自転車ときどき世界1周

カテゴリ:駄文コラム > 海外関係

 懇意にしてる自転車ショップからの紹介で、私の利用してる自転車メーカー「SURLY」を取り扱ってる日本国内の自転車ショップで世界1周帰国報告会を開催させてもらえることになりました。

 6月から順次「大阪」「長野」「東京」のショップにて報告会を実施する予定となっており、私も沢山の人に来て貰えたら嬉しいので宣伝です。

 ①大阪 6月6日(土) 18時開催

 自転車ショップ『velolife UNPEU』様
 開催場所:velolife UNPEU 南堀江店
      大阪府大阪市西区南堀江3-3-4

※ショップキャパによる定員がありますので、参加希望の方はインスタグラムでDMを送信するか、参加の旨をメールで連絡して下さい。
 インスタグラム:https://www.instagram.com/velo_life_unpeu_2f/
 E-mail:    up@velolife-unpeu.com


 ②長野 6月27日(土) 18時開催

 じてんしゃのみせ 道【タオ】様
 
 開催場所:長野県松本市中央公民館・Mウイング文化センター3階 小視聴覚室3-A
      長野県松本市中央1丁目18番1号

※会場キャパによる定員がありますので、参加希望の方はじてんしゃのみせ道(タオ)に電話で参加の旨を連絡下さい。

 電話番号:(0263)35-0106


 ③東京 7月11日(土) 開催予定

 『サイクルショップ カルテ』様
 
 開催場所:サイクルショップ カルテ 東京都品川区双葉2丁目12番2 

※開催日時はまだ確定していませんがこの日程で進めています。また事前に連絡は必要ないので直接お店にご来店下さい。


 以上3店舗で自転車世界1周報告会を実施します。報告会の参加費は無料ですので是非お気軽に来訪して頂ければ幸いです。
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 長期で海外旅行を続けてると飽きが来る・・・という主張はそこそこ多い。私はこの状態を「旅行させてもらっている」が故の症状であるとし、その状態になることで自分が旅行に対して何を求めているのかを改めて自覚し、積極的に求める自らの意思で「旅行している」状態になる転換期であるとしている。

 こうしたあるポイントを境としてそれまで抱いてた意識が切り替わり、徐々に捉え方が変容していくというのは旅行に限らず様々な物事で発生する出来事なのだろう。

 私が捉えていた自転車海外旅行という行為もまた、その日々を通じてまた別の姿へと進化した。本旅行の最終章となる日本1周を前に、その辺のことを書き残しておきたいと思う。


 ブログタイトルが「自転車ときどき世界1周」なので、そりゃまぁ世界を走ってみて回ろうと意気込んでいたワケだが、世界というのは言葉でしかなくて実態としての形などなかった。あったのはそれぞれの土地で生活をしている人々であり、文化であり、道だった。

 あの日あの時、偶然出会った人と一緒に飲んだビール、猛烈な強さで吹き荒ぶ風だとか、ガタガタで難儀した砂利だらけの未舗装路といった光景は、私が思い描いてた「世界」や「海外」といったイメージと重なるところもあれば違った面もある。

 ただこうした経験を経ていくにつれ、私がこの旅行に何を求め何に感動するのかという点を意識するようになったのは間違いない。日本と違う世界の姿!なんて大仰なモノではなく、日本と同じように人が日々生活していて似ているところもあれば異なるところもあるのだという実感があった。

 そうすると日本と異国、海外や世界といった見方に対して変化があるというか、母国もこの世界に属してる一部地域であり、私はその一部こと日本で生まれ育って生活してきただけで、他の国よりちょっとだけ内情を知っているに過ぎないのだと。

 そういう意味で私の旅行において最後に日本という国を走ることは必然だった。世界という巨大な虚像に対して自分なりの実感を得たように、改めて日本という国を走り自分なりの実感を掴むことで私の世界1周旅行は完結する。

 あぁ、私の旅行は世界1周と歌ってたけど、実感としては地球1周だったんだな。
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 やってることが長時間に渡る緩やかな有酸素運動であるためか、長期の自転車旅行で健康に対してフォーカスされることは少ない。私にしても食事は「好きな時に、好きな食べ物を、好きなだけ食べること・・・がストレスを溜め込まない最も適切な行為なんだよ!」とか平気で嘯くし。

 そんで実際海外で旅行続けて思うのは、ある程度の運動を継続できる環境下において重要となるのは外敵環境の良し悪しであり、旅行を継続してる個人レベルで対処するのは非常に難しいということだ。雑な言い方をすれば、へっぽこ途上国ほど健康を害する可能性は高まる。

 アメリカなんかは世界有数の肥満大国で健康とは程遠いイメージだけど?とか思われる方いるかもだが、こと自転車旅行にあってはカロリー摂取の多寡みたいな話は全く意味を成さない。毎食限界まで食べ続けても下手すりゃ体重維持できなくなることも多い自転車乗りにとって、気にするべき事柄は衛生環境だしもっと大切なポイントは交通事故に遭遇しないこと。

 だから継続的に体調不良を起こさず旅行を続けたいなら食生活を「火を使う自炊」にシフトすることが最も重要で、好奇心旺盛に現地民と同じ物を食べまくってる人ほどリスクが高い。この辺が異国の文化を体験するという海外旅行の醍醐味と大きく離反する行為であり、話題にされ辛い原因ではないかと想像する。少なくとも走行後のビールを我慢して自転車旅行を続ける選択肢は私にゃない。

 一例として、屋台で長時間野晒し保管されてた雰囲気の食材とか油で酷い目に遭うことは長期旅行やってると「よくある話」となるのだが、途上国の田舎になるほど衛生環境や保存、ひいては健康そのものへの意識が低下するのは避けられず「そんな感じのヤバい食べ物しか選べない」というパターンがありまして。

 アフリカとかをガチで走るならこの辺避けられないリスクで「経験からヤバそうな危険な食べ物には手を出さない」とかそんなことサハラ砂漠で言ってられん。100km走って初めて出てきた食堂でメニュー1種類だった場合、危険もクソもあるか!となるので。

 ただ私の経験上、こうした本当に厳しい環境下で走れなくなるほど体調を崩したことは1度もなくてさ。大抵の場合それよりちょっとマトモな宿泊施設があったりある程度食事が選択できる状況で不調になるんだよね。

 もちろん運が良かったという面はあるだろうけど、本当に厳しい場所へ踏み出す時ってのは前々から計画立ててしっかり準備するという姿勢で臨んでいることが大きいと思ってる。気を張ってる時は風邪ひかないってヤツだ。

 私はこの自転車旅行が初海外だったこともあり不安で凄まじい量の薬とか持っていった人だけど、日本でしか入手できない医薬品というのは旅行者レベルの話だとほぼ存在しないと思って良い。市販されてる薬で回復できる程度なら長期旅行においては優先度が低いと言い換えることもできるか。

 だから途上国における健康維持ってのは何処までリスクを取っていくか?という話だ。そんで自転車旅行は比較的そのリスクに対して深く踏み込む必要がある旅行スタイルである。ただし運動続けているプラス面から肉体的な頑強さはプラス方向に働いており、耐性に関しては少々高めな気がするけども。


 余談だけど私は下準備できる予防接種とか海外旅行保険の存在はとても大切だと考えてる。なにせ健康維持の結論が「自転車長期旅行するなら多少のリスクは覚悟すべし」なのだから、その結果としてのリカバリやれ受け皿となる環境はできる限り整えておきたい。

 旅行してると予防接種してないことや海外旅行保険に加入してないことを高々と宣言するタイプの人ってのがいるし、2026年現在では2年を超える期間の海外旅行保険プランというのが存在しなかったりと長期旅行における備えのハードルが上がっているのは間違いのない事実なので、強い言葉でオススメしづらいのはある。

 なので私個人としては「自分の責任で保険とかの是非を判断すれば良いじゃん」と思うけど、得てして無保険タイプは熟考してリスクとリターンを天秤に架けた結果でなく安易にセーフティを敷かない人が多かったように感じる。死んじゃった人とは話せないから「無保険でも問題ないぜ」勢ばかりと話すことになるのは仕方ないんだけどね。生存者バイアス。
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 私も好き勝手に地域別の難易度表とか作っているけど、自転車旅行に限らず海外へ行ってみることを難しさで表すというのは本質的にはナンセンスだという意識がある。だって私がやっているのは人様が作ってくれた道を渡っていく旅行であって、自らルートを切り開いていくような冒険行ではないからだ。

 そこを人が通りやすいよう大量のお金と人員を使って整えてくれた道の上を走らせてもらってる立場で「この道を移動するのは難しい」とかのたまうのは滑稽な姿に見えなくもない。

 自転車で通ることを想定してないレベルの「本当に人力踏破しただけで称賛できるような厳しいルート」というのがあることは否定しないけど、そうした道を走ること自画自賛するのは違うだろう!というヤツだ。本ブログでも何度か言ってるけれど、知らない道を走るということは嬉しく楽しいことであり、喜ぶべきことなのだ。

 だからまぁ旅行において踏破難易度なんてのはワクワクのいちスパイスでしかないし、厳しい場所走ることが旅行の価値を高めるワケでもない。それを理解した上で望むものなんよ。走ってみたいからそこへ行って、結果的に走り切れたのであれば嬉しい。

 そうした自分の欲求に従った旅行をしてると、旅行において1番難しいのは環境の悪辣さではないことが分かってくる。本当の問題というのは「そこに道はあるのに挑戦することができない」という政情やルールの方なのだ。

 日本とは違う理で動いてる国もあるのだから、その国が定めたルールに従うべし・・・という理屈は分かるし尊重すべきだと思う一方で、私の個人的な努力だけではどうしようもできない物事で訪問を諦めるということは旅行者として最もしんどいことだ。

 私は個人的な主義として、国内が戦争・紛争中、若しくはそうした行為を現在進行形で仕掛けている国には入国しないと決めてるが、これは一般的な旅行者としてごく常識的な態度だと思うし、来訪される側の国民にしたって傍迷惑だろう。単純にそうした地域に何も分かってない外国人が訪れるの危険なので推奨されないし。

 でも旅行続けているとさ、心底行ってみたいと思える場所で全く政治的リスクが内包してない場所というは存外少ないのだ。風光明美で美しい高山とか大体国境にかかっていたりして、領土係争の舞台だったりする。

 そういう揺れ動く不安定な情勢の土地をさ、ひたすら調べて調べて外国人が向かっても大丈夫か確認とってそこで初めて自転車で走るアレコレ・・・という話になるんだ。旅行の楽しみとしてはそこが本質なのに。

 たとえ自転車で走れるだけの力があっても世界中何処でも自由に好きな場所を走れるワケではない。結局個人の力云々という話の前にこの世界を取り巻く沢山のルールが立ち塞がっているというのが現実だ。だからこそもう1度繰り返したい。

 簡単な道でも難しい道でもその道を走れるということは、喜ぶべきことなのだ。

 昨今の国際情勢を見ていると強くそう思う。
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 「自転車での世界1周」には厳密な規定が存在している訳ではない。だからまぁどんな形であれ異国を自転車で走って無事に戻ってきたのなら、それで自転車世界1周したと言っても構わない気もする。旅行は誰かに認めてもらう類のものではないし、本人が満足していればそれで良いからだ。

 私だって自転車ときどき世界1周なんて銘打ってブログ書いたけど、世界中全ての国に訪問した訳じゃないし、大陸別で考えても南極には足を踏み入れてない。それで全然構わないと思っている。

 というか最初の頃こそ「自転車で世界1周すること」に価値を感じていたのだが、旅行を続けていくにつれ世界1周するということ自体には意味を見出さなくなっていた。

 自転車世界1周とは単に自転車旅行を続けた末の結果であり、それ自体は単なる言葉でしかない。私は自転車で知らない道や世界を体験したくて旅行していたのであり「自転車世界1周」という称号を得るために旅行していたのではなかった。この違いは大きい。

 自転車で世界1周!と称して旅行始めたサイクリストがかなりの割合で挫折し途中でリタイアしている・・・ということを前にも書いたことあるのだが、無事帰国した今だからこそ言えることがある。それは「そもそも自転車旅行にゃ成功も失敗もない」ということだ。

 あるのはただ、その土地を自転車で走ったという事実だけで、その積み重ねが結果として大陸横断であったり世界1周という結果となるだけ。この結果をどう捉えるかは人それぞれだと思うけど、大切なのはそんな結果や言葉よりも「旅行していた日々が楽しかったか」ということなんだよ。

 どんな壮大で誰もが驚嘆するような旅行をしても、本人が辛いと思ってるなら意味がない。我慢して達成した自転車世界1周なんて豚の餌にもなりゃしない。

 だから私は国の数も気にしなかったし、このことを自覚して以降は「世界1周している」という表現も使わなかった。数字や言葉を前に出すと、旅行の大切な部分が見えにくくなってしまうから。

 本旅行において、私は結果的に日本人サイクリストとして走行距離では他に並び立つ人がいない程の記録を残したワケだが、大切なのはそんな上っ面の数字じゃない。胸を張ってそう言えることがとても嬉しい。


 私は自転車乗りとして特別速くないし、もっと強いサイクリストは山ほどいる。かといって自転車の技術や知識が秀でている訳でもない。だけど全ての自転車乗りの中で、自転車旅行を誰よりも1番、1番楽しんでいたのはさ

 茶壺さんなのです。
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 他の自転車旅行者から「茶壺さんって何でそんな現地の人家にお泊まりすること多いの?」と言われたことがあって、それまで自覚の薄かった事柄だなと思ったことがある。

 旅行における他者との出会いというのは偶然性における場合が多く、この点を突き詰めると「私が運良く親切な人と出会う機会が多かったから」という結論になるっちゃなる。だけど知らない土地を旅行するにおいて、そういった偶然に相対するような行動を取っているかという違いは大きい。

 例えば海外におけるタクシー配車アプリ(UBERとかGrabみたいなヤツ)が普及したことにより、ボッタクリや悪徳な業者に腹を立てたり騙されないかと神経すり減らすこと減ったのは間違いない。だがそれは安心確実なルートが構築されたことにより発生する「偶然の出会い」を減らしている・・・ということでもある。

 これは良し悪しの話じゃなくて、旅行に何を求めているか?という話がしたくてさ。そうしたこと考えるとストレスの少ない快適な旅行に沿う形のサービスというのは歓迎されるべきであり、海外旅行という大きなジャンルで見ると至極真っ当な方向に向かった進化だと思う。

 だがその陰で旅行の価値に「他国の文化」や「他者との出会い」といったポイントを快適さや利便性よりも重要視するタイプの旅行者が少ないけど一定数存在する。ちなみに自転車旅行者の大多数は後者。そうでなきゃわざわざ自転車使って旅行なんかしない。

 そんで自転車旅行者は「自力で移動する」という性質上、バックパッカーみたいなスタイルの旅行者と比較して利便性高くて予想外の出来事やトラブル発生しにくい各種サービスの利用が難しい。オマケに全体的な数も少ないため情報において数も精度も低く、必然的に現地の人から話を聞いて教えてもらうといった機会が増える。

 こうした違いが結果として人との出会いを増やし、様々な人と出会った結果が私の旅行をより豊かなものにしてくれたのだ・・・という結論で如何でしょう?


 いやそれなら同じ自転車旅行者から「茶壺はやたら親切にしてもらってる」とは言われないんだよね。自転車旅行という同じスタイルにおける差異の話なので、同じような旅行してるならその結果に極端な違いが出てくるのはオカシイ。

 実際私はこの世界1周であまりにも多くの人に助けてもらい、親切を受けてきたな・・・と感じていて、今後こうした親切を返していくよう努めなくては!という思いがあるのだが、それは私個人の思想なので置いといて。

 この点考えてみると、私が多くの素晴らしい人たちと出会うことが出来た理由は、自らが良い出会いに繋がるような行動を取っていたという点が大きいのかな・・・とは思っている。これは人様からの施しを受けようと動いてた、みたいな話じゃなくて。

 例えば自転車旅行者って自身の格好に無頓着な人が多くてさ、無精髭が酷かったり何日間も身体洗ってないことを当然、何ならそれが正統派くらいの態度してるのです(誇張表現アリ)よ。

 私も個人の責任でやってる旅行に対してアレコレ文句を言うつもり無いのだけど、少なくとも世間一般の人にとって汚らしい身なりの人には声をかけづらいというのはある。そんな格好良くしろとかじゃなくて、最低限、本当に最低限の見た目を不快にならないよう努めるべきとは思うのです。

 その内容ってのも私で例えるなら長髪は整えるの大変だから常に短髪していたとか、無精髭にならないよう定期的に髭も剃って、どんなに冷たくても浴びれる時には水浴びしていたみたいなその程度の話。言い換えると長期の自転車旅行者はその程度のことすら気にしていない人が多いということだ。

 こうした行為が直接的に人との出会いに直接的な影響ある・・・かは定かでないが、訪問する国の人や文化に対してリスペクトを持って活動することが大切なのだと思ってる。

 私はイランを走る時に「イスラム教徒じゃないから(服装レギュレーション的に)短パンでも一応平気だよ」と言われはしたが「でもこの国の人たちは足を大きく見せる服装を好まないよね?」と確認したら「それはそう」と回答され、この国は長ズボンで活動することにしたのだが。

 結果としてその人たちからスポーツ用のズボンを頂いてる茶壺さん。私にとって彼らは、ひたすら親切で恐らく私以外の人にも同様に優しい人たちという認識だけど、プレゼントされる際「お前がイランのことを考えてくれて嬉しいんだ」と言われたことは胸を張っても良いんじゃないかな?

 その国を訪れるに当たって「情報調べると新鮮さが無くなるの嫌だから徒手空拳で向かう」というのは旅行経験ある人からまま聞く話だが、私個人としては観光地とかの情報はともかくその国の歴史と地理・宗教なんかは結構調べるようになった。

 その国へ行くということは「貴方(国)のことを知りたいですよ」と表明してると思うし、訪れる立場の人間が口開けて餌放り込まれるの待つのは「何か違うだろ・・・」と感じたからだ。歩み寄る姿勢というのは向こう方にも伝わるところがあるんじゃないか?

 ・・・とまぁ、自転車旅行のスタイルでそこら辺を意識してたことが、結果的に多くの人から良くして貰える結果になったのではなかろうか?

 そうじゃなくてあまりに私がカッコ良くて、溢れ出るオーラに猫も杓子もお世話したがる空気を作っていたのかもしれない。いやきっとそうに違いない!恐らくそれが真実だ!!とも思うけど、できればそうじゃない方が私としては嬉しく感じるのです。
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 長期旅行してると「何で自転車世界1周しようと思ったの?」と聞かれるのは定番なのだけど、きっかけなんて「自転車世界1周の本を読んで、そういう世界があること知ったから」・・・でしかない私は答えに窮するところがある。

 過去に自転車旅行をする動機と題して記事作ったことがあって、その中で私は「旅行ではなく自転車で知らないところを走ることが先にあった。海外というのはその後に引っ付いてきた」と述べてるのだけど、口頭では「酒の席で初対面の女の子相手にも2時間面白い話ができるから」と答えることが多い。私と一緒に飲んでくれる女の子が居ないことはともかく。

 ただこの話をするにおいて重要なのは、私が偶然「自転車で世界1周する本を手に取った」という、その行為の手前だったりする。


 同じ自転車での旅行をしていてもそのスタイルというのは人によって千差万別広がっていくものであり、自身がどういったことに興味を抱くのかというのは個人個人の経験が元になっていると思う。

 私は幼少期から家族でキャンプや登山といったアウトドアを経験することが多く、これが私にとって幾ばくかの土台になっているのは間違いない。

 そうした土台があっても、そこで海外自転車旅行の世界を知ったから「自分もやってみたい!」とは普通ならない。これは自分の経験が浅すぎて、自転車という手段で知らない国を走るという行為が「自分とは別世界の出来事」として捉えきれないのだ。

 経験というのはその物事の一分野のみで通用するものではない。その分野における理解を深くするのと同時に近しい他分野における理解の裾野が広がっている。人の成長とは深さ・広さを包括的した自分のキャパが広がることを指しているのだろう。

 そうした経験による世界の広がりを経ることで、未達の物事に相対した時に実感を感じることができる。すなわち自分の尺度でその行為を解釈し推し量ることが可能になるのだ。

 言い換えると、自身が未熟だったりその分野に対しての知見が少なすぎると精々「そんな世界もあるのか」「すごいなぁ」といった感想で完結してしまい「やってみたい」という段階にまで進むことはない。世の中における大体の物事はそうして自分の目に触れてもそのまま流れてゆくのだろう。

 だから私が自転車旅行を始めたのは私の積み重ねた人生の結果だ。海外自転車旅行を知ったのは偶然そうした本を見つけたからだが、仮に本を見つけなくとも私は何らかの形で海外自転車旅行の存在を発見し、その世界へ足を踏み込むタイプの人間だったろうという自信がある。それは世界1周した今だからこそ思えるのだが。

 ということで旅行を始める動機というのは、もう究極的に「そいつがそういうタイプの人間だったから」ということに帰結できると思うのだ。やる奴というのはどんな道を辿ろうとどうせやる。

 私はそういう意識なので、ブログ読んだ人から「自分も自転車で世界1周してみたいけど迷ってる」といった内容のメールが来た際は「迷ってるくらいなら辞めといた方が良いと思う」といった趣旨をやんわり伝えていた。

 本気の人はそこじゃなくて、そのラインの後にある具体的な質問(どういう自転車が良いか・お金はどのくらい準備したetc)をしてくるのであり、そういう話は(特に学生の子には)答えられる範囲で真面目に回答してましたよ茶壺さんは。

 さて最初の「何で自転車世界1周しようと思ったの?」という質問だけど、ここで「私はそういう人間なんだよ」と回答しても「何いってんだこのアホは?」と思われることくらいは流石に私も理解してる。故に「女の子相手におもしろ話できるから」という回答は私の処世術なのであり、決して願望ではございません。
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 世の中には様々な道があるが、そうした中でも特に自転車旅行者に人気が高かったり私が個人的に思い入れのある道をピックアップして難易度付けしてみた。前々回の地域別難易度同様に10段階で区分しており最難関が10点、際平易は1点とした。

 海外を走る自転車旅行者にとっては「この道を走ってみたい!」と考えてる人もそれなりにいると思うので、参考にして頂ければ幸いである。なお私が個別に記事を作った道に関してはリンクを貼ってるので興味ある人はそちらもどうぞ。

世界地図

◎韓国縦断自転車道・・・約700km 走破難易度「1」
 韓国の仁川から釜山までを繋ぐ自転車道。基本は川沿いを進む道で国内中央に位置する峠を1本登るくらいで他はほぼ平坦路。自転車道なのでルート上に補給ポイントだったりレストエリアが豊富に設置されているのも好印象。道中には電話ボックスを利用したスタンプ台があり、これを全て押印するとゴール地点の施設で完走メダルを貰えたりする。

◎台湾1周(環島)・・・約1000km 走破難易度「1」
 名前の通り台湾を1周するルート。道中ほぼ全て自転車用のレーンが敷かれており非常に快適、補給も安くて美味しい台湾飯が何処でも豊富に食べられる。加えて全体的に厳しいアップダウンも出てこないし、自転車ショップが豊富にあるためトラブル発生してもリカバリーが簡単。韓国縦断自転車道と並んで初海外サイクリングにもオススメできる。

◎マレー半島縦断・・・約1800km 走破難易度「2」
 想定ルートはバンコクからシンガポールまでを移動するルート。気候が暖かい地域なので時期を選ばず走れる点が良い。道中のアップダウンも多くなく、ネパール たしっかりアスファルト舗装された道がほとんどであり補給地点に関しても優秀と文句の付け所がない自転車旅行でも大変人気のあるルート。ただしタイ南部の一部地域は現在でも治安が良くない地域とされてるので、この周辺は避けて進む方が無難。

◎ルート66・・・約4000km 走破難易度「3」
 シカゴからロサンゼルスまでのアメリカ西部開拓時代を象徴する道。有名過ぎて「ルート66サイクリングマップ」なんて代物が販売されてるくらい。自転車走行的に難しくはないのだが、幾つかピンポイントで標高2000m越えてたり長距離無補給区間が存在してるため注意が必要だったりする。あと治安の悪いことで有名な都市(セントルイスとか)を複数通過するためそうした意味でも注意が必要。

◎ノールカップ・・・約2000km 走破難易度「4」
 想定ルートはオスロからノールカップを目指すルート。先進国だし道路インフラは全く問題ないが、北欧でも特に人口密度が低い土地を走ることになるため補給箇所がやや乏しい。これより上の難易度は自転車走行するのに「適切な季節を選ぶ」という点を考慮しないと厳しい道がほとんどなので季節への言及は避けるが、ヨーロッパはシェンゲン協定の絡みで最長連続滞在期間が90日までとなっており、この辺を考慮に入れておく分ちょっと大変かも。

◎チャコ地方・・・約900km 走破難易度「5」
 想定ルートはアスンシオンからボリビア入国して最初の町ボユイベまで。当時は全体の3割程度が未舗装の状態で場所によっては100km近くアスファルトではない道を走り続ける必要があった。気温が高い上に道中で補給できる町の数も少なく、この辺から無策で突っ込むと危険なレベルの道になってくる。

アウストラル街道・・・約1300km 走破難易度「5」 
 想定ルートはプエルトモンからオイギンスまで。単純な難易度としては5を付けたが、このルートを単独で走る人にとってはともかく、南米大陸を縦断走行してるサイクリストの場合は大概アンデス山脈かパタゴニアを経験した末にアウストラル街道へ到着してることとなるため、気持ちとしては景色を楽しむゆるふわサイクリングといえる。
 全体の半分以上は舗装されているし、適度な距離で集落もあるため補給も難しくない。雨が多く日程シビアだと雨天走行を迫られる関係で大変ではあるが、総じて難しい道ではない。自転車旅行者の数も多く人気高いのも良くわかるルートと言える。

カラコルムハイウェイ・・・約900km 走破難易度「6」
 想定ルートはイスラマバードから中国との国境であるクンジュラブ峠まで。中国国内のカシュガルまでだともう400kmほど距離が加算される。実は道そのものはほとんど舗装されてるし、4000m超えるのは最高地点のクンジュラブ峠周辺のみで標高的にもそこまで高くない。むしろカラコルムハイウェイはパキスタンという国へ入国することと治安的が不安定な国内を何処まで自走できるか?という点で難しい。仮にこのルートを完全自走しようとなれば難易度一気に跳ね上がるのだけど、それはトラックにピックアップされてしまうとか中国側だとルールで人力の移動が禁止されてるからとかの理由なので。それ以外だと深い渓谷の底を進む道が多いため、土砂崩れが発生して通行不能になることが多く、日数の余裕を持ってないと走破が難しくなったのだけど、最近はパキスタン滞在日数90日までイケるようになったのでこの点はだいぶ楽になった。

◎パタゴニア東部・・・約2500km 走破難易度「6」
 想定ルートはウシュアイアからバイアブランカまで。ほぼ完全にアスファルト舗装されてるしアップダウンも出てこない道だけど、道中ひたすら何もないパタゴニアの大地が続く。補給できる場所も限定的なのに加えて、強烈な風が吹くエリアでありその風向きは北上してると向かい風であることが多い。この風に逆らって走ることが最大の問題となる道で、しかも距離が長く精神的にも疲弊しやすい。

◎ナラボー平原・・・約1200km 走破難易度「7」
 ノースマンからセドゥーナまで。この間に小さな町が1つある程度で、長距離に渡って道中の補給が難しいのが特徴。道自体は完璧に舗装されてるしアップダウンはほぼ0と思って良い。お金に糸目を付けないのであれば、道中10箇所くらいロードハウス(ガソスタ兼レストラン)があるため多少の補給が可能である。実はオーストラリアの一般道路で本当にキツいのはナラボーではなく北西部に位置する道で、そっちの方が500kmとか完全無補給の道が複数出てくるため難易度高い。ナラボーはあくまで「人気の人里離れた土地に延びる道」という扱い。

パミールハイウェイ・・・約1300km 走破難易度「7」
 自転車旅行界隈では特に有名な道であるが、アスファルト割合高い道を選択できる点や5000m越えてくる標高がないこと、道中に町が数多く存在しており補給や休息が容易なことといった観点で、ある程度自転車旅行の経験あるサイクリストなら決して難しくはない道だと思う。そりゃもちろんハードではあるのだけども、自走出来ずにひたすら自転車押し続けなくちゃ駄目なポイントとかはごく僅かで割と楽しく走れるポイントが多いと思う。入国の容易さを考えたらカラコルムハイウェイより楽な可能性も?

◎サハラ縦断(西部)・・・約1800km 走破難易度「7」
 想定ルートはゲルミンからヌアクショットまで。アップダウンは全く存在しないし道中100%アスファルト舗装でということもあり、ちゃんと冬の時期を選んで走れば大丈夫。ただし年中強烈な風が吹き荒れてる土地なので、南下ではなく北上ルートの場合は地獄。なんだかんだ100kmも走れば補給地の1つくらいは出てくる土地なので、道路から外れて砂漠の道なき道を進むとかでもない限りは「走行中に体力的な限界を迎えてダウン」・・・みたいな可能性は少ない。モーリタニアへ入国するとインフラや食といった諸々のレベルが一段階下がるし、面倒な人やルールは増えるのでややしんどくなるとは思う。

◎サハラ縦断(東部)・・・約2700km 走破難易度「8」
 想定ルートはカイロからエチオピア国境まで。エジプトのアスワンまではサハラ西部よりむしろ楽して走れるのだが、その先からは補給地点が減って一気に難易度が増す。というかそもそもスーダンという国自体がビザやら治安やらで自転車で走るのが難しい。特にスーダンは2023年に内戦が発生してしまったことから単純な走破難易度以上に難しい状況となっていて、現在走行するのはあまり現実的ではない。

◎ナミブ砂漠・・・約800km 走破難易度「8」
 想定ルートはスワコプムントからケートマンスフープまで。人口密度少ない国の更に砂漠の中を進むルートなので全体の8割以上は未舗装路のコース。加えて砂地でマトモに自転車乗って進めないレベルの砂地を移動しなくてはならない場面が出てくるため非常に大変な道。1番寒い冬の季節を選んでも日中はかなり厳しい暑さになる上、補給できる場所も少なく距離が短い割に相当難しい道といえる。

アンナプルナサーキット・・・約400km 走破難易度「8」
 ポカラからぐるっと1周回ることができるトレッキングルート。全体の7〜8割は一般車両も通ってる上に短い感覚で山小屋が建っておりしかも宿泊料は格安。ただしマナン〜ジャルコット間に関しては完全な山岳路となっており標高も5000mを超える高地。車両を通すこと想定してない道のため、4000m越えた標高で角度(斜度じゃなくて)45度くらいの坂が出てくるポイントが出てきたりする。そういう道を自転車担いで進んで行く必要があるためフルパッキンの自転車だと相当厳しいのではないかと思う。私も荷物の大半はポカラの宿にデポさせてもらい、ザックを背負う形でチャレンジした上での難易度8という評価なので参考までに。

◎モンゴル西部・・・約1500km 走破難易度「8」
 想定ルートは西部国境からホブドを経由してカラコルムまで。ルート次第ではもう少し楽になるかもしれないが、基本的に未舗装が多く補給地は少なく風が無茶苦茶に吹きまくる。加えて夏のシーズンを少しでも外すと気温が低くて猛烈な寒さに晒される。標高は無茶な高さではないがアップダウンは多く更に水場も少ないため全方位レベルが高い隙のない厳しさを誇ってる感じ。そんな土地でありながら距離が長い上にモンゴルの滞在期間も最長30日間な点が難易度に拍車をかける。

ラダック・・・約500km 走破難易度「9」
 とりあえずマナリからレーまでの道を想定した距離だが評価としてはラダック全体を指している。世界でも屈指の標高を誇るエリアで、5000mを超える峠がポンポン出てくる超山岳地帯。その高さにしてはかなりインフラ整備頑張っており道路のレベル高いのだけど、5000m超えると路面がアスファルトだろうが何だろうがキツいことに変わりない。一部地域は入域許可証が必要なのだが、このエリアの最長滞在日数が14日間なので距離刻んでゆっくり走行するという選択肢が取りづらいこともあり、ハードな環境でも一定以上の距離をガシガシ走らなくては間に合わない辺りが難易度を上げている。自転車押して進まざるを得ない道が少ないことが救いか。

宝石の道・・・約200km 走破難易度「9」
 想定ルートはアロタからチリ国境まで。僅か200kmの距離だが通過まで1週間以上の期間を要するバケモノルート。未舗装率100%の道は走りやすい道ですらコルゲーションでガッタガタ、酷い場所だと1日の9割を自転車押して進むようなことも。道中に小規模な村は存在するが一般的なルート選ぶとその村には寄らないし、幾つかツアー客用の宿泊施設で辛うじて補給ができる程度。これに加えて平均標高は4000mを超えているし、風や気温も安定しておらず常に体力消耗していく。自転車旅行者に人気の道における西の横綱という感じ。

ダルトンハイウェイ・・・約800km 走破難易度「10」
 想定ルートはフェアバンクスからデッドホースまで。全体の6割強が未舗装路、道中に補給地点は3箇所(実質2箇所)のみ。600kmまでは級斜度のアップダウンが連続する道に加えて蚊の巣窟、熊だらけのエリア。真夏でも場所によっては5度を切る気温。夜になっても沈まない太陽、ようやく山岳地帯を抜けてもツンドラ地帯で冷たい強風が続くラスト200km。アメリカなので滞在日数には余裕があるかと思いきや、フェアバンクス以降にマトモな補給地点がないので食材は全て最初に積載する必要があり、これを消費し続けるスタイルなので結局時間的な余裕は作りにくい。しかも重たい重量でキツいアップダウンが続く嫌らしい地形。総じてあらゆる面で苦しい道であり、しかし一部のサイクリストに絶大な人気を誇っている道でもある。もちろんこの道が東の横綱。

◎アマゾン内陸部・・・約900km 走破難易度「10」
 一応想定してるルートはポルトヴェーリョからマナウスだがアマゾン全体としての評価。割と短いスパンで補給できる町やレストランが多いし、赤道近くで気温的な問題は少ない。ただ熱帯雨林ど真ん中のため1年を通じて雨量が多く、それ故に路面の状態が非常に悪い。特に未舗装エリアで粘土質の土が水分と絡み合ってタイヤに付着するため、普通の自転車タイヤだと1mも進めば泥詰まりを起こして身動きが取れなくなる。下手するとそんな環境が何百kmも続くため非常に性質が悪い。私も途中で動けなくなってしまいヒッチハイクしたり、ハンモック船を利用してこのエリアを切り抜けており本エリアは全行程を完走できなかった。ここを自転車走行したいならファットタイヤにするとか根本的な装備の組み替えが必要不可欠だと思ってる。


 以上、難易度順に記した世界各地の道である。ここで紹介した他にも思い入れのあるルートは沢山あるが、あまり細かな道をピックアップし続けても仕方ないとも思うしこの辺で。

 余談だがチャットGPTに上記のルート難易度評価してもらって私の感想と比較したところ、私は「標高」「寒冷」「風」「孤独」に対して強い(難易度下げる)タイプである一方「暑熱」「水分」に対しては一般的なサイクリストと同様かそれ以下(難易度高く付ける)とする傾向があるとのこと。

 タイプとしては「高所・風・孤立に体制ある型(ただし湿熱は本当に嫌う)」の探検系サイクリストらしい。
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 自転車旅行というのは如何に「その土地・道を楽しむか」こそが大切であると思っているが、それはそれとして自転車で走ることが難しい地域というのがあり、そういった場所を避けたりはたまた挑戦したりするのも自転車旅行の楽しみと思う。

 ということで世界の主要な地域における自転車走行難易度を作ってみた。なお難易度の基準としては道や気候といった点及び入国難易度・滞在日数、補給や物価の他にも衛生・文化・アウトドア環境といった点も考慮して10段階で区分した。最難関が10点、最平易は1点としている。基準として日本国内の難易度は「1」とする。

◎アジア・ヨーロッパ
ヨーロッパ~アジア

 東南アジア  難易度「1」
 物価の安さに加えてアジア圏で食事も文化的に近い。交通マナーはやや悪い国が多いが滞在日数に余裕を持って走れる国が多く、またビザ関連等で入国に苦労する国も少ない。全体的に緯度が低く季節を選ばず通年走行が可能であり、ラオスを除いて厳しい山岳地帯はほぼ見られない。自転車ショップも多くてトラブル対応も容易。
 ミャンマーが治安的に不安な国だし最近はタイとカンボジアでもキナ臭い状況となっている他にタイ南部も長年治安に不安を抱える地域があったりと、問題となるエリアもそこそこ抱えているものの自転車旅行するにおいて非常に良い環境が多く初めての海外自転車旅行をするなら東南アジアはとても良い選択肢になると思う。

 ヨーロッパ(北欧) 難易度「6」
 アウトドア環境よし、道路よし、治安よしと素晴らしい土地ではあるが、北欧まで北に進むと住んでる人の数は少なく補給の面でやや苦労する。また北極圏に突入するほど緯度が高い土地なので、季節を選んで向かわないと難しく冬季走行は非常に難しい。

 ヨーロッパ(西欧) 難易度「2」
 世界で最も自転車に理解のある地域と言える。アウトドア環境も充実しており交通マナーも素晴らしい。自転車で走るという意味ではほぼ問題となることはないだろう。ただ、シェンゲン協定のルールがあるため90日以内で広大なエリアを走り抜けなくてはならないことと、非常に物価が高いことを考慮して難易度は「2」に上げておいた。

 ヨーロッパ(東欧) 難易度「3」
 西欧に比べるとやや道のレベルが下がり交通マナーも悪くなる。その代わり物価が下がってシェンゲン協定に該当してない国が増えるため全体的な難易度はむしろ西欧より楽だとすら思うのだけど、近年はどんどんシェンゲン協定に加入する国が増えてきたためこのメリットが失われている状態。これに加えて現在はウクライナとベラルーシ・ロシアの3カ国へ入国することになかなか問題がある関係で走行ルートの自由度が低くやや難易度が上がってる。 

 中東(アラビア半島) 難易度「8」
 基本どこも砂漠な上に町と町との距離が離れているため夏季での走行は非常に厳しい。というか冬でも暑いし水が足りずに困窮するレベル。ただし治安は非常に良く道もしっかり整備されてるため季節を選んでしっかり食材を運べば大丈夫。ただ物価は高いしかなり強い風が吹く土地であるため走行難易度は高い。

 中東(イラン・パキスタン辺り) 難易度「9」
 国が不安定だったりテロやデモの危険が多い点、またイランにおいてはアメリカと敵対している関係で様々なサービスが利用できない(カードとか一部のネットとか)ことで非常に難易度が高い。結局この地域を走行するにおいて重要なのは、体力とかより国の特殊なルールに対して如何に準備を整えて向かうかという点に集約される。

 コーカサス地方 難易度「4」
 全体的に厳しい山岳地帯が多い上に冬季は雪積もるし気温も非常に下がるため走行シーズンもやや限定される。加えてアゼルバイジャンが入国に特殊なルールを敷いているため自転車でルートを選ぶのが少々難しい。加えて治安的にもやや問題を抱えている地域であるためルートを自由に決めて走り回ることができない。
 とはいえ半分ヨーロッパみたいな雰囲気の土地だけあって、自転車で走行する分にはそこまで大変ではない。

 インド周辺 難易度「8」
 道は問題ないし補給も簡単で物価も安い。しかし独特な文化の違いに疲弊することが多いのと交通マナーが最低最悪なため全体的には難易度が高い地域といえる。また夏季の気温が非常に高いのと衛生環境が著しく悪いことから体調不良に陥りやすく、日々健康に予定通り走り続けるという点でも難しい。

 中央アジア 難易度「7」
 人口密度が低く内陸部に位置する大陸性気候であるため夏は灼熱だし冬は極寒なので、適切な季節のチョイスが難しい。またカザフスタンなんかは数百kmに渡って無補給地帯が続く土地な上に、偏西風まで吹く地域なのでかなり走行難易度が高い。それでも一昔前は非常に面倒なビザ手続きをしなくては入国できない国ばかりだったのがトルクメニスタンを除いて非常に楽して入国できるようになったため難易度的には劇的に低下した地域といえよう。私は行ってないけどトルクメニスタン単独なら難易度「10」を付けても良いと思う。

 ヒマラヤ山脈周辺 難易度「9」
 世界の屋根と称される地域だけあり標高の高い土地が多く、また外国人が入れるエリアが制限されているし気候や環境面からも難易度は高い。ただそれでも近年は入域許可の取得が容易になったり急速にインフラ整備が進んでいたりと、間違いなく走りやすい環境へ切り替わっている。それでもこの土地を走ることは無茶苦茶大変ではあるが。

 中国・モンゴル 難易度「8」
 人口密度が非常に低い上に中国はネット制限や独自のルールを敷いている国であるためかなり大変。かなり緯度が高い地域な上に大陸の内側であるため夏季以外の走行が非常に厳しくなるし、パタゴニアに匹敵するほど凄まじい強風が吹き荒れる地域なので特に西進する場合は困窮を極めることが多い。 

◎北中米
北中米

 アラスカ・カナダ北部 難易度「9」
 自転車・アウトドアが非常に盛んで且つ治安も良い地域だが、人口少ない上に緯度が高いという「普通に生活するのも大変」という地域であり、自転車で走行できる季節も夏以外は難しいレベル。
 これに加えて野生動物としてクマの危険が付きまとうし、山脈が多くてアップダウンも激しくて「大量の荷物(食材)を抱えて自炊を続けながら移動する」というスタイルを嫌でも実施する必要に迫られる。この辺をお金で解決したくとも、そもそも世界トップクラスに物価が高い地域であるため、どうしても難易度上がる土地なのは間違いない。
 なおフェアバンクスから北極海に抜けるダルトンハイウェイは含めないでこの難易度だ。ダルトンハイウェイは文句なしに最高難易度の「10」を付ける道であり、この道を走りたい方は心して挑戦して欲しく思う。

 アメリカ 難易度「5」
 カナダ南部やアメリカは定期的に町が出現するようなるため、自転車における走行という意味ではそう難しくない。低所得者も多い国なので食事は案外どうにかなるし、西部ロッキー山脈以外は厳しい山も存在しない。
 ただし治安は非常に悪く、特に大都市周辺は格差が激しい関係で下手な治安が悪いと言われる国なんかより断然危険。また長期旅行が利用しやすいホステル系の安宿も数が少なく、キャンプ場も自転車に対応してるような施設は稀。要するに先進国の割に自転車フレンドリーではない。
 オマケにノービザ滞在期間が最長90日間で、国土が広大なことからそれなりに距離を走り続ける必要に迫られるしルートの組み方も制限される。ある意味で中米より大変だと思う。

 中米 難易度「6」
 割と2000m超えるような山が多くて走行大変なんだけど、それとは別に低地の気温は非常に高く中米の国々は湿度も高くて気候的にキツい。車両の交通マナーも悪く、言語も英語がほぼ通じなくなるため苦労は増える。
 また全体的に治安が悪いことで有名な国が固まっており、地理的に狭い道を進んでいくことからルートの自由度が低く「あの町は危険だから避けて通ろう」といった対策が打てないことも難しい。でも物価は安いし滞在日数には余裕があるため距離刻んでゆっくり進んでいくことも可能なため体力的には無理がない。

◎南米・オセアニア
南米

 南米アンデス 難易度「9」
 4000mを超える険しい山々が連なる上に、路面状態が悪い道も多く単に「自転車で走るのが大変」という意味では世界最高峰のレベル。海岸線の道を走ればそうでも無いのだが、ペルー北部を始めとしてそうした道は非常に治安が悪いことで有名で、かといってアンデス山脈の反対側(東側)はアマゾン熱帯雨林でまともな道がないという地形。
 滞在日数は交渉と手続きで割と余裕持った日数確保できるためペース的に問題無いのが救いか。都市部以外では食も治安も芳しくない土地が多く、また自転車にトラブルがあった際に頼れるお店もコロンビアを除いて少ない。

 南米パタゴニア 難易度「7」
 路面は走りやすいしアップダウンはほとんど出てこないのだが、人口少ない土地なのと強烈な風が吹きまくる関係でなかなか走行大変。進行方向北へと向かっている場合は更に険しい走行となることは避けられない。
 それと緯度もかなり高い地域であり、冬季における走行は気温・日照時間ともに自転車走行に向いてる環境とは言い難いが、それでも北半球の高緯度地域よりは大分マシではある。

 南米アマゾン 難易度「10」
 赤道付近で年中気温が高いのは良いが1年を通して雨が多量に降り、それが粘土質の道をぐちゃぐちゃにするためマトモに走行できない道が非常に多い。私が世界1周中にトラブル発生したわけでなく自力での走行を断念した唯一の地域。
 この土地を走破したいならとにかく日程に余裕を持った上で天気の良い日になるべく太いタイヤを活用して自転車が埋もれないコンディションと装備を整えることが最重要だと思う。世界で最も自転車走行しにくい土地の1つだと思います。

 ニュージーランド 難易度「4」
 オーストラリアと正反対で山だらけで寒気が厳しい国。ただし国土が小さいため何日間も補給することが出来ないといった心配がなく、普通に自転車旅行する分には生死に関わるようなことはまずない。
 物価の高さや入国時に出国用のフライトチケットが事前で必要といった点で多少手間が必要なものの、交通マナーも良く自転車やアウトドア文化も盛んで非常に走りやすい。初めての海外サイクリング国としても大いにオススメできる。 

◎アフリカ・オセアニア
アフリカ~オセアニア

 オーストラリア  難易度「8」(東海岸のみなら難易度「3」)
 治安は非常に良い国だが、国土に対して人口数が極端に少なく長距離無補給地帯が広がる点が難しい。東海岸沿いなら無補給エリアは最長でも2〜300km程度だが、それ以外のアウトバックと呼ばれる土地は全世界でも有数の人口密度低い土地。山は一切存在せずひたすら平坦な砂漠の世界が続く。
 これに加えて夏季の気温と水場の少なさは非常に厳しいものがあり、計画性を持った日程を立ててそのスケジュール通りに走り切るだけの力がないと、最悪の場合は野垂れ死ぬ危険があるほどの環境。主要道路を外れた道を夏季に走行するなら難易度は文句なしの「10」であり、アドベンチャーの領域に入るといっても過言ではない。 

 アフリカ西部 難易度「9」
 私が走った国のみの評価であるためモロッコとモーリタニア2カ国のみの評価だが、これより南に位置する西アフリカ諸国を自転車旅行するなら難易度は10を超えてEXレベルの大変さだと話を聞く。モーリタニアですら道・環境・治安・入国ビザとあらゆる方面で自転車旅行するのが難しい国で、しかし物価(というか宿代)は高いというヤバい土地。モロッコを内包してることで難易度下がってるだけで、文句なしに世界で最も自転車旅行が難しい地域の1つだと言える。

 アフリカ東部サハラ砂漠 難易度「10」
 西アフリカに比べれば道・物価といった面で明らかに楽な東アフリカなのだけど、近年ではスーダン及びエチオピアがそれぞれ紛争や内戦を引き起こしている関係で、これらの国を自転車で走り抜けるのはすこぶる危険な状況となってしまった。とはいえ東アフリカを縦断するのに他のルートも現実的ではなくそういった意味で難易度が高い。普通に自転車で走る分には精々「8」程度というのが私の感想だ。

 アフリカ東部サハラ以南 難易度「8」
 所謂サブサハラ地域は正常が安定してる国も多く、ケニア南部からは標高1000mを超える土地が増える関係で気候的にも快適となる。そりゃまぁ道の状態は酷いし治安も良好とはいえないが、物価が非常に安く滞在期限も適切な国が多いため体力的な面ではやや楽な方に分類できる。ただしアフリカは文化的な面でのストレス強い国が多く、この辺をどう対処するかという点が難しい。

 アフリカ南部 難易度「7」
 ボツワナ以南の国は物価が上がるものの全体的なインフラレベルが向上するため自転車の走行という意味ではむしろ楽になる。ただし貧富の差が拡大するため治安の悪い場所が多くなるのが問題。
 とはいえアフリカではこの地域が1番楽だったと思う。ナミビアはナミブ砂漠へ入り込まなければ問題ないが、入ると難易度10と評価しても良いくらい厳しい場所もある。


 大体こんな感じかな。ある程度地域で区分けしてるけど、その中でも大変だったり楽だったりする部分が存在するので参考程度に留めて欲しい。例えば東南アジアでもラオスという国単独なら相当厳しい国だったし、全体的に厳しい西アフリカなんかもモロッコ北部は走りやすい。

 あくまで私が走った地域における独断の感想なのであり、海外を自転車で走りたいと思う方の参考にしてもらえたら幸いです。地図が中途半端なのはご容赦下さい。
    mixiチェック

 ヒマラヤ山系における3大高所道路の1つパミールハイウェイを無事走破したので今回も情報をまとめておくことにする。これでラダックカラコルムハイウェイを含めたこの地域における道路は一通り走ることが出来たのであり感動もひとしお。そのうち世界における自転車人気の道における難易度比較とかで1本記事作ってみたいなと思いつつ。


 ◎パミールハイウェイ

 【基本情報】
 タジキスタン首都のドゥシャンベ(実は諸説有り)から国境を挟んでキルギス西部の都市オシュまでを繋ぐ全長約1300kmの道路。道路名称としてはM41号線とされており、これはソビエト時代の道路番号の名残らしい。旅行者に人気の道として名高いが、そもそもこの道は軍用輸送道路として当時のロシア帝国が建設し、現在ではタジキスタン東部地域におけるゴルノ・バダフシャン自治州という地域を走行するための補給路として活用されている面が強い。

 世界で2番目に高い国際高速道路として知られており(1番はカラコルムハイウェイ)、特にタジキスタン東部の一般的にパミール高原と呼ばれる地域は非常に標高が高く、この地域や道路を指して「世界の屋根」と呼ばれていたりもする。

 ドゥシャンベからオシュまでの間には幾つかルートが存在しており、最も多く使われるルートが大体1300kmなのだが、私の場合はワハーン回廊を経由して遠回りしているので実際の走行距離はもっと長い。

 他のサイクリストではショートカットになるバルタンバレーと呼ばれるルートを走ると言ってたサイクリストに3組出会ったりして、走行期間の長短でルートを選択することができるのもパミールハイウェイの魅力の1つ。他のサイクリストに教えてもらった地図を添付しておくのでルート選択の参考にしてほしい。

 パミールハイウェイ地図
 結構ルート選べるのが分かる 

 【治安】
 体感としては治安の悪さを感じたことは全くないのだが、まず土地的にアフガニスタンとパンジ川を挟んですぐの場所に通っている道があり、2018年にこのエリアで7人組の自転車旅行者が襲われる事件が発生し後にISILから犯行声明が出て界隈が騒然となった。

 これが大きな原因とされているのかタジキスタンのアフガニスタン国境沿いは現在でも外務省の危険レベル3に指定されてる地域である。タジキスタン側もこの点は考慮している様子でパンジ川沿いには多数軍の駐屯地が設営されており、この区間は歩哨が警戒してる姿を幾度となく見ることになる。

 これに加えてタジキスタンとキルギスの国境付近で2022年に紛争が発生しており、両国の国境が閉鎖される事態に発展した。現在(2025年6月)でも国境の通過には制限がかかっている。ただこの紛争自体はキルギスの飛び地が密集してるフェルガナ盆地というのが主要な舞台となっている。一応この紛争の主な原因が国境線問題に起因しているためパミール高原地域も全くの無関係というわけではない。山岳地帯で人口密度が極端に低いことからそんな問題になってると感じないけども。

 ともあれ実際に感じた牧歌的な雰囲気とは裏腹に結構治安的な問題を含んでいる土地でもあるということは肝に銘じておいた方が良いと思ってる。実際のところシーズンのパミールハイウェイは旅行者だらけで、地元の人たちもこうした旅行者が落とすお金が重要な収入源となってるらしく、外国人に対して排他的な感じは一切受けなかったし非常に人懐っこい彼らとの交流はこの土地を訪問する上で大きな魅力の1つだと感じた。

 【入域手続き・国境通行許可証】
 上記の通り幾つか問題を抱えてる土地であることが影響してか、パミールハイウェイを走行するためには現在2種類の許可証が必要と言える状況だ。

 1、GBAOパーミット
 ギャバオパーミット、又はパミールパーミットと呼ばれる主にゴルノ・バダフシャン自治州地域内を走行する際にタジキスタン政府が発給している許可証である。パミールハイウェイを走行してるとタジキスタン国内の各チェックポイントにてこのパーミットの確認を求められることとなる。

 入手方法は2通りあって、首都ドゥシャンベにあるOVIRという施設に赴き手続きして発給してもらう方法と、タジキスタンのビザを取得する際にGBAOパーミットを併せて発給する方法だ。仮にキルギス側からパミールハイウェイに突入する場合はこのGBAOパーミットの関係で必要なくともタジキスタンビザを取得しなくてはならないのだが、こと自転車旅行者に限ればタジキスタンでノービザ滞在できる30日間でパミールを走行するのは期間的にかなり短い。ノービザ入国の場合はドゥシャンベで滞在登録が必要になることもあって、全体的にかかる金銭は大きな開きがなくビザ入国なら最大60日間滞在できるため多くのサイクリストは西からの入国でもビザを取得していた。私も取得すればよかったと悔しく思ってる。

 2、キルギスボーダーパーミット
 先に述べたタジキスタンとキルギスの紛争により2023年以降この両国間にある国境は閉鎖してしまっており、未だに地元住民は行き来ができない状況が続いている。

 ただパミールハイウェイにおける両国間の国境はこのキジル アルトボーダーしか存在しておらず、ここを回避しようとすると大幅に迂回せざるを得ない。というかタジク〜キルギス間の国境はここ以外一般人の利用が出来ない。このため特にタジキスタン側の国境付近にある村で観光産業が死活問題となったことが影響したらしく、それほど時間を置かずしてタジキスタン側のミグレーションは外国人であれば通過できるように。

 そしてキルギス川のイミグレーションだがこちらもある程度対応する形で、キルギスの旅行会社に申請することでボーダーパーミットを発給すればイミグレーション通過することが可能となった。ポイントは「キルギスのイミグレーション事情」なのでキルギス国内の旅行会社にアポ取って手続きしてもらわないとパーミットが発給されない点。なので私みたくウズベキスタンからキルギスを経由しないでパミールハイウェイに突入しようとしてる場合は自力でキルギスの旅行会社を探して発給手続きをお願いすることになる。

 私の場合は(ドゥシャンベにあるホステルの)グリーンハウスホステルオーナーから旅行会社を教えてもらい、そこにWhat’s App経由で連絡してパーミット発給してもらった。申請から発給までは最低でも3営業日が必要になるため早めに実施したいところだが、国境の通過予定日を伝える必要がある関係であまり早くに申請するのも自転車旅行のスタイル的に難しい。まぁ自転車の場合は日程かなり融通聞かせてくれるみたいだが、やはりドゥシャンベ辺りで連絡するのが良いと思う。逆ルートの場合はオシュの町に複数申請手続きをしてくれる旅行代理店があるので直接訪問して対応することが可能。私もオシュの町に到着後、利用したディスティネーションパミールに訪問し料金の支払いをしている(料金15ドル)ので結局は同じことだし。

 <追記>
 2025年の7月にこのボーダーパーミットは制度終了となりパーミット無しで普通に通行できるようになった。もうちょい時期ズレてれば私の15ドルは必要なかったのだと思うと悔しいが、多くの旅行者がこれで余計な苦労しなくても良くなったのだし素直に喜びたい。

 ◎パミールハイウェイの状況

 【道路】
 名前にハイウェイと着く通り一応は高速道路の扱いなのだが、その大部分は綺麗な路面状況とは言い難い。道路の質自体は非常に良いのだが、所々にボコボコの穴が空いてるわ亀裂や段差が発生しており「スピード出せるけど調子に乗るとギャップ拾って転倒する」という走るのに集中力を要する系の道だ。2025年時点で全体の8〜9割(通常ルート)はアスファルト舗装されており、巷で言われてる「地獄のような道」というのは少なくとも現在において大言壮語が過ぎる。

 ホログ以東のパミール高原では4200mを超える規模の峠で山頂から前後10〜20kmくらいが未舗装となっている程度。むしろ未舗装の割合という意味ではホログより西部に当たるパンジ川沿い道のが多い。このエリアは急峻な渓谷の底にある道のため崖崩れも多くて道路が閉鎖する恐れもあり、私も2回ほど足止めを食った。大体半日〜1日くらい工事して開通するイメージなので、運次第だけどこの区間の通過には日程的な余裕を持たせた方が良い。

 未舗装の質はタジキスタン国内だと圧倒的にコルゲーション(洗濯板状の波打ち現象)によるガタガタ道が多い。これがキルギス側の未舗装でほとんど見られなかったの不思議なくらいで、タジクを走る車両は何か特殊な問題があるんじゃないかと疑ってしまうほど。走りにくいのは勿論だが、自転車にもダメージが大きいし走行続けてるとハンドル力強く握ってる関係で両腕の疲労も大きい。地味にパミールハイウェイで筋肉痛があった箇所は足ではなく腕と肩。

 【宿泊・野営地点】
 山だらけのタジキスタンでも特別山脈に囲まれた僻地という関係でか中央アジア最貧国と言われるタジキスタンなのに宿泊費用がかなり高い。同じパミール上でもキルギスの方が宿泊費安かったことを思うと輸送費とかの関係以上にタジキスタンがパミールハイウェイを観光地として扱っているのが感じられる。

 タジクに関してはホログなどの大都市を除くとほぼ全ての宿泊施設が夕・朝食の2食付きスタイルで運営されており、総額200ソモニ(約2850円)となってるのが平均的。ムルガブくらい大きな町だともうちょい安い宿とかもあったけど、多くの町ではカルテルでも敷かれているのか値段一律していた印象あるな。設備に関しては意外とインフラ整ってるところが多く、最も国境に近く僻地であるカラクルですら夜中は電気が通じていたし、その隣町に当たるムルガブなら宿によってはWi-Fiが設置されていた。

 集落を離れてしまえば家畜の放牧をしてる人以外誰かに出会う可能性はほぼないのでキャンプし放題であるのだが、軍隊が駐屯してるエリアとかだと近くにテント設営することは出来ない。結構良さげな廃墟ポイントとかに軍人が陣取ってたせいで別の場所探すの余儀なくされたりしたので結構困ったポイントだ。それ以外だと風を避けるために遮蔽物を陰にしてテント張りたいところだが、標高が上がっていくほどそうした好条件の設営ポイント減っていくためそれなりに苦労する。日付が変わる頃には完全無風となるのが常なので睡眠自体で苦労することはまず無いのだが。それと渓谷エリアだと単純にテントを張れるスペースがなくてズルズルと走り続ける羽目になってしまう地形が多い。こっちは小さな集落が点々としている場所も多く、1度ハマるとなかなかテント設営が難しいため決断力が試される。

 【補給】
 とりあえず丸2日間に渡って無補給が続いたことは無かったので、最低1日分の食料を持ち運んでおけばどうにかなる。パミール高原エリアでは集落が無くてもポツリと一軒家で宿泊施設や食堂の営業しているところもあるが、地図には表記されてても既に何年も前に潰れた施設があるだけ・・・・というパターンのが多かったくらいなので過信しない方が良い。

 宿泊施設はどうせ夕・朝食が付いてくるので、その手の施設を利用するなら食事問題はそれほど気にする必要ないと思う。メニュー内容も中央アジアでよく見るプロフやラグマンといった種類が主であり、何故かバターが濃厚で美味しかったのが印象深い。やっぱ家畜から直接ミルク搾って加工してるんだろうな。

 幾らかは自炊するため商店も利用したが、ラインナップは悪いし値段も低地と比べて1.5〜2倍くらい上がっている。それ自体は仕方ないかもしれないが、問題なのはパミール高原エリアの商品は割と平気で消費期限ぶっちぎってる食べ物が置かれていることだ。パミール高原を走るサイクリストは多くが体調不良に襲われるという話を聞いたが、個人的にこの原因の多くが傷んだ食べ物を口にした結果ではないかと思ってる。買い物する時はこの辺慎重に吟味したいのだけど、キリル文字で書かれてる商品は正直何書いてるのか意味不明なんだわ。

 それ以外だと水の補給という話になるが、非常に水が豊富な地域なので川からの水を補給すること厭わなければこの点に関しては問題にならない。パミール高原に出ると少々水源の数が減って難易度上がるものの、それでも集落内には井戸か手動ポンプがあって水の補給ができる。不安な人は浄水器とかを携行すれば良い。私が直接川から水を汲んでたのは完全に人がいなかったワハーン回廊の終盤くらいで、その他は村内にある共同水道とか宿泊した宿で水もらうとかして対応していた。地味に大きめの村ならアルコール類を扱ってることもあり、何日間も酒を断たれるということが無かった点も有難い。


 ◎パミールハイウェイの環境

 【通信】
 スマホの電波に関してもメガフォンという会社に関してはカラクルでも通信できるそうで、パミール高原で生活してる人たちは大概この会社のSIMを契約しているらしい。私はTーcellという会社だったのでアリチュールの町を最後に通信が復活することは無かった。メガフォンに関してはムルガブの町中に販売店があるのでキルギス側から入国した人の場合はここで契約することが可能。

 正直もっと通信インフラ悪いと思っていたのだが、私が使ったTーcellでもある程度の規模の町なら普通に電波が立ち普通に連絡取れてて拍子抜けしたというのがある。もっと言えば宿泊施設にWi-Fiが設置されてる率も高いので、SIMなど使わなくとも定期的にネット環境にアクセスできる程度にはしっかりしている。

 ただしキルギスとの国境付近にあるカラクルだけは例外で、この村に関しては日中だと電気が通じてないレベルでなかなかの過疎地っぷりを感じさせる。そういえばタジキスタン側のイミグレーションもPCにデータ打ち込むのではなく紙の台帳に個人情報手書き記入してたので、パミールハイウェイ(メインルート)における最後のインフラ未整備地帯がこの辺りなのかもしれない。

 【気温】
 6月のパミール高原は最高標高の4600mを越える地点における夜間でも氷点下まで気温が下がることはまずない程度。4000m以上の土地ということ考えるとかなり暖かいと言って良いと思う。ただし暖かさの主要な要因が「太陽光の強さ」に影響してると感じていて、天気予報等で表記される数字以上に日照状況で体感温度が変わると思われる。なお天気が良くて風も弱ければ4000m越えててもTシャツ1枚でちょうど良いくらい。

 ホログ以西の渓谷エリアや標高3000m以下の土地に関しては1度も「寒くて仕方ない」と思ったことなかったかな。パンジ側沿いに連なるアフガンの山々なんかは真夏にも関わらず山頂付近に雪積もっていたのが印象的だったが、麓の土地では下手すりゃ流れる川の水が「わりと温いな」と思ってしまう程度に温められてたし。

 本気で寒い箇所は峠越えをする山頂付近とかピンポイントで限られるため、全体を通してみると天気が良ければ夏の軽装スタイルでも大丈夫な「やや涼しい」程度の気候という感想だ。ちなみに緯度が上がった関係か、キルギス国内では3000m切ってる場所でもかなり寒さを感じることがあったため、タジキスタンという国が全体的に暖かい傾向にあるということ言えるのかもしれない。

 【風・雨】
 イメージと違ったのはパミールハイウェイは全体的に結構雨が降る土地ということで、3週間の走行中2回ほど半日以上の期間に渡って雨が降り続ける日があった。短時間にザッと降る雨に関してはかなりの回数経験しており、この辺は同じヒマラヤ山系の道であるラダックなんかとは対照的。標高の高いエリアだと雨ではなく雪や雹が降ったりすることもあり(6月)、これに加えて雷雲が恐ろしげな音と光で上空を通過していったりと結構天候の悪さに苦労することが多かった。

 そして1番厄介なのが風である。全体的に西から東へと強い風が吹く地域であり、私を含めパミールハイウェイを自転車旅行する多数派の「西→東」ルートであるサイクリストは風の恩恵を受けることが多い。だがパミール高原地帯はまだしも西部の渓谷エリアに入ってしまうと谷の複雑な地形が風の向きに影響を与えてかなり予測不能な感じとなる。ワハーン回廊なんかは南からの風が吹いてくる割合が多いと思っていたかな。
 
 1日中吹き続けてるワケじゃなく、大体お昼を過ぎた頃から徐々に強風が吹き始める傾向にある。これが19時とか日没くらいの時間帯になるとほぼ止み夜間は無風に近い静かな状態が続くというのがイメージ。運が悪いと朝から吹きまくり・・・くらいの大まかな感覚だけど。この影響を考慮して厳しいと思われるポイントに臨む際は出来るだけ午前中に走行するよう心がける程度のルートプランニングはしていた。

 【標高】
 標高の高い土地として有名なパミールハイウェイだけど、本格的に4000m前後の高原地帯となるのはホログより東のエリアに入ってから。ここが名前の元となってるパミール高原なのだけど、高原の全体的な標高は3500〜4000mに満たないくらい。少なくとも4000mを超える標高に集落は1つも無い。パミール高原のエリアに4000mを超える峠がハイウェイ本線上だと計4本登場する(私はワハーンルートだったので3本)が、最高標高であるアク バイタル峠(4655m)を除き全て4200m代であり、実は他のラダックやカラコルムハイウェイと比べ突出して標高が高いワケではない。というか最高標高に関しては1番低いし、峠は全体的に斜度が緩やかで獲得標高が少ないためヒルクライムに関してはむしろ難易度が低いとすら言える。

 ホログより西だとパンジ側沿いは全体を通して1000〜2000m程度の標高だし、ワハーン回廊も東部パミール本線に合流する100km手前まではずっと2000〜3000mの緩やかな坂が続く道。要するにパンジ川に沿っている道は急激に標高の上がる箇所は少なく全体的に安定している。

 ホログ西部だと唯一高い峠となるのがカブラボット峠で、標高(3252m)それ自体よりも問題となるのが麓からの獲得標高差が大きくフルパッキンの自転車だと1日で山頂まで到達し町まで下山するのがやや困難なことくらいか。まぁこの峠に関しては南側ルートを活用することで迂回が出来るため、自信や余力があるなら選択すれば良いエクストラルート扱いと考えて良い。

 ちなみにパミールハイウェイの起点or終点となるドゥシャンベ及びオシュの町は共に標高1000mくらいに位置している。ここからサクッと1000〜2000mくらい標高上げて渓谷エリアでは2000m代、パミール高原エリアでは3000m代の標高を走ってるというのが全体的な標高のイメージ。


 ◎ワハーン回廊

 【ワハーン回廊】
 パミールハイウェイの本線から外れ、アフガニスタンとの自然国境であるパンジ川沿いをUの字を描くように迂回するルートである。パミール高原ではなく渓谷の道を走り続けるため道中の大半は標高が低く(2000m代)、またパミール本線だと大体200km弱の距離でたどり着く合流地点(ゴール)に320kmくらい必要で、尚且つ全体的に路面状態が悪く特に後半(東部)の110km程は非常に走りづらい未舗装路が続くためやや難易度高めのルートであると言えよう。

 特徴としてはロシア帝国時代の南下政策に対し当時のイギリス領インドがこれを食い止めるための緩衝地帯として設定した最前線のエリアがここに当たる。要するに19世紀には地政学的に最重要となるポイントの1つとして機能していた(だからパミールハイウェイが造られた)土地である一方で、非常に厳しい気候と地形から現地の人たちは外部からの影響をほとんど受けることなく今日まで生活が続いているらしい。

 このためパミール高原で生活する人たちが自身をパミール人と呼ぶ(notタジキスタン人)のに対し、このワハーン回廊の人たちは自身をワハーン人と呼び、独自の生活・伝統が垣間見られる地域とされている。

 【スタート&ゴール地点】
 パミールハイウェイの中間地点であるホログの町から南下するルートがワハーン回廊。ホログの町がそのままスタート(ゴール)地点となっているので問題なし、東部のゴール(スタート)だが、パミール本線からだとホログから190km地点の道路上にある三叉路にぶつかる形となっている。この交差点は周囲20km特に何もない荒野にあるため東部からのワハーン突入は最寄りのアリチュールという町で準備を整えてパミール本線を20km移動してから突入するのが基本。中にはワハーン回廊を走ってからパミール本線の道をホログ方面に向かって進み円を描く形で旅行している人もいたが、これはいずれもエンジン付き乗り物で旅行してる人たちで、自転車乗りではこうした周回ルートを選択してる人には会わなかったな。

 【行程】
 全体の大部分をアフガニスタンとの国境であるパンジ川沿いの道が占めており、町としてはホログから約220kmとなるランガルより先はパミール本線と合流するまで集落は存在しない。要するにワハーン全体の西2/3程度はそれなりの感覚で集落が点在している一方で、東部1/3に関しては人口過疎区域の荒涼とした世界が続く土地と言える。一応ランガルより東部にも軍事施設が存在し、そこから内陸部へ向かわずパンジ川沿いを遡上するルートが存在する(しかもその先には温泉郷がある!)のだが、聞いたところでこのルートは自由な走行が許されていない地域だそうで自転車旅行で向かうのはやや難しい。

 キモとなる東部区間だが、ランガルから軍事施設までで約70kmの1000mアップ、軍事施設からワハーン最高地点である峠(約4300m)まで10km400mアップといったところ。峠を越えた先もパミール本線まで非常に走りづらい未舗装路が継続して続き、間違いなくこのエリアがワハーン回廊を走行する上で最大の難所となる。この区間で要する日数を算出しその分の食材を積載した上で挑戦することになるのだが、参考までに私の場合は丸2日かけてこの区間を走破した。追い風に押される西→東のルートでも時間的にギリギリだったのであり、もう1日くらい余裕を見ておいた方が正解だと感じた。


 ◎まとめ
 大陸横断系サイクリストの中でヒマラヤ山系のルートで圧倒的な人気を誇るのがパミールハイウェイなんだけど、これはヨーロッパから中央アジアを経由してそのまま陸路伝いにこの地域を走れるから・・・というファクターが大きいのだと思われる。他のラダックやカラコルムハイウェイが南アジア地域に属してる関係で、陸路の場合はイランやパキスタン南部を通ってこなくてはならず難易度が高いので。そうした下地があってか「パミールハイウェイだけを走りに来たんだ」という人よりも、もっと長い距離と時間をかけてこの道へやって来たという自転車乗りの割合が他のハイウェイより多かったように思う。

 走り終えた今思うのは、パミールハイウェイは前後半でそれぞれタイプの異なる景観を楽むことができ、1度の訪問で2度美味しい!贅沢な道だったなということ。ラダックが主に森林限界を越えた荒涼とした大地、カラコルムは緑と川沿いの渓谷が多くを占めていたのに対してパミールはその割合が半々という感じで、見事に同じヒマラヤ山系の道でありながら三者三様の特色を見せてくれた。

 私は走らなかったが、距離は短くともより路面状況が厳しくよりチャレンジングな走行を要するバルタンバレーにMTBスタイルのバイクで向かう人なんかも数多く、一口にパミールハイウェイと言ってもルート次第で全く異なる体験をさせてくれる懐の広さがこの道の魅力だったと思っている。だからこそタジキスタンの滞在期限30日という短さはとんでもない罠であり、何度も繰り返すがパミールハイウェイを走るのであればタジキスタンのビザは取得しておきましょう。
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