自転車ときどき世界1周

カテゴリ: アジア


 第2部 境界面上の東南アジア

 〜最初のオマエを騙せ 世界1周なんて出来ないと思っているオマエを〜


 ということで世界1周へ出発するために下関国際フェリーターミナルへやってきた。

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 道中は省略

 私にとって始めての海外旅行であり、もう何というかドキドキを通りこして良く分からん心境である。あまりにも分からんかったので、15時からの窓口受付開始の1時間前に到着してしまい、待合室で荷物満載のロシナンテ号を抱えることになろうとは30%くらいしか予想していなかった。

 そんなこんなで出港1時間前となり、いよいよ出国手続きへ。私、知ってますよ。ここで係員が根掘り葉掘りと色んなことを聞いてくるのでしょう?心の準備はバッチリだ!

係員「あ、ちょっといいですか?」
 来たー!というドキドキを悟れないように平静を装いながら「何でしょうか?」と答える私の心臓ドッキドキ。
係員「パスポートカバー外しますね」
 ピッ
係員「はい、どうぞ」
茶壺「・・・・・どうも」

 何の検査もなかったでござる。え、こんなもんなの?出国検査

 という一幕があったりなかったりしたものの、17時に下関→青島フェリーは無事出港。

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 多分私の家族がどっかで見送っている感動のシーン

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 ・・・にヒトデを見つけて大喜びしてるのが1人

 ともかく私の世界1周への旅は今日始まった!・・・・割にはまだ1mも走ってないけれど。

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 寝室には私1人という贅沢っぷり 

 2014年12月13日(土) 走行距離0km 累計0km
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 船内で夜が明けても未だに海の上。目指す中国はこんなにも遠かったのかと、早くもフェリー内に飽きてきている私である。

 しかし聞くところではレストランにて、朝食の無料サービスをしているとのことであり、まぁねぇ暇で仕方ないからちょっとだけ冷やかしに行ってみるかな、と駆けつける私である。

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 しっかしガラガラのレストラン

 とりあえず無料配布されている全ての食材を堪能し、お腹と気持ちが落ち着いたところで時計を見ると8時半。あれっ?手元の時計は9時半なんですけど、早くも腕時計壊れましたか?

 いやいや、これが噂に聞く時差というヤツだそうですよ。昨日私が眠っている間に世界の時間は1時間戻っているのですよ。

 なんだかウキウキしながら時計の針(じゃないけど)を1時間前に戻す。この手の出来事に逐一ワクワクできるのは始めての海外旅行をする者の特権とだといえよう。旅慣れてスレちまった旅行者には絶対に味わうことのできない、私(のような海外初心者)だからこその喜びである。

 さて、本日は1日船の中。一体何をしているのかといえば、勉強熱心な私はこれから赴く中国について、偶然船内で一緒になった旅客の学校の先生と、深い議論を交わしていたのである。

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 中国こと青島ビールに関して

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 関税のかからないお酒に関して

 もちろん、深い議論を交わすためには、その現物を知らなくてはならない。昨日から2人で1ダースもの青島ビールを飲んでおり、これも一重に深い見識と深遠な知識のなせる行為だといえる。

 そうして知識を深めた後は、実戦が大切なのだ。卓上の理論だけでなく自らが行動することで、理論とはより強固なものとしてその意味をなすのである。

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 中国スポーツとして名高い卓球を行い

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 中国の伝奇である西遊記の映画を視聴

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 そして中国発祥の遊戯、麻雀をしたいが人数が足りない!

 そんなわけで如何に私が研究熱心であるかの一端が垣間見えたことだろうと思う。いいから早く自転車乗れよと思われるかもしれないが、そんなもん私だって乗りたいわい!

 12月14日(日) 走行距離0km 累計0km
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 なんだか酒ばっかり飲んでいた気がする船旅も今日で終わり。7時に起きてみたら窓の外には青島の陸地が広がっているのであり、いよいよ新たな大地へと1歩を踏み出すという気分にさせてくれるではないか!

 まずは腹ごしらえをすべく朝食無料レストランにて朝ご飯。何だか昨日よりも美味しく感じられるなぁとか思っているとアナウンス「本船はこの後9時よりお客様の下船を開始します」

 ・・・って9時ぃ?何で到着してるのに1時間半も待たされるんかい!いいですよいいですよ。大人ですから文句もいわずに待ちますよ。

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 10時前

 阿呆かーい!恐るべし中国。近年は時間に対してのルーズさが無くなってきた・・・・なんて話を聞いたりもしたのだが、最初っからやってくれるぜ。

 結局入国管理所に着いたのは10時15分。ここで審査が降りなかったらどうしよう?と昨日もビールを飲みながらヘラヘラと悩んでいた私であり、バッグの中に入っているお米や抗生物質の薬とか咎められやしないかと心配の種は尽きない。

 まぁその種は花が咲くことなく終了し、ついにやってきましたよ中国へ!

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 車は右車線を走ってるし

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 建物の看板は漢字で読めない

 嬉しい。ようやく異国の土地にきたという実感が湧いてきた。「私は今、中国にいる!」という喜びである。

 喜ぶのは良いのだが、既にお昼なのであり、適当な店に入ってみる。当然だが私が理解する中国語は「ニイハオ」と「シェイシェイ」の2語のみであり、オマケにメニューの看板は読めやしねぇ。

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 どうにかイメージは伝わる

 注文したくても発音できないので、メニューを指差して強引に注文。店員、困惑の表情ながらも作り始める。「私は今、中国人とコミュニケーションしてる!」・・・・ような気がする。

 とりあえず初日なので近くのユースホステルに投宿。本当なら明日の走行予定を確認したいところだが、知らない町をとにかく歩いてみたくて地図も持たずに飛び出てしまう。

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 以外とモダンな街並み

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 かと思えば裏路地に入ると生活館満載の家々

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 落書きは日本と変わりませんね

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 平日の昼間っからカードゲームに興じるオッサン達

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 これはどんな運動器具なのん?

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 君を見てるといつもハートどきどき

 知らない町は面白いなぁ、と遊んでいたら迷ってしまう。なんという無計画無謀な男であろう。何しろ道を聞こうにもお互い何を言っているのかサッパリ分からないのである。

 ええぃ!こういうのは気合いだ。勢いがあればどうにか通じるわい!ちょっとー

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 脱兎の如く逃げられる

 私、めげそうです。・・・・まぁ帰り着きましたがね。本気を出せばこんなもんですよ。

 知らない土地と町に翻弄されて疲れました。明日のことは明日考えるとして早々にベッドに入る私。よく考えたら、今日もほとんど走っていない。

 12月15日(月) 走行距離15km 累計15km
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 中国2日目 青島市内〜青島より南西に約30km

 ユースホステルの快適なベッドで目を覚ましたのは6時半。しばらくゴロゴロするも8時前にはチェックアウトして出発である。いよいよ本格的な走行ですな。

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 結構快適なドミトリー

 青島の町はかぎ爪の形をした土地の先端部分に位置しており、南下するためには海底トンネルかフェリーを使うのが手っ取り早いと思い、行ってみたのだがどちらも駄目であった。

 仕方ないので北へと大回りする迂回ルートで進む私。中国のビザが最大30日しか取得できない関係で、駆け足で走り抜けなくてはならないのであり、なんだか気持ちばかりが焦ってしまうではないか。

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 ドイツ軍に占領された関係でヨーロッパ形式の建物が多い青島の町

 街中こそ道路が四方八方に延びていて迷ってしまうこと必死なのだが、一度郊外へと出てしまえば永遠と直線道路であり走行自体は楽である。

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 ずいぶん立派な橋ですね

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 片側3〜4車線と大きい道路

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 高速道の隣は舗装なんかするわけない

 まだ海外に慣れていないので、あんまり頑張らなくても良いと思っている私であるが、気付けば17時となり太陽が地平線へと沈んでゆく。マズい、早く人が住む地域に行って食堂探さないと!

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 人が住んる場所なら食堂は豊富にある印象

 もはや野宿確定なので、電源を借りてのんびりと日記の作成に精を出すことにする。大して意思疎通ができてないけど、店員さんはトランプしたりテレビ見てるので、特別問題はないのだと思う。

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 適当なのは大好きです

 食事も終わって店長に「近くにテント張れそうな良い場所ない?」と聞いてみたら、「すぐ側に安宿があるよ」と教えてくれたので確認してみる。おっちゃーん、値段いくらだい?

 「60元(約1200円)アルよ」

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 それでいてこの部屋である

 決めた、宿にするわ。・・・と、大喜びで荷物を運び入れていたところ、登場したのは中国警察こと公安の方々。

 中国は外国人に対して安宿に宿泊させてはならないという法律があり、数年前に観光客誘致の目的からこの制度はかなり緩和されたと聞いていたので、大丈夫だろうとか思っていたのだが。考えが甘かったようだ。

 どうやら近くの外国人が宿泊できる宿へと移動させるとのこと。くそぅ、私を誰だと思ってるのだ!本気を出したらオマエらなんぞ片手でちょちょいのちょいだぞ。という目力で訴えたところ、私に恐れをなしたのか、余りにも哀れと感じたのか

「今回は特別だ、見逃してやる」という言葉。なんだよ、話せば分かるヤツ等じゃん(公安との会話0)。

 中国人の優しさに触れて、ちょっと今後の展望に対してワクワクが増した夜。

 2014年12月16日(火) 走行距離106km 累計121km
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 中国3日目 青島より南西に約30km〜ランチェン北西5km

 宿のオヤジは自転車旅行者である私を気に入ったようで、新しいお湯の配膳からシャワーの使い方まで気を使ってくれる。嬉しいのだが、そう何回もドアをノックされても私だってシャワーを浴びたりしてる時もあるんだよ?

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 固い握手してお別れ

 7時過ぎに出発し、今日からしばらくは国道204号線を上海に向かって南下する。1本道なので迷わないし、道も広くて自転車道もある。オマケに前に見えるは屋台の並びと見た。

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 朝から精が出ますね

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 こりゃ、ロシナンテ号を蹴るでない

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 広い自転車道を走る

 しっかし、広い土地を所有してる国だけあって、ちょっと郊外にでると回りに見えるは平野と山。北海道なんて目じゃないレベルであり、これまで珍しいと思ってた地平線なんて大バーゲン叩き売り状態ときたもんだ。

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 やま

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 みち

 そうした変化のない道を進み続けると、時たま集落が出現し景色の変化と車の増加が、私を楽しませつつも勘弁してほしい。なんで中国の人たちはいつでもクラクション鳴らしつづけるのん?

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 郊外でも行商人

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 無茶しますね、本当に

 昼食にちょっと高級っぽい店に入った私だが、出てきた肉はゼラチン質豊富でなかなか美味である。店員曰く「貴方が食べたのはロバのに肉です」とな。ほ〜ぅ、始めてだったが私を唸らせる味だったぞよ。して料金は?

店員「98元(約2000円)です」

 ふざっけんな!

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 珍しい物は高いのですね

 途中で行商やガソリンスタンドでちょいちょい買い食いしつつも走る。何だかんだでまだ3日目、休むための場所を探す時間はなるべく多めに用意しておきたいと思う慎重派な私である。私が慎重派?知ってる。

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 絵になるよね?

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 左は積載重量14t未満の表示かな?

 結局今日は安宿にあっさりチェックイン完了。近くの定食屋で身振り手振りで注文した結果、出てきたのはコレだよ!

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 ワケが分からないよ

 それでもお腹膨らまして今日もベッドで就寝。海外に慣れる意味も含めて、上海辺りまではホテル住まいの大名旅行でもいいかもしらん?

 2014年12月17日(水) 走行距離119km 累計240km
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 中国4日目 ランチェン北西5km〜新浦区南20km地点

 6時半に起床。この書き方は日本1周中によく使用していたフレーズであり、何だか「旅しているなぁ」という気がして嬉しい。

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 綺麗だしWi-Fiはあるしと良い宿でした

 7時半には出発したのだが、前側のギアが異音を発生しており修理すること30分。無事問題なく走行可能になった時にはずいぶんと時間が経過している罠。一体、どうしてこんなことに・・・というヤツである。

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 何となく「旅館」って読めそうでしょ?

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 その旅館の100m先にて修理

 いや〜、しかし初日を除いて毎日快晴の良い天気ではあるのだが、流石というか中国は空気が淀んでるのか、遠くの景色がよく見えないのである。これでは見える物も見えやしないではないか!

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 どう思いますよ

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 まさかの車両積載重量の検査場

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 高速道路、いらないんじゃ?

 ちなみに現在走っている地域は緯度でいうと仙台の近辺。当然朝晩はかなり冷え込むのであり、日本1周では10月後半でもTシャツ、ハーフパンツで呑気に走っていた私であるが、完全武装での走行を余儀なくされている。

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 そりゃ川の水も完全凍結しますよ

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 分かりにくいけどこの川も凍ってる

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 私もこんな防風カバーが欲しい・・・・かな?

 基本的には中国国道204号線を南下している。道中には様々な物が見える訳だが、基本的には永遠と直線道路が延びる道を走りつづけるのであり、ふと気がつけば、半日前と見える景色が全く同じだったりする。すわ、敵のスタンド攻撃か!?・・・とか思ったりして気分を盛り上げているここ最近。

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 無理がありませんかねぇ?

 時たま都市部に侵入すると、驚く程の大都会が広がっていたりして、地域格差に驚くばかりの私である。だって、50階建ての高層ビルを見た30分前には、ニイハオトイレで用を足してたんですよ。

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 2輪車の数の多いこと

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 高層ビルを建てすぎだと思うのです

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 日本よりレンタルサイクルが普及している印象

 16時半には安宿へと投宿し、これからの旅に筆談は欠かせないとノートを購入したりとか色々。とりあえず中国人の人達から反日感情は全く感じていない。まぁ私の魅力がそうさせるのかもしれないけど。

 2014年12月18日(木) 走行距離120km 累計360km
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 中国5日目 新浦区南20km地点〜上海北西280kmヤンチェン市内

 朝起きると面倒な作業なのが、部屋まで運び込んだ荷物を自転車に積載する作業だったりする。日本1周の時はお気楽に構えて、特になにする訳でもなくそのまま放っておいた私であるが、海外で同じ行動は流石に取れない。状況を見て行動を変える嫌らしい性格なのである。

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 宿のオバちゃんがオススメしてくれた食堂で朝食

 そういえば私の中華のイメージは麻婆豆腐や青椒肉絲だったのだが、その手の中華料理は1度も目にしていない。それじゃあ、何を食べてるんだと言われても「私だって分かんない」のである。

 定食屋にメニューが置いてあればまだ良い方で、基本的には材料棚から指差して気合いで注文することが多い。当然値段も全く予測がつかないのであり、この日の朝食が3元(約60円)だったのに対し夕食は75元(約1500円)と、ある種の博打のようである。ひびのせいかつがぎゃんぶる!

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 そういえばこの日は天気が曇ってた

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 左は高速道路のように見せつつ一般道路

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 良いと思ったんでしょう。制作者は

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 とりあえず豪華そうな雰囲気は伝わった

みゃーもり「自転車旅行業界で予定通りに行くってのは、すごーく、すご〜く珍しいことなの!」

 こんな言葉があったかなかったか知らないが、大抵の場合自転車乗りは、走行中に一抹の不安を抱えながら走っていると思う。

 残りの滞在日数から金銭関係、暗くなる前に宿泊できる場所が見つかるか否か・・・。こうした逡巡を抱えつつ、基本的には「どうにかなるさ!」の精神で日々を過ごしており、どいつもこいつも楽天家だよなぁと思う。私は違うけれど。

 今日だって昼飯時にファン7〜8人に囲まれてしまい、ゆっくり食べることもままならねぇ。日本代表として各国との対立は避けたい思いから対応するのであるが、何時までたっても解放してくれない。ちょっと、私はごはん食べたいのだけれど〜

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 人気者は大変である

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 これも養鶏場っていうのかしらん?

 今日の宿は店長が少しばかり英語を解するので意思疎通が楽。これは助かるなぁとか思っていたら、何故かバイクの後ろに乗せられて銀行へ連れて行かれたりしたけれど。頭に疑問符を残しつつ、湯量が少ないシャワーを浴びて就寝。

 2014年12月19日(金) 走行距離139km 累計499km
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 中国6日目 上海北西280km・ヤンチェン市内〜上海北西170km・ハイアンの町

 何時ものように宿をチェックアウトすべくルームキーを渡すのである。すると、最初に支払っていた多めの金額を返却してくれる、いわゆる「デポジット」制度の返金がない。どういうことだよ?と問いただしてみると

「一番安い部屋代金が30元。貴方の部屋はバストイレ付きで、昨日エアコンも使った。だからその料金で+40元アルよ。」

 ・・・・ってそんな話、聞いてねぇよ!ズルい、中国人はズルいのであり、正義を志す私としては金額の大小はともかくとして、理不尽な仕打ちには戦わなければならない。

 800円分の怒りを込めて文句を言ったワケだが、例によって全く通じない。それどころか「話は終わった」とばかりに自分の部屋でゴロ寝を始める始末である。なんつーか、中国人の強さを垣間見た朝。

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 一気に印象が悪くなった宿

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 しかし宿のネガキャンしたところで日本人誰も行かないし

 気を取り直して今日の走行開始である。800円でネタを拾ったと思えば気持ちも落ち着こう。そんなワケねーけどさ。

 それでも自転車による強制有酸素運動で、気分はどうあれスッキリしてくる不思議。気分が塞ぎがちな人とかとりあえず自転車に乗れば良いと思うよ?限界まで有酸素運動すれば、大概のことは小さなことだと思えるから。

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 やたらと目に付く 「超」=スーパー 「市」=マーケット

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 どれだけ繋げてるのん?

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 ここで上海の表示が出てきた

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 この積載っぷりはレベル2程度なんだぜ

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 ヤギ やっぱり食用なの?

 そんな感じで今日も投宿。なんとこの宿には銭湯(有料)があるので、日本全国名湯という名湯を回って来た温泉マエストロの私としては、中国銭湯を体験しない訳にはいかない。早速10元(約200円)支払い入ってみることに。

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 「もくよくく」って読みそうになる

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 脱衣所

 脱衣所を見た限りでは、日本との違いはそうは見られない。何故か入口にオッサンが2名たむろしているのが不可解だが、別に害はないので放っておく。それでは進入!

 うん。まずね、風呂場にはサンダルを履いたまま入るらしい。私1人だけ素足で違和感満載。そのまま正面の洗い場にて立ったまま体洗い。もちろん桶は存在しない。それは良いのだが、その割にシャワーの水圧が弱すぎて大変ストレスなんですけど!?隣のシャワーはちゃんと出てるのに・・・・

 そういえば謎のだだっ広い空間があったのだが、どうやら垢擦りコーナーとなる模様。カーテンを敷いてプライバシーの保護に努めるみたいな配慮は全くない。おかげで、見たくもないオッサンの裸体を横目に入浴する。

 不思議なことといえば、洗い場のシャワーとなりに堂々と小便器が立っていて、ある意味合理的?とか思っていたのだが、最深部にもトイレがある不思議。トイレットペーパーないのですが、もしかし・・・・いやいやいやいや、この話おしまい!


 摩訶不思議銭湯を堪能して出てきた途端、立ちはだかるオッサン。両手にはタオル。拭ける!自分で拭くってば!勘弁してや〜

 さらにこの後も、強引な勧誘でマッサージ室に連れ込まれるも、お金がないので放り出されたりとか色々。
 
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 根本的な物が違うと思ったポスター

 皆様も、中国での銭湯に入る時にはご注意をば。

 2014年12月20日(土) 走行距離127km 累計626km
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 中国7日目 上海北西170km・Hai'anの町〜上海北西70km・Meiliの町

 とりあえず最初の目的地である上海までが170km程度。それなら2日で余裕のペースですね、と高を括ってのんびりと準備。8時前になってようやく出発する。どうせ茶壺が痛い目見るんでしょ?とか思ってる貴方、正解です。

 最初の看板で「上海 240km」の表示を見て、「だよね〜直線距離とは違うもんね〜」っていくらなんでも距離違いすぎるだろう!

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 日曜の午前中は車が少なくて快適でした

 とはいっても永遠と直線道路が続くのであり、あんまり気合いを入れても仕方ない。なるようになるさの精神で走りつづける。ここ数日のペースと距離からしたら、無理しなくても大丈夫そうだしな!

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 落ちてた紙幣 日本でいう子供銀行みたいな物

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 良い形してますね よく分からんけど

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 物欲しそうに見てたらくれた。ありがとう、ねーちゃん

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 右から2番目はお笑い担当のポジションだと思うの

 さて、上海の北側に流れるは中国最長の川こと長江である。この川を渡るには南京の町まで200km西へ進むかフェリーを使うかという2択になるため、迷わずフェリーへと乗り込む。一般道の橋がない方が悪いと思うの。

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 このターミナルで料金(10元=200円)を支払い

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 そのまま乗船させ、満車になったら出発するスタイル

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 対岸が見えない

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 これは橋なんか作ってらんねーっすわ

 30分かけて無事到着。午後も後半戦となると、今日の宿泊はどうしようかな〜と思いながらの走行になるのだが、長江南部の国道204号線はどういうワケか周囲に町が全く存在しない。

 16時半になっても宿はおろか、定食屋の1つも発見できそうになかったので、地元民に場所を聞きながら慌てて宿を探し始める。元はといえば、上海までの距離が思ったよりも遠かったことから、少しだけ長めに走ろうとした結果、最後に宿を見たタイミングが最悪であったという因果応報。

 ・・・・しかし、今日の本番はここから始まる。

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 沈む夕日に焦る思いを抱きつつ

 どうにか宿を発見するも、独房のように狭く汚い部屋で80元(約1600円)といわれ、ここまで頑張って宿を探した私としては、もう少し条件のいい場所に泊まりたいぞ!と色を出す。

 回り回って4件目。何故か今日は異様に値段が高かったり宿泊を断られると思ったら、どうやら外国人宿泊に厳しい市であるらしい。やっぱり上海が近いと厳しいのだろうか?

 宿のオヤジが自転車で旅行なんて大変なのにスマンなぁ・・・・と、いたく同情的な態度だったのだが、どうやらどこかに連れて行ってくれるらしい。

 きっと、公安のチェックが入らない宿泊施設を教えてくれるのだろう。そうに決まってる!と思い、導かれるまま着いていく私に一体どんな落ち度があろうというのか?

 連れて行かれた先は警察である。

 おいおいおい!別に私は犯罪者じゃないって。無職でニートなのを「フリーのカメラマン」といったくらいで逮捕される謂れはないでしょう?

 かと思いきや、どうやら宿のオヤジが公安に対して交渉をしてくれている模様。その場の雰囲気だが「コイツは自転車乗りで金ないんだよ。見逃してやってくれよ。」みたいなことを語ってる気がする。

 いいぞオヤジ!頑張れ。と、精一杯心からのエールを送るだけの蚊帳の外にいる当事者。

 警察もなんか色々な場所に連絡を取ってくれてるのだが、結果的には「外国人を安宿に泊めることはできない」という回答である。田舎のお仲間さんは、そこらへん適当でしたよ?

 私「そんならこの警察署の庭にテントを張らせてくれ」
警察「なんだと、外はすげー寒いぞ。無茶じゃないのか?」
 私「いいんだ、警察署の前なら安全だし」
警察「ちょっと待ってくれ、確認するから」

警察「よし分かった」
警察「オマエが泊まれるホテルは警察が教えてやる」
警察「なに、心配するな。料金はこっちで支払ってやるぜ。ぐはははは」

 そのまま先導するパトカーの後ろに着いて自転車で移動する私。何故か10km以上も走らされるのであり、これは上手い話をチラつかせて、誰もいないところでボコボコにするつもりなのでは?と思い始めた頃にホテルへ到着。

 あれ?今までで1番良い宿泊先なんですけど。本当に良いのでしょうか?

警察「コイツ自転車で腹へってんだよ。何か食べさせてやってよ」←的なことを話してる

 そのままホテルの厨房へと連れてこられ、何故か私が中華鍋を振って飯を作ってる!

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 海外始めての自炊はホテルの厨房で作ったチャーハンに

 あまりの展開に驚きっぱなしの私であるが、助けてくれた皆様、本当にありがとう。これも一重に私の魅力あってのことでしょうが、かたじけねぇ気持ちでいっぱいです。

 明日こそは余裕のある走行を心掛けよう!

 2014年12月21日(日) 走行距離142km 累計768km
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 中国8日目 上海北西70km・Meiliの町〜上海市内

 強烈にきれいな部屋での宿泊に、朝から出発したくない気持ち満載ではあったのだが、私も先を急ぐ身である。出発せねばとチェックアウトをしたところで一言。「朝食は無料ですよ。」

 うむ。私は先を急いでいるような気がするが、別にそんなこともない身の上であり、朝からきっちりおかわりしてきてやったぜ。無料の飯は美味いのだ。

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 本当に素晴らしい宿でした

 快晴の空の下、気分良くロシナンテ号を走らせる。世の中には様々な贅沢が存在するが、自分の好き勝手に多大な時間と金を使い旅行を続ける自転車乗りという人種は、相当に贅沢な旅をしていると思うのだ。わはは、い〜だろぅ

 とか煩悩満載の考えを改めさせるためなのか、目の前に出てくるわ大きな寺である。特段何か知っているワケではないが、大勢の観光客が群がっているのを見ると、ちょいと除きたくなるのが人情である。

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 おうおう、なかなか立派じゃねーの

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 良い表情してます

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 これは将軍ではないですか 赤兎馬を私に下さい

 そんな寄り道をしつつも、お昼頃には周囲の街並にも高層ビルが度々目に付くようになってきて、久しぶりの大都会に心ぴょんぴょんしてしまうというものだ。

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 マックにじゃない

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 もちろんハンバーガーにでもない

 なんか上海というと、超高層ビルが建ち並んでいるイメージだったのだが、そういう部分とは別に住宅街や問屋街といった区域も存在しており、超近代技術と昔ながらが渾然一体となっている感じで実に味がある。何事も一辺倒では駄目なのですよ。私のように酸いも甘いも経験して味のある人間になるのと同じですな。

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 高層ビルが立ち並ぶ

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 かと思えば自転車の路上修理とか

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 あ〜なるほど。全家ね

 さっさと宿にチェックインしようとするのだが、事前に調べておいたホテルガ馬鹿みたいに高級ホテルで泊まれましぇん。それならばと、第2案のユースホステルを確認して向かう。こうした自邸に対処できるのが出来る男という物なのだよ。

 しかしユースホステルは潰れていた。

 うそ〜ん。目の前で解体工事してるとか、どんなバットタイミングなんだよ!いいですよ、もう1件のユースへと行きますよ。

 しかしユースホステルは潰れていた。

 ・・・・あの、洒落にならないんですけど。探し回って20時を越えてしまったんですけど。何コレ?昨日で幸運を全て使い切ってしまった反動なのん?

 結局3件目のユースホステル、ホテルの数ならば7件目にしてようやく低料金でチェックイン。ホテルはね、沢山あるんですよ。でも私が宿泊できる安宿が上海の町には少なすぎると思うの。

 明日は上海の町で色々と。

 2014年12月22日(月) 走行距離132km 累計900km
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