自転車ときどき世界1周

カテゴリ:アジア > ラオス

 ラオス2日目 ムアンクアの町〜ルアンパバーンから北に約90km ムアンサイの町

 ラオスという別の国に来たんだなぁ・・・そう思ったのは、町でも自然を見た時でもなく自転車での走行中であった。この国、車やバイクの交通量が少なくて、走ることに全くストレスを感じない!

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 交通量は1/100くらいのイメージ

 基本的に山々の合間を抜けるようなアップダウンが連続する厳しい道なのだが、自転車のチェーンからでるジャッジャッというリズミカルな音に加えて、遠くから聞こえる川のせせらぎと風の音だけが聞こえる静かな世界。

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 そしていきなり出てくる派手な入口

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 ・・・の割に、しょっぼい建物とイカした仏像

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 道端で干してるこの草はなんという種類なのか?

 地図を見る限りでは道中にほとんど人里がないように思えるラオスであるが、実際は10〜20km毎に小さな集落が存在し、子供達が手を振ったり私に向かってハイタッチを要求してきたりする。おかげで左手がジンジンするぞ。

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 「ハロー」と声をかけられることは減った

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 その分ボディランゲージが増えたと思う

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 干してた草は売りに出す様子

 途中でスコール的な雨を避けつつ、ひたすら川沿いの国道2E号線を進む。そうなのだ。Eの存在が良く分からないが、この道は堂々ラオスの主要国道というわけだ。

 まぁ1kmにつき10mくらい謎の未舗装道路にチェンジしたりするのだが、さすが主要国道だけあって路面状態はしっかりしており、非常に走りやすい。多分、あまりにも交通量が少ないから路面が傷まないのだと思うが、素晴らしいことだ。

 意外にも大きな山を登るわけでもなく、今日も無事に走行終了の目処がたってきた。なんだよ〜、宿も無ければマトモな道もない。東南アジアの秘境だなんて、言葉が一人歩きしたってことかな?

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 とか思った途端にこの道である

 それまでの未舗装路率が1%程度だったのが、町まで20kmにして50%へと確立変動。あああ手が痛い、スピード出せない、足が重たいとロクな道じゃねえ!ラオスの道は噂に違わずへっぽこである。

 それでもどうにかムアンサイの町へと到着。なんというか文化レベルを心配するほどの田舎国家なラオスだが、一応先進的な町が存在するんですね・・・とか失礼なことを思う。でも3階以上の建物とか始めて見たし。

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 まぁ銀行でしたが

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 ゲバラも分からんが冴羽獠?も分からん

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 思いのほか良い感じに撮れた1枚

 久しぶりに野宿生活が続くかと思いきや、毎日安宿でWi-Fi天国。こんな環境に慣れていると、アジア以後で辛い思いをしそうな気もする。

 2015年2月12日(木) 走行距離106km 累計4758km
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 ラオス3日目 ムアンサイの町〜ルアンパパーンから北北東に約80km パック・モングの町

 正直、反省している。今まで散々「キツい道」だの「ワケ分からん斜度」だのと、走った道に対して文句を繰り返してきた。実際苦しかったし、道路を造ったヤツには手足を縛り付けて、全身くすぐりの計に処してやりたい気持ちなのは確かだ。

 しかし、それは「ちゃんとした道路」という範疇での話だったのだ。私は恥ずかしい。アスファルトの上を走行していながら、その恩恵を全く顧みずにいたなんて。ゴメン今は気付いたよ、当たり前じゃないことに。

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 まずは道に伝えなくちゃ(舗装していて)ありがとうを

 そう考えれば今日1日だって悪いことばかりじゃないのだと思えよう。最初と最後の10km以外、その行程のほぼ全てを未舗装路が占める道路を走れるだなんて、考えてみれば貴重な体験ではなかろうか?

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 それも主要国道ですぜ

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 雲間を抜けてもダート道

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 トラックが通ろうものなら凄まじい砂埃が

 めげそうな気持ちで自転車を漕いでいると、正面に見えるはやたらと荷物を積載した自転車乗りである。つーか、ラオスってサイクリスト多いな!こんなドM系の山岳国をわざわざ自転車で走ろうなんて愉快なヤツである。

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 きっと、お互い「アホなヤツだなぁ」とか思ってたんでしょう

 昨日出会ったサイクリストもそうだが、フランス人は自転車旅行が好きなのん?聞けば、私と同じく自転車での世界1周をするために遊び回っているらしい。「これから中国→ベトナム→カンボジアって回る予定だぜ、ガハハハ」とのことなので、上手くいけば再会できるかも?

 辛すぎる道にテンションがオカシクなっていたのか3回も4回も握手を交わして再出発。こんなアホな道を自転車で走ってるのは自分だけじゃない!そう思うと頑張れるってものですよ。

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 山の稜線にも村が点在する

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 いきなり「ニホンジン?」と日本語で話されて驚く

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 お昼の他に甘い牛乳とチョコで糖分補給

 ラオスは観光というか、ツーリスト的に秘境っぽさが溢れていて魅力あるのだろうか、ライダーの人にもよく挨拶をされる。話を聞くと、タイからバケーションでラオスを走り回っているらしく、島国の日本人にはなかなかマネできない遊び方だと思う。

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 今日はルアンパパーンまで走るそうだ

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 あはははは

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 どこまで行ってもこんな道

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 気付いたら足先が真っ白に

 出発してから約70km。ついに1km以上に渡って舗装された道が出てきた時の安心感といったら!気分的にはバックミュージックにオーケストラを流して盛り上げてもらいたい。

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 何年か後にはこの道も整備されるのだろうか・・・・

 シャワーを浴びることが、これほど嬉しかったのは久しぶりだなぁとか思いつつ、ラオスの夜。街灯とか存在しないので、宿と飯屋以外の場所を歩き回ることもできない健全な国である。

 2015年2月13日(金) 走行距離86km 累計4844km
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 ラオス4日目 パック・モングの町〜ルアンパバーンの町

 ラオスの子供達は、幼いながらも家の仕事の手伝いをしている姿を度々見かけて感心する。私が彼等の年の頃は、1日遊び回って、腹一杯飯を食べ、気ままに眠る生活を繰り返していたものだ。

 現在でこそ、1日自転車で走り回って遊び、3度の食事が何より大切、疲れてストレスも無くグッスリ・・・といった生活をしており、アレ?よく考えなくても私はラオスの子供達に鼻で笑われる立場ではないだろうか?

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 旅が終わったら本気出す

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 私のウェアも一緒に洗濯してくれんかね?

 ラオスは仏教国であるため道中で度々お寺を目にする。のだが、ラオスのお寺は原色がキツいというか、派手な色使いをしており、小規模な農村の中で一際異彩を放っており非常に興味をそそられる。主に変なモノ見たさで。

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 どこも入口は立派です

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 シー・・・サー?

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 ラオスの仏像は目が怖いヤツが多い

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 手足が6本ありますよ

 ラオスという国は基本的に山しかない(語弊有り)のだが、そうした景色を見て感動が続くのは、せいぜい3日が限界である。信号とか分かれ道なんて贅沢はいわないので、せめて道路標識くらい出てきてほしい。そんなことを思っていると、

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 チャリダー夫婦の登場である

 本当にラオスはサイクリストが多いな!ベトナムなんて2週間走って1人しか出会わなかったのに、ラオス来てから毎日チャリダーと遭遇する。どいつもこいつも坂道が大好きな変態チャリダーってことですね、そうに決まってる。

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 天気はコロコロ変化する そして信号機のない教習所

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 雨期に走る人は大変だろうなぁ

 実に本日すれ違った旅自転車乗りは3組。誰もが大荷物を括り付けて、大変な道をノロノロと走っているのであり不思議な仲間意識が芽生えるというものだ。

   私「わざわざ大変な国を走るな。キツいだろうに。」
デビット「いや、オレの母国のオーストラリアは超暑いからな!それに比べれば楽勝だ。まったくもって、今の時期走るのはクレイジーだぜ。」

 そうなのか、1人走ってるヤツ知ってるけど。

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 私も一緒に走ってくれる美女が欲しい

 驚くほど順調に走って世界遺産の町、ルアンパバーンへ到着。場合によってはルアンプラバンという人もいるらしいが、まぁ好きに呼べば良いんじゃね?

 超観光地なので、どちらを向いてもゲストハウスだらけ。とりあえず中心部にほど近いドミトリータイプのゲストハウスへと投宿する。私、デリケートなので見知らぬ他人が同じ部屋に寝ていると、熟睡できる自信がないんだよねー。とかのたもうていたが、他の宿と比べて料金半額なのでそんな意見は却下された。

 浮いたお金でビールが3本飲めまっせ?

 2015年2月14日(土) 走行距離118km 累計4962km
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 ラオス5日目 ルアンパバーンの町

 何だか世界遺産で有名な町らしいルアンパバーンなのだが、個人的にはその力の入れどころが微妙な名前こそがキモだと思っている。だって、ルアン・パバーンって。踏み込んだ軸足をボールの上に乗せてしまい、滑って倒れそうになった時の擬音じゃないんだから。るあん・ぱばーんっ!

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 何いってんだろうねH氏は

 ラオスの古都であるこの町は、ご想像に違わず大小様々なお寺が乱立する。小さな町なので完全制覇を目指すのも悪くないと思ったのだが、お寺ってさ・・・・数見てると飽きるんだよ。

 四国をお遍路して回った時も、全てのお寺を回って印象深いお寺は「道中の道のりがキツかった寺」なのであり、外観とか雰囲気なんてのは、よっぽど面白くないと覚えていない。むしろ、「暫くお寺は見たくない」と思ってしまう。

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 どうすか

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 お寺ですよ

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 なんかスゴいですよね〜

 でもこんなの大して気にも止めないものなのだ。そんなことよりも個人的には子供達が遊んでいたキックボードが、全く知らない形であることに衝撃を受けた。

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 なんと二股に分かれるんだぜ

 しかもこのキックボード、この開閉する力を利用して前方への推進力に変えることができる。私が知らない間に技術はここまで進歩していたのか、はたまたラオスの底力を目の当たりにしているのか不明だが、ハッキリしているのは私がオッサンだということだ。

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 見事な滑りをみせてくれた

 しかし何故に飽きるようなお寺をしつこく見て回るのか?と問われれば、そんなの面白いからに決まっている。仏像その他の魅力溢れる姿というものは、私の心を捉えて放さない。

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 がに股で良い表情してる

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 目が充血しすぎじゃない?

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 頭が刺さって動けなくなったでゴザル

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 こいつ、絶対夜になったら走り出すぜ

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 ああーっ、ストップストップ!

 こんな面白スポットを見られるなんて私は幸せである。さすが世界遺産は伊達ではない。

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 ちょっと盛り過ぎかと

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 思ったけど、まぁ確かに美味かった

 高い場所から見る景色は素晴らしいでしょう?といわんばかりに町の中心部には小高い丘がそびえており、そんなの登らずにはいられないじゃないか!ということで、入場料を取られても構わずずんずん進む。

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 ルール違反にゃ容赦しねぇぜ

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 本当に町なのはこの一帯だけですな

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 今日は1日よく歩きました

 2015年2月15日(日) 走行距離0km
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 ラオス6日目 ルアンパバーンの町

 移動するわけでもないのに朝6時に起床。まだ薄暗い外へと出るのは、ラオス名物らしい「托鉢」を見学するためである。

 不勉強である皆様に説明してやると、僧侶が町を歩き回って信者や観光客である我々から食べ物を貰う修行のことを指す。ようするに旅する自転車乗りが、日常的に行ったりしている行為に宗教色がプラスされた行事だと思えばまぁ正解。

 特にルアンパバーンでの托鉢は世界最大級の規模とのことで、私としても托鉢を体験してあやかりたいその神聖な精神性を学びたいと思った次第である。

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 しかし寒くないのかね(気温10℃)

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 皆さん早起きご苦労様です

 さて、今日も暑い。ここラオスでは日中の気温は25℃を越え、キツい直射日光に当てられて初夏の陽気を思わせる。そんなときには行水でもしてサッパリすべきということで、なんか有名観光地らしいクアンシーの滝に行くことにした。

 旅行店からツアーが出ているらしいが、片道30kmの道のりなんぞロシナンテ号がいれば全て解決である。そんなワケで水着だけを持っての気楽な移動。

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 道中は(これでも)栄えていて流石の観光地

 入場料の2万キップ(約280円)を支払い、奥へ進めば観光パンフレットの表紙を飾る美しい瑠璃色の水の風景・・・・

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 クマじゃん!

 何コレ?何が悲しくてツキノワグマを見なけりゃいかんのか。キミには登山の時に散々怖がらされた思い出があるから、あんまり関わりたくないんでしてよ。

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 ああ、ジャイアントパンダって大熊猫って書くもんね

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 とかやってるうちに到着

 2月のど真ん中だというのに平気で入水する人々。いくらラオスが熱帯地域だとはいえ、1年で最も気温が下がるこの時期に水に飛び込むなんて無茶というか無謀というか。とてもじゃないが正常な判断とは思えない。

 思えないのだが、何故か私は水着を持って来ているのであり、水着があるのに着替えないなんて愚の骨頂であり、オマケに飛び込み台があるのに行かないなんて、あるわけない。

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 馬鹿1号 行きまーす

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 うはははは、気持ちいい

 調子に乗り過ぎて膝を擦り剝いたりしたのだが、アレだ。名誉の負傷?ということで。

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 泳ぐのは認められてますよ

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 奥まった場所にクアンシーの滝

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 脇道から上まで登ることが可能

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 滝の上ってちょっと新鮮な景色

 十分遊んだので30kmの道を引き返し、今日も夕食はナイトマーケットへと繰り出す。このナイトマーケットは17時頃からルアンパバーンのメインストリートに広がる一大名物らしいのだが、その割には売り子のやる気がない点が素晴らしい。

 開始1時間を越えても、未だに品物を並べていない店や、客が来ないのか眠ってしまっている店員がいたりと、このゆるゆるした空気が、私のように日々を秒単位で必死に活動している者には心地いいのだ。

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 縁日を思い出す

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 どうしてコレを売ろうと思ったの?

 実は3日連続で夕食としているのが、1皿に食べ物盛り放題で1万キップ(約140円)という破格の店。どれだけ食べ物乗せても良いとのことで、自転車乗りとして本気の見せ所である!(ちがう)

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 すっげー下品な盛り皿

 同じ宿で一緒になった日本人の原くんにグダグダと絡みつつも、明日からは山岳走行の再会。まぁ毎日ビール3本は飲んだのだし、頑張れる気がする。

 2015年2月16日(月) 走行距離62km 累計5024km
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 ラオス7日目 ルアンパバーンの町〜ルアンパバーンから南南西に約40km 名称不明の村

 バックパッカー御用達のドミトリー式安宿だったので、深夜まで物音がうるさかったりしてなかなか寝付けなかった私。しかし、そんな事情は御構い無しに朝はやってくるのであり、気持ちとしては寝不足を理由にもう1泊延長したかったりする。
 
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 だってこんな山道走るなんて苦行でしかない

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 ラオスで道路標識を見るのは本当に珍しい

 無料のサービスの朝食を楽しんだ後、居心地の良かったルアンパバーンを出発。そうですね、今日からまた山道を永遠と上り下りする日々となります。もう山は十分楽しんだから、勘弁してほしいという理屈は通用しないんかねぇ。

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 朝の気温が低いのはいつものこと

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 日中になると30度近くの気温とキツい直射日光が疲れを倍増させる

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 何で下りのすぐ後に上らせるかな

 さて、ラオス北部に位置するルアンパバーンから中央部を南下して、次の大きな町であるビエンチャンへと進む道は2つある。1つは国道13号で、昔から使われてきたラオスの大動脈であると共に、厳しいアップダウンのルートとして有名らしい。

 対して最近新設されたらしい国道4号からのルート。未だ情報が少なく不明な点が多いのだが、まぁ新しいんだから路面も綺麗で走りやすいだろう!どうせなら私は新たな道を開拓したいぞ、一応ショートカットルートみたいだし。・・・・ということで、国道4号ルートを走ることにした。

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 まぁ山道なのは変わりませんが

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 存分にラオスを堪能中

 路面は整備されていて非常に走りやすいのだが、そういう問題じゃなくて暑い。坂がキツい。まともな規模の町といえるカシの町までは、ルアンパバーンから約130km程の距離であり、こんなアップダウンを繰り返して走れるわけない。というか普通にぶっ倒れそうです。

 仕方ないので峠手前の村にある食堂で昼寝。ラオスの人は優しいというか、空いてるスペースで横になりたいとお願いしたら、布団を持ってきてくれたりして大変恐縮である。

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 ここで寝さしてくれって、いう方もかなりだよね

 起きたら既に16時。この先60kmに渡って集落すらないとのことなので、適当な場所で野宿をすべく村の中を歩いて良さげな場所を探す。探すったら探す。

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 私もよくこんな感じで遊びました

 首尾よくお寺を見つけたので、境内に野宿をお願いしたところ快諾。よっしゃよっしゃ、とテントを広げようとすると「ホレ、こっちだ」と連れて行かれる先は

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 もはや野宿ではない

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 お寺って雰囲気が良いよね

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 しっかり夕食まで御馳走になる

 進まなかった13号線のことは分からないけれど、こうじて自分で選んだ道の先で、嬉しい出会いや出来事が会ったことが嬉しい。自分で好きな場所へと走れる自転車での旅だからこそ、「選んだことの喜び」ってのがあるんだぜ。

 2015年2月17日(火) 走行距離70km 累計5094km
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 ラオス8日目 名称不明の村〜ルアンパバーンから南へ約80km カーシーの町

 お寺って朝早いイメージがあったけれど、普通に6時半の起床。まぁラオス2月の日の出時刻は7時前くらいなので、遅くもないけれど。

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 朝から地元民たちが御祈りにきてるのを遠目から伺う

 仏教の作法とか様式を知ってるわけではないが、ラオスではお祈りを終えた人達は、持参した餅米を地面において水をかけるのが習わしらしい。何か意味があるのかもしれないが、そのお米は神様ではなく野良犬が食べてましたよ。

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 豪華な朝食も頂いて恐縮です

 丁寧にお礼をして出発。ここから先の道は今日も厳しい峠道。もう、ラオスの思い出はひたすら坂道を登っていたことになってしまいそうだが、実際この国で見たのは99%くらい山なので間違ってないわ。

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 写真だけ見てると本当良い国

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 山(を見るの)って良いよね 

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 この時点で3時間上ってる

 あまりにも厳しい道と気温の上昇でついに手持ちの水が切れる。お寺で補充させてもらっていたのだが、そんな程度でこの山を攻略しようとは笑止千万だったようだ。

 というか、今更25kmと1200mの獲得標高を引き返すって選択肢は存在しない。この先がどうなっているのか分からんが、私の本気をみせる時が来たようだ。

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 とか思ったら車の観光客が水をくれる

 辛い時には誰かが助けてくれる、そんな人生でありたいね。とか良い話っぽくまとめつつ、海外走行を始めてから最も高所である1900mの山頂へと到達。恐ろしいのはここから10km程度で1000m以上を下るスーパーダウンヒルが待ち構えていることだ。

 途中の写真など撮れるはずもなく、ブレーキを握る手の握力が心配になる程の急斜面を下り終えて一安心。あとでスピードメーター確認したら最高速度72km/h出てたのを見てあな恐ろしや。

 お昼に峠で出会った人達と再会する。大喜びしながら「これも何かの縁だ。持っていってくれ。」と再びバナナなどの食材を貰う。貰うのだが、

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 青汁とは渋いチョイスで実に素敵です

 彼等は先に出発していったのだが、私も一息ついて代金を支払おうとすると「さっきの人達から一緒に貰ったよ。」とのこと。何だよそれ〜、格好良すぎて泣けてくるじゃないか。

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 2月だけど夏の空っぽい

 正直全身ガタガタなので、これ以上走る気力も湧かずに早めの走行終了。ラオスはこのパターン多いのだが、次の町まで60kmも走る気力があるかっつーの!

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 やたら立派な宿でした

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 やっぱりサッカーは人気

 山は1人じゃ越えられないってことですよ。 

 2015年2月18日(水) 走行距離68km 累計5162km
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 ラオス9日目 カーシーの町〜ラオス首都ビエンチャンの町から北へ約110km バンビエンの町

 毎日限界ギリギリの走行で疲れきっているのか、ベッドから出たくない。布団の中で走行できない理由を必死に考えてみるのだが

 体調・・・・・・・快調
 自転車・・・・・・問題無し
 滞在期限・・・・・迫ってる

 ということで、出発しない理由が存在しない。仕方なしに荷物の準備をしていると、外から聞こえ始めたのは天の恵みかスコールの雨音ではないか!

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 いやぁ、雨じゃあ走れないですね?

 出発しない大義名分ができたので、もう思いっきりダラダラとする私である。スコールなので、30分も経ったら晴れ渡っていたけれど、私がそれに気付いたのは3時間後だった。あるある、そういうことあるよね?

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 Wi-Fi速いし居心地の良い宿でした

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 なお、道路は完全に乾いてた

 気持ちは前向きに後ろ向きなのだが、ここカーシーから南下する道にはもう大きな峠は存在しない模様。ラオスに入ってから毎日「この山を越えたら、ビールが待ってる!」とか思いながら自分を励まして凌いできたけれど、今日からはそんなゲロ吐きそうなのを堪えて走らなくても良いのである。ビールは今日も飲む。

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 ベトナムより耕耘機?の稼働率が高い

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 でも牛の方が好きだな

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 ラオスも平坦路だと好きになれそうな気がする

 カーシーまでは主要道路を外れていたためか、サイクリストとの出会いが無かったのだが、こうしてメインルートに戻ってみると続々と海外走行サイクリストと出会えて嬉しい。絶対数が少ないから、出会った時の喜び大きいのです。

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 65歳と54歳のペアラン

 ところで海外旅行するサイクリストって、日本以外ではアメリカ・カナダ・ヨーロッパの一部・オーストラリア・ニュージーランド・イスラエル・南アフリカあたりで総人口の8〜9割を占めてるイメージで、私が実際に出会った人達は全てこの例に漏れずにいた。

 まぁ国民所得とか自転車が移動手段として文化的に根付いているとか色々理由があって、こうした国以外での海外旅行サイクリストは極めて少ないのが現実なのだ。

 しかし話を聞けば、お二人は共にタイ人とのこと。東南アジアにもこうして海外を自転車で走る人達が増えているんだなぁ、とか思うと日本も負けてられん。もっとジャパン海外サイクリストを増やそうぜ!という気持ちになる。

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 何故かみかんみかんみかん

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 崖崩れとか怖くない?

 旅行者で溢れ返る町、バンビエンはスルーしようと思っていたのだが、週末は領事館が営業してない関係でビザの申請ができず、急いでラオス首都まで走る意味が薄い。

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 宿代25000キープ(約350円)ですし

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 ラオスにもコンビニは存在したんだ・・・・

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 ごろ寝スタイルのカフェや食堂が多い

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 もう、山に上らなくても・・・・いいよね?

 2015年2月19日(木) 走行距離61km 累計5223km
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 ラオス10日目 バンビエンの町〜ラオス首都ビエンチャンから北へ約60km ポーンホーンの町

 ラオスという国はとにかく町の規模が小さい。ここバンビエンの町も、ラオス的には一大観光地としてかなり欧米観光客に向けた建物が建ち並ぶ「ラオスっぽくない町」なのだが、そんなのは中心部から1kmも走ると消えてなくなる。

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 そんでこんな景色が続く

 本当に山と農村の国なのだと実感するのだが、流石に首都に近づいてきたためか近代的な建物もチラホラ目に付くようになってきて、先進国を代表するもやしっ子の私としては非常に嬉しい。

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 ラオスで工場を見ることは滅多にないんだよ

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 コンビニという存在のありがたさときたら

 常に山の上か山間部を走行していた道の印象だったが、周辺に見える高い山々が見えなくなりいよいよ平野部に突入したことを実感する。これなら、これならラオスでもやっていけるかもしれない!

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 ヨーロピアンは夫婦で走るサイクリストが多い

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 ちょっと今会議中!

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 大分山が低くなってきたのん

 なんか出会うサイクリストが多いので、簡易的に写真乗せているだけの感じだが、実際には自転車乗り同士で出会うとそのまま楽しく熱い情報交換と、メールアドレスやfacebookの連絡先を交換したりで私の中では一大イベントとして刻まれている。やっぱり旅行は人との出会いが楽しい。

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 世界1周をすでに2年続けているらしい

 ちょいと宿を見つけるのに苦労しつつも無事、食堂併設の宿に投宿。シャワー浴びて一息ついたので食事にしようと食べ物を注文するが

おばちゃん「わるいね〜、食材なくなったわ」
私    「おいおいおい、他に食堂ないのかい!?」
おばちゃん「この道2kmくらい先にあるよ」

 時間、18時過ぎだったんだけどな。ラオスは甘くない。仕方なく周辺を歩いていると、何やら華やいだ雰囲気のテーブル群を発見し近づいてみる。

 どうやら本日結婚式の一般民家だったのだが、新婦の兄貴が「折角なので余ったビール飲んでけ」とオススメされ、近くの飯屋までバイクで送ってくれた挙げ句に食事を奢ってもらう。大変恐縮ですとか思っていたら、

兄貴「オマエ、お寺は好きか?」
私 「お寺?(無料で泊めてくれるから)好きだよ」
兄貴「よし、じゃあ行こう」

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 何故か煌びやかなお寺へ

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 旧正月のお祭りなんですかね?

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 ダーツを投げて風船を割るゲーム

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 普通に賭博屋台が営業中

 立派なステージではミュージシャンと思われる人達が演奏中。何歌っているのかは全然分からないけれど、まぁビール飲みながら聞いてる分には悪くない。兄貴の友人達もわらわらと集まってきて、気付けば10人近くの集団に。

兄貴「じゃあ、躍るか」
私 「ですよね〜」

 何がなんだかさっぱり分からないが、日本人代表として彼等に遅れをとるわけにはいかない。私の華麗なスッテプでラオス人を圧倒してやったりとか、ふらついて転びそうになったりとかしつつ遊び倒していた夜。

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 ラオス美人と一緒にダンシング

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 謎のテンション

 結局23時まで飲み遊びまくってバイクに乗せてもらいゲストハウスへ。兄貴ぜったい飲酒運転だけど、ここは黙っておこう。いやまったく、ラオスって甘くない?

 2015年2月20日(金) 走行距離96km 累計5319km
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 ラオス11日目 ポーンホーンの町〜ラオス首都ビエンチャンの町

 日付変更してからの就寝だったので、流石に朝起きるのが遅い。というかラオス後半は明らかに体に疲れがたまっている感じで、朝は鬼門だったりする。それでもどうにか7時過ぎに起床。

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 壁にはヤモリがいる素敵なゲストハウス

 とにかく首都のビエンチャンに到着すれば、そこはタイとの国境の町でもある。最後の力を振り絞り、気合いを入れて3時間程ダラダラした後、いざ出発!・・・である。

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 でもこうしてカフェしてるサイクリストと出会ったりする

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 空が(東京とは別の意味で何も見えなくて)広い

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 アップで見ない方が良いかと

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 こんなの持て余すんじゃね?

 やはり、一国の首都へと向かい走っているからか、周囲に見える建物がどんどん洗練されていくのが良く分かる。田舎の農村部ではガソリンは商店でペットボトルに詰めて販売しており、色々と危険を感じたものであったが、ここではそんな心配は要らない。

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 なんと立派なスタンド

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 一方田舎ではこれがデフォルト

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 ラオスで信号機を始めて見た

 町まで残り10kmを切り、最後の一踏ん張り!という所でパンク。ラオスに入っての初パンクは厳しい山の上でもなく、悪辣なダートでもなく、案外こんな場所で発生したりする。きっと、最後まで気を抜くな!というメッセージだと解釈しておこう。

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 車の工場で修理させてもらった

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 これは、「あぱーとめんと」って言うんだよ

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 恐らく客の9割は外国人であろうスポーツサイクルショップ

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 日本食屋もたくさん見かけた

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 5階以上の超高層ビル

 ルアンパバーンでちらっと出会った日本人サイクリストの佐々木さんと偶然同じ宿で再会する。ビールやラオス酒片手に話すことの楽しいこと!やはり、同じ海外を走るサイクリストだけあって、苦労も楽しさも直に分かり合える。犬って聞いて「追いかけられたよね〜」とすぐに出てくる喜びっていうかさ。

 とりあえず明日からしばらく休息する。

 2015年2月21日(土) 走行距離79km 累計5398km
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