自転車ときどき世界1周

カテゴリ:旅する前に > はじめに

 自転車で世界を1周するために11年勤めた消防士の仕事を辞めた。

 未来の署長、あわよくば総監となるかもしれない男が退職することは、自分にとっては小さな出来事であっても、会社にとって大きな損失であったことは想像に難くない。

 おそらく来年あたりには、幹部候補特別育成研修とかそういう長ったらしい名前のエリート公務員街道に呼ばれて
「オレもようよう管理職か、部下が問題起こさないようしっかり教育してやるぜ。」
 とか言ってるはずだったのに、4月にゃニートである。


 そんなわけで4月から旅行します。自転車で。

 日本1周を皮切りに、東南アジア、オーストラリア、北米、中南米、ヨーロッパ、アフリカ、中東、西南アジアの各地域を回って帰ってきます。

 おお、こうして地域を各部に分ければジョジョみたいだ。私は5部が好きなので中南米編は期待が持てるかもしらん。4部も捨てがたいがそれがいったいなんなのだ。

 構想通りに走り続けられれば、50を超える国を跨ぎ、10万km近い距離に自転車の轍を刻む。オマケに1000を超える美女とも出会えるかもしれない。なんなら0をもうひとつ足してもいい。


 本ブログはそうした旅の軌跡を記録し、後世に重要かつ貴重な歴史的資料として残さなくてはならない!という使命感から作成されたりするワケない。趣味である。
    mixiチェック

 今のご時世、世界1周をしてやろうという気概を持つ人は存外多い。ちょっと検索すればそんなことをしている人はゴマンと見つかる。5人くらいかもしれない。

 現代のご時世、日本という国、発達した交通設備、ちょっとした時間と金を用意すれば世界中で行くことができない場所なんてあんまりないのだぜワトソン君。

 だがしかし待って欲しい。飛行機に乗って次に目が覚めたら、そこはニューヨークやパリだったりするわけだ。その途中の何万kmにも渡る道中をカットして、いきなり異国の大都市なのである。


 ・・・・・・それ、騙されてないか?


 飛行機に乗ってみて感じたのだが、あの乗り物は外界と完全に遮断されている。外の情報は小さい窓からしか得ることができない。

 これでは移動しているつもりで、別の場所に行ったり同じところをぐるぐる回り続けていても乗客は気づくことはない。

 成田を飛び立った飛行機が亜空間ワープして架空の「海外都市」に到着しているかもしれない。安全ベルトのランプが消えるあたりでカラクリが作動していると私はニラんでいる。


 つまり世界の真の姿を確かめるためには、自らの足で道を進まなくてはいけないのだ。バスや鉄道でもいいじゃんといわれるかもしれないが、移動で寝ている間にキャトルミューティレーションされない保証はどこにもない。

 やはり、自転車がいい。自分で行きたいところを決め、進むも止まるも自分次第である。料金だってかからない、痩せる、健康に良い、頭もよくなる。いい事だらけだ。


 あの道の向こうに広がっている景色を確かめるために、自転車を駆けるのである。上り坂を回避しながら。
    mixiチェック

 今日始めてこのブログを見た人に対してのフォローを忘れない。私はそうした気配りの男であり、そんな私のプロフィールである。そんなワケで、初めましてこんにちは。リピーターの方、何時も閲覧ありがとうございます。お暇ですね。私がです。


 では自己紹介。私は自転車で世界1周を目論んでいる「茶壺」さんである。

 何で茶壺?と問われると、もちろん深遠な誰でも納得するような理由があるのだが、長くなるので省略して語るならば、テーブルの上にティーポットが置いてあったことが重要なきっかけだった。

 ティーポット → ティーとポット → お茶と壺 → 茶壺に決定!

 そんな紆余曲折を経て決まったブログネームと同じくして、私が自転車で世界1周を志したこともまた様々な理由があるのだが、あんまり多すぎて忘れてしまった。思い出した時にでも書き綴っていこうと思う。


 18歳で消防職員として勤め始め、そこから3年後に水難救助の資格試験に合格し、そのまた3年後に晴れて水難救助隊員として任務に就く。何かいろいろな火災とか救助活動とかを経験しつつ、人生で最も重要である余暇の時間にロードバイクを購入してまで体力の向上に努めるという真面目っぷり。

 すぐにその名目は霧散して、以後自転車による長距離走とトライアスロンを趣味として積極的に楽しむようになる。この時期にアウトドア趣味として自転車を筆頭に、登山・クライミング・スノーボード・ダイビング・バイク(エンジン付き)等のレジャーで遊び回る日々。かと思えばインドア趣味で小説・マンガ・アニメ・映画・ゲームとサブカルチャーの方向にも余念がない。時間もない。

 なんか色々あって24歳くらいの時に自転車で世界1周という遊びがあることを知る。これはやらねば!と紆余曲折あったのだが、三十路手前で仕事を辞めた。最終職歴は小隊の隊長。11年も働いたので、仕事していた期間の半分くらいはリフレッシュ休暇が必要だと判断し、走行期間を約5年間と定める。

 退職してから6日後、自転車日本1周へ出発し201日間を経て無事に戻る。途中で満足感とか出るかな~とか思ったのだが、出てきたのは「働かずに自転車で走り回りたい」という気持ちだったので、「自分の気持ちに、嘘はつけない(CV宮野真守)」という名台詞を残して世界1周への旅に出発するべく友人の家を渡り歩いて居候中。


 ・氏名・・・・・・・・・・・・・ 濱尾達郎
 ・生年月日・・・・・・・・・・・ 1984年10月24日
 ・海外渡航歴・・・・・・・・・・ なし
 ・長期旅行経験・・・・・・・・・ なし
 ・保有資格・・・・・・・・・・・ 潜水士・ダイブマスター
 ・自転車遍歴・・・ 【ロード】    SCOTT社 CR1
           【キャンピング】 SURLY社 Long Haul Trucker
 ・主な大会の記録・・・・・・・・
  東京ー糸魚川ファストラン(bike297km)
                  RESULT 11時間27分(うろ覚え)
  宮古島トライアスロン  (swim3km・bike155km・run42.195km)
                  RESULT 10時間28分
 ・好きなキャラクター・・・・・・ 田井中律
 ・保有小説数・・・・・・・・・・ 約800冊
 ・保有マンガ数・・・・・・・・・ 約400冊
 ・帰国後の目標・・・・・・・・・ 海外で逆玉結婚して左団扇の生活を送る
    mixiチェック

c0b30ee74bc535fb5f8708a2e814d8c5

8509e8fadfb62b46e51b58ca84981ea4

bcd6f128b1cbba92116f2d11c875fae6

 ・・・というのは某有名巨人漫画のワンシーンなのだが、旅行する動機なんてのは、要するにこういうものではなかろうか?

 人が一生のうちに体験できる出来事は有限であるし、1つの物事を深く突き詰めてゆくプロフェッショナルと呼ばれる世界の人達を私は素晴らしいと思う。

 世界は広大でありながら深遠だ。全てを見るなんて時間がいくらあっても足りない。だから、やりたいことをやればいい。

 そうした中で旅行や自転車というのは、私にとって幾多ある趣味の1つ過ぎず、そこに知らない世界を走って回るといった発想は当初、存在すらしていなかった。だから旅行も自転車も楽しい趣味でこそあれ、私の人生に大きな影響を与える存在にはならないと思っていた。


 石田ゆうすけの「行かずに死ねるか」という自転車世界1周紀行の本を読んだのは24歳の時。一応、自転車で日本1周をするような人がいることは知っていたし、読了後も感動はしたけれども自分とは縁遠い世界だと感じていた。

 ただ、知らない世界を自分の力で進むことができるということを「知って」しまった。そこに、限りない自由を「感じて」しまったのだ。


 そもそも旅行が好きなのだ。ガイドブックや旅行会社のツアーに従い名所を回り、土地の有名料理に舌鼓を打つような旅行には、いつの間にか興味を覚えなくなってしまった。

 面倒でも大変でも、自分の決めた道を自由に進む。そんな旅行がしたいと思っていたし、そんな人生でありたいと思っていた。


 自転車で旅行する。それはそれは車や飛行機といった乗り物と違って、自分の力でペダルを踏み出さないと進むことができないということである。だけど、そうして自分の力を振り絞って地面にタイヤの轍を刻んでいくことが、その土地を感じ、その国を知るということなのではないだろうか。

 そうしてゆっくりと、自転車で世界中を走るということが、自分の中での立場や社会的責任、今後の人生の収入といった様々なものを合わせても、心の天秤の針が振り切れるほどに大きく育っていった。

 自転車での旅行のことを考えない日はなく、関連した書籍やネットの情報を見ては心が飛び立つ気持ちになるのを感じていた。おぼろげに将来自転車で世界を走るために準備をしておこうと思ったのは、本を読んでから1年後のことだった。

 


 それまで海外へは1度も行ったことがない。これは大きなアドバンテージだと感じた。全く知らない世界を自由に新鮮な気持ちで体験できる。何でもいい、まだ見ぬ景色や異なる価値観で生きてきた人々。灼熱の大地に広大な砂漠。


 「面白そう」と感じられて、心が震えるような感動があるなら。その好奇心に付き従って、自由に世界を巡ることができるなら。自分の人生を掛けてみたいと思った。




 旅行を始めて、今日で1年。世界にはまだまだ未知があふれている。

    mixiチェック

↑このページのトップヘ