国境まで2時間もかからずに通り過ぎた。ウズベキスタン領に入って直ぐの村落が下車したいと思ってたカラカルパクスタン駅。ここで今度はウズベキスタンの入国管理官たちが乗り込んできて入国審査が始まる流れ。

 人数少ないとはいえ乗客全員の入国審査をしてるためか時間がかかる。私の審査は終わって荷物検査もOKもらったタイミングでトイレに行こうとしたのだが、ここで車掌に無茶苦茶怒鳴られた上に「捕まって日本に強制送還するぞ」みたいなこと言われた。

 向こうも英語話せないので何言ってるのか全く分からないのだが、状況から想像するに駅舎に止まってる間はトイレを使用しては駄目らしい。別に排泄物そのまま垂れ流すような構造では無かったし何が悪いのか分からないのだが、旧共産圏の国ってこうした謎のルールが説明もなしにまかり通ってても不思議ではないのだ・・・という意味でちょっと怖かったな。

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 トラブル起こしたくないので後はずっと席で大人しくしてた

 日が暮れるちょっと前のタイミングでようやく再発進。駅舎から乗り込んできたと思われる行商人たちが何度も「買わないか?」とアピールしてくるのだけれど、ウズベキスタンソム持ってないし仮にあっても電気ケトルや貴金属なんてこのタイミングで購入する人いないでしょ?と思うんだ私は。

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 町を離れると地平線が続く

 隣のコンパートメントのオッちゃんたちに誘われて夕食を一緒に頂いて、不安だった食料問題はなんとはなしに解決した。そこで聞いた限りでは「このあと6時間位でクングラードに到着するよ」とのことらしく、となると到着は深夜になる見込み。

 ということで食べ終えたタイミングでお礼言って座席に布団敷いて毛布被って仮眠することに。寝台列車ってこういうのが楽しいと思うの。

 2025年4月30日(水) 走行距離4km 累計168283km
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