自転車ときどき世界1周

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 タイ35日目&ミャンマー1日目 プーナムロンの町〜タイ国境から西に約100km ダウェイの町

 久しぶりのテント泊だったが思ったよりも良く眠れて一安心。前回テント泊した時は、暑すぎて全身汗まみれになったりと大変だったので事なきを得たという感じか。

 とりあえずカフェの敷地内にテント張っていることもあり、朝6時には起床して撤収作業に勤しむ。野宿するものとして、周囲の人にできるだけ迷惑をかけないようにするのは当然のマナーですから!

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 「車中泊するヤツはこの駐車場をレンタルしてる」のだそう

 ミャンマーの情報を聞くと、ミャンマー側の国境ティーキーからダウェイの町までは最悪な道らしく、「ムーンロードだぞ」とか「ノーロードだから走るの止めとけ」と諭され、オッチャンが手配する乗り合いバスに乗っていくよう勧められる。

 まぁ相当ヤバい道らしいと私も情報を入手していたし、ここは無理せずオッチャンの言葉に従うこととする。ほとんどお金持ってないけど、まぁなんとかなるでしょう。

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 オッチャンと、一緒のバスに乗るタイ人のトニー

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 トランクスペースに自転車を積載

 準備万端!オッチャンから貰ったバナナもあるし、いつでも出発できますよ。・・・というところから約3時間、乗客が揃うまで永遠と待たされることになろうとは。なに、バックパッカーの人っていつもこんなご無体な時間を過ごしてるの?

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 11時過ぎになってようやく出発

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 ミャンマー国境を越えると途端に未舗装路へ(ミャンマーイミグレは撮影禁止)

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 なるほど酷い道である

 未舗装路なのは勿論として、尋常じゃない斜度のアップダウンが続く道。ミャンマー側イミグレの職員も「自転車?オッケーオッケー通って良いよ。」じゃなくて、再考を促した方が良いんじゃないかと思うレベル。

 聞いたところではミャンマー国境が開放した関係で、フィリピンから続く重要な物流の道となるため5〜10年計画で整備を始めるのだそう。「そのうちプーナムロンも交通量が増えてデカい町になるぜ!」とはオッチャンの言葉だが、現状はただの辺境の田舎道である。

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 後半は川に沿って進む

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 ようやく舗装路に変わったのは100km近く走ってから

 これは自力で走行してたら3日はかかるであろう厳しい道だったと思われる。バスに乗ってワープするのは楽チンだし速くて良いのだが、ちっとも道中面白くないのが難点ですね。

 最もこの道を自転車で走行していたら、1000回単位で呪詛の言葉をまき散らしながら「何で車に乗らなかったのか・・・」とか思い続けることになるだろうから大して変わらんけど。

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 ワープ距離は約140km

 約6時間を掛けてダウェイの町へ到着する。とりあえず道中色々と面倒を見てくれたトニーが今日の宿をブッキングしようぜというのでお言葉に甘えさせてもらう。現地の言葉がわかるトニーがいると、様々な手続きが迅速に完了してありがたい。

 ついでにWi-Fiの普及率が低いへっぽこ国ミャンマーの旅行に備え、simカードも購入する。ほとんどの作業をトニーが進めてくれるので、負んぶに抱っこ状態の茶壺である。知ってるか?他人を信頼して全て任せるってのは強い意思の力が必要なんだぜ。

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 ミャンマーは宿代が高い

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 5000チャットが最高紙幣らしくお札が嵩張って困る

 明日から超田舎地域の走行が続くのだが、Wi-Fiどころか3G回線すら通じるか怪しい模様。とりあえず道路が舗装されてることを祈りつつミャンマー走行の始まりである。

 2015年5月5日(火) 走行距離7km 累計10949km
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 ミャンマー2日目 ダウェイの町〜ティーキー国境から北西に約150km タイアモールの村

 朝7時に起きたと思ったら6時半だったでござる。昨日ミャンマーへと入国して時差が30分発生していたのであり、なんだか得した気持ちになる。

 色々と助けてくれたトニーは、レンタルバイクで周辺の海を見て回るとのことでお別れ。自転車旅行者は基本的に他の旅行者と一緒に行動するのは都市に滞在中のみであり、ほとんどの時間を1人で過ごす。とはいえ別れはちょっと寂しい。今のご時世Facebookやメールですぐに連絡を取り合えるけどさ。

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 正面から見るとゲストハウスだが

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 看板表記から発見するのは至難の宿

 さてミャンマーという国のイメージは、最近まで軍事政権国家で「なんか怖い」程度の認識しかなかったのだが、いざ走行してみると「なんかへっぽこ」という何とも緩やかで田舎の風景が続く国である。

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 あと東南アジアで一番お寺を見かける

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 東南アジア特有の運搬方法

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 日本の中古車が多いこと

 午前中に3度もスコールに降られ、その都度近くの店へと避難する。すると真っ昼間から酒飲んでるオッチャン達が「何処から来た!」と構ってくれるわペットボトルくれるわで飽きさせない。ちなみに「日本だぜ」と答えると、かなりの確立で「AJINOMOTOの国か!」みたいな返事が返ってくる。東南アジアで味の素浸透率は異常だと思う。

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 良いヤツばっかり

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 なんか曇り空だったりしても

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 すぐに天気が移り変わるので安心はできない

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 野生の豚はベトナム以来かな?

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 きっと他国のODAだ へっぽこミャンマーがこんな橋を造るはずがない(偏見)

 ミャンマーはベトナムやラオス程には子ども達から声をかけられない。1日30回くらいだろうか?スターとしては不服だが、その分対向する車両やバイクからの声援が多い。これは他の東南アジアの国にはなかった特徴であり、なかなかこの国のドライバーやライダーは見る目があるじゃないか!と私が太鼓判を押しておく。嬉しいべ?

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 こんな景色だけど集落の数は多い

 さて、ミャンマーは観光地以外の田舎には宿が存在しない模様。必然的にテント泊を余儀なくされるのであるが、基本的にはこの国で野宿は御法度。ということで食堂やデカい庭の家に突撃し「敷地にテント張らしてくれ」大作戦を実施する。当たって砕けろだ!何度か繰り返せばOK貰えるだろう・・・という見通しの甘い作戦である。


 〜1回戦:食堂にて〜

   茶壺「夕食ついでに裏庭にテント張らせてくださいな」
オッチャン「駄目だ。ここじゃ危ないからウチで寝ろ」

 作戦しゅう〜りょ〜。というか良いのか?私は善良で素晴らしいニート旅行者だが、それでもこんなにアッサリと泊めてくれるとは思わなんだ。布団も出してもらうわ、ビール買いに行くといったら無料で3本も出してくれるわで申し訳ないぞ。

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 ちなみにタイ産のビールだった

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 あと子どもがワラワラと集まってきた

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 可愛い奴らめ

 肝心の食堂は営業終了してたので、改めて夕食を食べようと向かいの食堂へ。日本人が珍しいからか、単に暇なのか話しかけてくるオッチャン。

   茶壺「ここで夕食を食べたいのです」
オッチャン「ここは営業してないぞ。だからウチで食べろ」

 ミャンマー人、あまりにも親切すぎてビビる。私の名誉のためにいっておくが、私は自分から1度たりとも物を欲しがったりしたことはない。これはら全て、今までに私が出会った人達が素晴らしいだけのことであり、そこんところ勘違いしないでほしい。

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 ミャンマー料理は油が多め

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 明日の朝食も用意してくれるって

 走行2日目にして、このVIP待遇。今後の走行で「親切を受けて当たり前」と勘違いしちゃうのでないか心配になるレベル。もっと沢山の人がミャンマー自転車旅行して、この国の良さを広めれば良いと思うの。

 2015年5月6日(水) 走行距離107km 累計11056km
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 ミャンマー3日目 タイアモールの村〜ティーキー国境から北北西に約220km ラメイングの町

 ミャンマーの田舎は電気が使える時間が限られているようだ。普通に夜9時を過ぎたら家の中全ての電源が使用不能になったので、案外自家発電方式なのかもしれない。どちらにしても、寝てる間にPC充電すれば良いや・・・と、思っていた私の目論みは見事に打ち砕かれたのである。

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 ゴザで寝るとか新鮮な体験でした

 昨日約束したのでオッチャンの家へと向かい朝食を御馳走に。なんだか随分人数が多いのだが、ミャンマーには近所の人達が寄り集まって朝食を食べる風習でもあるのだろうか?そんなことを考えつつ、ご飯は3杯食べた。

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 顔に塗っているのは「タナカ」と呼ばれるモノ

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 女性が多いが、男性が塗ってることもある

 オッチャンにこの先の旅の予定を話して聞かせたところ、私の旅の安全を願ってお祈りをしてくれた。なお最後にアーメンっていってたからキリスト教だ。ミャンマーは仏教国だけども、この家はキリスト系の人達が集まっているみたい。

 オッチャンとがっちり握手して出発する。昨日と打って変わって太陽光が照りつける厳しい天気。しかしミャンマーの本当の厳しさは、道の凸凹っぷりと小刻みなアップダウンにある。これが地味〜に体力を消耗す上に、道の先まで波打っているのがよく見えるので、精神的にもかなりキツい。

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 景色は最高なんだけどなぁ

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 これは峠だった(標高350mくらい)

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 山頂には軍の検問

 他の国と比較してミャンマーは検問による交通チェックが非常に多い。ここら辺からも軍事政権の影響が・・・とか考えてしまうが、実際に相対する人達は至って緩やかだ。とりあえず待たされた場合には水を貰って水筒に補給作業とかしている。

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 昼食

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 サービス

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 休憩した時のサービス

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 こんな道なら日陰もできるかと思うのだが

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 大体こんな道になってしまう

 16時過ぎに分かれ道で、先へ進むか近くの町で終了するか悩んでいると「こっちこい」と招かれる。奢ってもらったレッドブル飲みながら道を聞くと、町には安い宿もあるし、町を案内もしてくれるとのこと。ミャンマーでは毎日何かしらのイベントがあって飽きさせず面白い。

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 ということでパゴダを案内してもらう

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 制作者も笑いを取ろうと思ってるよね?

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 お祈りしてる人はたくさんいた

 紹介してもらったのは100%地元の人間にしか見つけられないだろう、地元の人が自国の人のために開いているのだろう宿。久しぶりに独房のような安くて狭い部屋を楽しむことにする。

 案内してくれたオッチャンは夕食も付き合ってくれたのだが、「明日の朝食は6時で良いな?飯食べ終わったら、分かれ道まで見送るぜ。」と言い残して去っていった。どうやら明日は5時起きしなくてはならない模様。本当にイベント豊富な国である。

 2015年5月7日(木) 走行距離101km 累計11157km
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 ミャンマー4日目 ラメイングの町〜ヤンゴンから東南東に約160km モーラミャインの町

 へっぽこ宿で気持ちよく就寝し5時半に目覚める。というか、その時間に薄い壁1枚挟んだ食堂から大騒音が流れてくるので強制的に起こされたというのが正しい。

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 とりあえず蚊を避けれれば良し

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 なお、この宿

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 線路を渡った駅の隣という好立地だったりする

 6時過ぎに食堂行ってみるも、オッチャンの姿は見つからず。ということでスルーしてそのまま出発。現実は案外こんな感じで折り合わずに分かれることも、しばしあるってことですかね?

 スタート時間が早かったので、午前中の涼しい時間帯に距離を走っておく・・・という理想的なプランがようやく実現する。大抵の場合、面倒くさくなったり起きるのが嫌になったり、はたまたやる気がなかったりで物事は計画通りに進まないのであるが、見事に邪魔な障害を取り除き、こうして走った結果だといえよう。

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 野良牛を見るのは決まって田舎

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 10時の時点で50km強を走破

 東南アジアで水分補給に苦労したことは、金銭的な意味も含めてほぼないのだが、そんな中でもミャンマーは水の入手が抜群に簡単でありがたい。町でも何処でも、壺やウォータータンクに入った「無料水」というのが無数に設置されていて、勝手に汲んで良いらしい。

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 こんなの

 何日放置されているのか不明な水なので、個人的に利用したくない水ではあるが、味自体は普通のヌルい水で問題ない。お腹が痛くなるようなこともない。私は飲む気しないが、オススメである。

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 休憩でコーヒー1杯頼んだら、こんなに出てきた

 ミャンマーの道も3日目で、景色に飽きてきたかといえばそんなことはない。この国は雄大な自然にプラスして、ちょいちょい笑えるポイントが出現するのであり、単調になりがちな自転車旅行に彩りを与えてくれる。

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 いきなり造りかけの巨大仏が出てきたり

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 山のてっぺんにお寺が出現したりする

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 エレベーターとかありませんかね?

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 中規模の町にはゲストハウスもチラホラとあり

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 ビール好きとして恥ずかしながら、未だこのビールを飲んでいない

 ようやく「都市」と呼んでも恥ずかしくない規模の町へと到着する。それまで皆無であった欧米人バックパッカーの姿が急増した辺り、ツーリスティックな町なのでしょう。そういう町は決まって洋風の町並みに作り替えられており、今までの地域とのギャップを感じずにはいられない茶壺である。

 この旅で始めて「部屋が満室だよ」と断られたりしつつも、普通に投宿。今日も部屋のスペースが8割ベッドという素敵なお部屋で8$も取られたけれど、私は元気です。この国にベトナムの安宿を見せつけてやりたい。

 2015年5月8日(金) 走行距離131km 累計11288km
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 ミャンマー5日目 モーラミャインの町〜ヤンゴンから東北東に約120km ビリンの町

 旅行の最中に目覚ましをセットすることは基本的にない。特別決められた時間に起床する必要があるわけでもないし、大抵の場合は7時前には勝手に目が覚める。テント泊ならば朝日が眩しくて寝てられない。

 そんなワケで朝起きることに関しては、それなり程度に自負があったのだが、本日目をあけて時計を確認してみれば8時なのである。走行日でこの時間に動き始めるとは、なかなかやる気のなさを振りまいている。夏休みの宿題よろしく後で後悔するのは自分だけども。

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 久々にネットが使えたことが悪い

 宿泊料金に含まれている朝食を済ませ、やや急ぎ気味に出発である。「自転車乗りは急がない」とかいうけれど、ある低度走らないと地平線の続くミャンマー荒野で夕暮れを迎え、野宿かナイトランかの最悪な2択を選ぶようなことは極力避けたい安全志向の茶壺である。

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 やや大きめの橋を渡る

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 自転車は無料であり素晴らしい

 ミャンマーの中心都市(首都ではない)ヤンゴンへ近づくにつれて、明らかに道路状況が改善されていくのが分かる。無数の凸凹や穴ぼこが消え、1車線強しかなかった道路幅が中央線の描かれた対向車線の道へと変化する。へっぽこな国ほど地方と中央との落差が激しかったワケだが、ミャンマーもその例に漏れず中央は豪華絢爛のようである。

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 パゴダは常に黄金

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 走っていれば色々なパゴダを見かけて飽きさせない

 正直、仏教国を回り続け同じような寺ばかりで寺院は見飽きた感があったりするのだが、ミャンマーのパゴダは手を変え品を変え見る物を飽きさせない努力を感じる。ある意味で、狂気というかはっちゃけてるのも感じるな。

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 なんていうか、センスがね

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 こういう真面目な寺院に混ざって

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 いきなりコレが出てくる世界観

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 金沢市消防さんお疲れさまッス

 スタートが遅くても路面状況が良いのでずんずん進む。こんな書き方をしていると、早く目的地に着きたくて仕方ないように思われるかもしれないが、まぁ暗くならなければ良いのだ。ゆっくりと走らないと見えてこない風景というのは確かにある。

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 日本の美を造るinミャンマー

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 本日の無料水

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 食堂にて

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 ミャンマー消防は忙しいかね?

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 このプリン、日本と変わらぬ美味さでビビった

 こんな感じでフラフラと寄り道をしてれば、自然と目的地にも到着できるというモノであり、私の真面目さが伺える一例だといえよう。

 中規模の町、ビリンは地図上にゲストハウスすら記載されてない町ではあるが、道ゆく人を適当に引っ捕まえて「チープホテル」とか「ゲストハウス」とか連呼していればどうにかなる。実際今まで5ケ月以上どうにかなってきた私がいうのだから間違いない。

 親切なミャンマー人がバイクで案内してくれ本日も無事に安宿へ到着。何と料金3000チャット(約330円)と破格の料金。多分、今までの中でも最安値を記録していると思う。

 これはその分ビールを飲め!というメッセージと受け取り、4本ばかし愛飲する。しかしせっかくミャンマーなのに、タイ製のビールしか販売してないのはどうかと思うのですよ。私はビールも含めて地元生産のモノを飲み食いしたいタイプである。

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 セパタクローって始めて見た

 2015年5月9日(土) 走行距離115km 累計11403km
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 ミャンマー6日目 ビリンの町〜ヤンゴンから北北東に約70km バゴーの町

 300円で泊まれるような安宿は、やっぱりそれなりのクオリティなわけで、夜になっても室内の熱気が全く抜けず何度も目を覚ます。終いにゃ何処から入ってきたのか蚊に刺されるわ、停電で扇風機動かないわと至れり尽くせりの状況となり、5時半の強制早起きとなる。

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 安いなりの理由があったね

 そんなワケで6時半とかなりの早朝サイクリングをする茶壺であるが、ミャンマーの国民は朝が早い。食堂は既に営業しているし、付近の住民は当たり前のように生活や仕事なりを行っている。やっぱり日中暑いから、朝夕の涼しい時間帯を有効に使うようにしているのかしらん?

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 牛も働くどころか

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 なんと像も働くミャンマー

 朝食を何処で食べようか優柔不断に迷っていると、何やら前方からやかましい音楽が聞こえてくる。別に興味をそそられなくても1本道なので脇を通ってみれば結婚式の真っ最中だったりする。まだ午前7時半だけど。

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 朝早いのは良いと思います

 興味深く写真を撮って中を覗いていると、「いいからこっち来てオマエも料理食べていけ!」と連れ込まれる。いや〜、自転車乗りって無茶苦茶食べますけど構いませんかね?

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 よっしゃ、本気出すわ

 阿呆みたいに食べまくり御代わりしまくっていると、新郎新婦が声をかけてくる。あははは、おめでとうございます。この日に式を開いたおかげで(私的に)素晴らしい体験ができました。ありがとう、そしてありがとう。

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 ちゃっかり記念撮影

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 デザートもキッチリ頂く

 なんか参加者は満腹になったら適当に引き上げるようで、私もその例に習っておいとまする。良い結婚式でした、私の胃袋的に。

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 流石にカラオケまでは出しゃばらなかった

 気持ち改めて走行再会である。・・・のだが、山岳地帯を抜けてミャンマー中央部へと突入すると、目に映るのは地平線まで伸びる道路と畑。アップダウンがなくなり体力的には楽であっても、変化の乏しい道は精神的にかなりキツい。

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 なにか楽しいものでもないかと探してみれば

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 コレ、大分昔のAirってゲームキャラじゃね?

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 私はこれを「2階建てバス」と呼んでいる

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 今にも壊れそうなクオリティが素敵

 どうにか退屈な道を走りきり宿へと投宿する。ここ数日続いていた監獄か独房か?といった宿ではなくマトモに泊まりたいと思える良い宿に胸を撫で下ろす。デリケートなタイプの自分としては、宿にはこだわりたいのです。具体的には値段の安さに。

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 ご褒美ミャンマービールをのみつつ

 この後偶然日本人の人達に会い、ミャンマー情報を色々と教えてもらう。明日以降ヤンゴンへ到着した後、どのように移動しようか考えたりビール飲んだりしつつ就寝。

 2015年5月10日(日) 走行距離122km 累計11525km
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 ミャンマー7日目 バゴーの町〜ミャンマー最大都市ヤンゴン市内

 理由は全く不明だが、夜中に謎の腹痛である。ミャンマーの油っこい食事、ガンガン飲んでる生水、連日の酷暑の中で100km以上の走行。ヤバい、心当たりが多すぎて何が原因なのかさっぱり分からない。というか原因なんぞ分かっても生活態度を改めるつもりがないので意味ないが。

 進退決めるべく9時まで部屋にて悩んだが、同じように駄目になっているにしてもヤンゴンの大都市にいる方が何かと都合が良かろうと考えて出発。別に部屋のエアコン主電源が落とされたことは関係ない。

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 痛みを堪えつつの走行となる

 こういう状況で自転車乗りはツラい。体力勝負なので食事をとらねば動けないのだが、胃袋にモノを入れると下してしまう。どちらが正解なのかは知らないけれど(前職では救急畑の人間ではなかった)、とにかく食べないことには動けない!ということでかなり無理して朝食を詰め込む。

 相席したミャンマー人が色々と話しかけてくれることが多いこの国だが、ゴメン今日はちょっと朗らかに対応できそうにない。

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 それでも検問所を越え

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 壺の脇を走り

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 ゴルフ場かよ!を通り過ぎるが

 駄目、お昼の時点で25km。ガソリンスタンドでトイレ借りつつベンチでダウンしてたら店員のオバちゃんが水をくれる。曰く「顔色悪いから、もう今日は近くのホテルで休んだ方が良いわよ」とのこと。ですよね〜

 景色も楽しめないし、面白いもの見つけても写真を撮る気力も出ない。これでは自転車に乗ることが単なる苦行に近いのであり、私も素直に休むべきだと思うのだが、「一度来た道を戻るのは嫌」なのでとりあえず先に進む。なおこの時点でどうせヤンゴンまで走りきってしまうのだろうと思ってた。

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 何でか知らんが端の車線だけ整備状況が悪い

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 もうちょっと考えて停車しんしゃい

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 この商店で1時間動けなくなってた

 昼過ぎからはとりあえず痛みがなくなったのでペースも上がるのだが、油分が多いミャンマー料理は胃に来るので水分以外を取らずに走行。

 自転車ってカロリー消費がかなり甚大なスポーツなのだが、空腹状態で走っているので全身に力が入らないのがよく分かる。でも食べると下しちゃうんだよね〜とか思っていると、前から来たのはスペイン人サイクリスト。

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 ほったらかしのヒゲが何ともワイルド

 面倒くさい手続きが必要なインドへと抜けられる、陸路では唯一の国境を渡って西回りにヨーロッパへと戻る途中なのだそう。とりあえずヤンゴンの安い宿と市内の地図を貰って分かれる。サンキューです。

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 ヤンゴン近づいてきた

 振り絞る力もないけれど、最後の一踏ん張りで市内の交通渋滞を抜けてゲストハウスへ。1泊15$でWi-Fi無し、アメニティセット無し、何とトイレに紙も尻洗い水(田舎地域ではペーパーなんて存在しない)もなし。コストパフォーマンス最悪で普通なら断っちゃうけどそんな贅沢いってられない。

 とにかく宿確保したことだしエネルギー補給すべく周囲を歩き回る。ついでに市内中心部にあるスーレーパゴダの写真を撮りつつ最低限の作業だけして倒れるように就寝。自業自得ではあるが何とも大変だった1日である。

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 活気ある食堂

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 食べる分には問題ないのだ

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 金ピカパゴダ

 2015年5月11日(月) 走行距離84km 累計11609km
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 ミャンマー8・9日目 ヤンゴン市内

 さて、昨日無理してヤンゴンまで走りきったのは、「タイビザを取得するため」という側面が非常に大きい。ビザは申請してから受け取りまでに時間を要する場合も多く、オマケに土日祝日は大使館が営業していない。

 ヤンゴンのタイ大使館で入手できるタイビザだが、そもそもタイという国は日本人がノービザで入国できる(現在は1年で2回まで)こともあり、仮にタイビザを取得するとしてもラオス等のタイビザ入手が容易な国へと人が流れてしまうため、私のようにミャンマーでタイビザを取ろうとする人は珍しい。必然的に情報も少なくて困りものである。

 そんなワケで当たって砕けろの精神でタイ大使館へと向かう。まぁ申請書なんて分からなければ周囲の人に聞けば良い。何いってるのか分からなければ英語が使える人を見つければいい。むしろ英語もよく分からなかったりするのだが、タブレットで翻訳すれば良いじゃないか!・・・という穴がボコボコの完璧な準備で大使館へ向かう。

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 ちょっと、人多すぎ

 私が個人的に嫌で仕方ないのが「人混み」と「行列」である。炎天下の遊園地とか、お金貰ってでも行きたくない場所の1つだ。しかしこの行列に並んでタイビザを入手しないことには、私はそもそもミャンマーを自転車で脱出することができない。しぶしぶ最後尾へと移動する茶壺さん。

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 申請書 分からない箇所は適当に・・・・

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 朝9時開館で200人くらいいたと思う

 1時間半ほどでやっと私の番に。「よろしくねー」と用紙を提出すると、

受付「飛行機のフライトナンバーはいくつですか?」
 私「ハハハ、自転車で陸路国境を越えるから、そんなもんないでござる。」
受付「では国境沿いの宿の宿泊予約記録を合わせて提出して下さい。そうじゃないと受理できません。」

 (いやいやいやいや宿とか毎日適当だし、野宿したり現地人に泊めてもらうこともあるし、そもそも自転車は好き勝手なペースなのだから宿の予約なんて非現実的だってゔぁ!)

 私「どうしても、駄目?」
受付「次の人〜」

 非情である。その場でタブレットにて適当な宿を予約したが、「書面にして持ってきて」と一蹴される。かくして私は何の成果も得ることができないまま、新たにチェックインした宿へと戻ったのである。


 翌日。大使館リベンジの日。今度はキチンと宿泊先書類も用意しての来訪だ。これで追い返されたりした時にゃあ、私も怒りのあまりに次の来訪時にランボーの格好とかしてきかねん、勝負の大一番である。

 やっぱり1時間以上並ばされて申請へ。ドキドキしながら用紙を渡し、ものの5秒で受付終了。料金の40$を支払って翌日の引換券を貰い引き上げる。あれ?こんだけ引っ張っといて今回は拍子抜けするほど簡単に終わったよ?本当に明日ビザ入りパスポート貰えるのか不安になるな。

 ともかく一仕事終えた気分で付近を散策。暑いのでショッピングモールへと避難し、物色したり速乾Tシャツを買ったりする。

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 ミャンマーはかなり親日だと思う

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 フィギュア置いてる店もあるし

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 SAMURAIの店もある

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 でも惜しい!それは死神。そして何故か中国語

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 ミャンマーで初の書店を発見するも

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 ビルマ語もさっぱり分からん

 隣国のタイではあんなにマンガが普及していたのに、ミャンマーでは大型書店であっても一切その姿を見せず。アジア圏で全くマンガの姿がなかった国は今のところミャンマーだけであり、如何にこの国が鎖国的なあり方をしていたか垣間見える一例だといえよう。

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 日本食屋は多いのに

 さて、ヤンゴン市内に来てからというもの非常に気になってたビールがある。その名を「Diablo」という。まさに悪魔のようなネーミングセンスだと思うが、なんとこのビールのアルコール度数は12%となっており、全くもって阿呆だと思う。ビールのような呷って飲む液体をどんだけキツくしてるのだ!

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 ということで買ってみた

 流石に体調悪い状態で飲む勇気がなかったのだが、全くもって正解である。

 感想を一言でいうと「マズい」二言でいえば「マズくてキツい」

 しかもこのビールは通常の350㎖缶が存在しなく、500㎖のロング缶のみという販売形式。造った方もアホな旅行者がギャグで購入することを見越して、利益率の高いロング缶のみ製造してるのは?と思うのですます。

 2015年5月12日(火) 走行距離8km 累計11617km
      5月13日(水) 走行距離5km 累計11622km
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 ミャンマー10日目 ヤンゴン市内〜バガン行きバス車内

 昨日タイ大使館に預けたパスポートは1日を間に挟み、本日返却される。その受け取り指定時間は午後1時半からなので、その間にバガンへのバスチケットを手配して、最小限の荷物をザックに詰め込みバス移動の準備をする。
 
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 これが引換券

 何故バス移動の用意をしているかといえば、バガン周辺が危険区域となっているために、軍が設けた関所を自転車で通過することができないのだそうだ。バスだとOKなのに・・・ズルい。

 ちなみに当初はバガンまで走行するつもりだったのだが、誰に聞いても「自転車でバガンに行くのは無理だよ。」といわれたので柔軟な思考の結果、予定を変更しバガンへはバスで移動することにした。なお、ゲストハウスに自転車とその他の荷物は預かってもらってた。

 そんな準備をしつつも13時半に3度タイ大使館へ。今回はパスポートの受け取りだけなので10分も待たずに終了。無事にタイビザをゲットすることができ、私も一安心である。

 さて、バガン行きのバスターミナルだが、ヤンゴン中心部から北に約20kmの場所に位置しているようだ。他の宿泊客達はタクシー割り勘で行くらしいが、バスでも電車でも行けるターミナルにそんなお金を出す気はない。1人、市バスに乗って移動することとした。

 43番バスに乗れば長距離バスターミナルまで移動できるよ!とかあったのだが、そもそもビルマ語の数字が読めない私に隙はなかったのである。

 「アウミンガラバスステーション!OK?」・・・と周囲の人に聞きまくり、親切なミャンマー人に助けてもらってどうにか乗車。まぁタクシー使うより面白かったです。

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 料金200チャット(約20円)だし

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 補助ステップだって付いてる

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 港南571号車だもの

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 無茶苦茶人多くなるし、運転荒くて怖かった

 1時間ちょっとで無事にバスターミナルへ到着。ミャンマー地方都市より遥かに大きな町を形成しているバスターミナルを歩き回りつつ、バガン行きのバスを教えてもらう。

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 こんなカッコいい名前のエナジードリンク見たことねぇ!

 20時発のバス 日も暮れてきますな

 無事にトラブルもなく私が乗車するバスを発見し、残りの時間をタクシー使わずに浮いたお金でビール飲んで過ごす。お金の使いどころは「自分が納得できるかどうか」だと思うの。

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 本当にバスだらけ

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 よく発見できたと自分でも思う 

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 これで車内もグッスリだ!

 そういえば明日何時に到着なのかも知らないけれど、定刻20時から15分遅れて、バスは何も告げることなく走り出したのでまぁ気にせずオヤスミナサイ。

 2015年5月14日(木) 走行距離7km 累計11629km
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 ミャンマー11日目 バガン行きバス車内〜バガン市内

 朝4時半に車内放送で目が覚める。よりによってこんなクソ早朝に到着したようだ。まだ頭がボーっとする中で、バスを降りると群がってくるタクシーの客引き。うっわ〜、ウザい。

 自転車旅行者は基本的に自力移動なので、この手の客引きとバトルを繰り広げたりイライラさせられたりすることがなく、私としても始めての体験である。

 町までは4〜5kmの距離だったこともあり、ぼったくられるの嫌だし相手にしないで歩いて行く。太陽登らなければ暑くなから大丈夫ですよ?・・・・多分。

 そんな感じで2kmほど移動すると出てくるのは検問所。係員曰く「バガンに入るには20$必要だぜ」とのこと。なんだよその調子乗った価格設定は!舐めてんのか。

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 ナマイキである

 まぁ引き返すわけにもいかないので料金支払う。観光地ってのは取れるところでガンガン徴収してきますね、まったく。

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 早朝だったのでミャンマーでの托鉢を見かける

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 近所で寄り集まって朝食を作っている模様

 とりあえず宿にチェックインし、ロシナンテ号の代わりとなるレンタルサイクルを借りてバガンの遺跡群へと向かう。

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 2日間よろしくな!ロシナンテ号代理 

 アンコール遺跡群・ボロブドゥール遺跡群と並ぶ仏教三大遺跡群と呼ばれるバガンの遺跡群だが、ゲストハウス等が集中している地域から西に5kmほど離れた位置がその中心である。とはいえ道中にも大小無数の寺院遺跡があるため、ちょこちょこ寄り道しながらの散策。

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 普通のパゴダもあるけど

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 やっぱりこの町は遺跡ですよね

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 平面顔

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 野生のコウモリって始めてかも

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 上から見ると遺跡の多さがよく分かる

 1つ1つの寺院規模が巨大なわけではないが、とにかく無数に遺跡が乱立する。特に法則があるわけでもなく、内部に仏像が置かれていたりいなかったり。やっぱり規模の大きな遺跡は人気らしく、周辺には土産物屋が所狭しと軒を連ねて客引きに熱心である。

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 それでも観光客は少な目で嬉しい

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 個々の遺跡には説明文がある・・・けど読めないッス

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 いい表情

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 近づくと所々金箔が取れてるのが分かる

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 人も猿も〜

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 正直、同じようなのばかりで違いは分からん

 簡単に1周して一旦宿へと避難。暑い日中は昼寝して休み、「バガンはサンセットが素晴らしいわよ、ここに行って見なさい!」と宿のオバちゃんが強くお勧めしてくることもあり、16時過ぎから再出発。正直、このボロい自転車で往復10kmを何度も走るのはあんまりなのだけど。

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 他の遺跡を見て時間調整しつつ

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 は〜い、来ましたよ

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 あ〜、早くビール飲みたい

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 なお反対側 

 夕日が沈むのを堪能し、その後ビールも堪能し。さて、明日20時発のバスでヤンゴンへと戻る予定だが、明日1日私は何して過ごそうかね?いっそ躍るか。

 2015年5月15日(金) 走行距離0km(ロシナンテ号で走ってないのでカウントしない)
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